JP5216506B2 - 回転陽極型x線管装置 - Google Patents

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本発明は、電子発生源から発生する電子を回転する陽極ターゲットに衝突させてX線を発生させる回転陽極型X線管装置に関する。
従来、例えば、X線CT装置などでは、陰極の電子発生源から発生する電子を回転する陽極ターゲットに衝突させ、この陽極ターゲットの電子が衝突して形成されるX線焦点からX線を発生させる回転陽極型X線管装置が用いられている。
このようなX線CT装置などでは、X線撮影中に、回転陽極型X線管装置で異なった位置にX線焦点を配置することにより、被写体を通じて検出器に入射するX線の入射角度をわずかにずらし、X線撮影画像の解像特性を向上させる技術が知られている。
X線撮影中に、回転陽極型X線管装置で異なった位置にX線焦点を配置するには、X線焦点を1msec以下の周期で周期的に微小移動させる必要がある。
X線焦点を周期的に微小移動させる方式の1つとして、真空容器内に配置する偏向電極に偏向電圧を印加し、静電的に電子ビームを偏向させる静電的電子ビーム偏向方式がある(例えば、特許文献1参照。)。
一般的に、陰極と陽極との間の電圧が100kVを超えるX線管では、少なくとも陰極には負の高電圧電位が供給されるため、陰極電圧供給用ケーブルとしては高電圧ケーブルが採用されているが、静電的電子ビーム偏向方式では、偏向電極に偏向電圧を印加させる必要があるために従来の高電圧ケーブルを使用することができず、専用の高電圧ケーブルが必要となり、また、高電圧電源も専用の電源が必要となる。そのため、回転陽極型X線管装置を交換するのみで既存のX線CT装置のアップグレイドを達成することはできず、経済性に問題が生じ、逆に、静電偏向方式の回転陽極型X線管装置、専用高電圧電源と専用高電圧ケーブルを採用した新しいX線CT装置に、従来の回転陽極型X線管装置を搭載することが困難であるため、回転陽極型X線管装置がダウンした場合の復旧に支障を来たす場合が生じる。
また、X線焦点を瞬時に微小移動させる他の方式として、磁極が発生する偏向磁界により電子ビームを偏向させる磁気的電子ビーム変更方式がある。
この磁気的電子ビーム偏向方式では、陰極と陽極ターゲットとの間に位置する真空外囲器に径小となるくびれ部を設け、そこに偏向磁界を発生する磁極を配置した構成がある。この構成では、くびれ部により真空外囲器が径小となるため、磁極間の距離が短くなり、電子ビーム位置での磁束密度を高め、電子の速度が速くても偏向することが可能となる(例えば、特許文献2〜4参照。)。
また、磁気的電子ビーム変更方式において、陰極の一部を磁性体からなる磁路とし、磁路に巻き付けられたコイルにより磁界を発生させる構成もあるが(例えば、特許文献5参照。)、この構成では、コイルが真空外囲器内の陰極位置に配置されているため、コイルへの電流供給は高電圧ケーブルを通して行う必要があり、上述した静電的電子ビーム偏向方式の問題点と全く同様の問題点がある。
米国特許第4689809号 米国特許第7289603号 米国特許第6977991号 米国特許第6529579号 特開平11−111204号公報
上述のように、電子の軌道を確実に偏向させるために、陰極と陽極ターゲットとの間に位置する真空外囲器にくびれ部を設け、そのくびれ部に磁極を配置した磁気的電子ビーム偏向方式では、静電的電子ビーム偏向方式や、磁気的電子ビーム変更方式においても陰極の一部を磁路としてコイルを巻き付けた構成のような問題点がない利点がある。
しかしながら、真空外囲器のくびれ部の形成に伴い、陰極と真空外囲器との間の空間絶縁距離を維持させるために、陰極を陽極ターゲットからより離して配置する必要が生じ、また、くびれ部の形成に伴い、電子ビームが集束しにくくなるように電位分布が変化してしまい、これらが相俟って、X線焦点の拡大、ぼけ、歪みなどが発生する問題がある。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、電子発生源から陽極ターゲットへ向かう電子の軌道を確実に偏向させることができるとともに、X線焦点の拡大、ぼけ、歪みなどの発生を低減できる回転陽極型X線管装置を提供することを目的とする。
