JP5214895B2 - 電力ケーブルの部分放電発生位置標定方法及びその装置 - Google Patents
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一方、埋設前のCVケーブルにおいても、外傷等が存在すると絶縁劣化を引き起こすおそれがあるため、これらを事前に発見するための品質試験が行われる。
この測定回路では、CVケーブル20を電力系統から切り離した後、心線導体21側に所定の直流高電圧を課電する。このとき、絶縁体22に絶縁体22の内周面と外周面の間を橋絡する水トリーが存在すると、接地線側に直流電流が流れる。この電流は、図10に示すように、水トリー劣化が進むと増加する傾向を示し、さらに劣化状態が悪化すると、電流の急激な変化(キック現象)が観測されるようになる(図10のK部)。
一方、特許文献1〜4には、CVケーブルの両端にセンサを配置してケーブルの導体に直流高電圧を印加し、発生した部分放電信号を各センサが検出した時間を測定して、その時間差に基づいて部分放電が発生した位置を検出する方法が開示されている。直流漏れ電流測定時の電流の増加傾向やキック現象は、水トリー内部における部分放電に起因することが知られていることから、この部分放電の発生地点を特定すれば、水トリー劣化位置が標定できることになる。
また、このような検出装置においては、ノイズシールドが十分に施されていないケーブル両端の検出端からノイズが侵入しやすく、ノイズが侵入すると部分放電信号との区別ができず、標定精度が低下する問題もあった。
上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、一端同士を接続して折り返した2本の電力ケーブルに直流電圧を課電して、電力ケーブル内で発生した部分放電信号を両電力ケーブルの他端側で夫々検出し、部分放電信号が両電力ケーブルの検出端に夫々到達する伝搬時間の時間差に基づいて、部分放電信号の発生位置を標定する電力ケーブルの部分放電発生位置標定方法であって、電力ケーブルの両検出端において、部分放電信号を繰り返して検出し、両検出端での部分放電信号の検出時間差が、2本の電力ケーブルの合計長を部分放電信号が伝搬するのに要する時間以下となり、且つ各検出端での繰り返し検出時間間隔が、1本の電力ケーブルの全長を部分放電信号が伝搬するのに要する時間よりも大きい部分放電信号について発生位置の標定を行うことを特徴とするものである。
上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、一端同士を接続して折り返した2本の電力ケーブルに直流電圧を課電して、電力ケーブル内で発生した部分放電信号を両電力ケーブルの他端側で夫々検出し、部分放電信号が両電力ケーブルの検出端に夫々到達する伝搬時間の時間差に基づいて、部分放電信号の発生位置を標定する電力ケーブルの部分放電発生位置標定方法であって、2本の電力ケーブルの間に増幅器を接続して折り返し側の電力ケーブルを伝搬する部分放電信号を増幅し、電力ケーブルの両検出端において、部分放電信号を繰り返して検出して、増幅により発生する遅れ時間をΔt、電力ケーブルの長さをL、部分放電信号の伝搬速度をCとして、両検出端での部分放電信号の検出時間差が、Δt以上Δt+2L/C以下となり、且つ各検出端での繰り返し検出時間間隔が、1本の電力ケーブルの全長を部分放電信号が伝搬するのに要する時間よりも大きい部分放電信号について発生位置の標定を行うことを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れかの目的に加えて、より精度の高い部分放電発生位置の標定を行うために、部分放電信号の発生位置の標定は、100kHz〜10MHzの帯域における部分放電信号の伝搬時間の時間差に基づいて行う構成としたものである。
