以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明を適用したデジタルフォトフレーム(以下、DPFという。)1の正面図である。DPF1は、額縁状の本体2に液晶表示パネル3が取り付けられるとともに、本体2の下辺部分に電源スイッチ4及び操作スイッチ5が設けられた構造である。
図2は、DPF1の電気的構成を示したブロック図である。DPF1は、CPU(Central Processing Unit)11と、CPU11に接続されたROM(Read Only Memory)12、RAM(random-access memory)13、内蔵メモリ14、電源スイッチ4及び操作スイッチ5を含むスイッチ部15、表示コントローラ16、メモリカードコントローラ17を有している。
ROM12には、CPU11に後述する種々の動作を行わせるためのプログラム、及び字体の異なる複数種の文字フォント等の各種のデータが記憶されている。RAM13は、CPU11が必要に応じて種々のデータを一時的に記憶する作業用のメモリである。
内蔵メモリ14は、本体2に内蔵されている記憶内容が書き換え可能なフラッシュメモリである。内蔵メモリ14は、本発明における名前記憶手段と顔記憶手段とを実現するものであって、内蔵メモリ14には、図3(a)に示した登録名ファイル100と、図3(b)に示した顔データファイル200とが記憶されている。
登録名ファイル100は、署名ID101により管理される漢字名データ102とローマ字名データ103とからなる一組の署名データを1又は複数格納されたデータファイルである。漢字名データ102とローマ字名データ103とは、同一の氏名を表現したデータである。すなわち漢字名データ102は、特定の氏名を漢字表記により表現したデータであり、ローマ字名データ103は特定の氏名をローマ字表記により表現したデータである。
顔データファイル200は、データ番号201により管理される顔学習データ202と署名ID203とからなる顔データが、登録名ファイル100に格納されている署名データと対応する数だけ格納されたデータファイルである。各々の顔データは、署名ID203によって示される署名データ(漢字名データ102、及びローマ字名データ103)とに対応付けられて記憶されているデータである。顔学習データ202は、特定人物の顔の特徴を示すデータ(以下、顔特徴データという。)であって、具体的には特定人物の顔に固有である眼、鼻、口といった顔の各部の大きさや、各部の相対的な位置関係等に関する複数のデータである。なお、顔学習データ202が本発明における顔データに相当する。
表示コントローラ16は、CPU11から供給される表示用の画像データに基づき液晶表示パネル3を駆動することにより、画像データにより表される画像を液晶表示パネル3に表示させる。
メモリカードコントローラ17は、本体2の裏面に設けられている図示しないカードスロットに着脱自在に装着された各種のメモリカード18と接続されたメモリカード18とCPU11との間におけるデータの入出力を制御する入出力インターフェースである。
一方、DPF1には、動作モードとして通常モードとエフェクトモードとが用意されており、ユーザが操作スイッチ5を所定の手順で操作することによって、動作モードの切替が可能となっている。
通常モードは、一般的なDPFと同様に、メモリカード18に画像データとして記憶されている画像を液晶表示パネル3にそのまま表示する動作モードである。なお、DPF1において表示可能な画像は、例えばデジタルカメラによって写真撮影により得られた画像、つまり写真であり、例えばJPEG(Joint Photographic Expert Group)方式により圧縮され、撮影日時等の付加情報と共に静止画ファイルとして記憶されている画像である。
エフェクトモードは、メモリカード18に記憶されている表示対象の画像を、絵画が有する特徴を備えた絵画風画像、つまり特定の効果を与えた絵画風画像に変換し、変換後の絵画風画像を液晶表示パネル3に表示する動作モードである。
