JP5219584B2 - 車載用エアバッグ装置 - Google Patents
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Description
一方、DC/DCコンバータは、昇圧時に発生するリップルを平滑する平滑コンデンサを必要とするが、車載用エアバッグ装置は、省スペース化をはかるために上記した電源バックアップコンデンサで平滑コンデンサの機能が兼用されているのが現状である。
例えば、動作状態における電源バックアップコンデンサの接続部分の断線の有無、電源バックアップコンデンサの故障判定を行うエアバッグ装置(例えば、特許文献1参照)、スイッチのON/OFF操作があっても確実に電源バックアップコンデンサの容量を測定でき、また、DC/DCコンバータの出力電圧の立ち上がり時の不安定さによる誤差の影響を受けない高精度な容量算出回路(例えば、特許文献2参照)等、が知られている。
したがって、電源バックアップコンデンサが平滑コンデンサの機能を兼用していると、電源バックアップコンデンサが欠落することにより、DC/DCコンバータによるバッテリの昇圧電圧を平滑化できなくなり、この場合、耐圧以上の電圧が発生してDC/DCコンバータの昇圧用トランジスタ等の部品を破壊してしまう可能性がある。
図1は、この発明の実施の形態1に係る車載用エアバッグ装置のDC/DCコンバータ周辺の構成を抽出して示した回路図である。
図1に示されるように、DC/DCコンバータ1は、過電流検出用抵抗2と、昇圧用コイル3と、ダイオード4と、昇圧電圧設定抵抗5,6と、電解コンデンサ等で構成される比較的大容量の電源バックアップコンデンサ7(第1のコンデンサ)と、DC/DCコンバータ用IC10とにより構成される。
スクイブ回路は、周知のように車両が衝突すると加速度センサにより衝突検知が行なわれ、かつ、雷管に直列接続されたスイッチが閉じることで、バッテリ11あるいは電源バックアップコンデンサ7からの電流がイグニッションスイッチIGを介して雷管に流され、これにより火薬が点火されてその爆発力でエアバッグが膨張して乗員を保護するものである。
DC/DCコンバータ1を制御するマイクロコンピュータ等により構成される制御部9は、上記した電源バックアップコンデンサ7の容量チェックを行なうために、一定時間昇圧を停止して電圧低下の程度を判定する。詳細は後述する。
また、制御部9は、車両走行時、平滑用コンデンサ8の電圧を監視してリップルを検出し、所定値以上のリップルが検出された場合に異常判定を行い、不図示のLEDランプ等により外部に報知する機能を有する。その制御手順についての詳細は後述する。
図2は、電源バックアップコンデンサ7が基板に正常に接続されている場合の波形を、図3は、電源バックアップコンデンサ7が基板から欠落している場合の波形を、それぞれ示す。
そこで、この発明の実施の形態1に係るエアバッグ装置では、DC/DCコンバータ1が内蔵する電源バックアップコンデンサ7に、平滑用コンデンサ8を並列に接続することで、仮に、電源バックアップコンデンサ7が欠落した場合でも、DC/DCコンバータ1の出力波形は図2のようにリップルが無い波形にすることが出来る。
以下、図4〜図6を参照しながら、制御部9による電源バックアップコンデンサ7の異常判定方法について詳細に説明する。
すなわち、制御部9は、バッテリ電圧の昇圧を停止した場合における電源バックアップコンデンサ7の電圧降下の角度を判定することで異常検出が可能である。このように、制御部9は、電源バックアップコンデンサ7の単位時間あたりの電圧降下の変化量(角度)を測定することで電源バックアップコンデンサ7の欠落の有無を知ることが出来る。なお、異常判定時は、制御部9の出力ポート(不図示)経由で接続されるLED等の表示器を点灯させ、乗員に異常発生を報知して乗員に修理や交換を促す。
このため、制御部9は、平滑用コンデンサ8の電圧を監視してリップルの変化量を測定し(ステップST409)、閾値γと比較することにより(ステップST410)、走行時においても電源バックアップコンデンサ7の異常判定が可能になる。すなわち、所定時間内におけるリップルの変化量が閾値γより大きくなった場合に電源バックアップコンデンサ7を異常(欠落した)と判定する。
なお、電圧減少量を測定するためにはDC/DCコンバータ1によるバッテリ電圧の昇圧を所定時間停止する必要があるが、車両走行中にDC/DCコンバータ1による昇圧を停止することはできないため電圧減少量を測定することができない。しかしながら、リップルは、DC/DCコンバータ1による昇圧を停止することなく検出することができるため、車両走行中においても電圧異常の検出が可能となり、この場合、逐次、DC/DCコンバータ1によるバッテリ電圧の昇圧を停止することができる。
Claims (6)
- バッテリから供給される電圧を昇圧するDC/DCコンバータと、
前記DC/DCコンバータにより昇圧されたバッテリ電圧を充電する第1のコンデンサと、
車両の衝突検知を行い、前記バッテリあるいは前記第1のコンデンサからの出力によってエアバッグを展開制御するエアバッグ駆動部と、
前記第1のコンデンサとは基板への実装形態を異にし、前記第1のコンデンサに比べて静電容量が小さく、前記第1のコンデンサに並列に接続される第2のコンデンサと、
エンジン始動時に前記第1のコンデンサの電圧変化を検出して該電圧変化が所定値以上になると前記DC/DCコンバータによる前記バッテリ電圧の昇圧を所定時間停止させ、前記停止の期間中における前記第1のコンデンサの電圧減少量を監視し、所定値以上の電圧が減少した場合に前記第1のコンデンサを異常と判定し、外部に報知する制御部と
を備えたことを特徴とする車載用エアバッグ装置。 - 前記第1のコンデンサは電解コンデンサであることを特徴とする請求項1記載の車載用エアバッグ装置。
- 前記第1のコンデンサはスルーホール実装により、前記第2のコンデンサは表面実装により前記基板に実装されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の車載用エアバッグ装置。
- バッテリから供給される電圧を昇圧するDC/DCコンバータと、
前記DC/DCコンバータにより昇圧されたバッテリ電圧を充電する第1のコンデンサと、
車両の衝突検知を行い、前記バッテリあるいは前記第1のコンデンサからの出力によってエアバッグを展開制御するエアバッグ駆動部と、
前記第1のコンデンサとは基板への実装形態を異にし、前記第1のコンデンサに比べて静電容量が小さく、前記第1のコンデンサに並列に接続される第2のコンデンサと、
車両走行時に前記第1のコンデンサの電圧変化を検出して所定量の電圧変化が検出された場合に前記第1のコンデンサの異常を判定するとともに、前記第2のコンデンサの電圧を監視してリップルを検出し、所定値以上の前記リップルが検出された場合に前記第1のコンデンサを異常と判定し、外部に報知する制御部と
を備えたことを特徴とする車載用エアバッグ装置。 - 前記第1のコンデンサは電解コンデンサであることを特徴とする請求項4記載の車載用エアバッグ装置。
- 前記第1のコンデンサはスルーホール実装により、前記第2のコンデンサは表面実装により前記基板に実装されることを特徴とする請求項4または請求項5記載の車載用エアバッグ装置。
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