JP4352212B2 - 生体組織の動き追跡表示方法及び画像診断装置 - Google Patents

生体組織の動き追跡表示方法及び画像診断装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波診断画像、磁気共鳴画像又はX線CT画像に適用される生体組織の動き追跡表示方法、その追跡表示方法を用いた画像診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波診断装置、磁気共鳴イメージング(MRI)装置、及びX線CT装置等の画像診断装置は、いずれも被検体の検査部位に係る断層像などをモニタに表示して診断に供するものである。例えば、心臓や血管等の循環器系及びその他の動きのある臓器の場合、それらを構成する生体組織(以下、組織と総称する)の動きを断層像により観察して、それら臓器等の機能を診断することが行なわれている。
【0003】
特に、心臓などの機能を定量的に評価できれば、診断の精度が一層向上することが期待されている。例えば、従来、超音波診断装置により得られた画像から心壁の輪郭を抽出し、その心壁輪郭に基づいて心室等の面積、容積、それらの変化率等から心機能(心臓ポンプ機能)を評価したり、局所の壁運動を評価して診断することが試みられている(特許文献1)。また、ドプラ信号等の計測信号に基づいて組織の変位を計測して、例えば局所的な収縮又は弛緩の分布を撮像し、これに基づいて心室の運動が活性化している場所を正確に決定したり、あるいは収縮期の心臓壁の厚さ(壁厚)を計測する等、組織の運動を定量的に計測する方法が提案されている(特許文献2)。さらに、時々刻々変化する心房や心室の輪郭を抽出して、その輪郭を画像に重ねて表示するとともに、これに基づいて心室等の容量を求める技術が提案されている(特許文献3)。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−13145号公報
【特許文献2】
特表2001−518342号公報
【特許文献3】
米国特許第5322067号公報(USP5,322,067)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術は、いずれも心臓の全体的な機能を評価するための手法にとどまり、心筋などの各組織の動きである組織の運動を計測することについては配慮されていない。特に、心壁の輪郭を画像処理により抽出し、その輪郭に基づいて心壁の厚みなどの変化を計測する従来技術は、必ずしも十分な精度を得るまでには至っていない。
【0006】
一般に、例えば、血栓等によって心筋に血が通わなくなると、心筋の動きが低下するといわれている。したがって、心室を構成する心筋の動きや厚みの変化など、心臓の各組織の運動を定量的に計測できれば、治療法などを決定する際の有効な診断情報を提供できる。例えば、虚血の程度がわかれば、冠動脈再生術などの心臓の治療法選択及び治療部位を特定する指標として有効である。また、弁輪部の運動を定量的に計測できれば、高血圧性心肥大などの心疾患において、心機能全体を評価するのに役立つとして研究がなされている。このような組織の運動を定量的に計測したい対象は、心臓に限らず、血管についても要望されている。つまり、頚動脈などの大血管壁の脈波を定量的に計測できれば、動脈硬化の診断に有効とされている。
【0007】
そこで、本発明の発明者らは、例えば心臓の断層像が表示されたモニタ上で、動きを追跡したい心筋壁に追跡点(マーク)を設定し、動画像上で追跡点を含む部位の心筋壁の動きを画像処理によって検出し、心筋壁の動きに合わせて追跡点を移動させて重畳表示することにより心筋の動きを観察することを提案している(特願2002-266864号)。これによれば、追跡点の動きを計測することにより、組織の動きに関する種々の情報を定量的に求めることができる。
【0008】
しかし、追跡点を動画の生体断層像に重ねて表示すると、組織の動きに紛れて追跡点の動きが見にくくなってしまうという問題がある。例えば、心臓の手術後に心臓の動きが片側だけに偏る場合や、心筋壁の壁厚の変化が小さい部位の有無を観察して血の巡りが悪い部位を検査する場合、心壁全体の揺れに惑わされて壁厚の変化の微妙な差異が観察しにくい。
【0009】