本発明は、真空外囲器と、この真空外囲器内に配置される陰極の電子発生源と、この電子発生源を支持する陰極支持体と、前記真空外囲器内に回転可能に配置され、前記電子発生源から発生する電子が衝撃してX線を発生するX線焦点が形成される陽極ターゲットと、前記真空外囲器の外側で、前記真空外囲器内の前記電子発生源から発生する電子が前記陽極ターゲットへ移動する軌道に対向する位置に配置される複数の磁極を有し、前記電子発生源から発生する電子の軌道を偏向する偏向磁界を形成する偏向磁界形成手段とを具備する回転陽極型X線管装置において、前記陰極支持体は、少なくとも前記磁極に対向する表面を構成する材料が非磁性金属であるとともに、前記陰極支持体と前記陽極ターゲットとが互いに対向する方向において、前記磁極の長さをY、前記陽極ターゲットに対向する前記陰極支持体の表面と前記磁極の前記方向における中心位置との距離をXとし、かつ前記陽極ターゲットに対向する前記陰極支持体の表面を基準に前記陽極ターゲットに対して反対側を−側とした場合、0.5Y>X>−0.5Yの関係を有するものである。
本発明によれば、陰極支持体は磁極に対向する表面を構成する材料が非磁性金属であるため、電子発生源に近い位置で偏向磁界を発生させることにより、電子発生源から陽極ターゲットへ移動する電子の速度が比較的遅いうちに電子の軌道を確実に偏向させることができる。また、磁極の位置は電子ビームの偏向効率が最大となる位置に配置できる。これらにより、従来のように磁極間の距離を短くして磁束密度を高めなくてもよいことから、X線焦点の拡大、ぼけ、歪みなどの発生を低減できる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1ないし図4に第1の実施の形態を示す。
図1および図2に示すように、回転陽極型X線管装置は、ハウジング11、およびこのハウジング11内に配置された陽極接地型の回転陽極型X線管12を備えている。ハウジング11と回転陽極型X線管12との間の空間には水系の冷却液が満たされ、この冷却液をハウジング11に対してホースで接続された冷却器に循環させて冷却するように構成されている。
回転陽極型X線管12は、真空外囲器15を備え、この真空外囲器15は、径大部16、この径大部16の上下の径小部17,18を有する円筒状に形成されている。さらに、真空外囲器15の径大部16上には円筒状の陰極収納部19が形成されている。
陰極収納部19を含む真空外囲器15の材料は、非磁性体であり、交流磁界によって渦電流が発生し難い高電気抵抗材であることが好ましい。例えば、非磁性ステンレス鋼、インコネル、インコネルX、チタン、導電性セラミクス、表面を金属薄膜でコーティングした非導電性セラミクスなどを用いてもよい。
真空外囲器15の径大部16の外周面には、陰極収納部19の位置に対応して、X線が透過するX線透過窓20が取り付けられている。
また、真空外囲器15内には、真空外囲器15の中心に固定軸23が配置されているとともに、この固定軸23に対して回転可能に支持された回転体24が配置されている。この固定軸23は、回転体24からみて、回転体24の回転中心となる回転軸として構成される。
この回転体24には、径大部16内に回転可能に配置される円板部25、および下部側の径小部18内に回転可能に配置されるロータ部26が形成されている。回転体24の円板部25の上面外周部側は、X線透過窓20へ向けて対向するように所定の角度で下降傾斜され、この下降傾斜された表面に電子が衝突してX線を発生する陽極ターゲット27が設けられている。
真空外囲器15の下部側の径小部18の外側には、誘導電磁界を発生してロータ部26を介して回転体24および陽極ターゲット27を回転させるコイル28が配置されている。
また、真空外囲器15の陰極収納部19内には、陽極ターゲット27に対向するように配置された陰極31が収納されている。この陰極31は、図3に示すように、電子を発生する電子発生源としてのフィラメント32、およびこのフィラメント32を支持する陰極支持体33を備えている。
