JP5229221B2 - チェックポイント・キナーゼのインヒビターとしてのトリアゾロキナゾリノン誘導体 - Google Patents

チェックポイント・キナーゼのインヒビターとしてのトリアゾロキナゾリノン誘導体 Download PDF

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Description

細胞周期チェックポイントは、細胞周期移行の順序及びタイミングを制御する調節経路である。それらは、DNA複製及び染色体分離などの重大な事象を高い忠実度で完結させることを保障する。これらの細胞周期チェックポイントの調節は、腫瘍細胞が多くの化学療法と放射線照射に応答する様式においての重要な決定因子である。多くの有効ながん療法はDNA損傷を惹き起こすことにより効力を発するが、これらの薬剤に対する耐性が、がん治療を有意に制限することが問題である。薬物耐性のいくつかのメカニズムの内、重要なもののひとつは、チェックポイント経路の重要な意味を持つ活性化を制御することによる細胞周期の進行を阻止することによるものである。このものは細胞周期を停止させて、修復のための時間を提供し、さらに修復を促進する遺伝子の転写を誘導して、その結果として即時の細胞死を回避する。例えば、G2チェックポイントでのチェックポイント停止を失効させることにより、DNA損傷が誘導する腫瘍細胞死を相乗的に増強し、耐性を回避することが可能となり得る。
ヒトCHK1は、ホスファターゼcdc25(このものはcdc2/サイクリンBの活性化を阻止し、有糸分裂を開始させることに関与し得る)をセリン216上でリン酸化することにより、細胞周期の停止を調節する役割を演じている。したがって、CHK1を阻害すると、DNAの修復が完結する前に有糸分裂が開始され、DNA傷害剤を増強することとなり、結果としてそれが腫瘍細胞死を惹き起こすこととなる。
本発明の目的は、CHK1(Chek1ともいう)のインヒビターである新規化合物を提供することにある。
本発明の目的はまたCHK1のインヒビターである新規化合物を含有してなる医薬組成物を提供することにある。
本発明の目的はまたかかるCHK1活性のインヒビターを投与することを特徴とするがんの治療法を提供することにある。
発明の要旨
本発明はCHK1活性を阻害する置換トリアゾロキナゾリノン類を包含する化合物を提供する。本発明はまた、かかる阻害化合物を含有してなる組成物、及びがんの治療を必要とする患者に該化合物を投与することにより、CHK1活性を阻害する方法をも提供する。
発明の詳細な説明
本発明の化合物はCHK1の活性を阻害する上で有用である。本発明の第一の実施態様において、CHK1のインヒビターは、式(A):
Figure 0005229221
[式中、
aは0又は1であり;bは0又は1であり;mは0、1、又は2であり;nは0、1、2、3、4、5又は6であり;pは0、1又は2であり;
XとY間の破線は二重結合が存在してもよいことを表し;
Wは、O、S及びN−Rから選択され;
X及びYは独立してCH及びNHから選択され;
環Zは、アリール、へテロアリール、へテロシクリル、(C−C)シクロアルケニル及び(C−C)シクロアルキルから選択され;
は独立して、H、CF、オキソ、(C=O)−C10アルキル、(C=O)アリール、(C=O)−C10アルケニル、(C=O)−C10アルキニル、COH、ハロ、OH、O−Cペルフルオロアルキル、(C=O)NR、CN、(C=O)−Cシクロアルキル、S(O)NR、S(O)−(C−C10)アルキル、及び(C=O)ヘテロシクリルから選択され、当該アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、及びヘテロシクリルはRから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
は独立して、H、CF、オキソ、(C=O)−C10アルキル、(C=O)アリール、(C=O)−C10アルケニル、(C=O)−C10アルキニル、COH、ハロ、OH、O−Cペルフルオロアルキル、(C=O)NR、CN、(C=O)−Cシクロアルキル、S(O)NR、S(O)−(C−C10)アルキル、及び(C=O)ヘテロシクリルから選択され、当該アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、及びヘテロシクリルはRから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいか、又は2つのRが一緒になって、各環が3〜7員で、N、O及びSから選択される1個、2個若しくは3個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい単環状若しくは二環状のヘテロ環を形成してもよく、当該単環状若しくは二環状のヘテロ環はR6aから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
は、H、CF、オキソ、(C=O)−C10アルキル、(C=O)アリール、(C=O)−C10アルケニル、(C=O)−C10アルキニル、COH、ハロ、OH、O−Cペルフルオロアルキル、(C=O)NR、CN、(C=O)−Cシクロアルキル、S(O)NR、S(O)−(C−C10)アルキル、及び(C=O)ヘテロシクリルから選択され、当該アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、及びヘテロシクリルはRから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
は、H、CF、オキソ、(C=O)−C10アルキル、(C=O)アリール、(C=O)−C10アルケニル、(C=O)−C10アルキニル、COH、ハロ、OH、O−Cペルフルオロアルキル、(C=O)NR、CN、(C=O)−Cシクロアルキル、S(O)NR、S(O)−(C−C10)アルキル、及び(C=O)ヘテロシクリルから選択され、当該アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、及びヘテロシクリルはRから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
は、CF、オキソ、(C=O)−C10アルキル、(C=O)アリール、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、(C=O)ヘテロシクリル、COH、ハロ、CN、OH、O−Cペルフルオロアルキル、O(C=O)NR、オキソ、CHO、(N=O)R、S(O)NR、S(O)−(C−C10)アルキル、SH又は(C=O)−Cシクロアルキルであり、当該アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、ヘテロシクリル、及びシクロアルキルはR6aから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
6aは、CF、(C=O)(C−C10)アルキル、O(C−C)ペルフルオロアルキル、(C−C)アルキレン−S(O)、オキソ、OH、ハロ、CN、(C−C10)アルケニル、(C−C10)アルキニル、(C−C)シクロアルキル、(C−C)アルキレン−アリール、(C−C)アルキレン−ヘテロシクリル、(C−C)アルキレン−N(R、C(O)R、(C−C)アルキレン−CO、C(O)H、及び(C−C)アルキレン−COHから選択され、当該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、及びヘテロシクリルは、R、OH、(C−C)アルコキシ、ハロゲン、COH、CN、O(C=O)C−Cアルキル、オキソ、及びN(Rから選択される3個までの置換基で置換されていてもよく;
及びRは独立して、H、(C=O)O−C10アルキル、(C=O)O−Cシクロアルキル、(C=O)Oアリール、(C=O)Oヘテロシクリル、C−C10アルキル、アリール、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、へテロシクリル、C−Cシクロアルキル、S(O)、及び(C=O)NR から選択され、当該アルキル、シクロアルキル、アリール、へテロシクリル、アルケニル、及びアルキニルは、R6aから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、又はR及びRがそれらの結合する窒素と一緒になって、各環が3〜7員で、該窒素に加えて、N、O及びSから選択される1個若しくは2個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい単環状若しくは二環状のヘテロ環を形成してもよく、当該単環状若しくは二環状のヘテロ環はR6aから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
は、H、(C−C)アルキル、(C−C)シクロアルキル、アリール、又はヘテロシクリルであり;そして
は独立して、H、(C−C)アルキル、アリール、へテロシクリル、(C−C)シクロアルキル、(C=O)OC−Cアルキル、(C=O)C−Cアルキル又はS(O)である]
で示される化合物又はその医薬的に許容され得る塩若しくは立体異性体である。
本発明の第二の実施態様において、CHK1活性のインヒビターは、式(B):
Figure 0005229221
[式中、
すべての他の置換基及び変数は第一の実施態様に定義のとおりである]
で示されるか、又はその医薬的に許容され得る塩若しくは立体異性体である。
本発明の第三の実施態様において、CHK1活性のインヒビターは、式(C):
Figure 0005229221
[式中、
環Zはフェニル及びナフチルから選択され;
すべての他の置換基及び変数は第一の実施態様に定義のとおりである]
で示されるか、又はその医薬的に許容され得る塩若しくは立体異性体である。
本発明の第四の実施態様において、CHK1活性のインヒビターは、式(D):
Figure 0005229221
[式中、
nは、0、1、2、3又は4であり;
すべての他の置換基及び変数は第一の実施態様に定義のとおりである]
で示されるか、又はその医薬的に許容され得る塩若しくは立体異性体である。
本発明の第五の実施態様において、CHK1活性のインヒビターは、式(E):
Figure 0005229221
[式中、
すべての他の置換基及び変数は第一の実施態様に定義のとおりである]
で示されるか、又はその医薬的に許容され得る塩若しくは立体異性体である。
本発明の具体的化合物としては以下の化合物を含む:
9−(1H−ピラゾール−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−4);
9−ピリジン−3−イル[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−5);
9−クロロ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−6);
9−(1H−ピロール−2−イル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−7);
9−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−8);
9−(1−イソブチル−1H−ピラゾール−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−9);
9−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−10);
9−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−11);
9−(5−メチル−2−フリル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−12);
9−(4−メチル−2−チエニル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−13);
9−(3−チエニル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−14);
9−(4−メチル−3−チエニル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−15);
9−(3−フリル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−16);
9−(2−フリル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−17);
9−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−18);
9−[(1E)−3−アミノプロパ−1−エン−1−イル][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−19);
9−(2−クロロピリジン−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−20);
9−(6−モルホリン−4−イルピリジン−3−イル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−21);
9−ピリジン−4−イル[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−22);
9−キノリン−3−イル[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−23);
9−ピリミジン−5−イル[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−24);
9−(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−25);
9−[4−(アミノメチル)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−26);
6−(2−アミノエトキシ)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(2−4);
6−(3−アミノプロポキシ)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(2−5);
6−[(1E)−3−アミノプロパ−1−エン−1−イル]−9−クロロ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(3−11);
6−(3−アミノプロピル)−9−クロロ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(3−13);
6−ブロモ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(3−14);
6−[(1E)−3−アミノプロパ−1−エン−1−イル][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(3−15);
6−(3−アミノプロピル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(3−16);
6,7,8,9−テトラヒドロベンゾ[f][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−1(2H)−オン(3−17);
8,9,10,11−テトラヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(3−18);
ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(3−19);
6−(3−ヒドロキシプロピル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(4−2);
6−[3−(メチルアミノ)プロピル][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(5−6);
6−{3−[(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ]プロピル}[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(5−7);
6−[3−(エチルアミノ)プロピル][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(5−8);
6−(3−アミノ−2−フルオロプロピル)−9−クロロ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(6−5);
6−[(1E)−3−アミノプロパ−1−エン−1−イル)ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−8);
6−(3−アミノプロピル)ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−10);
6−(3−アミノプロピル)−5.6−ジヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−11);
6−ピリジン−3−イルベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−12);
6−[4−(アミノメチル)フェニル]ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−13);
6−[4−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−14);
6−(1,2,3,6−テトラヒドロ−4−ピリジニル)−ベンゾ[g]−1,2,4−トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−15);
6−(6−アミノピリジン−3−イル)ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−16);
6−[3−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−17);
6−[3−(ピペリジン−1−イルメチル)フェニル]ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−18);
6−[3−(アミノメチル)フェニル]ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−19);
6−(2−アミノエチル)ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−20);
6−イソキノリン−5−イルベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−21);
6−キノリン−5−イルベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−22);
6−(3−アミノフェニル)ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−23);
6−ピペリジン−4−イルベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−24);
2,2,2−トリフルオロ−N−[4−(3−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−6−イル)フェニル]アセトアミド(7−25);
6−(4−アミノフェニル)ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−26);
6−ピリジン−4−イルベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−27);
6−(3−アミノプロピル)−10−メチルベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−28);
6−(3−アミノプロピル)−10−フルオロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−29);
6−(3−アミノプロピル)−9,11−ジフルオロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−30);
tert−ブチル[(2Z)−3−(10−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−31);
6−[(1Z)−3−アミノプロパ−1−エン−1−イル]−10−メチルベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−32);
6−[(1Z)−3−アミノプロパ−1−エン−1−イル]−10−クロロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−33);
6−[4−(アミノメチル)フェニル]−10−メチルベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−34);
6−(3−アミノプロピル)−10−クロロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−35);
6−[(1Z)−3−アミノプロパ−1−エン−1−イル]−9,10−ジフルオロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−36);
6−(3−アミノプロピル)−9,10−ジフルオロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−37);
6−(3−アミノプロピル)−10−(トリフルオロメチル)ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−38);
6−(3−アミノプロピル)−2,6−ジヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]キナゾリン−3,5−ジオン(8−8);
2,6−ジヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]キナゾリン−3,5−ジオン(8−9);及び
6−(3−アミノプロピル)−2,6−ジヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]キナゾリン−3,5−ジオン(8−10);
又はその医薬的に許容され得る塩若しくは立体異性体。
本発明化合物のTFA塩は以下の化合物を含む:
9−(1H−ピラゾール−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−4);
9−ピリジン−3−イル[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−5);
9−クロロ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−6);
9−(1H−ピロール−2−イル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−7);
9−(1−メチル−1H−ピラゾール−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−8);
9−(1−イソブチル−1H−ピラゾール−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−9);
9−(3,5−ジメチル−1H−ピラゾール−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−10);
9−(1,3,5−トリメチル−1H−ピラゾール−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−11);
9−(5−メチル−2−フリル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−12);
9−(4−メチル−2−チエニル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−13);
9−(3−チエニル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−14);
9−(4−メチル−3−チエニル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−15);
9−(3−フリル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−16);
9−(2−フリル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−17);
9−(3,5−ジメチルイソオキサゾール−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−18);
9−[(1E)−3−アミノプロパ−1−エン−1−イル][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−19);
9−(2−クロロピリジン−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−20);
9−(6−モルホリン−4−イルピリジン−3−イル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−21);
9−ピリジン−4−イル[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−22);
9−キノリン−3−イル[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−23);
9−ピリミジン−5−イル[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−24);
9−(2,4−ジメトキシピリミジン−5−イル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−25);
9−[4−(アミノメチル)フェニル][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−26);
6−(2−アミノエトキシ)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(2−4);
6−(3−アミノプロポキシ)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(2−5);
6−[(1E)−3−アミノプロパ−1−エン−1−イル]−9−クロロ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(3−11);
6−(3−アミノプロピル)−9−クロロ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(3−13);
6−ブロモ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(3−14);
6−[(1E)−3−アミノプロパ−1−エン−1−イル][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(3−15);
6−(3−アミノプロピル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(3−16);
6,7,8,9−テトラヒドロベンゾ[f][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−1(2H)−オン(3−17);
8,9,10,11−テトラヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(3−18);
ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(3−19);
6−(3−ヒドロキシプロピル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(4−2);
6−[3−(メチルアミノ)プロピル][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(5−6);
6−{3−[(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ]プロピル}[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(5−7);
6−[3−(エチルアミノ)プロピル][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(5−8);
6−(3−アミノ−2−フルオロプロピル)−9−クロロ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(6−5);
6−[(1E)−3−アミノプロパ−1−エン−1−イル)ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−8);
6−(3−アミノプロピル)−5.6−ジヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−11);
6−ピリジン−3−イルベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−12);
6−[4−(アミノメチル)フェニル]ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−13);
6−[4−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−14);
6−(1,2,3,6−テトラヒドロ−4−ピリジニル)−ベンゾ[g]−1,2,4−トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−15);
6−(6−アミノピリジン−3−イル)ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−16);
6−[3−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−17);
6−[3−(ピペリジン−1−イルメチル)フェニル]ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−18);
6−[3−(アミノメチル)フェニル]ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−19);
6−(2−アミノエチル)ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−20);
6−イソキノリン−5−イルベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−21);
6−キノリン−5−イルベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−22);
6−(3−アミノフェニル)ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−23);
6−ピペリジン−4−イルベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−24);
2,2,2−トリフルオロ−N−[4−(3−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−6−イル)フェニル]アセトアミド(7−25);
6−(4−アミノフェニル)ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−26);
6−ピリジン−4−イルベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−27);
6−(3−アミノプロピル)−10−メチルベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−28);
6−(3−アミノプロピル)−10−フルオロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−29);