本発明の課題は、生体の心臓、特に心筋の動きを観察し易くすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の生体組織の動き追跡表示方法は、生体の断層を撮像してなる動画像の一フレーム画像を表示部に表示する第1ステップと、該表示された一フレーム画像上において動きを追跡したい生体組織の部位にマークを設定する第2ステップと、前記マークが設定された部位の生体組織の動きを前記動画像上で追跡する第3ステップと、該追跡に合わせて前記マークの表示位置を変更する追跡画像を生成する第4ステップと、前記追跡画像と前記動画像の少なくとも一方を前記表示部に表示する第5ステップとを有することを特徴とする。第5ステップにおいては、追跡画像と動画像を前記表示部に並べて表示することが好ましい。
【0011】
より具体的には、動きを追跡したい生体組織の部位を動画像の一フレーム画像(静止画像)上に、点などのマークを重ねて表示させて追跡部位を設定する。そして、マークを含む画像領域に予め定めたサイズの切出し画像を自動設定する。あるいは、その静止画像上に切出し画像の領域枠を入力設定する。次に動画像表示に切り替え、切出し画像が他のフレーム画像のどこに移動したかを、切出し画像と画像の一致度が最も高い同一サイズの局所画像を画像処理によって検索する。そして、画像の一致度が最も高い局所画像の位置を、切出し画像の移動先とし、移動前後の切出し画像の座標差に基づいて追跡部位の移動方向及び移動量を計測する。これによって、例えば、追跡部位の移動量、移動速度、移動方向等の動きに関する物理量である計測情報を定量的に求めることができる。そして、抽出された局所画像を切出し画像として動画像のさらに他のフレーム画像に対して追跡処理を繰り返し実行して、追跡部位の移動先を順次求めてマークを表示することにより、組織の動きに追従してマークが動いて表示されるから、観者は追跡部位の動きを容易に観察することができる。
【0012】
また、動画像に対応させて追跡部位の移動先の座標を追跡画像データとして記憶しておき、追跡画像のマークを動画像に重ねて表示したり、マークのみの画像に切替えて表示することにより、観者は追跡部位の動きがわかり易い画像を選択して表示させることができる。また、動きを追跡したい生体組織の部位の形態に沿って複数のマークを設定した場合は、マークを結ぶ曲線を求めて画像化して表示するようにすることが好ましい。さらに、生体の動画像と追跡画像を並べて表示することができる。すなわち、追跡画像を動画像に重ねて表示すると、心筋壁の壁厚の変化が小さい部位の有無を観察して血の巡りが悪い部位を検査する場合など、心壁全体の動きに惑わされて壁厚の変化の微妙な差異が観察しにくい場合がある。この場合は、マーク単独の画像に切替えることによって、組織の動きに紛れることなくマークの動きを観察できる。また、動画像と追跡画像を並べて表示すれば、生体組織の動きとマークの動きとを対比して観察でき、微妙な動きの違いがある部位の対比に基づいた診断がし易くなる。
【0013】
また、例えば、心筋を挟んで少なくとも2つの追跡部位を設定すれば、心筋の壁厚、壁厚の変化、壁厚の変化速度等を定量的に計測できる。また、それらの心臓に係る計測値の線図と心電波形とを時間軸を関連させて表示することにより、一層診断の精度を向上できる。
【0014】
本発明の生体組織の動き追跡表示方法を実施する画像診断装置は、生体の断層像を撮像する撮像手段と、前記撮像手段により得られる動画像を表示する表示部とを備えた画像診断装置において、前記表示部に表示された前記動画像の一静止画像に対して動きを追跡したい生体組織の部位にマークを設定する操作部と、前記マークが設定された部位の生体組織の動きを前記動画像上で追跡し、前記マークを前記動画像の動きに合せて移動表示させる追跡画像を生成する追跡手段とを備え、前記表示部には、前記動画像と前記追跡画像の少なくとも一方を切替えて表示する構成とする。なお、撮像手段は、別に設ける構成としてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本発明の生体組織の動き追跡表示方法を適用してなる一実施の形態の画像診断装置について、図1〜図4を用いて説明する。図1は本実施形態の生体組織の動き追跡表示方法の手順を示し、図2は図1の生体組織の動き追跡表示方法を適用してなる画像診断装置のブロック構成図である。図2に示すように、画像診断装置は、被検体である生体の断層を撮影してなる動画像が格納される画像記憶部1と、動画像を表示可能な表示部2と、各種の指令を入力する操作卓3と、表示部2に表示される動画像の生体組織の動きを追跡する自動追跡部4と、自動追跡部4により生成される追跡画像を記憶する追跡画像記憶部5と、自動追跡部5の追跡結果に基づいて各種の計測情報を算出する運動算出部6と、これらを接続してなる信号伝送路7を含んで構成されている。
