以下に複数のコンピュータの情報を監視する一実施形態の情報監視システムについて説明する。
図1は本実施形態の情報監視システムの構成例を示す図である。図1に示す様に本実施形態の情報監視システムでは、管理コンピュータ103、ストレージ管理コンピュータ105、業務コンピュータ106〜108がネットワーク104に接続されている。また、業務コンピュータ106〜108はSAN(Storage Area Network)等のストレージ専用のネットワーク109に接続されており、ストレージ110及び111もネットワーク109に接続されている。
システム管理用クライアント101は、管理コンピュータ103を通してストレージ管理コンピュータ105や業務コンピュータ106〜108の性能情報の取得やポリシーの設定等を行う。業務管理用クライアント102は、管理コンピュータ103を通して業務やサービスの制御や業務コンピュータ106〜108や業務アプリケーション(以下業務APと記す)の性能情報や容量情報の取得、ポリシーの設定等を行う。これらのクライアントは、管理者が画面から操作するGUI(Graphical User Interface)であったり、ITIL(Information Technology Infrastructure Library)やSOA(Service Oriented Architecture)等でサービスプロセスやビジネスプロセスを監視するGUIであっても良い。また、システム管理用クライアント101と業務管理用クライアント102は、クライアントコンピュータで動作するが、管理コンピュータ103で動作しても良い。
システム管理用クライアント101は、システム管理者により操作される。システム管理者とは、コンピュータやストレージやネットワークなどのITリソースの管理者のことであり、業務APを稼働させるために必要なオペレーティングシステム(以下、OSと記す)や業務APが前提及び/又は基盤とするソフトウェアプログラム(ITIL、SOA)などの維持管理を行う。業務管理用クライアント102は、業務管理者により操作される。業務管理者とは、業務APを維持管理する管理者であり、ITILやSOAなど前提及び/又は基盤ソフトウェアプログラム上で開発した及び/又は組合せた業務APを管理することもできる。
図2は本実施形態の情報監視システムの論理構成を示す図である。図2に示す様に本実施形態の管理コンピュータ103はマネージャ処理部201を有している。マネージャ処理部201は、性能情報の取得要求中の共通の性能項目名をストレージ管理コンピュータ105や業務コンピュータ106〜108の運用管理別性能項目名に変換してその変換した取得要求をストレージ管理コンピュータ105や業務コンピュータ106〜108へ通信装置により送信し、ストレージ管理コンピュータ105や業務コンピュータ106〜108から送信された性能情報中の運用管理別性能項目名及び単位を取得要求側の装置の共通の性能項目名及び単位に変換してシステム管理用クライアント101や業務管理用クライアント102へ通信装置により送信したり、ある項目の値が閾値条件を満たす場合に実行する処理を示すポリシー情報中の共通の性能項目名及び閾値をストレージ管理コンピュータ105や業務コンピュータ106〜108の運用管理別性能項目名及び単位に変換してその変換したポリシー情報をストレージ管理コンピュータ105や業務コンピュータ106〜108へ通信装置により送信し、前記閾値条件を満たすことを示す通知中の運用管理別性能項目名及び単位をシステム管理用クライアント101や業務管理用クライアント102の共通の性能項目名及び単位に変換してシステム管理用クライアント101や業務管理用クライアント102へ送信する処理部である。尚、取得要求された運用管理別性能項目名及び単位とストレージ管理コンピュータ105や業務コンピュータ106〜108の運用管理別性能項目名及び単位が同じ場合は、変換が必要でないため変換を行わず、取得要求された運用管理別性能項目名をストレージ管理コンピュータ105や業務コンピュータ106〜108へ通信装置により送信する。
管理コンピュータ103をマネージャ処理部201として機能させる為のプログラムは、CD−ROM等の記録媒体に記録され磁気ディスク等に格納された後、メモリにロードされて実行されるものとする。なお前記プログラムを記録する記録媒体はCD−ROM以外の他の記録媒体でも良い。また前記プログラムを当該記録媒体から情報処理装置にインストールして使用しても良いし、ネットワークを通じて当該記録媒体にアクセスして前記プログラムを使用するものとしても良い。
