JP5221021B2 - 特異点の無い運動量経路を決定する方法及び装置 - Google Patents

特異点の無い運動量経路を決定する方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は宇宙船制御の分野に関し、特に、特異点の無い運動量経路(singularity free momentum path)を決定するための方法及び装置に関する。
宇宙船の姿勢を制御するために、種々の回転慣性部材を使用することができる。1つのそのような慣性部材は制御モーメントジャイロスコープ(CMG;control moment gyroscope)である。CMGは典型的にはジンバル組立体(gimbal assembly;水平に保つ装置)に装着された固定又は可変のスピン率を備えたはずみ車を有する。CMGのスピン軸はジンバル組立体を使用してCMGを移動させることにより傾斜させることができる。この運動はスピン軸及びジンバル軸に垂直なジャイロスコープトルクを生じさせる。
[0003]宇宙船の完全姿勢制御を達成するため、最少で3個のCMGを含むCMGのアレイ即ち列は、CMG列内の各CMGが独立の直線軸のまわりでトルクを与えるように、配置することができる。典型的には、付加的なCMGは余剰の目的のために及び特異点の回避を補助するために設けられる。要求されるトルクの1又はそれ以上の成分を提供できないようにCMGのベクトルが並んだ場合に、特異点(singularity)が発生する。
[0004]特異点を回避するためにいくつかの異なる技術が開発されてきた。1つの方法においては、ジャコビアン(Jacobian)Aは、次の三次元列トルクとしてのCMGジンバル率を作図することに最初に留意されたい。即ち、Aω=τ・・・(1)
ここで、Aはジャコビアン・マトリックス、ωはn個のジンバルのためのジンバル率のn×1列、τは宇宙船に与えるべきトルク成分の3×1列である。
上述の式から、既知のトルク要求を用いて、各CMGのための個々のジンバルであるτを計算することができる。ジャコビアン・マトリックスを変換するために既知のモーア・ペンローズ(Moore-Penrose)擬似逆関数を用いると、一組の可能なジンバル率は次のようになる。即ち、ω=A(AA−1τ・・・(2)
[0005]上述のように、CMGの使用における個性は、特異点状態が達成されるような方法でCMGの運動量ベクトルが並んでしまうことのある可能性である。
数学的には、AAの固有値(eigenvalues)がゼロに近づくときに、特異点が発生することがあり、(AA−1を無限大に近づける。等価的には、マトリックスAAの行列式がゼロに等しい(行列式(AA)=0として代数学的に表される)ときに、特異点が生じる。3×nマトリックスAの場合、これは、2又はそれ以下のマトリックスAAのランクと等価である。[0006]CMGの運動における特異点を回避する異なるアプローチが工夫されてきた。
1つのアプローチ(approach;接近法)においては、(AA−1がゼロではないことを保証するため、(AA−1を(AA+εI)−1と交換する。ここに、Iは恒等マトリックスであり、εは小数である。正数εの使用は、(AA+εI)−1が決して0にならないことを保証する。
[0007]いくつかの例において有用であるが、このアプローチに対する欠点は、このアプローチがジンバル率の計算を変化させてしまうことである。ジャコビアンAの場合、擬似逆関数の使用は、ジンバル率が誤差εの導入のために要求されるトルクとしてもはや精確に作図されないことを意味する。この結果としての誤差は宇宙船を間違った方向に操舵し、特に特異点の近傍で、重大な望ましくないトルクを発生させることがある。
[0008]第2のアプローチは、CMG列の運動量出力を運動量範囲内の一層小さな領域に制限することである。運動量範囲はCMG列内のCMGのすべての可能な組合せにおいて提供される運動量である。1つの例示的な実施の形態においては、CMGの配列に応じて、総合の運動量範囲の1/3又はそれ以下において作動を行うことにより、特異点を回避することができる。しかし、このアプローチは可能性のあるトルクを浪費し、必要以上に大型で一層重い装置を生じさせることになる。