【0016】
画像記憶部1には、破線で示した診断画像撮像装置8から被検体の断層像を撮影してなる動画像がオンライン又はオフラインで格納されるようになっている。診断画像撮像装置8としては、超音波診断装置、磁気共鳴イメージング(MRI)装置及びX線CT装置等の診断装置が適用可能である。
【0017】
操作卓3は、表示部2に動画像の一フレーム画像(静止画像)を表示させる指令、表示部2に表示された静止画像上で動きを追跡したい生体組織の部位にマーク(目印)を重畳表示させる指令、表示部2に表示する画像の種類を選択する指令、等の各種指令を入力可能に形成されている。
【0018】
自動追跡部4は、画像診断装置全体を制御する制御手段10と、表示部2に表示する画像を切り替え制御する表示制御手段11と、表示部2に表示された一フレーム画像のマークの位置に対応する追跡部位を含むサイズの切出し画像を設定する切出し画像設定手段12と、画像記憶部1から動画像の他のフレーム画像を読み出して、切出し画像と画像の一致度が最も高い同一サイズの局所画像を抽出する切出し画像追跡手段13と、一致度が最も高い局所画像と切出し画像の座標差を求める移動量演算手段14と、その座標差に基づいて追跡部位の移動先座標を求める移動追跡手段15と、その移動先座標に基づいてマーク表示位置を変更した追跡画像を作成する追跡画像生成手段16とを備えて構成されている。この追跡画像生成手段16は、追跡部位(マーク)の移動先を動画像に合わせて順次記憶して動画像の追跡画像を生成し、追跡画像記憶部5に記憶させる機能を備えている。
【0019】
また、運動算出部6は、自動追跡部4で求められた追跡部位の移動先座標に基づいて、追跡部位の移動量、移動速度、移動方向等の動きに関する物理量である計測情報を定量的に求めるとともに、これらの計測情報の変化を線図で表示部2に表示させる機能を有して構成されている。
【0020】
本実施形態は、追跡画像記憶部5と表示制御手段11を設けたことを特徴とする。表示制御手段11は、操作卓3から入力される指令に応じて、画像記憶部1に記憶された動画像データを読み出して動画像又は静止画像を表示部2に表示するとともに、追跡画像記憶部5に記憶されている追跡画像を生体組織の動画像に重ねて表示したり、追跡画像を単独で表示部2に表示したり、あるいは生体組織の動画像と追跡画像を並べて表示する制御を行うようになっている。
【0021】
次に、本実施形態の画像診断装置の詳細な機能構成について、図1に示した処理手順に従って動作とともに説明する。まず、生体組織の動き追跡動作は、操作卓3から組織の動き追跡モードを選択する指令が入力されることによって開始する(S1)。表示制御手段11は、画像記憶部1から動画像の最初のフレーム画像ft(t=0)を読み出して表示部2に表示させる(S2)。例えば、最初のフレーム画像f0として図3に示す心臓の心室21の断層像が表示されたものとする。図3において、操作者が動きを追跡したい生体組織の追跡部位として、心筋22の特定の部位を選択したい場合、操作者は操作部3のマウスなどを操作してフレーム画像f0に重ねて追跡部位を設定するためのマークである追跡点23を表示させる。そして、その追跡点23を移動操作して所望の追跡部位に重畳表示させて追跡部位を入力設定する。なお、図3において、符号24は僧帽弁である。
【0022】
追跡点23が入力設定されると、制御手段10はフレーム画像f0上の追跡点23の座標を取込み、切出し画像設定手段12に送る(S3)。切出し画像設定手段12は、図4(a)に示す様に、追跡点23の画像を中心として、縦横2(A+1)画素(但しAは自然数)のサイズの矩形領域を切出し画像25として設定する(S4)。ここで、切出し画像25のサイズは、追跡点23の生体組織とは異なる生体組織を含む大きさの領域に設定することが好ましい。
