JP5225410B2 - 容量検出装置、抵抗検出装置 - Google Patents
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Description
<スイッチトキャパシタを用いた検出装置のノイズの分析>
ノイズの原因としては、抵抗による熱雑音、PN接合で発生するショットノイズ、格子欠陥や不純物に由来するフリッカノイズなどがある。しかし、上述のスイッチトキャパシタで構成した回路を用いた場合は、アナログスイッチを用いているのでON抵抗は十分に低く、信号ラインにはPN接合もない。したがって、これらを原因とするノイズによって測定精度が向上できないとは考えにくい。そこで、検出装置で発生するノイズの原因の1つとして、チャージインジェクションに着目してみた。次に、アナログスイッチによって生じるチャージインジェクションについて分析する。
次に、本願出願人により出願済であり未公開の特許出願(特願2010−81927号)に記載されている容量検出センサについて説明する。図5に先願の容量検出装置の機能構成例を、図6に先願の容量検出装置の第1微分部、第2微分部、積分部の具体的な構成例を示す。また、図7は各部での信号の様子を示すタイミングチャートである。容量検出装置100は、物理量の変化によって静電容量の差が変化する第1容量センサ121aと第2容量センサ121bの静電容量の差を検出する。容量検出装置100は、発振部110、第1微分部120a、第2微分部120b、積分部130、サンプルホールド部150、制御部180、フィルタ部190を備える。発振部110は、発振信号を生成する。
次に、未公開の特許出願(特願2010−81927号)に記載されている別の容量検出センサについて説明する。図8に先願の別の容量検出装置の機能構成例を、図9に先願の別の容量検出装置の第1微分部、第2微分部、第1積分部、第2積分部の具体的な構成例を示す。また、図10は各部での信号の様子を示すタイミングチャートである。容量検出装置200は、発振部110、第1微分部120a、第2微分部120b、第1積分部230a、第2積分部230b、差動増幅部240、サンプルホールド部150、制御部280、フィルタ部190を備える。発振部110、第1微分部120a、第2微分部120b、サンプルホールド部150、フィルタ部190は容量検出装置100と同じである。
ここまでの説明では、スイッチトキャパシタで構成した回路の精度を向上するためにチャージインジェクションの変動の影響を受けにくい構成にすれば、容量検出装置の測定精度を向上できるのではないかという予測を基に、その対策を示してきた。そこで、この予測が正しいことを検証する。つまり、アナログスイッチで生じるチャージインジェクションの変動によるノイズが容量検出装置の測定精度に影響を与えていることを確認するとともに、「発振信号の複数周期分を積分すること」によって精度が向上することを確認する。図11は、容量検出装置200の積分の期間を、1周期分としたときと20周期分としたときの容量検出装置の1周期分の出力に含まれるノイズの周波数成分を示す図である。積分期間を20倍にすることでノイズ成分を10dB近く低減できている。
図12に、先願の容量検出装置100の積分部130の出力、または先願の容量検出装置200の第1積分部230a、第2積分部230bの出力の一部を示す。積分部130、第1積分部230a、第2積分部230bの出力は、物理量が特定の値(例えば、図12では物理量が0)のときの静電容量と、物理量によって変化した静電容量が合成されている。つまり、図12に示したように、容量検出装置が計測したい範囲は、容量検出装置の出力範囲より狭くなる。したがって、先願の容量検出装置100、200の感度は、第1容量センサ121aと第2容量センサ121bの感度だけでなく、物理量が特定の値のときの静電容量にも依存している。そこで、本願では、物理量が特定の値のときの静電容量の影響を受けにくくすることで、先願の容量検出装置100、200よりも高感度な容量検出装置を提供する。
