JP5213070B2 - 無線通信網接続システム、無線通信網接続方法 - Google Patents

無線通信網接続システム、無線通信網接続方法 Download PDF

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Description

本発明は、無線通信網接続システムに関し、特にWiMAX通信における無線通信網接続システムに関する。
WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)とは、IEEE(米国電気電子学会)で承認された固定無線通信の標準規格(IEEE 802.16a)である。WiMAX接続サービスを運用する通信事業者においては、WiMAX網への接続方式として、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)というIPアドレス(Internet Protocol Address)配布方式を適用している。
従来、DHCP方式は、主にLAN(Local Area Network)での利用が進んでおり、通信事業者の運営するサービスとしてWAN(Wide Area Network)で利用されることは極めて希であった。
また、WAN上でDHCPによるIPアドレス配布の運用を実施する場合、世界的に枯渇状態になってきているIPv4(Internet Protocol Version 4)のグローバルIPアドレスの消費を最小限に抑えるため、IPアドレスをサブネット「/32」で配布する事業者が出てきている。
なお、グローバルIPアドレスは、インターネットに接続される機器に一意に割り当てられるIPアドレスである。IPアドレスは、サブネットのアドレス(ネットワークアドレス)と、サブネット内でのコンピュータ自身のアドレス(ホストアドレス)から構成されており、上位何ビットがネットワークアドレスかを表す値を「サブネットマスク」という。サブネットマスクは、2進数で、IPアドレスのネットワークアドレス部を全て1として表現し、ホストアドレス部を全て0として表現する。IPアドレスとサブネットマスクのビットの論理積を計算することによって、IPアドレスのネットワークアドレス部を取得できる。
「/32」は、サブネット長(IPアドレスのうちサブネットのアドレスに使用するビット長)が32ビットである旨を示す。IPv4のIPアドレスでは、8ビットずつ4つに区切られた32ビットの数値が使用される。従って、サブネット「/32」の場合のサブネットマスクは、2進数で、「11111111 11111111 11111111 11111111」となり、10進数で、「255.255.255.255」となる。
しかしながら、従来LAN上で利用されてきたDHCPであるため、サブネットが「/32」で運用されるケースは無く、ほとんどのルータ(router)がサブネット「/32」で配布されたIPアドレスに対応できず、WiMAX網への接続が出来なくなると言った問題点が発生している。
更に、常時接続、かつ様々なコンテンツをストレスなく利用できるワイヤレスブロードバンドインターネットの普及が本格化している中で、特に通信事業者の提供するWiMAX網等において、WiMAX網に簡易的に接続可能とするためのゲートウェイアダプタ装置やルータ装置等が加入者側端末機器として必要となってきている。
なお、ゲートウェイアダプタ装置は、データリンク層(第2層)のデータでパケットの行き先を判断して転送を行う。ゲートウェイアダプタ装置は、WiMAX対応のレイヤ2スイッチ(layer 2 switch)と読み替えても良い。ルータ装置は、ネットワーク層(第3層)のデータでパケットの行き先を判断して転送を行う。ルータ装置は、レイヤ3スイッチ(layer 3 switch)と読み替えても良い。
また、WiMAX網への接続を行うためには、加入者側端末機器が通信事業者から配布されるグローバルIPアドレスを使用して接続をしなければならない。
しかしながら、現状は通信事業者から付与されるグローバルIPアドレスはサブネット「/32」で配布されるため、加入者側端末機器においてはサブネット「/32」で配布されるグローバルIPアドレスを処理する必要が出てくる。
ルータ装置の場合はレイヤ3でIP通信を処理するため、通信事業者から付与されるグローバルIPアドレスを自装置内で処理するように、ソフトウェア処理の変更をルータベンダ側にて対応すれば可能であるが、WiMAX網とルータ装置間にゲートウェイアダプタ装置が介在する場合は、ルータベンダの機器販売が伴わないにも関わらず、世の中に存在する全てのルータベンダがサブネット「/32」で配布されるグローバルIPアドレスに対応可能となるようにソフトウェアの変更を行わなければならないため、現実問題としてその対応は不可能である。
そのため、WiMAX網へ接続させるために、ルータはWiMAX接続用のインタフェースを各々の装置で実装しなければならないといった問題が浮上しており、WiMAX普及の妨げになるといった課題が生じていた。
関連する技術として、特許文献1(特開2008−035250号公報)に情報提供サービス制御システムが開示されている。この間連技術では、DHCPサーバからIPアドレスを取得する際、拡張フィールドにマーカ装置のハードウェアアドレス(MACアドレス)を挿入して問い合わせる。DHCPサーバでは、マーカ装置のMACアドレスを基に地域コードを検索し、ユーザ端末に対して回答する。しかし、特許文献1に記載の技術では、DHCPの仕組みは使っているが、WiMAX網とルータ間でのDHCP書き換え処理を行っているわけではなく、あくまでDHCPフィールドの中に端末位置情報を登録し、DHCPメッセージを利用しているだけである。
また、特許文献2(特開2009−188648号公報)にゲートウェイ装置、通信方法、プログラム、および通信システムが開示されている。この間連技術では、ゲートウェイYは、バックボーンネットワークを介して受信したメッセージを無線でブロードキャストする。このとき、ゲートウェイYのデータ処理部が、メッセージに含まれるゲートウェイアドレスを、自装置のアドレスであるYに変更する。当該ゲートウェイアドレスがYに変更されたメッセージは、無線通信装置C、および無線通信装置Bを経てゲートウェイXに到達する。特許文献2は、自装置が宛先でないパケットに対して、フラッディング(Flooding)するメッセージのゲートウェイアドレスフィールドを認識しているアドレスに書き換えると言う方式である。
