JP5212068B2 - ボールペン用インキ - Google Patents

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Description

本発明は、紙面等の被筆記面に接触してインキを転写する筆記ボールをボールホルダーにて回転自在に抱持し、筆記ボールの回転に伴いボールホルダーとの隙間からインキを吐出するボールペンチップを備えるボールペンに使用されるインキに関する。
ボールペン用のインキは、筆記ボールの回転に伴って、筆記ボール表面に付着したインキが紙などの被筆記面に転写され筆跡を形成する。即ち、筆記に際して筆記ボールが回転することから、通常、この筆記ボールとボールホルダーとの接触する部分において摩擦が生じることになる。一般的にボールホルダーには、ボール受け座と呼ばれる、筆記ボールが被筆記面と接触することにより受けた筆圧を受ける部分があり、このボール受け座には、インキタンクのインキを流通させるインキ通孔が形成されている。インキ通孔に繊維収束体のような強制的なインキ誘導部材を配置する場合もあるが、その場合でもインキ誘導部材は直接筆記ボールと接触させることは少なく、結局はボール受け座に形成したインキ通孔から流出するインキが筆記に供されることになる。また、このインキ通孔は、ボールの断面と同様な円形では、ボールがインキ通孔を塞いでインキの導出を阻害することとなるので、矢溝と呼ばれる数本の放射状溝を形成したり、インキ通孔を多角形としたり異形にして筆記ボールがインキ通孔の全てを塞がないようになされている。
上述の筆記ボールとボールホルダーとの摩擦は、主にこのボール受け座にて発生する。一般的にボールホルダーはボールよりも軟質の材料にて形成されていると共に、ボールの表面は微細な凹凸が形成されており、前記摩擦がボール受け座を摩耗させることがあった、特にステンレス鋼は、腐食による外観損失や、変形によるボール外れでインキが漏れることが抑制されたものとすることができるが、一方、難切削性のため、切削面が凸凹になり易く、ボールとボールホルダーとの摩擦が増大し、ボール受け座の摩耗が顕著になった。ボール受け座が摩耗すると、筆記ボールによって塞がれるインキ通孔の面積が増大する。即ち、筆記に際して、筆記ボールがボール受け座に押し付けられた時に開口している有効なインキ通孔の面積が減少し、前記矢溝などを超えて拡がるとインキ通孔が完全に閉塞されてしまうことになる。このようなことから、筆記を続けていると、筆跡がかすれたり、筆記不能となったりしてしまうことがある。
この問題を解決するために、インキ中に水溶性切削油や潤滑油などを添加してインキの潤滑性を上げる試みがなされている。潤滑性を付与する添加剤については、例えば、特開昭60−63265号公報にはN−ビニル−2−ピロリドンのオリゴマーを添加したボールペン用水性インキ組成物(特許文献1参照)が、特開昭60−238375号公報には、ジチオリン酸塩等を添加したボールペン用水性インキ組成物(特許文献2参照)が、特開平05−271603号公報にはジアルキルチオ尿素を配合したボールペン用水性顔料インキ(特許文献3参照)が、特開平07−247459号公報にはスルホランを添加した水性ボールペン用顔料インキ組成物(特許文献4参照)が、特開2001−106956公報にはメルカプトベンゾチアゾール誘導体を添加したボールペン用水性インキ組成物(特許文献5参照)が開示されている。
特開昭60−63265号公報(第2頁左上欄3〜6行) 特開昭60−238375号公報(第2頁左上欄6〜9行) 特開平05−271603号公報(第2頁第2欄5〜15行) 特開平07−247459号公報(第2頁第2欄1〜4行) 特開2001−106956公報(第2頁第2欄15〜21行)
しかし、上述の従来技術は、いずれもインキに潤滑油の働きをする液体を添加するものであり、ボール受け座の摩耗を抑制するに十分な効果が得られておらず、たとえ効果が得られても、一方でインキの表面張力を著しく低下させて筆跡が滲みやすくなるなど、他の実用上の問題を伴うものであった。