ストレージ管理コンピュータ105はストレージエージェント処理部220を有している。ストレージエージェント処理部220は、前記取得要求中の変換後の運用管理別性能項目名で示された項目についてストレージ管理コンピュータ105の性能情報を取得して通信装置により送信したり、前記ポリシー情報中の変換後の運用管理別性能項目名で示された項目についてストレージ管理コンピュータ105の値を取得し、その値が当該項目名に対応する閾値条件を満たす場合に当該閾値条件に対応する所定の処理を処理装置により実行する処理部である。
ストレージ管理コンピュータ105をストレージエージェント処理部220として機能させる為のプログラムは、CD−ROM等の記録媒体に記録され磁気ディスク等に格納された後、メモリにロードされて実行されるものとする。なお前記プログラムを記録する記録媒体はCD−ROM以外の他の記録媒体でも良い。また前記プログラムを当該記録媒体から情報処理装置にインストールして使用しても良いし、ネットワークを通じて当該記録媒体にアクセスして前記プログラムを使用するものとしても良い。
業務コンピュータ106はエージェント処理部230を有している。エージェント処理部230は、前記取得要求中の変換後の運用管理別性能項目名で示された項目について業務コンピュータ106の性能情報を取得して通信装置により送信したり、前記ポリシー情報中の変換後の運用管理別性能項目名で示された項目について業務コンピュータ106の値を取得し、その値が当該項目名に対応する閾値条件を満たす場合に当該閾値条件に対応する所定の処理を処理装置により実行する処理部である。
業務コンピュータ106をエージェント処理部230として機能させる為のプログラムは、CD−ROM等の記録媒体に記録され磁気ディスク等に格納された後、メモリにロードされて実行されるものとする。なお前記プログラムを記録する記録媒体はCD−ROM以外の他の記録媒体でも良い。また前記プログラムを当該記録媒体から情報処理装置にインストールして使用しても良いし、ネットワークを通じて当該記録媒体にアクセスして前記プログラムを使用するものとしても良い。
業務コンピュータ107はエージェント処理部234を有している。エージェント処理部234は、前記取得要求中の変換後の運用管理別性能項目名で示された項目について業務コンピュータ107の性能情報を取得して通信装置により送信したり、前記ポリシー情報中の変換後の運用管理別性能項目名で示された項目について業務コンピュータ107の値を取得し、その値が当該項目名に対応する閾値条件を満たす場合に当該閾値条件に対応する所定の処理を処理装置により実行する処理部である。
業務コンピュータ107をエージェント処理部234として機能させる為のプログラムは、CD−ROM等の記録媒体に記録され磁気ディスク等に格納された後、メモリにロードされて実行されるものとする。なお前記プログラムを記録する記録媒体はCD−ROM以外の他の記録媒体でも良い。また前記プログラムを当該記録媒体から情報処理装置にインストールして使用しても良いし、ネットワークを通じて当該記録媒体にアクセスして前記プログラムを使用するものとしても良い。
管理コンピュータ103は、マネージャ処理部201を持つ。マネージャ処理部201は更に、業務・サービス管理処理部202、構成管理処理部203、名称・単位設定処理部204、ポリシー実行処理部205、名称・単位変換処理部206、通信処理部207で構成される。更に管理コンピュータ103は、名称・単位情報210、構成情報211、ポリシー情報212、クライアント管理情報213を持つ。
業務コンピュータ106は、OS232、エージェント処理部230、業務AP231で構成され、他の業務コンピュータの構成も同様である。エージェント処理部230は、OSや業務APの性能情報や容量情報の収集、閾値監視等を行う。
ストレージ管理コンピュータ105は、ストレージエージェント処理部220、OS221で構成される。ストレージエージェント処理部220は、ストレージ110の性能情報の収集、容量情報の収集、閾値監視等を行う。ストレージ110には、論理ボリュームであるLVM1(240)、LVM2(241)が存在し、業務で利用するデータが格納される。また、収集する性能情報や容量情報は、ストレージ110に関して収集するとともに、論理ボリュームに関して収集することもできる。
ここで、図に示していないが、前記コンピュータやクライアントは、前記各処理部として機能させる為のプログラムや、業務AP、OS等のプログラムを実行するCPU、前記プログラムをロードしたり実行時のデータを一時的に格納するメモリ、それらのプログラムや前記情報を格納する磁気ディスク装置、操作指示やデータ等の入力を受け付ける入力装置、各種情報の出力等を行う出力装置、他のコンピュータやクライアント等との通信を行う通信装置等のハードウェア資源を備えているものとする。
また、構成管理処理部203は、仮想化されていても良い。仮想化されている場合、業務管理用クライアント102からは、業務APが稼働している業務コンピュータ106〜107を特定できない様に業務管理者に見せることもできる。