また、エフェクトモードでは、絵画風画像への変換に際して目標とする絵画の種類、つまり変換後の絵画風画像に確保することができる特徴(画風)が選択可能である。選択可能な画風は、図4に示したように「水彩画風」、「油絵画風」、「鉛筆画風」、「パステル画風」の4種類であり、かつ大別すると日本画風と西洋画風との2種類である。なお、本実施形態において「水彩画風」は、岩絵具、有機色料を用い毛筆で描かれた日本画を意図した画風であり、「水彩画風」のみが予め日本画風に分類されている。
さらに、エフェクトモードでは、表示対象の画像に人物の顔が存在する場合、登録名ファイル100に署名データとして記憶されている人名が変換後の絵画風画像に署名として付加される。署名として使用される人名は漢字表記またはローマ字表記によるものであり、変換後の絵画風画像に確保される画風に対応して予め決められている。すなわち図4に示したように、日本画風に分類される画風の署名には漢字名が使用され、西洋画風に分類される画風の署名にはローマ字名が使用される。
以下、エフェクトモードにおけるDPF1の具体的な動作について説明する。エフェクトモードが設定されているとき、CPU11は、ROM12に記憶されているプログラムに従い実行する後述する処理を実行することにより、本実施形態の画像変換手段、設定手段、決定手段、付加手段、顔認識手段、として機能する。
図5は、エフェクトモードが設定されているときのCPU11の処理手順を示したフローチャートである。
エフェクトモードにおいて、CPU11は、例えばユーザによる所定のキー操作に応じて表示対象の画像データをメモリカード18から読み出し、RAM13に一時記憶する(ステップS1)。
次に、CPU11は、RAM13に一時記憶した画像データにより表される画像から、任意の人物の顔部分に相当する顔領域を検出する顔検出処理を行う(ステップS2)。顔検出処理において、CPU11は、検出対象の画像に二値化や輪郭抽出、パターンマッチング等の画像認識技術を用いることにより、例えば一定範囲の位置関係にある目や鼻や口が存在する特定領域を顔領域として検出する。
その後、CPU11は、顔検出処理で顔領域が検出できたか否かに応じて、以下の処理を行う。まず、顔領域が検出できなかった場合の処理手順については説明する。顔領域が検出できなかった場合(ステップS3:NO)、CPU11は、まず、後述する絵画風画像に対する署名が不要であると決定する。すなわちCPU11は、内部メモリに署名不要を示すフラグを設定する(ステップS4)。
次に、CPU11は、直ちにエフェクト名の一覧を液晶表示パネル3に表示し、ユーザに操作スイッチ5を所定の手順で操作させることにより、所望するエフェクトの種類(画風)を選択させる(ステップS7)。ここで、エフェクトの種類は、先に説明した「水彩画風」、「油絵画風」、「鉛筆画風」、「パステル画風」の4種類である。
その後、CPU11は、ユーザによって4種類のエフェクトのうちのいずれが選択されると(ステップS8:YES)、選択されたエフェクトの種類に応じて予め決められている内容の画像処理を原画像に施し、原画像を絵画風画像へ変換する(ステップS9)。
CPU11による原画像の絵画風画像への変換処理は、エフェクトの種類に応じた特殊効果フィルター、すなわち水彩画用、油絵画用、鉛筆画用、パステル画用の各フィルターを用いた画像処理により、目標とする絵画に応じた特定の効果を原画像に与える処理である。各フィルターは、市販のレタッチ用ソフトウエア、例えばAdobeシステム社によるAdobePhotoshop(商標)のような市販のソフトウエアパッケージに設けられている「アーティスティックフィルター」と同様の効果を表示対象の画像に与えるものである。
各フィルターによって表示対象の画像に与える特徴的な効果の一例は、以下の通りである。すなわち水彩画用のフィルターの効果の一例は、色調が大きく変化するエッジ部分での色の彩度を高くする効果である。また、油絵用のフィルターの効果の一例は、画像の細部を省略し、カンバス状のテクスチャを目立たせる効果である。また、パステル画用のフィルターの効果の一例は、明るい色の部分ではテクスチャを隠し、暗い部分ではパステルがこすり取られた状態にテクスチャを表現する効果である。また、鉛筆フィルターの効果の一例は、重要なエッジを保持するとともに、同色系の色が均一に分布する領域では、細部の輪郭が透けて見えるようにする効果である。
