JP5223198B2 - 放射温度計の故障監視方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼板の温度計測に用いる放射温度計の故障監視方法に関する。
連続焼鈍工程において、処理される鋼板に必要とされる機械的特性を付与するためには、鋼板温度を正確に計測して制御することが重要となる。このため、焼鈍炉には、複数の温度計が設置され、その温度計によって炉内の鋼板温度が計測される。そして、それぞれの場所で計測された鋼板温度をもとに、鋼板が目標の加熱温度もしくは冷却温度に制御されるようにフィードバック制御を実施している。
しかし、この焼鈍炉に設置される温度計の一つである放射温度計は、設定環境や検出素子の経年劣化等によって計測誤差が大きくなり計測した指示値が異常となって、焼鈍炉内の鋼板に対する温度制御に不具合が発生することがある。ここで、放射温度計により計測された値が異常か否かは、個々の放射温度計を炉から取り外し、それぞれについて計測値が異常であるかどうかの診断を行わなければならず、非常に手間のかかる作業となっていた。
このような問題に対して、特許文献1には、連続焼鈍炉における加熱帯が定常状態であるか否かを判定し、定常状態であるときに、その時の炉内温度実績値、鋼帯温度実績値及びライン速度実績値を夫々測定し、これらに基づき炉の総括熱伝達係数φCGを算出し、この総括熱伝達係数φCG の経時的な変化を監視することにより加熱帯の加熱能力の劣化、各種センサの異常等を診断する方法が記載されている。ここでは、例えば、算出した炉の総括熱伝達係数φCGの基準値との差が所定設定範囲を越えている場合には、温度センサ等が異常と判定するものである。
特公昭63−45453号公報
しかし、上記特許文献1に記載されている設備診断方法は、計測した炉内温度実績値が正確にその炉内温度を反映していることが前提となっている。そのため、連続焼鈍設備における焼鈍炉の加熱帯において適用する場合には、後段側の均熱帯による温度の影響をあまり受けないため、特に問題はなかった。しかし、例えば、上記特許文献1に記載されている設備診断方法を、焼鈍炉の均熱帯において適用しようとした場合には、後段側の冷却帯による温度の影響を大きく受けて、均熱帯の炉内温度を正確に計測することができず、正確な設備診断が行えないという問題がある。
そこで本発明は、焼鈍炉におけるゾーン内温度が、その後段側のゾーンによる温度影響を受けるようなゾーンの温度計測値に基づいて、そこに設置されている放射温度計の故障監視を行う場合においても、新たに温度センサを設けることなく、そのゾーン内の温度を正確に把握することができ、それに基づき放射温度計の故障監視を行うことで、高精度に故障監視を行うことが可能な放射温度計の故障監視方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有する。
[1]複数のゾーンに区分された焼鈍炉における均熱帯の特定ゾーンの入側鋼板温度と出側鋼板温度とを計測する放射温度計の故障監視を行う方法であって、
前記特定ゾーン内の雰囲気温度を計測する手段による温度計測値を、前記特定ゾーンの後段側に隣接する徐冷帯内の雰囲気温度を計測する手段による温度計測値に基づいて、前記特定ゾーン内の雰囲気温度を計測する手段による温度計測値をmTG SS0 、前記徐冷帯内の雰囲気温度を計測する手段による温度計測値をmTG SCS 、補正後の特定ゾーンの炉内温度をmTG SS とした場合に下式(1)により補正を行う温度補正ステップと、
該温度補正ステップにより補正された温度と、前記特定ゾーンの入側鋼板温度を計測する放射温度計による実測値とに基づいて、前記特定ゾーンの出側鋼板温度の予測値を算出する予測温度算出ステップと、
該予測温度算出ステップにより算出された前記特定ゾーンの出側鋼板温度の予測値と、
前記特定ゾーンの出側鋼板温度を計測する放射温度計による実測値とを比較して、前記特定ゾーンの入側鋼板温度と出側鋼板温度とを計測する放射温度計の良否判定を行う判定ステップとを有することを特徴とする放射温度計の故障監視方法。
mTGSS=mTGSS0×(1−a)+mTGSCS×a ・・・(1)
ここで、aは、0≦a≦1の定数を表す。
]上記[]に記載の放射温度計の故障監視方法において、
前記予測温度算出ステップは、