6−(3−アミノプロピル)−9,11−ジフルオロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−30);
tert−ブチル[(2Z)−3−(10−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−31);
6−[(1Z)−3−アミノプロパ−1−エン−1−イル]−10−メチルベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−32);
6−[(1Z)−3−アミノプロパ−1−エン−1−イル]−10−クロロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−33);
6−[4−(アミノメチル)フェニル]−10−メチルベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−34);
6−(3−アミノプロピル)−10−クロロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−35);
6−[(1Z)−3−アミノプロパ−1−エン−1−イル]−9,10−ジフルオロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−36);
6−(3−アミノプロピル)−9,10−ジフルオロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−37);
6−(3−アミノプロピル)−10−(トリフルオロメチル)ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−38);
6−(3−アミノプロピル)−2,6−ジヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]キナゾリン−3,5−ジオン(8−8);及び
6−(3−アミノプロピル)−2,6−ジヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]キナゾリン−3,5−ジオン(8−10);
又はその立体異性体。
本発明のさらに具体的な化合物は、6−(3−アミノプロピル)ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−10)の塩酸塩;又はその立体異性体である。
本発明の化合物は、不斉中心、キラル軸及びキラル面を有し(記載例:E.L.Eliel and S.H.Wilen,Stereochemistry of Carbon Compounds(炭素化合物の立体化学),John Wiley & Sons,New York,1994,pages 1119−1190)、ラセミ体、ラセミ混合物、及び個々のジアステレオマーとして存在する可能性があり、そのすべての可能な異性体及びその混合物など、光学異性体を含め、かかる立体異性体のすべてが本発明に包含される。さらに、本明細書に開示した化合物は、互変異性体として存在し得るものであり、たとえ一方の互変異性体構造しか記載されていなくても、両方の互変異性体形状が本発明の範囲に包含されるものとする。
本発明はまた、本明細書に開示された化合物のプロドラッグをも包含するものとする。該化合物のいずれものプロドラッグが、よく知られた薬理学的技法を用いて、調製することができる。
いずれかの変数(例えば、R、R、R6aなど)が、いずれかの構成要件中に一度ならず出現する場合、各出現に際しての定義は、その出現ごとに独立したものである。また、置換基と変数の組み合わせは、かかる組合せが安定な化合物を生じる場合にのみ許容される。置換基から環系に引いた線は、そこに示した結合が置換可能な環原子のいずれかに結合し得ることを表す。環系が二環系である場合、その結合は二環系部分のいずれか一方の環上の適当な原子のいずれかに結合するものとする。
本発明化合物上の置換基と置換パターンは、当業者が選択し、化学的に安定で、また容易に入手し得る出発原料から、当該技術分野で既知の方法並びに下記に提示する方法により容易に合成し得る化合物を提供し得るものであると理解される。置換基がそれ自体1個を超える基により置換されている場合、安定な構造が結果として生じる限り、それら複数の基は同じ炭素上にあってもよいし、異なる炭素上にあってもよいと理解される。“1個以上の置換基で置換されていてもよい”という文言は、“少なくとも1個の置換基により置換されていてもよい”という文言と同等であると解釈すべきであり、そのような場合、好適な実施態様では、ゼロないし3個の置換基を有する。
当業者は、化学的に安定で、かつ容易に入手し得る出発原料から、当該技術分野で既知の技法により容易に合成し得る化合物を提供するために、1個以上の炭素原子の代わりに、1個以上のケイ素(Si)原子を本発明化合物に取り込ませることが可能であると理解される。炭素とケイ素は、それらの共有結合半径が異なり、同族のC元素とSi元素の結合を比較した場合、結合距離と立体的配列に差異を生じる。これらの差異は、炭素と比べた場合、ケイ素含有化合物の大きさと形状に微妙な変化を生じる。当業者は、大きさと形状の違いが、効力、溶解性、標的外活性の欠如、パッケージング特性等々に微妙な、又は劇的な変化をもたらし得ることを理解しよう(Diass,J.O.et al.Organometallics(2006)5:1188−1198;Showell,G.A.et al.Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters(2006)16:2555−2558)。
本明細書にて使用する場合、「アルキル」は特定数の炭素原子を有する分枝及び直鎖の飽和脂肪族炭化水素基を含むものとする。例えば、C−C10アルキルのC−C10は、直線状又は分枝状の配列の1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の炭素を有する基を包含すると定義される。例えば、「C−C10アルキル」は、具体的には、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、i−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどである。
用語「シクロアルキル」は特定数の炭素原子を有する単環式又は二環式の飽和脂肪族炭化水素基を意味する。例えば、「シクロアルキル」は、シクロプロピル、メチル−シクロプロピル、2,2−ジメチル−シクロブチル、2−エチル−シクロペンチル、シクロヘキシルなどを包含する。
用語「シクロアルケニル」は特定数の炭素原子を有する単環式又は二環式の部分的不飽和脂肪族炭化水素基を意味する。例えば、「シクロアケニル」は、シクロプロペニル、メチル−シクロプロペニル、2,2−ジメチル−シクロブテニル、2−エチル−シクロペンテニル、シクロヘキセニルなどを包含する。
「アルコキシ」は、酸素架橋を介して結合する指定した炭素原子数の環状又は非環状のアルキル基を表す。したがって、「アルコキシ」は上記のアルキル及びシクロアルキルの定義を包含する。
炭素原子数が特定されていない場合、「アルケニル」という用語は、2ないし10個の炭素原子を含み、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する直鎖状、分枝状又は環状の非芳香族炭化水素基をいう。好ましくは、1つの炭素−炭素二重結合が存在し、4つまでの非芳香族炭素−炭素二重結合が存在し得る。したがって、「C−Cアルケニル」は2ないし6個の炭素原子を有するアルケニル基を意味する。アルケニル基は、エテニル、プロペニル、ブテニル、2−メチルブテニル及びシクロへキセニルを含む。アルケニル基の直鎖、分枝又は環状部分は二重結合を含み、置換アルケニル基が指示されている場合、置換されていてもよい。
用語「アルキニル」とは、2ないし10個の炭素原子を含み、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する直鎖状、分枝状又は環状の炭化水素基をいう。3つまでの炭素−炭素三重結合が存在し得る。したがって、「C−Cアルキニル」とは、2ないし6個の炭素原子を有するアルキニル基を意味する。アルキニル基はエチニル、プロピニル、ブチニル、3−メチルブチニルなどを含む。アルキニル基の直鎖、分枝又は環状部分が三重結合を含み、置換アルキニル基が指示されている場合、置換されていてもよい。
特定の事例において、置換基は、(C−C)アルキレン−アリールのように、ゼロを含む炭素の範囲で定義し得る。アリールがフェニルであると解釈される場合、この定義はフェニル自体、並びにCHPh、−CHCHPh、CH(CH)CHCH(CH)Phなどをも包含する。
本明細書にて使用する場合、「アリール」は各環7個までの原子の安定な単環状又は二環状の炭素環を意味するものとし、その場合、少なくとも1つの環が芳香族である。かかるアリール要素の例は、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、ビフェニル、フェナントリル、アントリル又はアセナフチルである。
ヘテロアリールという用語は、本明細書にて使用する場合、安定な単環式又は二環式の環であって、各環7個までの原子を有し、少なくとも1つの環が芳香族であり、かつO、N及びSからなる群より選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む環を表す。この定義の範囲内のヘテロアリール基は、アクリジニル、カルバゾリル、シンノリニル、キノキサリニル、ピラゾリル、インドリル、ベンゾトリアゾリル、フラニル、チエニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、インドリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、テトラヒドロキノリンなどである。下記へテロ環の定義に従うと、「ヘテロアリール」とはまた含窒素へテロアリールのN−オキシド誘導体も包含すると理解される。ヘテロアリール置換基の結合は、炭素原子を介するか、又はヘテロ原子を介して起こり得る。
当業者も認識するように、本明細書にて使用される場合の「ハロ」又は「ハロゲン」とは、クロロ(Cl)、フルオロ(F)、ブロモ(Br)及びヨード(I)を包含するものとする。
用語「ヘテロ環(ヘテロサイクル)」又は「ヘテロシクリル」とは、本明細書にて使用する場合、O、N及びSからなる群より選択される1ないし4個のヘテロ原子を含む3員ないし10員の芳香族又は非芳香族へテロ環を意味するものとし、二環式基を包含する。それ故、「ヘテロシクリル」は上記のヘテロアリール、並びにそのジヒドロ及びテトラヒドロ類似体を包含する。さらに、「ヘテロシクリル」の例は、以下のものを包含する:ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、シンノリニル、フラニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、インドラジニル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフトピリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリン、イソキサゾリン、オキセタニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラヒドロピラニル、テトラゾリル、テトラゾロピリジル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、アゼチジニル、1,4−ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロフラニル、ジヒドロイミダゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソクロメニル、ジヒドロイソオキサゾリル、ジヒドロイソチアゾリル、ジヒドロオキサジアゾリル、ジヒドロオキサゾリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロピロリル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロテトラゾリル、ジヒドロチアジアゾリル、ジヒドロチアゾリル、ジヒドロチエニル、ジヒドロトリアゾリル、ジヒドロアゼチジニル、メチレンジオキシベンゾイル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル及びテトラヒドロチエニル、並びにそのN−オキシド。ヘテロシクリル置換基の結合は炭素原子を介して、又はヘテロ原子を介して起こり得る。
該アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロシクリル置換基は、他に特に断りのない限り、未置換であっても、未置換であってもよい。例えば、(C−C)アルキルは、OH、オキソ、ハロゲン、アルコキシ、ジアルキルアミノ、又はヘテロシクリル(例えば、モルホリニル、ピペリジニルなど)から選択される1個、2個又は3個の置換基により置換されていてもよい。この場合、もし1個の置換基がオキソであり、他方がOHであるならば、以下のものがその定義に包含される:−(C=O)CHCH(OH)CH、−(C=O)OH、−CH(OH)CHCH(O)など。
特定の事例において、R及びRは、それらが結合する窒素と一緒になって、各環が3〜7員であって、窒素に加えて、N、O及びSから選択される1個又は2個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい単環状又は二環状のヘテロ環を形成し得るものと定義され、当該へテロ環はR6aから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい。このように形成され得るヘテロ環の例は以下のとおりであるが、留意すべきは、このヘテロ環はR6aから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよいことである:
Figure 0005229221
式(A)の実施態様において、環Zは以下から選択される:
Figure 0005229221
式(A)の別の実施態様において、環Zは以下から選択される:
Figure 0005229221
式(A)の別の実施態様において、環Zを含むコア分子は以下から選択される:
Figure 0005229221
式(B)の実施態様において、環Zを含むコア分子は以下から選択される:
Figure 0005229221
式(A)又は(B)の別の実施態様において、nは0、1、2、3又は4である。
式(A)又は(B)の別の実施態様において、nは0、1又は2である。
式(A)又は(B)の別の実施態様において、nは1である。
式(A)又は(B)の別の実施態様において、nは0である。
式(A)又は(B)の別の実施態様において、Rはアルキル、アリール、ヘテロシクリル又はHであり、当該アルキル、アリール及びヘテロシクリルはRから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
式(A)又は(B)の別の実施態様において、WはOであり、RはH、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、アリール、ハロ、C−Cシクロアルキル及びヘテロシクリルから選択され、当該アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルはRから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
式(A)又は(B)の別の実施態様において、WはOであり、Rは(C−C)−NR’R”から選択され、当該(C−C)には1ないし3個のRが置換していてもよく、かつ当該R’及びR”は独立して、H、(C=O)O−C10アルキル、(C=O)O−Cシクロアルキル、(C=O)Oアリール、(C=O)Oヘテロシクリル、C−C10アルキル、アリール、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、へテロシクリル、C−Cシクロアルキル、SO、及び(C=O)NR から選択され、当該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アルケニル、及びアルキニルは、R6aから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよく、又はR’及びR”がそれらの結合する窒素と一緒になって、各環が3〜7員であって、窒素に加えて、N、O及びSから選択される1個又は2個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい単環状又は二環状のヘテロ環を形成し得、当該単環状又は二環状のへテロ環はR6aから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
式(A)又は(B)の別の実施態様において、WはOであり、Rはプロピル−NR’R”から選択され、当該プロピルには1ないし3個のRが置換していてもよく、かつ当該R’及びR”は独立して、H、(C=O)O−C10アルキル、(C=O)O−Cシクロアルキル、(C=O)Oアリール、(C=O)Oヘテロシクリル、C−C10アルキル、アリール、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、へテロシクリル、C−Cシクロアルキル、SO、及び(C=O)NR から選択され、当該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アルケニル、及びアルキニルは、R6aから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよく、又はR’及びR”がそれらの結合する窒素と一緒になって、各環が3〜7員であって、窒素に加えて、N、O及びSから選択される1個又は2個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい単環状又は二環状のヘテロ環を形成し得、当該単環状又は二環状のへテロ環はR6aから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
式(A)又は(B)の別の実施態様において、WはOであり、RはH、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、アリール、ハロ、C−Cシクロアルキル及びヘテロシクリルから選択され、当該アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルはRから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよく;かつRは(C−C)アルキル−NR’R”から選択され、当該(C−C)アルキルには1ないし3個のRが置換していてもよく、かつ当該R’及びR”は独立して、H、(C=O)O−C10アルキル、(C=O)O−Cシクロアルキル、(C=O)Oアリール、(C=O)Oヘテロシクリル、C−C10アルキル、アリール、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、へテロシクリル、C−Cシクロアルキル、SO、及び(C=O)NR から選択され、当該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アルケニル、及びアルキニルは、R6aから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよく、又はR’及びR”がそれらの結合する窒素と一緒になって、各環が3〜7員であって、窒素に加えて、N、O及びSから選択される1個又は2個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい単環状又は二環状のヘテロ環を形成し得、当該単環状又は二環状のへテロ環はR6aから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
式(A)又は(B)の別の実施態様において、WはOであり、Rはアリール、ハロ、C−Cシクロアルキル及びヘテロシクリルから選択され、当該アリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルには(C−C)アルキル、OH、NH、CHO、COOH、ハロ、オキソ、−O(C−C)アルキル、及び(C−C)アルキル−OHから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよく;かつRは(C−C)アルキル−NHから選択され、当該(C−C)アルキルには1個以上のOH及びハロが置換していてもよい。
式(C)の実施態様において、nは0、1、2、3又は4である。
式(C)の別の実施態様において、nは0、1又は2である。
式(C)の別の実施態様において、nは1である。
式(C)の別の実施態様において、nは0である。
式(C)の別の実施態様において、RはH、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、アリール、ハロ、C−Cシクロアルキル及びヘテロシクリルから選択され、当該アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルはRから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
式(C)の別の実施態様において、Rは(C−C)アルキル−NR’R”から選択され、当該(C−C)アルキルには1ないし3個のRが置換していてもよく、かつ当該R’及びR”は独立して、H、(C=O)O−C10アルキル、(C=O)O−Cシクロアルキル、(C=O)Oアリール、(C=O)Oヘテロシクリル、C−C10アルキル、アリール、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、へテロシクリル、C−Cシクロアルキル、SO、及び(C=O)NR から選択され、当該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アルケニル、及びアルキニルは、R6aから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよく、又はR’及びR”がそれらの結合する窒素と一緒になって、各環が3〜7員であって、窒素に加えて、N、O及びSから選択される1個又は2個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい単環状又は二環状のヘテロ環を形成し得、当該単環状又は二環状のへテロ環はR6aから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
式(C)の別の実施態様において、Rはプロピル−NR’R”から選択され、当該プロピルには1ないし3個のRが置換していてもよく、かつ当該R’及びR”は独立して、H、(C=O)O−C10アルキル、(C=O)O−Cシクロアルキル、(C=O)Oアリール、(C=O)Oヘテロシクリル、C−C10アルキル、アリール、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、へテロシクリル、C−Cシクロアルキル、SO、及び(C=O)NR から選択され、当該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アルケニル、及びアルキニルは、R6aから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよく、又はR’及びR”がそれらの結合する窒素と一緒になって、各環が3〜7員であって、窒素に加えて、N、O及びSから選択される1個又は2個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい単環状又は二環状のヘテロ環を形成し得、当該単環状又は二環状のへテロ環はR6aから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
式(C)の別の実施態様において、RはH、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、アリール、ハロ、C−Cシクロアルキル及びヘテロシクリルから選択され、当該アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルはRから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよく;またRは(C−C)アルキル−NR’R”から選択され、当該(C−C)アルキルには1ないし3個のRが置換していてもよく、かつ当該R’及びR”は独立して、H、(C=O)O−C10アルキル、(C=O)O−Cシクロアルキル、(C=O)Oアリール、(C=O)Oヘテロシクリル、C−C10アルキル、アリール、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、へテロシクリル、C−Cシクロアルキル、SO、及び(C=O)NR から選択され、当該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アルケニル、及びアルキニルは、R6aから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよく、又はR’及びR”がそれらの結合する窒素と一緒になって、各環が3〜7員であって、窒素に加えて、N、O及びSから選択される1個又は2個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい単環状又は二環状のヘテロ環を形成し得、当該単環状又は二環状のへテロ環はR6aから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
式(C)の別の実施態様において、Rはアリール、ハロ、C−Cシクロアルキル及びヘテロシクリルから選択され、当該アリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルは(C−C)アルキル、OH、NH、CHO、COOH、ハロ、オキソ、−O(C−C)アルキル、及び(C−C)アルキル−OHから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよく;かつRは(C−C)アルキル−NHから選択され、当該(C−C)アルキルは1個以上のOH及びハロが置換していてもよい。
式(D)の実施態様において、Rはアリール、ハロ、C−Cシクロアルキル及びヘテロシクリルから選択され、当該アリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルはRから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
式(D)の別の実施態様において、Rはアリール、C−Cシクロアルキル及びヘテロシクリルから選択され、当該アリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルはRから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
式(D)の別の実施態様において、Rはハロである。
式(D)の別の実施態様において、Rは(C−C)アルキル−NR’R”から選択され、当該(C−C)アルキルには1ないし3個のRが置換していてもよく、かつ当該R’及びR”は独立して、H、(C=O)O−C10アルキル、(C=O)O−Cシクロアルキル、(C=O)Oアリール、(C=O)Oヘテロシクリル、C−C10アルキル、アリール、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、へテロシクリル、C−Cシクロアルキル、SO、及び(C=O)NR から選択され、当該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アルケニル、及びアルキニルは、R6aから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよく、又はR’及びR”がそれらの結合する窒素と一緒になって、各環が3〜7員であって、窒素に加えて、N、O及びSから選択される1個又は2個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい単環状又は二環状のヘテロ環を形成し得、当該単環状又は二環状のへテロ環はR6aから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
式(D)の別の実施態様において、Rはプロピル−NR’R”から選択され、当該プロピルには1ないし3個のRが置換していてもよく、かつ当該R’及びR”は独立して、H、(C=O)O−C10アルキル、(C=O)O−Cシクロアルキル、(C=O)Oアリール、(C=O)Oヘテロシクリル、C−C10アルキル、アリール、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、へテロシクリル、C−Cシクロアルキル、SO、及び(C=O)NR から選択され、当該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アルケニル、及びアルキニルは、R6aから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよく、又はR’及びR”がそれらの結合する窒素と一緒になって、各環が3〜7員であって、窒素に加えて、N、O及びSから選択される1個又は2個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい単環状又は二環状のヘテロ環を形成し得、当該単環状又は二環状のへテロ環はR6aから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
式(D)の別の実施態様において、RはH、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、アリール、ハロ、C−Cシクロアルキル及びヘテロシクリルから選択され、当該アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルはRから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよく;またRは(C−C)アルキル−NR’R”から選択され、当該(C−C)アルキルには1ないし3個のRが置換していてもよく、かつ当該R’及びR”は独立して、H、(C=O)O−C10アルキル、(C=O)O−Cシクロアルキル、(C=O)Oアリール、(C=O)Oヘテロシクリル、C−C10アルキル、アリール、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、へテロシクリル、C−Cシクロアルキル、SO、及び(C=O)NR から選択され、当該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アルケニル、及びアルキニルは、R6aから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよく、又はR’及びR”がそれらの結合する窒素と一緒になって、各環が3〜7員であって、窒素に加えて、N、O及びSから選択される1個又は2個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい単環状又は二環状のヘテロ環を形成し得、当該単環状又は二環状のへテロ環はR6aから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
式(D)の別の実施態様において、Rはアリール、ハロ、C−Cシクロアルキル及びヘテロシクリルから選択され、当該アリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルは(C−C)アルキル、OH、NH、CHO、COOH、ハロ、オキソ、−O(C−C)アルキル、及び(C−C)アルキル−OHから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよく;かつRは(C−C)アルキル−NHから選択され、当該(C−C)アルキルには1個以上のOH及びハロが置換していてもよい。