そして、CPU11は、ステップS4の処理において絵画風画像に対する署名が不要であると決定しているため(ステップS10:NO)、直ちにステップS9の処理で変換した絵画風画像を液晶表示パネル3に表示し(ステップS16)、処理を完了する。
次に、前述したステップS2の顔検出処理において顔領域が検出できた場合におけるCPU11の処理手順について説明する。顔領域が検出できた場合(ステップS3:YES)、CPU11は、まず、絵画風画像に対する署名が必要であると決定する。すなわちCPU11は、内部メモリに署名必要を示すフラグを設定する(ステップS5)。
引き続き、CPU11は、図6に示した署名データ決定処理を実行する(ステップS6)。署名データ決定処理においてCPU11は、まず、表示対象の画像において検出できた顔領域が複数でなかったときには(ステップS101:NO)、検出した顔領域をそのまま認識対象として設定する(ステップS102)。また、CPU11は、表示対象の画像において検出できた顔領域が複数であったときには(ステップS101:YES)、検出した複数の顔領域のうちで画像内での面積が最大の顔領域を認識対象として設定する(ステップS103)。
引き続き、CPU11は、ステップS102又はステップS103の処理で設定した顔領域を対象として、以下のステップS104、及びステップS105の処理によって顔認識を行う。
すなわちCPU11は、設定した顔領域の顔と、登録済の顔との類似度を取得する(ステップS104)。ステップS104の処理に際してCPU11は、まず、設定した顔領域の顔の特徴を示す顔特徴データ、すなわち当該顔の各部(眼、鼻、口等)の大きさ、及び各部の相対的な位置関係等に関する複数のデータを取得する。その後、CPU11は、取得した顔特徴データと、内蔵メモリ14に記憶されている顔データファイル200における各々の顔学習データ202との類似度を個別に取得する。
次に、CPU11は、ステップS104の処理で取得した類似度に基づき、認識対象の顔領域における顔が登録済の顔であるか否かを判断する(ステップS105)。すなわちCPU11は、顔データファイル200の中に、認識対象の顔領域の顔との類似度が予め決められている閾値以上である顔学習データ202が存在する場合には、認識対象の顔領域における顔が登録済の顔であると判断する。また、CPU11は、顔データファイル200の中に、認識対象の顔領域の顔との類似度が予め決められている閾値以上である顔学習データ202が存在しない場合には、認識対象の顔領域における顔が登録されていないものと判断する。
そして、CPU11は、認識対象の顔領域における顔が登録済の顔である場合、つまり顔認識に成功した場合には(ステップS105:YES)、登録済の顔(顔学習データ202)が対応する登録名ファイル100内の特定の署名データを、今回使用する署名データとして決定する。すなわちCPU11は、登録済の顔が対応する署名データの署名ID101を内部メモリに記憶する(ステップS106)。これにより署名データ決定処理を終了する。なお、CPU11は、ステップS104の処理で取得した類似度が閾値以上である顔学習データ202が複数の場合は類似度が最大の顔学習データ202が対応する署名データを今回使用する署名データとして決定する。
また、CPU11は、認識対象の顔領域における顔が登録済の顔でない場合、つまり顔認識に失敗した場合には(ステップS105:NO)、図7に示した名前入力画面G1を液晶表示パネル3に表示する(ステップS107)。
図7に示したように名前入力画面G1は、任意の氏名を漢字表記で入力するための第1の入力フィールド301と、第1の入力フィールド301に入力した氏名をローマ字表記で入力するための第2の入力フィールド302とが設けられた画像である。なお、CPU11は、名前入力画面G1の表示に際して、名前入力画面G1内に、第1の入力フィールド301及び第2の入力フィールド302と共に表示対象の画像303を表示し、かつ表示対象の画像303には認識対象となった顔領域を示す領域枠304を表示する。
