JP5215036B2 - 医用画像処理装置、及び医用画像処理プログラム - Google Patents
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Description
また、請求項10に記載の発明は、コンピュータに、MRI装置を用いてブラックブラッド法によって被検体の心臓を撮影することで取得された心筋の輝度値が内腔よりも高い第1MR画像を受け付け、さらに、造影剤が注入された前記被検体の心臓をMRI装置を用いて遅延造影法によって撮影することで取得された前記内腔の輝度値が前記心筋よりも高い第2MR画像を受け付ける受付機能と、前記第1MR画像を対象として位置に対する輝度値の勾配を求め、前記勾配に基づいて前記心筋の内膜を検出する内膜抽出機能と、
前記第2MR画像を対象として位置に対する輝度値の勾配を求め、前記勾配に基づいて前記心筋の外膜を検出する外膜抽出機能と、前記検出された内膜と外膜との間を検出領域として、前記第2MR画像の輝度値に基づいて前記検出領域内から心筋梗塞部位を検出する梗塞部位抽出機能と、MRI装置によって前記被検体の心臓を撮影することで取得されたMR画像を受け付けて、前記受け付けたMR画像において前記検出された心筋梗塞部位を識別可能にして表示装置に表示させる表示制御機能と、を実行させることを特徴とする医用画像処理プログラムである。
この発明の第1実施形態に係る医用画像処理装置について図1を参照して説明する。図1は、この発明の第1実施形態に係る医用画像処理装置を示すブロック図である。
内膜抽出部10は、第1画像入力部11、第1基準点設定部12、第1ライン設定部13、第1輝度値カーブ生成部14、第1勾配算出部15、及び内膜検出部16を備えている。内膜抽出部10は、MRI装置を用いてブラックブラッド法(Black Blood法)によって被検体の心臓を撮影することで取得された第1MR画像データを受け付けて、その第1MR画像データに基づいて心筋の内膜を検出する。以下、内膜抽出部10の各部について説明する。
第1画像入力部11は、MRI装置を用いてブラックブラッド法によって被検体の心臓を撮影することで取得された第1MR画像データ(MRシネ画像データ)を受け付けて、第1MR画像データを第1基準点設定部12に出力する。例えば、医用画像処理装置の外部に設置されたMRI装置を用いて、ブラックブラッド法によって心臓の任意の断面を撮影することで、その断面における心臓の形態を表す第1MR画像データを取得する。第1画像入力部11は、医用画像処理装置の外部に設置されたMRI装置から出力された第1MR画像データを受け付けて、第1基準点設定部12に出力する。ここで、MRI装置とブラックブラッド法とについて簡単に説明する。
第1基準点設定部12は、第1画像入力部11から第1MR画像データを受けて、第1MR画像に第1基準点を設定する。この実施形態では、第1基準点設定部12は、第1MR画像100に表わされている内腔101の内部に第1基準点を設定する。1例として、心臓の内腔が画像の中心付近に表わされるように撮影を行い、第1基準点設定部12は、その撮影で得られた第1MR画像100の中心点を検出し、その中心点を第1基準点に設定する。例えば図2に示すように、第1基準点設定部12は、第1MR画像100の中心点103を第1基準点に設定する。第1基準点設定部12は、第1基準点の位置を示す情報(座標情報)を第1ライン設定部13に出力する。
第1ライン設定部13は、第1MR画像100上における第1基準点の座標情報を第1基準点設定部12から受けて、その第1基準点から放射状に延びる複数の第1ラインを設定する。このとき、第1ライン設定部13は、所定の角度間隔ごとに第1ラインを設定する。例えば図2に示すように、第1ライン設定部13は、中心点103(第1基準点)から放射状に延びる第1ライン110、111、112、・・・を設定する。以下、第1ライン110、111、112、・・・を「第1ライン110等」と省略する場合がある。第1ライン110等は、それぞれ所定の角度間隔をおいて設定されている。第1ライン設定部13は、第1MR画像100上における第1ライン110等のそれぞれの座標情報を第1輝度値カーブ生成部14に出力する。
第1輝度値カーブ生成部14は、第1ラインの座標情報を第1ライン設定部13から受けて、第1MR画像データにおいて、第1ライン上の各位置の輝度値を表す第1輝度値カーブを生成する。この実施形態では、第1輝度値カーブ生成部14は、第1ライン110等のそれぞれの座標情報を第1ライン設定部13から受けて、各第1ライン上の各位置の輝度値を表す第1輝度値カーブを生成する。例えば図2に示すように、第1輝度値カーブ生成部14は、第1MR画像100において、第1ライン110上の各位置における輝度値を表す第1輝度値カーブ120を生成する。第1輝度値カーブ生成部14は、第1ライン110、111、112、・・・のそれぞれについて、ライン上の各位置における輝度値を表す第1輝度値カーブを生成する。そして、第1輝度値カーブ生成部14は、各第1ラインにおける第1輝度値カーブを第1勾配算出部15に出力する。
第1勾配算出部15は、第1輝度値カーブを第1輝度値カーブ生成部14から受けて、第1輝度値カーブに基づいて位置に対する輝度値の勾配を求める。例えば、第1勾配算出部15は、第1ライン110上の輝度値を表す第1輝度値カーブ120に基づいて、第1ライン110上の各位置における輝度値の勾配を求める。