実施例1では、物理量の変化によって静電容量の差が変化する場合を説明した。しかし、図13の第1微分部120a、第2微分部120b、第3微分部120c、第4微分部120dの抵抗を変化させても、同じように物理量の変化を検出できる。そこで、本変形例では、物理量の変化によって抵抗が変化する第1抵抗センサ、第2抵抗センサ、第3抵抗センサ、第4抵抗センサの抵抗を検出し、検出した抵抗値から物理量の変化を計測するために用いる抵抗検出装置について説明する。なお、4つの抵抗センサの中の1つを第1抵抗センサとし、第2抵抗センサは第1抵抗センサと逆向きに抵抗値が変化する抵抗センサとし、第3抵抗センサは第1抵抗センサと同じ向きに抵抗値が変化する抵抗センサとし、第4抵抗センサは第1抵抗センサと逆向きに抵抗値が変化する抵抗センサとする。
実施例2では、物理量の変化によって静電容量の差が変化する場合を説明した。しかし、図17の第1微分部120a、第2微分部120b、第3微分部120c、第4微分部120dの抵抗を変化させても、同じように物理量の変化を検出できる。そこで、本変形例では、物理量の変化によって抵抗が変化する第1抵抗センサ、第2抵抗センサ、第3抵抗センサ、第4抵抗センサの抵抗を検出し、検出した抵抗値から物理量の変化を計測するために用いる抵抗検出装置について説明する。なお、4つの抵抗センサの中の1つを第1抵抗センサとし、第2抵抗センサは第1抵抗センサと逆向きに抵抗値が変化する抵抗センサとし、第3抵抗センサは第1抵抗センサと同じ向きに抵抗値が変化する抵抗センサとし、第4抵抗センサは第1抵抗センサと逆向きに抵抗値が変化する抵抗センサとする。
33 質量体 34 支持体
35 固定部 36 連結部
37 ヒンジ部 38 検出電極
39 設置部 40 対向部
44 加速度センサ
100、200、300、400 容量検出装置
110、310 発振部
120a、520a 第1微分部 120b、520b 第2微分部
120c、520c 第3微分部 120d、520d 第4微分部
121a 第1容量センサ 121b 第2容量センサ
121c 第3容量センサ 121d 第4容量センサ
122a、122b、122c、122d 固定抵抗
130、330 積分部
131、132、137、138、231、232、237、238 ダイオード
133、233 抵抗 134、234 オペアンプ
135、235 コンデンサ 136、236 アナログスイッチ
150 サンプルホールド部 180、280 制御部
190 フィルタ部
230a、430a 第1積分部 230b、430b 第2積分部
240 差動増幅部 500、600 抵抗検出装置
521a、521b、521c、521d コンデンサ
522a 第1抵抗センサ 522b 第2抵抗センサ
522c 第3抵抗センサ 522d 第4抵抗センサ
900、950 回路 910 アナログスイッチ
920 コンデンサ 930 オペアンプ
940、970 端子 960 発振器
Claims (6)
- 物理量に応じて静電容量が変化する第1容量センサ、第2容量センサ、第3容量センサ、第4容量センサを用いる容量検出装置であって、
少なくとも第1発振信号を生成する発振部と、
前記第1容量センサを用いて、前記第1発振信号を微分した信号に相当する第1微分信号を生成する第1微分部と、
前記第1容量センサと逆向きに静電容量が変化する前記第2容量センサを用いて、前記第1発振信号を微分した信号に相当する第2微分信号を生成する第2微分部と、
前記第1容量センサと同じ向きに静電容量が変化する前記第3容量センサを用いて、前記第1発振信号を反転した信号である第2発振信号を微分した信号に相当する第3微分信号を生成する第3微分部と、
前記第1容量センサと逆向きに静電容量が変化する前記第4容量センサを用いて、前記第1発振信号を反転した信号である第2発振信号を微分した信号に相当する第4微分信号を生成する第4微分部と、
積分制御信号とサンプルホールド制御信号を生成する制御部と、