また、特許文献3(特開2010−062812号公報)に無線アクセスネットワークシステムが開示されている。この間連技術では、WiMAX通信システムは、端末と、端末が無線接続される基地局と、端末にIPアドレスを割り当てるDHCPサーバとを備える。基地局は、自身が選択するための複数のIPアドレスを含む管理テーブルTを有する。DHCPサーバは、基地局が選択するIPアドレスのネットワークアドレスと、前記ネットワークアドレス毎に割り当てた端末用の複数のIPアドレスとを含む管理テーブルを有する。特許文献3は、WiMAX網において、端末に割り当てるIPアドレスを基地局に割り与えたIPアドレスと異なるアドレスを割り振ると言うIPアドレス管理方法に関して言及したものである。
また、特許文献4(特開平10−190715号公報)にネットワークスイッチング方式が開示されている。この間連技術では、各ローカルスイッチがイントラネットのルーティングテーブルの作成をイントラネットルーティングテーブル部で行うとともに、作成されたルーティングテーブルに基づいて、イントラネットルーティングテーブル部でイントラネットセグメントとしてのVLAN間のルーティングを処理し、ローカルルータスイッチのメインルータが接統されるポートへはインターネットセグメントのトラヒックのみが送られるようにパケットをフィルタリングする。特許文献4は、パケットフィルタリングによるトラフィック軽減を行うための発明である。
特開2008−035250号公報 特開2009−188648号公報 特開2010−062812号公報 特開平10−190715号公報
本発明の目的は、本来ルータ装置で行うべき処理を、WiMAX網に接続するためのゲートウェイアダプタ装置にて行う無線通信網接続システムを提供することである。
本発明の無線通信網接続システムは、特定の無線通信網に存在するDHCPサーバに対してIPアドレスの付与を要求するルータ機器と、当該ルータ機器と当該特定の無線通信網との接続を行い、当該DHCPサーバからの応答を受信した際、当該応答に含まれるIPアドレスの32ビットのサブネットが、32ビットより小さいサブネットになるようにサブネットマスクを変換して当該ルータ機器に通知するゲートウェイアダプタとを含む。
本発明の無線通信網接続方法では、ルータ機器において、特定の無線通信網に存在するDHCPサーバに対してIPアドレスの付与を要求する。また、ゲートウェイアダプタにおいて、当該ルータ機器と当該特定の無線通信網との接続を行う。また、当該ゲートウェイアダプタにおいて、当該DHCPサーバからの応答を受信した際、当該応答に含まれるIPアドレスの32ビットのサブネットが、32ビットより小さいサブネットになるようにサブネットマスクを変換して当該ルータ機器に通知する。
本発明のプログラムは、上記の無線通信網接続方法におけるゲートウェイアダプタとしての動作を、計算機に実行させるためのプログラムである。なお、本発明のプログラムは、記憶装置や記憶媒体に格納することが可能である。
既存ルータの交換や機能変更を伴うことなくWiMAX網の利用が可能となる。
本発明の無線通信網接続システムの全体構成例を示す概念図である。 現状におけるDHCP接続シーケンスを示す図である。 第1実施形態におけるサブネット変換処理の対象となるDHCPメッセージを説明するための図である。 ゲートウェイアダプタの構成例を示すブロック図である。 本発明におけるDHCP接続シーケンスの図である。 DHCPメッセージフォーマットにおけるサブネット変換対象フィールドを説明するための図である。 第1実施形態におけるサブネット変換対象フィールドの詳細を説明するための図である。 サブネット変換テーブルを説明するための図である。 第2実施形態におけるゲートウェイ変換処理の対象となるDHCPメッセージを説明するための図である。 第2実施形態におけるサブネット変換対象フィールドの詳細を説明するための図である。
<第1実施形態>
以下に、本発明の第1実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1を参照すると、本発明の無線通信網接続システムは、加入者宅内ローカルネットワーク10と、WiMAX網20と、インターネット30を含む。
加入者宅内ローカルネットワーク10は、WiMAX接続サービスを利用するWiMAX加入者宅内のローカルネットワークである。なお、加入者(Subscriber)は、自然人に限らず、企業等の法人でも良い。すなわち、加入者宅内ローカルネットワーク10は、企業等の組織内ネットワークでも良い。
WiMAX網20は、WiMAX通信事業者が提供するWiMAXサービス網である。
インターネット30は、インターネットサービス網である。なお、インターネット30は、WAN(Wide Area Network)、バックボーン(Backbone)、ケーブルテレビ(CATV)回線、或いは次世代ネットワーク(NGN:Next Generation Network)等でも良い。
[各通信網の詳細]
加入者宅内ローカルネットワーク10は、ゲートウェイアダプタ11と、ルータ機器12と、加入者端末13(13−i、i=1〜n:nは端末数)を含む。
ゲートウェイアダプタ11は、加入者宅内に設置されるゲートウェイアダプタ装置で、加入者宅内に設置されるルータやスイッチ等のネットワーク装置と、WiMAX等のモバイル回線サービス網との通信を可能にするためのメディア変換を行う機能を有する。
ルータ機器12は、加入者宅内に設置されるルータ機器で、加入者宅内のローカルネットワークとインターネット等のIP網とのIP通信を実現するため、ルーティング処理等を行う機能を有する。
加入者端末13(13−i、i=1〜n)は、加入者宅内に設置されるユーザ端末である。加入者端末13(13−i、i=1〜n)の例として、PC(パソコン)、モバイルノートPC、シンクライアント端末、ワークステーション、携帯電話機、カーナビ(カーナビゲーションシステム)、携帯型ゲーム機、家庭用ゲーム機、ガジェット(電子機器)、ハンディターミナル、双方向テレビ、デジタルチューナー、デジタルレコーダー、情報家電(information home appliance)、POS(Point Of Sales )端末、OA(Office Automation)機器、IP電話対応の電話機等が考えられる。但し、実際には、これらの例に限定されない。
WiMAX網20は、DHCPサーバ21と、認証サーバ22と、制御装置23と、基地局(BS:Base Station)24を含む。
DHCPサーバ21は、WiMAX事業者等のネットワーク内に設置されており、WiMAXに接続される通信機器に付与するIPアドレスをDHCP方式で配布するためのDHCPサーバである。
認証サーバ22は、WiMAX事業者等のネットワーク内に設置されており、WiMAX網20への接続を要求する端末に対して、端末認証を行うための認証サーバである。