前記特定ゾーンの入側鋼板温度をmTSH0とした場合、前記特定ゾーンの出側鋼板温度の予測値TSSSは、下式(2)、(3)により求め、
前記判定ステップは、
予め定められる判定閾値Aを用いて、下記(イ)、(ロ)の判定基準により放射温度計の良否判定を行うことを特徴とする放射温度計の故障監視方法。
Figure 0005223198
ここで、φCG:均熱帯(SS)における総括熱吸収率(-)、σ:ステファン・ボルツマン定数(Kcal/m2K4×108)、Cp:鋼板の比熱(Kcal/Kg℃)、ρ:鋼板の比重(Kg/m3)、mLS:ライン速度平均値(mpm)、D:鋼板の板厚(mm)、ΔXSS:均熱帯(SS)のゾーン長(m)を表す。
(イ)|mTSSS−TSSS|≦A
この場合、前記特定ゾーンの入側鋼板温度、出側鋼板温度を計測する放射温度計の両方とも正常であると判定する。
(ロ)|mTSSS−TSSS|>A
この場合、前記特定ゾーンの入側鋼板温度、出側鋼板温度を計測する放射温度計のどちらかが異常であると判定する。
ここで、mTSSS は、前記特定ゾーンの出側鋼板温度を計測する放射温度計による実測値を表す。
本発明によれば、焼鈍炉におけるゾーン内温度が、その後段側のゾーンによる温度影響を受けるようなゾーンの温度計測値に基づいて、そこに設置されている放射温度計の故障監視を行う場合においても、新たに温度センサを設けることなく、そのゾーン内の温度を正確に把握することができ、それに基づき放射温度計の故障監視を行うことで、高精度に故障監視を行うことが可能な放射温度計の故障監視方法が提供される。
以下、本発明を実施するための最良の形態の一例を説明する。
図1に、本発明に係る放射温度計の故障監視方法が適用される連続焼鈍炉の装置構成の一例を示す。図1に示す連続焼鈍炉は、鋼板1の流れ方向上流側から加熱帯(HS)、均熱帯(SS)、徐冷帯(SCS)を備えている。均熱帯(SS)の入側には、均熱帯(SS)入側の鋼板温度を計測する放射温度計2が配置され、均熱帯(SS)の出側には、均熱帯(SS)出側の鋼板温度を計測する放射温度計3が配置されている。また、均熱帯(SS)の炉内中央付近には、炉内の雰囲気温度(炉内温度)を計測する手段である、例えば熱対4が設置され、徐冷帯(SCS)の炉内中央付近には、炉内の雰囲気温度(炉内温度)を計測する手段である、例えば熱対5が設置されている。
前記放射温度計2、放射温度計3、熱対4及び熱対5による温度計測値は、図示しない炉内温度制御装置に入力され、鋼板1が目標の加熱温度もしくは冷却温度となるように制御される。ここで、均熱帯(SS)の後段側に隣接する徐冷帯(SCS)の炉内温度は、均熱帯(SS)の炉内温度と比較して低い。そのため、均熱帯(SS)の炉内温度は徐冷帯(SCS)の炉内温度の影響を受けて低下する。しかし、図1に示すように、均熱帯(SS)の炉内温度を計測する熱対4が炉内中央付近に設置されている場合には、徐冷帯(SCS)に近接する領域での温度低下を検知することができず、炉内雰囲気温度(炉内の平均の温度)を正確に計測できていない。
このような設備構成において、本発明に係る放射温度計の故障監視方法は、例えば、複数のゾーンに区分された連続焼鈍炉における特定ゾーンである均熱帯(SS)の入側鋼板温度と出側鋼板温度とを計測する放射温度計2,3の故障監視を行う方法であって、前記均熱帯(SS)内の雰囲気温度を計測する手段である熱対4による温度計測値を、前記均熱帯(SS)の後段側に隣接するゾーンである徐冷帯(SCS)内の雰囲気温度を計測する手段である熱対5による温度計測値に基づいて補正を行う温度補正ステップ(S1)と、この温度補正ステップ(S1)により補正された温度と、前記均熱帯(SS)の入側鋼板温度を計測する放射温度計2による実測値とに基づいて、前記均熱帯(SS)の出側鋼板温度の予測値を算出する予測温度算出ステップ(S2)と、この予測温度算出ステップ(S2)により算出された前記均熱帯(SS)の出側鋼板温度の予測値と、前記均熱帯(SS)の出側鋼板温度を計測する放射温度計3による実測値とを比較して、前記均熱帯(SS)の入側鋼板温度と出側鋼板温度とを計測する放射温度計2,3の評価を行う判定ステップ(S3)とを有するものである。
これにより、本発明においては、均熱帯(SS)の炉内温度を正確に把握することができ、それに基づき放射温度計2,3の良否判定を行うので、高精度に故障監視を行うことが可能となる。
