JP5227942B2 - 量子誤り推定装置、量子誤り推定方法、そのプログラム、量子誤り訂正装置、量子誤り訂正方法 - Google Patents
量子誤り推定装置、量子誤り推定方法、そのプログラム、量子誤り訂正装置、量子誤り訂正方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5227942B2 JP5227942B2 JP2009276791A JP2009276791A JP5227942B2 JP 5227942 B2 JP5227942 B2 JP 5227942B2 JP 2009276791 A JP2009276791 A JP 2009276791A JP 2009276791 A JP2009276791 A JP 2009276791A JP 5227942 B2 JP5227942 B2 JP 5227942B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- error
- quantum
- bits
- qubit
- observation
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Error Detection And Correction (AREA)
Description
[1]複数の物理キュービットを組み合わせて論理キュービットを作る。量子計算は論理キュービットを単位に実行される(つまり、物理キュービットの代わりに論理キュービットを用いて量子計算を行う)。
[2]論理キュービット(但し、エラーが起こっている可能性がある)を複数回観測し、その結果をビット列で表現する。
[3]観測結果のビット列から、エラーを起こした物理キュービットとエラーの種類を、古典的な計算により特定する。
[4]特定された情報に基づき、物理キュービットのエラーを訂正する量子操作を実行する。
P1 = IIIXXXX
P2 = IXXIIXX
P3 = XIXIXIX
P4 = IIIZZZZ
P5 = IZZIIZZ
P6 = ZIZIZIZ
1.P1-P6はユニタリーかつエルミートなので、固有値は1または−1である。
2.論理キュービットの基底状態|0L>,|1L>は、P1-P6の固有値1の固有ベクトルである。つまり、Pi|0L>=|0L>,Pi|1L>=|1L> (i=1,…,6)が成立する。
1.Xj|0L>, Xj|1L>, Yj|0L>, Yj|1L>, Zj|0L>, Zj|1L>は、すべてPiの固有ベクトルである
2.それらの固有値は1または−1である
ことがわかる。すでに述べたとおり、エラーが発生していない場合、観測結果はすべて1となる。しかし、エラーが発生した場合、ユニタリー作用P1-P6による観測結果のいずれかが−1になる可能性がある。
1) 得られるビット列***###が000000の場合、|φ">=|φ>である。
2) 得られるビット列***###の前半3ビット***が000で、後半3ビット###がj≠000の場合、|φ">=Xj|φ>である。
3) 得られるビット列***###の後半3ビット###が000で、前半3ビット***がj≠000の場合、|φ">=Zj|φ>である。
4) 得られるビット列***###の前半3ビット***と後半3ビット###が両方ともj≠000の場合、|φ">=Yj|φ>である。
5) 得られるビット列***###の前半3ビット***と後半3ビット###が両方とも000ではなく、値が異なる場合、|φ">は|φ>の2個以上の物理キュービットにパウリ行列をかけたものである。
(ア)状態|0L>と|1L>の重ね合わせα|0L>+β|1L>(αとβは|α|2+|β|2=1を満たす複素数)を論理キュービットとして、量子計算を行う。この結果を|φ'>とする。
(イ)状態|φ'>をP1-P6によりこの順番で観測する。それぞれの観測結果を固有値に応じて1,-1とし、最後に得られる量子状態を|φ">とする。観測結果1に対して古典ビット0、観測結果-1に対して古典ビット1を対応させることにより、6回の観測結果から6ビットの2進数が得られる。
(ウ)観測結果のビット列から、エラーの種類が上記1)〜5)のどれに該当するかを特定する。
(エ)上記(ウ)で特定された結果が上記1)に該当する場合は、量子計算過程でエラーが生じていないか、または、エラーが生じていたが上記(イ)の観測の結果そのエラーが訂正されたことが分かる。上記2)に該当する場合は、最後に得られる量子状態|φ">に対して量子操作Xj=I…IXI…I(先頭からj番目がXで、それ以外は単位行列)を実行することにより、Xj|φ">=XjXj|φ>=|φ>となり、エラーの無い元の状態|φ>を復元することができる。同様に、上記3)あるいは4)に該当する場合、量子状態|φ">に量子操作ZjまたはYjをそれぞれ適用すると、Zj|φ">=ZjZj|φ>=|φ>,Yj|φ">=YjYj|φ>=|φ>となり、エラーの無い元の状態|φ>を復元することができる。