[0009]上述のことから、上述の欠陥又は言及も表現もしなかった他の欠陥の1つ又はそれ以上を処理する特異点の無い運動量経路を決定する方法を提供することが望ましい。また、上述の欠陥又は言及も表現もしなかった他の欠陥の1つ又はそれ以上を処理する特異点の無い運動量経路を決定する装置を提供することが望ましい。更に、本発明の他の望ましい因子及び特徴は、添付図面及び上述の背景技術に関連して行う以下の詳細な説明及び特許請求の範囲から明らかとなろう。
[0010]1つの例示的な実施の形態においては、宇宙船でのCMG列内の一組の同一線上のCMGの運動における特異点を回避する方法が提供される。第1に、宇宙船の方位を調整するための指令を受け取る。次いで、一組の同一線上のCMGにとって必要な運動量を決定する。運動量経路を決定し、運動量経路から特異点を回転させることにより特異点を回避する動的制御が使用され、運動量経路からの一組の同一線上のCMGにおける各CMGのための必要なジンバル運動が計算される。
[0011]別の例示的な実施の形態においては、宇宙船の制御装置が開示される。制御装置は姿勢制御装置を有する。姿勢制御装置は宇宙船の方位を調整する指令を受け取り、一組の同一線上のCMGに必要な運動量を決定し、運動量経路を決定して運動量経路から特異点を回転させることにより特異点を回避するような動的制御を使用するように作動できる。制御装置は更に姿勢制御装置に結合された運動量アクチュエータ制御プロセッサを有する。運動量アクチュエータ制御プロセッサは運動量経路からの一組の同一線上のCMGにおける各CMGのための必要なジンバル運動を計算するように作動できる。複数のCMGは運動量アクチュエータに結合される。CMGは宇宙船の方位を変更するために運動量アクチュエータから指令を受け取るように作動できる。
以下、同様の符号は同様の素子を示す添付図面に関連して本発明を説明する。[0018]以下の詳細な説明は本質的に単なる例示であり、本発明又は本発明の適用及び使用を限定する意図のものではない。更に、上述の技術分野、背景技術、課題を解決するための手段又は以下の詳細な説明において表現又は暗に表現されたいかなる理論によっても限定を意図するものではない。
[0019]本発明を履行するための例示的な制御装置100を図1に示す。制御装置100の素子は当業界で既知であり、異なるプロセッサ、ソフトウエア、コントローラ、センサ等を使用して異なる方法で組立てることができる。更に、典型的には装置の一部により提供される種々の計算機能は、代わりに、別の部分により提供することができる。図1に示す装置100は本発明の説明にとって適切な部品を有し、装置100は、制御装置において提供することができ、周知であって図1には示さない他の素子又は装置を有することができる。
[0020]制御装置100は、運動量アクチュエータ制御プロセッサ104に結合された姿勢制御装置102を有する。CMG106は運動量アクチュエータ制御プロセッサ104に結合される。各CMG106に関連するものは、CMG106の状態に関連する情報を制御装置100に提供するための1又はそれ以上のCMGセンサ108である。1つの実施の形態においては、制御装置100は周回する衛星のような宇宙船に装着される。
[0021]姿勢制御装置102は宇宙船の位置決めを制御する。姿勢制御装置102は所望の宇宙船操縦に関連するデータを受け取り、所望の操縦を完了させるために指令される適当なトルクを決定する。トルク要求は運動量アクチュエータ制御プロセッサ104に提供することができる。トルク指令に応じて、運動量アクチュエータ制御プロセッサ104は要求されたトルクを生じさせるのに必要なジンバル率を計算することができる。更に、運動量アクチュエータ制御プロセッサ104は操舵法則により決定される運動量経路からジンバル運動を計算する。これらの計算に基づき、運動量アクチュエータ制御プロセッサ104は、CMGの運動が指令されたトルクを生じさせ、本発明の教示に従って、特異点を回避しながらトルクを提供するように、CMGに対する必要な指令を提供する。