図3、図4、図5、図6は、構成情報211の詳細を示したものである。
図3は本実施形態のコンピュータ管理テーブルの一例を示す図である。図3では管理コンピュータ103が管理するコンピュータのIPアドレスを保持するコンピュータ管理テーブルを表している。この情報によって管理コンピュータ103が管理する業務コンピュータやストレージ管理コンピュータの場所を特定でき、通信を行うことができる。業務コンピュータやストレージ管理コンピュータは複数存在しても良いので、コンピュータを追加/削除する場合、またはコンピュータのIPアドレスが変更された場合、構成管理処理部203が自動的にコンピュータの追加/削除やIPアドレスの変更を検知して、コンピュータ管理テーブルの情報を登録/削除する。また、自動的に検知するだけではなく、システム管理者がコンピュータ管理テーブルの情報を変更しても良い。
図4は本実施形態の業務テーブルの一例を示す図である。図4の業務テーブルでは、業務の各アプリケーション(以下APと略す)やデータベース(以下DBと略す)がどの業務コンピュータで稼動しているかを示すテーブルを表している。
一つの業務が使用する業務コンピュータは、1台或いは複数台の場合がある。また、複数の業務で同じ業務コンピュータを共有する場合もある。図4では、業務1は業務コンピュータ1で稼働するAP1(405)、業務コンピュータ2で稼働するAP2(406)、業務コンピュータ3で稼働するAP3(407)、同じく業務コンピュータ3で稼働するDB1(408)で構成される。また、業務2は業務コンピュータ3で稼働するAP4、業務コンピュータ4で稼働するAP5、業務コンピュータ3で稼働するDB1で構成される。業務1と業務2では、業務コンピュータ3を共有して利用している。
図5は本実施形態の運用管理テーブルの一例を示す図である。図5では運用管理とその種別を管理するテーブルを表しており、このテーブルはメーカーの違いによる運用管理の種類及びDB(データベース)管理、OS管理等の監視対象の違いによる種別毎にIDを保持する。このIDはユニークな値であり、運用管理IDが定まれば運用管理名が唯一つ定まる。
例えば、図5のNo.1はDB1を管理するA社製の運用管理である。また、No.2はDB1を管理するB社製の運用管理である。No.1、No.2は共にDB1を管理する運用管理であり、運用管理種別504はどちらもDBであるが、運用管理ID502により、どちらの運用管理か(A社製なのかB社製なのか)を識別することができる。前記運用管理は、OSやDBや業務APやストレージの性能情報や容量情報を監視する為の運用管理プログラムのことであり、運用管理製品として販売されていたり、運用管理ツールとして公開されていたりする。
図6は本実施形態のコンピュータ運用管理テーブルの一例を示す図である。図6では、各業務コンピュータでどの運用管理が稼動しているかを示すテーブルを表している。
運用管理は同一のコンピュータ上に複数稼動している場合もある。例えば、図6のNo.1の場合、業務コンピュータ1では運用管理IDがOS1及びAP1である運用管理が稼働していることを示している。この図6は構成情報211に含まれる情報であり、構成管理処理部203が最新状態に維持することができる。複数存在することができる業務コンピュータ(図2の例では106〜107)の運用管理IDに関する情報をエージェント処理部(図2の例では230、234)が取得して、通信処理部207を経由し、構成管理処理部203が運用管理IDに関する情報を収集することにより、図6を含む構成情報211を最新状態に維持する。
図7、図8、図9は、名称・単位情報210の詳細を示している。
図7は本実施形態の性能項目テーブルの一例を示す図である。図7では、運用管理によらず共通して使用する性能項目名704を保持するテーブルを表している。
各性能項目名には性能項目ID702が付与されており、性能項目ID702が決まれば性能項目名704が唯一つ決まる。また、運用管理種別703により、どの運用管理の性能項目かを識別できる。例えば、No.1の性能項目IDがOS_CPU1である性能項目の場合、運用管理種別703はOSであるので、OS管理用の性能項目であることが判る。また、性能項目名704は「CPU利用率」であることが判る。運用管理によっては、同じ性能項目であっても、その名称は「CPU使用率」である場合や「CPU Utilization」である場合も考えられる。図7の共通の性能項目名を使用することで、運用管理の違いを意識せず統一的に扱うことができる。
図8は本実施形態の運用管理別情報テーブルの一例を示す図である。図8では、各運用管理製品固有の単位や性能項目名を保持するテーブルを表している。