上記目的を達成するために、請求項6に記載の発明は、一端同士を接続して折り返した2本の電力ケーブルに直流電圧を課電する課電手段と、その課電により電力ケーブル内で発生した部分放電信号を両電力ケーブルの他端側で夫々検出する検出手段と、その検出手段に部分放電信号が夫々到達する伝搬時間の時間差に基づいて、部分放電信号の発生位置を標定する標定手段とを備える電力ケーブルの部分放電発生位置標定装置であって、検出手段は、部分放電信号を繰り返して検出し、標定手段は、両検出端での部分放電信号の検出時間差が、2本の電力ケーブルの合計長を部分放電信号が伝搬するのに要する時間以下となり、且つ各検出端での繰り返し検出時間間隔が、1本の電力ケーブルの全長を部分放電信号が伝搬するのに要する時間よりも大きい部分放電信号について発生位置の標定を行うことを特徴とするものである。
上記目的を達成するために、請求項7に記載の発明は、一端同士を接続して折り返した2本の電力ケーブルに直流電圧を課電する課電手段と、その課電により電力ケーブル内で発生した部分放電信号を両電力ケーブルの他端側で夫々検出する検出手段と、その検出手段に部分放電信号が夫々到達する伝搬時間の時間差に基づいて、部分放電信号の発生位置を標定する標定手段とを備える電力ケーブルの部分放電発生位置標定装置であって、2本の電力ケーブルの間に増幅器を接続して折り返し側の電力ケーブルを伝搬する部分放電信号を増幅し、検出手段は、電力ケーブルの両検出端において部分放電信号を繰り返して検出して、標定手段は、増幅により発生する遅れ時間をΔt、電力ケーブルの長さをL、部分放電信号の伝搬速度をCとして、両検出端での部分放電信号の検出時間差が、Δt以上Δt+2L/C以下となり、且つ各検出端での繰り返し検出時間間隔が、1本の電力ケーブルの全長を部分放電信号が伝搬するのに要する時間よりも大きい部分放電信号について発生位置の標定を行うことを特徴とするものである。
請求項8に記載の発明は、請求項5乃至7の何れかの目的に加えて、より精度の高い部分放電発生位置の標定を行うために、部分放電信号の発生位置の標定は、100kHz〜10MHzの帯域における部分放電信号の伝搬時間の時間差に基づいて行う構成としたものである。
また、請求項3及び7の発明によれば、上記効果に加えて、部分放電信号の到達時間差がΔt以上Δt+2L/C以下となる場合のみ発生位置の標定を行うようにしたことで、部分放電信号とノイズとの判別が可能となる。よって、標定精度の向上が期待できる。
さらに、請求項4及び8に記載の発明によれば、特定の帯域における部分放電信号の伝搬時間の時間差に基づいて行うようにしたことで、より精度の高い発生位置の標定が可能となる。
[形態1]
図1は、本発明の部分放電発生位置標定装置(以下単に「標定装置」という。)の一例を示す説明図である。図において、1は測定対象となるCVケーブルで、心線導体を絶縁体、遮蔽層、絶縁シースの順で被覆した周知の構成である。このCVケーブル1の心線導体の検出端(以下「A端」及び「B端」として区別する。)のうち、A端には、保護抵抗2を介して課電手段となる直流電源3が接続され、その接地側には、電流検出用の抵抗4及び電流計5が直列に接続されている。6はペンレコーダである。また、CVケーブル1の両端の遮蔽層は、結合コンデンサ7及び検出手段となる信号検出用インピーダンス8を介して接地され、各信号検出用インピーダンス8,8から検出された部分放電信号(以下単に「信号」という。)が、夫々標定手段としてのデジタルオシロスコープ9へ入力可能となっている。
また、300mのCVケーブルの中央部に、人工的に欠陥を製作し、図1の標定装置を用いて直流高電圧を課電し部分放電を発生させた。このとき、CVケーブルの両端位置において、100kHz〜10MHzの帯域における信号の伝搬時間差を測定して部分放電の発生している欠陥の位置を標定したところ、ケーブル長さに対して1%の誤差で標定可能であった。
まず、部分放電が発生している際には、部分放電1回ごとにA端からの信号波形及びB端からの信号波形をデジタイズ(取り込み)してメモリに記録する。ここでS1においてA端で信号が時刻t1で検出され、B端で信号が時刻t2で検出されると、S2では、ケーブル長をL、ケーブル内の100kHz〜10MHzの帯域における信号の速度をCとしたとき、|t2−t1|≦L/Cの条件を満たすか否かを判別する。この条件を満たさない場合は同じ位置からの信号でないとして、位置標定を行わない(S3)。