Steaneコードの量子誤り訂正方式において、7個の物理キュービットで構成される論理キュービットに対する異なる6種類のユニタリー作用による観測の2種類の観測結果に古典ビット0と1を対応させて得られる6ビットについて、前半3ビットjと後半3ビットkがj≠kであり、且つ、jおよびkが各物理キュービットにエラーが無い場合の観測結果に対応する古典ビットのビット列ではない場合に、各物理キュービットのエラー発生確率をp1,…,p7とし、j(+)kをjとkの古典ビットごとの排他論理和として、jとkに基づき、3種類のエラー発生確率pj×pk,pj×pj(+)k,pk×pj(+)kを計算し、さらに、pj×pk,pj×pj(+)k,pk×pj(+)kの大きさを比較し、最大のものを判定する。
Steaneコードの量子誤り訂正方式において7個の物理キュービットで構成される論理キュービット|φ'>を異なる6種類のユニタリー作用P1 = IIIXXXX,P2 = IXXIIXX,P3 = XIXIXIX,P4 = IIIZZZZ,P5 = IZZIIZZ,P6 = ZIZIZIZにより観測する。そして、この2種類の観測結果に古典ビット0と1を対応させて得られる6ビットについて、前半3ビットjと後半3ビットkがj≠kであり、且つ、jおよびkが各物理キュービットにエラーが無い場合の観測結果に対応する古典ビットのビット列ではない場合(多重エラーの場合)に、各物理キュービットのエラー発生確率をp1,…,p7とし、j(+)kをjとkの古典ビットごとの排他論理和として、当該jとkに基づき、3種類のエラー発生確率pj×pk,pj×pj(+)k,pk×pj(+)kを計算し、さらに、pj×pk,pj×pj(+)k,pk×pj(+)kの大きさを比較して、最大のものを判定する。続いて、多重エラーの場合に、上記観測後の論理キュービットの状態を|φ">とし、σjをσj=I…IσI…I(σはX,Y,Zのいずれかとし、先頭からj番目がσで、それ以外は単位行列Iとするテンソル積である)として、
《1》 pj×pkが最大であるとき、論理キュービット|φ">に対して量子操作XkZjを実行し、《2》 pj×pj(+)kが最大であるとき、論理キュービット|φ">に対して量子操作Xj(+)kYjを実行し、《3》 pk×pj(+)kが最大であるとき、論理キュービット|φ">に対して量子操作YkZj(+)kを実行する。
但し、X,Y,Zをパウリ行列、Iを単位行列とする。
本発明の実施形態である量子誤り推定装置1は、それ単体で独立に存在するよりは、推定されたエラーに基づいて量子誤り訂正を行う装置(本発明の実施形態である量子誤り訂正装置2)を構成する構成要素として存在することが実用的な場合がある。さらに云えば、量子誤り推定装置1は、量子誤り訂正装置2とは容易に分離可能に量子誤り訂正装置2を構成する構成要素ではなく、量子誤り訂正装置2自体を或る機能に着眼して片面的に評価したものと云うこともできる。要するに、量子誤り推定装置1は、量子誤り訂正装置2そのものであることが凡そ実用的と言うことができる。
ただし、量子誤り推定装置1が、単体独立の構成要素として存在すること、量子誤り訂正装置2とは容易に分離可能に量子誤り訂正装置2を構成する構成要素であることを排除する趣旨ではない。例えば量子誤り推定自体を目的とするならば、量子誤り推定装置1を単体独立の構成要素として実現することに何らの妨げは無い。
図1に例示するように、量子誤り訂正装置2は、観測部200と量子誤り推定装置1とエラー訂正部500を含み、量子誤り推定装置1は、制御部300Pとエラー発生確率計算部300と比較部400を含む。
観測部200は、量子計算部100による量子計算の結果得られた論理キュービット|φ'>に対して、P1-P6による観測を行う。論理キュービットの状態|φ'>をP1-P6によりこの順番で観測した結果、それぞれの観測結果を固有値に応じて1,-1とし、最後に得られる量子状態を|φ">とする。観測結果1に対して古典ビット0、観測結果-1に対して古典ビット1を対応させることにより、6回の観測結果から6ビット***###の2進数が得られる。観測後の量子状態を|φ">とする。このことは、従来のSteaneコードを用いた量子誤り訂正方式と同じである。
