JP5213611B2 - 超音波探傷装置及び超音波探傷方法 - Google Patents
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R1’÷R1=W1’÷W1 ・・・(1)
R2’÷R2=W2’÷W2 ・・・(2)
の関係が成立するような曲面形状とし、検査対象と各超音波素子との間に超音波を伝播させるシューを設けたことを特徴とする。
R1’÷R1=W1’÷W1 ・・・(1)
R2’÷R2=W2’÷W2 ・・・(2)
の関係が成立するような曲面形状とし、検査対象と各超音波素子との間に超音波を伝播させるシューを設けることを特徴とする。
ここでは、まず本実施の形態の技術的背景について説明する。
R1’÷R1=W1’÷W1 ・・・(1)
R2’÷R2=W2’÷W2 ・・・(2)
の関係が成立するようにUTセンサ1の底面を曲面形状とし、検査対象2と超音波素子5間に超音波を伝播させるシュー7を設けている。すなわち、シュー7の上面(超音波素子5の搭載面)が上式(1)(2)の関係を満たす曲面形状をしており、底面が検査対象2の表面に当接する平面となっている。また、特に図示していないが、UTセンサ1は保護ケースで覆われている。
図11に示したUTセンサ1は、検査対象に面する複数の圧電素子18と、各圧電素子18の底面(検査対象との対向面)及び上面に設けられた電極10,10と、電極10,10に電圧を印加する信号線15と、上側の電極10上に設けられ発信した超音波のエネルギーを吸収するダンパー11とを備えている。圧電素子18としてはPZT、LiNbO3、PVDF等の圧電素子を、電極10,10としてはAu,Ag,Cu等の導電性の高い金属を、信号線15としては銅線を、ダンパー11としてはHf,W,Ta等の金属を樹脂に混合したものをそれぞれ用いることができる。また、これらを覆う図示しない保護ケースは、樹脂、金属のうち1つ以上の材質からなるものを成型して用いることができる。また、ダンパー11は超音波発信時の残振を減らすので、これを設けることによってS/Nを向上させることができる。このような構成の超音波素子5を上式(1)及び(2)を満足するようにn行m列に2次元配置する。
予想される欠陥3の形状と位置、UTセンサ1の形状と位置、検査対象2の形状を図10に示したキーボード26、記録メディア27のうち1つ以上の入力装置から入力する。また、検査対象2の欠陥3の位置・大きさ・発生頻度に関するデータが蓄積されているときは、それらのデータを欠陥発生事例データベースとして、キーボード26、記録メディア27のうち1つ以上の入力装置から入力する。これらの情報はI/Oポート25を介してCPU21に伝達され、HDD22、RAM23、ROM24の少なくとも1つの記憶装置に記憶される。これらの形状等の情報はI/Oポート25を介してCPU21に伝達され、ハードディスクドライブ(HDD)22、ランダムアクセスメモリ(RAM)23、リードオンリーメモリ(ROM)24の少なくとも1つの記憶装置に記憶される。
検査対象2の形状情報を基にCPU21で検査対象2の構造的な強度計算を実行し、その計算結果を基に欠陥3の形状及び位置を解析し予測しても良い。解析結果はHDD22、RAM23、ROM24のうちの少なくとも1つの記憶装置に記憶される。このように、CPU21は応力分布解析手段として機能し、解析によって特定した応力分布の高い箇所をUTの対象箇所とする。また、解析結果を記憶する記憶装置(先のHDD22、RAM23、ROM24のうちの少なくとも1つ)には、応力分布の解析結果がデータベースとして格納される。
検査対象2の形状、欠陥3の形状と位置、UTセンサ1の形状と位置、ステップ102で解析した欠陥形状及び位置情報に基づき、CPU21によってUTセンサ1を構成する各超音波素子5間の超音波発信開始時間差を計算する。
ここで、
Max(Lij):超音波収束点と超音波素子との距離の最大値
Lkl:超音波の収束点とi行j列番目の超音波素子間の距離
V:超音波音速
である。
検査対象2上にUTセンサ1を設置する。
超音波発信開始時間差に応じて、図10のパソコン9のI/O25ポート及びUT装置8のI/Oポート25、D/Aコンバータ30を介して、超音波素子5に電圧が印加され、超音波が発信される。
