JP5231331B2 - 映像合成方法、映像合成システム - Google Patents

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本発明は、背景にブルーバックなどの特別な背景を使用することなく撮影した映像から、合成用素材のみを切り出して合成用映像を生成する技術に関する。
従来、映画などの映像作品の制作において、合成技術は欠かすことのできないものとなっている。合成用に用いる映像は、ブルーバック合成技術を用いて撮影されることが多い。
ブルーバック合成とは、合成に用いる映像を撮影する際に、青い布などの背景(以下、ブルーバックとする)を用いる技術である。撮影された映像に対して、ブルーバック部分を透明として扱う映像特殊処理を適用して合成用映像を生成し、そこに別の背景映像を合成する。例えば人物と背景を合成する場合は、ブルーバックの前で、合成用素材となる人物を撮影し、撮影した映像のブルーバックの部分に対して、別に用意した背景映像を合成する(例えば、特許文献1または2参照)。
特開平10−042307号公報 特開2007−142726号公報
このブルーバック合成は、ブルーバックを使って撮影された合成用映像を用いる。そのためブルーバック合成には、仮背景となるブルーバックを用意する必要がある。しかし、ブルーバックは、一部の撮影スタジオにしか用意されていない上、撮影スタジオやブルーバックの使用、準備などに多くの費用と手間がかかるという問題があった。
また、撮影スタジオが限られているため、撮り直し等により、急遽、再撮影が必要となった場合、撮影スタジオの確保が難しいという問題もあった。さらに、撮影可能範囲が撮影スタジオやブルーバックの大きさに限られてしまうため、カメラのパンおよびチルトを多用した動きのある映像を撮影するのが難しいという問題もあった。
また、撮影スタジオという人工光の下で撮影された映像と、太陽光の下で撮影された背景映像を合成しようとすると、光の微妙な違いで合成処理後の映像が不自然になってしまうこともあった。
なお、ブルーバックを使わずに合成用映像を生成する方法としては、通常の方法で撮影した映像から、デジタルコンピューター上で動作する画像加工ソフトウェアを用いて、手動で合成用素材を切り出すことも考えられる。しかし、手動では時間と人件費がかかる上、細かい部分を精密に切り出すことができず、微細なニュアンスが失われた不自然な合成用映像になってしまうという問題があった。
また、合成用素材を含む映像から、自動的に合成用素材の輪郭等を検出して、合成用素材を切りだすソフトウェアも考えられるが、動的に変化していく輪郭を検出し、切り出していくという工程において、情報処理が複雑かつ膨大になってしまうという問題があった。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、合成に用いる合成用映像を生成する際において、ブルーバックで撮影された映像を用いることなく、任意の背景で撮影された映像から合成用素材のみが抽出された合成用映像を得ることが可能な映像合成方法および映像合成システムを提供することを目的とする。
本発明は、パンおよびチルト可能に配置された背景用カメラによって撮影可能な多方向の背景を前記背景用カメラによって撮影した背景側映像と、前記背景用カメラと同位置にパンおよびチルト可能に配置された素材用カメラによって前記背景の下で合成用素材が含まれるように撮影した素材側映像と、を用意し、前記背景側映像の複数のフレームにおいて同一の背景位置を示す指標点の位置を比較することにより、前記背景側映像の各フレームの撮影時のパン角度およびチルト角度をフレームごとに算出する角度算出処理と、前記素材側映像の各フレームの撮影時のパン角度およびチルト角度に基づいて、前記素材側映像のフレームごとに前記背景側映像のフレーム群から比較用フレームを選択する背景選択処理と、選択した前記比較用フレームと前記素材側映像の各フレームを比較することにより、前記合成用素材が抽出された合成用映像を生成する背景比較処理と、を行うことを特徴とする、映像合成方法である。
本発明はまた、上記映像合成方法において、前記角度算出処理は、前記背景用カメラ位置を中心とする仮想球体を設定し、比較する2つのフレームのうち、一方の基準フレーム上の前記指標点を前記仮想球体の半径方向に向けて前記仮想球体の表面上に投射した基準投射指標点、および他方の対比フレーム上の前記指標点を前記仮想球体の半径方向に向けて前記仮想球体の表面上に投射した対比投射指標点を求め、前記基準投射指標点および前記対比投射指標点の位置を比較することにより、前記背景側映像の各フレームの撮影時のパン角度およびチルト角度を算出することを特徴とする。
本発明はまた、上記映像合成方法において、前記角度算出処理は、前記背景用カメラの画角および前記背景側映像のフレームの寸法に基づいて前記仮想球体の半径を設定することを特徴とする。
本発明はまた、上記映像合成方法において、前記角度算出処理は、前記仮想球体の中心を、前記背景用カメラのレンズの主点に設定し、前記仮想球体の半径を、前記背景用カメラのレンズの焦点距離と同一に設定することを特徴とする。
本発明はまた、上記映像合成方法において、前記指標点は、前記基準フレームの光学中心に対応する点であることを特徴とする。
本発明はまた、上記映像合成方法において、前記角度算出処理は、前記基準フレームを前記仮想球体の半径方向に向けて前記仮想球体の表面上に投射することで、基準投射フレームを生成し、前記対比フレームを前記仮想球体の半径方向に向けて前記仮想球体の表面上に投射することで、対比投射フレームを生成し、前記基準投射フレームおよび前記対比投射フレームについてパターンマッチングを行うことで、前記指標点以外の同一の背景位置を示す投射特定点を複数求め、前記基準投射フレーム上の前記投射特定点を基準投射特定点に設定すると共に、前記対比投射フレーム上の前記投射特定点を対比投射特定点に設定し、前記基準投射特定点および前記対比投射特定点の位置に基づいて、前記対比投射指標点の位置を算出することを特徴とする。
本発明はまた、上記映像合成方法において、前記角度算出処理は、前記基準投射特定点および前記基準投射指標点の相対的な位置関係に基づいて、前記対比投射指標点の位置を算出することを特徴とする。
本発明はまた、上記映像合成方法において、前記角度算出処理は、前記投射特定点として第1の投射特定点および第2の投射特定点を設定し、前記第1の投射特定点の前記基準投射特定点と前記基準投射指標点の間の第1の距離、および前記第2の投射特定点の前記基準投射特定点と前記基準投射指標点の間の第2の距離を求め、前記第1の投射特定点の前記対比投射特定点から前記第1の距離、且つ前記第2の投射特定点の前記対比投射特定点から前記第2の距離に位置する前記仮想球体の表面上の点を前記対比投射指標点とすることを特徴とする。
本発明はまた、上記映像合成方法において、前記角度算出処理は、前記背景側映像の各フレームの撮影時のロール角度を前記背景側映像のフレームごとに算出し、前記背景比較処理は、前記背景側映像の各フレームの撮影時のロール角度に基づく補正を行うことを特徴とする。
本発明はまた、上記映像合成方法において、前記角度算出処理は、所定の前記投射特定点の前記基準投射特定点と前記基準投射指標点を結ぶ直線と、所定の前記投射特定点の前記対比投射特定点と前記対比投射指標点を結ぶ直線とがなす角度に基づいて、前記背景側映像の各フレームの撮影時のロール角度を求め、前記背景比較処理は、前記背景側映像の各フレームの撮影時のロール角度に基づく補正を行うことを特徴とする。
本発明はまた、上記映像合成方法において、前記背景選択処理は、前記背景側映像のフレームと前記素材側映像のフレームにおいて同一の背景位置を示す選択用指標点の位置を比較することにより、前記素材側映像の各フレームの撮影時のパン角度およびチルト角度をフレームごとに算出することを特徴とする。
本発明はまた、上記映像合成方法において、前記背景選択処理は、前記素材側映像のフレームの撮影時のパン角度およびチルト角度と同一のパン角度およびチルト角度の比較用フレームを選択できない場合、前記素材側映像のフレームの撮影時のパン角度およびチルト角度に近いパン角度およびチルト角度の比較用フレームを複数選択することを特徴とする。
本発明はまた、上記映像合成方法において、前記背景選択処理は、前記素材側映像の各フレームの撮影時のロール角度を前記素材側映像のフレームごとに算出し、前記背景比較処理は、前記素材側映像の各フレームの撮影時のロール角度に基づく補正を行うことを特徴とする。
本発明はまた、上記映像合成方法において、前記背景比較処理は、比較する前記素材側映像のフレームと前記比較用フレームの撮影時のパン角度またはチルト角度が同一でない場合、前記素材側映像のフレームの撮影時のパン角度およびチルト角度と一致するように前記比較用フレームを修正した比較用修正フレームを生成し、前記比較用修正フレームと前記素材側映像のフレームを比較することを特徴とする。
本発明はまた、上記映像合成方法において、前記背景比較処理は、前記素材側映像のフレームの撮影時のロール角度と一致するように前記比較用フレームを修正した前記比較用修正フレームを生成することを特徴とする。
