JP5585991B2 - 量子符号化装置、量子検査装置、及びそれらの方法 - Google Patents
量子符号化装置、量子検査装置、及びそれらの方法 Download PDFInfo
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Description
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、ビット反転誤りと位相誤りとが非対称な環境で効率的に誤りを検出することが可能な技術を提供することを目的とする。
<定義>
実施形態で用いられる記号や用語を定義する。
量子ビット(qubit)とは、量子情報処理における基本単位である。量子ビットの具体例は、量子ドット内の電子準位、原子の核スピン、超伝導体内部の電荷(クーパー対)量、光子の偏光などである。量子ビットは、古典的ビットの2値に対応する直交基底の量子状態の重ね合わせ状態をとる。重ね合わせ状態とは、量子力学的に複数の量子状態が同時に存在することを意味する。
φ=c0|0>+c1|1> (|c0|2+|c1|2=1) ...(1)
ここでc0, c1は、複素数で表される各量子状態の係数(「振幅」という)であり、それらの絶対値の2乗値がそれぞれに対応する量子状態をとる確率を示す。
<α1|α2>は|α1>と|α2>との内積を表す。(×)は以下のテンソル積を表す。
φ’=c0’|0>+c1’|1> (|c0’|2+|c1’|2=1) ...(2)
ただし、(c0’, c1’)は以下を満たす。
φ’’=c0’’|0>+c1’’|1> (|c0’’|2+|c1’’|2=1) ...(4)
ただし、(c0’’, c1’’)は以下を満たす。
|α1’>|α2’>=CX・|α1>|α2> ...(11)
ただし、以下が満たされる。
|α1’>|α2’>=CZ・|α1>|α2> ...(12)
ただし、以下が満たされる。
(A) 量子ビットQ(n)のそれぞれに一対一で対応する仮想的な辺E(n) (n=0,...,N-1)が定義されている。辺E(n)の例は量子ビットQ(n)を通る線分である。Nは正整数であり、例えばN≧6である。
(B) 辺E(n)のそれぞれには2個の仮想的な端点である点V(m) (m=0,...,M-1)が対応し、点V(m) (m=0,...,M-1)のそれぞれが複数個(例えば3個以上)の辺E(n)の組み合わせに対応する。例えば、点V(m) (m=0,...,M-1)のそれぞれが3個以上の辺E(n)に共通の端点となっている。Mは正整数であり、例えばM≧4である。
(C) G(k)個の辺E(n)とG(k)個の点V(m)との組み合わせに対応する仮想的な面F(k) (k=0,...,K-1)が定義されている。ただし、点V(m)のそれぞれが点V(m)のそれぞれに対応する面F(k)に対応する何れかの辺E(n)の仮想的な端点である。辺E(n)のそれぞれは何れか2個の面F(k)に対応する。言い換えると、隣接する2個の面F(k)は同一の辺E(n)に対応する。面F(k)の例は、G(k)個の辺E(n)とそれらをつなぐG(k)個の点V(m)とで囲まれた多角形面である。G(k)は正整数であり、例えばG(k)≧3である。Kは正整数であり、例えばK≧3である。
(D) 面F(k) (k=0,...,K-1)の集合がトーラス面(torus surface)を構成する。言い換えると、面F(k) (k=0,...,K-1)の集合によって特定の立体領域を包む表面が構成される。当該面F(k) (k=0,...,K-1)の集合からなる表面には端部は存在しない。
(E) 少なくとも一部のkとmとの組み合わせで、集合EF(k)に属する量子ビットQ(n)の個数と集合EV(m)に属する量子ビットQ(n)の個数とが異なる。ただし、EF(k)は面F(k)に対応するG(k)個の辺E(n)に対応する量子ビットQ(n) (n∈{0,...,N})の集合であり、EV(m)は点V(m)に対応する辺E(n)の組み合わせに対応する量子ビットQ(n) (n∈{0,...,N})の集合である。