式(D)の別の実施態様において、nは0、1、又は2であり;Rはヘテロシクリル、ハロゲン、(C−C)アルキル、CF、(C−C)アルケニル、及びアリールから選択され、当該ヘテロシクリル、アルケニル、アリールは、(C−C)アルキル、NH、ハロゲン、−O(C−C)アルキル、ヘテロシクリル、及び(C−C)アルキル−NHから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよく;Rは、H、−O(C−C)アルキル、(C−C)アルキル、ハロゲン、(C−C)アルケニル、ヘテロシクリル、及びアリールから選択され、当該アルキル、アルケニル、ヘテロシクリル及びアリールは、ハロゲン、−(C−C)アルキル−NH、−(C−C)アルキル−ヘテロシクリル、−N(R−CF、N(R、OH、−NH−(C=O)CF、及び−NH−(C=O)O(C−C)アルキルから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよく;Rは独立して、H及び(C−C)アルキルから選択される。
式(E)の別の実施態様において、Rは(C−C)アルキル−NR’R”から選択され、当該(C−C)アルキルには1ないし3個のRが置換していてもよく、かつ当該R’及びR”は独立して、H、(C=O)O−C10アルキル、(C=O)O−Cシクロアルキル、(C=O)Oアリール、(C=O)Oヘテロシクリル、C−C10アルキル、アリール、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、へテロシクリル、C−Cシクロアルキル、SO、及び(C=O)NR から選択され、当該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アルケニル、及びアルキニルは、R6aから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよく、又はR’及びR”がそれらの結合する窒素と一緒になって、各環が3〜7員であって、窒素に加えて、N、O及びSから選択される1個又は2個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい単環状又は二環状のヘテロ環を形成し得、当該単環状又は二環状のへテロ環はR6aから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
式(E)の別の実施態様において、Rはプロピル−NR’R”から選択され、当該プロピルには1ないし3個のRが置換していてもよく、かつ当該R’及びR”は独立して、H、(C=O)O−C10アルキル、(C=O)O−Cシクロアルキル、(C=O)Oアリール、(C=O)Oヘテロシクリル、C−C10アルキル、アリール、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、へテロシクリル、C−Cシクロアルキル、SO、及び(C=O)NR から選択され、当該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アルケニル、及びアルキニルは、R6aから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよく、又はR’及びR”がそれらの結合する窒素と一緒になって、各環が3〜7員であって、窒素に加えて、N、O及びSから選択される1個又は2個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい単環状又は二環状のヘテロ環を形成し得、当該単環状又は二環状のへテロ環はR6aから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
式(E)の別の実施態様において、RはH、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、アリール、ハロ、C−Cシクロアルキル及びヘテロシクリルから選択され、当該アルキル、アルケニル、アリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルはRから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよく;またRは(C−C)アルキル−NR’R”から選択され、当該(C−C)アルキルには1ないし3個のRが置換していてもよく、かつ当該R’及びR”は独立して、H、(C=O)O−C10アルキル、(C=O)O−Cシクロアルキル、(C=O)Oアリール、(C=O)Oヘテロシクリル、C−C10アルキル、アリール、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、へテロシクリル、C−Cシクロアルキル、SO、及び(C=O)NR から選択され、当該アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アルケニル、及びアルキニルは、R6aから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよく、又はR’及びR”がそれらの結合する窒素と一緒になって、各環が3〜7員であって、窒素に加えて、N、O及びSから選択される1個又は2個のさらなるヘテロ原子を含んでいてもよい単環状又は二環状のヘテロ環を形成し得、当該単環状又は二環状のへテロ環はR6aから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
式(E)の別の実施態様において、nは0、1、又は2であり;Rはヘテロシクリル、ハロゲン、(C−C)アルキル、CF、(C−C)アルケニル、及びアリールから選択され、当該ヘテロシクリル、アルケニル、アリールは、(C−C)アルキル、NH、ハロゲン、−O(C−C)アルキル、ヘテロシクリル、及び−(C−C)アルキル−NHから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよく;Rは、H、−O(C−C)アルキル、(C−C)アルキル、ハロゲン、(C−C)アルケニル、ヘテロシクリル、及びアリールから選択され、当該アルキル、アルケニル、ヘテロシクリル及びアリールは、ハロゲン、−(C−C)アルキル−NH、−(C−C)アルキル−ヘテロシクリル、−N(R−CF、N(R、OH、−NH−(C=O)CF、及び−NH−(C=O)O(C−C)アルキルから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよく;Rは独立して、H及び(C−C)アルキルから選択される。
式(E)の別の実施態様において、Rはアリール、ハロ、C−Cシクロアルキル及びヘテロシクリルから選択され、当該アリール、シクロアルキル、及びヘテロシクリルには(C−C)アルキル、OH、NH、CHO、COOH、ハロ、オキソ、−O(C−C)アルキル、及び(C−C)アルキル−OHから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよく;かつRは(C−C)アルキル−NHから選択され、当該(C−C)アルキルには1個以上のOH及びハロが置換していてもよい。
式(E)の別の実施態様において、nは0、1、又は2であり;Rは(C−C)アルキル、CF及びハロから選択され;かつRは(C−C)アルキル−NHから選択され、当該(C−C)アルキルには1個以上のOH及びハロが置換していてもよい。
式(E)の別の実施態様において、nは0、1、又は2であり;Rは(C−C)アルキル、CF及びハロから選択され;かつRはプロピルアミンである。
式(E)の別の実施態様において、nは0であり;かつRは(C−C)アルキル−NHから選択され、当該(C−C)アルキルには1ないし3個のOH及びハロが置換していてもよい。
本発明には、式(A)で示される化合物の遊離形と同時に、医薬的に許容され得るその塩及び立体異性体が包含される。本明細書にて例示される単離した特定の化合物の一部のものは、アミン化合物のプロトン化塩である。用語「遊離形」とは、非塩形状のアミン化合物をいう。包含される医薬的に許容され得る塩は、本明細書に記載された具体的化合物について例示される単離した塩を包含するのみならず、式(A)で示される化合物の遊離形の典型的な医薬的に許容され得る塩のすべてをも包含する。記載されている特定の塩化合物の遊離形は、当該技術分野で既知の技法により単離し得る。例えば、当該遊離形は、当該塩を希釈水性NaOH、炭酸カリウム、アンモニア及び重炭酸ナトリウムなどの適切な希釈塩基水溶液で処理することにより再生させ得る。該遊離形は、特定の物理的性質、例えば、極性溶媒に対する溶解度などが、その塩の形状と幾分異なり得るが、その酸及び塩基塩は、本発明の目的にとって、その他の点ではそれらのそれぞれの遊離形のものと医薬的に等価である。
本発明化合物の医薬的に許容され得る塩は、塩基性又は酸性基を含む本発明化合物から常套の化学的方法により合成することができる。一般に、塩基性化合物の塩は、イオン交換クロマトグラフィーによるか、又は遊離塩基を、化学当量若しくは過剰の所望とする塩形成無機若しくは有機酸と適当な溶媒中又は様々な溶媒の組合わせ中で反応させることにより調製する。同様に、酸性化合物の塩は、適切な無機又は有機の塩基と反応させることにより形成される。
したがって、本発明化合物の医薬的に許容され得る塩は、塩基性の本発明化合物と無機酸又は有機酸とを反応させることにより形成される、本発明化合物の慣用の非毒性塩を包含する。例えば、慣用の非毒性塩は、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などから誘導される塩、並びに有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモン酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2−アセトキシ−安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸、トリフルオロ酢酸(TFA)などから調製される塩を包含する。
本発明化合物が酸性である場合、適当な「医薬的に許容され得る塩」は、無機塩基及び有機塩基を含む医薬的に許容され得る非毒性塩基から調製される塩をいう。無機塩基から誘導される塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第一鉄、第二鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン塩、亜マンガン塩、カリウム、ナトリウム、亜鉛などの塩を包含する。特に好適な塩は、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウムの塩である。医薬的に許容され得る有機非毒性塩基から誘導される塩は、第一級、第二級及び第三級のアミン、天然産置換アミンなどの置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタインカフェイン、コリン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン トリプロピルアミン、トロメタミンなどの塩を包含する。
上記の医薬的に許容され得る塩及びその他の典型的な医薬的に許容され得る塩の調製については、文献(Berg et al.,“Pharmaceutical Salts(医薬用塩),”J.Pharm.Sci.,1977:66:1−19)により詳しい記載がある。
本発明化合物が潜在的に内部塩又は両性イオンであることも銘記される;その理由はその場合、生理条件下で、当該化合物の脱プロトンされた酸性基(例えば、カルボキシル基)がアニオン性であり得るし、またこの電荷が、プロトン化若しくはアルキル化された塩基性基(例えば、四級窒素原子など)のカチオン性電荷に対してバランスを欠く可能性があるからである。
有用性
本明細書にて提供される化合物、組成物及び方法は、とりわけ、がんの治療に有用であると思われる。該化合物、組成物及び方法により治療し得るがんは、限定されるものではないが、以下のとおりである:心臓系:肉腫(血管肉腫、線維肉腫、横紋筋肉腫、脂肪肉腫)、粘液腫、横紋筋腫、線維腫、脂肪腫及び奇形腫;:気管支癌(扁平上皮細胞、未分化小細胞、未分化大細胞、腺癌)、肺胞上皮(細気管支)癌、気管支腺癌、肉腫、リンパ腫、軟骨性過誤腫、中皮腫;胃腸:食道(扁平上皮癌、腺癌、平滑筋肉腫、リンパ腫)、胃(癌、リンパ腫、平滑筋肉腫)、膵臓(導管腺癌、インスリノーマ、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、カルチノイド腫瘍、VIP産生腫瘍)、小腸(腺癌、リンパ腫、カルチノイド腫瘍、カポジ肉腫、平滑筋腫、血管腫、脂肪腫、神経線維腫、線維腫)、大腸(腺癌、管状腺種、絨毛腺腫、過誤腫、平滑筋腫)、結腸、結腸直腸、直腸;尿生殖路:腎臓(腺癌、ウイルムス腫瘍[腎芽細胞腫]、リンパ腫、白血病)、膀胱及び尿道(扁平上皮癌、移行上皮癌、腺癌)、前立腺(腺癌、肉腫)、精巣(セミノーマ、奇形腫、胎生期癌、奇形癌、絨毛癌、肉腫、間質細胞癌、線維腫、線維腺腫、類腺腫瘍、脂肪腫);肝臓:肝癌(肝細胞癌)、胆管癌、肝芽腫、血管肉腫、肝細胞腺腫、血管腫;:骨原性肉腫(骨肉腫)、線維肉腫、悪性線維性組織球腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性リンパ腫(細網肉腫)、多発性骨髄腫、悪性巨細胞腫脊索腫、骨軟骨腫(骨軟骨性外骨腫)、良性軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液線維腫、類骨骨腫及び巨細胞腫;神経系:頭蓋(骨腫、血管腫、肉芽腫、黄色腫、変形性骨炎)、髄膜(髄膜腫、髄膜肉腫、神経膠腫症)、脳(星状細胞腫、髄芽細胞腫、神経膠腫、上衣細胞腫、胚細胞腫[松果体腫]、多形膠芽腫、乏突起膠腫、神経鞘腫、網膜芽細胞腫、先天性腫瘍)、脊髄神経線維腫、髄膜腫、神経膠腫、肉腫);婦人科:子宮(子宮内膜癌)、子宮頚部(子宮頚癌、前腫瘍性子宮頚部形成異常)、卵巣(卵巣癌[漿膜性のう胞腺癌、ムチン性のう胞腺癌、未分類癌]顆粒膜−莢膜細胞腫瘍、セルトリ−ライディッヒ細胞腫瘍、未分化胚細胞腫、悪性奇形腫)、外陰部(扁平上皮癌、上皮内癌、腺癌、線維肉腫、黒色腫)、膣(明細胞癌、扁平上皮癌、ブドウ状肉腫(胎児性横紋筋肉腫))、卵管(癌腫)、乳房;血液学的:血液(骨髄性白血病[急性及び慢性]、急性リンパ芽球性白血病、慢性リンパ性白血病、骨髄増殖性疾患、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群)、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫[悪性リンパ腫];皮膚:悪性黒色腫、基底細胞癌、扁平上皮癌、カポジ肉腫、奇胎形成異常母斑、脂肪腫、血管腫、皮膚線維腫、ケロイド、乾癬;及び副腎:神経芽細胞腫。したがって、本明細書にて提供される場合の用語「がん性細胞」としては、上に特定した症状のいずれか1つに罹患する細胞が挙げられる。
本発明の化合物、組成物及び方法により治療し得るがんは、限定されるものではないが、乳房、前立腺、結腸、結腸直腸、肺、脳、精巣、胃、卵巣、膵臓、皮膚、小腸、大腸、喉頭、頭頚部、口内、骨、肝臓、膀胱、腎臓、甲状腺及び血液のものである。
本発明の化合物、組成物及び方法により治療し得るがんは、卵巣、乳房、結腸直腸、肺(非小細胞)、膵臓、食道、胃及び頭頚部のものである。
本発明の化合物、組成物及び方法により治療し得るがんは、乳房、前立腺、結腸、卵巣、結腸直腸及び肺のものである。
本発明の化合物、組成物及び方法により治療し得るがんは、乳房、結腸、(結腸直腸)及び肺のものである。
本発明の化合物、組成物及び方法により治療し得るがんは、リンパ種及び白血病である。
本発明の化合物、組成物及び方法により、卵巣がんを治療し得る。
本発明の化合物、組成物及び方法により、乳がんを治療し得る。
本発明の化合物、組成物及び方法により、結腸直腸がんを治療し得る。
本発明の化合物、組成物及び方法により、肺(非小細胞)がんを治療し得る。
本発明の化合物、組成物及び方法により、膵臓がんを治療し得る。
本発明の化合物、組成物及び方法により、食道がんを治療し得る。
本発明の化合物、組成物及び方法により、胃がんを治療し得る。
本発明の化合物、組成物及び方法により、頭頚部がんを治療し得る。
本発明の化合物は、がんの治療に有用な医薬の製造にも有用である。
本発明の化合物は、ヒトを含む哺乳動物に、単独で、又は医薬的に許容され得る担体、賦形剤又は希釈剤と組合わせて、標準的薬学のプラクティスに従って、医薬組成物として投与し得る。本化合物は経口的に、又は静脈内、筋肉内、腹腔内、皮下、直腸及び局所の投与経路など非経口的に投与することができる。
有効成分を含有する医薬組成物は、経口使用に適した形状、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性若しくは油性懸濁液、分散性粉末若しくは顆粒、エマルジョン、ハード若しくはソフトカプセル、又はシロップ若しくはエリキシルとし得る。経口使用を企図する組成物は医薬組成物の製造上、当該分野で技術的に公知の方法に従って調製し得る;また、かかる組成物は製剤上、上品で口当たりのよい製剤とするために、甘味剤、芳香剤、着色剤及び保存剤からなる群より選択される1種以上の剤を含有してもよい。錠剤は有効成分と、錠剤の製造に適する非毒性の医薬的に許容され得る賦形剤とを混合して含有する。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、乳糖、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウム);顆粒化剤及び崩壊剤(例えば、微結晶性セルロース、ナトリウム・クロスカルメロース、コーンスターチ、又はアルギン酸);結合剤(例えば、デンプン、ゼラチン、ポリビニル−ピロリドン又はアラビアゴム);及び滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルク)などである。錠剤は未被覆であってもよいし、又は薬物の不快な味をマスクするために、若しくは胃腸管での分解と吸収を遅延させて、それによって長時間作用を持続させるために、公知の技術的方法により被覆してもよい。例えば、ヒドロキシプロピルメチル−セルロース若しくはヒドロキシプロピルセルロースなどの水溶性味遮蔽物質又はエチルセルロース、酢酸酪酸セルロースなどの時間遅延物質を用いてもよい。
経口使用の剤形はハードゼラチンカプセルとしても提供し得るが、その場合、有効成分は不活性の固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリンなどと混合させる;あるいはソフトゼラチンカプセルとしても提供し得るが、その場合、有効成分はポリエチレングリコールなどの水溶性担体、又は油性媒体、例えば、ラッカセイ油、流動パラフィン、若しくはオリーブ油と混合させる。
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適する賦形剤と一緒に活性物質を含有する。かかる賦形剤は懸濁化剤、例えば、ナトリウム・カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム及びアラビアゴムなどである;分散剤又は湿潤剤は天然産のホスファチド(例えば、レシチン)、又はアルキレンオキシドと脂肪酸の縮合産物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合産物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール由来の部分エステルとの縮合産物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール)、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール無水物由来の部分エステルとの縮合産物(例えば、モノオレイン酸ポリエチレンソルビタン)でよい。水性懸濁液はさらに1種以上の保存剤(例えば、p−ヒドロキシ安息香酸エチル若しくはn−プロピル)、1種以上の着色剤、1種以上の芳香剤、及び1種以上の甘味剤(例えば、スクロース、サッカリン若しくはアスパルテーム)などを含有し得る。
油性懸濁液は、有効成分を植物油(例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油若しくはヤシ油)、又は鉱油(例えば、流動パラフィン)などに懸濁することにより製剤化することができる。この油性懸濁液は増粘剤(例えば、ミツロウ、硬パラフィン若しくはセチルアルコールなど)を含有し得る。口当たりのよい経口製剤とするために、上記のような甘味剤及び芳香剤を添加してもよい。これらの組成物はブチル化ヒドロキシアニソール又はアルファ−トコフェロールなどの抗酸化剤を添加して保存してもよい。
水を加えることによる水性懸濁液の調製に適した分散性粉末及び顆粒により、分散剤又は湿潤剤、懸濁剤及び1種以上の保存剤と混合した有効成分が提供される。適当な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤はすでに上記したものにより例示される。さらなる賦形剤、例えば、甘味剤、芳香剤及び着色剤も存在し得る。これらの組成物はアスコルビン酸などの抗酸化剤の添加により保存され得る。
本発明の医薬組成物は水中油型のエマルジョンの形状でもよい。油相は植物油(例えば、オリーブ油若しくはラッカセイ油)、又は鉱油(例えば、流動パラフィン)、又はこれらの混合物でもよい。適当な懸濁化剤は天然産のホスファチド(例えば、ダイズレシチン)、及び脂肪酸とヘキシトール無水物由来のエステル又は部分エステル(例えば、モノオレイン酸ソルビタン)、及び当該部分エステルとエチレンオキシドの縮合産物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)でよい。該エマルジョンは甘味剤、芳香剤、保存剤及び抗酸化剤をも含み得る。
シロップ又はエリキシルは甘味剤(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール又はスクロース)により製剤化し得る。かかる製剤は粘活剤、保存剤、芳香及び着色剤及び抗酸化剤をも含み得る。
該医薬組成物は無菌の注射用水性溶液の形態でもよい。使用可能な許容される媒体と溶媒は、水、リンゲル溶液及び等張性塩化ナトリウム溶液である。
無菌の注射用製剤は、有効成分を油相に溶かした、無菌の注射用水中油型マイクロエマルジョンでもよい。例えば、有効成分を先ずダイズ油とレシチンの混合物に溶かしてもよい。次いで、その油溶液を水とグリセロールの混合物中に導入し、加工処理してマイクロエマルジョンとしてもよい。
注射用溶液又はマイクロエマルジョンは、局所のボーラス注射により患者の血流中に導入してもよい。あるいは、当該化合物の一定の循環濃度を維持するような方法で、溶液又はマイクロエマルジョンを投与することが有利でもあり得る。かかる一定濃度を維持するためには、連続静脈内送達装置を利用し得る。かかる装置の一例は、デルテック・カッド−プラス(CADD−PLUS;商標)モデル5400静脈内用ポンプである。
該医薬組成物は、筋肉内及び皮下投与用の無菌注射用水性又は油脂性懸濁液の形状であってもよい。この懸濁液は公知の技術に従い、上記の適当な分散若しくは湿潤剤及び懸濁化剤を用いて製剤化し得る。無菌の注射用製剤は、非毒性の非経口投与可能な希釈剤又は溶媒中の無菌注射用溶液又は懸濁液(例えば、1,3−ブタンジオールの溶液)でもよい。さらに、無菌の固定油を溶剤又は懸濁媒体として従来から用いている。この目的のためには、合成のモノ−又はジグリセリドを含む刺激のないいずれの固定油も採用し得る。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が注射用製剤に使用し得る。
例えば、本発明化合物の50mg/mLの製剤は、以下の手順に従い調製し得る:1.本発明化合物5.6gとマンニトール5.0gを秤量する;2.天秤上にガラス容器(250mLのビーカーが好ましい)の風袋を量り、約85mLの水を容器に容れる;3.磁気攪拌バーを容器中に入れ、渦巻きを生じる十分なスピードで攪拌する;4.L−乳酸0.42mLを容器に加える;5.マンニトール5gを容器に加え、10分間混合する;6.本発明化合物を加え、容器を溶液ですすいで残りの化合物を回収する;7.少なくとも15分間、又は溶液中の可視固体がなくなるまで攪拌する;8.溶液のpHを測定する。pHが3.4〜6.4の範囲に達するまで、1N−NaOH溶液を加える(約2mlを要すると予測される);9.追加の水を加えて目標の重量とし、さらに10分間混合する;10.pHが3.0〜4.0の範囲内にあることを確認する;そして、11.瓶上部濾過装置により無菌濾過溶液とする。
本発明化合物は、薬物を直腸投与する坐剤の形状でも投与し得る。これらの組成物は、適当な非刺激性の賦形剤であって、常温では固体であるが、直腸温度では液体であり、その結果、直腸内で融解して薬物を放出するような賦形剤と薬物を混合することにより調製し得る。かかる物質はカカオ脂、グリセリン化ゼラチン、硬化植物油、種々分子量のポリエチレングリコールとポリエチレングリコールの脂肪酸エステルとの混合物を包含する。
局所での使用には、本発明化合物を含有するクリーム、軟膏、ジェリー、溶液又は懸濁液などが用いられる。(この適用の目的には、局所適用剤としてうがい薬及び含嗽剤も包含するものとする)。
本発明化合物は鼻腔内用の形態で、適当な鼻腔内媒体と送達装置を局所的に使用するか、又は当業者周知の皮膚透過性皮膚パッチの形態で、経皮経路により投与し得る。経皮送達システムの形状で投与する場合、勿論、一定の投与量を投薬レジメン全般で断続的であるよりもむしろ連続的であるように投与する。本発明化合物はカカオ脂、グリセリン化ゼラチン、硬化植物油、種々分子量のポリエチレングリコールとポリエチレングリコールの脂肪酸エステルとの混合物などの基剤を用いる坐剤としても送達し得る。
本発明化合物をヒト対象に投与する場合、その日用量は通常処方医が決定するが、その用量は一般に、年齢、体重、及び個々の患者の反応、並びに患者症候の重症度によって変る。
本発明化合物を利用する投薬レジメンは、種々の因子に応じて、例えば、タイプ、種、年齢、体重、性別及び治療すべき癌のタイプ;治療すべき癌の重症度(すなわち、病期);投与経路;患者の腎臓及び肝臓機能;及び使用する特定の化合物又はその塩;に応じて選択し得る。通常の知識を有する医師又は獣医師は、治療(例えば、疾患の進行を予防、抑制(完全に又は部分的に)又は停止させるため)に必要とされる薬物の有効量を容易に決定し、処方し得る。
例えば、本発明化合物は1日あたり総用量1000mgまでとして投与し得る。本発明化合物は1日1回(QD)、又は複数回の日用量に分割して、例えば、1日2回(BID)、及び1日3回(TID)投与し得る。本発明化合物は1日あたり総用量1000mgまで、例えば、200mg、300mg、400mg、600mg、800mg又は1000mgとして投与し得るが、この用量は1日1回の用量で投与し得るし、又は上記のように1日複数回に分割することもできる。
本発明化合物は3週ごとに1回、又は3週ごとに週2回、又は3週の周期の各週に週1回投与することもできよう。本発明化合物は、54〜2160mg/m/日の用量範囲で投与し得よう。化合物は経口又はIV(静脈内)で投与し得よう。IV投与は可能性として2〜24時間にわたり実施し得よう。
さらに、投与は連続的、すなわち、毎日、又は断続的であり得る。本明細書にて使用する場合、「断続的」又は「断続的に」という用語は、規則的な又は不規則な間隔での停止及び開始を意味する。例えば、本発明化合物の断続的投与とは、1週ごとに1日ないし6日投与することであるか、又は周期的に投与することを意味するか(例えば、2ないし8週間連続的に毎日投与し、次いで、1週までの間投与せずに休止期間とする)、又は隔日に投与することを意味し得る。
さらに、本発明化合物は上記スケジュールのいずれかに従って、2〜3週間連続的に投与し、次いで休止期間とし得る。例えば、本発明化合物を上記スケジュールのいずれか1つに従って、2ないし8週間投与し、次いで1週間の休止期間とするか、又は1週間に3日ないし5日間、100〜500mgの投与量で1日2回、投与し得る。別の特定の実施態様において、本発明化合物は連続2週間、1日3回投与し、次いで1週間の休止とし得る。
本発明化合物のいずれか1つ以上の特定投与量及び投与スケジュールは、併用治療に使用されるいずれか1種以上の治療薬にも適用し得る(以下、「第二治療剤」という)。
さらに、この第二治療剤の特定投与量及び投与スケジュールもさらに変わり得るが、その最適投与量、投与スケジュール及び投与経路は、使用すべき特定の第二治療剤に基づき決定される。
勿論、本発明化合物の投与経路は、第二治療剤の投与経路から独立している。一実施態様において、本発明化合物の投与は経口投与である。別の実施態様において、本発明化合物の投与は静脈内投与である。したがって、これらの実施態様に従い、本発明化合物は経口又は静脈内に投与し、第二治療剤は、経口、非経口、腹腔内、静脈内、動脈内、経皮、舌下、筋肉内、直腸内、口腔内、鼻腔内、リポソーム内、吸入経由、膣内、眼内、カテーテル若しくはステントによる局所送達経由、皮下、脂肪内、関節内、鞘内に、又は徐放性投与形態で投与することができる。
さらに、本発明化合物及び第二の治療剤は、同じ投与様式で、すなわち、両方の薬剤を例えば、経口、IVにより投与してもよい。しかしながら、本発明化合物を1つの投与様式、例えば、経口で投与し、第二治療剤を別の投与様式、例えば、IVで投与するか、あるいは本明細書にすでに記載したいずれか他の投与様式で投与することも、本発明の範囲内である。
第一の治療手順、本発明化合物の投与は、第二の治療手順(すなわち、第二治療剤)の前に、第二治療剤での治療の後に、第二治療剤での治療と同時に、又はその組み合わせで実施し得る。例えば、全治療期間は本発明化合物について決定することができる。第二治療剤は本発明化合物での治療の開始前に投与するか、又は本発明化合物での治療後に投与することができる。さらに、抗がん剤は本発明化合物の投与期間内に投与し得るが、本発明化合物の治療期間全部をとおして実施する必要はない。
本発明化合物は、治療剤、化学療法剤及び抗がん剤との組合わせでも有用である。ここに開示した化合物と治療剤、化学療法薬及び抗がん剤との組合わせは、本発明の範囲内である。かかる薬剤の例は文献(Cancer Principles and Practice of Oncology(癌の原理と腫瘍学の実際)V.T.Devita and S.Hellman(editors),6th edition(2001年2月15日),Lippincott Williams & Wilkins Publishers)に見出し得る。当業者はどの薬剤との組合せが有用であるかについて、関係する薬物とがんの特性に基づいて、明確に認識し得よう。かかる薬剤は以下のとおりである:エストロゲン受容体モジュレーター、アンドロゲン受容体モジュレーター、レチノイド受容体モジュレーター、細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼインヒビター、HMG−CoAリダクターゼインヒビター及び他の血管新生インヒビター、HIVプロテアーゼインヒビター、逆転写酵素インヒビター、細胞増殖及び生存シグナル伝達のインヒビター、ビスホスホネート、アロマターゼインヒビター、siRNA治療剤、γ−セクレターゼインヒビター、受容体チロシンキナーゼ(RTK)に干渉する薬剤及び細胞周期チェックポイントに干渉する薬剤。本発明化合物は放射線療法と同時投与の場合に特に有用である。
「エストロゲン受容体モジュレーター」とは、メカニズムの如何を問わず、その受容体に対するエストロゲンの結合を干渉又は阻害する化合物をいう。エストロゲン受容体モジュレーターの例は、限定されるものではないが、タモキシフェン、ラロキシフェン、イドキシフェン、LY353381、LY117081、トレミフェン(toremifene)、フルベストラント(fulvestrant)、4−[7−(2,2−ジメチル−1−オキソプロポキシ−4−メチル−2−[4−[2−(1−ピペリジニル)エトキシ]フェニル]−2H−1−ベンゾピラン−3−イル]−フェニル−2,2−ジメチルプロパノアート、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン−2,4−ジニトロフェニル−ヒドラゾン、及びSH646などである。
「アンドロゲン受容体モジュレーター」とは、メカニズムの如何を問わず、その受容体に対するアンドロゲンの結合を干渉又は阻害する化合物をいう。アンドロゲン受容体モジュレーターの例は、フィナステリドと他の5α−リダクターゼ・インヒビター、ニルタミド(nilutamide)、フルタミド(flutamide)、ビカルタミド(bicalutamide)、リアロゾール(liarozole)及び酢酸アビラテロン(abiraterone acetate)などである。
「レチノイド受容体モジュレーター」とは、メカニズムの如何を問わず、その受容体に対するレチノイドの結合を干渉又は阻害する化合物をいう。かかるレチノイド受容体モジュレーターの例は、ベキサロテン(bexarotene)、トレチノイン(tretinoin)、13−シス−レチノイン酸、9−シス−レチノイン酸、α−ジフルオロメチルオルニチン、ILX23−7553、トランス−N−(4’−ヒドロキシフェニル)レチナミド、及びN−4−カルボキシフェニルレチナミドなどである。