本発明はまた、上記映像合成方法において、前記背景比較処理は、前記比較用フレームの各画素を、仮想球体の半径方向に向けて前記素材側映像のフレームと同一平面上に投射することによって、前記比較用修正フレームを生成することを特徴とする。
本発明はまた、パンおよびチルト可能に配置された背景用カメラによって撮影可能な多方向の背景を前記背景用カメラによって撮影した背景側映像を記憶する背景側映像記憶手段と、前記背景用カメラと同位置にパンおよびチルト可能に配置された素材用カメラによって前記背景の下で合成用素材が含まれるように撮影した素材側映像を記憶する素材側映像記憶手段と、前記背景側映像の複数のフレームにおいて同一の背景位置を示す指標点の位置を比較することにより、前記背景側映像の各フレームの撮影時のパン角度およびチルト角度をフレームごとに算出する角度算出手段と、前記素材側映像の各フレームの撮影時のパン角度およびチルト角度に基づいて、前記素材側映像のフレームごとに前記背景側映像のフレーム群から比較用フレームを選択する背景選択手段と、選択した前記比較用フレームと前記素材側映像の各フレームを比較することにより、前記合成用素材が抽出された合成用映像を生成する背景比較手段と、を備えることを特徴とする、映像合成システムである。
本発明はまた、上記映像合成システムにおいて、前記角度算出手段は、前記背景側映像の各フレームの撮影時のロール角度を前記背景側映像のフレームごとに算出し、前記背景比較手段は、前記背景側映像の各フレームの撮影時のロール角度に基づく補正を行うことを特徴とする。
本発明はまた、上記映像合成システムにおいて、前記背景選択手段は、前記背景側映像のフレームと前記素材側映像のフレームにおいて同一の背景位置を示す選択用指標点の位置を比較することにより、前記素材側映像の各フレームの撮影時のパン角度およびチルト角度をフレームごとに算出することを特徴とする。
本発明はまた、上記映像合成システムにおいて、前記背景選択手段は、前記素材側映像の各フレームの撮影時のロール角度を前記素材側映像のフレームごとに算出し、前記背景比較手段は、前記素材側映像の各フレームの撮影時のロール角度に基づく補正を行うことを特徴とする。
本発明はまた、上記映像合成システムにおいて、前記背景比較手段は、比較する前記素材側映像のフレームと前記比較用フレームの撮影時のパン角度またはチルト角度が同一でない場合、前記素材側映像のフレームの撮影時のパン角度およびチルト角度と一致するように前記比較用フレームを修正した比較用修正フレームを生成し、前記比較用修正フレームと前記素材側映像のフレームを比較することを特徴とする。
本発明はまた、上記映像合成システムにおいて、前記背景比較手段は、前記素材側映像のフレームの撮影時のロール角度と一致するように前記比較用フレームを修正した前記比較用修正フレームを生成することを特徴とする。
本発明の映像合成方法または映像合成システムによれば、いかなる背景環境であっても、合成用映像を生成することができる。この結果、ブルーバック用の撮影スタジオの使用料の負担や、事前準備等の手間が軽減される。さらに、カメラをパンまたはチルトさせながら合成用素材を撮影し、背景に対する合成用素材の位置が大きく変化する場合であっても、合成用映像を効率的に生成することができる。
本発明の実施形態の映像合成方法の概念を示した図である。 本発明の実施形態の映像合成システムの概略構成図である。 コンピュータが備える内部構成を示した図である。 本発明の実施形態におけるパン角度θおよびチルト角度φを示した図である。 (a)および(b)本発明の実施形態におけるロール角度ψを示した図である。 ビデオカメラによる撮影を模式的に示した図である。 ビデオカメラの回転を天球上に沿った背景の移動に置き換えて示した模式図である。 仮想球体上の投射点の求め方を示した図である。 (a)〜(c)背景側映像のフレームの例を示した図である。 (a)および(b)図9に示したフレーム上の各点を仮想球体上に投射した場合を示した図である。 (a)〜(c)選択用三次元画像の例を示した概略図である。 合成用映像生成処理の手順を示したフローチャートである。 角度算出処理の手順を示したフローチャートである。 各角度θ、φ、ψを算出する具体的な方法を示した図である。 各角度θ、φ、ψを算出する具体的な方法を示した図である。 背景選択処理の手順を示したフローチャートである。 (a)および(b)背景選択処理の具体的な方法を示した図である。 背景比較処理の手順を示したフローチャートである。 (a)および(b)背景比較処理の具体的な方法を示した図である。 (a)および(b)背景比較処理の具体的な方法を示した図である。
以下に、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明はこれらの図面に限定されるものではないことは予め言及しておく。
<基本思想>
まず、本実施形態の全般に亘る基本思想について説明する。図1は、本実施形態の映像合成方法の概念を示した図である。
同図に示されるように、本実施形態では、まず、任意背景を撮影して生成した背景側映像10を準備する。そして、同じ背景下で合成用素材(例えば、人物)20が含まれるように撮影した素材側映像12と、この合成用素材20の背景として事後的に挿入する例えば梅22およびつくし24を撮影した挿入用背景映像14を準備する。
次に、素材側映像12の各フレームと(例えば、チューリップ26が撮影された背景)と同じ背景である比較用フレーム10aを、背景側映像10のフレーム群から素材側映像12のフレームごとに選択し、抽出する(背景選択処理)。これにより、合成用素材20が映っているかいないかのみ異なる二つの映像(フレーム)12、10aが用意されたこととなる。そして、この素材側映像12の各フレームおよび比較用フレーム10aを比較し、異なっている部分を抽出することで、合成用素材20のみが切り取られた合成用映像14を得る(背景比較処理)。この合成用映像14に挿入用背景映像16を合成することによって、例えば梅22およびつくし24を背景とした合成用素材(人物)20の最終映像18が完成する。
なお、これらの背景側映像10および素材側映像12は、同一の位置に配置されたカメラ(ビデオカメラ)をパンまたはチルトさせることによって撮影する。このように、カメラ位置を固定することによって、背景部分の映像を処理する場合に、カメラから一定の距離に存在する背景、すなわち任意の半径の天球上に存在する背景として扱うことが可能となる。背景側映像10を撮影するカメラ、および素材側映像12を撮影するカメラは、同一の位置に配置されるものであれば、同一のカメラまたは異なるカメラのいずれであってもよい。
<映像合成システム>
次に、本発明の実施形態に係る映像合成システムについて説明する。図2は、この映像合成システム100の概略構成図である。
図2において、101は、ビデオカメラで撮影した背景側映像であり、102は、ビデオカメラで撮影した素材側映像である。104は、背景側映像101が記憶されるハードディスク(背景側映像保存手段)であり、105は、素材側映像102が記憶されるハードディスク(素材側映像保存手段)である。そして、106は、背景側映像101を構成するフレームであり、107は、背景側映像103を構成するフレームである。
また、108は、CPU(中央演算装置)やメモリ、通信バス、複数の入出力インターフェース等を備えたコンピュータであり、109は、このコンピュータ108で実行されるプログラムが保存されているハードディスク(プログラム保存手段)である。110は、このコンピュータ108によって背景比較処理を行った後に生成される合成用フレーム(合成用素材のみが切り取られたフレーム)であり、111は、この合成用フレーム110を記憶したハードディスク(合成用映像保存手段)である。そして、112は、この合成用フレーム110によって構成される合成用映像である。
図3は、コンピュータ108が備える内部構成を示した図である。なお、この内部構成は、コンピュータ108のメモリ121に上記プログラムが一旦格納され、このプログラムがCPU(中央演算処理装置)120で実行されることで得られる各種機能も含んでいる。
コンピュータ108は、自身の全体を制御するCPU120と、RAM等からなるメモリ121を備えていると共に、背景側映像保存手段104、素材側映像保存手段105、プログラム保存手段109、および合成用映像保存手段111にそれぞれ接続される入出力インターフェース(I/O)122、123、124、125を備えている。また、プログラムをCPU120で実行することで得られる機能構成として、角度算出手段130、背景側映像角度データベース生成手段132、選択用三次元画像生成手段134、背景選択手段136、および背景比較手段138を備えている。
<角度算出手段>
次に、角度算出手段130の機能について説明する。角度算出手段130は、後述する角度算出処理を実行し、背景側映像101を構成する各フレーム106の撮影時におけるパン角度θおよびチルト角度φを算出するものである。図4は、本実施形態におけるパン角度θおよびチルト角度φを示した図である。同図に示されるように、本実施形態では、撮影スタジオ内または屋外等の任意の位置に配置したビデオカメラ200によって背景側映像の撮影を行う。