内膜検出部16は、各内膜点の座標情報を第1勾配算出部15から受けて、各内膜点を繋げることで、心筋の内膜の位置を特定する。例えば図2に示すように、内膜検出部16は、第1勾配算出部15によって検出された内膜点130等を繋げることで、心筋の内膜140の位置を特定する。そして、内膜検出部16は、内膜140の座標情報を梗塞部位抽出部30の検出領域設定部31に出力する。また、内膜検出部16は、内膜140の座標情報を画像出力部40のマーカ生成部42に出力する。
次に、外膜抽出部20について説明する。外膜抽出部20は、第2画像入力部21、第2基準点設定部22、第2ライン設定部23、第2輝度値カーブ生成部24、第2勾配算出部25、及び外膜検出部26を備えている。外膜抽出部20は、造影剤が注入された被検体の心臓を、MRI装置を用いて遅延造影法によって撮影することで取得された第2MR画像データ(遅延造影画像データ)を受け付けて、その第2MR画像データに基づいて心筋の外膜を検出する。以下、外膜抽出部20の各部について説明する。
第2画像入力部21は、MRI装置を用いて遅延造影法によって被検体の心臓を撮影することで取得された第2MR画像データを受け付けて、第2MR画像データを第2基準点設定部22に出力する。さらに、第2画像入力部21は、第2MR画像データを梗塞部位抽出部30の検出領域設定部31に出力する。例えば、医用画像処理装置の外部に設置されたMRI装置を用いて、遅延造影法によって心臓の任意の断面を撮影することで、その断面における心臓の形態を表す第2MR画像データを取得する。第2画像入力部21は、医用画像処理装置の外部に設置されたMRI装置から出力された第2MR画像データを受け付けて、第2基準点設定部22と検出領域設定部31とに出力する。なお、第1画像入力部11と第2画像入力部21とによって、この発明の「受付手段」の1例を構成する。ここで、遅延造影法について簡単に説明する。
第2基準点設定部22は、第2画像入力部21から第2MR画像データを受けて、第2MR画像に第2基準点を設定する。この実施形態では、第2基準点設定部22は、第2MR画像200に表わされている内腔201の内部に第2基準点を設定する。1例として、心臓の内腔が画像の中心付近に表わされるように撮影を行い、第2基準点設定部22は、その撮影で得られた第2MR画像200の中心点を検出し、その中心点を第2基準点に設定する。例えば図3に示すように、第2基準点設定部22は、第2MR画像200の中心点203を第2基準点に設定する。第2基準点設定部22は、第2基準点の位置を示す情報(座標情報)を第2ライン設定部23に出力する。
第2ライン設定部23は、第2MR画像200上における第2基準点の座標情報を第2基準点設定部22から受けて、その第2基準点から放射状に延びる複数の第2ラインを設定する。このとき、第2ライン設定部23は、所定の角度間隔ごとに第2ラインを設定する。例えば図3に示すように、第2ライン設定部23は、中心点203(第2基準点)から放射状に延びる第2ライン210、211、212、・・・を設定する。以下、第2ライン210、211、212、・・・を「第2ライン210等」と省略する場合がある。第2ライン210等は、それぞれ所定の角度間隔において設定されている。第2ライン設定部23は、第2MR画像200上における第2ライン210等のそれぞれの座標情報を第2輝度値カーブ生成部24に出力する。
第2輝度値カーブ生成部24は、第2ラインの座標情報を第2ライン設定部23から受けて、第2MR画像データにおいて、第2ライン上の各位置の輝度値を表す第2輝度値カーブを生成する。この実施形態では、第2輝度値カーブ生成部24は、第2ライン210等のそれぞれの座標情報を第2ライン設定部23から受けて、各第2ライン上の各位置の輝度値を表す第2輝度値カーブを生成する。例えば図3に示すように、第2輝度値カーブ生成部24は、第2ライン210上の各位置における輝度値を表す第2輝度値カーブ220を生成する。第2輝度値カーブ生成部24は、第2ライン210、211、212、・・・のそれぞれについて、ライン上の各位置における輝度値を表す第2輝度値カーブを生成する。そして、第2輝度値カーブ生成部24は、各第2ラインにおける第2輝度値カーブを第2勾配算出部25に出力する。
第2勾配算出部25は、第2輝度値カーブを第2輝度値カーブ生成部24から受けて、第2輝度値カーブに基づいて位置に対する輝度値の勾配を求める。例えば、第2勾配算出部25は、第2ライン210上の輝度値を表す第2輝度値カーブ220に基づいて、第2ライン210上の各位置における輝度値の勾配を求める。
外膜検出部26は、各外膜点の座標情報を第2勾配算出部25から受けて、各外膜点を繋げることで、心筋の外膜の位置を特定する。例えば図3に示すように、外膜検出部26は、第2勾配算出部25によって検出された外膜点230等を繋げることで、心筋の外膜240の位置を特定する。そして、外膜検出部26は、外膜240の座標情報を梗塞部位抽出部30の検出領域設定部31に出力する。また、外膜検出部26は、外膜240の座法情報を画像出力部40のマーカ生成部42に出力する。
次に、梗塞部位抽出部30について説明する。梗塞部位抽出部30は、検出領域設定部31と、高信号領域検出部32と、梗塞部位検出部33とを備えている。梗塞部位抽出部30は、第2MR画像データ(遅延造影画像データ)に基づいて、内膜と外膜との間の範囲を対象として心筋梗塞部位を検出する。以下、梗塞部位抽出部30の各部について説明する。