そして、S7では、(t3−t1)>L/C及び(t4−t2)>L/Cの双方を満たすか否かを判別する。ここで両条件を満たさない場合は位置標定を行わず(S8)、両条件を満たす場合は、異なる位置X1,X2で部分放電が発生しているものとして、S9において以下の式1,2によって位置標定を行う。
なお、A端又はB端で次の信号が検出されない場合は、S9の式1のみによって位置標定を行い標定を終了する。
位置X2=(L−C×|t4−t3|)/2 ・・式2
なお、S10の判別で継続して標定を行う場合は、S11においてt3→t1及びt4→t2としてS4に戻り、同じ処理を繰り返すことになる。
例えば、A端からの距離X1(0≦X1≦L)で最初に部分放電が生じたとすると、X1からA端とB端に伝搬するときの伝搬距離の差は、│L−2X1│であるから、到達時間差は、│L−2X1|/Cとなる。到達時間差が最も大きくなるのは、A,B端近傍で部分放電が発生した場合であり、その値はL/Cに近くなる。
次にA端からの距離X2(X1<X2)において別の部分放電が発生したとする。X1で部分放電が発生した後にX2で部分放電が発生するまでの時間遅れtが、(X2−X1)/Cよりも短い場合には、B端で最初に測定される波形はX2での放電波形となり、波頭同士の時間差を基に部分放電点を計算すると正しい位置標定ができない。従って、(X2−X1)/Cの最大値であるL/Cよりも部分放電遅れ時間tが小さくなるときは、誤標定の可能性があるとして除外したものである。
なお、このような誤標定のケースが頻繁に出ないようにするために、課電する電圧はケーブル全長に亘る部分放電発生頻度がL/Cに比べて十分低くなるように調整されるべきである。
次に、本発明の他の形態について説明する。なお、先の形態1と同じ構成部には同じ符号を付して重複する説明は省略する。
数kmにも亘るような実際のCVケーブルでは、片端で検出された信号を測定端であるもう一方の端部まで送り返すため、図6に示す標定装置で測定を行う。すなわち、B端側の信号検出用インピーダンス8には、増幅器10を介して信号送り返し用ケーブル(3相ケーブルのうちの残り2相のどちらか)11の心線導体のC端が接続されており、検出端となるD端が標定手段としての測定器12に接続されるものである。
よって、B端側の信号検出用インピーダンス8で検出された信号は、増幅器10により増幅される。なお、ケーブル内を伝搬した信号は高周波側の方がより減衰されるため、増幅器10は、図6の下側に示すように高周波側の方がより大きく増幅されるものを使用する。増幅器10を通過した信号は、信号送り返し用ケーブル11を伝搬してD端に送り返される。よって、測定器12では、A端とD端とに到達した信号の時間差により、図7のフローチャートに従って部分放電発生位置(水トリー劣化位置)の位置標定を行うことになる。
また、D端へ送り返された信号のA端で得られた信号に対する遅れ時間は、A端近傍で部分放電が発生したときに最大となり、ケーブル長をL、ケーブル内の100kHz〜10MHzの帯域における信号の伝搬速度をCとすると、Δt+2L/Cとなる。この関係を図8の(1)に示す。つまり、D端で得られた信号をA端で得られた信号と比較すると、必ずΔt以上Δt+2L/C以下の遅れ時間を持つこととなる。
まず位置標定の実施前に既知の放電パルスをA端から注入することにより、測定回路の校正を行う。すなわち、A端から放電パルスを注入すると、B端において反射波と透過波が生じる。A端で反射波の到達時間Δt1を測定することにより、ケーブル内の100kHz〜10MHzの帯域における信号の速度Cは、ケーブル長をLとすると、C=2L/Δt1で求めることができる。また、増幅器10の時間遅れΔtは、信号送り返し用ケーブル11のD端で検出された信号の到達時間をΔt2とすると、Δt=Δt2−Δt1より求めることができる。