このビデオカメラ200は、雲台300の上に載置されており、パンおよびチルトさせることによって任意の撮影方向にビデオカメラ200を向けることが可能となっている。なお、本実施形態では、垂直方向の軸を中心にビデオカメラ200を回転させ、撮影方向を水平面内で変化させる動作を「パン」、水平方向の軸を中心にビデオカメラ200を回転させ、撮影方向を垂直面内で変化させる動作を「チルト」と呼んでいる。各フレーム106の撮影時のパン角度θおよびチルト角度φを求めることにより、各フレーム106の撮影時の撮影方向を特定することができる。
ビデオカメラ200を所定の位置に固定し、パンおよびチルトさせながら撮影を行う場合、ビデオカメラ200と背景の距離が変化しないため、全ての背景がビデオカメラ200を中心とする任意の半径の天球400上(天球400の表面上)にあるものと見なすことができる。従って、各フレーム106撮影時のパン角度θおよびチルト角度φを算出して撮影方向を特定することにより、背景側映像101の各フレーム106の撮影領域402が天球400上のどこに位置しているかを特定することができる。
また、角度算出手段130は、背景側映像101を構成する各フレーム106の撮影時におけるロール角度ψを算出する。図5(a)および(b)は、本実施形態におけるロール角度ψを示した図である。同図(a)に示されるように、ビデオカメラ200を所定の角度にチルトさせた状態でパンさせた場合、ビデオカメラ200は、背景に対して光学中心を軸にしてロール回転することとなる。従って、例えば同図(a)における撮影領域402a、402b、402cを撮影したときにビデオカメラ200に映し出される映像をそれぞれ502a、502b、502cとした場合、これらの映像502a〜502cは、同図(b)に示されるように、背景に対して円弧状に移動すると共に光学中心Oを中心として回転するように映し出されることとなる。角度算出手段130は、この光学中心0を中心とするロール回転の角度をロール角度ψとして算出する。
次に、本実施形態の角度算出手段130による、上述のパン角度θ、チルト角度φおよびロール角度ψの算出方法について説明する。まず、図6〜10を用いて、各角度θ、φ、ψの算出方法の原理について説明する。
図6は、ビデオカメラ200による撮影を模式的に示した図である。同図においては、ビデオカメラ200が備えている複数のレンズを1つのレンズとみなした仮想レンズ202として示し、その中心を主点204としている。そして、この仮想レンズ202の焦点位置に、例えばCCD等からなる撮像素子206が配置され、仮想レンズ202を通過した光を受光するものとしている。
同図では、ビデオカメラ200を主点204を中心に回転させてパンまたはチルトさせることにより、撮像素子206に映し出される映像が、撮影領域402dから撮影領域402eに変化した場合を示している。背景の一部である物体404は、主点204を中心とする天球400上に制止しており、物体404から仮想レンズ202の主点204に入射する光の方向は、ビデオカメラ200の位置が固定されているため一定となる。このため、撮像素子206が受光する物体404の写像504の位置は、ビデオカメラ200の回転による撮像素子206の移動に応じて変化する。具体的にこの例では、撮像素子200の端部側(図の左端部側)に向けて写像504の位置が変化する。
背景とビデオカメラ200の位置関係は相対的なものであるため、ビデオカメラ200の回転は、天球400上に沿った背景の移動に置き換えることができる。図7は、ビデオカメラ200の回転を天球400上に沿った背景の移動に置き換えて示した模式図である。
同図に示されるように、ビデオカメラ200の回転に伴って、物体404は撮影領域402内の天球400上を移動する。そして、この物体404の移動に応じて、撮像素子206が受光する物体404の写像504の位置が変化することとなる。但し、撮像素子206上の写像504の移動は、物体404の球面上の移動を平面上の移動に変換したものとなっている。このため、写像504は、同一のビデオカメラ200の回転に対し、撮像素子206上の位置に応じた異なる態様で移動することとなる。さらに、ビデオカメラ200がロール回転する場合には、写像504の移動は、光学中心からの距離に比例した回転移動が加わったさらに複雑なものとなる。
そこで、本実施形態では、仮想レンズ202の主点204を中心とし、撮像素子206の光学中心Oに接する仮想球体600を設定し、この仮想球体600上(仮想球体600の表面上)における写像504に対応する点(投射点)604の移動に基づいて、各角度θ、φ、ψを算出する。この仮想球体600上の投射点604の移動は、ビデオカメラ200をパンまたはチルトさせることによる天球400上の物体404の相対移動に相似した移動(経路が天球400と仮想球体600の半径の比だけ縮小された移動)に、ロール回転による回転移動が加わったものとなる。
図8は、仮想球体600上の投射点の求め方を示した図である。上述のように、仮想球体600は、仮想レンズ202の主点204を中心とし、撮像素子206の光学中心Oに接する球体である。従って、仮想球体600の半径は、仮想レンズ202の焦点距離と等しいとみなすことができる。また、ビデオカメラ200の対角画角をα、撮像素子206の対角線の長さをLとした場合、仮想球体600の半径dは、例えば次の式によって求められる。
Figure 0005231331
そして、本実施形態では、撮像素子206上(フレーム上)の各点(画素)を仮想球体600の半径方向、すなわち仮想球体600の中心である主点204に向けて仮想球体600の表面上に投射した点を、撮像素子206上(フレーム上)の各点に対応する投射点とする。
例えば、同図において、撮像素子206上の点506aの投射点は仮想球体600上の点606aであり、撮像素子206上の点506bの投射点は仮想球体600上の点606bである。このように、撮像素子206上の点を仮想球体600の半径方向に向けて仮想球体600の表面上に投射した点を投射点とすることにより、例えば、天球400上の点406aの写像が点506aである場合、点406a、主点204、および点506aを結ぶ直線状に点606aが位置することとなるため、点606aは、仮想球体600上において正確に点406aの位置を示す点となっている。同様に、点606bは、仮想球体600上において正確に点406bの位置を示す点となっている。
撮像素子206上のその他の各点、例えば点506c、506d、506eの投射点はそれぞれ点606c、606d、606eとなる。また、撮像素子206の光学中心Oに対応する点506fとその投射点606fは、同一点に位置することとなる。
また、本実施形態では、主点204を原点とし、水平方向をx方向、垂直方向をy方向、ビデオカメラ200の光学中心の軸方向をz方向として空間座標(x,y,z)を設定している。従って、仮想球体600の半径をdとすると、撮像素子206上における座標(x,y,z)の点に対応する仮想球体600上の投射点の座標(x',y',z')は、例えば次の数式によって求められる。
Figure 0005231331
図9(a)〜(c)は、背景側映像101のフレーム106の例を示した図である。この例では、同図(a)に示されるように、フレーム106aにおいて、光学中心に対応する点O、ならびに点Pおよび点Qから構成される三角形OPQが映し出されている。そして、フレーム106aの撮影方向からビデオカメラ200をパンおよびチルトさせて撮影したフレームがフレーム106bである。同図(b)に示されるように、フレーム106bでは、ビデオカメラ200のパンおよびチルトに伴って背景が相対的に移動することにより、点Oが点O'に移動し、点Pが点P'に移動し、点Qが点Q'に移動している。すなわち、フレーム106aにおける三角形OPQは、フレーム106bでは三角形O'P'Q'となって映し出されている。また、フレーム106bは、ビデオカメラ200がパンおよびチルトされた結果、背景である三角形O'P'Q'に対してロール回転した状態となっている。
同図(c)は、三角形OPQから三角形O'P'Q'への移動を1つのフレーム上において示した図である。上述のように、天球400上から平面上の移動への変換、およびビデオカメラ200のロール回転の影響により、フレーム上における点Oから点O'への移動、点Pから点P'への移動、および点Qから点Q'への移動は、それぞれ異なる態様となる。すなわち、フレーム上では、同図(c)に示されるように、各点が映し出されている位置に応じて移動距離および移動方向が変化するため、三角形OPQおよび三角形O'P'Q'は異なる形状となる。