フィラメント32は、小焦点用フィラメント32aと大焦点用フィラメント32bとを備え、それぞれ幅が長い長手方向とこの長手方向に直交する幅が狭い幅方向とを有する形状に形成され、陰極支持体33に対して幅方向に沿った方向に互いに並列に配置されている。フィラメント32の長手方向が陽極ターゲット27の径方向に沿って配置され、幅方向が陽極ターゲット27の回転方向に沿って配置されている。
陰極支持体33の外周部には、フィラメント32の付近の磁場強度を増大させるための非磁性体カバー34が設けられている。この非磁性体カバー34は、陰極支持体33の周囲を囲むように円筒状に設けられ、例えば、銅、非磁性ステンレス鋼、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタルのいずれか、またはこれらのいずれかを主成分とする金属材料などの非磁性金属材料から構成されている。
陰極支持体33は、絶縁体35によって真空外囲器15に支持されている。
また、図1および図2に示すように、真空外囲器15の陰極収納部19は、上部側が円筒状の周壁部38にて構成され、下部側が環状の反跳電子捕獲構造体39にて構成されている。
反跳電子捕獲構造体39は、陽極ターゲット27からの反跳電子を捕獲するもので、中心部にはフィラメント32から発生する電子を通過させる円形状の開口部40が形成されており、フィラメント32から発生する電子が陽極ターゲット27へ移動する軌道を取り囲むように配置されている。反跳電子捕獲構造体39の陰極31に対向する面は凹面に形成され、陽極ターゲット27に対向する面は平坦面に形成され、外周面は円筒状側面に形成されている。
反跳電子捕獲構造体39の材料は、非磁性体でかつ高熱伝導性材であることが好ましく、例えば、銅、銅合金、GLID−COPなどの強化銅、モリブデン、モリブデン合金などの金属材料の他、熱伝導率が大きいSiC、AlN、BeOなどのセラミクス表面を金属薄膜でコーティングしたものを用いてもよい。
図示していないが、反跳電子捕獲構造体39は冷却構造を備えており、この冷却構造としては、例えば、反跳電子捕獲構造体39の内部に冷却液が循環する冷却液流路が形成され、この冷却液流路の冷却液を冷却器に循環させて反跳電子捕獲構造体39を冷却するように構成されている。
また、図1および図4に示すように、真空外囲器15の陰極収納部19の外側には、フィラメント32から発生する電子の軌道を周期的に偏向する偏向交流磁界を形成する偏向磁界形成手段51が配置されている。この偏向磁界形成手段51は、略コ字形のヨーク52、およびこのヨーク52の両端にそれぞれ巻回されたコイル53を有し、ヨーク52の両端に対の磁極54が形成された双極子で構成されている。対の磁極54は、陽極ターゲット27の回転方向であってフィラメント32の幅方向に沿った方向に互いに対向して配置されている。
ヨーク52を構成する主材料は、軟磁性体であり、かつ交流磁界によって渦電流が発生し難い高電気抵抗体であり、例えば、Fe−Si合金(珪素鋼)、Fe−Al合金、電磁ステンレス鋼、パーマロイなどのFe−Ni高透磁率合金、Ni−Cr合金、Fe−Ni−Cr合金、Fe−Ni−Co合金、Fe−Cr合金などからなる薄板を電気絶縁膜を挟んで積層させた積層体や、これら材料からなる線材を電気絶縁膜で覆ってから束にして固めた集合体、またはこれら材料を1μm程度の微細な粉末にしてその表面を電気絶縁膜で覆ってから圧縮成形により形成した成形体を用いてもよい。さらに、ソフトフェライトも最適な材料である。
そして、図1に示すように、陰極支持体33と陽極ターゲット27とが互いに対向する方向にみて、磁極54の長さをY、陽極ターゲット27に対向する陰極支持体33の表面と磁極の前記方向における中心位置との距離をXとした場合、Y>Xの関係を有する。
より具体的には、陽極ターゲット27に対向する陰極支持体33の表面を基準に陽極ターゲット27に対して反対側を−側とした場合、Y>X>−Yの関係を有し、より好ましくは0.5Y>X>−0.5Yの関係を有する。