あらかじめ定めた第1の位相のときに前記第1微分信号と前記第4微分信号とを合成した信号に対応する第1合成信号を生成し、あらかじめ定めた第2の位相のときに前記第2微分信号と前記第3微分信号とを合成した信号に対応する第2合成信号を生成し、前記積分制御信号にしたがって前記第1合成信号と前記第2合成信号とを積分し、積分信号を生成する積分部と、
前記積分信号の値を前記サンプルホールド制御信号に従って保持するサンプルホールド部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1発振信号または前記第2発振信号の複数周期ごとに前記積分信号の値を保持するサンプルホールド制御信号を生成し、前記積分信号の値を保持した後に前記積分信号をリセットする積分制御信号を生成する
容量検出装置。 - 物理量に応じて静電容量が変化する第1容量センサ、第2容量センサ、第3容量センサ、第4容量センサを用いる容量検出装置であって、
少なくとも第1発振信号を生成する発振部と、
前記第1容量センサを用いて、前記第1発振信号を微分した信号に相当する第1微分信号を生成する第1微分部と、
前記第1容量センサと逆向きに静電容量が変化する前記第2容量センサを用いて、前記第1発振信号を微分した信号に相当する第2微分信号を生成する第2微分部と、
前記第1容量センサと同じ向きに静電容量が変化する前記第3容量センサを用いて、前記第1発振信号を反転した信号である第2発振信号を微分した信号に相当する第3微分信号を生成する第3微分部と、
前記第1容量センサと逆向きに静電容量が変化する前記第4容量センサを用いて、前記第1発振信号を反転した信号である第2発振信号を微分した信号に相当する第4微分信号を生成する第4微分部と、
積分制御信号とサンプルホールド制御信号を生成する制御部と、
あらかじめ定めた第1の位相のときに前記第1微分信号と前記第4微分信号とを合成した信号に対応する第1合成信号を生成し、あらかじめ定めた第2の位相のときに前記第2微分信号と前記第3微分信号とを合成した信号に対応する第2合成信号を生成し、前記積分制御信号にしたがって前記第1合成信号と前記第2合成信号とを積分し、第1積分信号を生成する第1積分部と、
前記第2の位相のときに前記第1微分信号と前記第4微分信号とを合成した信号に対応する第3合成信号を生成し、前記第1の位相のときに前記第2微分信号と前記第3微分信号とを合成した信号に対応する第4合成信号を生成し、前記積分制御信号にしたがって前記第3合成信号と前記第4合成信号とを積分し、第2積分信号を生成する第2積分部と、
前記第1積分信号と前記第2積分信号との差に対応した積分信号を生成する差動増幅部と、
前記積分信号の値を前記サンプルホールド制御信号に従って保持するサンプルホールド部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1発振信号または第2発振信号の複数周期ごとに前記積分信号の値を保持するサンプルホールド制御信号を生成し、前記積分信号の値を保持した後に前記積分信号をリセットする積分制御信号を生成する
容量検出装置。 - 請求項1または2記載の容量検出装置であって、
物理量があらかじめ定めた値のときに、前記第1微分部内の前記第1容量センサと抵抗で決まる時定数と、前記第4微分部内の前記第4容量センサと抵抗で決まる時定数とは、一致し、
前記あらかじめ定めた値のときに、前記第2微分部内の前記第2容量センサと抵抗で決まる時定数と、前記第3微分部内の前記第3容量センサと抵抗で決まる時定数とは、一致する
ことを特徴とする容量検出装置。 - 物理量に応じて抵抗値が変化する第1抵抗センサ、第2抵抗センサ、第3抵抗センサ、第4抵抗センサを用いる抵抗検出装置であって、
少なくとも第1発振信号を生成する発振部と、
前記第1抵抗センサを用いて、前記第1発振信号を微分した信号に相当する第1微分信号を生成する第1微分部と、
前記第1抵抗センサと逆向きに抵抗値が変化する前記第2抵抗センサを用いて、前記第1発振信号を微分した信号に相当する第2微分信号を生成する第2微分部と、