本発明の目的は、ボールの回転によるボール受け座の摩耗を極力防止することにより良好なインキの吐出性を確保し、インキをすべて消費するまでかすれることなく筆記可能なボールペン用水性インキを提供することにある。
即ち、着色剤として染料のみと、アルミナの微粒子と、液媒体とを少なくとも含有してなるボールペン用インキを要旨とする。
本発明に係わるボールペン用インキは、アルミナをインキに添加することで、アルミナがボールとボール受け座との間で破砕されることなくベアリング的な作用をすると推察され、また、お互いの接触面積を極力少なくする結果、インキの流動層が厚くなると推察され、ボールの回転による摩擦が小さくなってボール受け座の摩耗が少なくなると考えられる。また、比較的硬いアルミナによって、筆記ボールの表面及び/または受け座表面が研磨され、ボールが回転していくうちに筆記ボールの表面がなだらかとなり、ボール受け座との接触による摩擦が少なくなってボール受け座の摩耗が減少していくことも考えられる。ボール受け座の摩耗が少ないので、充填されたインキをすべて消費するまでかすれることなく筆記することができるという目的が充分に達成できる有用なものである。
以下、詳細に説明する。
アルミナの微粒子は、球形であることによって「ころ」の効果が期待できることが予想され好ましいが、板状などの平板形状であっても配行させるなどして「そり」の効果を期待することもできる。いずれにしても動く(回転する)ものであるボールと動かないもの(軸受け)であるボールホルダーとの間で摩擦を小さくする作用が働けばよく、特に、ボールホルダーに形成された切削面の凹凸などを研磨する働きを持たせたものであってもよい。また、粒度調整をして粒度分布が狭いもの、具体的には平均粒子径±25%の大きさの粒子径が50%以上のもので、その平均粒径は0.1〜30μmのものを使用することが好ましい。平均粒子径が0.1μm未満の微粒子では、ボール受け座の摩耗抑制効果が充分でない可能性がある。また、平均粒子径が30μmを越えると、ボールペンのインキ流通路の大きさとの関係で不具合が発生する可能性がある。
また、粒度分布巾が広く、30μm以上の粗大粒子を含む微粒子については、インキを濾過、遠心分離して除去して使用してもよい。
アルミナの微粒子を使用することによって、微粒子のボールに対する研磨効果が期待できる。この研磨効果はボール表面の凹凸状態と微粒子の形状や粒子径と密接に関係していると考えられる。特に、筆記ボールの表面が、50μm×50μmの領域内の算術平均粗さが数nm〜数十nmで、かつ最大高低差が数百nmのものであれば、微粒子の粒子径が0.1μm〜30μm、平均粒子径で0.1〜20μmのものであれば高い研磨効果が期待できる。
また、アルミナの微粒子の使用量はインキ全量に対して0.003〜10重量%が好ましい。使用量が0.003重量%未満の場合、ボール沈みの防止効果が充分に発揮できない可能性がある。また、10重量%以上であると、筆跡が所望の色調と多少あわなかったり、ボールペンチップ内でのインキの詰まりから筆記かすれが生じたりする可能性がある。
染料は、筆跡に着色効果を付与し視認させるものであり、酸性染料、直接染料、塩基性染料等が挙げられる。
具体例を挙げると、ジャパノールファストブラックDコンク(C.I.ダイレクトブラック17)、ウォーターブラック100L(同19)、ウォーターブラックL−200(同19)、ダイレクトファストブラックB(同22)、ダイレクトファストブラックAB(同32)、ダイレクトディープブラックEX(同38)、ダイレクトファストブラックコンク(同51)、カヤラススプラグレイVGN(同71)、カヤラスダイレクトブリリアントエローG(C.I.ダイレクトエロー4)、ダイレクトファストエロー5GL(同26)、アイゼンプリムラエローGCLH(同44)、ダイレクトファストエローR(同50)、アイゼンダイレクトファストレッドFH(C.I.