制御装置23は、WiMAX事業者等のネットワーク内に設置されており、基地局(BS)24からの信号とインターネット等への接続を処理するための制御装置である。制御装置23は、ロードバランサ(Load Balancer:負荷分散装置)やSIP(Session Initiation Protocol)サーバ等でも良い。
基地局(BS)24は、WiMAX事業者等のネットワーク内に設置され、無線端末との間で、WiMAXによる無線通信を行うための装置である。
なお、DHCPサーバ21、認証サーバ22、及び制御装置23は、一体化していても良い。例えば、DHCPサーバ21、認証サーバ22、及び制御装置23は、同一の物理サーバ上に構築された仮想マシン(Virtual Machine(VM))でも良い。但し、実際には、これらの例に限定されない。
WiMAX網20の加入者は、ルータ機器12からWiMAX網20へ接続するために、WiMAX通信事業者から配布されたグローバルIPアドレスを利用して、WiMAX網20への接続を行う。
WiMAX通信事業者は、グローバルIPアドレスの配布の方式として、DHCP方式でDHCPサーバ21からルータ機器12にグローバルIPアドレスを付与する。そのため、WiMAX事業者側のDHCPサーバ21とルータ機器12との間で、DHCPメッセージのやりとりが行われる。
ルータ機器12は、DHCPメッセージの交換処理を行った結果、グローバルIPアドレスが付与されると、付与されたIPアドレスを利用してインターネット30との通信を行う。
加入者端末13(13−i、i=1〜n)に付与されるIPアドレスは、プライベートIPアドレスであると好適である。この場合、ルータ機器12は、NAT(Network Address Translation)/IPマスカレードにより、プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスを変換し、加入者端末13(13−i、i=1〜n)とWiMAX網20との間のIP通信を中継する。或いは、ルータ機器12は、プロキシサーバ(proxy server)として、加入者端末13(13−i、i=1〜n)とWiMAX網20との間のIP通信を一元管理するようにしても良い。
なお、加入者端末13(13−i、i=1〜n)に対しても、DHCPサーバからIPアドレスを配布する場合は、加入者宅内ローカルネットワーク10内に、加入者端末13(13−i、i=1〜n)とDHCPサーバとの間のDHCPメッセージを仲介するDHCPリレーエージェントを設けても良い。無論、ルータ機器12自体が、DHCPリレーエージェントを兼務していても良い。
[現状におけるDHCP接続シーケンス]
次に、図2を参照して、現状におけるDHCP接続シーケンスの説明を行う。
(1)DHCP Discover
WiMAX加入者が加入者端末13(13−i、i=1〜n)を用いてWiMAX網20への接続を試みようとした場合、加入者宅内側に設置されているルータ機器12からWiMAX網20内に設置されたDHCPサーバ21に対して、UDPプロトコルを利用して、ブロードキャストで「DHCP Discover」メッセージパケットを送信する。
(2)DHCP Offer
DHCPサーバ21は、ブロードキャストで「DHCP Discover」メッセージパケットを受信した場合、送信元のルータ機器12に対して割付可能なIPアドレス(ユーザIPアドレス)を入れた「DHCP Offer」メッセージパケットとして返信する。ルータ機器12は、返信された複数の「DHCP Offer」メッセージパケットから1個を選択する。通常は、最も先に受信した「DHCP Offer」メッセージパケットを選択する。
(3)DHCP Request
更に、ルータ機器12は、選択された「DHCP Offer」メッセージパケットに含まれるユーザIPアドレスを取り出し、「DHCP Request」メッセージパケットのベンダー情報部にコピーした後、ブロードキャストで「DHCP Request」メッセージパケットを送信する。DHCPサーバ21は、「DHCP Request」メッセージパケットを受信した場合、サーバ自身が送出したIPアドレスが返送された事を確認して、自分が選択されたことを認識する。
(4)DHCP PACK(OKの場合)
DHCPサーバ21は、問題が無ければ「DHCP PACK」メッセージパケットを返信する。ここでは、DHCPサーバ21は、サーバ自身が送出したIPアドレスと、ルータ機器12から返信されたIPアドレスが同一であれば、ルータ機器12に「DHCP PACK」メッセージパケットを返信する。ルータ機器12は、「DHCP PACK」メッセージパケットを正常に受信した場合は、「DHCP Offer」メッセージパケットで指定されたIPアドレスを自分のIPアドレスとして保存し、以降はこのIPアドレスでIP通信を行うように内部設定する。
(5)DHCP NACK(NGの場合)
DHCPサーバ21は、問題があれば「DHCP NACK」メッセージパケットを返信する。ここでは、DHCPサーバ21は、サーバ自身が送出したIPアドレスと、ルータ機器12から返信されたIPアドレスが同一でなければ、ルータ機器12に「DHCP NACK」メッセージパケットを返信する。ルータ機器12は、「DHCP NACK」メッセージパケットが返信された時は、再度「DHCP Discover」メッセージパケットの送信からやり直す。
WiMAX網20においては、加入者へのDHCPアドレスの配布に上記シーケンスを利用しており、グローバルIPアドレスはサブネット「/32」で配布される。そのため、ルータ機器12にはサブネット「/32」を持ったIPアドレスが「DHCP Offer」メッセージパケットとして到達する。
ルータ機器12は、「DHCP Offer」メッセージパケットから「/32」のIPアドレスを取り出し、処理を行わなければならないが、ルータ機器の実装によっては処理できない機器もある。処理できる/できないはルータ機器のベンダー依存である。
[サブネット変換処理]
上記解決策として、ルータ機器12とWiMAX網20との間に接続されたゲートウェイアダプタ11において、サブネット変換処理を行う必要がある。
[サブネット変換処理の対象となるDHCPメッセージ]
図3では、ゲートウェイアダプタ11において、WiMAX通信事業者側のDHCPサーバ21から加入者側のルータ装置12にDHCP方式にて付与されるIPアドレスのサブネット「/32」をサブネット「/24」に変換するサブネット変換処理を示している。図3では、「xxx.xxx.xxx.xxx」は、IPアドレスを示す。