[0022]本発明においては、その上にジンバル列を配置する宇宙船に対して完全な制御を提供するように配列された多数のジンバル列が存在する。例示的な実施の形態では、各ジンバル列は一組の同一線上のCMGを有する。1つの例示的な実施の形態においては、この組は3つの同一線上のCMGを含む。一組の同一線上のCMGの運動量は二次元平面内に制限される。図2に示すように、3つの同一線上のCMGは半径3の円形の運動量空間を発生させることができる。運動量空間内の合計の運動量ベクトルはh={x、y}として表現することができる。
3つのCMGのジンバル角度は、α、β、γにより与えられ、ここで、ゼロジンバル角度はすべてx軸に沿って指向する。運動量ベクトルのx、y成分は次の式により与えられる。即ち、x=cosα+cosβ+cosγ
y=sinα+sinβ+sinγ・・・(3)
[0023]運動量ベクトルを決定した後、特異点が存在する可能性のある場所を決定する。
第1に、変換のジャコビアンが決定される。
Figure 0005221021
を与えると、ジャコビアンは、下記運動量ベクトルの勾配を計算することにより見つけることができる。
Figure 0005221021
上述のように、det(▽h・▽h)=0の場合(▽hがランク1を有する場合)に、特異点が存在する。
式(4)を使用して、次のように行列式(det)を計算することができる。即ち、
det(▽h・▽h)=3−(cos(α−β)+cos(β−γ)
+cos(γ−α))・・・(6)
次の場合には、式6は、ゼロになる。即ち、
I=±cos(α−β)=±cos(β−γ)=±cos(γ−α)・・・(7)
[0024]式(7)に対してたった4つの可能な解答が存在する。r0の場合、r=x+yとなり、次の表の場合に特異点が生じる。即ち
Figure 0005221021
それ故、α、β、γのいずれかが単数形の場合、r=0又はr=3となる。
運動量ベクトルh={x、y}は、極座標{r,φ}において、次のようになる:
x=rcosφ
y=rsinφ・・・(8)
0及びr=x+yに対して、並びに、r≠0に対しては、φは、次の通り特徴付けられる。即ち、
cosφ=x/r
sinφ=y/r・・・(9)
次いで、ジンバル角度αに対しては、相対極座標{rα、φα}は以下のように定義できる。即ち、
x−cosα=rαcosφα
y−sinα=rαsinφα・・・(10)
α≧0は次のように特徴付けられることに留意されたい。即ち、
α =(x−cosα)+(y−sinα)
=1+r−2rcos(α−φ)・・・(11)
そして、rα≠0に対しては、φαの特徴は次の通りである。即ち、
cosφα=(x−cosα)/rα
sinφα=(y−sinα)/rα・・・(12)
上述の式を使用して、式3についてのすべての解答をパラメータ化できる。
x、y、r、φは、上述のように定義でき、この場合、03である。rα≧0とすれば、rα=1+r−2rcos(α−φ)として定義される。式(3)に対するすべての解答α、β、γは、次のようなαにより特徴づけられる。即ち、
cos(α−φ) 1/2×(r−3/r)・・・(13)
β及びγについては:
Figure 0005221021
及び
Figure 0005221021
上述のパラメータ化された式を使用して、同一線上のCMGのための固定の制御を決定することができる。
固定の制御は、運動量空間からジンバル角度へのマップである。即ち、これは、特定の組のジンバル角度を運動量空間の各地点に割り当てるCMGのための制御体系である。任意の固定のコントローラは、運動量空間のユニットディスクの内部のどこかで不連続である。
[0029]従って、固定の制御は、到達可能な運動量空間
Figure 0005221021
からジンバル角度へのマップΓであり、
Γ(x、y)={α、β、γ}={α(x、y)、β(x、y)、γ(x、y)}である。
固定の制御の特異点は、マップが連続的ではない地点(x、y)である。[0030]更に、到達可能な運動量空間
Figure 0005221021
からジンバル角度への固定の制御Γは、ユニットディスクのどこかで特異点
Figure 0005221021
を有しなければならない。
[0031]すべての固定の制御がユニット円(単位円)内で特異点を有するので、最小の特異点を有する固定の制御操縦を見つけるために、例えば、Uの境界上に位置するたった1つの特異点は、制御法則の誘導を簡単化する。