検出領域設定部31は、第2MR画像データ(遅延造影画像データ)を第2画像入力部21から受け付け、内膜の座標情報を内膜検出部16から受け付け、さらに、外膜の座標情報を外膜検出部26から受け付ける。そして、検出領域設定部31は、第2MR画像(遅延造影画像)において、内膜の座標情報と外膜の座標情報とに基づいて、内膜と外膜との間の領域を特定し、その領域を検出領域として定義する。この検出領域内を対象として心筋梗塞部位を検出する。すなわち、内膜の外側の領域であり、かつ、外膜の内側の領域を対象として心筋梗塞部位を検出する。これにより、内腔と心筋梗塞部位とを区別して、心筋梗塞部位を検出することが可能となる。検出領域の1例について図4を参照して説明する。図4は、遅延造影法によって取得された第2MR画像を示す図である。検出領域設定部31は、第2MR画像200において、内膜140と外膜240とを特定し、内膜140と外膜240との間の領域を検出領域250として定義する。そして、検出領域設定部31は、検出領域250の座標情報を高信号領域検出部32に出力する。
高信号領域検出部32は、検出領域250の座標情報を検出領域設定部31から受け付けて、その検出領域250を対象として、第2MR画像200において輝度値が予め設定された閾値以上となる領域(高信号領域)を検出する。すなわち、高信号領域検出部32は、内膜140と外膜240との間の領域で、輝度値が閾値以上となる領域を検出する。このとき、閾値には相対的な値を用いることが好ましい。例えば、高信号領域検出部32は、輝度値のレンジ(0%〜100%)のうち、予め設定されたパーセンテージ以上の輝度値を有する領域を検出する。MRI装置においては、同一部位であっても撮影条件によって輝度値が変化するため、輝度値の絶対的な値を用いずに、輝度値のレンジを基準にした相対的な値を用いることが好ましい。そして、高信号領域検出部32は、輝度値が閾値以上となる領域(高信号領域)の座標情報を梗塞部位検出部33に出力する。
梗塞部位検出部33は、高信号領域の座標情報を高信号領域検出部32から受け付けて、第2MR画像において輝度値が閾値以上となる領域(高信号領域)のうち、大きさが予め設定された所定の大きさ以上の領域を心筋梗塞部位として検出する。すなわち、梗塞部位検出部33は、第2MR画像において輝度値が閾値以上となる領域が連続している領域を、心筋梗塞部位として検出する。例えば図4に示すように、梗塞部位検出部33は、第2MR画像200において輝度値が閾値以上となる領域のうち、大きさが予め設定された所定の大きさ以上の心筋梗塞部位260を検出する。そして、梗塞部位検出部33は、心筋梗塞部位260の座標情報を画像出力部40のマーカ生成部42に出力する。
次に、画像出力部40について説明する。画像出力部40は、表示画像入力部41、マーカ生成部42、表示制御部43、及び表示部44を備えている。画像出力部40は、MR画像を表示部44に表示させるとともに、そのMR画像上において、梗塞部位抽出部30にて検出された心筋梗塞部位を識別可能にして表示部44に表示させる。以下、画像出力部40について説明する。
表示画像入力部41は、MRI装置を用いて被検体の心臓を撮影することで取得されたMR画像データを受け付けて、MR画像データを表示制御部43に出力する。例えば、表示画像入力部41は、ブラックブラッド法によって取得された第1MR画像データを受け付けて、第1MR画像データを表示制御部43に出力する。または、表示画像入力部41は、遅延造影法によって取得された第2MR画像データ(遅延造影画像データ)を受け付けて、第2MR画像データを表示制御部43に出力する。
マーカ生成部42は、心筋梗塞部位の座標情報を梗塞部位検出部33から受けて、検出された心筋梗塞部位の形状を表す梗塞部位マーカを生成する。例えば、マーカ生成部42は、心筋梗塞部位の輪郭を表す梗塞部位マーカを生成しても良いし、心筋梗塞部位を塗りつぶした2次元のマーカを生成しても良い。また、マーカ生成部42は、内膜の座標情報を内膜抽出部10から受けて、検出された内膜の形状を表す内膜マーカを生成しても良い。同様に、マーカ生成部42は、外膜の座標情報を外膜抽出部20から受けて、検出された外膜の形状を表す外膜マーカを生成しても良い。例えば、マーカ生成部42は、内膜の輪郭を表す内膜マーカを生成し、また、外膜の輪郭を表す外膜マーカを生成する。マーカ生成部42は、梗塞部位マーカの位置を示す座標情報と、内膜マーカの位置を示す座標情報と、外膜マーカの位置を示す座標情報とを表示制御部43に出力する。
表示制御部43は、MR画像データを表示画像入力部41から受け付けて、そのMR画像データに基づくMR画像を表示部44に表示させる。例えば、表示制御部43は、第1MR画像データに基づく第1MR画像を表示部44に表示させる。または、表示制御部43は、第2MR画像データ(遅延造影画像データ)に基づく第2MR画像(遅延造影画像)を表示部44に表示させる。さらに、表示制御部43は、梗塞部位マーカをマーカ生成部42から受け付けて、MR画像に表わされた心筋梗塞部位の位置に梗塞部位マーカを重ねて表示部44に表示させる。ここで、MR画像の表示例について図5を参照して説明する。図5は、表示部に表示されるMR画像の1例を示す図である。1例として、表示制御部43は、第1MR画像100を表示部44に表示させる。さらに、表示制御部43は、第1MR画像100に表わされた心筋梗塞部位の位置に梗塞部位マーカ290を重ねて表示させる。また、図5に示すように、表示制御部43は、第1MR画像100に表わされた内膜の位置に内膜マーカ270を重ね、外膜の位置に外膜マーカ280を重ねて表示部44に表示させても良い。このように心筋梗塞部位を強調して表示することで、操作者は、心筋における梗塞部位を認識することが可能となる。また、表示制御部43は、第2MR画像200(遅延造影画像)を表示部44に表示させ、その第2MR画像200に梗塞部位マーカ290を重ねて表示させても良い。
