JP5222293B2 - 通気口被覆及びそのような通気口被覆を備える容器 - Google Patents

Description

本発明は、吐出口と、該吐出口の周囲に沿う頸部と、該吐出口を被覆する本体板を備えた通気口被覆とを備えた圧力解放容器であって、該本体板は通気口を有し且つ該頸部の外側表面上の対応する締付け手段と協働するための締付け手段を備えられた内側周囲表面を有するフランジを該本体板周囲に沿って配置しており、該通気口は気体透過性フィルタで覆われている容器に関する。

そのような容器は、典型的に、発熱分解しやすい組成物のために使用されうる。時間がたつと容器内で危険な過剰圧力を生じうる気体の放出を伴うこの遅い分解のために、そのような組成物は、密閉された容器に入れておけない。このような物質としては、過酸化物組成物があり、それはいわゆる減感剤（典型的には炭化水素溶媒）中に、又は水性溶液、エマルジョン若しくは懸濁物中に任意的に溶解される。そのような過酸化物質の典型例は、過酸化水素又は無機過酸化物、例えばモノペロオキシ硫酸の水性溶液又は液体有機過酸化物である。これら全ての過酸化物は、わずかな量の気体、例えば酸素を不変に発生する。そのような生成物の密閉状態での危険な過剰圧力を避けるために、これらの容器は、気体透過性があり、且つ液体に対しては漏れない多孔性のフィルタを備えている。フィルタを通過すると、気体は、閉塞キャップにおける1以上の穴から放出される。

米国特許第４８５３０１３号明細書は、危険な物質、例えば液体有機過酸化物を容れる容器のための、フィルタ構造を有する通気口被覆を開示する。それは、キャップ及びフィルタ構造を含む。通常の運用では、容器の中で液体から蒸発した気体は、フィルタ構造の全体を通過し、そして通気手段を通じて逃れる。該フィルタ構造は、気体に対する透過性があり且つ液体に対する不浸透性がある２つのフィルタを含む。そのような通気システムは、かなり複雑な構造を有しており、それ故に製作費が高い。

豪州特許第９３４１２５９号明細書は、多孔性発泡ポリエチレンの層と密接に接触する多孔性ＰＴＦＥの膜によって塞がれた小穴を有するキャップの形の、例えば有機過酸化物の貯蔵及び輸送のための圧力通気口を開示する。

ねじ型キャップ通気口被覆におけるＰＴＦＥフィルタは、欧州特許出願公開第０７５９４０１Ａ号公報において開示されている。

本発明の目的は、簡単な構成の通気システムであって、過酸化物組成物又は発熱分解しやすい他の物質を貯蔵するために特に適するシステムを提供することである。

本発明の目的は、本明細書の最初の節に記載された容器であって、気体透過性フィルタが頸部及びフランジの各締付け手段の間に固定されたシートであることによって特徴付けられる容器によって達成される。これにより、容易に組み立てられ、且つ非常に効率的で低コストな通気構成が得られる。

該シートは、例えば、可塑性物質、例えば低密度又は高密度ポリエチレン（LDPE，HDPE）、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等の箔でありうる。該シートの厚さは、例えば約５マイクロメータと約０．５ｍｍとの間、例えば約１０マイクロメータと約０．１ｍｍとの間でありうる。

シートを気体に対して透過性に製作するために、該シートは、例えば穴開きでありうる。穴の細孔の内径は、例えば約１０マイクロメータと約２ｍｍとの間、例えば約０．１ｍｍと約１．５ｍｍとの間でありうる。

内容物の流出を防ぐために、透過性シートは、例えば２層以上の穴開きシートによって作りうる。好ましくは、これらは、１の層の穴が他の層の穴に対して一致しないように設けられる。

通気口被覆は、例えばネジ付きキャップでもよい。この目的のために、前述した締付け手段は、吐出口の頸部の外側面上の外側ねじ山と上記通気口被覆のフランジ上の対応する内側ねじ山とによって形成されうる。他の締付け手段、例えばスナップ結合又はクランプ結合がまた、使用できる。

任意的に、通気口被覆における通気口は、ポップオフキャップを備えてもよい。この目的のために、該通気口は、ポップオフキャップの周囲フランジの内側に密着する頸部によって囲まれており、頸部及びフランジの相互に向き合う側面は、解放可能なスナップ結合を形成するような輪郭を備える。