以下、上記各ステップについて詳細に説明する。
[温度補正ステップ(S1)]
ここでは、図1における均熱帯(SS)内の雰囲気温度を計測する手段である熱対4による温度計測値を、前記均熱帯(SS)の後段側に隣接するゾーンである徐冷帯(SCS)内の雰囲気温度を計測する手段である熱対5による温度計測値に基づいて補正を行う。
具体的には、熱対4による温度計測値(℃)の平均値(mTGSS0 )を、この均熱
帯(SS)の後段側に隣接する徐冷帯(SCS)内の雰囲気温度を計測する熱対5による温度計測値(℃)の平均値(mTGSCS )で補正を行う。ここで、前記熱対4,5での温度計測値の平均は、例えば、ラインが安定稼動の状態において、所定時間間隔(1〜2分間隔程度)で計測した温度計測値の所定時間内(3〜5分間程度)での平均を用いることができる。
前記補正は、補正後の均熱帯(SS)の炉内温度(℃)をmTGSSとした場合に下式(1)により求めることができる。
mTGSS=mTGSS0×(1−a)+mTGSCS×a ・・・(1)
ここで、aは、0≦a≦1の定数を表す。
上記aの値は、均熱帯(SS)の炉内温度が、その後段側の徐冷帯(SCS)の炉内温度に、どの程度影響されるかの度合を表す数値である。このaの値は、焼鈍炉の構成、操業条件、熱対4,5の設置位置等により変化する値であり、焼鈍炉毎に、且つ、その操業条件毎に、予め最も精度良く補正できる数値を求めておくことが好ましい。
[予測温度算出ステップ(S2)]
ここでは、上記温度補正ステップ(S1)により補正された温度(mTGSS)と、均熱帯(SS)の入側鋼板温度(℃)を計測する放射温度計2による実測値とに基づいて、均熱帯(SS)の出側鋼板温度(℃)の予測値を算出する。
前記均熱帯(SS)の入側鋼板温度(℃)を計測する放射温度計2による実測値としては、例えば、ラインが安定稼動の状態において、所定時間間隔(1〜2分間隔程度)で計測した放射温度計2による実測値の所定時間内(3〜5分間程度)での平均の温度(℃)を用いることができる。
前記平均の温度(℃)を均熱帯(SS)の入側鋼板温度(mTSH0)とした場合、均熱帯(SS)の出側鋼板温度(℃)の予測値(TSSS)は、下式(2)、(3)により求めることができる。
Figure 0005223198
ここで、φCG:均熱帯(SS)における総括熱吸収率(-)、σ:ステファン・ボルツマン定数(Kcal/m2K4×108)、Cp:鋼板の比熱(Kcal/Kg℃)、ρ:鋼板の比重(Kg/m3)、mLS:ライン速度平均値(mpm)、D:鋼板の板厚(mm)、ΔXSS:均熱帯(SS)のゾーン長(m)を表す。
なお、上記ライン速度平均値(mpm)は、ラインが安定稼動の状態において、1〜2分間隔程度でサンプリングしたデータを3〜5分間程度での平均をとることにより求めることができる。また、上記ΔXSSで表される均熱帯(SS)ゾーン長は、鋼板が加熱される距離(加熱距離)をいう。
[判定ステップ(S3)]
ここでは、上記予測温度算出ステップ(S2)により算出された均熱帯(SS)の出側鋼板温度の予測値(TSSS)と、均熱帯(SS)の出側鋼板温度(℃)を計測する放射温度計3による実測値とを比較して、前記均熱帯(SS)の入側鋼板温度と出側鋼板温度とを計測する放射温度計2,3の良否判定を行う。
前記均熱帯(SS)の出側鋼板温度(℃)を計測する放射温度計3による実測値としては、例えば、ラインが安定稼動の状態において、所定時間間隔(1〜2分間隔程度)で計測した放射温度計3による実測値の所定時間内(3〜5分間程度)での平均の温度(℃)を用いることができる。
ここで、前記平均の温度(℃)を均熱帯(SS)の出側鋼板温度(mTSSS)とした場合、下記(イ)、(ロ)の判定基準により均熱帯(SS)の入側鋼板温度と出側鋼板温度とを計測する放射温度計2,3の評価を行うことができる。なお、以下の判定基準において、Aは、予め定められる判定閾値を意味する。
(イ)|mTSSS−TSSS|≦A
この場合、放射温度計2,3は正常であると判定する。
(ロ)|mTSSS−TSSS|>A
この場合、放射温度計2,3のどちらかが異常であると判定する。
上記判定において、(イ)の場合は、そのまま操業を続ける。(ロ)の場合は、放射温度計2,3のそれぞれを炉から取り外し、それぞれについて計測値が異常であるかどうかの診断を行い、異常が見つかった放射温度計を交換または修理を行う。