次に、第1実施形態に係る医用画像処理装置の動作について、図6から図9を参照して説明する。図6から図9は、この発明の第1実施形態に係る医用画像処理装置による一連の動作を示すフローチャートである。
まず、第1画像入力部11は、MRI装置を用いてブラックブラッド法によって被検体の心臓を撮影することで取得された第1MR画像データを受け付けて、第1基準点設定部12に出力する。
そして、内膜抽出部10は、ブラックブラッド法によって取得された第1MR画像データに基づいて、心筋の内膜を検出する。ここで、ステップS02における詳細な処理について図7を参照して説明する。
第1基準点設定部12は、第1MR画像に表わされている内腔の内部に第1基準点を設定する。例えば図2に示すように、第1MR画像100の中心点103を検出し、その中心点103を第1基準点に設定する。そして、第1基準点設定部12は、第1基準点(中心点103)の座標情報を第1ライン設定部13に出力する。
第1ライン設定部13は、第1MR画像100上に設定された中心点103(第1基準点)から放射状に延びる第1ライン110等を設定する。第1ライン110等は、それぞれ所定の角度間隔をおいて設定されている。そして、第1ライン設定部13は、第1MR画像100上における第1ライン110等のそれぞれの座標情報を第1輝度値カーブ生成部14に出力する。
第1輝度値カーブ生成部14は、第1MR画像100において、それぞれの第1ライン上の各位置の輝度値を表す第1輝度値カーブを生成する。例えば図2に示すように、第1輝度値カーブ生成部14は、第1MR画像100において、第1ライン110上の各位置における輝度値を表す第1輝度値カーブ120を生成する。そして、第1輝度値カーブ生成部14は、各第1ラインにおける第1輝度値カーブを第1勾配算出部15に出力する。
第1勾配算出部15は、第1輝度値カーブに基づいて位置に対する輝度値の勾配を求める。さらに、第1勾配算出部15は、勾配が正の値であって、所定の閾値以上になる内膜点を検出する。このとき、第1勾配算出部15は、正の勾配が閾値以上となる点であって、中心点103(第1基準点)から最も近い位置にある点を、内膜点として検出する。すなわち、第1勾配算出部15は、正の勾配が閾値以上となる内膜点を中心点103から検索して特定する。第1勾配算出部15は、各第1輝度値カーブのそれぞれに基づいて各内膜点を検出し、各内膜点の座標情報を内膜検出部16に出力する。
内膜検出部16は、第1勾配算出部15によって検出された各内膜点を繋げることで、心筋の内膜の位置を特定する。例えば図2に示すように、内膜検出部16は、第1勾配算出部15によって検出された内膜点130等を繋げることで、心筋の内膜140の位置を特定する。
一方、第2画像入力部21は、MRI装置を用いて遅延造影法によって被検体の心臓を撮影することで取得された第2MR画像データ(遅延造影画像データ)を受け付けて、第2基準点設定部22に出力する。
そして、外膜抽出部20は、遅延造影法によって取得された第2MR画像データに基づいて、心筋の外膜を検出する。ここで、ステップS04における詳細な処理について図8を参照して説明する。
第2基準点設定部22は、第2MR画像に表わされている内腔の内部に第2基準点を設定する。例えば図3に示すように、第2MR画像200の中心点203を検出し、その中心点203を第2基準点に設定する。そして、第2基準点設定部22は、第2基準点(中心点203)の座標情報を第2ライン設定部23に出力する。
第2ライン設定部23は、第2MR画像200上に設定された中心点203(第2基準点)から放射状に延びる第2ライン210等を設定する。第2ライン210等は、それぞれ所定の角度間隔をおいて設定されている。そして、第2ライン設定部23は、第2MR画像200上における第2ライン210等のそれぞれの座標情報を第2輝度値カーブ生成部24に出力する。
第2輝度値カーブ生成部24は、第2MR画像200において、それぞれの第2ライン上の各位置の輝度値を表す第2輝度値カーブを生成する。例えば図3に示すように、第2輝度値カーブ生成部24は、第2MR画像200において、第2ライン210上の各位置における輝度値を表す第2輝度値カーブ220を生成する。そして、第2輝度値カーブ生成部24は、各第2ラインにおける第2輝度値カーブを第2勾配算出部25に出力する。
第2勾配算出部25は、第2輝度値カーブに基づいて位置に対する輝度値の勾配を求める。さらに、第2勾配算出部25は、内腔201内に設定された中心点203から外側に向けて順番に輝度値の勾配を求めていき、勾配が負の値であって、所定の閾値以下になる点を検出する。次に、第2勾配算出部25は、その点の外側の領域であって、輝度値の勾配が所定範囲内になる領域を検出する。そして、第2勾配算出部25は、その領域の外側に向けて順番に輝度値の勾配を求めていき、勾配が正の値であって、所定の閾値以上になる点を、外膜点として検出する。すなわち、第2勾配算出部25は、正の勾配が閾値以上となる外膜点を中心点203から検索して特定する。第2勾配算出部25は、各第2輝度値カーブのそれぞれに基づいて各外膜点を検出し、各外膜点の座標情報を外膜検出部26に出力する。
外膜検出部26は、第2勾配算出部25によって検出された各外膜点を繋げることで、心筋の外膜の位置を特定する。例えば図3に示すように、外膜検出部26は、第2勾配算出部25によって検出された外膜点230等を繋げることで、心筋の外膜240の位置を特定する。
そして、梗塞部位抽出部30は、第2MR画像データを用いて、内膜と外膜との間の領域から心筋梗塞部位を検出する。ここで、ステップS05における詳細な処理について図9を参照して説明する。