三角形OPQおよび三角形O'P'Q'は、同一の背景が映し出されたものであるため、両フレーム106a、106bにおいて同一の形状に映し出されると一般的には認識されている。しかし、実際には、フレーム106aおよびフレーム106bにおける位置が異なっている場合、三角形OPQおよび三角形O'P'Q'は、異なる形状に映し出されることとなる。すなわち、本実施形態のように、所定の位置にビデオカメラ200を配置し、パンおよびチルトさせて背景側映像101または素材側映像102を撮影する場合、撮影方向が異なるフレーム上においては、同一の背景であっても異なる形状に映し出されるようになっている。このため、背景側映像101を構成する各フレーム106または素材側映像102を構成する各フレーム107から2つのフレームを抽出してパターンマッチングを行い、これにより2つのフレームにおいて同一の背景位置を示す点を求めることは、困難である。
図10(a)および(b)は、図9に示したフレーム106aおよびフレーム106b上の各点を、図8等で示した仮想球体600上に投射した場合を示した図である。これらの図では、点oが点Oの投射点であり、点pが点Pの投射点であり、点qが点Qの投射点である。また、点o'が点O'の投射点であり、点p'が点P'の投射点であり、点q'が点Q'の投射点である。
仮想球体600上に投射された三角形opqおよび三角形o'p'q'は、それぞれ天球400上の背景における同一の三角形と相似する形状(天球400と仮想球体600の半径の比だけ縮小された形状)となる。このため、三角形opqおよび三角形o'p'q'は、同図(a)に示されるように、仮想球体600上の位置によらず、互いに同一な形状(合同)となる。すなわち、本実施形態のような撮影を行う場合、フレーム上の点(画素)を仮想球体600上に投射して得られる部分球面状の投射フレームにおいては、撮影方向が異なるフレームであっても、同一の背景であれば同一の形状に映し出されるようになっている。従って、2つの投射フレームについてパターンマッチングを行うようにすれば、2つのフレームにおいて同一の背景位置を示す点を比較的容易に特定することができる。
また、同図(a)において、点oはフレーム106aの光学中心に対応する点である。このため、仮想球体600上における点oから点o'への移動はビデオカメラ200の光学中心の移動、すなわちパン角度θおよびチルト角度φに応じた撮影方向の移動を示している。従って、仮想球体600上の点oから点o'への移動に基づいて、フレーム106aとフレーム106bの間のパン角度θおよびチルト角度φを求めることができる。
点oの座標は、フレーム106a上の点Oと同一であり、仮想球体600の半径をdとした場合、座標(0,0,d)となる。従って、点o'の座標が(x,y,z)である場合、例えば次の式でパン角度θおよびチルト角度φを求めることができる。
Figure 0005231331
また、点pから点p'への移動および点qから点q'への移動は、フレーム106aからフレーム106bまでのパン角度θおよびチルト角度φに加え、ロール角度ψに応じたものとなっている。ロール回転は点oまたは点o'を中心に生じるため、同図(b)に示されるように、三角形o'p'q'を仮想球体600上で移動させて点oと点o'を一致させた場合、三角形opqおよび三角形o'p'q'はロール角度ψだけ傾いた状態で互いに重なる。点pの座標が(x,y,z)、同図(b)に示される移動後の点p'の座標が(x,y,z)である場合、例えば次の式でロール角度ψを求めることができる。
Figure 0005231331
<コンピュータの備えるその他の機能構成>
次に、コンピュータ108の備えるその他の機能構成について説明する。
背景側映像角度データベース生成手段132は、後述する背景側映像角度データベース生成処理を実行することで、角度算出手段130が算出した各角度θ、φ、ψと背景側映像の各フレーム106を対応付けた背景側映像角度データベースを生成するものである。後述する背景選択手段136は、この背景側映像角度データベースを参照して、背景側映像101を構成する複数のフレーム106の中から比較用フレームを選択する。
選択用三次元画像生成手段134は、後述する選択用三次元画像生成処理を実行することで、背景側映像角度データベースに基づいて背景側映像101の各フレーム106を仮想球体600上にマッピングした選択用三次元画像を生成するものである。
図11(a)〜(c)は、選択用三次元画像の例を示した概略図である。なお、同図(a)および(c)では、三択用三次元画像の一部の断面を示している。同図(a)に示されるように、選択用三次元画像生成手段134は、各フレーム106のパン角度θおよびチルト角度φを仮想球体600上の球座標(θ,φ)として、背景側映像101の各フレーム106を仮想球体上に配置して構成した選択用三次元画像700を生成する。詳細には、同図(b)に示されるように、仮想球体600上のパン角度θおよびチルト角度φに対応する座標点に各フレーム106の光学中心に対応する点Oが位置した状態で各フレーム106が仮想球体600に接するように、各フレーム106を配置する。さらに、各フレーム106を、点Oを中心にロール角度ψだけ回転し、各フレーム106の背景を天球400上の背景に対応する位置に一致させる補正を行う。従って、選択用三次元画像700は、二次元の各フレーム106を三次元状に配置することで、天球400上の背景を模した画像データとして生成される。
このように、背景側映像101の各フレーム106をパン角度θおよびチルト角度φに基づいて仮想球体600上にマッピングすることにより、背景側映像101の各フレーム106上の各点(画素)に対応する球座標を特定することが可能となる。
なお、同図(c)に示されるように、マッピングされた各フレーム106の画素を仮想球体600上に投射することで球体状のパノラマ画像を合成し、これを選択用三次元画像700としてもよい。各フレーム106の画素の仮想球体600上への投射は、仮想球体600の半径方向に向けて行う。このように、球体状のパノラマ画像として構成した選択用三次元画像700は、背景を含む天球400(または天球400の一部)の相似形の画像データとなる。
背景選択手段136は、後述する背景選択処理を実行し、素材側映像102のフレーム107ごとに、同一の背景部分を含む比較用フレームを背景側映像101を構成する複数のフレーム106の中から選択して抽出するものである。背景選択手段136が実行する処理の詳細については、後述する。
背景比較手段138は、後述する背景比較処理を実行し、素材側映像102の各フレーム107から背景部分を抜き出し、合成用素材のみが切り取られた合成用フレーム110を生成するものである。背景比較手段138が実行する処理の詳細については、後述する。
<合成用映像生成処理>
次に、背景側映像101および素材側映像102から合成用映像112を生成する合成用映像生成処理の手順について説明する。図12は、合成用映像生成処理の手順を示したフローチャートである。
まず、ステップS101では、角度算出手段130が背景側映像101のフレーム106について角度算出処理を実行し、背景側映像101のフレーム106ごとに各角度θ、φ、ψを算出する。角度算出処理の詳細な手順については、後述する。
ステップS102では、背景側映像101の全てのフレーム106について各角度θ、φ、ψを算出したか否かを判定する。全てのフレーム106について各角度θ、φ、ψを算出していない場合はステップS101に戻り、所定の順番で残りのフレーム106について角度算出処理を実行する。全てのフレーム106について各角度θ、φ、ψを算出した場合は、ステップS103に進む。
ステップS103では、背景側映像角度データベース生成手段132が背景側映像角度データベース生成処理を実行し、背景側映像角度データベースを生成する。生成した背景側映像角度データベースは、背景側映像保存手段104に記憶する。ステップS104では、選択用三次元画像生成手段が選択用三次元画像生成処理を実行し、選択用三次元画像700を生成する。生成した選択用三次元画像700は、背景側映像保存手段104に記憶する。なお、背景側映像角度データベースおよび選択用三次元画像700を、背景側映像保存手段104以外の専用保存手段に記憶するようにしてもよい。
ステップS105では、背景選択手段136が素材側映像102のフレーム107について背景選択処理を実行し、素材側映像102のフレーム107ごとに比較用フレームを選択する。背景選択処理の詳細な手順については、後述する。
ステップS106では、背景比較手段が、素材側映像102のフレーム107について背景比較処理を実行し、合成用フレーム110を生成する。ここでは、ステップS105で選択した比較用フレームを使用して背景比較処理を実行する。また、生成した合成用フレーム110は、合成用映像保存手段111に記憶する。背景比較処理の詳細な手順については、後述する。
ステップS107では、素材側映像102の全てのフレーム107について背景比較処理を実行したか否かを判定する。全てのフレーム107について背景比較処理を実行していない場合はステップS105に戻り、所定の順番で残りのフレーム106について背景選択処理および背景比較処理を実行する。全てのフレーム106について背景比較処理を実行した場合は、処理を終了する。