運用管理ID801、性能項目ID802、単位803、運用管理別性能項目名804、性能計算式805で構成される。性能項目ID802と図7の性能項目ID702との対応付けを行うことにより、共通名に変換することができる。これにより、各運用製品の性能項目名の違いを吸収できる。また、運用管理製品に存在しない性能項目であるが、他の性能項目から算出できる様な性能項目の場合、性能計算式805に算出の為の計算式を保持し、必要に応じて計算を行う。例えば、性能計算式(813)の様に、OS_MEM5がOS_MEM3とOS_MEM4から算出できる場合等があり、1:1対応だけでなく、1:n対応による項目識別情報及び単位の変換が可能である。
図9は本実施形態の単位変換テーブルの一例を示す図である。図9では、単位変換時に使用する変換規則を保持するテーブルを表しており、このテーブルは、カテゴリ901、単位902、変換値903で構成される。
サイズを示すバイト系の単位904や、割合の単位905、秒や分等時間を表す時間の単位906等、カテゴリ901毎に分類され、各カテゴリ内の基準となる単位を一つ定め、単位毎に基準の単位に変換する為の倍率を変換値903として持つ。
図10は本実施形態の業務用閾値テーブルの一例を示す図である。図11は本実施形態のシステム管理用閾値テーブルの一例を示す図である。図10及び図11では、ポリシー情報212を表している。このポリシー情報212は、ポリシー実行処理部205が使用する情報であり、図10と図11では、性能項目IDで識別される項目の値がポリシー情報212として設定した閾値条件1003や閾値条件1102に合致する場合にそれぞれに対応する処理1004または処理1103を実行することを示している。
図10では、業務管理用クライアント102が設定したポリシー情報を保持するテーブルを表しており、この業務用閾値テーブルは、業務管理用クライアント102が設定したポリシー情報を識別する為の閾値ID1001、その業務管理用クライアント102の名称を示す業務管理用クライアント名1002、閾値が所定の条件を満たすかどうかを判定する為の論理式を示す閾値条件1003、閾値条件1003を満たす場合に実行する処理内容を示す処理1004、閾値条件1003を満たす場合に処理1004を実行するコンピュータを示す対象1005で構成される。
前記業務用閾値テーブルのポリシー情報は、対象1005に指定された業務コンピュータに対して有効になる。対象となる業務コンピュータが閾値条件1003を満たした場合、処理1004を実行し、業務管理用クライアント名1002に閾値超過を通知する。ここで、閾値ID1001の値がTH4の閾値条件1003の様に、閾値条件1003はAND条件やOR条件等を用いて複数の性能項目で構成しても良い。
図11では、システム管理用クライアント101が設定したポリシー情報を保持するテーブルを表しており、このシステム管理用閾値テーブルは、システム管理用クライアント101が設定したポリシー情報を識別する為の閾値ID1101、閾値が所定の条件を満たすかどうかを判定する為の論理式を示す閾値条件1102、閾値条件1102を満たす場合に実行する処理内容を示す処理1103、閾値条件1102を満たす場合に処理1103を実行するコンピュータを示す対象1104で構成される。
前記システム管理用閾値テーブルのポリシー情報は、対象1104に指定された業務コンピュータ106〜108やストレージ管理コンピュータ105等に対して有効になり、ALLが指定された場合には、管理コンピュータ103が管理する全てのコンピュータに対して有効になるものとする。対象1104に指定されたコンピュータが閾値条件1102を満たした場合、処理1103を実行し、システム管理用クライアント101に閾値超過を通知する。
図12は本実施形態のクライアント管理テーブルの一例を示す図である。図12ではクライアント管理情報213の詳細を表している。このテーブルでは、業務管理用クライアント毎及びシステム管理クライアント毎の管理コンピュータ103への接続状態を自動的に最新状態に維持する。接続状態がONのクライアントのみ、ポリシーで設定したイベントを受けることができる。
図13は本実施形態の変換処理の流れを示す図である。図13では、変換処理の概要を表している。
業務管理用クライアントabc1(1301)は、業務1を管理しており、メモリ使用量(OS_MEM1)をキロバイト単位(kByte)で、ディスク使用量(OS_DISK1)をキロバイト単位(kByte)で、データベース使用サイズ(DB_SIZE1)をキロバイト単位(kByte)で通知する様に要求している(1)。また、業務管理用クライアントdef1(1302)は、業務1及び業務2を管理しており、メモリ使用量(OS_MEM1)をメガバイト単位(MByte)で、データベース使用サイズ(DB_SIZE1)をギガバイト単位(GByte)で要求している(2)。業務管理用クライアントabc2(1303)は業務2の管理を行うが、現在は管理コンピュータ103に接続されていない。