まず、検出領域設定部31は、第2MR画像(遅延造影画像)において、内膜の座標情報と外膜の座標情報とに基づいて、内膜と外膜との間の領域を特定し、その領域を検出領域として定義する。例えば図3に示すように、検出領域設定部31は、第2MR画像200において、内膜140と外膜240との間の領域を検出領域250として定義する。そして、検出領域設定部31は、検出領域250の座標情報を高信号領域検出部32に出力する。
高信号領域検出部32は、検出領域250を対象として、第2MR画像200において輝度値が所定の閾値以上となる高信号領域を検出する。
そして、梗塞部位検出部33は、第2MR画像において輝度値が閾値以上となる領域(高信号領域)のうち、大きさが所定の大きさ以上の領域を心筋梗塞部位として検出する。すなわち、梗塞部位検出部33は、輝度値が閾値以上となる領域が連続している領域を、心筋梗塞部位として検出する。
そして、マーカ生成部42は、心筋梗塞部位の座標情報を梗塞部位検出部33から受け付けて、心筋梗塞部位の形状を表す梗塞部位マーカを生成する。また、マーカ生成部42は、内膜の形状を表す内膜マーカや、外膜の形状を表す外膜マーカを生成しても良い。
一方、表示画像入力部41は、MR画像データを受け付けて表示制御部43に出力する。例えば、表示画像入力部41は、第1MR画像データ又は第2MR画像データを受け付けて表示制御部43に出力する。表示制御部43は、第1MR画像又は第2MR画像を表示部44に表示させ、さらに、第1MR画像又は第2MR画像に表わされた心筋梗塞部位の位置に梗塞部位マーカを重ねて表示部44に表示させる。例えば図5に示すように、表示制御部43は第1MR画像100に表わされた心筋梗塞部位の位置に梗塞部位マーカ290を重ねて表示部44に表示させる。さらに、表示制御部43は、第1MR画像100に表わされた内膜の位置に内膜マーカ270を重ね、外膜の位置に外膜マーカ280を重ねて表示部44に表示させても良い。
次に、この発明の第2実施形態に係る医用画像処理装置について図10を参照して説明する。図10は、この発明の第2実施形態に係る医用画像処理装置を示すブロック図である。
内膜抽出部10は、上述した第1実施形態と同様に、ブラックブラッド法によって取得された第1MR画像データに基づいて心筋の内膜を検出する。内膜検出部16は、検出した内膜の座標情報を、検出領域設定部31とマーカ生成部42とに出力し、さらに、外膜抽出部20Aの内膜拡張部27に出力する。
第2実施形態に係る外膜抽出部20Aは、内膜抽出部10によって検出された内膜の位置を、モルフォロジカル・フィルタを用いて拡張し、第2MR画像データ(遅延造影画像データ)に基づいて、内膜とその拡張した位置との間から外膜を検出する。
内膜拡張部27は、内膜の座標情報を内膜検出部16から受け付けて、モルフォロジカル・フィルタを用いて内膜を拡張することで、拡張内膜の位置を求める。例えば、内膜拡張部27は、内膜の形状を保ったまま、内膜の大きさを大きくすることで、拡張内膜を求める。このとき、内膜拡張部27は、心臓の部位に応じて内膜を拡張する範囲の大きさを変えることが好ましい。つまり、心臓の部位ごとに心筋の厚さが異なるため、その厚さに応じるために、心臓の部位ごとに内膜を拡張する範囲の大きさを変えることが好ましい。1例として、心房壁の場合は2〜3mm、内膜を拡張し、心右室壁の場合は2〜4mm、内膜を拡張し、心左室壁の場合は8〜11mm、内膜を拡張する。そして、内膜拡張部27は、内膜の座標情報と、拡張した拡張内膜の座標情報とを第2勾配算出部25に出力する。
そして、第2勾配算出部25は、第2輝度値カーブに基づいて位置に対する輝度値の勾配を求める。例えば図11に示すように、第2勾配算出部25は、第2ライン210上の輝度値を表す第2輝度値カーブ220に基づいて、第2ライン上の各位置における輝度値の勾配を求める。そして、第2勾配算出部25は、輝度値の勾配に基づいて外膜点を検出する。第2実施形態においては、第2勾配算出部25は、内膜140と拡張内膜150との間を検出領域として、その検出領域内で外膜点を検出する。すなわち、第2勾配算出部25は、内膜140の位置から外側に向けて順番に輝度値の勾配を求めていき、勾配が正の値であって、予め設定された閾値以上になる点を外膜点として検出する。このとき、第2勾配算出部25は、内膜140と拡張内膜150との間の検出領域内において、内膜140の位置から外側に向けて順番に輝度値の勾配を求めていき、正の勾配が初めて閾値以上となる点(最も内側にある点)を、外膜点として検出する。例えば図11に示すように、第2勾配算出部25は、第2輝度値カーブ220に基づいて、内膜140と拡張内膜150との間の範囲を対象として輝度値の勾配を求め、正勾配が初めて閾値以上となる外膜点230を検出する。そして、第2勾配算出部25は、第2輝度値カーブ220以外の第2輝度値カーブについても、内膜140と拡張内膜150との間で輝度値の勾配を求め、その勾配に基づいて外膜点を求める。第2勾配算出部25は、各外膜点の座標情報を外膜検出部26に出力する。
外膜検出部26は、上述した第1実施形態と同様に、各外膜点を繋げることで、心筋の外膜の位置を特定する。例えば図11に示すように、外膜検出部26は、第2勾配算出部25によって検出された外膜点230等を繋げることで、心筋の外膜240の位置を特定する。そして、外膜検出部26は、外膜240の座標情報を検出領域設定部31とマーカ生成部42とに出力する。