制御部300Pは、観測結果のビット列から、エラーの種類が従来のSteaneコードを用いた量子誤り訂正方式として説明した上記1)〜5)のいずれに該当するかを特定する。エラーの種類が上記1)〜4)のいずれかに該当する場合は、制御部300Pは、エラー訂正部500が従来のSteaneコードを用いた量子誤り訂正方式と同じ量子誤り訂正処理を実行するように制御を行う。これは既に説明したとおりであるから説明を繰り返さない。エラーの種類が上記5)に該当する場合は、制御部300Pは、エラー発生確率計算部300による処理が実行されるように制御を行う。
エラーの種類が上記5)に該当する場合について、観測の結果得られる前半3ビット***をj≠000、後半3ビット###をk≠000とする。ただし、j≠kである。j(+)kを、jとkのビットごとの排他論理和とする。また、物理キュービットのエラー発生確率をp1,…,p7とする。なお、p1,…,p7の各値は、量子コンピュータを実現する量子物理系により決定されるゼロ以上の値である。それぞれの値は同じであってもよいが、それぞれの値が異なることが好ましい。
エラーの種類が上記5)に該当する場合、エラー発生確率計算部300は、jとkの値(但し、ここでは十進数表現としている)から、下記3種類のエラー発生確率を計算する。
pj×pk
pj×pj(+)k
pk×pj(+)k
比較部400は、pj×pk,pj×pj(+)k,pk×pj(+)kの大きさを比較し、最大のものを判定する。
エラー訂正部500は、エラーの種類が上記1)〜4)に該当する場合には、従来のSteaneコードを用いた量子誤り訂正方式と同じ量子誤り訂正処理を実行する。これは既に説明したとおりであるから説明を繰り返さない。
《1》 比較部400がpj×pkが最大であると判定したとき、量子状態|φ">に対して量子操作XkZjを実行することによりエラーを訂正する(訂正後の状態はXkZj|φ">=|φ>となる)。
《2》 比較部400がpj×pj(+)kが最大であると判定したとき、量子状態|φ">に対して量子操作Xj(+)kYjを実行することによりエラーを訂正する(訂正後の状態はXj(+)kYj|φ">=|φ>となる)。
《3》 比較部400がpk×pj(+)kが最大であると判定したとき、量子状態|φ">に対して量子操作YkZj(+)kを実行することによりエラーを訂正する(訂正後の状態はYkZj(+)k|φ">=|φ>となる)。
この処理によって、エラーの無い元の状態|φ>を復元できる可能性がある。
P1-P6による観測結果の前半ビット***がj≠000、後半ビット###がk≠000で、j≠kであるとする。この場合、既に説明したように2個以上の物理キュービットにエラーが発生しているが、一般的に3個以上の物理キュービットにエラーが発生する確率は2個の物理キュービットにエラーが発生する確率よりも小さい。よって、P1-P6による観測結果の前半ビット***がj≠000、後半ビット###がk≠000で、j≠kであるならば、2個の物理キュービットにエラーが発生したとみなすことにする。このとき、観測後の状態として考えられるのは、上記XkZj|φ>,Xj(+)kYj|φ>,YkZj(+)k|φ>の3種類であることを以下に説明する。
σs=(asI+bsXs+csZs+dsYs) , σt=(atI+btXt+ctZt+dtYt)
と記述する。論理キュービットを構成する7個の物理キュービットのs番目とt番目にエラーが起きた場合を考える。この場合、量子計算後の論理キュービットの状態|φ'>は、次のとおりである。
|φ'> = σsσt|φ> = (asI+bsXs+csZs+dsYs) (atI+btXt+ctZt+dtYt) |φ>
= asat|φ> + atbsXs|φ> + asbtXt|φ> + bsbtXsXt|φ> + atcsZs|φ>
+ asctZt|φ> + csctZsZt|φ> + atdsYs|φ> + asdtYt|φ> + dsdtYsYt|φ>
+ bsctXsZt|φ> + csbtZsXt|φ> + bsdtXsYt|φ> + dsbtYsXt|φ>
+ csdtZsYt|φ> + csdtYsZt|φ>
[A] 観測後の状態がXsZt|φ>の場合、式(6)の関係から観測結果の前半3ビット***はt、後半3ビット###はsである。
[B] 観測後の状態がXsYt|φ>の場合、式(6)の関係から観測結果の前半3ビット***はt、後半3ビット###はs(+)tである。
[C] 観測後の状態がYsZt|φ>の場合、式(6)の関係から観測結果の前半3ビット***はs(+)t、後半3ビット###はsである。
<1> t=j, s=kをXsZt|φ>に代入することにより、観測後の状態はXkZj|φ>である。
<2> t=j, s(+)t=kを解いて、XsYt|φ>に代入することにより、観測後の状態はXj(+)kYj|φ>である。