なお、IPアドレスのサブネット「/32」をサブネット「/24」に変換するサブネット変換処理とは、IPアドレスのサブネットマスク「255.255.255.255」を、サブネットマスク「255.255.255.0」に変換することを示す。
ゲートウェイアダプタ11がサブネット変換処理を行うメッセージパケットは、「DHCP Offer」、「DHCP PACK」、「DHCP NACK」である。
[ゲートウェイアダプタの構成]
図4を参照して、サブネット変換処理を行う際のゲートウェイアダプタ11の構成の詳細について説明する。
ゲートウェイアダプタ11は、サブネット変換処理部111と、LAN接続部112と、WiMAX網接続部113を備える。
サブネット変換処理部111は、DHCPメッセージフィールドにおけるサブネットを変換するためのサブネット変換処理モジュールである。
LAN接続部112は、ゲートウェイアダプタ11内にてLANへ接続するためのLAN接続処理モジュールである。
WiMAX網接続部113は、ゲートウェイアダプタ11内にてWiMAX網へ接続するためのWiMAX網接続処理モジュールである。
サブネット変換処理部111は、CPU(Central Processing Unit)1111と、FlashROM(Flash Memory)1112と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)1113を備える。
CPU1111は、ゲートウェイアダプタ11内にて制御/処理を行うためのCPUモジュールである。
FlashROM1112は、ゲートウェイアダプタ11内にてデータを蓄積するための不揮発性メモリである。
DRAM1113は、ゲートウェイアダプタ11内にてデータを自由に読み書きするため、一時的にデータを蓄積するためのメモリである。
LAN接続部112は、EtherPHY1121と、Etherコネクタ1122を備える。
EtherPHY1121は、ルータやスイッチ等のネットワーク機器とLAN接続されたインタフェース制御をゲートウェイアダプタ11内にて処理するための制御モジュールである。
Etherコネクタ1122は、ルータやスイッチ等のネットワーク機器とLAN接続するためのLANコネクタである。
WiMAX網接続部113は、USB(Universal Serial Bus)コントローラ1131と、USBコネクタ1132を備える。
USBコントローラ1131は、ゲートウェイアダプタ11内にてWiMAX網へ接続するためのデータ通信端末とUSBインタフェースをコントロールするための制御モジュールである。
USBコネクタ1132は、WiMAX網へ接続するためのデータ通信端末と接続するためのUSBコネクタである。
図示しないが、上記のデータ通信端末は、WiMAX対応の外部接続機器であり、ゲートウェイアダプタ11とUSB接続する。なお、データ通信端末は、WiMAX対応の拡張カードでも良い。また、データ通信端末は、ゲートウェイアダプタ11とUSB以外の規格で接続しても良い。USBは一例に過ぎない。他の例として、USB 2.0、USB 3.0、HDMI、D−Sub、ExpressCard/34 /54、SDメモリカード対応ダイレクト・メモリースロット等が考えられる。
[本実施形態におけるDHCP接続シーケンス]
次に、図5を参照して、本発明におけるDHCP接続シーケンスの説明を行う。ここでは、本実施形態におけるサブネット変換処理を行う場合のDHCP接続シーケンスについて説明する。
(1)DHCP Discover
WiMAX加入者が加入者端末13(13−i、i=1〜n)を用いてWiMAX網20への接続を試みようとした場合、加入者宅内側に設置されているルータ機器12は、WiMAX網20内に設置されたDHCPサーバ21に対して、UDPプロトコルを利用して、ブロードキャストで「DHCP Discover」メッセージパケットを送信する。
(2)DHCP Offer
DHCPサーバ21は、ブロードキャストで「DHCP Discover」メッセージパケットを受信した場合、ルータ機器12に対して割付可能なIPアドレス(ユーザIPアドレス)を入れた「DHCP Offer」メッセージパケットとして返信する。この時、「DHCP Offer」メッセージパケットには、サブネット「/32」が含まれている。
(3)変換
ゲートウェイアダプタ11は、DHCPサーバ21から「DHCP Offer」メッセージパケットを受信する。ゲートウェイアダプタ11は、ルータ機器12に「DHCP Offer」メッセージパケットを送信する前に、サブネット変換処理を行い、ルータ機器12に、サブネット長が32ビット(サブネット「/32」)以外のサブネットを持つIPアドレスを通知する。
ここでは、変換後のサブネット長を24ビット(サブネット「/24」)としている。ゲートウェイアダプタ11は、サブネット「/32」をサブネット「/24」に変換する処理を行い、ルータ機器12に、サブネット長が24ビット(サブネット「/24」)のIPアドレスを通知する。
但し、実際には、変換後のサブネット長は24ビット(サブネット「/24」)以外でも良い。例えば、16ビット(サブネット「/16」)や8ビット(サブネット「/8」)でも良い。論理的には、サブネット長は、0ビットより大きく32ビットより小さければ良い。すなわち、ゲートウェイアダプタ11は、ルータ機器12に、サブネットマスク「/x」(0<x<32)のサブネット長を持ったIPアドレスを通知すれば良い。
ルータ機器12は、サブネット長変換後の「DHCP Offer」メッセージパケットから1個を選択しようとするが、従来方式では処理できなかったサブネット「/32」がサブネット「/24」で通知されるため、ルータ機器12において、受信した「DHCP Offer」メッセージパケットを選択する処理が行える。
(4)DHCP Request
ルータ機器12は、この「DHCP Offer」メッセージパケットに含まれるユーザIPアドレスを取り出し、「DHCP Request」メッセージパケットのベンダー情報部にコピーした後、ブロードキャストで「DHCP Request」メッセージパケットを送信する。DHCPサーバ21は、ルータ機器12から「DHCP Request」メッセージパケットを受信した場合、サーバ自身が送出したIPアドレスが返送された事を確認して、自分が選択されたことを認識する。
(5)DHCP PACK(OKの場合)
DHCPサーバ21は、問題が無ければ「DHCP PACK」メッセージパケットを返信する。ここでは、DHCPサーバ21は、サーバ自身が送出したIPアドレスと、ルータ機器12から返信されたIPアドレスが同一であれば、ルータ機器12に「DHCP PACK」メッセージパケットを返信する。なお、DHCPサーバ21は、IPアドレスの値自体を比較して同一であるか確認するため、サブネット変換処理による影響は無い。