ダイレクトレッド1)、ニッポンファストスカーレットGSX(同4)、ダイレクトファストスカーレット4BS(同23)、アイゼンダイレクトローデュリンBH(同31)、ダイレクトスカーレットB(同37)、カヤクダイレクトスカーレット3B(同39)、アイゼンプリムラピンク2BLH(同75)、スミライトレッドF3B(同80)、アイゼンプリムラレッド4BH(同81)、カヤラススプラルビンBL(同83)、カヤラスライトレッドF5G(同225)、カヤラスライトレッドF5B(同226)、カヤラスライトローズFR(同227)、ダイレクトスカイブルー6B(C.I.ダイレクトブルー1)、ダイレクトスカイブルー5B(同15)、スミライトスプラブルーBRRコンク(同71)、ダイボーゲンターコイズブルーS(同86)、ウォーターブルー#3(同86)、カヤラスターコイズブルーGL(同86)、カヤラススプラブルーFF2GL(同106)、カヤラススプラターコイズブルーFBL(同199)等の直接染料や、アシッドブルーブラック10B(C.I.アシッドブラック1)、ニグロシン(同2)、スミノールミリングブラック8BX(同24)、カヤノールミリングブラックVLG(同26)、スミノールファストブラックBRコンク(同31)、ミツイナイロンブラックGL(同52)、アイゼンオパールブラックWHエクストラコンク(同52)、スミランブラックWA(同52)、ラニルブラックBGエクストラコンク(同107)、カヤノールミリングブラックTLB(同109)、スミノールミリングブラックB(同109)、カヤノールミリングブラックTLR(同110)、アイゼンオパールブラックニューコンク(同119)、ウォーターブラック187−L(同154)、カヤクアシッドブリリアントフラビンFF(C.I.アシッドエロー7:1)、カヤシルエローGG(同17)、キシレンライトエロー2G140%(同17)、スミノールレベリングエローNR(同19)、ダイワタートラジン(同23)、カヤクタートラジン(同23)、スミノールファストエローR(同25)、ダイアシッドライトエロー2GP(同29)、スミノールミリングエローO(同38)、スミノールミリングエローMR(同42)、ウォーターエロー#6(同42)、カヤノールエローNFG(同49)、スミノールミリングエロー3G(同72)、スミノールファストエローG(同61)、スミノールミリングエローG(同78)、カヤノールエローN5G(同110)、スミノールミリングエロー4G200%(同141)、カヤノールエローNG(同135)、カヤノールミリングエロー5GW(同127)、カヤノールミリングエロー6GW(同142)、スミトモファストスカーレットA(C.I.アシッドレッド8)、カヤクシルクスカーレット(同9)、ソーラールビンエクストラ(同14)、ダイワニューコクシン(同18)、アイゼンボンソーRH(同26)、ダイワ赤色2号(同27)、スミノールレベリングブリリアントレッドS3B(同35)、カヤシルルビノール3GS(同37)、アイゼンエリスロシン(同51)、カヤクアシッドローダミンFB(同52)、スミノールレベリングルビノール3GP(同57)、ダイアシッドアリザリンルビノールF3G200%(同82)、アイゼンエオシンGH(同87)、ウォーターピンク#2(同92)、アイゼンアシッドフロキシンPB(同92)、ローズベンガル(同94)、カヤノールミリングスカーレットFGW(同111)、カヤノールミリングルビン3BW(同129)、スミノオールミリングブリリアントレッド3BNコンク(同131)、スミノールミリングブリリアントレッドBS(同138)、アイゼンオパールピンクBH(同186)、スミノールミリングブリリアントレッドBコンク(同249)、カヤクアシッドブリリアントレッド3BL(同254)、カヤクアシッドブリリドブリリアントレッドBL(同265)、カヤノールミリングレッドGW(同276)、ミツイアシッドバイオレット6BN(C.I.アシッドバイオレット15)、ミツイアシッドバイオレットBN(同17)、スミトモパテントピュアブルーVX(C.I.