次に、第2実施形態に係る医用画像処理装置の動作について、図12と図13とを参照して説明する。図12と図13とは、この発明の第2実施形態に係る医用画像処理装置による一連の動作を示すフローチャートである。
内膜抽出部10は、第1実施形態と同様に、ブラックブラッド法によって取得された第1MR画像データを読み込み、その第1MR画像データに基づいて心筋の内膜を検出する。ステップS42における内膜の検出処理は、第1実施形態に係る処理と同じであるため説明を省略する。内膜抽出部10は、内膜の座標情報を、検出領域設定部31とマーカ生成部42と内膜拡張部27とに出力する。
一方、外膜抽出部20Aの第2画像入力部21は、遅延造影法によって取得された第2MR画像データ(遅延造影画像データ)を読み込み(ステップS43)、第2基準点設定部22に第2MR画像データを出力する。そして、外膜抽出部20Aは、第2MR画像データに基づいて、内膜と拡張内膜との間で外膜を検出する(ステップS44)。ここで、ステップS44における詳細な処理について図13を参照して説明する。
まず、第2基準点設定部22は、第1実施形態と同様に、第2MR画像に表わされている内腔の内部に第2基準点を設定する。例えば図11に示すように、第2MR画像200の中心点203を検出し、中心点203を第2基準点に設定する。
内膜拡張部27は、内膜の座標情報を内膜検出部16から受け付けて、モルフォロジカル・フィルタを用いて内膜を拡張することで、拡張内膜の位置を求める。例えば、内膜拡張部27は、内膜の形状を保ったまま、内膜の大きさを大きくすることで、拡張内膜を求める。そして、内膜拡張部27は、内膜の座標情報と、拡張した拡張内膜の座標情報とを第2勾配算出部25に出力する。例えば図11に示すように、内膜拡張部27は、内膜140を拡張して拡張内膜150の位置を求め、内膜140の座標情報と拡張内膜150の座標情報とを第2勾配算出部25に出力する。
一方、第2ライン設定部23は、第2MR画像200上に設定された中心点203(第2基準点)から放射状に延びる複数の第2ライン210等を設定し、第2ライン210等のそれぞれの座標情報を第2輝度値カーブ生成部24に出力する。
第2輝度値カーブ生成部24は、第2MR画像200において、それぞれの第2ライン上の各位置の輝度値を表す第2輝度値カーブを生成し、各第2ラインにおける第2輝度値カーブを第2勾配算出部25に出力する。
第2勾配算出部25は、内膜と拡張内膜との間を検出領域として、その検出領域内で外膜点を検出する。例えば図11に示すように、第2勾配算出部25は、内膜140の位置から外側に向けて順番に輝度値の勾配を求めていき、勾配が正の値であって、初めて閾値以上になる点を外膜点として検出する。このとき、第2勾配算出部25は、内膜140と拡張内膜150との間で輝度値の勾配を求め、その勾配に基づいて外膜点を検出する。例えば図11に示すように、第2勾配算出部25は、第2輝度値カーブ220に基づいて、内膜140と拡張内膜150との間の範囲を対象として輝度値の勾配を求め、正勾配が初めて閾値以上となる外膜点230を検出する。第2勾配算出部25は、各第2輝度値カーブのそれぞれに基づいて各外膜点を検出し、各外膜点の座標情報を外膜検出部26に出力する。
外膜検出部26は、第2勾配算出部25によって検出された各外膜点を繋げることで、心筋の外膜の位置を特定する。例えば図11に示すように、外膜検出部26は、第2勾配算出部25によって検出された外膜点230等を繋げることで、心筋の外膜240の位置を特定する。
そして、梗塞部位抽出部30は、第2MR画像データを用いて、内膜と外膜との間の領域を検出領域として、第2MR画像データの輝度値に基づいて心筋梗塞部位を検出する。
マーカ生成部42は、心筋梗塞部位の形状を表す梗塞部位マーカを生成する(ステップS47)。そして、表示制御部43は、第1MR画像又は第2MR画像などのMR画像に表わされた心筋梗塞部位の位置に梗塞部位マーカを重ねて表示部44に表示させる。
次に、この発明の第3実施形態に係る医用画像処理装置について図14を参照して説明する。図14は、この発明の第3実施形態に係る医用画像処理装置を示すブロック図である。
画像解析部50は、解析部51と表示制御部52と表示部53とを備えている。解析部51は、内膜の座標情報を内膜検出部16から受け付け、外膜の座標情報を外膜検出部26から受け付け、心筋梗塞部位の座標情報を梗塞部位検出部33から受け付ける。例えば、内膜抽出部10が、複数の断面における第1MR画像を対象として各断面における内膜を検出する。同様に、外膜抽出部20が、複数の断面における第2MR画像を対象として各断面における外膜を検出する。そして、梗塞部位抽出部30が、各断面における第2MR画像からそれぞれ心筋梗塞部位を検出する。そして、内膜検出部16は、各断面における内膜の座標情報を解析部51に出力し、外膜検出部26は、各断面における外膜の座標情報を解析部51に出力し、梗塞部位検出部33は、各断面における心筋梗塞部位の座標情報を解析部51に出力する。
次に、この発明の第4実施形態に係る医用画像処理装置について図16を参照して説明する。図16は、この発明の第4実施形態に係る医用画像処理装置を示すブロック図である。
次に、この発明の第5実施形態に係る医用画像処理装置について図18を参照して説明する。図18は、この発明の第5実施形態に係る医用画像処理装置を示すブロック図である。
評価部60は、判定部61と評価値算出部62とを備えている。評価部60は、梗塞部位抽出部30によって検出された各断面の心筋梗塞部位と、外膜抽出部20によって検出された各断面の外膜とに基づいて、検出された心筋梗塞部位が貫壁性梗塞か非貫壁性梗塞かを判定し、貫壁性梗塞と判定した場合は、心筋梗塞部位の広がりの程度を表す評価値を求める。以下、評価部60の各部について説明する。