後のS29〜S33の処理は図4で説明したS7〜S11の処理と同様であるが、ここでは上記S22,26で夫々校正された時刻t2’,t4’が、夫々時刻t2、t4に代えて用いられることになる。
特にここでは、信号の到達時間差が、Δt以上Δt+2L/C以下となるもののみ発生位置の標定を行うようにしているので、信号とノイズとを判別して標定でき、標定精度の向上が期待できる。
また、形態2では増幅器によって折り返し側のCVケーブルを伝搬する信号を増幅しているが、増幅器の省略も可能である。
検出された信号を、課電時間7分間の間に最大300パルス分だけコンピュータに取り込み、取り込まれたパルスから部分放電発生位置を図4のフローチャートに従って伝搬時間差から計算して、ケーブル長を10mごとに区分した部分放電の発生位置の頻度分布を求めたところ、直流電圧課電を行ったケーブル端側から560mの位置を最大とした540mから570mの範囲の分布と、1070mの位置を最大とした1060mから1100mの範囲の分布が存在した。キック現象発生時に検出された信号は、10回とも直流電圧課電を行ったケーブル端側から550〜570mの位置を部分放電の発生位置として標定した。
また、破壊点近傍長手方向50mmのCVケーブルの絶縁体について、水トリーの発生状況を確認したところ、8個の絶縁体を橋絡した水トリーが発見された。
さらに、試験に供したCVケーブル線路のうち、直流電圧課電を行ったケーブル端側から1060mから1100mの範囲のケーブルを撤去して、前駆遮断試験(部分放電コンパレータを用いて絶縁破壊の前兆である部分放電を監視し、破壊寸前で電源を遮断する試験。)を行ったところ、前駆遮断点は1066mの位置となった。
Claims (8)
- 電力ケーブルに直流電圧を課電して、前記電力ケーブル内で発生した部分放電信号を前記電力ケーブルの両端で検出し、前記部分放電信号が前記電力ケーブルの両検出端に夫々到達する伝搬時間の時間差に基づいて、前記部分放電信号の発生位置を標定する電力ケーブルの部分放電発生位置標定方法であって、
前記電力ケーブルの両検出端において、前記部分放電信号を繰り返して検出し、前記両検出端での前記部分放電信号の検出時間差が、前記電力ケーブルの全長を前記部分放電信号が伝搬するのに要する時間以下となり、且つ各検出端での繰り返し検出時間間隔が、前記電力ケーブルの全長を前記部分放電信号が伝搬するのに要する時間よりも大きい部分放電信号について発生位置の標定を行うことを特徴とする電力ケーブルの部分放電発生位置標定方法。 - 一端同士を接続して折り返した2本の電力ケーブルに直流電圧を課電して、前記電力ケーブル内で発生した部分放電信号を前記両電力ケーブルの他端側で夫々検出し、前記部分放電信号が前記両電力ケーブルの検出端に夫々到達する伝搬時間の時間差に基づいて、前記部分放電信号の発生位置を標定する電力ケーブルの部分放電発生位置標定方法であって、
前記電力ケーブルの両検出端において、前記部分放電信号を繰り返して検出し、前記両検出端での前記部分放電信号の検出時間差が、前記2本の電力ケーブルの合計長を前記部分放電信号が伝搬するのに要する時間以下となり、且つ各検出端での繰り返し検出時間間隔が、1本の前記電力ケーブルの全長を前記部分放電信号が伝搬するのに要する時間よりも大きい部分放電信号について発生位置の標定を行うことを特徴とする電力ケーブルの部分放電発生位置標定方法。 - 一端同士を接続して折り返した2本の電力ケーブルに直流電圧を課電して、前記電力ケーブル内で発生した部分放電信号を前記両電力ケーブルの他端側で夫々検出し、前記部分放電信号が前記両電力ケーブルの検出端に夫々到達する伝搬時間の時間差に基づいて、前記部分放電信号の発生位置を標定する電力ケーブルの部分放電発生位置標定方法であって、