以上の手順により、合成用映像保存手段111に記憶された複数の合成用フレーム110によって構成される合成用映像112が生成される。そして、この合成用映像112の各合成用フレーム11にそれぞれ挿入用背景映像を合成することにより、最終映像が完成する。
<角度算出処理>
次に、上記合成用映像生成処理のステップS101における角度算出処理の手順の詳細について説明する。図13は、角度算出処理の手順を示したフローチャートであり、図14および15は、各角度θ、φ、ψを算出する具体的な方法を示した図である。
まず、ステップS201では、背景側映像101を構成する複数のフレーム106から各角度θ、φ、ψの基準とする基準フレーム106S(図14(a)参照)と、この基準フレーム106Sと比較する対比フレーム106C(図14(b)参照)を抽出する。本実施形態では、基準フレーム106Sに対する対比フレーム106Cの各角度θ、φ、ψを求めることにより、対比フレーム106Cの撮影時の各角度θ、φ、ψを求める。
本実施形態では、まず、最初の1番目のフレーム106の撮影時の各角度θ、φ、ψを基準角度と定義し(例えば、全て0と設定する)、1番目のフレーム106を基準フレーム106S、次の2番目のフレーム106を対比フレーム106Cとし、以下のステップで、2番目のフレーム106の各角度θ、φ、ψを算出する。そして、次回のステップS201では、2番目のフレーム106を基準フレーム106S、次の3番目のフレーム106を対比フレーム106Cとし、3番目のフレーム106の各角度θ、φ、ψを算出する。これを最後のフレーム106まで繰り返すことにより、背景側映像101の全てのフレーム106について各角度θ、φ、ψを算出する。
ステップS202では、基準フレーム106Sの光学中心に対応する点Oをパン角度θおよびチルト角度φを求めるための指標点Sに設定する(図14(a)参照)。さらに、基準フレーム106S上の指標点Sを仮想球体600上に投射した投射点を基準投射指標点sに設定する。なお、基準投射指標点sは基準フレーム106Sの光学中心に対応する点Oの投射点である点oと同一点となるため、基準フレーム106S上の指標点Sの座標と基準投射指標点sの座標は同一の座標となる。
ステップS203では、基準フレーム106Sの全画素を半径方向に向けて仮想球体600上に投射して得られる球面状の基準投射フレーム607S(図14(a)参照)と、対比フレーム106Cの全画素を半径方向に向けて仮想球体600上に投射して得られる球面状の対比投射フレーム607C(図14(b)参照)を生成する。そして、基準投射フレーム607Sおよび対比投射フレーム607Cについて、所定の大きさの比較領域(例えば、画素数が64×64の領域)ごとにパターンマッチングを行い、基準投射フレーム607Sおよび対比投射フレーム607Cにおいて同一のパターン(例えば色情報のパターン)を示す特定比較領域を少なくとも2つ抽出する。このパターンマッチングの手法は、種々の既知の手法を採用することができるが、ロール回転を考慮したパターンマッチング手法を採用する必要がある。
図14(a)および(b)では、同一のパターンを示す特定比較領域AaおよびAa'、ならびに特定比較領域AbおよびAb'を抽出した例を示している。同一のパターンを示す基準投射フレーム607Sの特定比較領域Aaと対比投射フレーム607Cの特定比較領域Aa'は、天球400上の同一の背景部分を示していることとなる。同様に、特定比較領域Abと特定比較領域Ab'は、天球400上の同一の背景部分を示していることとなる。
ステップS204では、各特定比較領域Aa、Aa'、Ab、Ab'の各領域中心の座標を求め、特定比較領域Aaの領域中心を第1の基準投射特定点a、特定比較領域Aa'の領域中心を第1の対比投射特定点a'、特定比較領域Abの領域中心を第2の基準投射特定点b、特定比較領域Ab'の領域中心を第2の対比投射特定点b'と設定する(図15(a)参照)。このように設定した第1の基準投射特定点aおよび第1の対比投射特定点a'は、同一の背景位置を示す仮想球体600上の点となる。同様に、第2の基準投射特定点bおよび第2の対比投射特定点b'は、同一の背景位置を示す仮想球体600上の点となる。
ステップS205では、これらの第1の基準投射特定点a、第1の対比投射特定点a'、第2の基準投射特定点bおよび第2の対比投射特定点b'に基づいて、対比フレーム106C上の指標点(基準フレーム106Sの点Sと同一の背景位置を示す点)S'を仮想球体600上に投射した対比投射指標点s'の座標を算出する。
この対比投射指標点s'の座標の算出では、まず、図15(a)に示されるように、基準投射指標点s、第1の基準投射特定点aおよび第2の基準投射特定点bからなる三角形sabと、対比投射指標点s'、第1の対比投射特定点a'および第2の対比投射特定点b'からなる三角形s'a'b'を設定する。そして、三角形sabと三角形s'a'b'が合同となることに基づいて、対比投射指標点s'の座標を算出する。
具体的には、図15(a)に示されるように、基準投射指標点sと第1の基準投射特定点aの間の距離がsa、基準投射指標点sと第2の基準投射特定点bの間の距離がsbである場合、対比投射指標点s'と第1の対比投射特定点a'の間の距離はsaとなり、対比投射指標点s'と第2の対比投射特定点b'の間の距離はsbとなる。従って、例えば図15(b)に示されるように、第1の対比投射特定点a'を中心として半径をsaとする球体800、第2の対比投射特定点b'を中心として半径をsbとする球体802、および仮想球体600の3つの球体の交点を幾何学的に求めることによって、対比投射特定点s'の座標を求めることができる。
ステップS206では、対比投射特定点s'、第1の基準投射特定点aおよび第1の対比投射特定点a'の座標に基づいて、基準フレーム106Sに対する対比フレーム106Cの各角度θ、φ、ψを算出する。ここでは、例えば上記した数式3および数式4を使用する。
ステップS207では、基準フレーム106Sの各角度θ、φ、ψに基づいてステップS206で求めた各角度θ、φ、ψを修正し、対比フレーム撮影時の各角度θ、φ、ψを求める。
なお、角度算出処理においては、1つの基準フレーム106Sに対して複数の対比フレーム106Cを比較するようにしてもよい。すなわち、本実施形態では、n番目のフレーム106を基準フレーム106Sとした場合はn+1番目のフレーム106のみを対比フレーム106Cとするが、例えば、n番目のフレーム106の基準フレーム106Sに対してn+1〜n+3番目の3つのフレーム106を対比フレーム106Cとして比較するようにしてもよい。
また、第1の基準投射特定点aおよび第1の対比投射特定点a'、ならびに第2の基準投射特定点bおよび第2の対比投射特定点b'を複数セット設定し、セットごとに対比投射指標点s'の座標を算出するようにしてもよい。この場合、各セットによる算出結果を比較することで、パターンマッチングの誤差やレンズディストーション(歪曲収差)等の影響を排除した、より正確な対比投射指標点s'の座標を求めることができる。
また、背景に特徴物がある等、条件によっては、基準フレーム106Sと対比フレーム106Cについて直接パターンマッチングを行うようにしてもよい。このようにすることで、角度算出手段130の処理負荷を低減できる可能性がある。なお、この場合、抽出した特定比較領域の領域中心を仮想球体600上に投射することによって基準投射特定点および対比投射特定点を求めることができる。
また、パターンマッチングにより、基準投射指標点sと同一の背景位置を示す点を抽出することができる場合には、この抽出した点の座標を対比投射指標点s'の座標として求めるようにしてもよい。
<背景選択処理>
次に、上記合成用映像生成処理のステップS105における背景選択処理の手順の詳細について説明する。図16は、背景選択処理の手順を示したフローチャートであり、図17(a)および(b)は、背景選択処理の具体的な方法を示した図である。
まず、ステップS301では、素材側映像102のフレーム107の全画素を半径方向に向けて仮想球体600上に投射して得られる球面状の素材側投射フレーム608を生成する(図17(a)参照)。
ステップS302では、ステップS301で生成した素材側投射フレーム608および選択用三次元画像700について、所定の大きさの比較領域ごとにパターンマッチングを行い、素材側投射フレームおよび選択用三次元画像700において同一のパターンを示す特定比較領域Acを抽出する(図17(a)参照)。ここでは、まず、選択用三次元画像700においてマッピングされた背景用画像101のフレーム106を仮想球体600上に投射した背景側投射フレーム609を生成する(図17(a)参照)。そして、この背景側投射フレーム609および素材側投射フレーム608について上記角度算出処理のステップS203と同様の手法によってパターンマッチングを行う。なお、選択用三次元画像700をパノラマ画像として構成した場合には、選択用三次元画像700をそのままパターンマッチングに使用することができる。特定比較領域Acを抽出したならば、特定比較領域Acの領域中心を選択用指標点cとし、背景側投射フレーム609の光学中心に対応する点oの球座標(θ,φ)から選択用指標点cの仮想球体600上における球座標(θ,φ)を求める。