本実施の形態は、欠陥に対してSH波を発信する超音波素子を複数配置したUTセンサを有する超音波探傷装置であって、特に、発生する欠陥の角度が定まらない場合に有効な例である。概略的には、欠陥発生位置として想定される箇所に対して複数の方向から超音波が入射するように複数の超音波素子を配置する例であり、本実施の形態における超音波探傷装置はUTセンサの超音波素子の配列が異なる点とシューが不要である点を除いて第1の実施の形態と同様とする。
本実施の形態は、欠陥に対してSH波を発信する超音波素子を複数配置したUTセンサを有する超音波探傷装置であって、特に、探傷箇所に角度の異なる複数の欠陥の発生が想定される場合に有効な例であり、概略的には想定される各欠陥とそれぞれ直交する面上に超音波素子を配置した例である。第2の実施の形態では角度が予想できない単一の欠陥に対して各行の超音波素子の超音波素子の進行軸を合わせ、想定される欠陥発生位置に異なる複数の方向から超音波を入射させたのに対し、本実施の形態では角度の異なる複数の欠陥が発生する可能性が高い箇所に対して、想定される複数の欠陥のそれぞれに対して各行の超音波素子が超音波を発信する点で相違する。本実施の形態における超音波探傷装置はUTセンサの超音波素子の配列が異なる点を除いて第1の実施の形態と同様とする。
本実施の形態は、欠陥に対してSH波を発信する超音波素子を複数配置したUTセンサを有する超音波探傷装置であって、特に、発生する欠陥の位置及び角度を特定し得る場合にUT感度の更なる向上を図る上で有効な例である。本実施の形態における超音波探傷装置はUTセンサの超音波素子の配列が異なる点を除いて第1の実施の形態と同様とする。
本実施の形態は、他の実施の形態と同じく欠陥に対してSH波を発信する超音波素子を複数配置したUTセンサを有する超音波探傷装置であって、特に、UTセンサを検査対象の表面に固定せず位置及び角度を調整することで欠陥にSH波を発信する例である。概略的には、回転アクチュエータ及び少なくとも2軸の並進アクチュエータを有しUTセンサの平面移動と回転を可能とする移動機構と、検査対象2の強度計算あるいは欠陥発生事例データベースに基づいて欠陥発生位置と形状を予測し、予測した欠陥の法線と検査対象の表面とが交わる点を超音波発信点として導き出す演算部と、上記移動機構に指令して上記超音波発信点にUTセンサを移動させ、さらに上記演算した欠陥の位置に向けて発信する超音波がSH波となるようにUTセンサを回転させ、UTセンサに指令してSH波を発信させる指令部とを備える。以下に具体的構成を簡単に説明する。
図24に示したキーボード26、記録メディア27のうち1つ以上の入力装置から予想される欠陥3の形状と位置、UTセンサ1の形状と位置、検査対象2の形状を入力する。また、検査対象2の欠陥発生事例に関するデータが蓄積されているときは、それらの事例を欠陥の位置・大きさ・発生頻度に関するデータベースとして、キーボード26、記録メディア27のうち1つ以上の入力装置から入力する。これらの形状情報はI/Oポート25を介してCPU21に伝達され、HDD22、RAM23、ROM24のうち1つ以上の記憶装置に記憶される。このように、CPU21は応力分布解析手段として機能し、解析によって特定した応力分布の高い箇所をUTの対象箇所とする。また、解析結果を記憶する記憶装置(先のHDD22、RAM23、ROM24のうちの少なくとも1つ)には、応力分布の解析結果がデータベースとして格納される。
欠陥3の形状及び位置は、検査対象の形状情報に基づきCPU21で検査対象2の強度計算を行い、解析・予測しても良い。
欠陥3位置から法線方向に超音波を発信させた場合の超音波伝播経路をCPU21で解析し、検査対象2表面への射出点を求め、その射出点をセンサ設置位置としてHDD22、RAM23、ROM24のうち1つ以上の記憶装置に記憶する。図26は超音波伝播経路の解析方法の説明図で、欠陥3から欠陥3の法線方向に直線を引き、検査対象2内の面に当たった際には鏡面に反射されると仮定してセンサ設置面への到達点を求める。この到達点から超音波を発信すると欠陥3に入射されるため、この点を超音波発信点とする。したがって、図24の機能ブロック図の場合、CPU21が前述した演算部に該当する。
図27は各超音波素子の超音波発信開始時間計算方法の説明図である。図27において、UTセンサ1を構成する各超音波素子5と超音波収束点との距離Liを求め、k番目の超音波素子5の最初に発信開始する超音波素子との超音波発信開始時間差dtkをCPU21で次のように計算し、