そして、CPU11は、名前入力画面G1を表示した状態で、ユーザに、第1の入力フィールド301と第2の入力フィールド302との双方に氏名を入力させる。なお、図示しないが、CPU11は、ユーザに氏名を入力させる際には、ユーザに操作スイッチ5を所定の手順で操作させることにより、名前入力画面G1の一部にひらがな、又はローマ字(アルファベット)の各文字を表示したソフトウエア・キーボードを表示し、ユーザに画面上のキーを選択させることによって文字(名前)を入力させる。
やがて、ユーザにより第1の入力フィールド301及び第2の入力フィールド302の双方に氏名が入力された後(ステップS108:YES)、CPU11は、入力された漢字表記の氏名と、ローマ字表記の氏名を、それぞれ新たな署名データ(漢字名データ102、ローマ字名データ103)として登録名ファイル100に記憶する。また、CPU11は、ステップS104の処理で取得した顔特徴データを新たな顔学習データ202、登録名ファイル100に新たに記憶した署名データの署名IDとともに、新たな顔データとして顔データファイル200に記憶する(ステップS109)。
その後、CPU11は、新たに記憶した署名データを今回使用する署名データとして決定する。すなわちCPU11は、新たに記憶した署名データの署名ID101を内部メモリに記憶し(ステップS110)、署名データ決定処理を終了する。
以上の署名データ決定処理が終了した後、CPU11は図4の処理に戻り、引き続き、ステップS6以降の処理を実行する。すなわちCPU11は、先に説明したようにエフェクト名の一覧を液晶表示パネル3に表示し、ユーザに所望するエフェクトの種類を選択させる(ステップS7)。そして、CPU11は、ユーザによってエフェクトの種類が選択されたら(ステップS8:YES)、原画像を、選択されたエフェクトの種類に応じた特徴(画風)を有する絵画風画像へ変換する(ステップS9)。
その後、CPU11は、ステップS5の処理において絵画風画像に対する署名が必要であると決定しているため(ステップS10:YES)、ステップS7の処理に際してユーザに選択されたエフェクトの種類が日本画風(本実施形態では「水彩画風」)であったか否か、つまりステップS9の変換処理に際して目標とした絵画の種類が日本画に属するものであったか否かを確認する(ステップS11)。
エフェクトの種類が日本画風でなかった場合、つまり西洋画風(「油絵画風」、「鉛筆画風」、「パステル画風」のいずれか)であった場合(ステップS11:NO)、CPU11は、登録名ファイル100から、今回使用する署名データにおけるローマ字名データ103を読み出し、筆記体の署名データを作成する(ステップS12)。ステップS12の処理においてCPU11が作成する筆記体の署名データは、ローマ字表記された氏名を筆記体の文字フォント(字体)で構成した文字列データである。
つまり、ステップS12の処理においてCPU11が作成する署名データは、人名を表す各文字がエフェクトの種類(西洋画風)に応じた表現形態で表現した文字列データである。表現形態とは文字の種類と文字の字体であり、ローマ字と筆記体とがそれぞれエフェクトの種類(西洋画風)に応じた表現形態である。
そして、CPU11は、作成した筆記体の署名データにより表されるローマ字のサインを、ステップS9の処理で生成した絵画風画像の予め決められている署名位置に合成した後(ステップS13)、合成後の絵画風画像を液晶表示パネル3に表示し(ステップS16)、処理を完了する。
図8(a)は、ステップS16の処理に伴い液晶表示パネル3に表示される絵画風画像G2を便宜的に示した図であり、ローマ字のサイン(ローマ字表記された氏名)401が、予め決められている署名位置である画像内の右下部分に合成された状態を示した図である。