前記2本の電力ケーブルの間に増幅器を接続して折り返し側の電力ケーブルを伝搬する部分放電信号を増幅し、前記電力ケーブルの両検出端において、前記部分放電信号を繰り返して検出して、前記増幅により発生する遅れ時間をΔt、前記電力ケーブルの長さをL、前記部分放電信号の伝搬速度をCとして、前記両検出端での前記部分放電信号の検出時間差が、Δt以上Δt+2L/C以下となり、且つ各検出端での繰り返し検出時間間隔が、1本の前記電力ケーブルの全長を前記部分放電信号が伝搬するのに要する時間よりも大きい部分放電信号について発生位置の標定を行うことを特徴とする電力ケーブルの部分放電発生位置標定方法。 - 部分放電信号の発生位置の標定は、100kHz〜10MHzの帯域における部分放電信号の伝搬時間の時間差に基づいて行うようにしたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電力ケーブルの部分放電発生位置標定方法。
- 電力ケーブルに直流電圧を課電する課電手段と、前記課電により前記電力ケーブル内で発生した部分放電信号を前記電力ケーブルの両端で夫々検出する検出手段と、前記各検出手段に前記部分放電信号が夫々到達する伝搬時間の時間差に基づいて、前記部分放電信号の発生位置を標定する標定手段とを備える電力ケーブルの部分放電発生位置標定装置であって、
前記検出手段は、前記部分放電信号を繰り返して検出し、前記標定手段は、前記両検出端での前記部分放電信号の検出時間差が、前記電力ケーブルの全長を前記部分放電信号が伝搬するのに要する時間以下となり、且つ各検出端での繰り返し検出時間間隔が、前記電力ケーブルの全長を前記部分放電信号が伝搬するのに要する時間よりも大きい部分放電信号について発生位置の標定を行うことを特徴とする電力ケーブルの部分放電発生位置標定装置。 - 一端同士を接続して折り返した2本の電力ケーブルに直流電圧を課電する課電手段と、その課電により前記電力ケーブル内で発生した部分放電信号を前記両電力ケーブルの他端側で夫々検出する検出手段と、その検出手段に前記部分放電信号が夫々到達する伝搬時間の時間差に基づいて、前記部分放電信号の発生位置を標定する標定手段とを備える電力ケーブルの部分放電発生位置標定装置であって、
前記検出手段は、前記部分放電信号を繰り返して検出し、前記標定手段は、前記両検出端での前記部分放電信号の検出時間差が、前記2本の電力ケーブルの合計長を前記部分放電信号が伝搬するのに要する時間以下となり、且つ各検出端での繰り返し検出時間間隔が、1本の前記電力ケーブルの全長を前記部分放電信号が伝搬するのに要する時間よりも大きい部分放電信号について発生位置の標定を行うことを特徴とする電力ケーブルの部分放電発生位置標定装置。 - 一端同士を接続して折り返した2本の電力ケーブルに直流電圧を課電する課電手段と、その課電により前記電力ケーブル内で発生した部分放電信号を前記両電力ケーブルの他端側で夫々検出する検出手段と、その検出手段に前記部分放電信号が夫々到達する伝搬時間の時間差に基づいて、前記部分放電信号の発生位置を標定する標定手段とを備える電力ケーブルの部分放電発生位置標定装置であって、
前記2本の電力ケーブルの間に増幅器を接続して折り返し側の電力ケーブルを伝搬する部分放電信号を増幅し、前記検出手段は、前記電力ケーブルの両検出端において前記部分放電信号を繰り返して検出して、前記標定手段は、前記増幅により発生する遅れ時間をΔt、前記電力ケーブルの長さをL、前記部分放電信号の伝搬速度をCとして、前記両検出端での前記部分放電信号の検出時間差が、Δt以上Δt+2L/C以下となり、且つ各検出端での繰り返し検出時間間隔が、1本の前記電力ケーブルの全長を前記部分放電信号が伝搬するのに要する時間よりも大きい部分放電信号について発生位置の標定を行うことを特徴とする電力ケーブルの部分放電発生位置標定装置。 - 部分放電信号の発生位置の標定は、100kHz〜10MHzの帯域における部分放電信号の伝搬時間の時間差に基づいて行うようにしたことを特徴とする請求項5乃至7の何れかに記載の電力ケーブルの部分放電発生位置標定装置。
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