「細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤」とは、細胞死を惹き起こすか、又は細胞の機能化に直接干渉して細胞増殖を主として阻害するか、又は細胞の減数分裂を阻害又は干渉する化合物をいい、アルキル化剤、腫瘍壊死因子、インターカレート剤、低酸素活性化化合物、微小管インヒビター/微小管安定化剤、有糸分裂キネシンインヒビター、ヒストンデアセチラーゼインヒビター、有糸分裂進行に関与するキナーゼのインヒビター、増殖因子及びサイトカインシグナル伝達経路に関与するキナーゼのインヒビター、代謝拮抗剤、生物応答修飾因子、ホルモン/抗ホルモン治療剤、造血成長因子、モノクローナル抗体標的化治療剤、トポイソメラーゼインヒビター、プロテオソームインヒビター、ユビキチンリガーゼインヒビター、及びオーロラキナーゼインヒビターを包含する。
細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤の例は、限定されるものではないが、セルテネフ(sertenef)、カケクチン、イホスファミド、タソネルミン、ロニダミン、カルボプラチン、アルトレタミン(altretamine)、プレドニムスチン(prednimustine)、ジブロモズルシトール、ラニムスチン、フォテムスチン(fotemustine)、ネダプラチン、オキサリプラチン、テモゾロミド(temozolomide)、ヘプタプラチン、エストラムスチン(estramustine)、イムプロスルファン・トシレート(improsulfan tosilate)、トロホスファミド、ニムスチン、塩化ジブロスピジウム、プミテパ(pumitepa)、ロバプラチン、サトラプラチン、プロフィロマイシン、シスプラチン、イロフルベン、デキシフォスファミド、シス−アミンジクロロ(2−メチル−ピリジン)白金、ベンジルグアニン、グルホスファミド、GPX100、(トランス、トランス、トランス)−ビス−mu−(ヘキサン−1,6−ジアミン)−mu−[ジアミン−白金(II)]ビス[ジアミン(クロロ)白金(II)]テトラクロリド、ジアリジジニルスペルミン(diarizidinylspermine)、三酸化砒素、1−(11−ドデシルアミノ−10−ヒドロキシウンデシル)−3,7−ジメチルキサンチン、ゾルビシン、イダルビシン、ダウノルビシン、ビサントレン、ミトキサントロン、ピラルビシン、ピナフィド、バルルビシン、アムルビシン、アンチネオプラストン、3’−デアミノ−3’−モルホリノ−13−デオキソ−10−ヒドロキシカルミノマイシン、アンナマイシン、ガラルビシン、エリナフィド、MEN10755、4−デメトキシ−3−デアミノ−3−アジリジニル−4−メチルスルホニル−ダウノルビシン(参照WO00/50032)、Rafキナーゼインヒビター(Bay43−9006など)及びmTORインヒビター(Wyeth CCI−779)である。
低酸素活性化化合物の例は、チラパザミン(tirapazamine)である。
プロテオソームインヒビターの例は、限定されるものではないが、ラクタシスチン(lactacystin)及びMLN−341(ベルケード;Velcade)である。
微小管インヒビター/微小管安定化剤の例は、パクリタキセル、硫酸ビンデシン、3’,4’−ジデヒドロ−4’−デオキシ−8’−ノルビンカロイコブラスチン、ドセタキソール、リゾキシン、ドラスタチン、ミボブリンイセチオネート(mivobulin isethionate)、オーリスタチン(auristatin)、セマドチン(cemadotin)、RPR109881、BMS184476、ビンフルニン、クリプトフィシン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロ−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)ベンゼンスルホンアミド、アンヒドロビンブラスチン、N,N−ジメチル−L−バリル−L−バリル−N−メチル−L−バリル−L−プロリル−L−プロリン−t−ブチルアミド、TDX258、エポチロン類(epothilones)(参照例:USP6,284,781及び6,288,237)及びBMS188797などである。一部実施態様において、エポチロン類は微小管インヒビター/微小管安定化剤には含まれない。
トポイソメラーゼインヒビターの一部の例は、トポテカン、ハイカプタミン(hycaptamine)、イリノテカン、ルビテカン、6−エトキシプロピオニル−3’,4’−O−エキソ−ベンジリデン−チャートロイシン、9−メトキシ−N,N−ジメチル−5−ニトロピラゾロ[3,4,5−kl]アクリジン−2−(6H)プロパナミン、1−アミノ−9−エチル−5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−9−ヒドロキシ−4−メチル−1H,12H−ベンゾ[de]ピラノ[3’,4’:b,7]−インドリジノ[1,2b]キノリン−10,13(9H,15H)ジオン、ラートテカン(lurtotecan)、7−[2−(N−イソプロピルアミノ)エチル]−(20S)カンプトテシン、BNP1350、BNPI1100、BN80915、BN80942、リン酸エトポシド、テニポシド、ソブゾキサン、2’−ジメチルアミノ−2’−デオキシ−エトポシド、GL331、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−9−ヒドロキシ−5,6−ジメチル−6H−ピリド[4,3−b]カルバゾール−1−カルボキサミド、アスラクリン、(5a,5aB,8aa,9b)−9−[2−[N−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−N−メチルアミノ]エチル]−5−[4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル]−5,5a,6,8,8a,9−ヘキソヒドロフロ(3’,4’:6,7)ナフト(2,3−d)−1,3−ジオキソール−6−オン、2,3−(メチレンジオキシ)−5−メチル−7−ヒドロキシ−8−メトキシベンゾ[c]−フェナンスリジニウム、6,9−ビス[(2−アミノエチル)アミノ]ベンゾ[g]イソギノリン−5,10−ジオン、5−(3−アミノプロピルアミノ)−7,10−ジヒドロキシ−2−(2−ヒドロキシエチルアミノメチル)−6H−ピラゾロ[4,5,1−de]アクリジン−6−オン、N−[1−[2(ジエチルアミノ)エチルアミノ]−7−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−4−イルメチル]ホルムアミド、N−(2−(ジメチルアミノ)エチル)アクリジン−4−カルボキサミド、6−[[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ]−3−ヒドロキシ−7H−インデノ[2,1−c]キノリン−7−オン、及びジメスナ(dimesna)などである。
有糸分裂キネシン、とりわけヒトの有糸分裂キネシンKSPのインヒビターの例は、公開公報WO03/039460、WO03/050064、WO03/050122、WO03/049527、WO03/049679、WO03/049678、WO04/039774、WO03/079973、WO03/099211、WO03/105855、WO03/106417、WO04/037171、WO04/058148、WO04/058700、WO04/126699、WO05/018638、WO05/019206、WO05/019205、WO05/018547、WO05/017190、US2005/0176776に記載されている。一実施態様において、有糸分裂キネシンのインヒビターは、限定されるものではないが、KSPのインヒビター、MKLP1のインヒビター、CENP−Eのインヒビター、MCAKのインヒビター及びRab6−KIFLのインヒビターである。
「ヒストン・デアセチラーゼ・インヒビター」の例は、限定されるものではないが、SAHA、TSA、オキサムフラチン(oxamflatin)、PXD101、MG98及びスクリプタイド(scriptaid)である。その他のヒストン・デアセチラーゼ・インヒビターに関しては、さらに、以下の文献:Miller,T.A.et al.J.Med.Chem.46(24):5097−5116(2003)に見出し得る。
「有糸分裂進行に関与するキナーゼのインヒビター」は、限定されるものではないが、オーロラキナーゼのインヒビター、ポロ様キナーゼ(PLK)のインヒビター(とりわけPLK−1のインヒビター)、バブ−1のインヒビター及びバブ−R1のインヒビターを包含する。「オーロラキナーゼのインヒビター」の例はVX−680である。
「抗増殖剤」は、アンチセンスRNA及びDNAオリゴヌクレオチド、例えば、G3139、ODN698、RVASKRAS、GEM231、及びINX3001、及び代謝拮抗剤、例えば、エノシタビン、カルモフル、テガフル、ペントスタチン、ドキシフルリジン、トリメトレキセート(trimetrexate)、フルダラビン(fludarabine)、カペシタビン(capecitabine)、ガロシタビン(galocitabine)、シタラビン・オクホスフェート(cytarabine ocfosfate)、ホステアビン(fosteabine)ナトリウム水和物、ラルチトレキセド、パルチトレキシド、エミテフル、チアゾフリン、デシタビン、ノラトレキセド、ペメトレキセド、ネルザラビン(nelzarabine)、2’−デオキシ−2’−メチリデンシチジン、2’−フルオロメチレン−2’−デオキシシチジン、N−[5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾフリル)スルホニル]−N’−(3,4−ジクロロフェニル)尿素、N6−[4−デオキシ−4−[N2−[2(E),4(E)−テトラデカジエノイル]グリシルアミノ]−L−グリセロ−B−L−マンノ−ヘプトピラノシル]アデニン、アプリジン、エクテイナサイジン(ecteinascidin)、トロキサシタビン(troxacitabine)、4−[2−アミノ−4−オキソ−4,6,7,8−テトラヒドロ−3H−ピリミジノ[5,4−b][1,4]チアジン−6−イル−(S)−エチル]−2,5−チエノイル−L−グルタミン酸、アミノプテリン、5−フルオロウラシル、アラノシン、11−アセチル−8−(カルバモイルオキシメチル)−4−ホルミル−6−メトキシ−14−オキサ−1,11−ジアザテトラシクロ(7.4.1.0.0)−テトラデカ−2,4,6−トリエン−9−イル酢酸エステル、スワインソニン(swainsonine)、ロメトレキソール、デキスラゾキサン(dexrazoxane)、メチオニナーゼ、2’−シアノ−2’−デオキシ−N4−パルミトイル−1−B−D−アラビノフラノシルシトシン、3−アミノピリジン−2−カルボキサルデヒド・チオセミカルバゾン及びトラスツズマブなどである。
モノクローナル抗体標的化治療剤の例は、がん細胞特異的又は標的細胞特異的モノクローナル抗体に結合した細胞傷害剤又は放射性同位体を有する治療剤である。その例はベクサール(Bexxar)である。
「HMG−CoAリダクターゼインヒビター」は、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoAリダクターゼのインヒビターをいう。使用し得るHMG−CoAリダクターゼインヒビターの例は、限定されるものではないが、ロバスタチン(メバコール(MEVACOR;登録商標);参照USP4,231,938、4,294,926及び4,319,039)、シンバスタチン(ゾコール(ZOCOR;登録商標);参照USP4,444,784、4,820,850及び4,916,239)、プラバスタチン(プラバコール(PRAVACHOL;登録商標);参照USP4,346,227、4,537,859、4,410,629、5,030,447及び5,180,589)、フルバスタチン(レスコール(LESCOL;登録商標);参照USP5,354,772、4,911,165、4,929,437、5,189,164、5,118,853、5,290,946及び5,356,896)、アトルバスタチン(リピトール(LIPITOR;登録商標);参照USP5,273,995、4,681,893、5,489,691及び5,342,952)及びセリヴァスタチン(cerivastatin)リバスタチン(rivastatin)及びベイコール(BAYCHOL;登録商標)としても知られる;参照USP5,177,080)を包含する。本方法に使用し得るこれらのHMG−CoAリダクターゼインヒビター及びさらなるインヒビターの構造式については、文献(M.Yalpani,“Cholesterol Lowering Drugs(コレステロール低下剤)”,Chemistry & Industry,pp.85−89(1996年2月5日))の87ページ及びUSP4,782,084及び4,885,314に記載がある。本明細書にて使用する場合の用語HMG−CoAリダクターゼインヒビターとは、HMG−CoAリダクターゼ阻害活性を有する化合物の医薬的に許容され得るラクトン及び開環酸型(すなわち、ラクトン環が開いて遊離の酸を形成する場合)のもの、並びに塩及びエステル型のものを包含し、したがって、かかる塩、エステル、開環酸及びラクトン型の使用が本発明の範囲に包含される。
「プレニル−タンパク質トランスフェラーゼインヒビター」は、1種類の又は組合わせたプレニル−タンパク質トランスフェラーゼ酵素を阻害する化合物をいい、該酵素はファルネシル−タンパク質トランスフェラーゼ(FPTアーゼ)、ゲラニルゲラニル−タンパク質トランスフェラーゼI型(GGPTアーゼ−I)、及びゲラニルゲラニル−タンパク質トランスフェラーゼII型(GGPTアーゼ−II、Rab GGPTアーゼともいう)などである。
プレニル−タンパク質トランスフェラーゼインヒビターの例は、以下の公開公報及び特許に見出し得る:WO96/30343、WO97/18813、WO97/21701、WO97/23478、WO97/38665、WO98/28980、WO98/29119、WO95/32987、USP5,420,245、USP5,523,430、USP5,532,359、USP5,510,510、USP5,589,485、USP5,602,098、欧州特許公開0 618 221、欧州特許公開0 675 112、欧州特許公開0 604 181、欧州特許公開0 696 593、WO94/19357、WO95/08542、WO95/11917、WO95/12612、WO95/12572、WO95/10514、USP5,661,152、WO95/10515、WO95/10516、WO95/24612、WO95/34535、WO95/25086、WO96/05529、WO96/06138、WO96/06193、WO96/16443、WO96/21701、WO96/21456、WO96/22278、WO96/24611、WO96/24612、WO96/05168、WO96/05169、WO96/00736、USP5,571,792、WO96/17861、WO96/33159、WO96/34850、WO96/34851、WO96/30017、WO96/30018、WO96/30362、WO96/30363、WO96/31111、WO96/31477、WO96/31478、WO96/31501、WO97/00252、WO97/03047、WO97/03050、WO97/04785、WO97/02920、WO97/17070、WO97/23478、WO97/26246、WO97/30053、WO97/44350、WO98/02436、及びUSP5,532,359。血管新生に対するプレニル−タンパク質トランスフェラーゼインヒビターの役割の例については、文献(European J.of Cancer,Vol.35,No.9,pp.1394−1401(1999))を参照されたい。
「血管新生インヒビター」とは、メカニズムに関係なく、新しい血管の形成を阻害する化合物をいう。血管新生インヒビターの例は、限定されるものではないが、チロシンキナーゼインヒビター、例えば、チロシンキナーゼ受容体Flt−1(VEGFR1)及びFlk−1/KDR(VEGFR2)のインヒビター、表皮由来、線維芽細胞由来若しくは血小板由来増殖因子のインヒビター、MMP(マトリックス・メタロプロテアーゼ)インヒビター、インテグリン・ブロッカー、インターフェロン−α、インターロイキン−12、ペントサンポリ硫酸、シクロオキシゲナーゼインヒビター(アスピリン及びイブプロフェンなどの非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)を含む)並びにセレコキシブ及びロフェコキシブなどの選択的シクロオキシゲナーゼ−2インヒビター(PNAS,Vol.89,p.7384(1992);JNCI,Vol.69,p.475(1982);Arch.Opthalmol.,Vol.108,p.573(1990);Anat.Rec.,Vol.238,p.68(1994);FEBS Letters,Vol.372,p.83(1995);Clin,Orthop.Vol.313,p.76(1995);J.Mol.Endocrinol.,Vol.16,p.107(1996);Jpn.J.Pharmacol.,Vol.75,p.105(1997);Cancer Res.,Vol.57,p.1625(1997);Cell,Vol.93,p.705(1998);Intl.J.Mol.Med.,Vol.2,p.715(1998);J.Biol.Chem.,Vol.274,p.9116(1999))、ステロイド系抗炎症剤(コルチコステロイド、ミネラロコルチコイド、デキサメタゾン、プレドニソン、プレドニソロン、メチルプレッド、ベタメサゾン)、カルボキシアミドトリアゾール、コンブレタスタチンA−4、スクアラミン、6−O−クロロアセチル−カルボニル)−フマギロール、サリドマイド、アンギオスタチン、トロポニン−1、アンギオテンシンIIアンタゴニスト(参照Fernandez et al.,J.Lab.Clin.Med.105:141−145(1985))、及びVEGFに対する抗体(参照Nature Biotechnology,Vol.17,pp.963−968(1999年10月);Kim et al.,Nature,362,841−844(1993);WO00/44777;及びWO00/61186)である。
血管新生を調節又は阻害し、本発明化合物と組合わせて使用し得る他の治療薬は、凝固系及び繊維素溶解系を調節又は阻害する薬剤を含む(参照概説:Clin.Chem.La.Med.38:679−692(2000))。凝固及び繊維素溶解経路を調節又は阻害するかかる薬剤の例は、限定されるものではないが、ヘパリン(参照:Thromb.Haemost.80:10−23(1998))、低分子量ヘパリン及びカルボキシペプチダーゼUインヒビター(活性トロンビンを活性化し得る繊維素溶解インヒビター(TAFIa)のインヒビターとしても知られる)(参照:Thrombosis Res.101:329−354(2001))などを包含する。TAFIaインヒビターはUS出願番号60/310,927(2001年8月8日出願)及び60/349,925(2002年1月18日出願)に記載されている。
「細胞周期チェックポイントに干渉する薬剤」とは、細胞周期チェックポイントシグナルを伝達するタンパク質キナーゼを阻害し、それによってDNA傷害剤に対しがん細胞を増感する化合物をいう。かかる薬剤は、ATR、ATM、CHK1、CHK2及びWee−1キナーゼのインヒビター、及びcdkとcdcキナーゼインヒビターであり、具体的には7−ヒドロキシスタウロスポリン、フラボピリドール、CYC202(シクラセル;Cyclacel)及びBMS−387032などである。
「受容体チロシンキナーゼ(RTK)に干渉する薬剤」とは、RTKを阻害する化合物、したがって、発がんと腫瘍進行に関与するメカニズムを阻害する化合物をいう。かかる薬剤は、c−Kit、Eph、PDGF、Flt3及びc−Metのインヒビターである。さらなる薬剤は文献(Bume−Jensen and Hunter,Nature,411:355−365,2001)に記載されているRTKのインヒビターである。
「細胞増殖及び生存シグナル伝達経路のインヒビター」とは、細胞表面受容体の下流にあるシグナル伝達カスケードを阻害する化合物をいう。かかる薬剤はセリン/スレオニンキナーゼのインヒビター(限定されるものではないが、以下に記載されているAktインヒビターを含む:WO02/083064、WO02/083139、WO02/083140、US2004−0116432、WO02/083138、US2004−0102360、WO03/086404、WO03/086279、WO03/086394、WO03/084473、WO03/086403、WO2004/041162、WO2004/096131、WO2004/096129、WO2004/096135、WO2004/096130、WO2005/100356、WO2005/100344、US2005/029941、US2005/44294、US2005/43361、60/734188、60/652737、60/670469)、Rafキナーゼのインヒビター(例えば、BAY−43−9006)、MEKのインヒビター(例えば、CI−1040及びPD−098059)、mTORのインヒビター(例えば、ワイスCCI−779)、及びPI3Kのインヒビター(例えば、LY294002)である。
上記のように、NSAIDとの組み合わせでは、強力なCOX−2阻害剤であるNSAIDの使用を目的とする。本明細書の目的上、NSAIDが、細胞若しくはミクロソーム・アッセイにより測定した場合に、1μM以下のCOX−2阻害IC50を有するならは、そのNSAIDは活性を有する。
本発明は選択的COX−2インヒビターであるNSAIDとの組合わせをも包含する。本明細書の目的上、選択的COX−2インヒビターであるNSAIDは、COX−1に対してよりもCOX−2に対して阻害特異性を有するものであって、細胞又はミクロソームアッセイにより評価した場合に、COX−1のIC50に対するCOX−2のIC50の比が少なくとも100倍あると測定されるものと定義される。かかる化合物は、限定されるものではないが、USP5,474,995、USP5,861,419、USP6,001,843、USP6,020,343、USP5,409,944、USP5,436,265、USP5,536,752、USP5,550,142、USP5,604,260、U.S.5,698,584、USP5,710,140、WO94/15932、USP5,344,991、USP5,134,142、USP5,380,738、USP5,393,790、USP5,466,823、USP5,633,272及びUSP5,932,598(これらはすべて参照することにより本明細書の一部とする)に開示された化合物である。
本治療方法において特に有用なCOX−2インヒビターは:3−フェニル−4−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−2−(5H)−フラノン;及び5−クロロ−3−(4−メチルスルホニル)フェニル−2−(2−メチル−5−ピリジニル)ピリジン;又はその医薬的に許容され得る塩;である。
COX−2の特異的インヒビターとして記載されており、それゆえ、本発明において有用である化合物は、限定されるものではないが、以下のものである:パレコキシブ(parecoxib)、アルコキシア(ARCOXIA;登録商標)、ベクストラ(BEXTRA;登録商標)及びセレブレックス(CELEBREX;登録商標)又は医薬的に許容され得るその塩。
血管新生インヒビターのその他の例は、限定されるものではないが、エンドスタチン、ウクライン(ukrain)、ランピルナーゼ(ranpirnase)、IM862、5−メトキシ−4−[2−メチル−3−(3−メチル−2−ブテニル)オキシラニル]−1−オキサスピロ[2,5]オクタ−6−イル(クロロアセチル)カルバメート、アセチルジナナリン、5−アミノ−1−[[3,5−ジクロロ−4−(4−クロロベンゾイル)フェニル]メチル]−1H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボキサミド、CM101、スクアラミン(squalamine)、コンブレタスタチン(combretastatin)、RPI4610、NX31838、硫酸化マンノペンタオースリン酸、7,7−(カルボニル−ビス[イミノ−N−メチル−4,2−ピロロカルボニルイミノ[N−メチル−4,2−ピロール]−カルボニルイミノ]−ビス−(1,3−ナフタレンジスルホネート)、及び3−[(2,4−ジメチルピロール−5−イル)メチレン]−2−インドリノン(SU5416)である。
上記で使用される「インテグリン・ブロッカー」とは、生理的リガンドがαβインテグリンに結合するのを選択的に拮抗、阻害又は反作用する化合物、生理的リガンドがαβインテグリンに結合するのを選択的に拮抗、阻害又は反作用する化合物、生理的リガンドがαβインテグリンとαβインテグリンの両方に結合するのを選択的に拮抗、阻害又は反作用する化合物、及び毛細血管内皮細胞で発現される特定インテグリンの活性を拮抗、阻害又は反作用する化合物をいう。この用語はまたαβ、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ及びαβインテグリンのアンタゴニストをいう。この用語はまたαβ、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ、αβ及びαβインテグリンのいずれかの組合わせのアンタゴニストをいう。
チロシン・キナーゼインヒビターの一部の具体例は、N−(トリフルオロメチルフェニル)−5−メチルイソオキサゾール−4−カルボキサミド、3−[(2,4−ジメチルピロール−5−イル)メチリデニル)インドリン−2−オン、17−(アリルアミノ)−17−デメトキシゲルダナマイシン、4−(3−クロロ−4−フルオロフェニルアミノ)−7−メトキシ−6−[3−(4−モルホリニル)プロポキシル]キナゾリン、N−(3−エチニルフェニル)−6,7−ビス(2−メトキシエトキシ)−4−キナゾリンアミン、BIBX1382、2,3,9,10,11,12−ヘキサヒドロ−10−(ヒドロキシメチル)−10−ヒドロキシ−9−メチル−9,12−エポキシ−1H−ジインドロ[1,2,3−fg:3’,2’,1’−kl]ピロロ[3,4−i][1,6]ベンゾジアゾシン−1−オン、SH268、ゲニステイン(genistein)、STI571、CEP2563、4−(3−クロロフェニルアミノ)−5,6−ジメチル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンメタンスルホネート、4−(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン、4−(4’−ヒドロキシフェニル)アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン、SU6668、STI571A、N−4−クロロフェニル−4−(4−ピリジルメチル)−1−フタラジンアミン、及びEMD121974である。
抗がん化合物以外の化合物との組合わせもまた本方法に包含される。例えば、本出願の請求項に記載した化合物とPPAR−γ(すなわち、PPAR−ガンマ)アゴニスト及びPPAR−δ(すなわち、PPAR−デルタ)アゴニストとの組合わせは、ある種の悪性腫瘍の治療に有用である。PPAR−γ及びPPAR−δは核ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ及びδである。PPAR−γの内皮細胞における発現及び血管新生におけるその関与については文献(参照:J.Cardiovasc.Pharmacol.1998;31:909−913;J.Biol.Chem.1999;274:9116−9121;Invest.Ophthalmol Vis. Sci.2000;41:2309−2317)に報告されている。つい最近、PPAR−γアゴニストがインビトロでVEGFに対する血管新生応答を阻害することが示されている;トログリタゾン(troglitazone)及びマレイン酸ロシグリタゾン(rosiglitazone maleate)両方が、マウスにおいて網膜新生血管形成の進展を阻害する(Arch.Ophthamol.2001;119:709−717)。PPAR−γアゴニスト及びPPAR−γ/αアゴニストの例は、限定されるものではないが、チアゾリジンジオン類(例えば、DRF2725、CS−011、トログリタゾン(troglitazone)、ロシグリタゾン(rosiglitazone)、及びピオグリタゾン(pioglitazone))、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル(gemfibrozil)、クロフィブレート、GW2570、SB219994、AR−H039242、JTT−501、MCC−555、GW2331、GW409544、NN2344、KRP297、NP0110、DRF4158、NN622、GI262570、PNU182716、DRF552926、2−[(5,7−ジプロピル−3−トリフルオロメチル−1,2−ベンズイソオキサゾール−6−イル)オキシ]−2−メチルプロピオン酸(USSN09/782,856に開示)、及び2(R)−7−(3−(2−クロロ−4−(4−フルオロフェノキシ)フェノキシ)プロポキシ)−2−エチルクロマン−2−カルボン酸(USSN60/235,708及び60/244,697に開示)などを包含する。
本発明の別の実施態様は、がん治療のための遺伝子療法と組合わせて、本明細書に開示した化合物を使用することである。がん治療の遺伝子戦略の概観については:Hall et al(Am.J.Hum.Genet.61:785−789,1997)及びKufe et al(Cancer Medicine,5th Ed,pp876−889,BC Decker,Hamilton 2000)を参照。遺伝子療法は腫瘍抑制遺伝子を送達するために使用することができる。かかる遺伝子の例は、限定されるものではないが、p53(この遺伝子は組換えウイルス媒介遺伝子伝達を介して送達される)(例えば、USP6,069,134参照)、uPA/uPARアンタゴニスト(“uPA/uPARアンタゴニストのアデノウイルス媒介送達は、マウスにおいて血管新生依存性腫瘍増殖及び拡散を抑制する”Gene Therapy,August 1998;5(8):1105−13)、及びインターフェロン−ガンマ(J.Immunol.2000;164:217−222)などを包含する。
本発明化合物はまた生来多剤耐性(MDR)であるインヒビター、取分け輸送体タンパク質の高レベル発現と関係するMDRのインヒビターと組合わせて投与し得る。かかるMDRインヒビターはp−糖タンパク質(P−gp)のインヒビター、例えば、LY335979、XR9576、OC144−093、R101922、VX853及びPSC833(バルスポダール(valspodar))を包含する。
本発明化合物は、本発明化合物の単独使用又は放射線療法との併用から生じ得る急性、遅延型、後期、及び予測性の嘔吐などの悪心又は嘔吐を治療するために、制吐剤とともに使用し得る。嘔吐の予防又は治療のために、本発明化合物は他の制吐剤、取分け、ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト、5HT3受容体アンタゴニスト、例えば、オンダンセトロン(ondansetron)、グラニセトロン(granisetron)、トロピセトロン(tropisetron)、及びザチセトロン(zatisetron)など、GABAB受容体アゴニスト、例えば、バクロフェンなど、コルチコステロイド、例えば、デカドロン(デキサメタゾン)など、ケナログ(Kenalog)、アリストコート(Aristocort)、ナサリド(Nasalide)、プレフェリド(Preferid)、ベネコルテン(Benecorten)、又はUSP2,789,118、2,990,401、3,048,581、3,126,375、3,929,768、3,996,359、3,928,326及び3,749,712に開示されたその他のもの、抗ドーパミン作動性薬、例えば、フェノチアジン類(例:プロクロルペラジン、フルフェナジン、チオリダジン及びメソリダジン)、メトクロプラミド又はドロナビノールなどと共に使用し得る。別の実施態様においては、ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト、5HT3受容体アンタゴニスト、及びコルチコステロイドから選択される制吐剤との組合わせ療法が、本発明化合物の投与により生じ得る嘔吐の治療又は予防のために開示される。