(6)変換
ゲートウェイアダプタ11は、DHCPサーバ21から「DHCP PACK」メッセージパケットを受信する。ゲートウェイアダプタ11は、ルータ機器12に「DHCP PACK」メッセージパケットを送信する前に、サブネット変換処理を行い、サブネット「/32」をサブネット「/24」に変換する。ゲートウェイアダプタ11は、ルータ機器12にサブネット長が24ビット(サブネット「/24」)のIPアドレスを通知する。ルータ機器12は、「DHCP PACK」メッセージパケットを正常に受信した場合は、「DHCP Offer」メッセージパケットで指定されたIPアドレスを自分のIPアドレスとして保存し、以降はこのIPアドレスでIP通信を行うように内部設定する。
(7)DHCP NACK(NGの場合)
DHCPサーバ21は、問題があれば「DHCP NACK」メッセージパケットを返信する。ここでは、DHCPサーバ21は、サーバ自身が送出したIPアドレスと、ルータ機器12から返信されたIPアドレスが同一でなければ、ルータ機器12に「DHCP NACK」メッセージパケットを返信する。
(8)変換
ゲートウェイアダプタ11は、DHCPサーバ21から「DHCP NACK」メッセージパケットを受信する。ゲートウェイアダプタ11は、ルータ機器12に「DHCP NACK」メッセージパケットを送信する前に、サブネット変換処理を行い、サブネット「/32」をサブネット「/24」に変換する。ゲートウェイアダプタ11は、ルータ機器12にサブネット長が24ビット(サブネット「/24」)のIPアドレスを通知する。ルータ機器12は、「DHCP NACK」メッセージパケットが返信された時は、再度「DHCP Discover」メッセージパケットの送信からやり直す。
[DHCPメッセージフォーマットにおけるサブネット変換対象フィールド]
図6に示す通り、サブネット長を変換するために対象となるDHCPメッセージフォーマットは、オプションフィールド(options)である。
[本実施形態におけるサブネット変換対象フィールドの詳細]
図7に示す通り、オプションフィールド中のタグ番号1が「サブネットマスク(Subnet Mask)」のタグである。本実施形態では、ゲートウェイアダプタ11において、オプションフィールド中のタグ番号1に格納されたサブネットマスクに対し、サブネット変換処理を行い、サブネット「/32」をサブネット「/24」に変換する。
[サブネット変換テーブル]
図4に示すサブネット変換処理部111は、サブネット変換テーブルを基に、サブネット変換処理を行う。なお、サブネット変換テーブルは、FlashROM1112又はDRAM1113に記憶され、CPU1111により読み出される。
図8に示す通り、サブネット変換テーブルは、WiMAX網20からゲートウェイアダプタ11へ送出されるDHCPメッセージのサブネットマスク「255.255.255.255」(サブネット「/32」)と、ゲートウェイアダプタ11からルータ装置12へ送出される変換後のサブネットマスク「255.255.255.0」(サブネット「/24」)を規定している。
以上説明したように、本実施形態においては、サブネット「/32」を処理できないルータ機器を所有していたユーザが、ルータ機器の交換(買い替え)を行うことなく、WiMAXサービスの利用が可能となる。
また、本実施形態においては、自サービスへの接続が出来ないと言う障壁によってビジネス機会を失っていたWiMAX事業者にとって、加入者獲得のビジネスチャンスが拡大する。
また、本実施形態においては、WiMAX事業者から配布されるグローバルIPアドレスがそのままルータ機器に付与されるため、既存のネットワーク構成を大きく変更することなく、WiMAXサービスの利用が可能となる。既存のネットワーク構成を変更しなくて良いと言う点において、ネットワーク再設計を行う必要がなくなるため、導入時のイニシャルコストが抑制できる。
<第2実施形態>
以下に、本発明の第2実施形態について添付図面を参照して説明する。
本発明の第2実施形態として、その基本的構成は上記の第1実施形態通りであるが、更に、DHCPメッセージのオプションフィールド中のサブネットマスクだけでなく、ゲートウェイアドレスについても変換処理の対象とし、ルータ機器がゲートウェイアドレスとして「next hop」を認識できない場合においても認識させる処理を追加することが考えられる。
WiMAX網20においては、加入者へ配布するDHCPメッセージ中のゲートウェイアドレスに、本来WiMAX網への接続アドレスと同一セグメント(同一サブネット)であるはずのアドレスとは関係ないアドレスが使われる。そのため、ルータ機器12では、付与されたゲートウェイアドレスとIPアドレスが同一セグメントに存在しないと認識してしまい、その後のIP処理が出来ない機器もある。処理できる/できないはベンダー依存である。
[ゲートウェイ変換処理]
上記解決策として、ルータ機器12とWiMAX網20との間に接続されたゲートウェイアダプタ11において、ゲートウェイ変換処理を行う必要がある。ゲートウェイ変換処理とは、ルータ機器12に付与されるIPアドレスに「1」を追加(加算)したものを、「next hop」のゲートウェイアドレスとしてルータ機器12に通知する処理である。ゲートウェイ変換処理についても、図4に示すゲートウェイアダプタ11のサブネット変換処理部111が行うものとする。
[ゲートウェイ変換処理を行う理由]
通常であれば、DHCPサーバから配布されるゲートウェイアドレスは、付与されるIPアドレスと「同一サブネット」になる。この場合、ルータ機器に通知される「next hop」のゲートウェイアドレスも、付与されるIPアドレスと「同一サブネット」になるため、問題は無い。
しかし、WiMAX網においてDHCPサーバから配布されるゲートウェイアドレスは、付与されるIPアドレスとは全く異なるサブネットで割り当てられる。この場合、ルータ機器における「next hop」としてのゲートウェイアドレスも、付与されるIPアドレスと「全く異なるサブネット」になる。
ルータ機器は、付与されるIPアドレスとは全く異なるサブネットのゲートウェイアドレスが割り当てられると、「next hop」を認識できず、IP通信ができなくなる場合がある。
この問題を解決するために、ゲートウェイアダプタにおいて、ルータ機器に付与されるIPアドレスに「1」を追加(加算)したゲートウェイアドレスを擬似的に生成し、DHCPサーバから同一サブネットのゲートウェイアドレスが通知されたように見せかけることで、ルータ機器を正常に動作させてIP通信ができるようにする。
[具体例]