図5に例示する格子構造Lも非対称な格子構造である。図5の例の場合、面F(τ0)に対応する3個の辺E(ξ0), E(ξ1), E(ξ2)に対応する量子ビットQ(ξ0), Q(ξ0), Q(ξ2)の個数(3個)と、点V(μ1)に対応する4個の辺E(ξ1), E(ξ2), E(ξ3), E(ξ4)に対応する量子ビットQ(ξ1), Q(ξ2), Q(ξ3), Q(ξ4)の個数(4個)とが異なる。
ビット反転誤りとは、量子ビットQ(n)の基底状態{|0>, |1>}が反転する誤りを表す。例えば、|0>の状態であるべき量子ビットQ(n)の状態が|1>となったり、|1>の状態であるべき量子ビットQ(n)の状態が|0>となったりする誤りがビット反転誤りである。量子ビットQ(n)にビット反転誤りが生じたことは、当該量子ビットQ(n)にパウリX操作が施されたことに相当する。ビット反転誤りを持つ量子ビットQ(n)にさらにパウリX操作を施すことで、そのビット反転誤りが訂正される。
位相誤りとは、量子ビットQ(n)の基底状態間の位相が反転する誤りを表す。例えば、|+>の状態であるべき量子ビットQ(n)の状態が|->となったり、|->の状態であるべき量子ビットQ(n)の状態が|+>となったりする誤りが位相誤りである。1個の量子ビットQ(n)に位相誤りが生じたことは、当該子量ビットQ(n)にパウリZ操作が施されたことに相当する。位相誤りを持つ量子ビットQ(n)にさらにパウリZ操作を施すことで、その位相誤りが訂正される。
図1に例示するように、本形態の量子符号化装置11は、符号化部111及び量子計算部112を有し、本形態の量子検査装置12は、測定部121,122、判定部123、選択部124,126、及び訂正部125,127を有する。
本形態の量子符号化装置11は、非対称な格子構造Lを構成するN個の量子ビットQ(n) (n=0,...,N-1)を符号化し、複数の量子ビットの量子状態の組み合わせで表される冗長化基底の何れかの量子状態を得、冗長化基底を用いて何らかの量子計算を行う。本形態の量子検査装置12は、非対称な格子構造Lを構成するN個の量子ビットQ(n) (n=0,...,N-1)の誤り検出や誤り訂正を行う。量子符号化装置11と量子検査装置12は同一の筺体に納められた装置であってもよいし、別の筺体に納められた装置であってもよい。
図4を参照しながら本形態の処理を説明する。
量子符号化装置11の符号化部111(図2)は、非対称な格子構造Lを構成するN個の量子ビットQ(n) (n=0,...,N-1)を符号化し、複数の量子ビットの量子状態の組み合わせで表される冗長化基底の何れかの量子状態を生成する。本形態の符号化部111は、すべてのk=0,...,K-1についてA(L, EF(k))|Ψ>=|Ψ>を満たし、なおかつ、すべてのm=0,...,M-1についてB(L, EV(m))|Ψ>=|Ψ>を満たす、N個の量子ビットQ(n) (n=0,...,N-1)の量子状態|Ψ>を生成する。このような量子状態は複数種類存在し、それらが符号化された量子ビットの量子状態に相当する(ステップS1)。
図6〜8を用いて冗長化基底とされた量子状態を例示する。図6〜8は、50個の六角形の面F(k) (k=τ0,...,τ49)からなる格子構造の展開図である。白丸及び黒丸は量子ビットを表す。図6に例示する量子ビットの量子状態|Ψ>は、すべての面F(k)についてA(L, EF(k))|Ψ>=|Ψ>を満たし、なおかつ、すべての点V(m)についてB(L, EV(m))|Ψ>=|Ψ>を満たすものとし、それらの量子ビットを白丸で表す。図7及び8の黒丸は、白丸の量子ビットに対してパウリX操作及びパウリZ操作が施された量子ビットを表す。図7及び8の例では、面F(k)のそれぞれに対して2個(偶数個)の黒丸が対応し、点V(m)のそれぞれに対して2個(偶数個)の黒丸が対応する。図7及び8の状態でも、すべての面F(k)についてA(L, EF(k))|Ψ>=|Ψ>を満たし、なおかつ、すべての点V(m)についてB(L, EV(m))|Ψ>=|Ψ>を満たす。図6〜8のそれぞれの状態は互いに異なる基底として扱うことができる([冗長化基底とされた量子状態の例示]の説明終わり)。