アシッドブルー1)、ウォーターブルー#106(同1)、パテントブルーAF(同7)、ウォーターブルー#9(同9)、ダイワ青色1号(同9)、スプラノールブルーB(同15)、オリエントソルブルブルーOBC(同22)、スミノールレベリングブルー4GL(同23)、ミツイナイロンファストブルーG(同25)、カヤシルブルーAGG(同40)、カヤシルブルーBR(同41)、ミツイアリザリンサフィロールSE(同43)、スミノールレベリングスカイブルーRエクストラコンク(同62)、ミツイナイロンファストスカイブルーB(同78)、スミトモブリリアントインドシアニン6Bh/c(同83)、サンドランシアニンN−6B350%(同90)、ウォーターブルー#115(同90)、オリエントソルブルブルーOBB(同93)、スミトモブリリアントブルー5G(同103)、カヤノールミリングウルトラスカイSE(同112)、カヤノールミリングシアニン5R(同113)、アイゼンオパールブルー2GLH(同158)、ダイワギニアグリーンB(C.I.アシッドグリーン3)、アシッドブリリアントミリンググリーンB(同9)、ダイワグリーン#70(同16)、カヤノールシアニングリーンG(同25)、スミノールミリンググリーンG(同27)等の酸性染料、アイゼンカチロンイエロー3GLH(C.I.ベーシックイエロー11)、アイゼンカチロンブリリアントイエロー5GLH(同13)、スミアクリルイエローE−3RD(同15)、マキシロンイエロー2RL(同19)、アストラゾンイエロー7GLL(同21)、カヤクリルゴールデンイエローGL−ED(同28)、アストラゾンイエロー5GL(同51)、アイゼンカチロンオレンジGLH(C.I.ベーシックオレンジ21)、アイゼンカチロンブラウン3GLH(同30)、ローダミン6GCP(C.I.ベーシックレッド1)、アイゼンアストラフロキシン(同12)、スミアクリルブリリアントレッドE−2B(同15)、アストラゾンレッドGTL(同18)、アイゼンカチロンブリリアントピンクBGH(同27)、マキシロンレッドGRL(同46)、アイゼンメチルバイオレット(C.I.ベーシックバイオレット1)、アイゼンクリスタルバイオレット(同3)、アイゼンローダミンB(同10)、アストラゾンブルーG(C.I.ベーシックブルー1)、アストラゾンブルーBG(同3)、メチレンブルー(同9)、マキシロンブルーGRL(同41)、アイゼンカチロンブルーBRLH(同54)、アイゼンダイヤモンドグリーンGH(C.I.ベーシックグリーン1)、アイゼンマラカイトグリーン(同4)、ビスマルクブラウンG(C.I.ベーシックブラウン1)等の塩基性染料が挙げられる。
液媒体は、上記染料等の着色材を溶解又は分散するものであり、主に水が好適に使用される。水の他にはボールペンとしての種々の品質、例えば、ペン先でのインキ乾燥防止、低温時でのインキ凍結防止などの目的で使用するものである。
具体的には、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブチルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1、3−ブチレングリコール、チオジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類や、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、2−ピロリドン、トリエタノールアミン等を単独或は混合して使用することができる。尚、水を使用せずに、フェニルセルソルブやベンジルアルコール等の水に溶解しない又は難溶の有機溶剤のみで構成する系とすることもできる。