例えば、WiMAX網においてDHCPサーバから配布されるアドレスが以下のようであったとする。ここでは、実IPアドレスを例示することを避けるため、通常はプライベートIPアドレスとして用いられるアドレスで例示するが、以下のアドレスは、全てグローバルIPアドレスであるものとする。
付与されるIPアドレス:「192.168.1.1」
ゲートウェイアドレス :「172.16.1.254」
この場合、「192.168.1.x」と「172.16.1.x」で異なるサブネットになるため、ルータ機器の仕様によっては、正常にWiMAX網への接続(IP通信)ができなくなる場合がある。
そこで、本実施形態では、ゲートウェイアダプタにおいて、ルータ機器に通知されるアドレスを以下のように変換する。
付与されるIPアドレス:「192.168.1.1」
ゲートウェイアドレス :「192.168.1.2」
この場合、「192.168.1.x」と「192.168.1.x」で同一サブネットになるため、ルータ機器は、正常にWiMAX網への接続(IP通信)ができるようになる。
上記の例では、ルータ機器12は、ゲートウェイアダプタ11側(WiMAX網20側)のインタフェースに、自身のIPアドレスとして「192.168.1.1」を設定し、ゲートウェイアドレスとして「192.168.1.2」を設定する。
IPアドレス「192.168.1.1」は、グローバルIPアドレスとしてインターネット30上からも見えるが、ゲートウェイアドレス「192.168.1.2」は、ルータ機器12のみがゲートウェイアドレスとして認識するアドレスであり、インターネット30上からは見えない。このゲートウェイアドレスが示す機器は「仮想の機器」であり、実在する機器ではない。IPアドレスと同一ネットワークのゲートウェイアドレスを設定することで、ルータ機器12は、デフォルトゲートウェイとして、ゲートウェイアダプタ11に対してパケットを正常にフォワードすることができる。
通常、ルータ機器12は、DHCPサーバ21からIPアドレスを配布された際、このIPアドレスを設定する前に、このIPアドレスに基づくARP(Address Resolution Protocol)要求をブロードキャストで送信する。応答が返ってこなければ、このIPアドレスを設定する。もし応答が返ってきたら、それはこのIPアドレスと同じIPアドレスを持つ通信機器が既にあるということであるため、ルータ機器12は、DHCPサーバ21から配布されたIPアドレスを破棄して、再度、DHCPサーバ21にIPアドレスの配布を要求する。
これと同様に、ゲートウェイアダプタ11は、ゲートウェイ変換処理によりゲートウェイアドレスを生成した際に、このゲートウェイアドレスに基づくARP要求をブロードキャストで送信するようにしても良い。応答が返ってこなければ、このゲートウェイアドレスを採用する。もし応答が返ってきたら、それはこのゲートウェイアドレスと同じIPアドレスを持つ通信機器が既にあるということであるため、ゲートウェイアダプタ11は、このゲートウェイアドレスに、再度、「1」を追加(加算)したものを正式なゲートウェイアドレスとして、上記と同様の処理を行う。但し、この処理は必須ではない。
なお、ルータ機器12は、IPアドレスを破棄する場合、ゲートウェイアドレスも破棄するものとする。
このように、本実施形態では、ルータ機器に「next hop」として通知するゲートウェイアドレスを、ルータ機器に付与されるIPアドレスに「1」を追加(加算)したものに変更し、ゲートウェイアドレスと、ルータ機器に付与されるIPアドレスが「同一サブネット」になるようにする。
なお、追加(加算)する値が「1」であるのは、例示に過ぎない。実際には、追加(加算)する値は、「2」や「10」等でも良い。また、「−1」等の負数でも良い。負数の追加(加算)とは、減算のことである。すなわち、追加(加算)する値は、ゲートウェイアドレスと、ルータ機器に付与されるIPアドレスとが「同一サブネット」になる値であれば良い。
例えば、上記の例において、サブネットが「192.168.1.0」であり、ルータ機器12に対して割付可能なIPアドレスの範囲が「192.168.1.1」−「192.168.1.50」であるとした場合、付与されたIPアドレスが「192.168.1.1」であるため、ゲートウェイアドレスの範囲は「192.168.1.2」−「192.168.1.50」であれば良い。従って、付与されたIPアドレスに追加(加算)する値は、「1」−「49」の範囲にあれば良いことになる。
[ゲートウェイ変換処理の対象となるDHCPメッセージ]
図9では、ゲートウェイアダプタ11において、WiMAX通信事業者側のDHCPサーバ21から加入者側のルータ機器12にIPアドレスが付与される際に、DHCPメッセージに含まれるIPアドレスに「1」を追加したものを「next hop」のゲートウェイアドレスとし、このゲートウェイアドレスを含むDHCPメッセージをルータ機器12に通知する処理を示している。図9では、「xxx.xxx.xxx.xxx」は、IPアドレスを示す。
ゲートウェイ変換を行うDHCPメッセージパケットは、「DHCP Offer」、「DHCP PACK」、「DHCP NACK」である。
[本実施形態におけるDHCP接続シーケンス]
次に、図5を参照して、本発明におけるDHCP接続シーケンスの説明を行う。第1実施形態と本実施形態との違いは、変換の内容がサブネット変換処理であるかゲートウェイ変換処理であるかという点だけである。ここでは、本実施形態におけるゲートウェイ変換処理を行う場合のDHCP接続シーケンスについて説明する。
(1)DHCP Discover
WiMAX加入者が加入者端末13(13−i、i=1〜n)を用いてWiMAX網20への接続を試みようとした場合、加入者宅内側に設置されているルータ機器12は、WiMAX網20内に設置されたDHCPサーバ21に対して、UDPプロトコルを利用して「DHCP Discover」メッセージパケットをブロードキャストで送出する。
(2)DHCP Offer
DHCPサーバ21は、ブロードキャストで「DHCP Discover」メッセージパケットを受信した場合、ルータ機器12に対して割付可能なIPアドレス(ユーザIPアドレス)を入れた「DHCP Offer」メッセージパケットとして返信する。この時、「DHCP Offer」メッセージパケットには任意のゲートウェイアドレスが含まれている。
(3)変換
ゲートウェイアダプタ11は、DHCPサーバ21から「DHCP Offer」メッセージパケットを受信する。ゲートウェイアダプタ11は、ルータ機器12に「DHCP Offer」メッセージパケットを送信する際に、ゲートウェイ変換処理を行い、ルータ機器12に付与されるIPアドレスと同じセグメント上のゲートウェイアドレスを、ルータ機器12に通知する。