本発明化合物と組合わせて使用するニューロキニン−1受容体アンタゴニストについては、例えば、以下に詳しく記載されている:米国特許USP5,162,339、5,232,929、5,242,930、5,373,003、5,387,595、5,459,270、5,494,926、5,496,833、5,637,699、5,719,147;欧州特許公開番号EP0 360 390、0 394 989、0 428 434、0 429 366、0 430 771、0 436 334、0 443 132、0 482 539、0 498 069、0 499 313、0 512 901、0 512 902、0 514 273、0 514 274、0 514 275、0 514 276、0 515 681、0 517 589、0 520 555、0 522 808、0 528 495、0 532 456、0 533 280、0 536 817、0 545 478、0 558 156、0 577 394、0 585 913、0 590 152、0 599 538、0 610 793、0 634 402、0 686 629、0 693 489、0 694 535、0 699 655、0 699 674、0 707 006、0 708 101、0 709 375、0 709 376、0 714 891、0 723 959、0 733 632及び0 776 893;PCT国際特許公開番号WO90/05525、90/05729、91/09844、91/18899、92/01688、92/06079、92/12151、92/15585、92/17449、92/20661、92/20676、92/21677、92/22569、93/00330、93/00331、93/01159、93/01165、93/01169、93/01170、93/06099、93/09116、93/10073、93/14084、93/14113、93/18023、93/19064、93/21155、93/21181、93/23380、93/24465、94/00440、94/01402、94/02461、94/02595、94/03429、94/03445、94/04494、94/04496、94/05625、94/07843、94/08997、94/10165、94/10167、94/10168、94/10170、94/11368、94/13639、94/13663、94/14767、94/15903、94/19320、94/19323、94/20500、94/26735、94/26740、94/29309、95/02595、95/04040、95/04042、95/06645、95/07886、95/07908、95/08549、95/11880、95/14017、95/15311、95/16679、95/17382、95/18124、95/18129、95/19344、95/20575、95/21819、95/22525、95/23798、95/26338、95/28418、95/30674、95/30687、95/33744、96/05181、96/05193、96/05203、96/06094、96/07649、96/10562、96/16939、96/18643、96/20197、96/21661、96/29304、96/29317、96/29326、96/29328、96/31214、96/32385、96/37489、97/01553、97/01554、97/03066、97/08144、97/14671、97/17362、97/18206、97/19084、97/19942及び97/21702;及び英国特許公開PB−A2 266 529、2 268 931、2 269 170、2 269 590、2 271 774、2 292 144、2 293 168、2 293 169、及び 2 302 689。かかる化合物の調製については、上記の特許及び出願公開に詳しく記載されている;これらを参照することにより本明細書の一部とする。
一実施態様において、本発明化合物と組合わせて使用されるニューロキニン−1受容体アンタゴニストは、USP5,719,147に開示されている2−(R)−(1−(R)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)エトキシ)−3−(S)−(4−フルオロフェニル)−4−(3−(5−オキソ−1H,4H−1,2,4−トリアゾロ)メチル)モルホリン、又はその医薬的に許容され得る塩から選択される。
本発明化合物は貧血の治療に有用な薬剤と共にも投与し得る。かかる貧血治療の薬剤は、例えば、連続的赤血球形成受容体活性化因子(エポエチンアルファなど)である。
本発明化合物は好中球減少症の治療に有用な薬剤と共にも投与し得る。かかる好中球減少症治療の薬剤は、例えば、ヒト顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)などの好中球の産生と機能を調節する造血成長因子である。G−CSFの例はフィルグラスチム(filgrastim)である。
本発明化合物はまた免疫増強剤、例えば、レバミゾール、イソプリノシン(isoprinosine)及びザダキシン(Zadaxin)などと共にも投与し得る。
本発明化合物はP450インヒビターと組合わせて、がんを治療又は予防するためにも有用であり得る;かかるインヒビターは、キセノビオティックス、キニジン、チラミン、ケトコナゾール、テストステロン、キニーネ、メチラポン、カフェイン、フェネルジン、ドキソルビシン、トロレアンドマイシン、シクロベンザプリン、エリスロマイシン、コカイン、フラフィリン、シメチジン、デキストロメトルファン、リトナビル、インディナビル、アンプレナビル、ジルチアゼム、テルフェナジン、ベラパミル、コルチゾール、イトラコナゾール、ミベフラジル、ネファゾドン及びネルフィナビルなどである。
本発明化合物はPgp及び/又はBCRPインヒビターと組合わせて、がんを治療又は予防するためにも有用であり得る;かかるインヒビターは、シクロスポリンA、PSC833、GF120918、クレモフォアEL(cremophorEL)、フミトレモルギンC(fumitremorgin C)、Ko132、Ko134、イレッサ、メシル酸イマチニブ、EKI−785、Cl1033、ノボビオシン、ジエチルスチルベステロール、タモキシフェン、レセルピン、VX−710、トリプロスタチンA、フラボノイド、リトナビル、サキナビル、ネルフィナビル、オメプラゾール、キニジン、ベラパミル、テルフェナジン、ケトコナゾール、ニフェジピン、FK506、アミダロン、XR9576、インジナビル、アンプレナビル、コルチゾール、テストステロン、LY335979、OC144−093、エリスロマイシン、ビンクリスチン、ジゴキシン及びタリノロールなどである。
本発明化合物はまたビスホスホネート(ビスホスホネート、ジホスホネート、ビスホスホン酸及びジホスホン酸などを含むと理解される)と組合わせて、骨がんなどのがんの治療又は予防に有用であり得る。ビスホスホネートの例は、限定されるものではないが、エチドロネート(ダイドロネル(Didronel))、パミドロネート(アレジア(Aredia))、アレンドロネート(ホサマックス(Fosamax))、リセンドロネート(アクトネル(Actonel))、ゾレドロネート(ゾメタ(Zometa))、イバンドロネート(ボニバ(Boniva))、インカドロネート(incadronate)若しくはシマドロネート(cimadronate)、クロドロネート(clodronate)、EB−1053、ミノドロネート(minodronate)、ネリドロネート(neridronate)、ピリドロネート(piridronate)及びチルドロネート(tiludronate)並びにそのいずれかの、及びすべての医薬的に許容され得る塩、誘導体、水和物及びその混合物である。
また、本発明化合物はアロマターゼインヒビターと組合わせて、乳がんの治療又は予防にも有用であり得る。アロマターゼインヒビターの例は、限定されるものではないが、アナストロゾール、レトロゾール及びエクゼメスタンである。
また、本発明化合物はsiRNA療法と組合わせたがんの治療又は予防にも有用であり得る。
本発明化合物はまた、γ−セクレターゼインヒビター及び/又はノッチ(NOTCH)シグナル伝達インヒビターと組合せて投与してもよい。そのようなインヒビターは以下に記載された化合物である:WO01/90084、WO02/30912、WO01/70677、WO03/013506、WO02/36555、WO03/093252、WO03/093264、WO03/093251、WO03/093253、WO2004/039800、WO2004/039370、WO2005/030731、WO2005/014553、USSN10/957,251、WO2004/089911、WO02/081435、WO02/081433、WO03/018543、WO2004/031137、WO2004/031139、WO2004/031138、WO2004/101538、WO2004/101539及びWO02/47671(LY−450139を含む)。
本発明化合物は、PARPインヒビターと組合わせて、がんを治療又は予防するためにも有用であり得る。
本発明化合物は、カルボプラチン及びタキソールと組合わせて、がんを治療又は予防するためにも有用であり得る。
本発明化合物は、5−FU及びシスプラチンと組合わせて、がんを治療又は予防するためにも有用であり得る。
本発明化合物は、カペシタビンと組合わせて、がんを治療又は予防するためにも有用であり得る。
本発明化合物は、オキサリプラチンと組合わせて、がんを治療又は予防するためにも有用であり得る。
本発明化合物は、シスプラチンと組合わせて、がんを治療又は予防するためにも有用であり得る。
本発明化合物は、ゲムシタビンと組合わせて、がんを治療又は予防するためにも有用であり得る。
本発明化合物は、放射線療法と組合わせて、がんを治療又は予防するためにも有用であり得る。
本発明化合物は、以下の治療剤と組合わせて、がんを治療するためにも有用であり得る:アバレリックス(abarelix;プレナキス・デポ:Plenaxis depot登録商標);アルデスロイキン(aldesleukin;プロカイン:Prokine登録商標);アルデスロイキン(プロロイキン:Proleukin登録商標);アルメツズマブ(Alemtuzumabb:カンパス:Campath登録商標);アリトレチノイン(alitretinoin;パンレチン:Panretin登録商標);アロプリノール(ジロプリム:Zyloprim登録商標);アルトレタミン(altretamine;ヘキサレン:Hexalen登録商標);アミフォスチン(amifostine;エチオール(Ethyol登録商標);アマストロゾール(anastrozole;アリミデックス:Arimidex登録商標);三酸化砒素(トリセノックス登録商標);アスパラギナーゼ(エルスパール:Elspar登録商標);アザシチジン(ビダザ:Vidaza登録商標);ベバクジマブ(bevacuzimab;アバスチン:Avastin登録商標);ベキサロテン(bexarotene)カプセル(ターグレチン:Targretin登録商標);ベキサロテン・ゲル(タルグレチン:Targretin登録商標);ブレオマイシン(ブレノキサン:Blenoxane登録商標);ボルテゾミブ(bortezomib;ベルケード:Velcade登録商標);ブスルファン静注(ブスルフェックス;登録商標);ブスルファン経口(ミレラン:Myleran登録商標);カルステロン(calusterone;メトサルブ:Methosarb登録商標);カペシタビン(ゼローダ:登録商標);カルボプラチン(パラプラチン:登録商標);カルムスチン(BCNU登録商標;BiCNU登録商標);カルムスチン(グリアデル登録商標);カルムスチン及びポリフェプロサン20インプラント(グリアデル・ウエハー登録商標);セレコキシブ(セレブレックス登録商標);セツキシマブ(cetuximab;エルビタックス:Erbitux登録商標);クロランブシル(ロイケラン登録商標);シスプラチン(プラチノール登録商標);クラドリビン(ロイスタチン登録商標;2−CdA登録商標);クロファラビン(クロラール登録商標);シクロホスファミド(シトキサン登録商標;ネオサール登録商標);シクロホスファミド(シトキサン注射、登録商標);シクロホスファミド(シトキサン錠、登録商標);シタラビン(シトサール−U登録商標);シタラビン・リポソーム(デポシット登録商標);
ダカルバジン(DTIC−ドーム、登録商標);ダクチノマイシン、アクチノマイシンD(コスメゲン、登録商標);ダルベポエチンアルファ(アラネスプ、登録商標);ダウノルビシン・リポソーム(ダウノキソーム、登録商標);ダウノルビシン、ダウノマイシン(ダウノルビシン、登録商標);ダウノルビシン、ダウノマイシン(セルビジン、登録商標);デニロイキン・ジフィトックス(Denileukin diftitox;オンタック:Ontak登録商標);デクスラゾキサン(dexrazoxane;ジネカード:Zinecard登録商標);ドセタキセル(タキソテール、登録商標);ドキソルビシン(アドリアマイシンPFS登録商標);ドキソルビシン(アドリアマイシン、登録商標;ルベックス、登録商標);ドキソルビシン(アドリアマイシンPFS注射、登録商標);ドキソルビシン・リポソーム(ドキシル、登録商標);プロピオン酸ドロモスタノロン(ドロモスタノロン、登録商標);プロピオン酸ドロモスタノロン(マステロン注射);エリオットB溶液(エリオットB溶液);エピルビシン(エレンス、登録商標);エポエチンアルファ(エポゲン、登録商標);エルロチニブ(タルセバ、登録商標);エストラムスチン(エムサイト:Emcyt登録商標);リン酸エトポシド(エトポホス、登録商標);エトポシド、VP−16(ベペシド:Vepesid登録商標);エクゼメスタン(アロマシン、登録商標);フィルグラスチム(ノイポゲン、登録商標);フロクスウリジン(動脈内)(FUDR登録商標);フルダラビン(フルダラ、登録商標);フルオロウラシル、5−FU(アドルシル、登録商標);フルベストラント(fulvestrant;ファスロデックス:Faslodex登録商標);ゲフィチニブ(イレッサ、登録商標);ゲムシタビン(ゲムザール、登録商標);ゲムツズマブオゾガマイシン(マイロターグ、登録商標);酢酸ゴセレリン(ゾラデックス・インプラント、登録商標);酢酸ゴセレリン(ゾラデックス、登録商標);酢酸ヒストレリン(ヒストレリン・インプラント、登録商標);ヒドロキシ尿素(ハイドレア、登録商標);イブリツモマブチウキセタン(Ibritumomab Tiuxetan;ゼバリン:Zevalin登録商標);イダルビシン(イダマイシン、登録商標);イフォスファミド(IFEX登録商標);メシル酸イマチニブ(グリーベック、登録商標);
インターフェロンアルファ2a(ロフェロンA、登録商標);インターフェロンアルファ2b(イントロンA、登録商標);イリノテカン(カンプトサール、登録商標);レナリドミド(lenalidomide;レブリミド:Revlimid登録商標);レトロゾール(フェマーラ、登録商標);ロイコボリン(ウエルコボリン、登録商標;ロイコボリン、登録商標);酢酸ロイプロリド(エリガード、登録商標);レバミゾール(エルガミソール、登録商標);ロムスチン、CCNU(CeeBU登録商標);メクロレタミン、ナイトロジェンマスタード(マスターゲン、登録商標);酢酸メゲストロール(megestrol acetate;メゲース:Megace登録商標);メルファラン、L−PAM(アルケラン、登録商標);メルカプトプリン、6−MP(プリネトール、登録商標);メスナ(メスネックス、登録商標);メスナ(メスネックス錠、登録商標);メトトレキセート(メトトレキセート、登録商標);メトキサレン(ユバデックス、登録商標);マイトマイシンC(ムタマイシン、登録商標);ミトタン(リソドレン、登録商標);ミトキサントロン(ノバントロン、登録商標);フェンプロピオン酸ナンドロロン(デュラボリン−50、登録商標);ネララビン(アルラノン、登録商標);ノフェツモマブ(Nofetumomab;ベルルーマ、登録商標);オプレルベキン(Oprelvekin;ノイメガ:Neumega登録商標);オキサリプラチン(エロキサチン、登録商標);パクリタキセル(パキセン、登録商標);パクリタキセル(タキソール、登録商標);パクリタキセル・タンパク結合粒子(アブラキサン、登録商標);パリフェルミン(palifermin;ケピバンス:Kepivance登録商標);パミドロン酸塩(アレディア、登録商標);ペガデマーゼ(pegademase;アダゲン:Adagen (ペガデマーゼ・ウシ)登録商標);ペガスパルガーゼ(pegaspargase;オンカスパール:Oncaspar登録商標);ペグフィルグラスチム(Pegfilgrastim;ノイラスタ:Neulasta登録商標);ペメトレキセド二ナトリウム(アリムタ、登録商標);ペントスタチン(ニペント、登録商標);ピポブロマン(pipobroman;ベルサイト:Vercyte登録商標);プリカマイシン(plicamycin)、ミスラマイシン(ミスラシン、登録商標);ポルフィマーナトリウム(フォトフリン、登録商標);プロカルバジン(マツラン:Matulane登録商標);キナクリン(quinacrine;アタブリン:Atabrine登録商標);ラスブリカーゼ(Rasburicase;エリテック、登録商標);
リツキシマブ(リツキサン、登録商標);サルグラモスチム(sargramostim;ロイカイン、登録商標);サルグラモスチム(プロカイン:Prokine登録商標);ソラフェニブ(sorafenib(ネキサバル:Nexavar登録商標);ストレプトゾシン(ザノサール、登録商標);マレイン酸サニチニブ(sunitinib maleate;スーテント:Sutent登録商標);タルク(スクレロソール:Sclerosol登録商標);タモキシフェン(ノルバデックス、登録商標);テモゾロミド(テモダール、登録商標);テニポシド、VM−26(ブモン:Vumon登録商標);テストラクトン(テスラック、登録商標);チオグアニン、6−TG(チオグアニン、登録商標);チオテパ(チオプレックス、登録商標);トポテカン(ハイカムチン、登録商標);トレミフェン(ファレストン、登録商標);トシツモマブ(Tositumomab;ベクサール:Bexxar登録商標);トシツモマブ/I−131トシツモマブ(ベクサール、登録商標);トランスツズマブ(ハーセプチン、登録商標);トレチノイン、ATRA(ベルサノイド、登録商標);ウラシルマスタード(ウラシルマスタードカプセル、登録商標);バルルビシン(バルスター、登録商標);ビンブラスチン(ベルバン、登録商標);ビンクリスチン(オンコビン、登録商標);ビノレルビン(ナベルビン、登録商標);ゾレドロネート(zoledronate;ゾメタ:Zometa登録商標);及びボリノスタット(vorinostat;ゾリンザ:Zolinza登録商標)。
したがって、本発明の範囲は、本出願請求項に記載の化合物と、第二の化合物、すなわち、エストロゲン受容体モジュレーター、アンドロゲン受容体モジュレーター、レチノイド受容体モジュレーター、細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼインヒビター、HMG−CoAリダクターゼインヒビター、HIVプロテアーゼインヒビター、逆転写酵素インヒビター、血管新生インヒビター、PPAR−γアゴニスト、PPAR−δアゴニスト、生来多剤耐性であるもののインヒビター、制吐剤、貧血の治療に有用な薬剤、好中球減少症の治療に有用な薬剤、免疫増強剤、細胞増殖及び生存シグナル伝達のインヒビター、ビスホスホネート、アロマターゼインヒビター、siRNA治療剤、γ−セクレターゼ及び/又はノッチインヒビター、受容体チロシンキナーゼ(RTK)に干渉する薬剤、細胞周期チェックポイントに干渉する薬剤、及び上記掲載の治療剤のいずれかから選択される化合物とを組合わせて使用することを包含する。
本発明化合物に関連する用語「投与」及びその変形(例えば、化合物を「投与する」)は、該化合物又は該化合物のプロドラッグを、治療を必要とする動物の系に導入することを意味する。本発明化合物又はそのプロドラッグが1種以上の他の活性薬剤(例えば、細胞障害剤など)と組合わせて提供される場合、「投与」及びその変形はそれぞれ該化合物又はそのプロドラッグ及び他の薬剤を同時に、及び連続的に導入することを包含すると理解される。
本明細書にて使用する場合、用語「組成物」とは、特定量の特定成分からなる製品、並びに直接的又は間接的に、特定量の特定成分の組合わせから生じる製品を包含するものとする。
本明細書にて使用する場合、用語「治療有効量」とは、研究者、獣医師、医師又はその他の臨床家が求める、組織、系、動物又はヒトにおける、生物学的又は医薬的応答を生じる活性化合物又は薬剤の量を意味する。
用語「がんを治療する」又は「がんの治療」とは、がんの症状に侵された哺乳動物に投与することをいい、またがん細胞を殺すことによりがんの症状を軽快する作用をいうが、さらにがんの増殖及び/又は転移を阻害する作用をもいう。
一実施態様において、第二の化合物として使用するべき血管新生インヒビターは、チロシンキナーゼインヒビター、上皮由来増殖因子のインヒビター、線維芽細胞由来増殖因子のインヒビター、血小板由来増殖因子のインヒビター、MMP(マトリックス・メタロプロテアーゼ)インヒビター、インテグリン・ブロッカー、インターフェロン−α、インターロイキン−12、ペントサン・ポリ硫酸、シクロオキシゲナーゼ・インヒビター、カルボキシアミドトリアゾール、コンブレタスタチンA−4、スクアラミン、6−O−クロロアセチルカルボニル)フマギロール、サリドマイド、アンギオスタチン、トロポニン−1、又はVEGFに対する抗体から選択される。一実施態様において、エストロゲン受容体モジュレーターは、タモキシフェン又はラロキシフェンである。
特許請求の範囲には、本発明化合物の治療有効量を、放射線療法との組合わせ及び/又はエストロゲン受容体モジュレーター、アンドロゲン受容体モジュレーター、レチノイド受容体モジュレーター、細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼインヒビター、HMG−CoAリダクターゼインヒビター、HIVプロテアーゼインヒビター、逆転写酵素インヒビター、血管新生インヒビター、PPAR−γアゴニスト、PPAR−δアゴニスト、生来多剤耐性であるもののインヒビター、制吐剤、貧血の治療に有用な薬剤、好中球減少症の治療に有用な薬剤、免疫増強剤、細胞増殖及び生存シグナル伝達のインヒビター、ビスホスホネート、アロマターセインヒビター、siRNA治療剤、γ−セクレターゼ及び/又はノッチインヒビター、受容体チロシンキナーゼ(RTK)に干渉する薬剤、細胞周期チェックポイントに干渉する薬剤及び上記掲載の治療剤のいずれかから選択される第二の化合物とを組み合わせて投与することからなる癌の治療方法が包含される。
また本発明のなお別の実施態様は、本発明化合物の治療有効量を、パクリタキセル又はトラスツズマブと組合わせて投与することからなるがんの治療方法である。
本発明はさらに本発明化合物の治療有効量をCOX−2インヒビターと組合わせて投与することからなるがんの治療又は予防方法を包含する。
本発明はまた本発明化合物の治療有効量と、エストロゲン受容体モジュレーター、アンドロゲン受容体モジュレーター、レチノイド受容体モジュレーター、細胞傷害剤/細胞増殖抑制剤、抗増殖剤、プレニル−タンパク質トランスフェラーゼインヒビター、HMG−CoAリダクターゼインヒビター、HIVプロテアーゼインヒビター、逆転写酵素インヒビター、血管新生インヒビター、PPAR−γアゴニスト、PPAR−δアゴニスト、細胞増殖及び生存シグナル伝達のインヒビター、ビスホスホネート、アロマターセインヒビター、siRNA治療剤、γ−セクレターゼ及び/又はノッチインヒビター、受容体チロシンキナーゼ(RTK)に干渉する薬剤、細胞周期チェックポイントに干渉する薬剤及び上記掲載の治療剤のいずれかから選択される第二の化合物とを含有してなるがんの治療又は予防に有用な医薬組成物を包含する。
特定した特許、公開公報及び係属中の特許出願はすべて参照することにより本明細書の一部とする。
化学上の記載及び以下の反応工程図に使用し得る略号は以下のとおりである:AcO(無水酢酸);AcOH(酢酸);AEBSF(フッ化p−アミノエチルベンゼンスルホニル);BSA(ウシ血清アルブミン);BuLi(n−ブチルリチウム);CDCl(クロロホルム−d);CuI(ヨウ化銅);CuSO(硫酸銅);DBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン);DCE(ジクロロエタン);DCM(ジクロロメタン);DEAD(アゾジカルボン酸ジエチル);DIPEA(ジイソプロピルエチルアミン);DMF(N,N−ジメチルホルムアミド);DMP(デス−マーチン・ペルヨーディナン);DMSO(ジメチルスルホキシド);DPPA(アジ化ジフェニルホスホリル);DTT(ジチオスレイトール);EDTA(エチレン−ジアミン−四酢酸);EGTA(エチレングリコール−四酢酸);EtO(ジエチルエーテル);EtOAc(酢酸エチル);EtOH(エタノール);HOAc(酢酸);HPLC(高速液体クロマトグラフィー);HRMS(高分解質量スペクトル);LAH(水素化アルミニウムリチウム);LCMS(液体クロマトグラフィー−質量分析計);LHMDS(リチウムビス(トリメチルシリル)アミド);LRMS(低分解質量スペクトル);mCPBA(3−クロロペルオキシ安息香酸);MeOH(メタノール);MP−B(CN)H(多孔性水素化シアノホウ素);NaHCO(重炭酸ナトリウム);NaSO(硫酸ナトリウム);Na(OAc)BH(水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム);NHOAc(酢酸アンモニウム);NBS(N−ブロモコハク酸イミド);NMP(1−メチル−2−ピロリジノン);NMR(核磁気共鳴);PBS(リン酸緩衝食塩水);PCR(ポリメラーゼ連鎖反応);Pd(dppf)([1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム);Pd(Ph(パラジウム(0)テトラキス−トリフェニルホスフィン);POCl(オキシ塩化リン);PS−DIEA(ポリスチレンジイソプロピルエチルアミン);PS−PPh(ポリスチレン−トリフェニルホスフィン);PTSA(パラ−トルエンスルホン酸);Pyr(ピリジン);セレクチフルオア(Selectfluor)(1−クロロメチル−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン ビス(テトラフルオロボレート);RP−HPLC(逆相高速液体クロマトグラフィー);TBAF(フッ化テトラブチルアンモニウム);t−BuOH(tert−ブタノール);THF(テトラヒドロフラン);Tf(トリフルオロメタンスルホニル);TFA(トリフルオロ酢酸);及びTMSCH(トリメチルシリルジアゾメタン)。
本発明化合物は以下の反応工程図に示す反応を用いることにより、またさらに、文献既知であるか、又は実験手順に例示される他の標準的手技に従って、調製することができる。したがって、下記に説明する反応工程図は、掲載された化合物によって、又は説明を目的として使用されるいずれかの特定の置換基によって限定されるものではない。反応工程図に示した置換基の番号付けは、請求項に使用したものと必ずしも相関するものではなく、しばしば明確化のために、上記の式(A)の定義のもとで、複数の置換基が選択肢として可能である化合物についても、1個の置換基を結合させて示している。
本発明化合物を生成させるために使用する反応は、反応工程図I〜VIIに示す反応を採用することにより実施する。
反応工程図の概要
反応工程図Iに示すように、置換基を有する1−クロロイソキノリン(A−1)は、マイクロ波処理によるエチルカルバゼートとの環化反応を受け、トリアゾロイソキノリン(A−2)を生じる。R=ハロゲンである場合、化合物(A−2)はさらにスズキカップリング反応を介して、ヘテロ環状ホウ酸/エステルとカップリングして誘導化し、A−3で示される化合物とされる。
Figure 0005229221
反応工程図IIは、置換4−ヒドロキシイソキノリン(B−1)の相当するBoc又はフタルイミド保護ブロモアミン(B−2)でのアルキル化によるアミノエーテル(B−3)の調製について説明する。エーテル(B−3)はマイクロ波処理によるエチルカルバゼートとの環化反応、さらに相当する脱保護反応を受けてトリアゾロキノリン(B−4)を与える。
Figure 0005229221
反応工程図IIIに示すように、アミノアセトアルデヒドジメチルアセタールによる置換ベンズアルデヒド(C−1)のポメランズ−フリッチ(Pomeranz−Fristch)環化反応により、置換イソキノリン(C−2)(場合によっては異性体混合物として)を生じ得る。選択的臭素化反応はそれらの4−ブロモ誘導体(C−3)を提供するが、このものはmCPBAにより処理して、N−オキシド(C−4)に変換することができる。化合物(C−4)はPOClで処理すると、位置選択的転位を受けて、置換1−クロロイソキノリン(C−5)を生じる;このものはマイクロ波処理環化反応を受けて、ブロモトリアゾロイソキノリン(C−6)を生じる。化合物(C−6)とホウ酸エステル(C−7)とのスズキカップリングは、C−8で示される化合物を与え得る。さらなる水素化/脱保護が相当するC−9及びC−11誘導体を提供し得る。
Figure 0005229221
臭化物(C−3)が置換基を有していてもよいアザアントラセン(C−3a)である場合、代替経路を使用することができる(反応工程図IIIa)。C−1aから反応系にて形成したアシル化ピリジンカルボキシアルデヒドに臭化置換亜鉛を付加すると、1,4−様式の付加が起こり、相当するジヒドロピリジン(C−2a)を生じる;このものは還流デカリン中、イオウの作用により脱芳香化、脱アシル化され得る。次いで、生成する混合物をポリリン酸で処理し、所望の環化臭化物(C−3a)を得る。
Figure 0005229221
反応工程図IVは、臭化物(C−6)とプロパルギルアルコールとの交差カップリングがD−1を生じ、これがD−2に還元され得ることを説明する。
Figure 0005229221
反応工程図Vに示すように、N−オキシド(C−4)はアリルアルコールとのヘック(Heck)カップリングを受けてアルデヒドE−1を生じる;このものは還元的アミノ化条件下でアミン(E−2)を形成し得る。次いで、反応工程図IIIに記載するように、転位反応と環化工程を実施し、アミン(E−3)を得る。
Figure 0005229221
反応工程図VIに示すように、アルデヒド(E−1)は、エナミン触媒としてDL−プロリンを用い、またフッ素源としてNFSiを用いるとα−フッ素化を受け得る。得られたα−フルオロアルデヒドは還元的アミノ化条件下にアリルアミンでトラップし、さらにBoc基で保護して化合物(F−1)を得る。次いで、反応工程図IIIに記載したように、転位反応と環化工程を進行させ、F−2で示される化合物を得る;このものをDMBA及び触媒量のPd(0)で処理して脱保護アミンF−3を得る。
Figure 0005229221
反応工程図VIIに示すように、置換アントラニル酸(G−1)は尿素で環化し、キナゾリノン(G−2)を生じる。POClで処理することにより、G−2をクロル化してジクロロキナゾリン(G−3)とする。求電子体をエチルカルバゼートと反応させて、式(G−4)の化合物とする;このものはDMF中加熱して環化し、トリアゾロキナゾリノン(G−5)とする。トリアゾロ窒素上で選択的BOC保護し、N−BOC−トリアゾロキナゾリノン(G−6)とする;このものを炭酸セシウムの存在下、様々な臭化物でのアルキル化を可能とし、N−アルキル化化合物(G−7)を得る。TFAによるBOC基脱保護により、完全合成トリアゾロキナゾリノン(G−8)を得ることができる。
Figure 0005229221
以下に示す実施例は、本発明のさらなる理解の一助となることを意図する。使用された特定の原料、種類及び条件は、本発明のさらなる説明のためのものであって、その妥当な範囲を制限しようとするものではない。以下の表に描出する化合物の合成に利用する試薬類は、市販品として入手し得るか、又は当業者が容易に調製し得るものである。
Figure 0005229221
9−(1H−ピラゾール−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−4)
9−ブロモ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−2)
7−ブロモ−1−クロロイソキノリン(1−1)(79mg、0.327mmol、1.0当量)及びエチルカルバゼート(34mg、0.33mmol、1.0当量)をEtOH(1.5mL)に懸濁した。反応混合物をマイクロ波照射して40分間170℃とした。粗製の混合物を逆相HPLC(HO/CHCN勾配/0.1%TFA存在下)で精製し、9−ブロモ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−2)を得た。LRMSm/z(M+H)実測値263.9及び264.9、要求値264.1及び265.1。
9−(1H−ピラゾール−4−イル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−4)