この輪郭は、スナップ結合技術の分野において一般に用いられる相互に協働するビーズ及び凹所を含みうる。これは、適切な柔軟性を有する材質を選択し、そしてビーズ及び凹所の寸法を最適化することによって、ある所定の過剰圧力、例えば０．１〜０．５バール又はそれより高い範囲の圧力で抜けるようになっているスナップ結合の寸法入れを許す。

通気口被覆は、例えば１０〜３０ｃｍ、例えば約１５ｃｍの直径を有しうる。ポップオフキャップは、例えば５ｃｍ〜１２ｃｍ、例えば約７ｃｍの直径を有しうる。しかしながら、通気口被覆及び／又はポップオフキャップ（もし存在するならば）の寸法として、もし要求されるならば、これ以外の寸法も使用してよい。

本発明に従う容器の通気口被覆を部分断面図で示す。 図１の容器の側面図を示す。

本発明の容器は、減感剤又は水性溶液、エマルジョン若しくは懸濁物中に任意的に溶解された発熱分解しやすい組成物、特に過酸化物組成物の貯蔵及び／又は輸送のために、特に適している。一般的に、そのような容器は、６００〜１４００リットル、例えば約１０００リットルの容積を持ちうる。しかしながら、もし要求されるならば、容積はもっと多くても又は少なくてもよい。

本発明の通気口被覆は、技術的に知られた任意の型の容器上に取り付けることができる。容器はまた、様々なタイプの材質から製作されることができ、例えば金属容器、木製容器及び複合材又はプラスチック容器である。

本発明の１つの実施態様では、通気口被覆は、蓋によって密閉するための特別のばね装填した締付け用ひもを備えられた容器にあわせて取り付けられる。締付け用ひもは、容器内の大気圧を超えるある圧力水準で、蓋を解放する。このような容器は、一般に、発熱分解しやすい化合物又は組成物の輸送及び／又は貯蔵のために使用される。本発明は、過酸化物の耐漏洩輸送及び／又は貯蔵を可能にし、且つ容器のひび割れ又は破砕を防止する利点を有する。本実施態様の例が、国際公開第９５／２６９１１号に開示されている。

他の実施態様において、上記通気口被覆は、容器がそのような液体で充填されているときに容器内の液面レベルより上方に配置された少なくとも１の破裂領域を備えた容器にあわせて取り付けられる。破裂領域は、容器の内部で過度に圧力が増すと容器の上部及び底部を含む壁が破裂する前に、上記破裂領域が最初に破裂するような、容器の相対的に弱い部分として定義される。破裂領域は、その破裂領域の周囲の材質よりも弱い材質で作ることができ、又は、それは同じ材質であるが、周囲の材質よりも相対的に弱くされていることもできる。１の実施態様では、破裂領域はその周囲よりも薄く作られる。破裂領域は、容器に収容された又は収容されるべき液体の液面より上方に設けられる限り、任意の形状及び大きさを取りうる。１の実施態様として、破裂領域は、最上面そのものであり、それは底面及び側面の壁よりも少なくともは部分的により薄く作られる。

１の実施態様では、容器は、可塑性の内側容器の最上部に通気口被覆を備えており、該容器はパレット上に置かれ且つ金属枠によって囲まれている。可塑性の内側容器の構造は、容器の最上面の少なくとも一部が底面及び側面の壁よりも薄いという構造である。可塑性の内側容器の底面及び側面の壁は、金属枠及びパレットの大きさに合わせた底面構造によって安全にされおり、一方、最上面は、金属枠によって安全性がより劣るようにされている。容器内の大気圧を超えるあるレベルで、通気口被覆が最初に開かれる。もし圧力がさらに上昇すれば、容器のより弱い最上部の構造が、制御された仕方で裂開するだろう。このような仕方で、十分な通気口が、全ての気体状の分解生成物を逃すように作られ、そして複合材容器の破砕又は爆発的破裂は生じないであろうから、容器内に液体組成物を残しておくことを許す。この実施態様において、これら複合材容器は、原理的に液体有機過酸化組成物の数種類のクラス、及び好ましくはないが本特許出願で述べられた他の物質の輸送に適しているだろう。