<3> s(+)t=j, s=kを解いて、YsZt|φ>に代入することにより、観測後の状態はYkZj(+)k|φ>である。
量子誤り訂正装置2の観測部200およびエラー訂正部500は、量子コンピュータの機能要素として実現される。量子コンピュータを実現する物理系としては、例えば、イオントラップを用いる方法(J. I. Cirac and P. Zoller, Quantum computations with cold trapped ions, Physical Review Letter 74;4091, 1995)、物理キュービットとして光子の偏光や光路を用いる方法(Y. Nakamura, M. Kitagawa, K. Igeta, In 3-rd Proc. Asia-Pacific Phys. Comf., World Scientific, Singapore, 1988)、液体中の各スピンを用いる方法(Gershenfield, Chuang, Bulk spin resonance quantum computation, Science, 275;350, 1997)、シリコン結晶中の核スピンを用いる方法(B. E. Kane, A silicon-based nuclear spin quantum computer, Nature 393, 133, 1998)、量子ドット中の電子スピンを用いる方法(D. Loss and D. P. DiVincenzo, Quantum computation with quantum dots, Physical Review A 57, 120-126, 1998)、超伝導素子を用いる方法(Y. Nakamura, Yu. A. Pashkin and J. S. Tsai, Coherent control of macroscopic quantum states in a single-cooper pair box, Nature 393, 786-788, 1999)等を例示できる。また、それぞれの物理系に対する量子コンピュータの実現方法については、「http://www.ipa.go.jp/security/fy11/report/contents/crypto/crypto/report/QuantumComputers/contents/doc/qc_survey.pdf」や「M. A. Nielsen and I. L. Chuang, Quantum Computation and Quantum Information, Cambridge UniversityPress, Chapter 7 Physical Realization」に詳しい。
イオントラップ量子コンピュータでは、例えば、イオンの基底状態と励起状態を利用して物理キュービットを実現する。また、核スピンを物理キュービットとして用いる場合には、例えば、「T. D. Ladd, et al., "All-Silicon quantum computer," Phys. Rev. Lett., vol. 89, no. 1, 017901-1‐017901-4, July 1, 2002.」に記載されているようにSi(111)基板等に各物理キュービットを生成する。なお、物理キュービットの初期量子状態は、例えば、他の量子計算のための量子回路による操作によって得られたものを用いてもよいし、各物理キュービットが生成された基板をmK(ミリケルビン)オーダー以下に冷却してスピンの向きを揃えた後、所定の電磁波パルスを印加して生成してもよい。また、物理キュービットとして光子の偏光を用いる場合には、例えば、パラメトリックダウンコンバージョン(PDC:parametric down conversion)(例えば、「P. G. Kwiat, K. Mattle, H. Weinfurter, A. Zeilinger, A. V. Sergienko, and Y. Shih, “New high-intensity source of polarization-entangled photon pairs,” Phys. Rev. Lett. ,75:4337-4341, 1995.」「P. G. Kwiat, E. Waks, A. G. White, I. Appelbaum, and P. H. Eberhard, “Ultrabright source of polarization-entangled photons,” Phys. Rev. A, 60:R773-R776, 1999.」等参照。)によって生成された複数個の単一光子を用いる。この場合、各物理キュービットの初期量子状態は、例えば、他の量子計算のための量子回路による操作によって得られたものを用いる。また、パラメトリックダウンコンバージョン等によって生成された単一光子に、ビームスプリッタや偏光回転素子等によって実現されるウォルシューアダマール変換、制御NOT、回転等の操作を行い、上述の初期量子状態を生成することとしてもよい。