ここで、上記判定閾値Aの値は、上述の温度補正ステップ(S1)での温度補正の精度により決定される。
本発明の温度補正ステップ(S1)においては、均熱帯(SS)の炉内温度を計測する熱対4による温度計測値を、その後段側に隣接する徐冷帯(SCS)内の炉内温度により、上述の式(1)を用いて補正を行うようにしている。さらに、補正の精度を高めるために、本発明を適用する焼鈍炉毎に、且つ、その操業条件毎に、最も精度良く補正できるように、式(1)におけるaの値を決定するようにしている。この結果、本発明においては、均熱帯(SS)の炉内温度を正確に把握することができ、それに基づき放射温度計2,3の良否判定を行っているので、高精度に故障監視を行うことが可能となる。
図2に、本発明に係る放射温度計の故障監視方法が適用される連続焼鈍炉における装置構成の他の一例を示す。図2に示す連続焼鈍炉の構成は、図1に示す連続焼鈍炉の均熱帯(SS)を、上流側のゾーン(SS1)と下流側のゾーン(SS2)とに区分し、それぞれのゾーンに炉内の雰囲気温度(炉内温度)を計測する手段である熱対4a,4bを設置したものである。
このような構成の焼鈍炉の場合、均熱帯(SS)の上流側のゾーン(SS1)の炉内温度を計測する熱対4aでの計測値は、このゾーン(SS1)の下流側に隣接するゾーンが、炉内温度がほとんど変わらないゾーン(SS2)であるため、ゾーン(SS1)での正確な炉内温度を表示している。そのため、熱対4aでの計測値に関しては、補正を行う必要性は少ない。
これに対して、均熱帯(SS)の下流側のゾーン(SS2)の後段側には、炉内温度の低い徐冷帯(SCS)が隣接しているため、ゾーン(SS2)の炉内温度は徐冷帯(SCS)の影響を受けて低下する。この場合、図1で示した場合と同様に、熱対4bでの計測値は、ゾーン(SS2)の炉内温度(炉内の平均の温度)を正確に計測できていない。
そこで、図1で示した実施形態の場合と同様に、ゾーン(SS2)の炉内温度を計測する熱対4bでの計測値について補正を行う。これにより、ゾーン(SS2)の炉内温度を正確に把握することができ、それに基づき放射温度計2,3の良否判定を行うので、高精度に故障監視を行うことが可能となる。
なお、図2に示す装置構成においても、本発明に係る放射温度計の故障監視方法における各ステップ(S1,S2,S3)は、上述の図1で説明した実施形態の場合と同様に適用できる。
但し、本実施形態における適用に際しては、上式(1)を、以下の(4)式のように置き換え、上式(2),(3)を、以下の(5),(6),(7),(8)式のように置き換える必要がある。
mTGS2=mTGS20×(1−a)+mTGSCS×a ・・・(4)
ここで、mTGS2:補正後の均熱帯ゾーン(SS2)の炉内温度(℃)、mTGS20:熱対4bによる温度計測値(℃)の平均値を表す。
Figure 0005223198
ここで、TSS1:均熱帯ゾーン(SS1)の出側鋼板温度(℃)の予測値、mTSH0:均熱帯ゾーン(SS1)の入側鋼板温度、ΔXSS1:均熱帯ゾーン(SS1)のゾーン長(m)、TSS2:均熱帯ゾーン(SS2)の出側鋼板温度(℃)の予測値、ΔXSS2:均熱帯ゾーン(SS2)のゾーン長(m)を表す。
なお、その他の要件については、図1で示した実施形態の場合と同様に適用できる。
また、図2では、均熱帯(SS)を2つのゾーン(SS1,SS2)に区分した場合について示したが、3つ以上に区分した場合においても同様に適用できる。この場合も、炉内温度の計測値についての補正は、炉内温度の低い徐冷帯(SCS)に隣接する、最下流側の均熱帯ゾーンについてのみ行えば十分である。
以上の実施形態においては、本発明に係る放射温度計の故障監視方法を、均熱帯(SS)の入側の温度を計測する放射温度計1と出側の温度を計測する放射温度計2の故障監視を行う場合について説明したが、本発明はこの場合に限られるものではない。例えば、加熱帯(HS)や徐冷帯(SCS)が複数のゾーンに区分されている場合で、その特定のゾーンの入側鋼板温度或いは出側鋼板温度を放射温度計で計測している場合には、その放射温度計の故障監視に同様に適用することができる。
図2に示す構成の連続焼鈍炉を用いて、板厚0.5mm、板幅1200mmの鋼板を、均熱帯(SS)での目標板温780℃で連続的に通板している場合において、均熱帯(SS)の出側鋼板温度(℃)の予測精度を、本発明例と、従来技術の均熱帯(SS)の炉内温度計測値を補正しない場合について比較した結果を以下に示す。