dtk=(Max(Li)−Lk)÷V ・・・(4)
HDD22、RAM23、ROM24のうち1つ以上の記憶装置に記憶させる。
ここで、
Li:超音波収束点とi行目の超音波素子との距離
Lk:超音波収束点とk行目の超音波素子との距離
Max(Li):超音波収束点とi行目の超音波素子との距離の最大値
V:超音波音速
を表す。超音波発信開始時間差を上式(4)に従って求めることにより、各超音波素子5から収束点36に同時に超音波が到達し、収束点36の超音波強度が高められて信号強度が向上する。
UTセンサ1を固定したUTセンサ移動機構12を吸盤17で検査対象2上に固定する。また、UTセンサ1の初期設置位置をキーボード26から入力し、I/Oポート25を介してCPU21に伝達し、HDD22、RAM23、ROM24のうち1つ以上の記憶装置に記憶させる。
ステップ203で求めた超音波発信点とステップ205で記録したUTセンサ1の位置に基づき、図24に示したCPU21からI/Oポート25を介してアクチュエータドライバ14にUTセンサ1の移動量の信号を送り、アクチュエータドライバ14からアクチュエータ13に電力を供給し、UTセンサ1を設置位置に移動させ、角度を調整する。したがって、図24の機能ブロック図の場合、CPU21が前述した指令部にも該当する。
先に求めた超音波発信開始時間差を基に、図24に示したパソコン9のI/Oポート25及びUT装置8のI/Oポート25、D/Aコンバータ30を介して超音波素子5に電圧を印加し、超音波を発信する。
2 検査対象
3 欠陥
4 反射面
5 超音波素子
6 保護ケース
7 シュー
8 UT装置
9 パソコン
10 電極
11 ダンパー
12 UTセンサ移動機構
13 アクチュエータ
13a 並進アクチュエータ
13b 回転アクチュエータ
14 アクチュエータドライバ
15 信号線
16 格納容器
17 固定機構
18 圧電素子
21 CPU
22 HDD
23 RAM
24 ROM
25 I/Oポート
27 記録メディア
28 モニタ
29 A/Dコンバータ
30 D/Aコンバータ
41 ディスク
42 タービン動翼
43 フォークピン
46 ディスクフォーク
45 ディスク側ピン穴
48 翼取り付け部
50 翼フォーク
51 ピン穴
52 張出部
53 翼取り付け面
Claims (9)
- 検査対象の形状を基に計算した当該検査対象の構造強度から前記検査対象の応力分布を解析する応力分布解析装置、応力分布の解析結果を蓄積した応力分布解析結果データベース、及び検査対象における欠陥の発生事例を蓄積した欠陥発生事例データベースのうちの少なくとも一つと、欠陥に対して水平偏波横波を発信する超音波素子を複数配置した超音波探傷センサとを有する超音波探傷装置であって、
前記検査対象の応力分布、及び前記欠陥の発生事例の少なくとも一方を基に想定される3次元曲面形状の欠陥の長径方向の長さ及び曲率をそれぞれW1,R1、前記欠陥の短径方向の長さ及び曲率をそれぞれW2,R2、前記超音波探傷センサの長径方向の長さ及び曲率をそれぞれW1’,R1’、前記超音波探傷センサの短径方向の長さ及び曲率をそれぞれW2’,R2’とした場合、前記超音波探傷センサの底面を、
R1’÷R1=W1’÷W1 ・・・(1)
R2’÷R2=W2’÷W2 ・・・(2)
の関係が成立するような曲面形状とし、検査対象と各超音波素子との間に超音波を伝播させるシューを設けたことを特徴とする超音波探傷装置。 - 検査対象の形状を基に計算した当該検査対象の構造強度から前記検査対象の応力分布を解析する応力分布解析装置、応力分布の解析結果を蓄積した応力分布解析結果データベース、及び検査対象における欠陥の発生事例を蓄積した欠陥発生事例データベースのうちの少なくとも一つと、欠陥に対して水平偏波横波を発信する超音波素子を複数配置した超音波探傷センサとを有する超音波探傷装置であって、
前記検査対象の応力分布、及び前記欠陥の発生事例の少なくとも一方を基に探傷箇所に角度の異なる複数の欠陥の発生が想定される場合、各欠陥とそれぞれ直交する面上に前記超音波素子を配置したことを特徴とする超音波探傷装置。 - 検査対象の形状を基に計算した当該検査対象の構造強度から前記検査対象の応力分布を解析する応力分布解析装置、応力分布の解析結果を蓄積した応力分布解析結果データベース、及び検査対象における欠陥の発生事例を蓄積した欠陥発生事例データベースのうちの少なくとも一つと、欠陥に対して水平偏波横波を発信する超音波素子を複数配置した超音波探傷センサとを有する超音波探傷装置であって、