前記第1抵抗センサと同じ向きに抵抗値が変化する前記第3抵抗センサを用いて、前記第1発振信号を反転した信号である第2発振信号を微分した信号に相当する第3微分信号を生成する第3微分部と、
前記第1抵抗センサと逆向きに抵抗値が変化する前記第4抵抗センサを用いて、前記第1発振信号を反転した信号である第2発振信号を微分した信号に相当する第4微分信号を生成する第4微分部と、
積分制御信号とサンプルホールド制御信号を生成する制御部と、
あらかじめ定めた第1の位相のときに前記第1微分信号と前記第4微分信号とを合成した信号に対応する第1合成信号を生成し、あらかじめ定めた第2の位相のときに前記第2微分信号と前記第3微分信号とを合成した信号に対応する第2合成信号を生成し、前記積分制御信号にしたがって前記第1合成信号と前記第2合成信号とを積分し、積分信号を生成する積分部と、
前記積分信号の値を前記サンプルホールド制御信号に従って保持するサンプルホールド部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1発振信号または第2発振信号の複数周期ごとに前記積分信号の値を保持するサンプルホールド制御信号を生成し、前記積分信号の値を保持した後に前記積分信号をリセットする積分制御信号を生成する
抵抗検出装置。 - 物理量に応じて抵抗値が変化する第1抵抗センサ、第2抵抗センサ、第3抵抗センサ、第4抵抗センサを用いる抵抗検出装置であって、
少なくとも第1発振信号を生成する発振部と、
前記第1抵抗センサを用いて、前記第1発振信号を微分した信号に相当する第1微分信号を生成する第1微分部と、
前記第1抵抗センサと逆向きに抵抗値が変化する前記第2抵抗センサを用いて、前記第1発振信号を微分した信号に相当する第2微分信号を生成する第2微分部と、
前記第1抵抗センサと同じ向きに抵抗値が変化する前記第3抵抗センサを用いて、前記第1発振信号を反転した信号である第2発振信号を微分した信号に相当する第3微分信号を生成する第3微分部と、
前記第1抵抗センサと逆向きに抵抗値が変化する前記第4抵抗センサを用いて、前記第1発振信号を反転した信号である第2発振信号を微分した信号に相当する第4微分信号を生成する第4微分部と、
積分制御信号とサンプルホールド制御信号を生成する制御部と、
あらかじめ定めた第1の位相のときに前記第1微分信号と前記第4微分信号とを合成した信号に対応する第1合成信号を生成し、あらかじめ定めた第2の位相のときに前記第2微分信号と前記第3微分信号とを合成した信号に対応する第2合成信号を生成し、前記積分制御信号にしたがって前記第1合成信号と前記第2合成信号とを積分し、第1積分信号を生成する第1積分部と、
前記第2の位相のときに前記第1微分信号と前記第4微分信号とを合成した信号に対応する第3合成信号を生成し、前記第1の位相のときに前記第2微分信号と前記第3微分信号とを合成した信号に対応する第4合成信号を生成し、前記積分制御信号にしたがって前記第3合成信号と前記第4合成信号とを積分し、第2積分信号を生成する第2積分部と、
前記第1積分信号と前記第2積分信号との差に対応した積分信号を生成する差動増幅部と、
前記積分信号の値を前記サンプルホールド制御信号に従って保持するサンプルホールド部と、
を備え、
前記制御部は、前記第1発振信号または第2発振信号の複数周期ごとに前記積分信号の値を保持するサンプルホールド制御信号を生成し、前記積分信号の値を保持した後に前記積分信号をリセットする積分制御信号を生成する
抵抗検出装置。 - 請求項4または5記載の抵抗検出装置であって、
物理量があらかじめ定めた値のときに、前記第1微分部内の前記第1抵抗センサとコンデンサで決まる時定数と、前記第4微分部内の前記第4抵抗センサとコンデンサで決まる時定数とは、一致し、
前記あらかじめ定めた値のときに、前記第2微分部内の前記第2抵抗センサとコンデンサで決まる時定数と、前記第3微分部内の前記第3抵抗センサとコンデンサで決まる時定数とは、一致する
ことを特徴とする抵抗検出装置。
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