なお、この陽極接地型の回転陽極型X線管12は、陽極のみならず、反跳電子捕獲構造体39や真空外囲器15の金属部分も接地電位である。
また、図2に示すように、ハウジング11には、真空外囲器15のX線透過窓20に対向してX線が透過するX線透過窓11aが設けられている。
そうして、図2において、X線撮影時には、回転陽極型X線管装置において、回転体24および陽極ターゲット27が回転し、陰極31のフィラメント32から発生する電子が陽極ターゲット27に衝突して、フィラメント32の形状に対応したX線焦点が形成され、この陽極ターゲット27のX線焦点から発生したX線が真空外囲器15のX線透過窓20およびハウジング11のX線透過窓11aを通じて外部へ照射される。
ここで、X線焦点とは、実焦点ではなく、実効焦点を意味している。
陽極ターゲット27からの反跳電子が反跳電子捕獲構造体39で捕獲される。
また、図4に示すように、偏向磁界形成手段51のコイル53への通電にて周期的に変化する偏向磁界が発生し、この偏向磁界により、フィラメント32から陽極ターゲット27へ向かう電子が陽極ターゲット27の径方向(フィラメント32の長手方向)に偏向され、陽極ターゲット27に形成されるX線焦点が陽極ターゲット27の径方向(X線焦点の長手方向)に周期的に微小移動する。
このとき、磁極54は、陰極支持体33に対して、Y>Xの関係、好ましくはY>X>−Yの関係、より好ましくは0.5Y>X>−0.5Yの関係を有するため、フィラメント32に近い位置で偏向磁界を発生させるため、フィラメント32から陽極ターゲット27へ移動する電子の速度が比較的遅いうちに電子の軌道を確実に偏向させることができる。
磁極54は、陰極支持体33に対して、Y>Xの関係、より好ましくは0.5Y>Xの関係にないと、磁極54が陰極支持体33から陽極ターゲット27の方向に離れてしまい、フィラメント32から陽極ターゲット27へ移動する電子の速度が速い位置で電子の軌道を偏向させることになるため、電子を偏向しにくくなり、従来のように磁極間の距離を近付けるなどして磁界強度を高める必要が生じる。一方、X>−Yの関係、より好ましくはX>−0.5Yの関係にないと、磁極54が陰極支持体33側に寄り過ぎるために、フィラメント32から陽極ターゲット27へ移動する電子に対して磁極54が発生する偏向磁界が弱くなり、電子を偏向しにくくなる。
そのため、従来のように真空外囲器にくびれ部を設け、磁極間の距離を短くして磁束密度を高めなくてもよいことから、X線焦点の拡大、ぼけ、歪みなどの発生を低減できる。
しかも、交流磁場を発生するためのコイル53への電流を低減させることができ、発熱が少なく、効率の良い偏向磁界形成手段51を実現することができる。
ここで、従来は、陰極支持体33自身または陰極支持体33の外周部に取り付けられるカバーは一般的にニッケルメッキされた鉄やニッケル等の磁性体で構成されていた。この場合、磁性体は、磁界に対する磁気シールド作用を及ぼす。すなわち、図12および図13に示すように、磁力線61は、フィラメント32の近傍の電子軌道部を避けるように、磁性体62内部を通って流れてしまい、その結果、フィラメント32の表面近くの磁界が弱まり、電子に対する偏向力が減じられてしまっていた。
本発明の陰極支持体33の外周部に取り付けられた非磁性体カバー34は非磁性体であるため、従来の鉄やニッケル等の磁性体である場合と異なり磁気シールド作用が起きず、交流磁界によって誘起される渦電流に基づく反対向きの交流磁界のみが発生する。この反対向きの磁界の作用により、図1に示すように、磁力線61が歪められ、陰極支持体33のフィラメント32の位置近傍に沿って磁力線61が流れるようになる。このため、フィラメント32の表面近くの、まだ速度が小さい電子に作用する磁界が強められ、その結果、電子に対する偏向力を高めることが可能となる。
非磁性体カバー34を構成する非磁性材料としてより電気伝導度が高いほど、上記した効果を高めることができる。非磁性体カバー34を構成する材料として使用できる非磁性材料の例を好ましい順序で並べると、銅、タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタル、非磁性ステンレス鋼の順となる。