回転アクチュエータ及び少なくとも2軸の並進アクチュエータを有し前記超音波探傷センサの平面移動と回転を可能とする移動機構と、
検査対象の形状情報を基に強度計算を実行し想定される欠陥の形状及び位置を算出する演算部と、
前記移動機構に指令して前記超音波発信点に超音波探傷センサを移動させる指令部とを備え、
前記検査対象の応力分布、及び前記欠陥の発生事例の少なくとも一方を基に探傷箇所に角度の異なる複数の欠陥の発生が想定される場合、前記演算部により、算出した欠陥の法線と検査対象の表面とが交わる点を超音波発信点として導き出し、前記指令部により、前記移動機構に指令して前記演算した欠陥の位置に向けて発信する超音波が水平偏波横波となるように前記超音波探傷センサを回転させ、前記超音波探傷センサに指令して水平偏波横波を発信させることを特徴とする超音波探傷装置。 - 欠陥に対して水平偏波横波を発信する超音波素子を複数配置した超音波探傷センサを用いた超音波探傷方法であって、
想定される3次元曲面形状の欠陥の長径方向の長さ及び曲率をそれぞれW1,R1、前記欠陥の短径方向の長さ及び曲率をそれぞれW2,R2、前記超音波探傷センサの長径方向の長さ及び曲率をそれぞれW1’,R1’、前記超音波探傷センサの短径方向の長さ及び曲率をそれぞれW2’,R2’とした場合、前記超音波探傷センサの底面を、
R1’÷R1=W1’÷W1 ・・・(1)
R2’÷R2=W2’÷W2 ・・・(2)
の関係が成立するような曲面形状とし、検査対象と各超音波素子との間に超音波を伝播させるシューを設けることを特徴とする超音波探傷方法。 - 検査対象の形状を基に計算した当該検査対象の構造強度から前記検査対象の応力分布を解析する応力分布解析装置、応力分布の解析結果を蓄積した応力分布解析結果データベース、及び検査対象における欠陥の発生事例を蓄積した欠陥発生事例データベースのうちの少なくとも一つと、欠陥に対して水平偏波横波を発信する超音波素子を複数配置した超音波探傷センサとを有する超音波探傷装置を用いた超音波探傷方法であって、
前記検査対象の応力分布、及び前記欠陥の発生事例の少なくとも一方を基に探傷箇所に角度の異なる複数の欠陥の発生が想定される場合、各欠陥とそれぞれ直交する面上に前記超音波素子を配置することを特徴とする超音波探傷方法。 - 検査対象の形状を基に計算した当該検査対象の構造強度から前記検査対象の応力分布を解析する応力分布解析装置、応力分布の解析結果を蓄積した応力分布解析結果データベース、及び検査対象における欠陥の発生事例を蓄積した欠陥発生事例データベースのうちの少なくとも一つと、欠陥に対して水平偏波横波を発信する超音波素子を複数配置した超音波探傷センサとを有する超音波探傷装置を用いた超音波探傷方法であって、
前記検査対象の応力分布、及び前記欠陥の発生事例の少なくとも一方を基に探傷箇所に角度の異なる複数の欠陥の発生が想定される場合、
検査対象の形状情報を基に強度計算を実行し想定される欠陥の形状及び位置を算出し、算出した欠陥の法線と検査対象の表面とが交わる点を超音波発信点として導き出し、
前記超音波発信点に超音波探傷センサを移動させ、さらに前記演算した欠陥の位置に向けて発信する超音波が水平偏波横波となるように前記超音波探傷センサを回転させ、前記超音波探傷センサによって前記演算した欠陥の位置に水平偏波横波を発信させる
ことを特徴とする超音波探傷方法。 - 請求項4−6のいずれかの超音波探傷方法において、検査対象の形状を基に検査対象の応力分布を解析し、その解析によって特定した応力分布の高い箇所を超音波探傷することを特徴とする超音波探傷方法。
- 請求項4−6のいずれかの超音波探傷方法において、応力分布解析結果に基づき作成されたデータベース上の応力分布の高い箇所を超音波探傷することを特徴とする超音波探傷方法。
- 請求項4−6のいずれかの超音波探傷方法において、欠陥発生事例データベースに基づき欠陥発生頻度の高い箇所を超音波探傷することを特徴とする超音波探傷方法。
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