本発明例においては、上述の図2に示す実施形態において、式(4)での定数aを0.2としたときが補正の精度が最も良かった。
式(4)により、均熱帯ゾーン(SS2)の炉内温度計測値の補正を行い、式(5)〜(8)により均熱帯ゾーン(SS2)の出側鋼板温度(℃)の予測を行った。
その結果、本発明例においては、正常に動作することが確認されている放射温度計での鋼板温度の実測値に対する鋼板温度の予測値の差が19.2℃であった。
それに対して、均熱帯(SS)の炉内温度計測値を補正しない従来技術に係る比較例の場合は、前記放射温度計での鋼板温度の実測値に対する鋼板温度の予測値の差が37.8℃であった。
このように、本発明例においては、鋼板温度の予測精度が比較例に比べて約50%程度向上した。
このように、本発明例においては、均熱帯ゾーン(SS2)の炉内温度を正確に把握することができ、それに基づき放射温度計2,3の良否判定を行うので、高精度に故障監視を行うことが可能となることがわかった。
本発明に係る放射温度計の故障監視方法が適用される連続焼鈍炉の装置構成の一例を示す図である。 本発明に係る放射温度計の故障監視方法が適用される連続焼鈍炉における装置構成の他の一例を示す図である。
符号の説明
1 鋼板
2,3 放射温度計
4,5 熱

Claims (2)

  1. 複数のゾーンに区分された焼鈍炉における均熱帯の特定ゾーンの入側鋼板温度と出側鋼板温度とを計測する放射温度計の故障監視を行う方法であって、
    前記特定ゾーン内の雰囲気温度を計測する手段による温度計測値を、前記特定ゾーンの後段側に隣接する徐冷帯内の雰囲気温度を計測する手段による温度計測値に基づいて、前記特定ゾーン内の雰囲気温度を計測する手段による温度計測値をmTG SS0 、前記徐冷帯内の雰囲気温度を計測する手段による温度計測値をmTG SCS 、補正後の特定ゾーンの炉内温度をmTG SS とした場合に下式(1)により補正を行う温度補正ステップと、
    該温度補正ステップにより補正された温度と、前記特定ゾーンの入側鋼板温度を計測する放射温度計による実測値とに基づいて、前記特定ゾーンの出側鋼板温度の予測値を算出する予測温度算出ステップと、
    該予測温度算出ステップにより算出された前記特定ゾーンの出側鋼板温度の予測値と、
    前記特定ゾーンの出側鋼板温度を計測する放射温度計による実測値とを比較して、前記特定ゾーンの入側鋼板温度と出側鋼板温度とを計測する放射温度計の良否判定を行う判定ステップとを有することを特徴とする放射温度計の故障監視方法。
    mTGSS=mTGSS0×(1−a)+mTGSCS×a ・・・(1)
    ここで、aは、0≦a≦1の定数を表す。
  2. 請求項に記載の放射温度計の故障監視方法において、
    前記予測温度算出ステップは、
    前記特定ゾーンの入側鋼板温度をmTSH0とした場合、前記特定ゾーンの出側鋼板温度の予測値TSSSは、下式(2)、(3)により求め、
    前記判定ステップは、
    予め定められる判定閾値Aを用いて、下記(イ)、(ロ)の判定基準により放射温度計の良否判定を行うことを特徴とする放射温度計の故障監視方法。
    Figure 0005223198
    ここで、φCG:均熱帯(SS)における総括熱吸収率(-)、σ:ステファン・ボルツマン定数(Kcal/m2K4×108)、Cp:鋼板の比熱(Kcal/Kg℃)、ρ:鋼板の比重(Kg/m3)、mLS:ライン速度平均値(mpm)、D:鋼板の板厚(mm)、ΔXSS:均熱帯(SS)のゾーン長(m)を表す。
    (イ)|mTSSS−TSSS|≦A
    この場合、前記特定ゾーンの入側鋼板温度、出側鋼板温度を計測する放射温度計の両方とも正常であると判定する。
    (ロ)|mTSSS−TSSS|>A
    この場合、前記特定ゾーンの入側鋼板温度、出側鋼板温度を計測する放射温度計のどちらかが異常であると判定する。
    ここで、mTSSS は、前記特定ゾーンの出側鋼板温度を計測する放射温度計による実測値を表す。
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