図4の業務テーブルより、業務1はAP1、AP2、AP3の業務アプリケーションで構成されており、それぞれ業務コンピュータ1、業務コンピュータ2、業務コンピュータ3で稼動している。また、業務2はAP4、AP5の業務アプリケーションで構成されており、それぞれ業務コンピュータ3、業務コンピュータ4で稼動している。更に業務コンピュータ3では、業務1及び業務2で共通して使用するDB1が稼動している。
次に、業務管理用クライアントから性能情報の取得を行った場合の性能項目名及び単位の変換について説明する。業務管理用クライアントabc1の要求(1)は、図7の性能項目テーブルにある様な共通の性能項目名(性能項目ID)が使用される。初めに、名称変換処理部により、業務1で使用されている各業務コンピュータの運用管理エージェントに合わせた名称に変換する。また、単位変換処理部により、各業務コンピュータの運用管理エージェントに合わせた単位に変換する為に、業務管理用クライアントabc1の単位をメモリに格納しておく。
図6のコンピュータ運用管理テーブルによると、業務コンピュータ1及び業務コンピュータ2ではOS1のエージェントが稼動しているため、図8の運用管理別情報テーブルにおいて運用管理IDがOS1である項目名に変換される。ここでは、メモリ使用量(OS_MEM1)は「メモリ利用量」、ディスク使用量(OS_DISK1)は「ディスク使用量」に変換される(1−1−1)。業務コンピュータ2に対しても同様である(1−1−2)。業務コンピュータ3の場合、OS2のエージェントが稼動しているため、図8の運用管理別情報テーブルにおいて運用管理IDがOS2である項目名に変換される。ここでは、メモリ使用量(OS_MEM1)は「Memory Usage」、ディスク使用量(OS_DISK1)は「Disk Usage」に変換される(1−1−3)。更に、業務コンピュータ3ではDB1が稼動しているため、DB使用サイズ(DB_SIZE1)も要求する。図8により、性能項目名は「DB使用サイズ」に変換され、業務コンピュータ3に要求が行われる。
次にエージェントから送信される性能情報を、クライアントに通知する際の性能項目名及び単位の変換について説明する。性能情報要求時とは反対に、各運用管理の項目名及び単位を、共通の項目名(項目ID)及びクライアント指定の単位に変換する。例えば、1−1−1の要求の結果は、メモリ利用量及びディスク使用量が返されるが、それぞれ単位はByte、kByteである。図8及び業務コンピュータ1はOS1であることから、メモリ利用量及びディスク使用量の性能項目IDは、それぞれOS_MEM1、OS_DISK1であることが判る。更に図7及び取得した性能項目IDにより、それぞれ共通の性能項目名である、「メモリ使用量」、「ディスク使用量」に変換できる。また、それぞれの単位をクライアント指定のkByteに変換し、変換後のデータをクライアントに渡す。
以上の手順でマネージャ処理部は一つ以上のクライアントからの要求に応じて、クライアントが要求した名称、単位の性能情報が取得可能となる。つまり、業務管理用クライアントを操作する業務管理者が要求した名称や単位に対して、運用管理が持っている名称や単位を仮想化できる。
図14は本実施形態のメイン処理の処理手順を示すフローチャートである。図14に示す様に本実施形態の管理コンピュータ103のマネージャ処理部201は、初めにメモリ上の終了フラグに0を格納して初期化し(1401)、構成管理処理部203の起動(1402)、ポリシー実行処理部205の起動(1403)、名称・単位設定処理部204の起動(1404)、名称・単位変換処理部206の起動(1405)、通信処理部207の起動(1406)を行う。
次にステップ1407で終了フラグの内容を調べ、終了フラグが0の間、次の要求処理を繰り返す。まず、要求処理の前に、ストレージ管理コンピュータ105及び業務コンピュータ106〜108の各エージェント処理部から通信装置により構成情報を取得する(1413)。その取得した構成情報と前回の構成情報とを比較して構成の変更があった場合(1414)、コンピュータ管理テーブル(図3)及び業務テーブル(図4)を更新する。
次に、システム管理用クライアント101、業務管理用クライアント102、ストレージ管理コンピュータ105及び業務コンピュータ106〜108から通信装置により要求の入力を受付け(1416)要求に応じた処理を行う。
前記受付けた要求がシステム管理用クライアント101または業務管理用クライアント102からのクライアント接続要求の場合(1417)、クライアント要求処理(1418)を行い、ポリシー情報設定要求の場合(1419)、ポリシー情報設定処理を行い(1420)、名称・単位設定要求の場合(1421)、名称・単位設定処理を行い(1422)、監視要求の場合(1423)、監視処理を行う(1424)。