通気口被覆に関係なく、上述したような少なくとも１の破裂領域を備える容器の使用もまた意図される。１の実施態様として、本発明は、発熱分解しやすい液体組成物を入れる容器であって、上記液体組成物の液面より上方に少なくとも１の破裂領域を備えた容器に関する。該容器はそのような容器に関する技術分野で知られた任意の材質で製作されうる。好ましくは、該容器は、重合体物質、例えばポリエチレン、例えば高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）、ポリプロピレン及び塩化ポリビニルで製作される。重合体物質はさらに、電気を通し、及び容器上の又はその近傍の何らかの静電エネルギーを低減できる添加剤を含んでもよい。

好ましい実施態様では、破裂領域は、容器に使用されるのと同じ材質で作られている。これら破裂領域は、好ましくは容器の壁の材質よりも薄い。

これらの容器は、上述した通気口被覆を含む技術分野で知られた任意の通気口被覆を備えてもよい。本発明はまた、通気口被覆がないことを可能にする。

破裂領域は、より安全で且つ発熱分解しやすい液体組成物、例えば液体過酸化物組成物の貯蔵及び／又は輸送のために通常は使用されない材質、例えばプラスチックで製作されうる容器を提供する。

本発明は、図面によって更に説明される。

図1は、外側ねじ山４備えられた周辺頸部３を有する吐出口２を備えた容器１の部分を示す。通気口被覆５は、吐出口２を被覆する本体板６を含む。通気口被覆５の本体板６は、ポップオフキャップ８によって覆われる通気口７を有する。本体板６の周囲に沿って、通気口被覆５は、吐出口頸部３の外側ねじ山４と協働する内側ねじ山１０を備えたフランジ９を有する。穴開き可塑性箔物質の気体透過性シートフィルタ１１は、吐出口２を被覆し、及びねじ結合３、４間と、吐出口頸部３と通気口被覆フランジ９との間とで固定される。

ポップオフキャップ８は、通気口７を取り巻く頸部１４に被せられた周囲キャップフランジ１３を有するキャップ本体１２を備えている。頸部１４は、その外側に隆起又はビーズ１５を備えている。キャップフランジ１３の内側は、再解放可能なスナップ結合を形成するために頸部の隆起１５を通過して留める隆起又はビーズ１６を備えている。隆起１５、１６の寸法及び選択された物質の弾性特性は、キャップ８がある予め定められた過剰圧力でポップオフするように選択される。

図２Ａは、容器１の側面図であり、それは、図２Ｂに示されるように鉄格子構造の支持かご１８を備えたパレット１７上に載せられうる。容器１は、その下方側に排出口１９を有する。図１で示される吐出口被覆５は、容器１の最上部にある。容器１は、約１０００リットルの容積を持ちうる。

Claims (6)

1. 吐出口と、前記吐出口の周囲に沿う頸部と、前記吐出口を被覆する本体板を備えた通気口被覆とを備えた容器において、前記本体板は通気口を有し且つ前記頸部の外側面上の対応する締付け手段と協働するための締付け手段を備えられた内側周囲表面を有するフランジを前記本体板周囲に沿って配置しており、前記通気口は気体透過性フィルタで覆われている容器であって、前記気体透過性フィルタは前記頸部の前記締付け手段と前記フランジとの間に固定されたシートであり、前記通気口被覆内の前記通気口が、ポップオフキャップ（pop-off cap）を備えていることを特徴とする前記容器。
2. 前記シートは可塑性物質の穴のあいた箔であることを特徴とする請求項１に記載の容器。
3. 前記締付け手段は、前記吐出口頸部の前記外側面上の外側ねじ山及び前記通気口被覆フランジ上の対応する内側ねじ山によって形成されることを特徴とする請求項１又は２に記載の容器。
4. 前記透過性シートは、２枚以上の穴の開いたシート層で造られ、及び前記シート層の前記穴は相互に重なる位置にないことを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載の容器。
5. 前記容器に収容された又は収容されるべき液体組成物の液面より上方に設けられた少なくとも１つの破裂領域を更に備える請求項１〜４のいずれか１項に記載の容器。
6. 発熱分解しやすい組成物、例えば減感剤又は水性溶液、エマルジョン若しくは懸濁物中に任意的に溶解された過酸化物組成物の貯蔵及び／又は輸送のために請求項１〜５のいずれか１項に記載の容器を使用する方法。

Images