ステップS303では、選択用指標点cと素材側投射フレーム608の光学中心に対応する点o'の位置関係から、素材側投射フレーム608の光学中心に対応する点o'の球座標(θ,φ)を幾何学的に算出する。算出した素材側投射フレーム608の光学中心に対応する点o'の球座標(θ,φ)の各成分は、それぞれ素材側フレーム107の撮影時のパン角度θ、チルト角度φとなる。
ステップS304では、背景側投射フレーム609に対する素材側投射フレーム608の傾き、および背景側投射フレーム609のロール角度ψから、素材側フレーム107の撮影時のロール角度ψを算出する。
ステップS305では、ステップS303で求めた素材側フレーム107撮影時のパン角度θおよびチルト角度φに基づいて背景側映像角度データベースを参照し、素材側フレーム107撮影時のパン角度θおよびチルト角度φに近いパン角度θおよびチルト角度φである背景側映像101のフレーム106を比較用フレーム113として複数選択する(図17(b)参照)。具体的には、素材側映像102のフレーム107の撮影領域を全てカバーするだけの数の背景側映像101のフレーム106を比較用フレーム113として選択する。
また、素材側映像102のフレーム107の撮影時のパン角度θおよびチルト角度φと同一のパン角度θおよびチルト角度φの背景側映像101のフレーム106がある場合には、このフレーム106を比較用フレーム113として選択する。そして、フレーム106とフレーム107のサイズが異なるためにカバーしていない領域がある場合には、カバーしていない領域をカバーするためのフレーム106を比較用フレーム113としてさらに選択する。
なお、条件によっては、背景側映像101のフレーム106と素材側映像102のフレーム107について直接パターンマッチングを行うようにしてもよい。このようにすることで、角度算出手段130の処理負荷を低減できる可能性がある。
また、背景側映像101のフレーム106を基準フレーム、素材側映像102のフレーム107を対比フレームとして、上述の角度算出処理と同様の処理を行うことにより、素材側映像102のフレーム107の各角度θ、φ、ψを求めるようにしてもよい。
<背景比較処理>
次に、上記合成用映像生成処理のステップS106における背景比較処理の手順の詳細について説明する。図18は、背景比較処理の手順を示したフローチャートであり、図19(a)および(b)、ならびに図20(a)および(b)は、背景比較処理の具体的な方法を示した図である。
まず、ステップS401では、素材側映像102のフレーム107および選択した比較用フレーム113を、それぞれのパン角度θおよびチルト角度φに対応する球座標(θ,φ)に基づいて仮想球体600上にマッピングする(図19(a)参照)。このマッピングにおいては、比較用フレーム113の背景が天球400上の背景に対応する位置と一致するように、比較用フレーム113を自身のロール角度ψだけ光学中心に対応する点を中心にロール回転させる補正を行う。同様に、素材側映像102のフレーム107についても、背景が天球400上の背景に対応する位置と一致するように、フレーム107を自身のロール角度ψだけ光学中心に対応する点を中心にロール回転させる補正を行う。
ステップS402では、仮想球体600上にマッピングした比較用フレーム113の画素を、仮想球体600上にマッピングしたフレーム107と同一平面上に投射することで、比較用修正フレーム113Mを生成する(図19(b)参照)。この比較用フレーム113の画素の投射は、仮想球体600の半径方向に向けて行う。このため、比較用フレーム113の各画素は、天球400上の背景位置に対応する位置からずれることなく、フレーム107と同一平面上に投射されることとなる。
以上の処理により、素材側映像102のフレーム107と同一の各角度θ、φ、ψとなる比較用フレーム113Mを生成することができる。すなわち、素材側映像102のフレーム107と比較用フレーム113Mは、図20(a)に示されるように、素材側映像102のフレーム107に含まれる合成用素材20を除いた背景部分が一致するものとなっている。
ステップS403では、素材側映像102のフレーム107と比較用修正フレーム113Mを比較して合成用フレーム110を生成する。具体的には、まず、図20(a)に示されるように、フレーム107および比較用修正フレーム113Mを、1画素以上の領域である比較領域CAおよびCA'にそれぞれ分割し、同一の位置にある比較領域CAおよびCA'における色の値の差分を算出する。なお、ここで、同一の位置にあるとは、上述の空間座標系ではなく、フレーム上の平面座標系において同一座標となることを示している。
全ての比較領域CAおよびCA'について色の値の差分を算出したら、次に、各比較領域CAおよびCA'における差分の値が所定の閾値を超えるか否かを判定し、差分の値が所定の閾値以下である場合は、その部分は同一の背景部分を映し出しているとして予め定めた特定色(例えば、青色)の色情報を設定し、差分の値が所定の閾値を超えている場合は、その部分は合成用素材20部分を映し出しているとしてフレーム107の色情報を設定する。上記判定を各比較領域について順に実行し、判定結果に応じた色情報を設定していくことで、合成用素材20のみが切り取られた合成用フレーム110を生成することができる。
なお、比較用修正フレーム113Mは、図20(a)に示されるように、素材側映像102のフレーム107と同サイズのフレームを1つ生成するのではなく、図20(b)に示されるように、選択した複数の比較用フレーム113ごとに複数の比較用修正フレーム113Mを生成するようにしてもよい。この場合、例えば図20(b)に示されるように、4つの比較用フレーム113Ma〜113Mdを生成したとすると、比較用修正フレーム113Maがカバーするフレーム107の領域Taについてはフレーム107と比較用修正フレーム113Maについて比較領域CAおよびCA'の色の値の差分を算出し、同様に、フレーム107の領域Tbについてはフレーム107と比較用修正フレーム113Mbについて比較領域CAおよびCA'の色の値の差分を算出し、フレーム107の領域Tcについてはフレーム107と比較用修正フレーム113Mcについて比較領域CAおよびCA'の色の値の差分を算出し、フレーム107の領域Tdについてはフレーム107と比較用修正フレーム113Mdについて比較領域CAおよびCA'の色の値の差分を算出することで、合成用フレーム110を生成することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る映像合成方法および映像合成システム100は、パンおよびチルト可能に配置された背景用カメラ(ビデオカメラ200)によって撮影可能な多方向の背景を背景用カメラによって撮影した背景側映像101と、背景用カメラと同位置にパンおよびチルト可能に配置された素材用カメラ(ビデオカメラ200)によって同じ背景の下で合成用素材20が含まれるように撮影した素材側映像102と、を用意し、背景側映像101の複数のフレーム106において同一の背景位置を示す指標点Sの位置を比較することにより、背景側映像101の各フレーム106の撮影時のパン角度θおよびチルト角度φをフレーム106ごとに算出する角度算出処理と、素材側映像102の各フレーム107の撮影時のパン角度θおよびチルト角度φに基づいて、素材側映像102のフレーム107ごとに背景側映像101のフレーム106群から比較用フレーム113を選択する背景選択処理と、選択した比較用フレーム113と素材側映像102の各フレーム107を比較することにより、合成用素材20が抽出された(合成用素材20のみが切り取られた)合成用映像112を生成する背景比較処理と、を行う。
このため、ビデオカメラ200にパン角度θおよびチルト角度φを測定するためのエンコーダ等を取り付けたり、モーションコントロールカメラ等の高価で複雑な機材を使用したりすることなく、背景側映像101の各フレーム106の撮影時のパン角度θおよびチルト角度φを求めることができる。従って、任意に撮影した背景側映像101を使用しながらも、従来よりも効率的に合成用映像112を生成することができる。
なお、本実施形態では、ビデオカメラ200仮想レンズ202の主点204を中心に、ビデオカメラ200がパンおよびチルトする例を示したが、これに限定されるものではない。ビデオカメラ200のパンおよびチルトの回転中心が主点204からずれている場合であっても、例えば背景側映像101の各フレーム106および素材側映像102の各フレーム107について適宜に画像処理を施すことによって、ずれを修正することができる。
また、角度算出処理は、ビデオカメラ200の位置(詳細には、仮想レンズ202の主点204)を中心とする仮想球体600を設定し、基準フレーム106S上の指標点Sを仮想球体600の半径方向に向けて仮想球体600の表面上に投射した基準投射指標点s、および対比フレーム106C上の指標点S'を仮想球体600の半径方向に向けて仮想球体600の表面上に投射した対比投射指標点s'を求め、基準投射指標点sおよび対比投射指標点s'の位置を比較することにより、背景側映像101の各フレーム106の撮影時のパン角度θおよびチルト角度φを算出する。