次に、図5に第2の実施の形態を示す。
偏向磁界形成手段51の対の磁極54を、陽極ターゲット27の回転方向であってフィラメント32の幅方向に沿った方向に対して所定の角度αだけずらした位置に、互いに対向して配置する。
そして、対の磁極54が発生する偏向磁界により、X線焦点は陽極ターゲット27の径方向(X線焦点の長さ方向)および回転方向(X線焦点の幅方向)に同時に移動することができる。
角度αは、X線焦点の陽極ターゲット27の径方向(X線焦点の長さ方向)への移動距離および回転方向(X線焦点の幅方向)への移動距離の比に合わせて設定する。
X線焦点を、X線焦点の長さ方向と幅方向に等しい距離移動させるためには、角度αは陽極ターゲット27の傾斜角に等しくする。
次に、図6に第3の実施の形態を示す。
偏向磁界形成手段51として、2組の双極子を備える。
2組の双極子の対の磁極54を、陽極ターゲット27の回転方向であってフィラメント32の幅方向に沿った方向に対してそれぞれ反対側へ所定の角度αずつずらした位置に、互いに対向して配置する。
そして、2組の双極子の対の磁極54が発生する偏向磁界により、X線焦点は陽極ターゲット27の径方向(X線焦点の長さ方向)および回転方向(X線焦点の幅方向)に同時に移動することができる。
X線焦点の陽極ターゲット27の径方向(X線焦点の長さ方向)への移動距離および回転方向(X線焦点の幅方向)への移動距離の比は、2組の双極子のそれぞれの磁界の比を変えることにより、0からtanαの間の範囲で自由に変えることができる。
次に、図7に第4の実施の形態を示す。
偏向磁界形成手段51として、個別のヨーク52とコイル53とを組み合わせて個別の対の磁極54を設けた双磁極子を用い、これら対の磁極54を陽極ターゲット27の回転方向であってフィラメント32の幅方向に沿った方向に配置する。
そして、対の磁極54が発生する偏向磁界により、X線焦点は陽極ターゲット27の径方向(X線焦点の長さ方向)に移動することができる。
次に、図8に第5の実施の形態を示す。
偏向磁界形成手段51の双磁極子の対の磁極54を、陽極ターゲット27の回転方向であってフィラメント32の幅方向に沿った方向に対して所定の角度αだけずらした位置に、互いに対向して配置する。
そして、対の磁極54が発生する偏向磁界により、X線焦点は陽極ターゲット27の径方向(X線焦点の長さ方向)および回転方向(X線焦点の幅方向)に同時に移動することができる。
角度αは、X線焦点の陽極ターゲット27の径方向(X線焦点の長さ方向)への移動距離および回転方向(X線焦点の幅方向)への移動距離の比に合わせて設定する。
X線焦点を、X線焦点の長さ方向と幅方向に等しい距離移動させるためには、角度αは陽極ターゲット27の傾斜角に等しくする。
次に、図9に第6の実施の形態を示す。
偏向磁界形成手段51として、2組の双磁極子を備える。
2組の双磁極子の対の磁極54を、陽極ターゲット27の回転方向であってフィラメント32の幅方向に沿った方向に対してそれぞれ反対側へ所定の角度αずつずらした位置に、互いに対向して配置する。
そして、2組の双磁極子の対の磁極54が発生する偏向磁界により、X線焦点は陽極ターゲット27の径方向(X線焦点の長さ方向)および回転方向(X線焦点の幅方向)に同時に移動することができる。
X線焦点の陽極ターゲット27の径方向(X線焦点の長さ方向)への移動距離および回転方向(X線焦点の幅方向)への移動距離の比は、2組の双磁極子のそれぞれの磁界の比を変えることにより、0からtanαの間の範囲で自由に変えることができる。
次に、図10に第7の実施の形態を示す。
偏向磁界形成手段51として、両端に磁極54が形成される2つの双極子を備える。
2つの双極子の両端の磁極54を、陽極ターゲット27の回転方向であってフィラメント32の幅方向に沿った方向に対してそれぞれ反対側へ所定の角度βずつずらした位置に配置する。
そして、2つの双極子の磁極54が発生する偏向磁界により、X線焦点は陽極ターゲット27の径方向(X線焦点の長さ方向)に移動することができる。