又、インキの粘度を調整するために粘度調整剤を添加することができる。例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン等の水溶性合成高分子物質や、種子多糖類類のグァーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、微生物系のザンサンガム、ウェランガム、ラムザンガム、海藻多糖類のカラーギナン、アルギン酸及びその誘導体、樹脂多糖類のタラガントガム、セルロース系樹脂、ピロリドン系樹脂などの樹脂を使用することができる。これらの粘度調節材は一種若しくは二種以上を混合して使用することもできる。好ましいインキの粘度は、100mPa・s(E型粘度計でstローターを使用し、10rpmで5分経過後に測定)以上である。但し、50,000mPa・sを超えるとインキの流動性が阻害されるなど他の問題が生じる可能性がある。
更に尿素、エチレン尿素、チオ尿素等の湿潤剤やベンゾチアゾリン系、オマジン系などの防腐剤、ベンゾトリアゾールなどの防錆剤、着色材の分散剤、潤滑剤、凍結防止剤、などの種々の添加剤を必要に応じて添加できる。
本発明のインキを製造するに際しては、従来知られている種々の方法が採用できるが、例えば、上記各成分を配合し、ターボミキサー、ヘンシェルミキサー等の撹拌機により撹拌混合することによって、又、ボールミル、サンドグラインダー、スピードラインミル、ロールミル等の分散機により混合粉砕することによって容易に得られる。更に、必要に応じて、濾過や遠心分離によってインキ中の粗大粒子を除去してもよい。
ボールペンのペン先として使用するボールペンチップは、図1に示したもののように、主に筆記部材としての筆記ボール1と、この筆記ボール1を回転自在に抱持するボールホルダー2となるものである。ボールホルダー2はインキ通路としての内孔3を有しており、その先端開口部3aは、ボール1を設置した後にかしめ加工を施すことによってボール1の直径より小さい径に縮径化されており、ボール1の抜け止めがなされている。また、内孔3には、複数の内方突出部4が放射状に形成されており、ボール1の後方移動規制をなすと共に、各内方突出部4の間の空間を中心孔5と連通してインキの通過する放射状溝6を形成している。
筆記ボール1としては、主にタングステンカーバイド合金である所謂超硬製のボールやジルコニア等のセラミック製ボールが使用でき、ビッカーズ硬さ(Hv)1000〜3000程度のものが好適に使用できる。ボールホルダー2としては、ステンレス鋼を使用し、ビッカーズ硬さ(Hv)150〜300程度のものが好適に使用できる。
また、タングステンカーバイド製の筆記ボールとステンレス鋼製のボールホルダーとを使用した場合、この筆記ボールが、表面の少なくとも50μm×50μmの領域内の算術平均粗さが5〜25nmで、かつ最大高低差が100〜600nmのものを使用することが好適である。更に、前記筆記ボールの表面において、50μmの線分中に、前記算術平均粗さの5倍以上の凹部が少なくとも2箇所以上存在することが好適である。
算術平均粗さ(Ra)はJIS B0601で定義されている中心線平均粗さを測定面(2500μm2、一辺50μmの正方形)に対して三次元に拡張し、基準面から指定面までの偏差の絶対値を平均した値を使用した。表面粗さの測定は(セイコーエプソン社製の機種名SPI3800N)を使用した。最大高低差(P−V)は測定面における最大高さ(Zmax)と最小高さ(Zmin)の差である。また、50μmの線分中の凹部の個数は、測定面に対し、その測定面を横断する任意の位置に直線状に引いたもので、その線分中における測定部の断面構造を示すものである。
以下、実施例に基づき更に詳細に説明する。
実施例1
ウォーターブラック#256L(黒色染料の14%水溶液、オリエント化学工業(株)
40.0重量部
エチレングリコール 5.0重量部
グリセリン 6.0重量部
ジエチレングリコール 6.0重量部
サルコシネートOH(N−オレオイルサルコシン、界面活性剤、日光ケミカルズ(株)製) 2.5重量部
水酸化ナトリウム 0.2重量部
キサンタンガム(増粘樹脂) 0.4重量部
プロクセルGXL(1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、防腐剤、ICIジャパン(株)製) 0.1重量部