【0023】
切出し画像追跡手段13は、画像記憶部1から動画像の次のフレーム画像f1を読み出し、切出し画像25と画像の一致度が最も高い同一サイズの局所画像を抽出する(S5)。この抽出処理は、いわゆるブロックマッチング法又は相関法と称される画像処理である。この抽出処理をフレーム画像f1の全領域について行なうと、処理時間がかかり過ぎる。そこで、抽出処理時間を短縮するため、本実施形態では、フレーム画像f1よりも十分に小さい、図4(b)に示す検索領域26について行なうようにしている。つまり、検索領域26は、切出し画像25に対して上下左右に一定の振り幅の画素数Bを付加した矩形領域とする。この画素数Bは、追跡部位に係る組織の移動量よりも大きく、例えば3〜10画素に設定する。これは、心臓などの循環器系の動く範囲は、通常の視野において、狭い領域に限られるからである。このようにして、検索領域26内の同一サイズの局所画像27を順次ずらして切出し画像25との画像の一致度を求める。図5に、相関法による画像追跡処理の具体例を示す。同例は、説明を簡単にするために、切出し画像25のサイズを矩形の9画素領域とし、検索領域26についても矩形の25画素領域として説明する。つまり、同図(a)に示す切出し画像25は、追跡点23の画素を中心としてA=1画素に設定した例であり、同図(b)に示す検索領域26はB=1画素に設定した例である。これによれば、同図(b)に示す様に、9個の局所領域27について画像の一致度を求めることになる。画像の一致度を求める方法については、公知の種々の方法を適用できる。
【0024】
次に、検索した複数の局所画像27の内で画像の一致度が最も高い局所画像27maxを抽出し、局所画像27maxを切出し画像25の移動先とし、局所画像27maxの座標を求める(S6)。これらの画像の座標は、中心画素の座標、あるいは矩形領域の何れかの角の座標で代表する。そして、局所画像27maxと切出し画像25の座標差を求め、これに基づいて追跡点23の移動先座標を求めて追跡画像記憶部5に記憶する。通常、表示制御手段11は、追跡画像記憶部5から追跡画像を読み出して、表示部2のフレーム画像f1に重ねて表示する(S7)。なお、局所画像27maxと切出し画像25における追跡点23の相対位置は変化しないものとして扱っている。
【0025】
運動算出部6は、S7で求められた追跡点23の移動先座標に基づいて、追跡点23の動き、つまり追跡部位の組織の動きに関する各種の計測情報を算出する(S8)。すなわち、移動前後の追跡部位の座標に基づいて、移動方向及び移動量を定量的に計測することができる。また、追跡部位の移動量、移動速度、移動方向等の動きに関する物理量である計測情報を定量的に求めることができる。
【0026】
このようにして求めた計測情報に基づいて、さらに運動算出部6は、追跡点23の移動に関する各種の計測情報、及びその変化をグラフで表示部に表示させる(S9)。これにより、観者は、追跡部位の動きを容易に観察することができる。
【0027】
次に、ステップS10に進み、動画像の全てのフレーム画像について追跡点23の追跡が終了したか否か判断し、未処理のフレーム画像があれば、ステップS5に戻ってS5~S10の処理を繰り返す。全てのフレーム画像について追跡点23の追跡が終了した場合は、追跡処理動作を終了する。このとき、追跡点23の移動履歴を示す追跡画像が追跡画像記憶部5に記憶されている。
【0028】
上述したように、本実施形態によれば、追跡点23の移動先の座標を順次求めることができるから、追跡部位の動きを定量的に、かつ精度よく簡単に計測することができ、診断の情報を的確に提供することができる。
【0029】
ここで、上記実施形態を用いて、生体組織の追跡部位の動きを計測する具体例について図6、図7を用いて説明する。図6は、心筋22の心壁を挟んで2つの追跡点23を設定し、2つの追跡点23間の距離すなわち壁厚を計測するとともに、その壁厚の変化を計測し、それらをグラフにして表示部2に表示した例である。これにより、心筋の壁厚及び壁厚の変化を定量的に把握することができる。図7(a)は、心筋22に沿って複数の追跡点23を心筋壁を挟んで対向させて設定した例である。これによれば、心臓の伸縮及び拡張に伴う心壁の形状変化及び壁厚変化をマークの動きによって容易に観察できる。