判定部61は、各断面における心筋梗塞部位の座標情報を梗塞部位検出部33から受け付け、各断面における外膜の座標情報を外膜検出部26から受け付ける。そして、判定部61は、各断面における心筋梗塞部位と外膜とを同一空間上に配置することで、3次元空間における心筋梗塞部位の位置と外膜の位置とを特定する。例えば、判定部61は、各断面における心筋梗塞部位を繋ぎ合せることで、3次元空間における心筋梗塞部位の位置を特定し、各断面における外膜を繋ぎ合せることで、3次元空間における外膜の位置を特定する。そして、判定部61は、3次元空間における心筋梗塞部位の位置と外膜の位置とに基づいて、心筋梗塞部位と外膜とが接しているか否かを判定する。判定部61は、心筋梗塞部位と外膜とが接していない場合は、その心筋梗塞部位を非貫壁性梗塞と判定する。一方、判定部61は、心筋梗塞部位と外膜とが接している場合は、接している部分の心筋梗塞部位を貫壁性梗塞と判定する。判定部61は、この判定によって、非貫壁性梗塞の位置と貫壁性梗塞の位置とを特定する。
評価値算出部62は、3次元空間における心筋梗塞部位の位置と外膜の位置とに基づいて、心筋梗塞部位と外膜とが接している部分の面積を求める。この面積は、Transmural Extent(内膜から外膜方向への心筋梗塞の広がりの指標)として、心筋梗塞の評価に用いられる。そして、評価値算出部62は、上記接していている部分の面積の値を表示制御部43に出力する。
次に、第5実施形態に係る医用画像処理装置の動作について図20を参照して説明する。図20は、この発明の第5実施形態に係る医用画像処理装置による一連の動作を示すフローチャートである。
判定部61は、各断面における外膜の座標情報を外膜検出部26から受け付け、各断面における心筋梗塞部位の座標情報を梗塞部位検出部33から受け付ける。そして、判定部61は、各断面における外膜と心筋梗塞部位とを同一の3次元空間に配置することで、3次元空間における外膜の位置と心筋梗塞部位の位置とを特定する。
そして、判定部61は、3次元空間における外膜の位置と心筋梗塞部位の位置とに基づいて、心筋梗塞部位が外膜と接しているか否かを判定する。
心筋梗塞部位が外膜と接していない場合(ステップS62、No)、判定部61は、その心筋梗塞部位を非貫壁性と判断し(ステップS63)、その判断結果を表示制御部43に出力する。例えば、判定部61は、非貫壁性梗塞の座標情報を表示制御部43に出力する。
表示制御部43は、判定部61から判定結果を受けると、MR画像を表示部44に表示させ、さらに、心筋梗塞部位を表す梗塞部位マーカを、非貫壁性梗塞を表すマーカに加工して、MR画像に表わされた心筋梗塞部位の位置に重ねて表示させる。例えば、表示制御部43は、梗塞部位マーカの色を予め設定された非貫壁性梗塞の色に変えて表示部44に表示させる。例えば図19に示すように、表示制御部43は、2次元のMR画像510に表わされた心筋梗塞部位の位置に、非貫壁性梗塞を表す梗塞部位マーカ513を重ねて表示部44に表示させる。また、表示制御部43は、3次元画像500に表わされた心筋梗塞部位の位置に、非貫壁性梗塞を表す梗塞部位マーカ502を重ねて表示部44に表示させる。
一方、心筋梗塞部位が外膜と接している場合(ステップS62、Yes)、判定部61は、その心筋梗塞部位を貫壁性と判断し(ステップS65)、その判断結果を表示制御部43に出力する。例えば、判定部61は、貫壁性梗塞の座標情報を表示制御部43に出力する。
評価値算出部62は、3次元空間における心筋梗塞部位の位置と外膜の位置とに基づいて、心筋梗塞部位と外膜とが接している部分の面積を求め、その面積の値を表示制御部43に出力する。
表示制御部43は、MR画像を表示部44に表示させ、さらに、評価値算出部62から面積の値を受けると、心筋梗塞部位の広がりの程度を表す評価値として、その面積の値を表示部44に表示させる。また、表示制御部43は、心筋梗塞部位を表す梗塞部位マーカを、貫壁性梗塞を表すマーカに加工して、MR画像に表わされた心筋梗塞部位の位置に重ねて表示させる。例えば、表示制御部43は、梗塞部位マーカの色を予め設定された貫壁性梗塞の色に変えて表示部44に表示させる。例えば図19に示すように、表示制御部43は、2次元のMR画像520に表わされた心筋梗塞部位523の位置に、貫壁性梗塞を表す梗塞部位マーカを重ねて表示部44に表示させる。また、表示制御部43は、3次元画像500に表わされた心筋梗塞部位の位置に、貫壁性梗塞を表す梗塞部位マーカ501を重ねて表示部44に表示させる。
11 第1画像入力部
12 第1基準点設定部
13 第1ライン設定部
14 第1輝度値カーブ生成部
15 第1勾配算出部
16 内膜検出部
20、20A 外膜抽出部
21 第2画像入力部
22 第2基準点設定部
23 第2ライン設定部
24 第2輝度値カーブ生成部
25 第2勾配算出部
26 外膜検出部
27 内膜拡張部
30 梗塞部位抽出部
31 検出領域設定部
32 高信号領域検出部
33 梗塞部位検出部
40、40A 画像出力部
41 表示画像入力部
42 マーカ生成部
43、52 表示制御部
44、53 表示部
45 責任血管検出部
50 画像解析部
51 解析部
60 評価部
61 判定部
62 評価値算出部
Claims (10)
- MRI装置を用いてブラックブラッド法によって被検体の心臓を撮影することで取得された心筋の輝度値が内腔よりも高い第1MR画像を受け付け、さらに、造影剤が注入された前記被検体の心臓をMRI装置を用いて遅延造影法によって撮影することで取得された前記内腔の輝度値が前記心筋よりも高い第2MR画像を受け付ける受付手段と、