4,4,5,5−テトラメチル−2−(1−H−ピラゾール−4−イル)−1,3,2−ジオキサボロラン(29mg、0.15mmol、2.0当量)、9−ブロモ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(1−2)(20mg、0.076mmol、1.0当量)、LiCl(6mg、0.151mmol、2.0当量)及びテトラキス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(9mg、0.008mmol、0.1当量)を無水1,4−ジオキサン(0.5mL)に溶かし、次いで、1M−NaCO/水(0.2mL)溶液で処理した。得られた黄色混合物をN下に一夜100℃に加熱した。粗製産物を逆相HPLC(HO/CHCN勾配/0.1%TFA存在下)で精製して、純粋生成物(1−4)を得た。H NMR(500MHz,CDOD)δ8.46(s,1H),8.14(s,1H),7.94(d,1H,J=8.0Hz),7.74(d,1H,J=8.0Hz),7.58(d,1H,J=7.5Hz),6.95(d,1H,J=7.5Hz).LRMSm/z(M+H)実測値252.1、要求値252.1。
表1に示す化合物は反応工程図1に従って合成した。これらの化合物はTFA塩として単離した。
Figure 0005229221
Figure 0005229221
Figure 0005229221
Figure 0005229221
Figure 0005229221
6−(2−アミノエトキシ)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(2−4)
2−[(1−クロロイソキノリン−4−イル)オキシ]エチルカルバミン酸tert−ブチル(2−3)
1−クロロ−4−ヒドロキシイソキノリン(50mg、0.28mmol、1.0当量)、CsCO(454mg、1.39mmol、5.0当量)、及び(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチル(2−2)(94mg、0.42mmol、1.5当量)を無水DMSO(2mL)に懸濁し、室温で攪拌した。LCMSが反応の終結を示した時点で、粗製の反応混合物を逆相HPLC(HO/CHCN勾配/0.1%TFA存在下)により精製して、生成物(2−3)を得た。LRMSm/z(M+H)実測値323.1,要求値323.1。
6−(2−アミノエトキシ)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(2−4)
2−[(1−クロロイソキノリン−4−イル)オキシ]エチルカルバミン酸tert−ブチル(2−3)(10mg、0.031mmol、1.0当量)及びエチルカルバゼート(16mg、0.155mmol、5.0当量)をEtOH(1.5mL)に懸濁し、次いで、マイクロ波照射して170℃とした。LCMSが反応の略完結を示した時点で、反応混合物をDMSOで希釈し、濾過して逆相HPLC(HO/CHCN勾配/0.1%TFA存在下)により精製して、生成物を得た。純粋なフラクションにマイクロ波照射して5分間150℃とし、Boc保護基を除去して、生成物(2−4)を得た。H NMR(500MHz,CDOD)δ8.29(d,1H,J=8.0Hz),8.24(d,1H,J=8.0Hz),7.77(t,1H,J=7.0Hz),7.72(t,1H,J=7.0Hz),7.26(s,1H),4.39(t,2H,J=4.9Hz),3.54(t,2H,J=4.9Hz).LRMSm/z(M+H)実測値245.1、要求値245.1。
表2に示す化合物は反応工程図2に従って合成した。これらの化合物はTFA塩として単離した。
Figure 0005229221
Figure 0005229221
6−[(1E)−3−アミノプロパ−1−エン−1−イル]−9−クロロ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(3−11)及び6−(3−アミノプロピル)−9−クロロ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(3−13)
プロパ−2−イニルカルバミン酸tert−ブチル(3−2)
プロパルギルアミン(1.16mL、18.16mmol、1.0当量)をジクロロメタン(20mL)に溶かし、(Boc)O(3.89g、0.88mmol、0.98当量)により、0℃で処理した。反応混合物は室温まで昇温し、一夜放置した。溶媒を蒸発させ、固形の残渣をヘキサンから再結晶して標題の生成物(3−2)を得た。
(E)−2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)エテニルカルバミン酸tert−ブチル(3−3)
ボラン−メチルスルフィド複合体(127mg、1.68mmol、1.3当量)を、(−)−α−ピネン(456mg、3.35mmol、2.6当量)の無水THF(1mL)中の溶液に、N下、0℃で滴下した。この混合物を0℃で1時間、次いで室温で2時間攪拌した。次いで、混合物を0℃に冷却し、プロパ−2−イニルカルバミン酸tert−ブチル(3−2)(200mg、1.29mmol、1.0当量)の無水THF(0.8mL)中の溶液を滴下した。この混合物を室温で16時間攪拌した。反応混合物を0℃に冷やし、アセトアルデヒド(62mg、1.42mmol、1.1当量)を滴下した。室温で5時間攪拌した後、溶媒と過剰のアセトアルデヒドを減圧下に蒸発させた。次いで、この残渣にピナコール(244mg、2.06mmol、1.6当量)のヘプタン(3mL)中の溶液を加えた。反応混合物を室温で3時間攪拌した。この溶液を水洗(2×10mL)し、有機層をMgSOで乾燥した後、溶媒を蒸発させ、粗製物(3−2)は精製することなく、3−9から3−10への反応に使用した。
7−クロロイソキノリン(3−5a)
アミノアセトアルデヒド・ジメチルアセタール(10.54g、100.3mmol、1.54当量)を3−クロロベンズアルデヒド(9.13g、65.0mmol、1.0当量)の無水トルエン(125mL)中の溶液に加えた。この混合物をディーン−スターク・トラップを用いて還流し、水を除去した。次いで、溶媒を蒸発させ、得られる粗製混合物を、140℃で攪拌するHSO(40mL)にゆっくり加えた。添加の20分後に、反応混合物を氷上に注いだ。混合物をDCMで抽出し、水層を分離し、pH=7に注意しながら中和し、次いで、EtOで抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過、濃縮した。粗製の残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン=0→100%)により精製し、7−イソキノリン(3−5a)と8−イソキノリン(3−5b)の混合物(a/b=3/2)として生成物を得た。LRMSm/z(M+H)実測値164.1,要求値164.0。
4−ブロモ−7−クロロイソキノリン(3−6)
7−クロロイソキノリン(9g、55.0mmol、1.0当量)[7−イソキノリン(3−5a)及び8−イソキノリン(3−5b)の混合物(a/b=3/2)]をニトロベンゼン(180mL)に溶かし、180℃に加熱した。この暗橙色溶液(3.11ml、60.5mmol、1.1当量)に臭素を滴下した。この反応混合物を180℃で10時間攪拌した。LCMSは略完全に変換したことを示した。反応混合物を室温に冷やし、2M−HCl/EtO(30mL)を加え、次いで、EtOとヘキサンで希釈した。沈殿を集め、次いでEtOAc(200mL)に取り込み、飽和のNaCOで中和し、分離した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過、濃縮した。粗製の残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン=0→30%)により精製し、標題生成物(3−4)を得た。LRMSm/z(M+H)実測値242.2,要求値241.9。
4−ブロモ−7−クロロイソキノリン=2−オキシド(3−7)
4−ブロモ−7−クロロイソキノリン(3−6)(1g、4.12mmol、1.0当量)を無水CHCl(8.2mL)に溶かし、mCPBA(1.622g、9.40mmol、2.3当量)で処理した。反応混合物を室温で攪拌し、3−7を白色沈殿として形成させた。EtOで希釈した後、固形物を集め、さらに精製することなく次工程で使用した。LRMSm/z(M+H)実測値260.1,要求値259.9。
4−ブロモ−1,7−ジクロロイソキノリン(3−8)
4−ブロモ−7−クロロイソキノリン=2−オキシド(3−7)(1.2g、4.64mmol、1.0当量)を無水CHCl(20mL)に溶かし、オキシ塩化リン(0.649mL、6.96mmol、1.5当量)で滴下処理した。反応混合物を66℃で還流した。LCMSは3時間後に単一の生成物を示した。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和NaHCOで洗い、有機層をNaSOで乾燥し、濾過、濃縮した。残渣をヘキサン中で破砕し、濾取して生成物(3−8)を得た。LRMSm/z(M+H)実測値277.9,要求値277.9。
6−ブロモ−9−クロロ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(3−9)
3−9は、工程図1において化合物(1−2)を調製する手順と同様の手順で、出発原料として化合物(1−1)の代わりに、4−ブロモ−1,7−ジクロロイソキノリン(3−8)を用いて調製した。(3−9)のLRMSm/z(M+H)実測値300.9,要求値300.9。
[(2E)−3−(9−クロロ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−6−イル)プロパ−2−エン−1−イル]カルバミン酸tert−ブチル(3−10)
6−ブロモ−9−クロロ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(3−9)(60mg、0.201mmol、1.0当量)及び[(2E)−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)プロパ−2−エン−1−イル]カルバミン酸tert−ブチル(3−3)(228mg、0.804mmol、4.0当量)を無水1,4−ジオキサン(0.6ml)及び2M−KCO水溶液(0.2mL)に溶かした。反応混合物を100℃に加熱した。18時間目のLCMSは完全な変換を示した。逆相HPLC(HO/CHCN勾配/0.1%TFA含有)により精製し、標題生成物(3−10)を得た。LRMSm/z(M+H)実測値375.1,要求値375.1。
6−[(1E)−3−アミノプロパ−1−エン−1−イル]−9−クロロ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(3−11)
[(2E)−3−(9−クロロ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−6−イル)プロパ−2−エン−1−イル]カルバミン酸tert−ブチル(3−10)を0.1%TFA含有CHCN(10mL)に溶かした。得られた溶液をマイクロ波照射して5分間150℃とした。LCMSは単一の生成物を示した。粗製の混合物を逆相HPLC(HO/CHCN勾配/0.1%TFA含有)により精製し、所望の生成物(3−11)を得た。H NMR(500MHz,CDOD)δ8.29(d,1H,J=2.9Hz),7.90(d,1H,J=8.5Hz),7.78−7.64(m,2H),7.14(d,1H,J=16.5Hz),6.30(dt,1H,J=16.5,7.0Hz),3.83(d,2H,J=7.0Hz).LRMSm/z(M+H)実測値275.1,要求値275.1。
[3−(9−クロロ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−6−イル)プロピル]カルバミン酸tert−ブチル(3−12)
EtOH(4mL)中、[(2E)−3−(9−クロロ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−6−イル)プロパ−2−エン−1−イル]カルバミン酸tert−ブチル(3−10)(14mg、0.037mmol、1.0当量)の溶液に、Pd(OH)/C(20%Pd、1.3mg、0.002mmol、0.05当量)を加えた。反応混合物を水素大気圧下に室温で1.5時間攪拌した。次いで、触媒を濾去し、濾液を濃縮乾固した。得られる粗製産物を逆相HPLC(HO/CHCN勾配/0.1%TFA含有)により精製し、標題生成物(3−12)を得た。LRMSm/z(M+H)実測値377.1,要求値377.1。
6−(3−アミノプロピル)−9−クロロ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(3−13)
[3−(9−クロロ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−6−イル)プロピル]カルバミン酸tert−ブチル(3−12)を0.1%TFA含有CHCN(10mL)に溶かした。得られる溶液をマイクロ波照射して5分間150℃とした。LCMSは単一の生成物を示した。粗製物を逆相HPLC(HO/CHCN勾配/0.1%TFA含有)により精製し、純粋な生成物(3−13)を得た。H NMR(500MHz,CDOD)δ8.29(d,1H,J=2.2Hz),7.90(d,1H,J=9.0Hz),7.75(dd,1H,J=9.0,2.2Hz),7.54(s,1H),3.09(t,2H,J=7.5Hz),2.94(t,2H,J=7.5Hz),2.06(pentet,2H,J=7.5Hz).LRMSm/z(M+H)実測値277.1,要求値277.1。
表3の以下の化合物は、工程図3について記載した手法の単純な修飾により調製した。これらの化合物はTFAとして単離した。
Figure 0005229221
Figure 0005229221
6−(3−ヒドロキシプロピル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(4−2)
6−(3−ヒドロキシプロパ−1−イン−1−イル)[1,2,4]−トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(4−1)
6−ブロモ−9−クロロ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(3−14)(400mg、1.515mmol、1.0当量)及びプロパルギルアルコール(0.354mL、6.06mmol、4.0当量)をピロリジン(5.83mL)に溶かし、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(88mg、0.076mmol、0.05当量)で処理した。反応混合物を80℃に4時間加熱した。減圧下に溶媒を蒸発させた。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン=0→100%)により精製し、純粋な生成物(4−1)を得た。LRMSm/z(M+H)実測値240.1,要求値240.1。
6−(3−ヒドロキシプロピル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(4−2)
6−(3−ヒドロキシプロパ−1−イン−1−イル)[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(4−1)(100mg、0.418mmol、1.0当量)及び水酸化パラジウム(11.74mg、0.017mmol、0.04当量)をMeOH(6ml)に懸濁した。水素風船をフラスコに取り付けた。反応混合物を室温で攪拌した。LCMSは40分後に単一の生成物を示した。触媒を濾去し、MeOHで洗った。濾液を濃縮した。粗製物を逆相HPLC(HO/CHCN勾配/0.1%TFA存在)により精製し、生成物(4−2)を得た。H NMR(500MHz,CDOD)δ8.27(d,1H,J=8.0Hz),7.91(d,1H,J=8.0Hz),7.73(dt,1H,J=8.0,1.4Hz),7.62(dt,1H,J=8.0,1.4Hz),7.47(s,1H),3.69(t,2H,J=6.5Hz),2.91(t,2H,J=7.5Hz),2.03−1.76(m,2H).LRMSm/z(M+H)実測値244.2,要求値244.1。
Figure 0005229221
6−[3−(メチルアミノ)プロピル][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(5−6)
4−ブロモイソキノリン=2−オキシド(5−2)
化合物(5−2)は、工程図3の化合物(3−7)を調製するための手法と同様の手法により、出発原料として化合物(3−6)の代わりに4−ブロモイソキノリン(5−1)を用いて調製した。(5−2)のLRMSm/z(M+H)実測値224.9及び225.9,要求値225.0及び226.0。
3−(2−オキシドイソキノリン−4−イル)プロパナール(5−3)
4−ブロモイソキノリン=2−オキシド(5−2)(500mg、2.23mmol、1.0当量)、塩化リチウム(95mg、2.23mmol、1.0当量)及び酢酸パラジウム(II)(20.04mg、0.089mmol、0.04当量)を無水DMF(8.6mL)に溶かした。この橙色溶液に、トリエチルアミン(933μl、6.69mmol、3.0当量)及びアリルアルコール(308μl、4.46mmol、2.0当量)を加えた。反応混合物を100℃に1.5時間加熱した。黒色の沈殿が形成された。そして、LCMSは出発原料が完全に消費されたことを示した。反応混合物を濾過し、EtOAcで洗浄し、次いで濃縮した。粗製物をシリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/EtOAc=0→20%)により精製し、化合物(5−3)を得た。LRMSm/z(M+H)実測値202.1,要求値202.2。
N−メチル−3−(2−オキシドイソキノリン−4−イル)プロパン−1−アミン(5−4)
3−(2−オキシドイソキノリン−4−イル)プロパナール(5−3)(170mg、0.85mmol、1.0当量)を2.0Mメチルアミン/THF溶液(1.2ml、2.40mmol、2.8当量)で処理し、次いで、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(86mg、0.41mmol、0.5当量)を加えた。反応混合物を室温で攪拌した。LCMSが殆ど生成物であることを示した時点で、反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO水溶液で洗った。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濾過、濃縮した。粗製物を逆相HPLC(HO/CHCN勾配/0.1%TFA存在)により精製し、生成物(5−4)を得た。LRMSm/z(M+H)実測値217.2,要求値217.1。
3−(1−クロロイソキノリン−4−イル)−N−メチルプロパン−1−アミン(5−5)
化合物(5−5)は、工程図3の化合物(3−8)を調製するための手法と同様の手法により、出発原料として化合物(3−7)の代わりにN−メチル−3−(2−オキシドイソキノリン−4−イル)プロパン−1−アミン(5−4)を用いて調製した。LRMS(5−5)m/z(M+H)実測値235.1,要求値235.1。
6−[3−(メチルアミノ)プロピル][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(5−6)
化合物(5−6)は、工程図3の化合物(3−9)を調製するための手法と同様の手法により、出発原料として化合物(3−8)の代わりに3−(1−クロロイソキノリン−4−イル)−N−メチルプロパン−1−アミン(5−5)を用いて調製した。化合物(5−6)について、H NMR(500MHz,CDOD)δ8.31(d,1H,J=7.5Hz),7.90(d,1H,J=8.0Hz),7.73(dt,1H,J=8.0,1.5Hz),7.66(dt,1H,J=8.0,1.5Hz),7.53(s,1H),3.13(t,2H,J=8.0Hz),2.95(t,2H,J=8.0Hz),2.72(s,3H),2.08(pentet,2H,J=8.0Hz);LRMSm/z(M+H)実測値257.2,要求値257.1。
表4に示す化合物は反応工程図及び工程図5に従って合成した。これらの化合物はTFA塩として単離した。
Figure 0005229221
Figure 0005229221
6−(3−アミノ−2−フルオロプロピル)−9−クロロ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(6−5)
3−(7−クロロ−2−オキシドイソキノリン−4−イル)プロパナール(6−1)
化合物(6−1)は、工程図5の化合物(5−3)を調製するための手法と同様の手法により、出発原料として化合物(5−2)の代わりに4−ブロモ−7−クロロイソキノリン=2−オキシド(3−7)を用いて調製した。化合物(6−1)のLRMSm/z(M+H)実測値236.0,要求値236.0。
アリル[3−(7−クロロ−2−オキシドイソキノリン−4−イル)−2−フルオロプロピル]カルバミン酸tert−ブチル(6−2)
3−(7−クロロ−2−オキシドイソキノリン−4−イル)プロパナール(6−1)(300mg、1.27mmol、1.0当量)及びN−フルオロベンゼンスルホンイミド(442mg、1.40mmol、1.1当量)をTHF(11.6mL)及びイソプロピルアルコール(1.16mL)に溶かした。この混合物にDL−プロリン(29.3mg、0.26mmol、0.2当量)を加えた。この反応混合物を室温で一夜攪拌した。LCMSは生成物を示した。この反応混合物に、アリルアミン(191μl、2.55mmol、2.0当量)及び水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(1.08g、5.09mmol、4.0当量)を加えた。反応混合物を室温で3時間攪拌し、(Boc)O(833mg、3.82mmol、3当量)を加えた。得られた反応混合物を室温で一夜攪拌した。次いで、反応混合物にHOを加えて反応を停止させ、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濾過、濃縮した。粗製物をシリカゲルクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン=0→100%)により精製し、生成物(6−2)を得た。LRMSm/z(M+H)実測値395.1,要求値395.2。
N−[3−(1,7−ジクロロイソキノリン−4−イル)−2−フルオロプロピル]プロパ−2−エン−1−アミン(6−3)
化合物(6−3)は、工程図3の化合物(3−8)を調製するための手法と同様の手法により、出発原料として化合物(3−7)の代わりにアリル[3−(7−クロロ−2−オキシドイソキノリン−4−イル)−2−フルオロプロピル]カルバミン酸tert−ブチル(6−2)を用いて調製した。化合物(6−3)のLRMSm/z(M+H)実測値313.0,要求値313.1。
6−[3−(アリルアミノ)−2−フルオロプロピル]−9−クロロ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(6−4)
化合物(6−4)は、工程図3の化合物(3−9)を調製するための手法と同様の手法により、出発原料として化合物(3−8)の代わりにN−[3−(1,7−ジクロロイソキノリン−4−イル)−2−フルオロプロピル]プロパ−2−エン−1−アミン(6−3)を用いて調製した。化合物(6−4)のLRMSm/z(M+H)実測値335.0,要求値335.1。
6−(3−アミノ−2−フルオロプロピル)−9−クロロ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(6−5)
6−[3−(アリルアミノ)−2−フルオロプロピル]−9−クロロ[1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(6−4)(18mg、0.054mmol、1.0当量)及びDMBA(25.2mg、0.16mmol、3.0当量)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(3mg、2.60μmol、0.05当量)をClCHCHCl(1mL)に懸濁した。得られた黄色懸濁液を50℃に加熱した。LCMSは、5時間後に殆どが生成物であることを示した。粗製物を逆相HPLC(HO/CHCN勾配/0.1%TFA存在下)により精製し、純粋な生成物(6−5)を得た。H NMR(500MHz,CDOD)δ8.26(d,1H,J=2.3Hz),7.88(d,1H,J=8.5Hz),7.72(dd,1H,J=8.5,2.3Hz),7.61(s,1H),5.19−4.94(dm,1H,J=50.0Hz),3.52−3.33(m,〜4H,溶媒ピークと重なる)。LRMSm/z(M+H)実測値295.3,要求値295.1。
Figure 0005229221
6−[(1E)−3−アミノプロパ−1−エン−1−イル)ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−8)及び6−(3−アミノプロピル)ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−10)
4−ベンジル−3−ブロモ−5−ホルミルピリジン−1(4H)−カルボン酸フェニル(7−2)
無水THF(10ml)中の、5−ブロモニコチンアルデヒド(7−1)(930mg、5mmol、1当量)の溶液を0℃に冷やし、クロロギ酸フェニル(783mg、5mmol、1当量)で処理した。次いで、反応混合物をこの温度で1時間攪拌し、臭化ベンジル亜鉛(0.5M/THF、10ml、5mmol、1当量)を加えた。得られる溶液を0℃でさらに30分間攪拌し、次いで、室温まで加温し、飽和塩化アンモニウム水溶液に注入した。有機層を分離し、水層を酢酸エチルで3回抽出し、合わせた有機抽出液を乾燥し、濃縮して、標題のジヒドロピリジン(7−2)を得た;このものはさらに精製することなく次工程で使用した。LRMSm/z:実測値398.0,400.0,計算値(M+H)398.0,400.0。
4−ブロモベンゾ[g]イソキノリン(7−3)
デカリン(20ml)中、前工程で得た4−ベンジル−3−ブロモ−5−ホルミルピリジン−1(4H)−カルボン酸フェニル(7−2)及びイオウ(321mg、10mmol、2当量)の懸濁液を15時間還流し、次いで、ポリリン酸(30ml)に加えて、140℃で攪拌した。反応混合物をこの温度で30分間攪拌し、次いで、氷/水混合物に注いだ。水層を酢酸エチルで洗い、pH〜9の塩基性とし、次いで、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた抽出液を乾燥し、濃縮して粗製物(7−3)を得た。LRMSm/z:実測値258.0,260.0,計算値(M+H)258.0,260.0.1H NMR(500MHz,CDCl3)δ:7.61−7.71(m,2H),8.13−8.17(m,2H),8.6(s,1H),8.66(s,1H),8.73(s,1H),9.37(s,1H)。
4−ブロモベンゾ[g]イソキノリン=2−オキシド(7−4)
ジクロロメタン(25ml)中、4−ブロモベンゾ[g]イソキノリン(7−3)(390mg、1.5mmol、1.当量)の溶液をmCPBA(〜70%、559mg、2.27mmol、1.5当量)で処理し、反応混合物を、LCMSが完全な変換を示すまで、室温で攪拌した。反応混合物をエーテルで希釈し、沈殿を濾取し、エーテルで洗って乾燥し、標題のN−オキシド(7−4)を得た。LRMSm/z:実測値274.0,276.0,計算値(M+H)274.0,276.0。
4−ブロモ−1−クロロベンゾ[g]イソキノリン(7−5)
4−ブロモベンゾ[g]イソキノリン=2−オキシド(7−4)(380mg、1.39mmol、1当量)をPOCl及びクロロホルム(20ml)の1/4v/v混合物に取り込み、得られる溶液を55℃で2時間攪拌した。次いで、反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム水に注意しながら注ぎ、酢酸エチルで抽出し、乾燥、濃縮して、粗製の所望の塩化物(7−5)を得た。LRMSm/z:実測値294.0,292.0,計算値(M+H)294.0,292.0。
6−ブロモベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−6)
エタノール(2ml)中、4−ブロモ−1−クロロベンゾ[g]イソキノリン(7−5)(50mg、0.171mmol、1当量)及びエチルカルバゼート(53mg、0.513mmol、3当量)の懸濁液を封管中、マイクロ波照射下、170℃に60分間加熱した。得られる混合物をRP−HPLC(MeCN/水;TFA含有)で精製し、所望の縮合生成物(7−6)を得た。LRMSm/z:実測値314.0,316.0,計算値(M+H)314.0,316.0.1H NMR(500MHz,CDCl)δ:7.67−7.71(m,2H),7.84(s,1H),8.07−8.10(m,2H),8.46(s,1H),8.82(s,1H)。
[(2E)−3−(3−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−6−イル)プロパ−2−エン−1−イル]カルバミン酸tert−ブチル(7−7)
THF(0.5ml)中、(2E)−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)プロパ−2−エン−1−イル]カルバミン酸tert−ブチル(3−3)(32.5mg、0.115mmol、4当量)及び6−ブロモベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−6)(9.0mg、0.029mmol、1当量)の溶液に、炭酸セシウム(18.7mg、0.058mmol、2当量)の水(0.2ml)中の溶液を加え、得られる混合物を窒素で脱酸素し、Pd(dppf)(1.0mg、0.0014mmol、0.05当量)で処理した。反応混合物を再度脱酸素し、封管中、マイクロ波照射下、150℃に8分間加熱した。得られる懸濁液をセライトのパッドで濾過し、DMFで洗い、濾液をRP−HPLC(MeCN/水;TFA含有)で精製して、所望のカップリング生成物(7−7)を得た。LRMSm/z:実測値391.2,計算値(M+H)391.2。
6−[(1E)−3−アミノプロパ−1−エン−1−イル]ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−8)
ジクロロメタンとTFAの1/4混合物(1.0ml)中の[(2E)−3−(3−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−6−イル)プロパ−2−エン−1−イル]カルバミン酸tert−ブチル(7−7)(3.0mg、0.0077mmol)の溶液を室温で15分間攪拌し、濃縮乾固し、脱保護物質(7−8)をTFA塩として得た。LRMSm/z:実測値291.1,計算値(M+H)291.1。1H NMR(500MHz,CDOD)δ:3.88(d,J=6.6Hz,2H),6.35(dt,J=6.6,15.6Hz,1H),7.31(d,J=15.7Hz,1H),7.63(s,1H),7.65−7.68(m,2H),8.05−8.11(m,2H),8.38(s,1H),8.84(s,1H)。
[3−(3−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−6−イル)プロピル]カルバミン酸tert−ブチル(7−9)
MeOH(120ml)中の6−[(1E)−3−アミノプロパ−1−エン−1−イル]ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−8)(890mg、1.1mmol、1当量)の溶液を水酸化パラジウム(II)/炭素(20%、77mg、0.1当量)で処理し、水素大気圧下に室温で攪拌した。反応はLCMSでモニターし、出発原料がすべて消費された後に濾過した。濾液を濃縮し、得られる残渣をRP−HPLC(MeCN/水;TFA含有)で精製し、標題生成物(7−9)を得た。LRMSm/z:実測値393.2,計算値(M+H)393.2。1H NMR(500MHz,CDOD)δ:1.96−2.03(m,2H),2.96(t,J=8.1Hz,2H),3.25−3.29(t,J=7.1Hz,2H),7.41(s,1H),7.62−7.66(m,2H),8.05−8.09(m,2H),8.31,(s,1H),8.82(s,1H)。