[0032]符号の1つの選択を選択し、次いで残りの2つのジンバル角度α、γを定義するために式13、14の片方の簡単化されたバージョンを使用するβ(x、y)=φ(x、y)のような所望の運動量ベクトルに沿ってジンバルβを指向させる簡単な固定の制御Γβ を与えると:
Γβ (x、y)に対して、
Figure 0005221021
Γβ (x、y)に対して、β=φ・・・(17)
Γβ (x、y)に対して、
Figure 0005221021
及び
Γβ (x、y)に対して、
Figure 0005221021
[0033]上述の式から、Γβ が原点(x、y)=(0、0)において単一の特異点を有することを決定できる。
CMGのための導出においては、原点(x、y)=(0、0)の外部に特異点を有することが望ましい。次の固定の制御においては、Kは(x、y)=(0、−1)においてUの境界上に特異点を有し、r=1に対して定義される。
[0034]K(x、y)に対して、
Figure 0005221021
次に、K(x、y)に対して、
Figure 0005221021
K(x、y)に対して、
Figure 0005221021
及び、K(x、y)に対して、
Figure 0005221021
である。
[0035]これらの式から、r=1に対して、α=φ+π/2及びβ=φである。従って、Uの境界上では、Γβ (x、y)=K(x、y)である。[0036]それ故、すべてのHについて定義される例示的な組合せの固定制御は(x、y)=(0、−1)においてたった1つの特異点を有する。即ち、
(x+y1/2<1の場合、A(x、y)=K(x、y)、
(x+y1/2 1の場合、A(x、y)= Γβ (x、y)・・・(23)
である。 [0037]固定の制御が(x、y)=(0、−1)において単一の特異点を有することが分かったので、動的な運動量コントローラは、一定の最大速度の運動量経路を追従する際に特異点を回避するように設計することができる。
1つの例示的な実施の形態においては、動的な運動量コントローラを導き出すためには、3つの同一線上のCMGのためのジンバル空間が回転的に対称であることに最初に留意されたい。すべての3つのジンバル角度が同じ角度だけ回転する場合、運動量ベクトルはまた同じ角度だけ回転する。換言すれば、極座標で働くときに、(r、φ)=h(α、β、γ)ならば、(r、φ+ψ)=h(α+ψ、β+ψ、γ+ψ)となる。
[0038]従って、既知の特異点を伴う(上述したようなΛとは必ずしも同じとは限らない)固定の制御Λを与えれば、現在の運動量経路から離れるように特異点を単に動的に回転させることにより、CMGを動的に制御することができる。従って、
Figure 0005221021
の場合に、
Figure 0005221021
において特異点を備えた与えられた固定制御
Figure 0005221021
に対しては、次のようになる。即ち、
Figure 0005221021
である。
[0039]動的な巻付け角度ψは次のように定義できる。即ち、
Figure 0005221021
巻付け角度だけジンバルを回転させることにより、特異点を
Figure 0005221021
に再位置決めできる。巻付け角度の寸法は、余分なCMG運動の量を最小にしながら特異点の回避を提供するように選択される。
[0040]図3は特異点の回転の例示的な実施の形態を示す。この例においては、運動量空間300は、原点においてではない特異な(singular)地点302を含む。運動量経路306は運動量空間300内に位置する。図3において、境界304は特異な地点302のまわりに位置し、運動量経路306が境界に突き当たる毎に、巻付け角度は運動量経路306から離れる方向へ特異点を回転させるように変化する。図3において、特異な地点302は最初地点Aに位置することに留意されたい。運動量経路306が地点Cで境界304に突き当たった場合、特異な地点302は地点Bへ回転する。これは、運動量経路306が境界304に突き当たる毎に、生じる。