その他、上記の文献に記載された方法で物理キュービットを用意することとしてもよい。
全ての量子計算は単一物理キュービットに対するキュービット演算と制御NOT演算に分解できる(上記非特許文献1参照)。
イオントラップ量子コンピュータでは、例えば、イオンを直線上に並べ、各イオンに狙いを定めたレーザービーム照射によって制御NOT演算を実現する。また、物理キュービットとして光子の偏光を用いる場合には、例えば、偏光ビームスプリッタ等を用い、「T.B. Pittman, M.J. Fitch, B.C. Jacobs, J.D. Franson: “Experimental Controlled-NOT Logic Gate for Single Photons in the Coincidence Basis,” quant-ph/0303095, http://arxiv.org/abs/quant-ph/0303095」記載のPittman et al. 方式によって制御NOT演算を実現する。また、核スピンを物理キュービットとして用いる場合には、例えば、所定の電磁波パルスを物理キュービットに印加することによって制御NOT演算を実現できる。
その他、上記の文献に記載された方法で制御NOT演算を実現してもよい。
イオントラップ量子コンピュータでは、例えば、イオンを直線上に並べ、各イオンに狙いを定めたレーザービーム照射によって物理キュービット単体の操作を実現する。核スピンを物理キュービットとして用いる場合には、電磁波パルスやレーザービーム照射によって各処理を実現する。また、物理キュービットとして光子の偏光を用いる場合には、例えば、偏光回転素子等によって実現する。
量子誤り推定装置1は、古典コンピュータ、つまり古典的な装置構成で実現される。例えばパーソナルコンピュータに例示されるように、記憶装置(例えばRAM、ROMやハードディスク)、演算処理装置(例えばCPU)、入力・出力装置(例えばキーボード、ディスプレイ)、これらの装置間でデータのやり取りが可能に接続するバスなどを備えた古典コンピュータによって実現することができる。
この場合、各物理キュービットのエラー発生確率p1,…,p7、エラー発生確率pj×pk,pj×pj(+)k,pk×pj(+)kを計算するためのプログラム、pj×pk,pj×pj(+)k,pk×pj(+)kの大きさを比較し最大のものを特定するためのプログラムを記憶装置に記憶しておき、必要に応じて演算処理装置がプログラムを読み込んで解釈実行することで、エラー発生確率計算部300の機能と比較部400の機能を実現する。また各プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(例えばCD−R、DVD−RAM、MO)に記録することもできる。
Claims (7)
- Steaneコードの量子誤り訂正方式において、7個の物理キュービットで構成される論理キュービットに対する異なる6種類のユニタリー作用による観測の2種類の観測結果に古典ビット0と1を対応させて得られる6ビットについて、前半3ビットjと後半3ビットkがj≠kであり、且つ、jおよびkが各上記物理キュービットにエラーが無い場合の上記観測結果に対応する古典ビットのビット列ではない場合に、
各上記物理キュービットのエラー発生確率をp1,…,p7とし、j(+)kをjとkの古典ビットごとの排他論理和として、上記jとkに基づき、3種類のエラー発生確率pj×pk,pj×pj(+)k,pk×pj(+)kを計算するエラー発生確率計算部と、
上記pj×pk,pj×pj(+)k,pk×pj(+)kの大きさを比較し、最大のものを判定する比較部と
を含む量子誤り推定装置。 - 請求項1に記載の量子誤り推定装置において、
上記エラー発生確率p1,…,p7は互いに異なる値である
ことを特徴とする量子誤り推定装置。 - Steaneコードの量子誤り訂正方式において、7個の物理キュービットで構成される論理キュービットに対する異なる6種類のユニタリー作用による観測の2種類の観測結果に古典ビット0と1を対応させて得られる6ビットについて、前半3ビットjと後半3ビットkがj≠kであり、且つ、jおよびkが各上記物理キュービットにエラーが無い場合の上記観測結果に対応する古典ビットのビット列ではない場合に、