また、前記受付けた要求がストレージ管理コンピュータ105または業務コンピュータ106〜108からのイベント受信要求の場合(1425)、イベント受信処理を行う(1426)。そして、前記受付けた要求が終了要求の場合(1427)、メモリ上の終了フラグに1を格納する(1428)。
ステップ1407で終了フラグの内容を調べた結果、終了フラグが1である場合には、以下の終了処理を行う。すなわち、通信処理部207を停止し(1408)、名称・単位変換処理部206を停止し(1409)、名称・単位設定処理部204を停止し(1410)、ポリシー実行処理部205を停止し(1411)、構成管理処理部203を停止する(1412)。
図15は本実施形態のクライアント要求処理の処理手順を示すフローチャートである。図15では、図14のステップ1418のクライアント要求処理の詳細を表している。
ステップ1501で管理コンピュータ103の構成管理処理部203は、システム管理用クライアント101または業務管理用クライアント102から通信装置により受信したクライアント要求の内容を調べ、そのクライアント要求がクライアント接続要求の場合には、そのクライアント要求の中からクライアント名を入力して受付け(1502)、その入力したクライアント名がクライアント管理テーブル(図12)に存在するかどうかを調べる(1503)。クライアント名がクライアント管理テーブル(図12)中に存在しない場合、入力されたクライアント名をクライアント管理テーブル(図12)に追加し(1504)、クライアントの状態をONにする(1505)。クライアント名がクライアント管理テーブル(図12)中に存在する場合、クライアント管理テーブル(図12)の入力クライアント名の状態をONにする(1505)。
一方、ステップ1501でクライアント要求の内容を調べた結果、そのクライアント要求がクライアント切断要求の場合には、そのクライアント要求の中からクライアント名を入力して受付け(1507)、クライアント管理テーブル(図12)の入力されたクライアント名の状態をOFFにする(1508)。
また、ステップ1501でクライアント要求の内容を調べた結果、そのクライアント要求がクライアント削除要求の場合には、そのクライアント要求の中からクライアント名を入力して受付け(1510)、クライアント管理テーブルの入力されたクライアント名の行を削除する(1511)。
図16は本実施形態のポリシー情報設定処理の処理手順を示すフローチャートである。図16では、図14のステップ1420のポリシー情報設定処理の詳細を表している。
初めに、管理コンピュータ103のポリシー実行処理部205は、ポリシーの設定要求を出したクライアントが業務管理用クライアント102かどうかを調べる(1601)。この処理では、例えば、ポリシーの設定要求を出したクライアントの名称を調べ、クライアント名中に「システム管理用クライアント」の文字列が含まれていればそのクライアントはシステム管理用クライアント101であり、前記文字列が含まれていなければそのクライアントは業務管理用クライアント102であると判定する。
ポリシーの設定要求を出したクライアントが業務管理用クライアント102である場合、業務用閾値テーブル(図10)を更新し(1602)、業務テーブルから業務コンピュータ名のリストLを取得する(1604)。また、ポリシーの設定要求を出したクライアントが業務管理用クライアント102ではない場合、システム管理用閾値テーブル(図11)を更新し(1603)、閾値設定対象のコンピュータ名のリストLを取得する(1605)。
次に、メモリ上の変数Iに0を格納して初期化し(1606)、運用管理別情報テーブルからポリシー情報中の性能項目IDに一致する性能項目ID802を検索し、該当する行の運用管理ID801を取得してメモリ上の変数MIDに格納する(1607)。
そして、コンピュータリストLの要素数だけ次の処理を実行する。すなわち、コンピュータ運用管理テーブルの業務コンピュータL[I]に対応する運用管理IDにMIDと一致するものが存在するかを調べ(1608)、存在する場合には、性能項目名変換処理1(1609)及び単位変換処理1(1610)を実行する。これにより、共通の項目名(項目ID)を業務コンピュータL[I]の項目名に変換し、単位も業務コンピュータL[I]固有の単位に変換できる。そして、変換後のデータを用いて業務コンピュータL[I]に閾値情報を送信する(1611)。その後、変数Iに1を加え、次のL[I]に対しても同様の処理を行う(1608〜1613)。
図17は本実施形態の名称・単位設定処理の処理手順を示すフローチャートである。図17では、図14のステップ1422の名称・単位設定処理の詳細を表している。新たに運用管理が追加された場合等に実行する。