6−(3−アミノプロピル)ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン(7−10)
1,4−ジオキサン(20ml)とメタノール(10ml)中の[3−(3−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−6−イル)プロピル]カルバミン酸tert−ブチル(7−9)(162mg、0.41mmol、1当量)の溶液を濃HCl水(2.0ml)で処理し、反応混合物を室温で2時間攪拌し、濃縮した。得られる残渣を水に溶かし、酢酸エチルで洗い、水層を濃縮して所望の脱保護物(7−10)をHCl塩として得た。LRMSm/z:実測値293.1,計算値(M+H)293.1。1H NMR(500MHz,DO)δ:1.62−1.71(m,2H),2.13−2.20(m,2H),2.90−2.97(m,2H),6.02(s,1H),7.11−7.33(m,6H)。
Figure 0005229221
グリニヤール試薬のTHF溶液(11.95kg、116.2mol、2容量)に、10度で、3,5−ジブロモピリジン(1)のTHF溶液(25kg、105.6mol、3.5容量)を温度維持しながら加えた。10分間の熟成後、出発原料の消費量を確認するために、サンプルを重水素化メタノールで処理した(3,5−ジブロモピリジン、8.30δ(s,1H)及び8.65δ(2H))。追加のグリニヤール試薬は必要により添加し得る。温度を20度以下に維持しながらDMF(32.55L、528mol、5当量)を加え、30分間熟成させ、最後に酢酸水(14.4L、251.2mol、3mol当量)を加えて反応停止させる。ヘプタン(150L、4容量)を加え、有機相を分離し、希塩化リチウム水で洗い、残留するDMFを除く。微量の酸が次工程に影響を与える可能性があるため、最終的に希重炭酸ナトリウム水で洗浄し、pHがわずかに塩基性となることを確実にした。最後の溶媒をヘプタンに置き換えると、結晶化が始まった(密度の高いアルデヒド生成物が同時的に核生成する前に、種を加えることを推奨する)。生成物を窒素気流下で乾燥し、2を得た。
50Lシリンダー容器に、THF(13.5L)及びアルデヒド(2)(1.35kg、1当量)を容れ、アルデヒドがすべて溶解するまで攪拌した。攪拌しながら、クロロギ酸フェニル(960mL、1.05当量)を室温で加え、2時間熟成した。スラリーを−20℃に冷やし、臭化ベンジル亜鉛を1時間で滴下し(14.5L、1.0当量)、次いで、室温で2時間熟成した。反応を停止するために、反応溶液を飽和塩化アンモニウム溶液(13.5L、10容量)と共に50Lの抽出器に移した。生成物をMTBE(13.5L、10容量)で抽出した。層分離し、有機層を25%食塩水溶液(13.5L、10容量)で洗った。得られる有機層(〜40L)を硫酸ナトリウム上で一夜乾燥した。有機層を傾斜して、窒素ライン、熱電対、及びバッチ濃縮装置を備えた50Lの四頚丸底フラスコに移した。この溶液を10〜15℃、27〜28inHgで蒸留した。溶液の容量が10〜12Lに達したときに、この溶液に2×MTBE(6.75L、5容量)流し込み、各添加後に、10Lまで濃縮した。二度目の流入後、反応液をさらに〜5反応容量(〜7L)まで蒸留した。ヘキサン(13.5L、10容量)を分割して加え、さらに結晶化させた。固形物を濾過により単離し、移動を完全とするために母液を使用した。ケークをヘキサン/MTBE(2:1)(2x3.5L)で洗い、フィルター上、窒素テント下に1日乾燥した。生成物(3)は黄色結晶性固体として得た。
反応は、窒素導入口、攪拌棒、熱電対、及び加熱コイルを備えた50Lのシリンダー容器にて実施した。tBuOH(10容量)と水(SM総質量に相対的に10当量)の溶液を1日前に調製した。カルバミン酸エステル(3)(1.747kg/1.66kg;アッセイによる)を室温で容器に加えた。tBuOK(740g、1.6当量)を分割添加した(温度が34℃に上昇した)。淡黄色スラリーが得られた。この溶液を55℃に加熱し、2時間攪拌した(アッセイは72%の変換を示した)。さらに0.15当量(70g)のtBuOKを加え、この溶液をさらに2時間45分熟成させた;アッセイは98%の変換を示した。反応液を30℃に冷却し、水(反応に際し形成される固体沈殿(恐らくPhOK)を可溶化するため)及びトルエン(17.5L、5容量)で希釈した。この溶液をさらに5℃に冷やし、1.0N−HCl(7.3L、1.75当量)をゆっくり加えて反応停止させた;温度は9℃以下に維持した。この溶液を5分間攪拌し、層分離した。水(10容量)とトルエン(5容量)を加えた(追加のトルエンは二度目の分離を有意に容易にする)。層分離し、有機層はさらに水洗した(3×17.5L)(アッセイは4度目の水洗後に残るtBuOHを認めなかった;注:生成物がトルエン溶液からわずかに崩壊し始め、ラグ層が観察される)。有機層を20%NaClで洗った(Kf=1280ppm)。後処理後のジヒドロピリジンはトルエン中で安定ではなく、次工程で直ぐに使用すべきである。
トルエン中ジヒドロピリジンの溶液(前工程から)を2℃に冷やし、703gのDDQを分割添加した。黄色溶液が直ちに暗赤色に変わり、次いでピンクのスラリー(DDQHの形成による)に変った。ゆるやかな発熱がDDQの添加ごとに観察され、温度は5℃以下に維持した。反応が完結しなかったので(HPLCアッセイにより判定)、追加の0.1当量(70g)のDDQを加え、次いでさらに0.4当量(28g)のDDQを加えた。このスラリーをソルカフロック(solka floc)のベッドに注ぎ、濾過し、固体が殆ど無色となるまでトルエンで洗った。この溶液をアッセイすると、ピリジン922gであることを示した。この溶液を一夜室温に維持した。翌日、トルエン中のピリジンを1.0N−NaOH(8.6L)で2回洗った。有機層を水で1回、20%NaClで1回、次いで、トルエン3容量まで濃縮した。この溶液を一夜室温で保存した。
トルエン中ピリジンの溶液に、室温で酢酸を添加し、次いで硫酸を添加した(HSOの添加に際し、ゆるやかな発熱が観察され、温度が35℃まで上昇した)。緑色を帯びた褐色溶液を50℃に加熱し(〜20分間59℃まで過熱)、t=1時間目に種結晶として11.5gの生成物を加えた。澄明な溶液が直ちにスラリーとなり、このスラリーをさらに2時間攪拌した。この溶液を10℃に冷やし(注意:4℃に冷却した溶液は固化し、濾過し得ず)、濾過した。濾液を1.1Lの酢酸で洗い、次いで、3×2Lの酢酸エチルで洗った。黄色の結晶性固体を窒素下に一夜乾燥し、ベンゾイソキノリン(4)を得た。
22Lの抽出器に、800mLの10N−NaOH、3.2LのGMP水、10Lのジクロロメタン、及び化合物(4)を容れた。4が溶解した後、底部の有機溶液を反応用に収集した。別の50Lフラスコに、839gのm−CPBA及び10Lのジクロロメタンを容れた。m−CPBAが溶解した後(温度が12℃に低下)、1の遊離塩基溶液を12〜26℃で1時間かけて添加した(温度調節のために、冷水浴が必要であった)。添加に際し、濃厚なスラリーが形成され、これを室温で17時間かき混ぜた。HPLCが1を示さなくなった後に、スラリーを濾過し(ゆっくりと2時間かけた)、ケークを2Lのジクロロメタンですすいだ。黄色の固形生成物を減圧下に室温で乾燥し、1.114kgの生成物(5)を得た。
化合物(5)(1090g、〜2.53mol)を50Lのフラスコ中で18Lのアセトニトリルに室温で溶かした。POCl(256mL、2.79mol)を<25℃(水浴を使用した)で3.25時間かけて加え、得られるスラリーをさらに3時間室温で熟成させた。18Lの0.5M−KHPOを1.5時間で加え、反応停止させた。30分間の熟成の後、スラリーを濾過し、ケークを18Lの飽和NaCO、次いで18LのGMP水で洗った。黄色の固形生成物を窒素気流下に室温で週末にかけて乾燥し、678gの生成物(6)を得た。
50Lのフラスコに、化合物(6)(644g、〜2.2mol)、ヘプタノール(19.3L)、エチルカルバゼート(252g、2.42mol)及びp−TsOH−HO(105g、0.55mol)を容れた。この混合物を124℃に2.5時間加熱し、120〜126℃で17時間熟成した。得られるスラリーを4時間で36℃に冷やし、濾過した。ケークはエタノール(2×1.5L)で洗浄し、次いで、窒素下に室温で乾燥した。生成物(7)を褐色結晶性固体として得た。
50LのR.B.フラスコ中、9−BBN/THF28Lを<15℃に冷却し、アリルカルバミン酸tert−ブチル2.0kgを添加した。次いで、この溶液を室温に戻し、2時間熟成させた。2時間後に、この溶液を<15℃に冷却し、2LのHOを澄明な9−BBN溶液に加え、15分間拡散させて溶液を不活性とし、生じるHガスを除いた。次いで、2.0kgのトリアゾール(7)を澄明な9−BBN付加体溶液に加え、Nを15分間拡散して再度脱ガスした。該トリアゾールとHOを9−BBN溶液に加える1時間前に、触媒溶液を作製した。4.3kgのCsCO及び10LのMeCNを50LのR.B.フラスコに容れ、Nを15分間拡散した。Pd(OAc)(42g)及びX−ホス(X−Phos)(181g)を迅速にこのスラリーに加え、生成するスラリーを室温で1時間連続拡散しながら熟成させた。脱気した9−BBN付加物とトリアゾールのスラリーを次いで不活性のままの触媒溶液に真空供給した。得られるスラリーを55℃に加熱し、反応温度が45℃となるまで拡散を続けた。変換はHPLCによりモニターした。室温に冷却した後、この溶液をソルカフロック(solka flok)によりインライン濾過し、60LのTHFですすぎ、180Lの抽出器に移した。この溶液を60Lの飽和食塩水及び60Lの1N−HCl/飽和食塩水(1:1)で洗う。得られるTHFスラリーを100Lの抽出器中で45℃まで加熱し、次いで<15℃に冷やした。室温で30分間熟成した後、スラリーを100Lの抽出器から直接濾過した。次いで、カップリング生成物(8)を72LのR.B.フラスコ中で、65LのNMPに、40℃に加熱することにより溶解させる。得られる赤色溶液をインラインフィルターにより濾過し、室温に冷やし、次いで35LのHOで再結晶する。次いで、スラリーを濾過し、ケークを17.5LのMeCNで洗う。黄白色固体を窒素下に乾燥する。生成物1.879kgを綿毛状結晶性固体(>99%LCAP及び<1%脱Br)として得た。
導入口を備えた50Lシリンダー容器に、32LのEtOHを加えた。中間体(8)(1819.3g、4.6mol)を加え、次いで、濃塩酸(3.0L、12.1N)を加えた。得られるスラリーを66〜72℃に3時間加熱した。得られるスラリーを15〜20℃に冷やし、固形物を濾過により直接単離した。ケークをEtOH(2×4L)で洗い、窒素気流下に一夜乾燥した。粗製の生成物(7−10)をベージュ色の固体として得た。50Lの丸底フラスコに、粗製物(7−10)(1423.0g、4.4mol)及び発熱物質低減水(29L、20容量)を加えた。激しく攪拌しながら、エコソルブC−943を加え、混合物を3時間熟成した。スラリーをソルカフロックにより濾過し、水7L(5容量)をすすぎに用いる。ソルカフロック床を濾液が無色透明となるまで発熱物質低減水で洗った。濾液を5umインラインフィルターを経由して72L丸底フラスコに移した。得られる溶液に、5N−HClを加え(1.8L、2.0当量)、溶液に種結晶を加えた。この溶液に固体(7−10)HCl塩10gを種結晶として加えた;熟成の後、さらなる沈殿は殆ど見られなかった。この混合物の一部(800mL)を採り、さらに5N−HClを加えて濃厚なスラリーを得、これをバッチに戻した。混合物を一夜熟成させ、種床を成長させた。残りのHCl(5.2L)を滴下した。固形物はMLを用いて濾過により単離し、移行を終了した。ケークをEtOH(4L)で洗い、窒素下に乾燥した。ケークを砕き、メッシュ篩を通して塊をなくした。生成物(7−10)は灰色がかった白色固体として得た。
以下の表5の化合物は工程図7に示した手法に従い、TFA塩として調製した。
Figure 0005229221
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Figure 0005229221
Figure 0005229221
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6−(3−アミノプロピル)−2,6−ジヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]キナゾリン−3,5−ジオン(8−8)
ベンゾ[g]キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(8−2)
3−アミノ−2−ナフトエ酸(8−1)(1.2g、6.6mmol、1当量)、尿素(2.0g、33mmol、5.0当量)及びフェノール(7.0g、74mmol、11当量)からなる混合物を160℃に0.5時間、185℃でさらに1.5時間加熱した。反応物を冷却し、メタノール(50mL)中で破砕した。固形の沈殿を濾取し、メタノールで洗い、乾燥して、ベンゾ[g]キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(1−2)をオレンジ色固体として得た。LRMSm/z(M+H)実測値213.1,要求値213.1。
2,4−ジクロロベンゾ[g]キナゾリン(8−3)
オキシ塩化リン(10mL)中、ベンゾ[g]キナゾリン−2,4(1H,3H)−ジオン(1−2)(1.0g、4.9mmol、1当量)の溶液を120℃に12時間加熱した。反応物を冷却し、氷水中に注いだ。沈殿を濾取し、シリカゲルクロマトグラフィー(塩化メチレン)により精製して、2,4−ジクロロベンゾ[g]キナゾリン(8−3)を黄色固体として得た。LRMSm/z(M+H)実測値249.0,要求値249.0。
エチル=2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロベンゾ[g]キナゾリン−4−イル)(8−4)
DMSO(7mL)中、2,4−ジクロロベンゾ[g]キナゾリン(8−3)(110mg、0.43mmol、1当量)及びエチルカルバゼート(69mg、0.66mmol、1.5当量)を70℃に2時間加熱した。反応物を冷却し、氷水中に注いだ。沈殿を濾取し、n−ブタノール(20mL)に懸濁し、90℃に4時間加熱した。得られる沈殿を集め、乾燥してエチル=2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロベンゾ[g]キナゾリン−4−イル)(8−4)をオレンジ色固体として得た。LRMSm/z(M+H)実測値299.1,要求値299.1。
2,6−ジヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]キナゾリン−3,5−ジオン(8−5)
DMF(5mL)中、エチル=2−(2−オキソ−1,2−ジヒドロベンゾ[g]キナゾリン−4−イル)(8−4)(42mg、0.14mmol、1当量)の溶液を153℃に4時間加熱した。反応物を冷却し、氷水中に注いだ。固形の沈殿を濾取し、乾燥して2,6−ジヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]キナゾリン−3,5−ジオン(8−5)を灰色がかった白色固体として得た。H NMR(500MHz,DMSO−d))δ12.30(s,1H),11.36(s,1H),8.53(s,1H),8.05(d,1H,J=8.0Hz),7.88(d,1H,J=8.0Hz),7.55(t,1H,J=7.5Hz),7.52(s,1H),7.46(t,1H,J=7.5Hz).LRMSm/z(M+H)実測値253.0,要求値253.1。
3,5−ジオキソ−5,6−ジヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]キナゾリン−2(3H)−カルボン酸tert−ブチル(8−6)
DMF(3mL)中、2,6−ジヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]キナゾリン−3,5−ジオン(8−5)(20mg、0.08mmol、1当量)及びBocO(20mg、0.09mmol、1当量)からなる混合物に、23℃でDMAP(1mg、0.008mmol、0.1当量)を加えた。3時間後、反応物を濃縮し、残渣をエーテルで洗い、3,5−ジオキソ−5,6−ジヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]キナゾリン−2(3H)−カルボン酸tert−ブチル(8−6)を白色固体として得た。LRMSm/z(M+H)実測値353.1,要求値353.1。
6−{3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}−3,5−ジオキソ−5,6−ジヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]キナゾリン−2(3H)−カルボン酸tert−ブチル(8−7)
DMF(3mL)中、3,5−ジオキソ−5,6−ジヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]キナゾリン−2(3H)−カルボン酸tert−ブチル(8−6)(28mg、0.079mmol、1当量)、炭酸セシウム(100mg、0.31mmol、3.8当量)、及びN−(3−ブロモプロピル)カルバミン酸tert−ブチルエステル(50mg、0.21mmol、2.6当量)からなる混合物を23℃で16時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮し、逆相液体クロマトグラフィー(HO/CHCN勾配/0.1%TFA存在下)により精製し、6−{3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}−3,5−ジオキソ−5,6−ジヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]キナゾリン−2(3H)−カルボン酸tert−ブチル(8−7)を得た。
6−(3−アミノプロピル)−2,6−ジヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]キナゾリン−3,5−ジオン(8−8)
水及びアセトニトリルの1:1混合物中、6−{3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}−3,5−ジオキソ−5,6−ジヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]キナゾリン−2(3H)−カルボン酸tert−ブチル(8−7)(5mg、0.01mmol、1当量)の溶液に、トリフルオロ酢酸(3mL)を加え、得られる溶液を45℃で2時間攪拌した。溶媒を減圧下に蒸発させ、6−(3−アミノプロピル)−2,6−ジヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[4,3−c]キナゾリン−3,5−ジオン(8−8)のTFA塩を白色固体として得た。H NMR(500MHz,DMSO−d6,TFA塩)δ12.37(s,1H),8.62(s,1H),8.10(d,1H,J=8.5Hz),8.00(d,1H,J=8.0Hz),7.93(s,1H),7.77(br s,1H),7.63(t,1H,J=7.5Hz),7.52(t,1H,7.5Hz),4.26(t,2H,J=7.0Hz),3.02(m,2H),2.05(m,2H).LRMSm/z(M+H)実測値310.1,要求値310.1。
表6の以下の化合物は工程図8と同様の手法に従って、TFA塩として調製した。
Figure 0005229221
実施例1−8
さらに本発明の異なる特徴と利点を説明するために、以下に実施例を提供する。これらの実施例は本発明を実施するための有用な方法論をも説明する。これらの実施例は特許請求されている本発明を制限するものではない。
実施例1:リアルタイムPCRによるCHK1sv1の同定
化合物の阻害作用の測定を容易にするためには、CHK1をエンコードするエキソン領域の「正常」スプライシングの変異体を同定することが望ましい。特に、CHK1のC−末端調節ドメインの喪失によって生じる天然に存在するスプライシングの変異を探索した。該C−末端の欠失はCHK1に非常に大きなキナーゼ活性を付与する(Chen et al.,2000,Cell 100:681−692;Katsuragi and Sagata,2004,Mol.Biol.Cell.15:1680−1689)。エキソン2〜8は触媒キナーゼドメインをエンコードし、エキソン9はリンカー領域をエンコードする。SQ及びC−末端調節ドメインは、エキソン10〜13内に存在する(Sanchez et al.,1997,277:1497−1501;Katsuragi and Sagata,2004,Mol.Biol.Cell.15:1680−1689)。リアルタイムPCR実験及びRT−PCRを用いて、ヒトCHK1mRNAの新規スプライス変異体の存在を同定し、確認した。CHK1阻害ドメインのC−末端切断型をエンコードする天然に存在するスプライス変異体は、化合物の阻害作用の測定に有用なCHK1キナーゼアッセイに使用するために同定し、クローニングし、発現させ、精製した。
RT−PCR
エキソン8ないし11に相当する領域のCHK1mRNAの構造は、ヒト精巣から抽出したRNAについて、RT−PCRに基づくアッセイにより決定した。ヒト精巣から単離した全RNAは、BDバイオサイエンス・クロンテック(パロアルト、カリフォルニア)から入手した。RT−PCRプライマーはCHK1の対照エキソンコード配列のエキソン8及びエキソン11の配列に相補性であるものを選択した(NM_001274)。CHK1mRNAのヌクレオチド配列に基づいて、CHK1エキソン8及びエキソン11プライマーセット(以下、CHK18−11プライマーセット)は、「対照」CHK1mRNA領域を提示する478塩基対アンプリコンを増幅すると期待された。CHK18−11プライマーセットは、エキソン9からエキソン11への選択的スプライシングを保有する転写物の300塩基対アンプリコンを増幅すると期待された。CHK1エキソン8フォワードプライマーは以下の配列を有する:5’ATCAGCAAGAATTACCATTCCAGACATC3’(配列番号1);また、CHK1エキソン11リバースプライマーは以下の配列を有する:5’CATACAACTTTTCTTCCATTGATAGCCC3’(配列番号2)。
ヒト精巣からの全RNAは、キアゲン社(Qiagen,Inc.;バレンシア、カリフォルニア)のワンステップRT−PCRキットにより、以下のサイクル条件を用いて、ワンステップ逆転写PCR増幅プロトコールに付した:
1)50℃、30分間;
2)95℃、15分間;
3)以下を35サイクル:
94℃、30秒間;
63.5℃、40秒間;
72℃、50秒間;次いで
72℃、10分間。
RT−PCR増幅産物(アンプリコン)は2%アガロースゲル上サイズ分画した。選択したフラグメントは250ないし350塩基対のアンプリコンに相当し、これを手作業でゲルから抽出し、キアゲン(Qiagen)ゲル抽出キットにより精製した。精製したアンプリコンフラグメントはCHK18−11プライマーセットにより再増幅し、これらのアンプリコンをアガロースゲル上でサイズ分画した。250ないし350塩基対アンプリコンに相当するフラグメントを手作業でゲルから抽出し、キアゲン(Qiagen)ゲル抽出キットにより精製した。精製したアンプリコンフラグメントをCHK18−11プライマーセットにより再度再増幅した。アガロースゲル上のサイズフラクションと250ないし350塩基対アンプリコンの手作業抽出の後、精製したアンプリコンフラグメント(キアゲン・ゲル抽出キット)は、インビトロゲンpCR2.1ベクターに、TOPO TAクローニングキット(インビトロゲン;カールスバッド、カリフォルニア)に添付されている試薬類及び説明書を用いてクローニングした。クローンは15枚のプレート上に、1プレートあたり440コロニーのプールとして塗布し、全量6600クローンとした。DNAは各プレートからプールした440コロニーから抽出し、リアルタイムPCRの鋳型として使用した。
リアルタイムPCR/TAQマン
CHK1対照タンパク質(NP_001265)の選択的スプライスのイソ型の存在を決定するために、リアルタイムPCRアッセイを用いた。
CHK1sv1のイソ型を検出するために使用したTAQマンプライマーとプローブは、プリ−セット混合物として設計し、合成した(アプライド・バイオシステムズ;フォスターシティ、カリフォルニア)。CHK1対照型(配列番号:3、4及び5)及びCHK1svlイソ型(配列番号:6、7及び8)を検出するために使用したTAQマンプライマーとプローブの配列を表1に示す。スプライスジャンクション特異的プローブは、5’−末端を6−FAM発蛍光団で標識し(FAM)、3’−末端を非蛍光消光剤で標識した(NFQ)。リアルタイムPCRはタックマン(TaqMan)ユニバーサルPCRマスターミックス(アプライド・バイオシステムズ;フォスターシティ、カリフォルニア)を用いて、ヒト精巣cDNAについて実施した。TAQマン反応は以下を含んでいた:
Figure 0005229221
Figure 0005229221
TAQマン反応は、ABIプリズム7900HT配列検出システム(アプライド・バイオシステムズ;フォスターシティ、カリフォルニア)上で実施した。サーモサイクル条件は、50℃、2分間;95℃、10分間;及び95℃15秒と60℃1分を40サイクルとした。蛍光発光のデータ解析は、配列検出ソフトウエア(SDS)(アプライド・バイオシステムズ;フォスターシティ、カリフォルニア)により実施した。
TAQマンアッセイの結果は、15枚のプレートの内、13枚からプールしたDNAがエキソン9からエキソン11への選択的スプライスジャンクションに相当するクローンを有すると思われる結果を示した。440コロニーに相当するこれらの陽性プールの1つからのDNAは、細菌宿主細胞を形質転換するために使用した。クローンは合計12枚のプレート上に、プレート1枚あたり55コロニーとして塗布した。12枚のプレートそれぞれのコロニーを再びプールし、TAQマンアッセイに使用した。12枚のプレートの内、1枚からプールしたDNAがエキソン9からエキソン11への選択的スプライスジャンクションに相当するクローンを有すると思われた。この陽性プレート上の55コロニーをTAQマンアッセイにより個々にスクリーニングし、その1クローンが、エキソン9からエキソン11への選択的スプライスジャンクションを有すると確認した。この陽性クローンにつき、各末端から、CHK1エキソン8フォワードプライマー(配列番号1)及び異なるエキソン11リバースプライマー(配列5’TGCATCCAATTTGGTAAAGAATCG3’(配列番号9)を有する)を用いて配列決定した。
このクローンの配列分析は、それがCHK1異質核RNAのエキソン9からエキソン11への選択的スプライシングについて予測される配列にマッチすることを明らかにした;すなわち、エキソン10のコーディング配列は全く存在しない。
実施例2:CHK1sv1のクローニング
リアルタイムPCR、RT−PCR、及び配列決定データは、CHK1タンパク質(NP_001265)をエンコードする正常のCHK1対照mRNA配列(NM_001274)に加えて、CHK1mRNAの新規スプライス変異体形状が、精巣組織とMOLT−4、及びダウディ(Daudi)細胞株にも存在することを示している。
実施例1にて同定されたCHK1sv1スプライス変異体を含むヌクレオチド配列を有するクローンは、酵母中での組換え仲介プラスミド構成を用いて単離した。2つのプライマー対のセットを用いて、CHK1sv1の全mRNAコーディング配列を増幅し、クローニングした。CHK1sv1の場合、リアルタイム定量的PCR分析は、このスプライス変異体形状の転写体が非常に低いレベルで存在していたことを示した。CHK1sv1をクローニングするために、対照CHK1のコーディング配列を含むクローン(NM_001274)は、所望のエキソン9からエキソン11へのスプライスジャンクションを創出するように設計した80塩基対リンカーによる酵母中のさらなる組換え工程により変化させた。
5’「フォワード」プライマー及び3’「リバース」プライマーは、CHK1sv1に相当する完全長クローンの単離のために設計した。5’「フォワード」CHK1sv1プライマーは、5’TTACTGGCTTATCGAAATTAATACGACTCACTATAGGGAGGAGTCATGGCAGTGCCCTTTGT3’(配列番号10)のヌクレオチド配列を有するように、またCHK1mRNA(NM_001274)のエキソン2に相補性の配列を有するように設計した。3’「リバース」CHK1sv1プライマーは、5’TAGAAGGCACAGTCGAGGCTGATCAGCGGGTTTAAACTCATGCATCCAATTTGGTAAAGAATCG3’(配列番号11)のヌクレオチド配列を有するように、またCHK1mRNA(NM_001274)のエキソン11に相補性の配列を有するように設計した。イタリック(下線)で示したプライマー配列の5’末端の40個のヌクレオチドは、PCRアンプリコンに取り込まれた「尾部」であり、酵母中での引き続くプラスミド組換え事象を促進した。これらのCHK1sv1「フォワード」及び「リバース」プライマーは、対照CHK1mRNA(NM_001274)のコーディング配列を増幅すると期待されるが、このものはCHK1sv1−特異的配列を創出するために、引き続く組換えクローニング工程にて使用した。
RT−PCR
CHK1sv1cDNA配列は、逆転写(RT)とポリメラーゼ連鎖反応(PCR)との組み合わせを用いてクローニングした。より具体的には、約25ngのMOLT−4細胞株mRNA(BDバイオサイエンス・クロンテック;パロアルト、カリフォルニア)を、スーパースクリプトII(ギブコ/インビトロゲン;カールスバッド、カリフォルニア)及びオリゴd(T)プライマー(レスゲン/インビトロゲン;ハンツビル、アラバマ)を用い、スーパースクリプトII製造業者の説明書に従って、逆転写した。PCRについては、完結したRT反応物1μlを、40μlの水、5μlの10Xバッファー、1μlのdNTP及びクロンテック(パロアルト、カリフォルニア)アドバンテージ2PCRキットからの酵素1μlに加えた。PCRはジーンアンプPCRシステム9700(アップライド・バイオシステムズ;フォスターシティ、カリフォルニア)にて、CHK1sv1(配列番号:10、11)用のCHK1sv1「フォワード」及び「リバース」プライマーを用いて実施した。最初に94℃で1分間の変性の後、35サイクルの増幅を、94℃での30秒間の変性、次いで、63.5℃、40秒間のアニーリングと72℃、50秒間の合成により実施した。35サイクルのPCRに続いて、72℃、10分間の伸張とした。次いで、50μlの反応物を4℃に冷やした。得られる反応生成物10μlを1%アガロースゲル(インビトロゲン;超高純度)上で走行させ、0.3μg/mlの臭化エチジウム(フィッシャーバイオテック;フェアーローン、ニュージャーシー)で染色した。ゲル中の核酸バンドを可視化し、UV光ボックス上で写真を撮って、PCRが予測したサイズ(CHK1mRNAの場合、約1243塩基対の産物)の産物を生成したかどうか判定した。MOLT−4細胞からの50μlのPCR反応物の残りは、QIAクイックゲル抽出キット(キアゲン;バレンシア、カリフォルニア)を用い、キットに添付されているQIAクイックPCR精製プロトコールに従って精製した。精製プロトコールにより得られた生成物約50μlは、ユニバーサルバキュームシステム400(サバント;ホルブルーク、ニューヨーク)に取り付けたスピードバックプラス(SC110A;サバント)中で、中程度加熱で約30分間乾燥することにより、約6μlに濃縮した。
CHK1sv1完全長クローンのクローニングと構築及び酵母形質転換
酵母中、相同組換えクローニングによる完全長CHK1sv1クローンの構築は、レイモンドら(Raymond et al.,2002,Genome Res.12:190−197)がすでに記載している図式と同様のシクロヘキシミドに基づく逆選択図式を用いて実施した。
1243塩基対CHK1アンプリコン(すでに記載したCHK1sv1フォワード及びリバース「テイルド」プライマーを用いて作製した)と発現ベクターとの間の相同性組換えによる完全長CHK1sv1完全長クローンの構築は、これらの断片を酵母細胞に同時形質転換することにより実施した。80塩基対オリゴヌクレオチドリンカーとの引き続く組換え工程は、CHK1sv1エキソン9からエキソン11へのスプライスジャンクションを創出した。以下のパラグラフに記載する酵母形質転換工程はすべてエレクトロポレーションにより実施した(Raymond et al.,2002 Genome Res.12:190−197)。