次に、図11に第8の実施の形態を示す。
偏向磁界形成手段51として、2組の双磁極子を備える。
2組の双磁極子の対の磁極54を、陽極ターゲット27の回転方向であってフィラメント32の幅方向に沿った方向に対してそれぞれ反対側へ例えば45°ずつずらした等間隔位置に、互いに対向して配置する。
そして、2組の双磁極子の対の磁極54が発生する偏向磁界により、X線焦点は陽極ターゲット27の径方向(X線焦点の長さ方向)および回転方向(X線焦点の幅方向)に同時に移動することができる。
なお、以上述べた実施の形態では、陰極支持体33の外周部を取り囲むカバーが非磁性体で構成された場合であるが、陰極支持体33が一体構造で全て非磁性体から構成されている場合にも同様の効果がある。
本発明の第1の実施の形態を示す回転陽極型X線管装置の断面図である。 同上回転陽極型X線管装置の図1に対して90°異なる方向の断面図である。 同上回転陽極型X線管装置の陰極を示し、(a)は陰極の断面図、(b)は陰極の底面図である。 同上回転陽極型X線管装置における偏向磁界形成手段の配置を示す平面図である。 本発明の第2の実施の形態を示す回転陽極型X線管装置における偏向磁界形成手段の配置を示す平面図である。 本発明の第3の実施の形態を示す回転陽極型X線管装置における偏向磁界形成手段の配置を示す平面図である。 本発明の第4の実施の形態を示す回転陽極型X線管装置における偏向磁界形成手段の配置を示す平面図である。 本発明の第5の実施の形態を示す回転陽極型X線管装置における偏向磁界形成手段の配置を示す平面図である。 本発明の第6の実施の形態を示す回転陽極型X線管装置における偏向磁界形成手段の配置を示す平面図である。 本発明の第7の実施の形態を示す回転陽極型X線管装置における偏向磁界形成手段の配置を示す平面図である。 本発明の第8の実施の形態を示す回転陽極型X線管装置における偏向磁界形成手段の配置を示す平面図である。 回転陽極型X線管装置の磁極に対向する陰極支持体の表面が磁性体であった場合の磁力線の状態を示す断面図である。 回転陽極型X線管装置の磁極に対向する陰極支持体の表面が磁性体であった場合の磁力線の状態を示す平面図である。
符号の説明
15 真空外囲器
27 陽極ターゲット
31 陰極
32 電子発生源としてのフィラメント
33 陰極支持体
51 偏向磁界形成手段
54 磁極

Claims (2)

  1. 真空外囲器と、
    この真空外囲器内に配置される陰極の電子発生源と、
    この電子発生源を支持する陰極支持体と、
    前記真空外囲器内に回転可能に配置され、前記電子発生源から発生する電子が衝撃してX線を発生するX線焦点が形成される陽極ターゲットと、
    前記真空外囲器の外側で、前記真空外囲器内の前記電子発生源から発生する電子が前記陽極ターゲットへ移動する軌道に対向する位置に配置される複数の磁極を有し、前記電子発生源から発生する電子の軌道を偏向する偏向磁界を形成する偏向磁界形成手段とを具備する回転陽極型X線管装置において、
    前記陰極支持体は、少なくとも前記磁極に対向する表面を構成する材料が非磁性金属であるとともに、
    前記陰極支持体と前記陽極ターゲットとが互いに対向する方向において、前記磁極の長さをY、前記陽極ターゲットに対向する前記陰極支持体の表面と前記磁極の前記方向における中心位置との距離をXとし、かつ前記陽極ターゲットに対向する前記陰極支持体の表面を基準に前記陽極ターゲットに対して反対側を−側とした場合、
    0.5Y>X>−0.5Yの関係を有する
    ことを特徴とする回転陽極型X線管装置。
  2. 前記陰極支持体は、少なくとも前記磁極に対向する表面を構成する材料が、銅、非磁性ステンレス鋼、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタルのいずれか、またはこれらのいずれかを主成分とする金属材料である
    ことを特徴とする請求項1記載の回転陽極型X線管装置。
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