初めに、管理コンピュータ103の名称・単位設定処理部204は、運用管理IDを生成し、MIDに格納する(1701)。次に、性能項目IDのリスト、性能項目名のリスト、その性能項目名に対する単位のリスト、性能計算式のリストの入力を受付け、それぞれリストL、M、N、Oに格納する(1702〜1705)。性能項目の数だけ、運用管理情報テーブル(図8)に(MID、L[I]、M[I]、N[I]、O[I])を追加する(1706〜1709)。
図18は本実施形態の監視処理の処理手順を示すフローチャートである。図18では、図14のステップ1424の監視処理の詳細を表している。
管理コンピュータ103のマネージャ処理部201は、クライアントから性能情報取得要求があった場合(1801)、クライアント名の入力を受付け(1802)、性能項目名のリスト及びその性能項目名に対する単位のリストの入力を受付け、リストL、Mに格納する(1803、1804)。リストLに対して性能項目名変換処理1(1804)を行い、変換結果をリストNに格納する(1805)。次に、エージェントから性能項目リストNの全ての性能情報を取得し(1806)、取得した性能情報の単位を変換する(1807)。変換後の性能情報はリストOに格納し、項目名L及び性能情報Oの組み合わせを返す(1809)。
図19は本実施形態のイベント受信処理の処理手順を示すフローチャートである。図19では、図14のステップ1426のイベント受信処理の詳細を表している。
管理コンピュータ103のマネージャ処理部201は、エージェントから閾値超過通知があった場合(1901)、閾値超過通知の情報として付随する性能情報に関する項目名を共通の項目名に変換する(1902)。また、閾値超過通知に付随する閾値IDを変数Tに格納する(1903)。Tが業務用閾値の場合(1904)、業務用閾値テーブル(図10)から、閾値ID1001とTが一致する行の業務管理用クライアント名1002を取得し、変数CLIENTに格納する(1905)。クライアントテーブル(図12)において、クライアント名1202とCLIENTが一致する行の状態1203がONの場合(1906)、閾値超過通知に付随する性能情報の単位をCLIENTが指定した単位に変換し(1907)、変換した後の閾値超過通知をCLIENTに送信する(1908)。OFFの場合、CLIENTには通知しない。
一方、ステップ1904において、Tがシステム管理用閾値の場合、閾値超過通知に付随する性能情報の単位をシステム管理用クライアント指定の単位に変換し(1909)、システム管理用クライアントに対して変換した性能情報を含む閾値超過通知を送信する(1910)。
図20は本実施形態のエージェント処理の処理手順を示すフローチャートである。図20では、エージェント処理の詳細を表している。
ストレージ管理コンピュータ105のストレージエージェント処理部220や業務コンピュータ106〜108の各エージェント処理部は、構成情報取得要求を受信した場合(2001)、管理コンピュータ103に現在の構成情報を通知する(2002)。
また性能情報取得要求を受信した場合(2003)、管理コンピュータ103に性能情報を通知する(2004)。ステップ2005で変数Iに0を設定した後のステップ2006〜2011は閾値のチェックを行う処理であり、業務用閾値テーブル(図10)及びシステム管理用閾値テーブル(図11)の全ての閾値条件のチェックを行い(2006及び2007〜2010及び2011の繰り返し処理)、閾値条件を満たして場合には管理コンピュータ103に閾値条件を満たすことを通知し(2008)、メール通知やAP停止等、図10及び図11の閾値テーブルに指定された処理を行う(2009)。そして、終了要求を受け付けた場合(2012)、エージェント処理を終了する。
図21は本実施形態の性能項目名変換処理1の処理手順を示すフローチャートである。図21に示す様に性能項目名変換処理1では、共通の項目名(項目ID)を各運用管理の項目名に変換する処理を行う。
初めに、管理コンピュータ103の名称・単位変換処理部206は、共通の性能項目名(項目ID)のリストを入力として受け取り、リストLに格納する(2101)。次に、運用管理IDを受け取り、MIDに格納する(2102)。変数Iに0を設定し(2103)、リストLの全ての項目名に対して、共通の項目名(項目ID)から運用管理管理別性能項目名に変換する。その為に、性能項目テーブル(図7)で性能項目名704とL[I]が一致する行を検索し、性能項目ID702を取得してPIDに格納する(2104)。ここで、ステップ2101で受け取ったものが性能項目IDである場合、すなわち、性能項目テーブル(図7)で性能項目ID702とL[I]が一致する場合、その項目IDをPIDに格納するものとしても良い。