【0030】
ここで、図7(a)において、心筋22の動きに惑わされて追跡点23の動き、特に壁厚の変化や、場所による壁厚の変化の差が判りにくい場合がある。この場合は、操作卓3から追跡画像のみを表示する表示モードに切替える指令を入力する。これにより、表示制御手段11が動作して、心筋22の動画像を消して、表示部2に追跡点23の動画像のみを表示させる。その結果、心筋の位置によって動きが異なる場合の壁厚の変化の差を容易に判別でき、心臓の術後等において血の巡りが悪いこと等が原因で生ずる心臓の偏った動きを的確に診断できる。
【0031】
図7(b)に代えて、同図(c)のように追跡点23を線で結ぶ曲線25を表示することにより、あるいは同図(d)のように曲線25のみを表示するモードを設けることにより、操作者の意思に応じて、心筋22の動きを観察しやすい画像表示に切替えることができる。これらの追跡画像は、操作卓3からの指令に基づいて追跡画像生成手段16により作成されて追跡画像記憶部5に格納される。さらに、図7(a)の心筋22の動画像と、図7(b)〜(d)のマークの動画像を同一の表示画面に並べて表示するようにすることができる。これによれば、心筋22の動画像と追跡画像とを対比観察でき、虚血の部位及び程度などが判りやすくなり、冠動脈再生術などの治療法選択および治療部位特定の指標にできる。さらに、弁輪部24に追跡点23を設定して、その動きを追跡すれば、高血圧性心肥大などの心疾患において、心機能全体を評価するのに役立つことが期待できる。
【0032】
以上説明したように、上述の実施形態によれば、次のような効果が得られる。まず、心臓の手術後に心臓の動きが片側だけに偏る場合や、心筋壁の壁厚の変化が小さい部位の有無を観察して血の巡りが悪い部位を検査する場合、心壁全体の揺れに惑わされて壁厚の変化の微妙な差異が観察しにくくなる。この場合には、表示モードを変えて、追跡点のみ、あるいは追跡点を結ぶ線のみの追跡画像を表示することにより、心臓の動きに紛らされることなく、部位によって異なる心筋の壁厚の変化の違いのみを観察できる。また、心臓断層の動画像と追跡画像を並べて表示すると、対比観察により気が付かない動きの違い等を診断することができる。
【0033】
また、心臓の各部の動きを定量的に計測することができることから、例えば心筋運動の追跡あるいは心筋壁厚の変化を定量的に計測することにより、虚血性心疾患において例えば虚血部位を特定することができる。また、心筋運動を定量化できるから、虚血の程度がわかり、冠動脈再生術などの治療法選択および治療部位を特定する際の指標にできる。また、弁輪部の動きを定量的に追跡すれば、高血圧性心肥大などの心疾患において、心機能全体を評価するのに役立つ可能性がある。
【0034】
また、本発明は、心臓の各部位の動きを計測することに限らず、生体組織の動きを観察したい部位であれば、どのような部位の生体組織にも適用できることは明らかである。例えば、頚動脈などの大血管壁の脈波計測に適用できる。この場合、血管壁の長手方向に複数の追跡部位を設定し、それらの追跡部位の移動量を定量的に計測して比較することにより、動脈硬化の程度がわかる。
【0035】
また、上述の実施形態において、心筋の動きを木目細かく観察するために、追跡部位のマークである追跡点23を操作卓3から入力設定する数が多くなり、設定作業が煩雑である。そこで、心筋壁に沿って追跡点23を設定する場合、操作者の判断で組織形状が緩やかに変化するような部位については適宜間隔を空けて、組織形状が大きく変化するような部位については間隔を狭めて設定するようにしてもよい。この場合、制御手段10により追跡点23を密な間隔に自動的に補完設定するようにすることが好ましい。
【0036】
また、上述の実施形態では、オフラインで行なう例について説明したが、画像追跡処理に係る速度を向上すれば、オンラインあるいはリアルタイムの動画像にも適用できる。また、2次元の断層像を例に説明したが、3次元断層像にも適用できることはいうまでもない。
【0037】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、生体組織の動きに追従させて表示される追跡点の動きを観察し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の生体組織の動き追跡表示方法の一実施形態の処理手順を示す図である。