集合EF(k)に属する量子ビットQ(n)の個数が少ないほど多くのビット反転誤りを検出でき、集合EV(m)に属する量子ビットQ(n)の個数が少ないほど多くの位相誤りを検出できる。なぜなら、個数が少ないほど誤りがおきた場所の推定がしやすいためである。例えば、すべてのk=0,...,K-1についての集合EF(k)に属する量子ビットQ(n)の個数の合計がすべてのm=0,...,M-1についての集合EV(m)に属する量子ビットQ(n)の個数の合計よりも多い場合には、位相誤りに対する耐性がビット反転誤りに対する耐性よりも高い。逆にすべてのk=0,...,K-1についての集合EF(k)に属する量子ビットQ(n)の個数の合計がすべてのm=0,...,M-1についての集合EV(m)に属する量子ビットQ(n)の個数の合計よりも少ない場合には、ビット反転誤りに対する耐性が位相誤りに対する耐性よりも高い。ただし、構造上、EF(k)とEV(m)に属する量子ビットの個数のどちらかを少なくするともう一方が多くなるというトレードオフの関係にある([ビット反転誤り及び位相誤りに対する強さ]の説明終わり)。
ステップS1の具体例を示す。まず、符号化部111(図2)の初期量子状態生成部111aが、N個の量子ビットQ(n) (n=0,...,N-1)のそれぞれを重ね合わせ状態とする。例えば、初期量子状態生成部111aは、N個の量子ビットQ(n) (n=0,...,N-1)のそれぞれの量子状態を|+>にする。
(|0>+|1>)(|0>+|1>)(|0>+|1>)
=|0>|0>|0>+|0>|1>|0>+|1>|0>|0>+|1>|1>|0>+|0>|0>|1>+|0>|1>|1>+|1>|0>|1>+|1>|1>|1> ...(16)
|0>|0>|0>|0>+|0>|1>|0>|1>+|1>|0>|0>|1>+|1>|1>|0>|0>+|0>|0>|1>|1>+|0>|1>|1>|0>+|1>|0>|1>|0>+|1>|1>|1>|1> ...(17)
|0>|0>|0>+|1>|1>|0>+|0>|1>|1>+|1>|0>|1> ...(18)
一方、補助量子ビットCQ(k)の量子状態が|1>であると観測されるのは、上記3個の量子ビットQ(n)の量子状態が以下の場合である(振幅省略)。
|0>|1>|0>+|1>|0>|0>+|0>|0>|1>+|1>|1>|1> ...(19)
この場合にパウリX操作部111dが1個の量子ビットQ(n)に対してパウリX操作を施すと、上記3個の量子ビットQ(n)の量子状態は式(18)の量子状態と等しくなる。式(18)の量子状態の3個の量子ビットのそれぞれにパウリZ操作を施しても量子状態は変化しない。従ってA(L, EF(k))|Ψ>=|Ψ>を満たす。同様にB(L, EV(m))|Ψ>=|Ψ>を満たすことも言える([ステップS1の具体例]の説明終わり)。
ステップS3の具体例を示す。まず、測定部121(図3)の制御NOT操作部121aは、それぞれの量子状態が|0>とされた補助量子ビットCQ(k) (k=0,...,K-1)(図示せず)を用い、集合EF(k)に属する量子ビットQ(n)と補助量子ビットCQ(k)(図示せず)とに対する制御NOT操作を行う。次に、Z測定部121bが制御NOT操作がなされた補助量子ビットCQ(k)をZ測定する。補助ビット判定部121cは、Z測定部121bで補助量子ビットCQ(k)の量子状態が|0>であると観測された場合にA(L, EF(k))|Ψ>=|Ψ>を満たすと判定し、Z測定部121bで補助量子ビットCQ(k)の量子状態が|1>であると観測された場合にA(L, EF(k))|Ψ>=|Ψ>を満たさないと判定する([ステップS3の具体例]の説明終わり)。