次に運用管理別情報テーブル(図8)の運用管理ID801とMIDが一致し、更に性能項目ID802とPIDが一致する行を検索し、運用管理別性能項目名804を取得してN[I]に格納する(2105)。そして、リストLの全ての項目名(項目ID)に対して2104〜2107を行う。最後に変換後の項目名のリストNを返す(2108)。
図22は本実施形態の性能項目名変換処理2の処理手順を示すフローチャートである。図22に示す様に性能項目名変換処理2では、各運用管理の項目名を共通の項目名(項目ID)に変換する処理を行う。
初めに、管理コンピュータ103の名称・単位変換処理部206は、運用管理管理別性能項目名のリストを入力として受け取り、リストLに格納する(2201)。次に、運用管理IDを受け取り、MIDに格納する(2202)。変数Iに0を設定し(2203)、リストLの全ての項目名に対して、運用管理管理別性能項目名804から共通の項目名(項目ID)に変換する。その為に、運用管理別情報テーブル(図8)で運用管理ID801がMIDに一致し、且つ運用管理別性能項目名804がL[I]と一致する行を検索し、性能項目ID802を取得してPIDに格納する(2204)。次に性能項目テーブル(図7)で性能項目ID702とPIDが一致する行を検索し、共通の性能項目名704を取得してN[I]に格納する(2205)。そして、リストLの全ての項目名に対して2204〜2207を行う。最後に変換後の項目名のリストNを返す(2208)。ここで、共通の項目名を返す代わりに共通の項目ID、すなわち前記取得した性能項目ID802を返す様にしても良い。
図23は本実施形態の単位変換処理1の処理手順を示すフローチャートである。図23に示す様に単位変換処理1では、各クライアントの単位を各運用管理の単位に変換する処理を行う。
初めに、管理コンピュータ103の名称・単位変換処理部206は、性能情報のリストを受け取り、リストPに格納する(2301)。次に管理者指定の単位及び性能情報の単位を受け取り、それぞれU、Vに格納する(2302、2303)。UとVの単位が一致した場合(2304)、そのまま性能情報を返す(2312)。不一致の場合、単位変換テーブル(図9)からU及びVの変換値を取得し、それぞれX、Yに格納する(2305、2306)。変数Iに0を設定し(2307)、全ての性能情報P[I]に対して計算「P[I]×Y÷X」を行い、結果をQ[I]に格納する(2308〜2310)。最後に変換後の性能情報のリストQを返す(2311)。
ここで、前記管理者指定の単位とは、予め管理者によって指定されている各クライアントの単位を指すものとし、各クライアントからの性能情報の要求時や起動時にそのクライアントから管理コンピュータ103に送信され、管理コンピュータ103のメモリ等に格納されているものとする。
図24は本実施形態の単位変換処理2の処理手順を示すフローチャートである。図24に示す様に単位変換処理2では、各運用管理の単位を各クライアントの単位に変換する処理を行う。
初めに、管理コンピュータ103の名称・単位変換処理部206は、性能情報のリストを受け取り、リストPに格納する(2401)。ここでは、ポリシーの閾値に設定した条件式に複数の性能項目が含まれていることを考慮し、性能情報をリストとして受け取っている。次に管理者指定の単位及び受け取った性能情報の単位のリスト受け取り、それぞれU、Vに格納する(2402、2403)。性能情報リストPの要素全てに対して単位の変換を行う。はじめにIに0を代入する(2404)。U[I]とV[I]が一致した場合(2405)、P[I]をそのままQ[I]に格納する(2409)。不一致の場合、単位変換テーブル(図9)からU[I]及びV[I]の変換値を取得し、それぞれX、Yに格納する(2406、2407)。計算「P[I]×Y÷X」を行い、結果をQ[I]に格納する(2408)。Iに1を加え(2410)、P[I]が存在する場合(2411)はステップ2405の処理に戻る。P[I]が存在しない場合、単位変換後の性能情報のリストQを返す(2412)。
以上説明した様に本実施形態の情報監視システムによれば、複数のコンピュータの情報を監視する際に装置間でやり取りされる性能情報の取得要求、性能情報或いはポリシー情報中の項目識別情報や単位を送信先の装置の項目識別情報や単位に変換して送信するので、ネットワーク上に異なる運用管理が複数存在する様な環境において、運用管理固有の性能情報の項目識別情報や単位を意識することなく、一元的に管理を行うことが可能である。
図25は、業務管理者が利用する業務管理用クライアント102の画面の一例である。この画面では、業務管理者が業務名2502、種別2503、性能項目名2504、単位2505を指定して情報取得ボタン2506を押すことにより、業務で利用している業務コンピュータやDB等の性能情報を管理コンピュータ103に対して要求することができる。業務管理者は、業務が稼働している業務コンピュータやDB等の構成を意識する必要は無く、業務の指定により性能情報を取得できる。