量子誤り推定装置のエラー発生確率計算部が、各上記物理キュービットのエラー発生確率をp1,…,p7とし、j(+)kをjとkの古典ビットごとの排他論理和として、上記jとkに基づき、3種類のエラー発生確率pj×pk,pj×pj(+)k,pk×pj(+)kを計算するエラー発生確率計算ステップと、
量子誤り推定装置の比較部が、上記pj×pk,pj×pj(+)k,pk×pj(+)kの大きさを比較し、最大のものを判定する比較ステップと
を含む量子誤り推定方法。 - X,Y,Zをパウリ行列、Iを単位行列
として、
Steaneコードの量子誤り訂正方式において7個の物理キュービットで構成される論理キュービット|φ'>を異なる6種類のユニタリー作用P1 = IIIXXXX,P2 = IXXIIXX,P3 = XIXIXIX,P4 = IIIZZZZ,P5 = IZZIIZZ,P6 = ZIZIZIZにより観測する観測部と、
2種類の上記観測結果に古典ビット0と1を対応させて得られる6ビットについて、前半3ビットjと後半3ビットkがj≠kであり、且つ、jおよびkが各上記物理キュービットにエラーが無い場合の上記観測結果に対応する古典ビットのビット列ではない場合(以下、「多重エラーの場合」という)に、各上記物理キュービットのエラー発生確率をp1,…,p7とし、j(+)kをjとkの古典ビットごとの排他論理和として、当該jとkに基づき、3種類のエラー発生確率pj×pk,pj×pj(+)k,pk×pj(+)kを計算するエラー発生確率計算部と、
上記pj×pk,pj×pj(+)k,pk×pj(+)kの大きさを比較し、最大のものを判定する比較部と、
上記多重エラーの場合に、上記観測後の論理キュービットの状態を|φ">とし、σjをσj=I…IσI…I(σは上記X,Y,Zのいずれかとし、先頭からj番目がσで、それ以外は単位行列Iとするテンソル積である)として、
《1》 上記pj×pkが最大であるとき、論理キュービット|φ">に対して量子操作XkZjを実行し、
《2》 上記pj×pj(+)kが最大であるとき、論理キュービット|φ">に対して量子操作Xj(+)kYjを実行し、
《3》 上記pk×pj(+)kが最大であるとき、論理キュービット|φ">に対して量子操作YkZj(+)kを実行するエラー訂正部と
を含む量子誤り訂正装置。 - 請求項4に記載の量子誤り訂正装置において、
上記エラー発生確率p1,…,p7は互いに異なる値である
ことを特徴とする量子誤り訂正装置。 - X,Y,Zをパウリ行列、Iを単位行列
として、
観測部が、Steaneコードの量子誤り訂正方式において7個の物理キュービットで構成される論理キュービット|φ'>を異なる6種類のユニタリー作用P1 = IIIXXXX,P2 = IXXIIXX,P3 = XIXIXIX,P4 = IIIZZZZ,P5 = IZZIIZZ,P6 = ZIZIZIZにより観測する観測ステップと、
エラー発生確率計算部が、2種類の上記観測結果に古典ビット0と1を対応させて得られる6ビットについて、前半3ビットjと後半3ビットkがj≠kであり、且つ、jおよびkが各上記物理キュービットにエラーが無い場合の上記観測結果に対応する古典ビットのビット列ではない場合(以下、「多重エラーの場合」という)に、各上記物理キュービットのエラー発生確率をp1,…,p7とし、j(+)kをjとkの古典ビットごとの排他論理和として、当該jとkに基づき、3種類のエラー発生確率pj×pk,pj×pj(+)k,pk×pj(+)kを計算するエラー発生確率計算ステップと、
比較部が、上記pj×pk,pj×pj(+)k,pk×pj(+)kの大きさを比較し、最大のものを判定する比較ステップと、
エラー訂正部が、上記多重エラーの場合に、上記観測後の論理キュービットの状態を|φ">とし、σjをσj=I…IσI…I(σは上記X,Y,Zのいずれかとし、先頭からj番目がσで、それ以外は単位行列Iとするテンソル積である)として、
《1》 上記pj×pkが最大であるとき、論理キュービット|φ">に対して量子操作XkZjを実行し、
《2》 上記pj×pj(+)kが最大であるとき、論理キュービット|φ">に対して量子操作Xj(+)kYjを実行し、
《3》 上記pk×pj(+)kが最大であるとき、論理キュービット|φ">に対して量子操作YkZj(+)kを実行するエラー訂正ステップと