イオン交換水 39.7重量部
アルミナ(平均粒径1μm) 0.1重量部
上記成分中、キサンタンガムと水とをラボミキサーにて30分間攪拌して均一に溶解しケルザン水溶液を調整し、これに残りの各成分を加えて、更に2時間混合攪拌してインキを得た。
実施例3
ウォーターピンク#2(C.I.ACID RED92、オリエント化学工業(株)製)
5.0重量部
ウォーターイエロー#6 1.0重量部
エチレングリコール 23.0重量部
グリセリン 5.0重量部
サルコシネートOH 1.0重量部
水酸化ナトリウム 0.1重量部
ベンゾトリアゾール 0.5重量部
L−アスコルビン酸ナトリウム(溶存酸素除去剤) 0.1重量部
カルボキシメチルヒドロキシプロピル化ガーガム(増粘剤) 0.3重量部
プロクセルXL−2 0.2重量部
イオン交換水 61.8重量部
アルミナ(平均粒径0.5μm) 2.0重量部
上記各成分を1時間撹拌混合してインキを得た。
実施例4
ウォーターブルー105S(C.I.ACID BLUE90、オリエント化学工業(株)製) 4.0重量部
エチレングリコール 5.0重量部
グリセリン 3.0重量部
ジチオジグリコール 15.0重量部
ベンゾトリアゾール 0.5重量部
L−アスコルビン酸ナトリウム 0.4重量部
プロクセルXL−2 2.0重量部
イオン交換水 70.097重量部
アルミナ(平均粒径0.5μm) 0.003重量部
上記各成分を1時間撹拌混合してインキを得た。
比較例1
実施例1において、アルミナの代わりに水を用いた以外は、実施例1と同様になしてインキを得た。
比較例2
実施例1のアルミナの代わりに炭酸カルシウム(新モース硬度3、平均粒径1.3μm)を用いた以外は、実施例1と同様にしてインキを得た。
比較例3
実施例1のアルミナの代わりに、二硫化モリブデン(新モース硬度1、平均粒径3μm)を用いた以外は、実施例1と同様にしてインキを得た。
以上、実施例1〜4及び比較例1〜3で得たインキを、ステンレスボールペンチップ(ボール材質:タングステンカーバイド)を一端に連接したポリプロピレン製の中空軸筒よりなる透明なインキ収容管に0.8g直接充填し(ぺんてる(株)製ハイブリッド、K108使用)、各々筆記距離及びボール受け座の摩耗について試験した。結果を表1に示す。
筆記距離:自転式連続筆記試験機(螺旋機、精機工業研究所製)を用い、筆記速度7cm/sec、荷重100g、角度70°で連続筆記してかすれの発生した筆記距離を測定した。
ボール受け座の摩耗:上記筆記試験において、実施例1〜4及び比較例1〜3をそれぞれ筆記させるボールペンチップにおいて、筆記ボールを上向きにしたときの筆記前のボール突出長さと、試験後のボール突出長さとの差よりボール受け座の摩耗量(長手方向距離)を測定した。比較例は充填したインキ組成物が残っていたが、インキは吐出しなかったので、200m連続筆記後のボール突出長さとの差よりボール受け座の摩耗を測定した。なお、ボール突出長さは工具顕微鏡を用い、ボールホルダーの先端からボール先端までの長さを測定した。
以上、詳細に説明したように、本発明に係わるボールペン用インキは、ボール受け座の摩耗が少ないので、充填されたインキをすべて消費するまでかすれることなく筆記することができるという目的が充分に達成できる有用なものである。
ボールペンチップの一例を示す要部縦断面拡大図。
符号の説明
1 筆記ボール
2 ボールホルダー
3 内孔
3a 先端開口部
4 内方突出部
5 中心孔
6 放射状溝

Claims (2)

  1. 着色剤として染料のみと、アルミナの微粒子と、液媒体とを少なくとも含有してなるボールペン用インキ。
  2. 前記ボールペン用インキが、更にL−アスコルビン酸ナトリウムを含有する請求項1に記載のボールペン用インキ。
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