ここでは、ゲートウェイアダプタ11は、ルータ機器12に付与されるIPアドレスに「1」を追加したものを、「next hop」のゲートウェイアドレスとしてルータ機器12に通知する。具体的には、ゲートウェイアダプタ11は、WiMAX通信事業者側のDHCPサーバ21から加入者側のルータ機器12にIPアドレスが付与される際に、「DHCP Offer」メッセージパケットに含まれるIPアドレスに「1」を追加(加算)して、「next hop」のゲートウェイアドレスとして使用する。ゲートウェイアダプタ11は、「DHCP Offer」メッセージパケットにこのゲートウェイアドレスを記述(格納)してルータ機器12に通知する。なお、実際には、ゲートウェイアダプタ11は、ルータ機器12に対して、先に「DHCP Offer」メッセージパケットを送信してIPアドレスの付与を完了させた後に、ルータ機器12に付与されたIPアドレスに「1」を追加したものを、「next hop」のゲートウェイアドレスとしてルータ機器12に通知するようにしても良い。上記処理によって、ルータ機器12はWiMAX網との通信が可能となる。
(4)DHCP Request
ルータ機器12は、この「DHCP Offer」メッセージパケットに含まれるユーザIPアドレスを取り出し、「DHCP Request」メッセージパケットのベンダー情報部にコピーした後、ブロードキャストで「DHCP Request」メッセージパケットを送信する。DHCPサーバ21は、ルータ機器12から「DHCP Request」メッセージパケットを受信した場合、サーバ自身が送出したIPアドレスが返送された事を確認して、自分が選択されたことを認識する。
(5)DHCP PACK(OKの場合)
DHCPサーバ21は、問題が無ければ「DHCP PACK」メッセージパケットを返信する。ここでは、DHCPサーバ21は、サーバ自身が送出したIPアドレスと、ルータ機器12から返信されたIPアドレスが同一であれば、ルータ機器12に「DHCP PACK」メッセージパケットを返信する。
(6)変換
ゲートウェイアダプタ11は、DHCPサーバ21から「DHCP PACK」メッセージパケットを受信する。ゲートウェイアダプタ11は、ルータ機器12に「DHCP PACK」メッセージパケットを送信する際に、「DHCP PACK」メッセージパケットに含まれるIPアドレスに「1」を追加したものを「next hop」のゲートウェイアドレスとし、「DHCP PACK」メッセージパケットにこのゲートウェイアドレスを記述してルータ機器12に通知する。ルータ機器12は、「DHCP PACK」メッセージパケットを正常に受信した場合は、「DHCP Offer」メッセージパケットで指定されたIPアドレスを自分のIPアドレスとして保存し、以降はこのIPアドレスでIP通信を行うように内部設定する。同様に、「DHCP Offer」メッセージパケットで指定されたゲートウェイアドレスを自分のゲートウェイアドレスとして保存し、以降はこのゲートウェイアドレスを用いてIP通信を行うように内部設定する。
(7)DHCP NACK(NGの場合)
DHCPサーバ21は、問題があれば「DHCP NACK」メッセージパケットを返信する。ここでは、DHCPサーバ21は、サーバ自身が送出したIPアドレスと、ルータ機器12から返信されたIPアドレスが同一でなければ、ルータ機器12に「DHCP NACK」メッセージパケットを返信する。
(8)変換
ゲートウェイアダプタ11は、DHCPサーバ21から「DHCP NACK」メッセージパケットを受信する。ゲートウェイアダプタ11は、ルータ機器12に「DHCP NACK」メッセージパケットを送信する際に、「DHCP NACK」メッセージパケットに含まれるIPアドレスに「1」を追加したものを「next hop」のゲートウェイアドレスとし、「DHCP NACK」メッセージパケットにこのゲートウェイアドレスを記述してルータ機器12に通知する。ルータ機器12は、「DHCP NACK」メッセージパケットが返信された時は、再度「DHCP Discover」メッセージパケットの送信からやり直す。
[本実施形態におけるゲートウェイ変換対象フィールドの詳細]
図10に示す通り、オプションフィールド中のタグ番号3の「ルータ(Router)」のタグが、ゲートウェイ変換処理の対象となる。ルータのタグには、ルータ機器12における「next hop」としてのゲートウェイアドレスが格納される。ルータのタグに格納されたゲートウェイアドレスは、ゲートウェイアドレスフィールド(giaddr)に格納されたゲートウェイアドレスよりも優先される。本実施形態では、ゲートウェイアダプタ11において、オプションフィールド中のタグ番号3に格納されたゲートウェイアドレスを、ゲートウェイ変換処理により「ユーザIPアドレス+1」に変換する。
<その他>
なお、上記の各実施形態は、組み合わせて実施することも可能である。例えば、ゲートウェイアダプタ11において、サブネット変換処理とゲートウェイ変換処理を同時に実施することも可能である。
また、WiMAX網は、無線通信網の一例に過ぎない。本発明は、WiMAX網に相当/類似する無線通信網に対しても適用可能である。WiMAX網に相当/類似する無線通信網の例として、IEEE 802.11a/b/g/n対応無線LAN等が考えられる。
<まとめ>
以上のように、本発明は、加入者端末におけるWiMAX網への接続方式に関する。
本発明は、加入者側のルータ装置がWiMAX通信事業者からサブネット「/32」で配布されるIPアドレスに対応できないと言った問題点を解消し、既存の全てのルータの機能変更を伴うことなくWiMAX網への接続を可能とするものである。
WiMAX接続サービスを運用する通信事業者においては、WiMAX網への接続方式としてDHCPというIPアドレス配布方式を適用している。DHCP方式は従来主にLAN(ローカルエリアネットワーク)での利用が進んでおり、通信事業者の運営するサービスとしてWAN(ワイドエリアネットワーク)で利用されることは極めて希であった。また、WAN上でDHCPによるIPアドレス配布の運用を実施する場合、世界的に枯渇状態になってきているIPv4のグローバルIPアドレスの消費を最小限に抑えるため、IPアドレスをサブネット「/32」で配布する事業者が出てきている。
しかしながら、従来はLAN上で利用されてきたDHCPであるため、サブネットが「/32」で運用されるケースは無く、ほとんどのルータがサブネット「/32」で配布されたIPアドレスを処理できず、WiMAX網への接続が出来なくなると言った問題点が発生している。