ステップS4の具体例を示す。まず、測定部122の制御パウリZ操作部122aは、それぞれの量子状態が|+>とされた補助量子ビットCQ(m) (m=0,...,M-1)(図示せず)を用い、集合EV(m)に属する量子ビットQ(n)と補助量子ビットCQ(m)とに対して制御パウリZ操作を行う。X測定部122bは、制御パウリZ操作がなされた補助量子ビットCQ(m)をX測定する。補助ビット判定部122cは、X測定部122bで補助量子ビットCQ(m)の量子状態が|+>であると観測された場合にB(L, EV(m))|Ψ>=|Ψ>を満たすと判定し、X測定部122bで補助量子ビットCQ(m)の量子状態が|->であると観測された場合にB(L, EV(m))|Ψ>=|Ψ>を満たさないと判定する([ステップS4の具体例]の説明終わり)。
関係:或る面F(kα)でA(L, EF(kα))|Ψ>=|Ψ>を満たさないと判定されるのは、この面F(kα)に対応する集合EF(kα)に属する量子ビットQ(n)のうち奇数個の量子ビットにビット反転誤りが生じた場合である。偶数個の量子ビットにビット反転誤りが生じた場合にはA(L, EF(kα))|Ψ>=|Ψ>を満たすと判定される。同様に、或る点V(mβ)でB(L, EV(mβ))|Ψ>=|Ψ>を満たさないと判定されるのは、この点V(mβ)に対応する集合EV(mβ)に属する量子ビットQ(n)のうち奇数個の量子ビットに位相誤りが生じた場合である。集合EV(mβ)に属する量子ビットQ(n)のうち偶数個の量子ビットに位相誤りが生じた場合にはB(L, EV(mβ))|Ψ>=|Ψ>を満たすと判定される。
以上のように、本形態ではビット反転誤りと位相誤りとが非対称な環境(ビット反転誤りと位相誤りとの割合が異なる環境)で効率的に誤りを検出することができる。本形態では格子構造を選択することで、ビット反転誤りに対する耐性を高くするか、位相誤りに対する耐性を高くするかを選択することができる。さらに、集合EF(k)に属する量子ビットQ(n)と集合EV(m)に属する量子ビットQ(n)の個数とが同一である必要がなく、複数の量子ビットが配置された任意の結晶構造をそのまま格子構造として利用することも可能である。
<変形例>
本発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、格子構造は上述の実施形態で例示したものに限定されない。例えば、図12A,12B,13A,13Bに例示するような格子構造が用いられてもよい。ただし、図12A,12B,13A,13Bの白丸は量子ビットを表す。その他、「http://en.wikipedia.org/wiki/Percolation_threshold」などに開示されたような様々な格子構造に本発明を適用することができる。また、量子計算部112で量子計算を行うことなく符号化された量子ビット(例えば量子メモリに格納しておいた量子ビット)の誤り検出や誤り訂正が行われてもよい。上述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
12 量子検査装置
Claims (9)
- L=(Q(0),...,Q(N-1))がN個の量子ビットQ(n) (n=0,...,N-1)からなる集合であり、辺E(n) (n=0,...,N-1)のそれぞれが前記集合Lに属する前記量子ビットQ(n)のそれぞれに一対一で対応する仮想的な辺であり、前記辺E(n)のそれぞれには2個の仮想的な端点である点V(m) (m=0,...,M-1)が対応し、前記点V(m) (m=0,...,M-1)のそれぞれが複数個の前記辺E(n)の組み合わせに対応し、面F(k) (k=0,...,K-1)のそれぞれがG(k)個の前記辺E(n)とG(k)個の前記点V(m)との組み合わせに対応する仮想的な面であり、前記点V(m)のそれぞれが前記点V(m)のそれぞれに対応する前記面F(k)に対応する何れかの前記辺E(n)の仮想的な端点であり、EF(k)が前記面F(k)に対応するG(k)個の前記辺E(n)に対応する前記量子ビットQ(n)の集合であり、EV(m)が前記点V(m)に対応する前記辺E(n)の組み合わせに対応する前記量子ビットQ(n)の集合であり、A(L, EF(k))が前記集合EF(k)に属する前記量子ビットQ(n)のそれぞれに対してパウリZ操作を施す演算子を表し、B(L, EV(m))が前記集合EV(m)に属する前記量子ビットQ(n)のそれぞれに対してパウリX操作を施す演算子を表し、