一方、CPU11は、ユーザに選択されたエフェクトの種類が日本画風、つまりステップS9の変換処理に際して目標とした絵画の種類が日本画に属するものであった場合(ステップS11:YES)、登録名ファイル100から、今回使用する署名データにおける漢字名データ102を読み出し、漢字表記された氏名の落款画像を作成する(ステップS14)。ステップS14の処理においてCPU11が作成する落款画像は、漢字表記された氏名を予め決められている行書体の文字フォント(字体)で表現した印章(落款印)の印影に相当する落款画像である。
つまり、ステップS14の処理においてCPU11が作成する落款画像は、人名を表す各文字がエフェクトの種類(日本画風)に応じた表現形態で表現した文字列データを表現したものである。表現形態とは文字の種類と文字の字体であり、漢字と行書体とがそれぞれエフェクトの種類(日本画風)に応じた表現形態である。
しかる後、CPU11は、作成した落款画像をステップS9の処理で生成した絵画風画像の予め決められている署名位置に合成した後(ステップS15)、合成後の絵画風画像を液晶表示パネル3に表示し(ステップS16)、処理を完了する。
図8(b)は、ステップS16の処理に伴い液晶表示パネル3に表示される絵画風画像G3を便宜的に示した図であり、落款画像402が、予め決められている署名位置である画像内の右下部分に合成された状態を示した図である。
以上のようにDPF1においては、エフェクトモードで表示対象の画像を絵画風画像に変換して表示するとき、任意の人物の顔が存在する画像については、画像に存在する顔に応じた人名(署名)を変換後の絵画風画像に文字情報として合成する。そして、署名として使用する人名を表現する文字の種類、及び文字の字体に、変換後の絵画風画像に確保される画風を自動的に反映させる。
つまり絵画風画像の表示に先立ちユーザにより選択されたエフェクトの種類が日本画風に分類されているもの(水彩画風)である場合には、絵画風画像に署名として合成される人名の文字が自動的に行書体の漢字とする。また、絵画風画像の表示に先立ちユーザにより選択されたエフェクトの種類が西洋画風に分類されているもの(油絵画風など)である場合には、絵画風画像に署名として合成される人名の文字が自動的に筆記体のローマ字名とする。
上記のように、日本画風に分類されている絵画風画像に付加する署名(人名)を表記する各文字に行書体の漢字を用い、また西洋画風に分類されている絵画風画像に付加する署名(人名)を表記する各文字に筆記体のローマ字を用いることにより、絵画風画像に付加する署名を、絵画風画像に対して違和感の少ないものとすることができる。
したがって、DPF1においては、ユーザに負担をかけることなく、絵画風画像に違和感の少ない適切な署名を絵画風画像に付加することができる。
また、DPF1においては、漢字表記の人名が落款画像(落款印の印影に相当する画像)の形態で絵画風画像に合成され、またローマ字表記の人名が筆記体によるサインの形態で絵画風画像に合成される。したがって、絵画風画像をさらに実際の絵画作品に近付けることができる。
また、DPF1においては、表示対象の画像に存在する顔が既に登録されている場合には、ユーザによる人名の入力作業も不要であり、絵画風画像に確保された効果(画風)、及び絵画風画像に存在する顔に応じた適切な署名を自動的に絵画風画像に付加することができる。
(変形等)
次に、以上説明した実施形態の変形等について述べる。
まず、DPF1には、漢字表記の人名を行書体の漢字で表現した落款画像の形態で絵画風画像に合成し、かつローマ字表記の人名を筆記体のローマ字によるサインの形態で絵画風画像に合成する構成を採用した。しかし、DPF1は、漢字表記の人名、及び/又はローマ字表記の人名を、予め決められている同一の字体(例えば明朝体、ゴシック体、行書体)の文字でそのまま表記したものを絵画風画像に署名として合成する構成としてもよい。つまりDPF1には、人名の表記に使用する文字の種類のみに、ユーザにより選択されたエフェクトの種類を自動的に反映させる構成を採用してもよい。