[0041]図示のような境界304から由来する動的制御はジンバル角度内で連続的であるが、(運動量経路が境界に「当った」場合に)不連続的な速度を有する。しかし、速度は飛躍する。導関数は第1等級の遅延即ちラグのような簡単なフィルタに対して制御を通過させることにより円滑にすることができる。
[0042]運動量経路306が境界304の頂点の1つに対して直接指向する場合、選択すべき巻付け角度の方向に関してあいまいさが存在する可能性がある。選択された方向におけるヒステレシスと組み合わされた任意の基礎的な選択はそのような結果を排除する。[0043]別の例示的な実施の形態においては、原点で生じない隔離された特異点を伴う固定の制御を与えれば、動的な運動量コントローラが一定の最大速度の運動量経路を追従する限り特異点を回避する動的な運動量コントローラを決定することができる。
[0044]先述のように、
Figure 0005221021
の場合(原点に特異点が無い場合)、既知の特異点
Figure 0005221021
を伴う(再度、上述したようなΛとは必ずしも同じとは限らない)固定の制御Λがある。巻付け角度ψは、次のように一組の固定の制御を定義する。即ち、
Figure 0005221021
これは、特異点を
Figure 0005221021
に再位置決めする。
[0045]このアプローチにおいては、安全光線は、運動量空間
Figure 0005221021
においてその角度
Figure 0005221021
に沿った特異な地点が存在せず、その角度に沿ったすべての地点が存在するように、角度
Figure 0005221021
を有する。運動量空間は、
Figure 0005221021
から右回りの区域、及び
Figure 0005221021
から左回りの区域を形成するように分割することができる。
固定の制御を右回り又は左回りに回転させて
Figure 0005221021
へ戻すようなフィードバック制御を導き出すことができる。特異点の近傍での制御が特異点の方へ移動できる運動量経路よりも一層速く
Figure 0005221021
の方へ回転する限り、結果としての制御は特異点を有しない。
[0046]特殊な例として、ρ>0は、
Figure 0005221021
のρ内に特異点が存在しないような距離とする。Mは、巻付け角度を回転させる最大速度とする(一般に、これはジンバル角度及び固定の制御の関数である)。次いで、コントローラは、コントローラが次のような連続的な導関数を有するように二乗された距離円弧として定義することができる。即ち、
Figure 0005221021
である。
[0047]図4は、r=1の内側円404上の特異点402を含む代表的な運動量空間400を示す。安全光線406は特異点402から離れる方向に向く。運動量経路408は、原点Oで出発し、宇宙船の運動を補助するのに必要な運動量を提供するように運動量経路408に沿って移動する。運動量経路408が移動するとき、安全光線406は、運動量経路408が安全光線406と整合した状態を維持するように、回転する。安全光線406が回転すると、特異点402も回転する。安全光線406はもともと地点Aに位置することに留意されたい。運動量経路408が移動すると、安全光線406が回転する。図4に示す運動量経路408に対しては、安全光線406は地点Bへ移動する。安全光線406が地点Aから地点Bへ移動している間、特異点402は地点Cから地点Dへ移動する。
[0048]図5は本発明の教示に従って宇宙船を制御する方法を示す。第1に、ステップ502において、宇宙船の方位を回転させる操縦指令を受け取る。1つの例示的な実施の形態においては、操縦指令は地上の制御ステーションから宇宙船の姿勢制御装置102へ送られる。代わりに、操縦指令は予め計画された運動スケジュールに基づいて宇宙船により発生させることができる。
[0049]操縦指令を受け取った後、各組のCMGにとって必要な運動量がステップ504において決定される。1つの実施の形態においては、必要なトルクが最初に決定され、次いで、トルクは各組のCMGにとって必要な運動量を決定するように積分することができる。このような計算は姿勢制御装置102において行うことができる。