すべてのk=0,...,K-1についてA(L, EF(k))|Ψ>=|Ψ>を満たし、なおかつ、すべてのm=0,...,M-1についてB(L, EV(m))|Ψ>=|Ψ>を満たす、N個の前記量子ビットQ(n)の量子状態|Ψ>を生成する符号化部を有し、少なくとも一部のkとmとの組み合わせで前記集合EF(k)に属する前記量子ビットQ(n)の個数と前記集合EV(m)に属する前記量子ビットQ(n)の個数とが異なる、量子符号化装置。 - 請求項1の量子符号化装置であって、
前記符号化部は、
N個の前記量子ビットQ(n)のそれぞれを重ね合わせ状態とする初期量子状態生成部と、
前記集合EF(k)に属する前記量子ビットQ(n)とそれぞれの量子状態が|0>とされた補助量子ビットCQ(k)とに対する制御NOT操作を行う制御NOT操作部と、
前記制御NOT操作がなされた前記補助量子ビットCQ(k)をZ測定するZ測定部と、
前記Z測定部で前記補助量子ビットCQ(k)の量子状態が|1>であると観測された場合に、前記集合EF(k)に属する奇数個の前記量子ビットQ(n)に対してパウリX操作を施すパウリX操作部と、
前記集合EV(m)に属する前記量子ビットQ(n)とそれぞれの量子状態が(1/√2)・(|0>+|1>)とされた補助量子ビットCQ(m)とに対して制御パウリZ操作を行う制御パウリZ操作部と、
前記制御パウリZ操作がなされた前記補助量子ビットCQ(m)をX測定するX測定部と、
前記X測定部で前記補助量子ビットCQ(m)の量子状態が(1/√2)・(|0>-|1>)であると観測された場合に、前記集合EV(m)に属する奇数個の前記量子ビットQ(n)に対してパウリZ操作を施すパウリZ操作部とを含む、量子符号化装置。 - 請求項1又は2の量子符号化装置であって、
すべてのk=0,...,K-1についての前記集合EF(k)に属する前記量子ビットQ(n)の個数の合計は、すべてのm=0,...,M-1についての前記集合EV(m)に属する前記量子ビットQ(n)の個数の合計よりも多い、量子符号化装置。 - 請求項1又は2の量子符号化装置であって、
すべてのk=0,...,K-1についての前記集合EF(k)に属する前記量子ビットQ(n)の個数の合計は、すべてのm=0,...,M-1についての前記集合EV(m)に属する前記量子ビットQ(n)の個数の合計よりも少ない、量子符号化装置。 - L=(Q(0),...,Q(N-1))がN個の量子ビットQ(n) (n=0,...,N-1)からなる集合であり、辺E(n) (n=0,...,N-1)のそれぞれが前記集合Lに属する前記量子ビットQ(n)のそれぞれに一対一で対応する仮想的な辺であり、前記辺E(n)のそれぞれには2個の仮想的な端点である点V(m) (m=0,...,M-1)が対応し、前記点V(m) (m=0,...,M-1)のそれぞれが複数個の前記辺E(n)の組み合わせに対応し、面F(k) (k=0,...,K-1)のそれぞれがG(k)個の前記辺E(n)とG(k)個の前記点V(m)との組み合わせに対応する仮想的な面であり、前記点V(m)のそれぞれが前記点V(m)のそれぞれに対応する前記面F(k)に対応する何れかの前記辺E(n)の仮想的な端点であり、EF(k)が前記面F(k)に対応するG(k)個の前記辺E(n)に対応する前記量子ビットQ(n)の集合であり、EV(m)が前記点V(m)に対応する前記辺E(n)の組み合わせに対応する前記量子ビットQ(n)の集合であり、A(L, EF(k))が前記集合EF(k)に属する前記量子ビットQ(n)のそれぞれに対してパウリZ操作を施す演算子を表し、B(L, EV(m))が前記集合EV(m)に属する前記量子ビットQ(n)のそれぞれに対してパウリX操作を施す演算子を表し、少なくとも一部のkとmとの組み合わせで前記集合EF(k)に属する前記量子ビットQ(n)の個数と前記集合EV(m)に属する前記量子ビットQ(n)の個数とが異なり、