人名の表記に使用する文字の種類のみに、ユーザにより選択されたエフェクトの種類を自動的に反映させる場合には、絵画風画像に付加する署名(人名)を表記する各文字の種類として、西洋画風に分類されている絵画風画像にはローマ字を用い、また、日本画風に分類されている絵画風画像には漢字を用いることにより、絵画風画像に付加する署名を、絵画風画像に対して違和感の少ないものとすることができる。したがって、DPF1においては、ユーザに負担をかけることなく、絵画風画像に違和感の少ない適切な署名を絵画風画像に付加することができる。
また、DPF1には、人名の表記に使用する文字の種類と文字の字体との双方に、ユーザにより選択されたエフェクトの種類を自動的に反映させる構成を採用した。しかし、DPF1は、人名の表記に使用する文字の字体のみにエフェクトの種類を自動的に反映させる構成としてもよい。例えば文字の種類を漢字、又はローマ字に固定し、エフェクトの種類が、西洋画風に分類されているもの(油絵画風など)のときには文字の字体をゴシック体等の和風をイメージさせる字体に設定し、かつ日本画風に分類されているもの(水彩画風)のときには文字の字体を明朝体等の洋風をイメージさせる字体に設定する構成としてもよい。
図9(a)及び図9(b)は、文字の種類を漢字に固定した場合の例を示した、図8(a)及び図8(b)にそれぞれ対応する図である。すなわち図9(a)は、エフェクトの種類が、西洋画風に分類されているもの(油絵画風など)のとき表示されることとなる他の絵画風画像G4を便宜的に示した図であり、人名の表記にゴシック体の文字を使用した署名501が合成された状態を示した図である。また、図9(b)は、エフェクトの種類が、日本画風に分類されているもの(水彩画風など)のとき表示されることとなる他の絵画風画像G5を便宜的に示した図であり、人名の表記に明朝体の文字を使用した署名501が合成された状態を示した図である。
DPF1に、人名の表記に使用する文字の字体のみにエフェクトの種類を自動的に反映させる構成を採用した場合、絵画風画像に付加する署名(人名)を表記する各文字の字体として、西洋画風に分類されている絵画風画像にはゴシック体等を用い、また、日本画風に分類されている絵画風画像には明朝体等を用いることにより、絵画風画像に付加する署名を、絵画風画像に対して違和感の少ないものとすることができる。したがって、DPF1においては、ユーザに負担をかけることなく、絵画風画像に違和感の少ない適切な署名を絵画風画像に付加することができる。
また、DPF1には、絵画風画像の表示に先立ち、エフェクトの種類、つまり絵画風画像に確保する特定の効果をユーザに選択させる構成を採用した。しかし、DPF1には、エフェクトの種類を、例えば表示対象の画像の内容に応じて自動的に設定したり、画像毎に一定の順序、又はランダムに切り替えたりする構成を採用してもよい。
表示対象の画像の内容としては、例えば画像内における任意の人物や、任意の人物の顔の有無や、画像内における色数や、特定の色(近似色を含む)が占める割合が考えられる。さらに、表示対象の画像の内容としては、例えば表示対象の画像に主要被写体を示す情報が付加されている場合には、主要被写体の種類(人物や風景等)であってもよい。
また、DPF1には、絵画風画像に確保する特定の効果を、特定の種類の絵画に対応する効果とした構成を採用した。しかし、DPF1には、絵画風画像に確保する特定の効果として、特定の種類の絵画に対応する効果とは異なる任意の効果を確保する構成を採用してもよい。
また、DPF1には、絵画風画像の表示に際し、漢字表記、又はローマ字表記で人名が表現された署名を、絵画風画像の予め決められている署名位置に合成する構成を採用した。しかし、DPF1には、人名が表現された署名を、液晶表示パネル3の画面上に絵画風画像に重ねて表示する構成を採用してもよい。
また、DPF1には、複数の人物に関する署名データと顔データとを対応付けて記憶しておき、つまり複数の人物の氏名と顔とを登録しておき、表示対象の画像から複数の人物を顔認識することによって、先に述べたように表示対象の画像に存在する顔が既に登録されている場合には、ユーザによる人名の入力作業を不要とする構成を採用した。