そこで、本発明による「ゲートウェイアダプタ装置」にDHCPサブネット変換機能を実装することにより、ゲートウェイアダプタ装置配下に接続される全てのルータの機能変更を伴うことなく、WiMAX網への接続が行えるようになる。
すなわち、本発明は、本来ルータ装置で行うべき処理をゲートウェイアダプタ装置にて行い、既存ルータ装置の機能変更を行う事なく、WiMAX網に接続可能とさせようとするものである。
本発明におけるWiMAX網接続方式は、ゲートウェイアダプタ装置にサブネット変換機能を具備し、ゲートウェイアダプタ装置配下に接続された既存ルータ装置側のネットワークにサブネット「/24」を転送する方式である。
本方式を使用することにより、サブネット「/32」で配布されたIPアドレスを認識/処理できなかった既存ルータ装置がWiMAX通信事業者から送出されるDHCPメッセージの交換処理を行えるようになり、既存ルータの交換を伴うことなくWiMAX網の利用が可能となる。
<本発明の特徴点>
WiMAX接続サービスにおいて、事業者内DHCPサーバから付与されるDHCPメッセージ内のサブネット長を任意のサブネット長に変換する点。
事業者から付与されるDHCPメッセージ内のゲートウェイアドレスを変換し、ゲートウェイアダプタと接続されたルータ機器に対し、ゲートウェイアドレスを同一セグメント内に見せる点。
ゲートウェイアドレスに対する変換処理として、DHCPサーバから付与されたIPアドレスに「1」を追加(加算)したものをゲートウェイアドレスとする点。
WiMAX接続サービス以外のサービス事業者において、DHCPメッセージを変換する点。
DHCPメッセージの変換処理において、サブネット、ゲートウェイアドレス以外のメッセージフィールドにおいても、同様の処理で変換できる点。
以上、本発明の実施形態を詳述してきたが、実際には、上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
10… 加入者宅内ローカルネットワーク
11… ゲートウェイアダプタ
111… サブネット変換処理部
1111… CPU(Central Processing Unit)
1112… FlashROM(Flash Memory)
1113… DRAM(Dynamic Random Access Memory)
112… LAN接続部
1121… EtherPHY
1122… Etherコネクタ
113… WiMAX網接続部
1131… USB(Universal Serial Bus)コントローラ
1132… USBコネクタ
12… ルータ機器
13(−i、i=1〜n)… 加入者端末
20… WiMAX網
21… DHCPサーバ
22… 認証サーバ
23… 制御装置
24… 基地局(BS:Base Station)
30… インターネット

Claims (10)

  1. 特定の無線通信網に存在するDHCPサーバに対してIPアドレスの付与を要求するルータ機器と、
    前記ルータ機器と前記特定の無線通信網との接続を行い、前記DHCPサーバからの応答を受信した際、前記応答に含まれるIPアドレスの32ビットのサブネットが、32ビットより小さいサブネットになるようにサブネットマスクを変換して前記ルータ機器に通知するゲートウェイアダプタと
    を含む
    無線通信網接続システム。
  2. 請求項1に記載の無線通信網接続システムであって、
    前記ゲートウェイアダプタは、前記応答であるDHCP Offer、DHCP PACK、及びDHCP NACKの各DHCPメッセージに含まれるIPアドレスの32ビットのサブネットが、32ビットより小さいサブネットになるようにサブネットマスクを変換して前記ルータ機器に通知する
    無線通信網接続システム。
  3. 請求項1又は2に記載の無線通信網接続システムであって、
    前記ゲートウェイアダプタは、前記応答に含まれるIPアドレスの32ビットのサブネットが、24ビットのサブネットになるようにサブネットマスクを変換して前記ルータ機器に通知する
    無線通信網接続システム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の無線通信網接続システムであって、
    前記ゲートウェイアダプタは、前記応答に含まれるIPアドレスに所定の値を追加して同一サブネットのゲートウェイアドレスを生成し、前記ゲートウェイアドレスを前記ルータ機器に通知する
    無線通信網接続システム。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の無線通信網接続システムで使用されるゲートウェイアダプタ。
  6. ルータ機器において、特定の無線通信網に存在するDHCPサーバに対してIPアドレスの付与を要求することと、
    ゲートウェイアダプタにおいて、前記ルータ機器と前記特定の無線通信網との接続を行うことと、
    前記ゲートウェイアダプタにおいて、前記DHCPサーバからの応答を受信した際、前記応答に含まれるIPアドレスの32ビットのサブネットが、32ビットより小さいサブネットになるようにサブネットマスクを変換して前記ルータ機器に通知することと
    を含む
    無線通信網接続方法。
  7. 請求項6に記載の無線通信網接続方法であって、
    前記ゲートウェイアダプタにおいて、前記応答であるDHCP Offer、DHCP PACK、及びDHCP NACKの各DHCPメッセージに含まれるIPアドレスの32ビットのサブネットが、32ビットより小さいサブネットになるようにサブネットマスクを変換して前記ルータ機器に通知すること
    を更に含む
    無線通信網接続方法。
  8. 請求項6又は7に記載の無線通信網接続方法であって、
    前記ゲートウェイアダプタにおいて、前記応答に含まれるIPアドレスの32ビットのサブネットが、24ビットのサブネットになるようにサブネットマスクを変換して前記ルータ機器に通知すること
    を更に含む
    無線通信網接続方法。
  9. 請求項6乃至8のいずれか一項に記載の無線通信網接続方法であって、
    前記ゲートウェイアダプタにおいて、前記応答に含まれるIPアドレスに所定の値を追加して同一サブネットのゲートウェイアドレスを生成し、前記ゲートウェイアドレスを前記ルータ機器に通知すること
    を更に含む
    無線通信網接続方法。
  10. 請求項6乃至9のいずれか一項に記載の無線通信網接続方法におけるゲートウェイアダプタとしての動作を、計算機に実行させるためのプログラム。
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