【図2】図2は、図1の生体組織の動き追跡表示方法を適用してなる画像診断装置のブロック構成図である。
【図3】図3は、本発明の生体組織の動き追跡を、心臓の断層像に適用して説明するための図である。
【図4】図4は、本発明に係る画像追跡処理法の一実施形態を説明する図であり、(a)は切出し画像の一例を、(b)は検索領域の一例を示す図である。
【図5】図5は、相関法による画像追跡処理を、具体例を用いて説明する図である。
【図6】図6は、心壁を挟んで設定された2つのマークの距離と、その距離の変化を計測してグラフにして表示した例である。
【図7】図7は、心臓の内外壁に設定した追跡点を心臓の動画像に重ねて表示する例と、追跡点のみを表示する例と、追跡点を結ぶ曲線を表示する例を示す図である。
【符号の説明】
1 画像記憶部
2 表示部
3 操作卓
4 自動追跡部
5 追跡画像記憶部
6 運動算出部
7 信号伝送路
8 診断画像撮像装置
10 制御手段
11 表示制御手段
12 切出し画像設定手段
13 切出し画像追跡手段
14 移動量演算手段
15 移動追跡手段
16 追跡画像生成手段

Claims (2)

  1. 生体の心臓を含む部位の断層を撮影してなる動画像の一フレーム画像を表示部に表示する第1ステップと、該表示された前記一フレーム画像上において前記心臓の心筋に沿って該心筋壁を挟んで対向する複数対のマークを重ねて表示させる指令を入力する第2ステップと、前記マークを含むサイズの切出し画像を前記一フレーム画像に設定する第3ステップと、前記動画像の他のフレーム画像を検索して前記切出し画像と画像の一致度が最も高い同一サイズの局所画像を抽出する第4ステップと、該一致度が最も高い局所画像と前記切出し画像の座標差に基づいて前記マークの移動先を求める第5ステップとを含み、前記抽出された局所画像を前記切出し画像とし、前記動画像のさらに他のフレーム画像に対して前記第4ステップと前記第5ステップを繰り返し実行して、前記マークの移動先を順次求め、該求めたマークの移動先に前記マークの表示位置を変更するとともに、前記心筋壁の一方の側の複数のマークと他方の側の複数のマークのそれぞれを結んで近似曲線を生成し、前記複数対のマークと前記近似曲線からなる或いは前記近似曲線のみからなる追跡画像を生成する第6ステップと、前記追跡画像のみを前記表示部に表示するモードと、前記動画像と前記追跡画像を並べて前記表示部に表示するモードとを入力される指令に基づいて切替える第7ステップとを有してなる生体組織の動き追跡表示方法。
  2. 生体の心臓を含む部位の断層を撮像して得られる動画像データが記憶される画像記憶手段と、前記生体の心臓を含む部位の断層像を表示する表示部と、前記画像記憶手段に記憶された前記動画像データを読み出して動画像又は静止画像を前記表示部に表示させる表示制御手段と、前記表示部に表示された前記静止画像上の前記心臓の心筋に沿って該心筋壁を挟んで対向する複数対のマークを設定する操作部と、前記表示部に表示された静止画像に前記マークを含む切出し画像を設定する切出し画像設定手段と、該切出し画像と画像の一致度が最も高い同一サイズの局所画像を抽出する切出し画像追跡手段と、該一致度が最も高い局所画像と前記切出し画像の座標差に基づいて前記マークの移動先を求める移動追跡手段と、前記抽出された局所画像を前記切出し画像とし、前記動画像のさらに他のフレーム画像に対して前記局所画像の抽出を繰り返し実行して、前記マークの移動先を順次求め、該マークの移動先座標に基づいて前記マークの表示位置を変更するとともに、前記心筋壁の一方の側の複数のマークと他方の側の複数のマークのそれぞれを結んで近似曲線を生成し、前記複数対のマークと前記近似曲線からなる或いは前記近似曲線のみからなる追跡画像を生成する追跡画像生成手段と、該追跡画像生成手段により生成された前記追跡画像を記憶する追跡画像記憶手段とを備え、前記表示制御手段は、前記操作部から入力される指令に基づいて、前記画像記憶手段と前記追跡画像記憶手段から画像を読み出して、前記追跡画像と前記動画像或いは前記追跡画像のみを前記表示部に切替え表示する機能を有してなる画像診断装置。
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