しかし、DPF1には、絵画風画像に署名として合成する人名を特定の人名に限定し、表示対象の画像の全てに特定の人名を署名として無条件に合成する構成を採用してもよい。特定の人名としては、例えば事前に設定された単一の人名や、予め登録されている複数人分の人名の中からユーザに事前に選択させた人名等が考えられる。
また、本実施形態においては、DPF1が署名として絵画風画像に付加する文字情報が人名を表す文字である場合について説明したが、本発明において絵画風画像に付加する文字情報は人名を表す文字でなくともよい。例えば絵画風画像に文字情報として付加する文字は、表示対象の画像、つまり写真の撮影日時や、撮影場所や、撮影対象(主たる被写体)の名称を表す文字であっても構わない。
例えば絵画風画像に撮影日時を付加する場合には、DPF1に、表示対象の画像のデータと共に付加情報として記憶されている撮影日時を、エフェクトの種類に応じて異なる字体の文字で表したものを絵画風画像に付加する構成を採用すればよい。
また、例えば絵画風画像に撮影場所や撮影対象の名称を付加する場合には、DPF1に、表示対象の画像を絵画風画像に変換する前後に、ユーザに撮影場所や撮影対象の名称を入力させ、入力された名称を、エフェクトの種類に応じて異なる種類及び/又は字体の文字で表したものを絵画風画像に付加する構成を採用すればよい。
さらに、DPF1に、撮影場所や撮影対象の名称として漢字表記による名称とローマ字表記による名称との2種類の名称をユーザに入力させ、本実施形態と同様に、エフェクトの種類に応じて漢字表記又はローマ字表記で表した名称を絵画風画像に付加する構成を採用してもよい。
撮影場所や撮影対象の名称として漢字表記による名称とローマ字表記による名称との2種類の名称をユーザに入力させる際には、例えば図10に示したような名称入力画面G6を液晶表示パネル3に表示させればよい。すなわち、図7に示した名前入力画面G1と同様に、任意の名称を漢字表記で入力するための第1の入力フィールド301と、ローマ字表記で入力するための第2の入力フィールド302と、表示対象の画像(絵画風画像でもよい。)303を表示するものを液晶表示パネル3に表示させればよい。
また、本実施形態においては、表示体対象の画像(原画像)を絵画風画像へ変換する方法として、表示体の画像に、エフェクトの種類に応じた特殊効果フィルター(水彩画用、油絵画用、鉛筆画用、パステル画用の各フィルター)を用いた画像処理を施す方法を用いた場合について説明した。
しかし、本発明においては、表示体対象の画像を絵画風画像へ変換する具体的な方法として任意の方法を採用することができる。表示体の画像を絵画風画像へ変換する方法としては、例えば原画像の各画素を対象として、キャンバス(RAM13内に設けた描画用の画像データ)上の各画素に対応する位置に、各画素に対応する色をブラシストロークと呼ばれるテクスチャ画像の形で順に塗り重ねることによって新たな画像を生成する方法を採用してもよい。
ブラシストロークを用いて新たな画像を生成する方法では、ブラシストロークの属性を元画素の各画素、及びユーザに選択されたエフェクトの種類に応じて変化させることによって、目標とする絵画の種類に応じた効果を絵画風画像に確保することとなる。ブラシストロークの属性としては、キャンバス上でのブラシストロークの密度や、ブラシストロークの大きさ(長さと幅)、方向、色、形状等である。
また、本実施形態においては、DPF1が絵画風画像に変換して表示する画像が、写真撮影により得られた画像(写真)である場合について説明した。しかし、本発明において絵画風画像の変換対象となる原画像は、写真撮影により得られた画像に限らず、例えば写真をスキャナで読み取り画像データとして記録されたものであっても構わない。
また、本実施形態においては、本発明をDPFに採用した場合について説明したが、本発明は、所定の画像処理機能を備えたものであれば、DPF以外の他の装置にも適用することができる。他の装置としては、例えばデジタルカメラや、デジタルカメラが内蔵された携帯電話端末等の任意の携帯情報端末、汎用的なパーソナルコンピュータ、プリンタである。