[0050]ステップ506においては、特異点の無い運動量経路を提供するために動的な運動量コントローラを使用する。動的な運動量コントローラは原点に位置しない単一の特異点を含む固定の制御を使用する。運動量が運動量経路に沿って移動すると、特異点は運動量経路から離れるように回転する。
[0051]運動量経路が決定された後、運動量アクチュエータ制御プロセッサはステップ508において適正なジンバル運動を計算することができる。ステップ510においては、3つの同一線上のCMGの各々のためのジンバルは適正な運動量を提供するように移動する。
[0052]ここで説明した例示的な実施の形態(単数又は複数)はいかなる意味においても本発明の要旨、応用又は形状を限定する意図のものではない。むしろ、上述の詳細な説明は、当業者に対して、説明した実施の形態(単数又は複数)のための便利なロードマップを提供する。特許請求の範囲で規定されたような本発明の要旨及び法律上これと等価のものから逸脱することなく、素子の機能及び配列について種々の変更が可能であることを理解すべきである。
本発明の例示的な実施の形態に係る例示的なCMG制御装置を示すブロック線図である。 本発明の例示的な実施の形態に係る一組の同一線上のCMGの運動量空間を示す図である。 本発明の例示的な実施の形態に係る、運動量経路が特異点に近づいた場合の、特異点の回転を示す図である。 本発明の例示的な実施の形態に係る安全光線を追従する運動量経路から離れるような特異点の回転を示す図である。 本発明の例示的な実施の形態に係る、宇宙船を操縦する方法を示すフローチャートである。

Claims (2)

  1. 宇宙船内の制御モーメントジャイロスコープ(CMG)(106)の列における複数の同一線上のCMG(106)の運動において特異点(302、402)を回避する方法であって、
    宇宙船の方位を調整するために指令を受け取る工程と;
    宇宙船の方位を調整するために複数の同一線上のCMG(106)から要求される運動量を決定する工程と;
    運動量経路(306、408)を決定し、かつ、運動量経路(306、408)が特異点(302、402)を取り囲む所定の境界(304)に突き当たったときにジンバルを回転させることで運動量経路(306、408)の外へ特異点(302、402)を回転させることにより特異点(302、402)を回避するような動的な制御を利用する工程と;
    必要な運動量を提供するために決定された運動量経路(306、408)からの複数のCMG(106)内の各CMG(106)のための所要のジンバル運動を計算する工程と;を含み、
    動的制御を利用する工程が更に、
    最初は固定の角度に位置する安全光線(406)及びその角度に沿った特異点(402)の無いすべての地点を決定する工程と;
    運動量経路(408)に対応するように安全光線(406)を回転させる工程と;
    を含み、
    安全光線(406)が回転するときに、特異点(402)が運動量経路(408)から離れるように回転することを特徴とする方法。
  2. 複数の同一線上の制御モーメントジャイロスコープ(CMG106)を制御するための宇宙船の制御装置であって、
    宇宙船の方位を調整するために指令を受け取り;
    宇宙船の方位を調整するために複数の同一線上の制御モーメントジャイロスコープCMG(106)から要求される運動量を決定し;
    最初は固定の角度に位置する安全光線(406)及びその角度に沿った特異点(402)の無いすべての地点を決定し;
    運動量経路(408)に対応するように安全光線(406)を回転させる;
    ように作動できる姿勢制御装置(102)を有し、
    安全光線(406)が回転するときに、ジンバルが回転することで特異点(402)が運動量経路(408)から離れるように回転し;
    姿勢制御装置(102)に結合された運動量アクチュエータ制御プロセッサ(104)を更に有し、
    運動量アクチュエータ制御プロセッサ(104)が必要な運動量を提供するように運動量経路(306、408)から複数の同一線上のCMG(106)における各CMG(106)のための所要のジンバル運動を計算するように作動できることを特徴とする制御装置。
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