このため、フレーム106上における映像の歪みに影響されることなく、背景側映像101の各フレーム106の撮影時のパン角度θおよびチルト角度φを容易且つ正確に求めることができる。
また、角度算出処理は、ビデオカメラ200の画角および背景側映像101のフレーム106の寸法に基づいて仮想球体600の半径を設定する。より詳細には、仮想球体600の中心を、ビデオカメラ200の仮想レンズ202の主点204に設定し、仮想球体600の半径を、ビデオカメラ200の仮想レンズ202の焦点距離と同一に設定する。このようにすることで、フレーム106上の点を仮想球体600上に投射した場合に、天球400上の背景の相似形とすることができる。
また、指標点Sは、基準フレーム106Sの光学中心に対応する点Oであるため、ロール回転の影響を排除することが可能となり、パン角度θおよびチルト角度φの算出を容易にすることができる。
なお、ビデオカメラ200のチルト角度を水平方向に固定した状態でパンのみさせて背景側映像101を撮影した場合、またはビデオカメラ200をチルトのみさせて背景側映像101を撮影した場合にはロール回転が生じないため、光学中心に対応する点O以外の点を指標点Sとすることができる。
また、角度算出処理は、基準フレーム106Sを仮想球体600の半径方向に向けて仮想球体600の表面上に投射することで、基準投射フレーム607Sを生成し、対比フレーム106Cを仮想球体600の半径方向に向けて仮想球体600の表面上に投射することで、対比投射フレーム607Cを生成し、基準投射フレーム607Sおよび対比投射フレーム607Cについてパターンマッチングを行うことで、指標点S以外の同一の背景位置を示す投射特定点(特定比較領域の領域中心)を複数求め、基準投射フレーム607S上の投射特定点を基準投射特定点a、bに設定すると共に、対比投射フレーム607C上の投射特定点を対比投射特定点a'、b'に設定し、基準投射特定点a、bおよび対比投射特定点a'、b'の位置に基づいて、対比投射指標点s'の位置を算出する。より詳細には、基準投射特定点a、bおよび基準投射指標点sの相対的な位置関係に基づいて、対比投射指標点s'の位置を算出する。
このため、パターンマッチングにより指標点Sと同一の背景位置を示す点を対比投射フレーム607C上に発見することが困難であるような場合であっても、対比投射指標点s'の位置を算出することができる。
また、角度算出処理は、投射特定点として第1の投射特定点および第2の投射特定点を設定し、第1の投射特定点の基準投射特定点aと基準投射指標点sの間の第1の距離sa、および第2の投射特定点の基準投射特定点bと基準投射指標点sの間の第2の距離sbを求め、第1の投射特定点の対比投射特定点a'から第1の距離sa、且つ第2の投射特定点の対比投射特定点b'から第2の距離sbに位置する仮想球体600の表面上の点を対比投射指標点s'とする。
このため、幾何学的な計算手法により、正確に対比投射指標点s'の位置を算出することができる。但し、これに限定されるものではなく、近似解法によって対比投射指標点s'の位置を算出するようにしてもよい。
また、角度算出処理は、背景側映像101の各フレーム106の撮影時のロール角度ψを背景側映像101のフレーム106ごとに算出し、背景比較処理は、背景側映像101の各フレーム106の撮影時のロール角度ψに基づく補正を行う。
このため、背景側映像101撮影時のビデオカメラ200のパンまたはチルトに伴ってロール回転が生じるような場合であっても、比較用フレーム113(または比較用修正フレーム113M)を素材側映像102のフレーム107の背景部分に一致させ、高精度に背景比較処理を行うことができる。
また、角度算出処理は、所定の投射特定点の基準投射特定点aと基準投射指標点sを結ぶ直線と、所定の投射特定点の対比投射特定点a'と対比投射指標点s'を結ぶ直線とがなす角度に基づいて、背景側映像101の各フレーム106の撮影時のロール角度ψを求める。
このため、パン角度θおよびチルト角度φを算出するための各点を利用してロール角度ψを算出することができるため、角度算出処理の処理負荷を低減することができる。
また、背景選択処理は、背景側映像101のフレーム106と素材側映像102のフレーム107において同一の背景位置を示す選択用指標点cの位置を比較することにより、素材側映像102の各フレーム107の撮影時のパン角度θおよびチルト角度φをフレーム107ごとに算出する。
このため、ビデオカメラ200にパン角度θおよびチルト角度φを測定するためのエンコーダ等を取り付けたりすることなく、素材側映像102の各フレーム107の撮影時のパン角度θおよびチルト角度φを求めることができる。そして、このパン角度θおよびチルト角度φに基づいて効率的に比較用フレーム113を選択することができる。
また、背景選択処理は、素材側映像102のフレーム107の撮影時のパン角度θおよびチルト角度φと同一のパン角度θおよびチルト角度φの比較用フレーム113を選択できない場合、素材側映像102のフレーム107の撮影時のパン角度θおよびチルト角度φに近いパン角度θおよびチルト角度φの比較用フレーム113を複数選択する。
このため、背景側映像101および素材側映像102がどのようなフレーム構成であっても、比較用フレーム113を選択して背景比較処理を行うことができる。
また、背景選択処理は、素材側映像102の各フレーム107の撮影時のロール角度ψを素材側映像102のフレーム107ごとに算出し、背景比較処理は、素材側映像102の各フレーム107の撮影時のロール角度ψに基づく補正を行う。
このため、素材側映像102撮影時のビデオカメラ200のパンまたはチルトに伴ってロール回転が生じるような場合であっても、高精度に背景比較処理を行うことができる。
また、背景比較処理は、比較する素材側映像102のフレーム107と比較用フレーム113の撮影時のパン角度θまたはチルト角度φが同一でない場合、素材側映像102のフレーム107の撮影時のパン角度θおよびチルト角度φと一致するように比較用フレーム113を修正した比較用修正フレーム113Mを生成し、比較用修正フレーム113Mと素材側映像102のフレーム107を比較する。
このため、背景側映像101および素材側映像102がどのようなフレーム構成であっても、素材側映像102のフレーム107の背景部分と一致する比較用修正フレーム113Mを生成して高精度に背景比較処理を行うことができる。
また、背景比較処理は、比較用フレーム113の各画素を、仮想球体600の半径方向に向けて素材側映像102のフレーム107と同一平面上に投射することによって、比較用修正フレーム113Mを生成する。
このため、比較用修正フレーム113Mを素材側映像102のフレーム107の背景部分と正確に一致させることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の映像合成方法および映像合成システムは、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の映像合成方法および映像合成システムは、各種映像の生成の分野で利用することができる。
10、101 背景側映像
10a、113 比較用フレーム
12、102 素材側映像
14、112 合成用映像
20 合成用素材
100 映像合成システム
104 背景側映像記憶手段
105 素材側映像記憶手段
106 背景側映像のフレーム
106C 対比フレーム
106S 基準フレーム
107 素材側映像のフレーム
113M 比較用修正フレーム
130 角度算出手段
136 背景選択手段
138 背景比較手段
200 ビデオカメラ
202 仮想レンズ
204 仮想レンズの主点
600 仮想球体
607C 対比投射フレーム
607S 基準投射フレーム
O フレームの光学中心に対応する点
a 第1の基準投射特定点
a' 第1の対比投射特定点
b 第2の基準投射特定点
b' 第2の対比投射特定点
c 選択用指標点
S、S' 指標点
s 基準投射指標点
s' 対比投射指標点
sa 基準投射指標点sと第1の基準投射特定点aの間の距離
sb 基準投射指標点sと第2の基準投射特定点bの間の距離
θ パン角度
φ チルト角度
ψ ロール角度

Claims (22)

  1. パンおよびチルト可能に配置された背景用カメラによって撮影可能な多方向の背景を前記背景用カメラによって撮影した背景側映像と、
    前記背景用カメラと同位置にパンおよびチルト可能に配置された素材用カメラによって前記背景の下で合成用素材が含まれるように撮影した素材側映像と、を用意し、
    前記背景側映像の複数のフレームにおいて同一の背景位置を示す指標点の位置を比較することにより、前記背景側映像の各フレームの撮影時のパン角度およびチルト角度をフレームごとに算出する角度算出処理と、