k=0,...,K-1についてN個の前記量子ビットQ(n)の量子状態|Ψ>がA(L, EF(k))|Ψ>=|Ψ>を満たすかを測定する第1測定部と、
m=0,...,M-1についてN個の前記量子ビットQ(n)の量子状態|Ψ>がB(L, EV(m))|Ψ>=|Ψ>を満たすかを測定する第2測定部と、
すべてのk=0,...,K-1についてA(L, EF(k))|Ψ>=|Ψ>を満たし、なおかつ、すべてのm=0,...,M-1についてB(L, EV(m))|Ψ>=|Ψ>を満たす場合に誤りが存在しないと判定し、それ以外の場合に誤りが存在すると判定する判定部とを有する、量子検査装置。 - 請求項5の量子検査装置であって、
前記第1測定部は、
前記集合EF(k)に属する前記量子ビットQ(n)とそれぞれの量子状態が|0>とされた補助量子ビットCQ(k)とに対する制御NOT操作を行う制御NOT操作部と、
前記制御NOT操作がなされた前記補助量子ビットCQ(k)をZ測定するZ測定部と、
前記Z測定部で前記補助量子ビットCQ(k)の量子状態が|0>であると観測された場合にA(L, EF(k))|Ψ>=|Ψ>を満たすと判定し、前記Z測定部で前記補助量子ビットCQ(k)の量子状態が|1>であると観測された場合にA(L, EF(k))|Ψ>=|Ψ>を満たさないと判定する第1補助ビット判定部とを含み、
前記第2測定部は、
前記集合EV(m)に属する前記量子ビットQ(n)とそれぞれの量子状態が(1/√2)・(|0>+|1>)とされた補助量子ビットCQ(m)とに対して制御パウリZ操作を行う制御パウリZ操作部と、
前記制御パウリZ操作がなされた前記補助量子ビットCQ(m)をX測定するX測定部と、
前記X測定部で前記補助量子ビットCQ(m)の量子状態が(1/√2)・(|0>+|1>)であると観測された場合にB(L, EV(m))|Ψ>=|Ψ>を満たすと判定し、前記X測定部で前記補助量子ビットCQ(m)の量子状態が(1/√2)・(|0>-|1>)であると観測された場合にB(L, EV(m))|Ψ>=|Ψ>を満たさないと判定する第2補助ビット判定部とを含む、量子検査装置。 - 請求項5又は6の量子検査装置であって、
k0,...,kp-1∈{0,...,K-1}, n0,...,np-2∈{0,...,N-1}, p≧2, q=0,...,p-2であり、前記辺E(nq)のそれぞれに2個の前記面F(kq)及びF(kq+1)が対応し、m0,...,mu-1∈{0,...,M-1}, t0,...,tu-2∈{0,...,N-1}, u≧2, w=0,...,u-2であり、前記辺E(tw)のそれぞれに2個の前記点V(mw)及びV(mw+1)が対応し、
k=k0, kp-1∈{0,...,K-1}についてA(L, EF(k))|Ψ>=|Ψ>を満たさないと判定された場合に、前記面F(k0)と前記面F(kp-1)との間の経路(F(k0),E(n0),F(k1),E(n1),F(k2),...,E(np-2),F(kp-1))のうち、経路に含まれる辺E(n0),...,E(np-2)の個数p-1が最も少ないものを選択する第1選択部と、
前記第1選択部で選択された経路に含まれる辺E(n0),...,E(np-2)に対応する量子ビットQ(n0),...,Q(np-2)のそれぞれにパウリX操作を施す第1訂正部と、 m=m0, mu-1∈{0,...,M-1}についてB(L, EV(m))|Ψ>=|Ψ>を満たさないと判定された場合に、前記点V(m0)と前記点V(mu-1)との間の経路(V(m0),E(t0),V(m1),E(t1),V(m2),...,E(tu-2),V(mu-1))のうち、経路に含まれる辺E(t0),...,E(tu-2)の個数u-1が最も少ないものを選択する第2選択部と、
前記第2選択部で選択された経路に含まれる辺E(t0),...,E(tu-2)に対応する量子ビットQ(t0),...,Q(tu-2)のそれぞれにパウリZ操作を施す第2訂正部と、