1243塩基対CHK1精製アンプリコン1μgは、酵母株CMY1−5(Matα、URA3Δ、CYH2)100μlの同時形質転換により、100ngのSrfI−消化pCMR11に直接クローニングした。Ura、シクロヘキシミド耐性コロニーは、1μg/mlのシクロヘキシミドを容れたUra−欠損培地プレート(シグマ;セントルイス、ミズーリ)上で選択した。標準酵母培地を使用した(Sherman, 1991, Methods Enzymol.194:3−21)。CHK1クローン含有酵母細胞培養物からの全DNAを用い、大腸菌をクロラムフェニコール(シグマ;セントルイス、ミズーリ)耐性に形質転換し、文献(Hoffman and Winston,1987 Gene 57:267−72)記載のように大量の組換えプラスミドを調製した。コロニーをプレートから取り出し、2mlの2×LB培地に移した。これらの液体培養物を37℃で一夜インキュベートした。プラスミドDNAは、キアクイック・スピン・ミニプレップ・キット(キアゲン;バレンシア、カリフォルニア)を用いて、これらの培養物から抽出した。
Figure 0005229221
CHK1sv1クローンを構築するために、エキソン9からエキソン11への選択的スプライシングの領域に及ぶ表3に示した80塩基対リンカー(配列番号12、13)1μg、及びBamHI−消化CHK1/pCMR11クローン100ngを用いて、シクロヘキシミド感受性酵母株100μlを同時形質転換した。該リンカーとCHK1/pCMR11クローン間の重なり合うDNAは、殆どの酵母形質転換体が正しく集合した構築物を有するであろうことを決定付ける。Ura、シクロヘキシミド耐性コロニーは、引き続く大腸菌の調製と形質転換のために選択した。大腸菌から抽出されたプラスミドDNAは、CHK1sv1クローンにおいてエキソン9からエキソン11への選択的スプライシングの存在を確認するために、制限消化により分析した。8種のCHK1sv1クローンの配列を決定して同一性を確認し、適切な配列をもつクローンは多系統におけるタンパク質発現のために使用した。
Figure 0005229221
CHK1sv1ポリヌクレオチドの概要
CHK1sv1mRNAのポリヌクレオチドコーディング配列(配列番号14)は、対照CHK1タンパク質(NP_001265)に類似のCHK1sv1タンパク質(配列番号15)をエンコードするオープンリーディングフレームを含むが、対照CHK1mRNA(NM_001274)の完全長コーディング配列のエキソン10に相当する178塩基対領域がエンコードするアミノ酸を欠く。この178塩基対領域を欠失すると、タンパク質翻訳読み取り枠が、対照CHK1タンパク質読み取り枠に比べてシフトし、CHK1sv1にユニークなカルボキシ末端ペプチド領域を創出する(配列番号15にイタリックで示す)。フレームシフトはまたエキソン9/エキソン11スプライスジャンクションの下流に、未熟な終結コドン29ヌクレオチドをも創出する。したがって、CHK1sv1タンパク質は
エキソン10がエンコードするアミノ酸領域に相当する内部59アミノ酸領域を失っており、また対照CHK1(NP_001265)に比較して、未熟な停止コドンの下流のヌクレオチドがエンコードするアミノ酸を欠いている。エキソン10はCHK1のSQ/TQドメインをエンコードし、またエキソン11〜13は自己抑制的領域をエンコードする(Sanchez et al.,1997,Science 277:1497−1501;Katsuragi and Sagata,2004,Mol.Biol.Cell.15:1680−1689)。自己抑制的領域の欠失がCHK1キナーゼドメインに構成的活性を付与する一方、SQ/TQドメインが除去されても、CHK1酵素活性は低下する(Ng et al.,2004,J.Biol.Chem.279:8808−8819)。
Figure 0005229221
実施例3:CHK1sv1タンパク質の発現
バキュロウイルス遺伝子発現ベクター系は、タンパク質発現昆虫細胞でもよく、この細胞は安価で維持し易い。産生されたタンパク質は哺乳動物細胞によるものと同様の品質である(Miller,1988,Biotechnology 10:457−465;Miller,1989,Bioessays 11:91−95)。昆虫細胞においてバキュロウイルス発現ベクターを用いるタンパク質発現方法は、当該技術分野において公知であり、その技法は文献で検討されている:O’Reilly et al.,Baculovirus Expression Vectors(バキュロウイルス発現ベクター)A Laboratory Manual(実験室マニュアル),W.H.Freeman and Co.,New York,1992and Baculovirus Expression Vector System Instruction Manual(バキュロウイルス発現ベクター取扱説明マニュアル),6th edition,Pharmingen,San Diego,1999。
昆虫細胞発現のためのCHK1sv1のクローニング
CHK1sv1/バキュロウイルス転移ベクター構築物を作製するために、CHK1sv1/pCMR11クローン(実施例2参照)をPCRの鋳型として用い、表5に掲載したプライマー(配列番号16、17)を用いて、CHK1sv1のコーディング配列(配列番号14)を増幅した。配列番号16により表されるプライマーは、ATG開始コドン上流の直前に最適な翻訳開始配列を含み、またアンプリコンに包含されることとなる上流EcoRI制限部位を含む。配列番号17により表されるプライマーは、CHK1sv1コーディング配列に対しC−末端の6個のヒスチジン残基をエンコードする配列、並びにCHK1sv1アンプリコンに包含されることとなるEagI制限部位を含む。CHK1sv1アンプリコンを1%アガロースゲル上に流した。期待されるサイズの選択したアンプリコンフラグメント、CHK1sv1の場合は、約994塩基対の生成物を手作業でゲルから抽出し、キアゲン・ゲル抽出キットにより精製した。精製したアンプリコンフラグメントをEcoRI及びEagIで消化した。EcoRI/EagI−消化したアンプリコンをバキュロウイルス転移ベクターpVL1393(ファーミンゲン;サンディエゴ、カリフォルニア)(本ベクターはEcoRI及びEagIで消化し、アルカリ性ホスファターゼにより脱リン酸しておいた)に連結した。次いで、CHK1sv1/pVL1393構築物を大腸菌株DH5αに形質転換した。アンピシリン耐性コロニーから抽出、選択したプラスミドDNAは配列決定して同一性を確認し、適切な配列を有するクローンを昆虫細胞でのタンパク質発現に使用した。
Figure 0005229221
CHK1sv1の昆虫細胞発現
CHK1sv1/pVL1393構築物は、線状化AcNPVバキュロゴールドDNA(ファーミンゲン;サンディエゴ、カリフォルニア)と共に、SF9昆虫細胞(インビトロゲン;カールスバッド、カリフォルニア)に同時トランスフェクトした。個々の組換えウイルスは、終末点希釈により選択した。ウイルスクローンは高力価原液を得るために増幅した。これらのウイルス保存液は、CHK1sv1組換えタンパク質の産生を立証するために、小規模のSF9培養でタンパク質発現テストに使用した。トランスフェクトしたSF9細胞溶解液は、CHK1sv1タンパク質発現について、ポリアクリルアミドゲル電気泳動により分析した。CHK1sv1タンパク質は、クマシー染色によるか、又は抗−CHK1−抗体(G4抗体;サンタ・クルツ・バイオテクノロジー・インク)を用いるウエスタンブロッティングにより可視化した。発現に基づいて、個々のウイルスは大規模CHK1sv1発現のために選択した。リットル規模での組換えタンパク質発現用に、SF9懸濁培養物をEx−細胞401無血清培地(JRHサイエンティフィック;レネキサ、カンサス)中、27℃で増殖し、細胞あたり0.3ウイルスの多様な感染により、組換えウイルス保存液で感染させた。感染させたSF9培養物は、ウイルストランスフェクションの72時間後に収穫し、遠心分離によりペレット化した。ペレットを−70℃で保存した。
CHK1sv1組換えタンパク質の精製
昆虫細胞ペレットは、1μMミクロシスチン(シグマ;セントルイス、ミズーリ)、10μMサイパーメトリン(cypermethrin)(EMDバイオサイエンス;サンディエゴ、カリフォルニア)、及びEDTA−不含プロテアーゼ・インヒビターカクテル(ロッシュ・ディアグノスティックス;マンハイム、ドイツ)(1錠/50ml溶解バッファー)を含有するB−PERタンパク抽出試薬(ピアース;ロックフォード、イリノイ)で溶解した。タンパク質精製の際の操作はすべて4℃で実施した。細胞を溶解バッファーに再懸濁し、45分間攪拌した。次いで、DNアーゼI(ロッシュ)を加えて最終濃度200U/mlとし、この細胞懸濁液をさらに30分間攪拌した。溶解した細胞懸濁液を30,000gで30分間遠心分離した。溶解液上清をデカントし、30,000gで30分間遠心分離した。澄明な上清各10mlについて、1mlの総容量のタロンメタルアフィニティ樹脂(クロンテック;パロアルト、カリフォルニア)を加え、その懸濁液を45分間攪拌した。アフィニティ樹脂/溶解懸濁液を5000gで3分間遠心し、次いで上清を廃棄した。アフィニティ樹脂は5倍容量の樹脂を用いて、バッファーA(50μMトリス、pH8.0;250mM−NaCl)で4回洗った。洗浄した樹脂はバッファーA中の2×スラリーとして再懸濁し、クロマトグラフィーカラムに詰めた。樹脂を詰めたカラムは6倍総容量のバッファーAで洗った。CHK1sv1−Hisタグ標識タンパク質は、段階的傾斜のイミダゾール/バッファーAでカラムから溶出する。2倍総容量フラクション中のイミダゾール濃度は、5、10、20、30、40、50、及び60mMとした。溶出フラクションは、アミコン・ウルトラ15遠心分離フィルター装置、30,000ノミナル・モレキュラーウエイト・リミット(ミリポア;ビレリカ、マサチューセッツ)を用いて濃縮した。濃縮酵素フラクションはグリセロール中50%に希釈し、−20℃で保存した。フラクションは、ポリアクリルアミドゲル電気泳動と、引き続くクマシー染色及び抗−CHK1抗体(G4抗体;サンタ・クルツ・バイオテクノロジー・インク)を用いるウエスタンブロッティングにより、CHK1sv1−His−タグタンパク質の存在について分析した。カラムフラクションのCHK1sv1キナーゼ活性は、以下のセクションに記載するキナーゼアッセイ法により測定した。
実施例4:CHK1sv1キナーゼアッセイ
CHK1sv1活性は、合成ペプチド基質を用いて、インビトロでアッセイした。ホスホペプチド産物は均一時間分解蛍光(HTRF)アッセイ系(Park et al.,1999,Anal.Biochem.269:94−104)により定量した。反応混合物は、40mM−HEPES、pH7.3;100mM−NaCl;10mM−MgCl;2mMジチオスレイトール;0.1%BSA;0.1mM−ATP;0.5μMペプチド基質;及び0.1nM−CHK1sv1酵素を含み、最終容量は40μlであった。ペプチド基質はアミノ末端−GGRARTSSFAEPG−カルボキシ末端(シンペプ;ダブリン カリフォルニア)(配列番号18)のアミノ酸配列を有し、N−末端でビオチン化されている。キナーゼ反応は22℃で30分間のインキュベートで実施し、次いで、60μlの停止/検出バッファー(40mM−HEPES、pH7.3;10mM−EDTA;0.125%トリトンX−100;1.25%BSA;250nMフィコリンク・ストレプトアビジン−アロフィコシアニン(APC)接合体(プロザイム、サンレアンドロ、カリフォルニア);及びユーロピウム−キレート(パーキン・エルマー;ボストン、マサチューセッツ)で標識した0.75nM−GSK3α抗−ホスホセリン抗体(セルシグナリング・テクノロジーズ;ビバリー、マサチューセッツ;カタログ#9338))で停止した。反応は22℃で2時間平衡化し、ディスカバリープレートリーダー(パッカード・バイオサイエンス)上で比蛍光単位を読み取った。インヒビター化合物は上記の反応でアッセイし、化合物のIC50を決定した。DMSOに溶かした化合物1μlは、1nMから100μMの範囲を対象とする半対数希釈系列で各40μLの反応液に加えた。HTRF蛍光単位として読み取る相対的ホスホ基質形成は、化合物濃度の範囲について測定し、滴定曲線は4パラメータ・シグモイドフィットにより作成した。
本発明の具体的化合物につき、上記のアッセイ法により試験し、基質に対するIC50が≦50μMであることを見出した。
実施例5:細胞におけるCHK1自己リン酸化の阻害
インヒビター化合物は、DNA損傷に応答するCHK1自己リン酸化をモニターすることにより、細胞中のCHK1を阻害するそれらの能力についてアッセイする。H1299細胞(ATCC、マナッサス、バージニア)は培地(10%ウシ胎仔血清添加RPMI1640;10mM−HEPES;2mM−L−グルタミン;1×非必須アミノ酸;及びペニシリン−ストレプトマイシン)にて増殖させた。T−75フラスコからの細胞をプールし、計数し、6穴プレート上、1ウエルあたり2ml培地に200,000個の細胞を播種し、インキュベートした。DMSO中の化合物の段階希釈系列又はDMSO対照は、DMSO中の1000×作業ストックから各ウエルに加え、37℃で2時間インキュベートした。2時間のインキュベーションの後、100nMのカンプトテシン(EMDバイオサイエンス;サンディエゴ、カリフォルニア)を、PBS中の200×作業ストックから、すべての薬物処理細胞(高用量ウエルの1つを除く)及びDMSO対照の1ウエルに加える。カンプトテシンとの4時間のインキュベーションの後、各ウエルを氷冷したPBSで1回洗浄し、300μLの溶解バッファー(50mMトリス(pH8.0)、150mM−NaCl、50mM−NaF、1%NP−40、0.5%デオキシコール酸、0.1%SDS、0.5μM−NaVO及び1×プロテアーゼインヒビター・カクテル・コンプリート−EDTAなし(ロッシュ・ダイアグノスティックス;マンハイム、ドイツ))を各ウエルに加える。プレートを4℃で10〜15分間振盪し、次いで、溶解液を1.5mlの遠心分離用チューブに移し、−80℃で凍結する。溶解液を氷上で融解し、15,000×gで20分間遠心分離して澄明とし、その上清を清潔なチューブに移す。
ゲル電気泳動用のサンプル(20μL)は、5μLの5×サンプル負荷バッファーを添加し、100℃に5分間加熱変性することにより調製する。サンプルはトリス/グリシンSDS−ポリアクリルアミドゲル(10%)で電気泳動し、タンパク質はPVDFに移動する。ブロットを次いで3%BSA/TBSで1時間ブロックし、ホスホ−Ser−296CHK1に対する抗体(セルシグナリング・テクノロジーズ−カタログ#2346)を用いてプローブする。結合した抗体は西洋わさびペルオキシダーゼ結合第二抗体(ヒツジ−抗ウサギ;ジャクソンラボ−カタログ#111−035−046)と増強化学発光(ECL−プラス;アマーシャム;ピスカタウエイ、ニュージャーシー)により可視化する。62.5mMトリスHCl(pH6.7)、2%SDS及び100μMまでの2−メルカプトエタノール中のインキュベーションにより第一抗体セットを55℃で30分間ストリッピングした後、CHK1モノクローナル抗体(サンタクルツ・バイオテクノロジー・インク;カタログ#SC−8408)を用いて、全CHK1を再プローブする。CHK1モノクローナル抗体は、西洋わさびペルオキシダーゼ結合ヒツジ抗マウスIgG(アマーシャム・バイオサイエンス;ピスカタウエイ、ニュージャーシー;カタログ#NA931)と増強化学発光(ECL−プラス;アマーシャム)を用いて検出する。ECL露光フィルムを走査し、特異バンドの強度をイメージクアント(ImageQuant)ソフトウエアにより定量した。滴定は全CHK1に対して標準化したホスホ−CHK1(Ser296)シグナルのレベルについて評価し、IC50値を計算する。
実施例6:チェックポイント逸脱アッセイにおけるインヒビターの機能活性
DNA損傷停止
細胞におけるCHK1インヒビターの機能活性を測定するために、DNA損傷が誘発する細胞周期停止をなくするそれらの能力について化合物をアッセイする。このアッセイはDNA傷害剤カンプトテシンによりもたらされた細胞周期停止後に、M期に入る細胞の量の指標として細胞ホスホ−ヌクレオリンレベルを測定する。
H1299細胞(ATCC、マナッサス バージニア)は10%ウシ胎仔血清添加RPMI640媒地に、5000細胞/ウエルの濃度で播種する。5%CO下、37℃で24時間インキュベートした後、カンプトテシンを最終濃度200nMで加え、16時間インキュベートした。等容積の増殖培地、及び200nMカンプトテシン及び332nMノコドゾール(最終濃度:50ng/ml)中のテスト化合物段階希釈系列を加え、37℃でのインキュベーションを8時間続ける。ウエルから培地を除き、50μL溶解液バッファー(20mM−HEPES、pH7.5、150mM−NaCl、50mM−NaF、1%トリトンX−100、10%グリセロール、1×プロティナーゼインヒビターカクテル(ロッシュ・ダイアグノスティックス、マンハイム、ドイツ)、1μl/ml−DNアーゼI(ロッシュ・ダイアグノスティックス)、300μMオルトバナジン酸ナトリウム、1μMミクロシスチン(シグマ;セントルイス、ミズーリ))を加える。溶解バッファーを容れたプレートを4℃で30分間振盪し、20分間で凍結(−70℃)する。細胞溶解液中のホスホヌクレオリンのレベルは、IGENオリゲン法(バイオベリス(BioVeris)コープ;ゲイサーズバーグ、メリーランド)により測定する。
細胞溶解液中のホスホヌクレオリンの検出
4E2抗−ヌクレオリン抗体(リサーチ・ダイアグノスティックス・インク;フランダース、ニュージャージー)は、オリゲン・ビオチン−LC−NHS−エステル(バイオベリス・コープ)を用い、製造業者記載のプロトコールに従い、ビオチン化した。ヤギ抗−マウス抗体(ジャクソン・インムノ・リサーチ;ウエストグローブ、ペンシルバニア)はルテニル化キット(バイオベリス・コープ;カタログ#110034)により、製造業者記載のプロトコールに従い、ルテニル化した。96穴プレートの各ウエルに、2μg/mlのビオチン化4E2抗−ヌクレオリン抗体及び0.4mg/mlストレプトアビジン被覆常磁性ダイナビーズ(バイオベリス・コープ)を25μLの細胞溶解液(上記)と共に含む25μLの抗体バッファー(ホスホ緩衝食塩水pH7.2、1%ウシ血清アルブミン、0.5%トゥイーン−20)を加える。抗体及び溶解液を室温で1時間振盪しながらインキュベートする。次に、50μL容量の抗体バッファー(上記)中、抗−ホスホヌクレオリンTG3抗体(アプライド・ニューロソリューション・インク;バーノンヒルズ、イリノイ)50ngを各ウエルの溶解液混合物に加え、室温で30分間インキュベーションを続ける。最後に、抗体バッファー中のルテニル化ヤギ抗−マウス抗体の240ng/ml溶液25μLを各ウエルに加え、室温でのインキュベーションを3時間続ける。溶解液抗体混合物はバイオベリスM−シリーズM8アナライザーで読み取り、ホスファー−ヌクレオリンの増大に依存性の化合物のEC50を決定する。
実施例7:他の生物学的アッセイ
CHK1発現及び精製:組換えヒトCHK1は、標準的バキュロウイルスベクターと(Bac−to−Bac;登録商標)昆虫細胞発現系(GIBCO商標 インビトロゲンから購入)を用いて、アミノ末端(GST−CHK1)でグルタチオンS−トランスフェラーゼとの融合タンパク質として発現され得る。昆虫細胞中で発現される組換えタンパク質は、グルタチオンセファロース(アマーシャム・バイオテック)を用いて、製造業者記載の標準的手法に従い、精製することができる。
CHK1蛍光偏光アッセイ:CHK1キナーゼインヒビターは、キナーゼ活性をモニターするために、蛍光偏光を用いて同定することができる。本アッセイでは10nM−GST−CHK1を利用し、5mM2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES;pH6.5)、5mM塩化マグネシウム(MgCl)、0.05%トゥイーン(登録商標)−20、1μMアデノシン5’−三リン酸(ATP)、2mM 1,4−ジチオ−DL−スレイトール(DTT)、1μMペプチド基質(ビオチン−ILSRRPSYRKILND−遊離酸)(配列番号19)、10nMペプチド基質トレーサー(フルオレシン−GSRRP−pS−YRKI−遊離酸)(pS=リン酸化−セリン)(配列番号20)、60ngの抗−ホスホ−CREB(S133)マウス・モノクローナルIgG(セルシグナリング・テクノロジーズ(ビバリー、マサチューセッツ)から購入した粗製のマウス腹水からプロテインGセファロース上で精製)、4%ジメチルスルホキシド(DMSO)及び30μMインヒビター化合物を含む。反応液を室温で140分間インキュベートし、25mM−EDTA(pH8.0)を加えて反応停止させる。停止した反応液を室温で120分間インキュベートし、モレキュラーディバイス/LJLバイオシステムズ・アナリスト(商標)AD(サニーベイル、カリフォルニア)を用い、標準のフルオレシン設定で蛍光偏光値を測定する。
CHK1 SPA濾過アッセイ:アッセイ系(25μl)は、10nM−GST−CHK1、10mM−MES、2mM−DTT、10mM−MgCl、0.025%トゥイーン(登録商標)−20、1uMペプチド基質(ビオチン−ILSRRPSYRKILND−遊離酸)(配列番号19)、1μM−ATP、0.1μCiの33P−γ−ATP(ニューイングランド・ヌクレア、NEN)を含み、室温で90分間反応させる。50mM−EDTA、6.9mM−ATP、0.5mgのシンチレーション近接アッセイ(SPA)ビーズ(アマーシャム・バイオサイエンス)を含むリン酸緩衝食塩水55μlを加えることにより反応を停止させる。ペプチド基質を室温で10分間ビーズに結合させ、パッカードGF/Bユニフィルタープレート上に濾過し、リン酸緩衝食塩水で洗う。乾燥したプレートをトップシール(商標)(NEN)でシールし、ペプチド基質に取り込まれた33Pは33Pに標準設定したパッカードトップカウント(登録商標)シンチレーションカウンターにより測定する。
CHK1フラッシュ・プレート(登録商標)キナーゼアッセイ:アッセイ系(25μl)は、8.7GST−CHK1、10mM−MES、0.1mMエチレングリコール−ビス(β−アミノエチルエーテル)−N,N,N’,N’−四酢酸(EGTA、pH8.0)、2mM−DTT、0.05%トゥイーン20、3μMペプチド基質(ビオチン−ILSRRPSYRKILND−遊離酸)(配列番号19)、1μM−ATP、0.4μCi33P−γ−ATP(NEN)及び4%DMSOを含む。反応液を室温で30分間インキュベートし、50μlの50mM−EDTAで反応停止させる。反応液90μlをストレプトアビジン被覆フラッシュプレート(登録商標)(NEN)に移し、室温で1時間インキュベートする。0.01%トゥイーン−20及び10mMピロリン酸ナトリウムを含有するリン酸緩衝食塩水でプレートを洗う。プレートを乾燥し、トップシール(商標)(NEN)でシールし、ペプチド基質に取り込まれた33P量を標準設定したパッカードトップカウント(登録商標)NXT(商標)シンチレーションカウンターにより測定する。
CHK1デルフィア(DELFIA;登録商標)キナーゼアッセイ:アッセイ(25μl)では、25mMトリス、pH8.5、20%グリセロール、50mM塩化ナトリウム(NaCl)、0.1サーファクト−アンプス20(Surfact−Amps;登録商標)、1μMペプチド基質(ビオチン−GLYRSPSMPEN−アミド)(配列番号21)、2mM−DTT、4%DMSO、12.5μM−ATP、5mM−MgClを含む6.4mM−GST−CHK1を利用し、室温で30分間反応させる。反応は1%BSA、10mMトリス(pH8.0)、150mM−NaCl及び100mM−EDTAを含有する100μlのストップバッファーにより終了させる。停止させた反応液(100μl)を96穴のニュートラビジンプレート(ピアース)に移し、室温30分間のインキュベーションでビオチン−ペプチド基質を捕捉する。ウエルを洗い、21.5ng/mlの抗−ホスホ−Ser216−Cdc25cウサギ・ポリクローナル抗体(セルシグナリング・テクノロジー;ビバリー、マサチューセッツから)及び292ng/mlユーロピウム標識抗−ウサギ−IgGを含む100μlのパーキンエルマー・ワラック・アッセイバッファーと室温で1時間反応させる。ウエルを洗い、増強溶液(100μl)(パーキンエルマー・ワラック)を添加して結合した抗体からユーロピウムを放出させ、ワラックビクター2(商標)により、標準の製造業者の設定に従い、検出する。
本発明化合物は、上記のCHK1フラッシュプレート(登録商標)キナーゼアッセイにより試験し得る。
WSTアッセイ:HT29、HCT116(5000細胞/ウエル)又は他の細胞を、96穴の透明底プレートに、72時間で直線的増殖曲線を与える濃度で播種する(75μl)。細胞は適切な培地中無菌条件下で培養する;HT29及びHCT116については、この培地を10%ウシ胎仔血清(FBS)含有マッコイの(McCoy’s)5Aとする。細胞の最初の播種の後、細胞を37℃、5%COでインキュベートする;17時間から24時間の時点で適切なDNA損傷剤(カンプトテシン、5−フルオロウラシル及びエトポシド)を、48時間以内に少なくとも80%の細胞を殺し得る点まで濃度を上げて加える。DNA損傷剤と化合物すべての添加の最終容量は25μlとする。アッセイ系は最終<1%のDMSOを含む。DNA損傷剤の添加と同時に、CHK1インヒビター化合物を、各DNA損傷剤の滴定が細胞死滅の増強を観察する固定濃度で添加する。上記の条件下の細胞生存率/細胞死滅は、製造業者に従い、DNA損傷剤とCHK1インヒビター化合物の添加後、及び37℃、5%COで、3.5時間又は2.5時間のインキュベーション後47時間目に、WST試薬(ロッシュ)を添加することにより、OD450を測定して決定する。
本発明化合物は上記のアッセイ法により試験し得る。
実施例8:その他の生物学的アッセイ
本発明化合物の生物学的活性を決定するために利用し得るその他のアッセイ法は、以下の公開公報に見出されるアッセイ法である:WO04/080973、WO02/070494、及びWO03/101444。

Claims (4)

  1. 式(E):
    Figure 0005229221
    [式中、
    nは0、1、又は2であり;
    はヘテロシクリル、ハロゲン、(C−C)アルキル、CF、(C−C)アルケニル、及びアリールから選択され、当該ヘテロシクリル、アルケニル及びアリールは、(C−C)アルキル、NH、ハロゲン、−O(C−C)アルキル、ヘテロシクリル、及び−(C−C)アルキル−NHから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよく;
    は、H、−O(C−C)アルキル、(C−C)アルキル、ハロゲン、(C−C)アルケニル、ヘテロシクリル、及びアリールから選択され、当該アルキル、アルケニル、ヘテロシクリル及びアリールは、ハロゲン、−(C−C)アルキル−NH、−(C−C)アルキル−ヘテロシクリル、−N(R−CF、N(R、OH、−NH−(C=O)CF、及び−NH−(C=O)O(C−C)アルキルから選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよく;
    は独立して、H及び(C−C)アルキルから選択される]
    で示される化合物又はその医薬的に許容され得る塩若しくは立体異性体。
  2. 6−[(1E)−3−アミノプロパ−1−エン−1−イル)ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン;
    6−(3−アミノプロピル)ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン;
    6−(3−アミノプロピル)−5.6−ジヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン;
    6−ピリジン−3−イルベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン;
    6−[4−(アミノメチル)フェニル]ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン;
    6−[4−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン;
    6−(1,2,3,6−テトラヒドロ−4−ピリジニル)−ベンゾ[g]−1,2,4−トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン;
    6−(6−アミノピリジン−3−イル)ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン;
    6−[3−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン;
    6−[3−(ピペリジン−1−イルメチル)フェニル]ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン;
    6−[3−(アミノメチル)フェニル]ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン;
    6−(2−アミノエチル)ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン;
    6−イソキノリン−5−イルベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン;
    6−キノリン−5−イルベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン;
    6−(3−アミノフェニル)ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン;
    6−ピペリジン−4−イルベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン;
    2,2,2−トリフルオロ−N−[4−(3−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−6−イル)フェニル]アセトアミド;
    6−(4−アミノフェニル)ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン;
    6−ピリジン−4−イルベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン;
    6−(3−アミノプロピル)−10−メチルベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン;
    6−(3−アミノプロピル)−10−フルオロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン;
    6−(3−アミノプロピル)−9,11−ジフルオロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン;
    tert−ブチル[(2Z)−3−(10−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン;
    6−[(1Z)−3−アミノプロパ−1−エン−1−イル]−10−メチルベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン;
    6−[(1Z)−3−アミノプロパ−1−エン−1−イル]−10−クロロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン;
    6−[4−(アミノメチル)フェニル]−10−メチルベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン;
    6−(3−アミノプロピル)−10−クロロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン;
    6−[(1Z)−3−アミノプロパ−1−エン−1−イル]−9,10−ジフルオロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン;
    6−(3−アミノプロピル)−9,10−ジフルオロベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン;及び
    6−(3−アミノプロピル)−10−(トリフルオロメチル)ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オン、
    から選択される化合物又はその医薬的に許容され得る塩若しくは立体異性体。
  3. 6−(3−アミノプロピル)ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オンである化合物又はその医薬的に許容され得る塩。
  4. 6−(3−アミノプロピル)ベンゾ[g][1,2,4]トリアゾロ[3,4−a]イソキノリン−3(2H)−オンである化合物のHCl塩。
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