前記第1MR画像を対象として位置に対する輝度値の勾配を求め、前記勾配に基づいて前記心筋の内膜を検出する内膜抽出手段と、
前記第2MR画像を対象として位置に対する輝度値の勾配を求め、前記勾配に基づいて前記心筋の外膜を検出する外膜抽出手段と、
前記検出された内膜と外膜との間を検出領域として、前記第2MR画像の輝度値に基づいて前記検出領域内から心筋梗塞部位を検出する梗塞部位抽出手段と、
MRI装置によって前記被検体の心臓を撮影することで取得されたMR画像を受け付けて、前記受け付けたMR画像において前記検出された心筋梗塞部位を識別可能にして表示手段に表示させる表示制御手段と、
を有することを特徴とする医用画像処理装置。 - 前記内膜抽出手段は、前記内腔内に第1基準点を設定し、前記第1MR画像を対象として前記第1基準点から放射状に延びる複数の第1ラインを設定し、前記複数の第1ライン上のそれぞれにおいて位置に対する輝度値の勾配を求め、前記勾配の値が所定の閾値以上となる内膜点をそれぞれの第1ラインごとに求め、各内膜点を繋げることで前記内膜を特定し、
前記外膜抽出手段は、前記内腔内に第2基準点を設定し、前記第2MR画像を対象として前記第2基準点から放射状に延びる複数の第2ラインを設定し、前記複数の第2ライン上のそれぞれにおいて位置に対する輝度値の勾配を求め、前記勾配の値が所定の負の値以下になる点を検出し、その点の外側にある点であって、前記勾配の値が所定の閾値以上になる外膜点をそれぞれの第2ラインごとに求め、各外膜点を繋げることで前記外膜を特定することを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。 - 前記外膜抽出手段は、前記内膜抽出手段によって検出された内膜の位置をモルフォロジカル・フィルタによって外側に拡張し、前記第2MR画像における前記内膜と前記拡張した位置との間で、前記外膜を検出することを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
- 前記外膜抽出手段は、前記心臓の部位に応じて前記モルフォロジカル・フィルタによって拡張する範囲の大きさを変えて、前記内膜と前記拡張した位置との間で前記外膜を検出することを特徴とする請求項3に記載の医用画像処理装置。
- 前記梗塞部位抽出手段は、前記検出領域内において、輝度値が所定の閾値以上となる領域であって、領域の大きさが所定の大きさ以上となる領域を前記心筋梗塞部位として検出することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の医用画像処理装置。
- 前記表示制御手段は、前記検出された心筋梗塞部位を表すマーカを生成するマーカ生成手段を更に有し、前記受け付けたMR画像に前記マーカを重ねて前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の医用画像処理装置。
- 前記検出された外膜と前記検出された心筋梗塞部位との位置関係に基づいて、前記検出された心筋梗塞部位が貫壁性梗塞であるか非貫壁性梗塞であるかを判定する判定手段と、
前記判定手段によって貫壁性梗塞であると判定された場合に、前記外膜と前記心筋梗塞部位とが接触している部分の面積を求める評価値算出手段と、
を更に有し、
前記表示制御手段は、前記判定手段による判定結果を前記表示手段に表示させ、さらに、前記貫壁性梗塞であると判定された場合には、前記面積の値を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の医用画像処理装置。 - 前記表示制御手段は、前記表示手段に表示させる前記MR画像において、前記貫壁性梗塞と前記非貫壁性梗塞とを区別して前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項7に記載の医用画像処理装置。
- MRI装置によって前記被検体の心臓を撮影することで取得されたMR画像を受け付けて、前記受け付けたMR画像から冠動脈を検出する血管検出手段を更に有し、
前記表示制御手段は、前記検出された冠動脈と前記検出された心筋梗塞部位とを識別可能にして前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の医用画像処理装置。 - コンピュータに、
MRI装置を用いてブラックブラッド法によって被検体の心臓を撮影することで取得された心筋の輝度値が内腔よりも高い第1MR画像を受け付け、さらに、造影剤が注入された前記被検体の心臓をMRI装置を用いて遅延造影法によって撮影することで取得された前記内腔の輝度値が前記心筋よりも高い第2MR画像を受け付ける受付機能と、
前記第1MR画像を対象として位置に対する輝度値の勾配を求め、前記勾配に基づいて前記心筋の内膜を検出する内膜抽出機能と、
前記第2MR画像を対象として位置に対する輝度値の勾配を求め、前記勾配に基づいて前記心筋の外膜を検出する外膜抽出機能と、
前記検出された内膜と外膜との間を検出領域として、前記第2MR画像の輝度値に基づいて前記検出領域内から心筋梗塞部位を検出する梗塞部位抽出機能と、
MRI装置によって前記被検体の心臓を撮影することで取得されたMR画像を受け付けて、前記受け付けたMR画像において前記検出された心筋梗塞部位を識別可能にして表示装置に表示させる表示制御機能と、
を実行させることを特徴とする医用画像処理プログラム。
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