を含む量子誤り訂正方法。 - 請求項1または請求項2に記載の量子誤り推定装置として古典コンピュータを機能させるためのプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009276791A JP5227942B2 (ja) | 2009-12-04 | 2009-12-04 | 量子誤り推定装置、量子誤り推定方法、そのプログラム、量子誤り訂正装置、量子誤り訂正方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009276791A JP5227942B2 (ja) | 2009-12-04 | 2009-12-04 | 量子誤り推定装置、量子誤り推定方法、そのプログラム、量子誤り訂正装置、量子誤り訂正方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011120096A JP2011120096A (ja) | 2011-06-16 |
JP5227942B2 true JP5227942B2 (ja) | 2013-07-03 |
Family
ID=44284849
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009276791A Expired - Fee Related JP5227942B2 (ja) | 2009-12-04 | 2009-12-04 | 量子誤り推定装置、量子誤り推定方法、そのプログラム、量子誤り訂正装置、量子誤り訂正方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5227942B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101517361B1 (ko) * | 2014-01-24 | 2015-05-06 | 고려대학교 산학협력단 | 수신기 측의 불완전한 얽힌 큐비트의 오류를 정정하는 방법 |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5585991B2 (ja) * | 2011-12-09 | 2014-09-10 | 日本電信電話株式会社 | 量子符号化装置、量子検査装置、及びそれらの方法 |
KR101446843B1 (ko) | 2012-12-03 | 2014-10-07 | 고려대학교 산학협력단 | 양자 오류 정정 부호 설계 장치 및 방법 |
CN115879559B (zh) * | 2021-09-28 | 2024-06-14 | 本源量子计算科技(合肥)股份有限公司 | 多个量子态之间的等值关系判断方法、装置及量子计算机 |
CN115879558B (zh) * | 2021-09-28 | 2024-06-14 | 本源量子计算科技(合肥)股份有限公司 | 一种多个量子态之间的大小比较方法及装置 |
CN115879557B (zh) * | 2021-09-28 | 2024-06-14 | 本源量子计算科技(合肥)股份有限公司 | 基于量子线路的数据大小比较方法、装置及量子计算机 |
CN116090568B (zh) * | 2023-01-29 | 2024-06-14 | 本源量子计算科技(合肥)股份有限公司 | 量子数据与经典浮点型数据的大小关系确定方法及装置 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005269105A (ja) * | 2004-03-17 | 2005-09-29 | Canon Inc | 量子エラー訂正方法及び装置、並びに、量子情報共有方法及び装置 |
JP4521318B2 (ja) * | 2005-06-09 | 2010-08-11 | 株式会社東芝 | 量子回路、量子誤り訂正装置および量子誤り訂正方法 |
JP4786727B2 (ja) * | 2009-03-27 | 2011-10-05 | 株式会社東芝 | 量子計算方法、量子計算機およびプログラム |
-
2009
- 2009-12-04 JP JP2009276791A patent/JP5227942B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101517361B1 (ko) * | 2014-01-24 | 2015-05-06 | 고려대학교 산학협력단 | 수신기 측의 불완전한 얽힌 큐비트의 오류를 정정하는 방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011120096A (ja) | 2011-06-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5227942B2 (ja) | 量子誤り推定装置、量子誤り推定方法、そのプログラム、量子誤り訂正装置、量子誤り訂正方法 | |