    前記素材側映像の各フレームの撮影時のパン角度およびチルト角度に基づいて、前記素材側映像のフレームごとに前記背景側映像のフレーム群から比較用フレームを選択する背景選択処理と、
    選択した前記比較用フレームと前記素材側映像の各フレームを比較することにより、前記合成用素材が抽出された合成用映像を生成する背景比較処理と、を行うことを特徴とする、
    映像合成方法。
  2. 前記角度算出処理は、
    前記背景用カメラ位置を中心とする仮想球体を設定し、
    比較する2つのフレームのうち、一方の基準フレーム上の前記指標点を前記仮想球体の半径方向に向けて前記仮想球体の表面上に投射した基準投射指標点、および他方の対比フレーム上の前記指標点を前記仮想球体の半径方向に向けて前記仮想球体の表面上に投射した対比投射指標点を求め、
    前記基準投射指標点および前記対比投射指標点の位置を比較することにより、前記背景側映像の各フレームの撮影時のパン角度およびチルト角度を算出することを特徴とする、
    請求項1に記載の映像合成方法。
  3. 前記角度算出処理は、
    前記背景用カメラの画角および前記背景側映像のフレームの寸法に基づいて前記仮想球体の半径を設定することを特徴とする、
    請求項2に記載の映像合成方法。
  4. 前記角度算出処理は、
    前記仮想球体の中心を、前記背景用カメラのレンズの主点に設定し、
    前記仮想球体の半径を、前記背景用カメラのレンズの焦点距離と同一に設定することを特徴とする、
    請求項3に記載の映像合成方法。
  5. 前記指標点は、前記基準フレームの光学中心に対応する点であることを特徴とする、
    請求項2乃至4のいずれかに記載の映像合成方法。
  6. 前記角度算出処理は、
    前記基準フレームを前記仮想球体の半径方向に向けて前記仮想球体の表面上に投射することで、基準投射フレームを生成し、
    前記対比フレームを前記仮想球体の半径方向に向けて前記仮想球体の表面上に投射することで、対比投射フレームを生成し、
    前記基準投射フレームおよび前記対比投射フレームについてパターンマッチングを行うことで、前記指標点以外の同一の背景位置を示す投射特定点を複数求め、
    前記基準投射フレーム上の前記投射特定点を基準投射特定点に設定すると共に、前記対比投射フレーム上の前記投射特定点を対比投射特定点に設定し、
    前記基準投射特定点および前記対比投射特定点の位置に基づいて、前記対比投射指標点の位置を算出することを特徴とする、
    請求項5に記載の映像合成方法。
  7. 前記角度算出処理は、前記基準投射特定点および前記基準投射指標点の相対的な位置関係に基づいて、前記対比投射指標点の位置を算出することを特徴とする、
    請求項6に記載の映像合成方法。
  8. 前記角度算出処理は、
    前記投射特定点として第1の投射特定点および第2の投射特定点を設定し、
    前記第1の投射特定点の前記基準投射特定点と前記基準投射指標点の間の第1の距離、および前記第2の投射特定点の前記基準投射特定点と前記基準投射指標点の間の第2の距離を求め、
    前記第1の投射特定点の前記対比投射特定点から前記第1の距離、且つ前記第2の投射特定点の前記対比投射特定点から前記第2の距離に位置する前記仮想球体の表面上の点を前記対比投射指標点とすることを特徴とする、
    請求項7に記載の映像合成方法。
  9. 前記角度算出処理は、前記背景側映像の各フレームの撮影時のロール角度を前記背景側映像のフレームごとに算出し、
    前記背景比較処理は、前記背景側映像の各フレームの撮影時のロール角度に基づく補正を行うことを特徴とする、
    請求項1乃至8のいずれかに記載の映像合成方法。
  10. 前記角度算出処理は、所定の前記投射特定点の前記基準投射特定点と前記基準投射指標点を結ぶ直線と、所定の前記投射特定点の前記対比投射特定点と前記対比投射指標点を結ぶ直線とがなす角度に基づいて、前記背景側映像の各フレームの撮影時のロール角度を求め、
    前記背景比較処理は、前記背景側映像の各フレームの撮影時のロール角度に基づく補正を行うことを特徴とする、
    請求項6乃至8のいずれかに記載の映像合成方法。
  11. 前記背景選択処理は、前記背景側映像のフレームと前記素材側映像のフレームにおいて同一の背景位置を示す選択用指標点の位置を比較することにより、前記素材側映像の各フレームの撮影時のパン角度およびチルト角度をフレームごとに算出することを特徴とする、
    請求項1乃至10のいずれかに記載の映像合成方法。
  12. 前記背景選択処理は、前記素材側映像のフレームの撮影時のパン角度およびチルト角度と同一のパン角度およびチルト角度の比較用フレームを選択できない場合、前記素材側映像のフレームの撮影時のパン角度およびチルト角度に近いパン角度およびチルト角度の比較用フレームを複数選択することを特徴とする、
    請求項11に記載の映像合成方法。
  13. 前記背景選択処理は、前記素材側映像の各フレームの撮影時のロール角度を前記素材側映像のフレームごとに算出し、
    前記背景比較処理は、前記素材側映像の各フレームの撮影時のロール角度に基づく補正を行うことを特徴とする、
    請求項11または12に記載の映像合成方法。
  14. 前記背景比較処理は、比較する前記素材側映像のフレームと前記比較用フレームの撮影時のパン角度またはチルト角度が同一でない場合、前記素材側映像のフレームの撮影時のパン角度およびチルト角度と一致するように前記比較用フレームを修正した比較用修正フレームを生成し、前記比較用修正フレームと前記素材側映像のフレームを比較することを特徴とする、
    請求項1乃至13のいずれかに記載の映像合成方法。
  15. 前記背景比較処理は、前記素材側映像のフレームの撮影時のロール角度と一致するように前記比較用フレームを修正した前記比較用修正フレームを生成することを特徴とする、
    請求項14に記載の映像合成方法。
  16. 前記背景比較処理は、前記比較用フレームの各画素を、仮想球体の半径方向に向けて前記素材側映像のフレームと同一平面上に投射することによって、前記比較用修正フレームを生成することを特徴とする、
    請求項14または15に記載の映像合成方法。
  17. パンおよびチルト可能に配置された背景用カメラによって撮影可能な多方向の背景を前記背景用カメラによって撮影した背景側映像を記憶する背景側映像記憶手段と、
    前記背景用カメラと同位置にパンおよびチルト可能に配置された素材用カメラによって前記背景の下で合成用素材が含まれるように撮影した素材側映像を記憶する素材側映像記憶手段と、
    前記背景側映像の複数のフレームにおいて同一の背景位置を示す指標点の位置を比較することにより、前記背景側映像の各フレームの撮影時のパン角度およびチルト角度をフレームごとに算出する角度算出手段と、
    前記素材側映像の各フレームの撮影時のパン角度およびチルト角度に基づいて、前記素材側映像のフレームごとに前記背景側映像のフレーム群から比較用フレームを選択する背景選択手段と、
    選択した前記比較用フレームと前記素材側映像の各フレームを比較することにより、前記合成用素材が抽出された合成用映像を生成する背景比較手段と、を備えることを特徴とする、
    映像合成システム。
  18. 前記角度算出手段は、前記背景側映像の各フレームの撮影時のロール角度を前記背景側映像のフレームごとに算出し、
    前記背景比較手段は、前記背景側映像の各フレームの撮影時のロール角度に基づく補正を行うことを特徴とする、
    請求項17に記載の映像合成システム。
  19. 前記背景選択手段は、前記背景側映像のフレームと前記素材側映像のフレームにおいて同一の背景位置を示す選択用指標点の位置を比較することにより、前記素材側映像の各フレームの撮影時のパン角度およびチルト角度をフレームごとに算出することを特徴とする、
    請求項17または18に記載の映像合成システム。
  20. 前記背景選択手段は、前記素材側映像の各フレームの撮影時のロール角度を前記素材側映像のフレームごとに算出し、
    前記背景比較手段は、前記素材側映像の各フレームの撮影時のロール角度に基づく補正を行うことを特徴とする、
    請求項19に記載の映像合成システム。
  21. 前記背景比較手段は、比較する前記素材側映像のフレームと前記比較用フレームの撮影時のパン角度またはチルト角度が同一でない場合、前記素材側映像のフレームの撮影時のパン角度およびチルト角度と一致するように前記比較用フレームを修正した比較用修正フレームを生成し、前記比較用修正フレームと前記素材側映像のフレームを比較することを特徴とする、
    請求項17乃至20のいずれかに記載の映像合成システム。
  22. 前記背景比較手段は、前記素材側映像のフレームの撮影時のロール角度と一致するように前記比較用フレームを修正した前記比較用修正フレームを生成することを特徴とする、
    請求項21に記載の映像合成システム。
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