を有する量子検査装置。 - L=(Q(0),...,Q(N-1))がN個の量子ビットQ(n) (n=0,...,N-1)からなる集合であり、辺E(n) (n=0,...,N-1)のそれぞれが前記集合Lに属する前記量子ビットQ(n)のそれぞれに一対一で対応する仮想的な辺であり、前記辺E(n)のそれぞれには2個の仮想的な端点である点V(m) (m=0,...,M-1)が対応し、前記点V(m) (m=0,...,M-1)のそれぞれが複数個の前記辺E(n)の組み合わせに対応し、面F(k) (k=0,...,K-1)のそれぞれがG(k)個の前記辺E(n)とG(k)個の前記点V(m)との組み合わせに対応する仮想的な面であり、前記点V(m)のそれぞれが前記点V(m)のそれぞれに対応する前記面F(k)に対応する何れかの前記辺E(n)の仮想的な端点であり、EF(k)が前記面F(k)に対応するG(k)個の前記辺E(n)に対応する前記量子ビットQ(n)の集合であり、EV(m)が前記点V(m)に対応する前記辺E(n)の組み合わせに対応する前記量子ビットQ(n)の集合であり、A(L, EF(k))が前記集合EF(k)に属する前記量子ビットQ(n)のそれぞれに対してパウリZ操作を施す演算子を表し、B(L, EV(m))が前記集合EV(m)に属する前記量子ビットQ(n)のそれぞれに対してパウリX操作を施す演算子を表し、
すべてのk=0,...,K-1についてA(L, EF(k))|Ψ>=|Ψ>を満たし、なおかつ、すべてのm=0,...,M-1についてB(L, EV(m))|Ψ>=|Ψ>を満たす、N個の前記量子ビットQ(n)の量子状態|Ψ>を生成する符号化ステップを有し、少なくとも一部のkとmとの組み合わせで前記集合EF(k)に属する前記量子ビットQ(n)の個数と前記集合EV(m)に属する前記量子ビットQ(n)の個数とが異なる、量子符号化方法。 - L=(Q(0),...,Q(N-1))がN個の量子ビットQ(n) (n=0,...,N-1)からなる集合であり、辺E(n) (n=0,...,N-1)のそれぞれが前記集合Lに属する前記量子ビットQ(n)のそれぞれに一対一で対応する仮想的な辺であり、前記辺E(n)のそれぞれには2個の仮想的な端点である点V(m) (m=0,...,M-1)が対応し、前記点V(m) (m=0,...,M-1)のそれぞれが複数個の前記辺E(n)の組み合わせに対応し、面F(k) (k=0,...,K-1)のそれぞれがG(k)個の前記辺E(n)とG(k)個の前記点V(m)との組み合わせに対応する仮想的な面であり、前記点V(m)のそれぞれが前記点V(m)のそれぞれに対応する前記面F(k)に対応する何れかの前記辺E(n)の仮想的な端点であり、EF(k)が前記面F(k)に対応するG(k)個の前記辺E(n)に対応する前記量子ビットQ(n)の集合であり、EV(m)が前記点V(m)に対応する前記辺E(n)の組み合わせに対応する前記量子ビットQ(n)の集合であり、A(L, EF(k))が前記集合EF(k)に属する前記量子ビットQ(n)のそれぞれに対してパウリZ操作を施す演算子を表し、B(L, EV(m))が前記集合EV(m)に属する前記量子ビットQ(n)のそれぞれに対してパウリX操作を施す演算子を表し、少なくとも一部のkとmとの組み合わせで前記集合EF(k)に属する前記量子ビットQ(n)の個数と前記集合EV(m)に属する前記量子ビットQ(n)の個数とが異なり、
k=0,...,K-1についてN個の前記量子ビットQ(n)の量子状態|Ψ>がA(L, EF(k))|Ψ>=|Ψ>を満たすかを測定する第1測定ステップと、
m=0,...,M-1についてN個の前記量子ビットQ(n)の量子状態|Ψ>がB(L, EV(m))|Ψ>=|Ψ>を満たすかを測定する第2測定ステップと、
すべてのk=0,...,K-1についてA(L, EF(k))|Ψ>=|Ψ>を満たし、なおかつ、すべてのm=0,...,M-1についてB(L, EV(m))|Ψ>=|Ψ>を満たす場合に誤りが存在しないと判定し、それ以外の場合に誤りが存在すると判定する判定ステップとを有する、量子検査方法。
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