Wang et al. | Qudits and high-dimensional quantum computing | |
JP4847914B2 (ja) | 量子加算演算方法及び量子加算演算装置 | |
Oliveira et al. | Quantum bit string comparator: circuits and applications | |
JP4700413B2 (ja) | 量子演算装置及び量子回路を用いた量子演算方法 | |
Hegade et al. | Digitized adiabatic quantum factorization | |
JP5204698B2 (ja) | 量子演算方法、量子演算装置、量子回路 | |
Anschuetz et al. | Realizing quantum Boltzmann machines through eigenstate thermalization | |
JP4332167B2 (ja) | 近似量子フーリエ変換を行う量子回路、近似量子フーリエ変換演算方法および装置 | |
Stooß et al. | Adiabatic quantum computing for solving the weapon target assignment problem | |
Liu | Comparisons of Conventional Computing and Quantum Computing Approaches | |
Rahman et al. | An algorithm to find quantum templates | |
JP6182123B2 (ja) | 量子演算方法 | |
JP5129646B2 (ja) | 量子回路、量子演算装置及び量子演算方法 | |
Chaurra-Gutierrez et al. | QIST: One-dimensional quantum integer wavelet S-transform | |
JP5351862B2 (ja) | 量子演算方法、量子演算装置 | |
Yang et al. | Effect on ion-trap quantum computers from the quantum nature of the driving field | |
Agrell et al. | Gradient-Based Optimization of Lattice Quantizers | |
Tutul et al. | Shallow Depth Factoring Based on Quantum Feasibility Labeling and Variational Quantum Search | |
JP5496921B2 (ja) | 量子演算方法、量子演算装置 | |
JP4664994B2 (ja) | 計算基底軸設定装置、計算基底軸設定方法、プログラム及び記録媒体 | |
Alicki | Critique of fault-tolerant quantum information processing | |
JP4366348B2 (ja) | 量子計算方法及び量子計算装置 | |
JP5722187B2 (ja) | 量子計算方法、量子計算装置及び量子回路 | |
Denisenko et al. | Optimization of S-boxes GOST R 34.12-2015" Magma" quantum circuits without ancilla qubits |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20110722 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120116 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130214 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130312 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130318 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5227942 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160322 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |