JP5210058B2 - 地震被害予測装置及び地震被害予測プログラム - Google Patents

地震被害予測装置及び地震被害予測プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP5210058B2
JP5210058B2 JP2008156723A JP2008156723A JP5210058B2 JP 5210058 B2 JP5210058 B2 JP 5210058B2 JP 2008156723 A JP2008156723 A JP 2008156723A JP 2008156723 A JP2008156723 A JP 2008156723A JP 5210058 B2 JP5210058 B2 JP 5210058B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
information
earthquake
type
building
response spectrum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008156723A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009300312A (ja
Inventor
三千雄 杉本
貞友 鬼丸
安良 辰巳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takenaka Corp
Original Assignee
Takenaka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takenaka Corp filed Critical Takenaka Corp
Priority to JP2008156723A priority Critical patent/JP5210058B2/ja
Publication of JP2009300312A publication Critical patent/JP2009300312A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5210058B2 publication Critical patent/JP5210058B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Geophysics And Detection Of Objects (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)

Description

本発明は、地震被害予測装置及び地震被害予測プログラムに係り、より詳しくは、建物の地震動に対する被害状況の予測を行う地震被害予測装置及び地震被害予測プログラムに関する。
近年脚光を浴びているBCP(Business Continuity Plan、事業継続計画)の策定の際には、策定対象とする建物の地震動に対する被害状況を高精度に予測することが極めて重要である。
このために適用できる技術として、特許文献1には、被害予測の対象とする建物の上部構造部の耐震性能を示す耐震指標Isと、当該建物が建てられている地盤の耐震性能を示す耐震指標Isg及び前記建物の基礎構造部の耐震性能を示す耐震指標Ispの双方か、または耐震指標Isgのみと、を導出し、導出した耐震指標に基づいて地震動による前記建物に対する被害程度を予測し、予測結果を出力する技術が開示されている。
また、特許文献2には、被害予測の対象とする建物が建てられている地域の地震波を、複数のマグニチュード毎に乱数を用いて位相を変化させることにより複数生成し、生成した複数の地震波を用いた建物モデルによる応答解析を行い、前記建物に用いられている部材毎に損傷状態を導出し、当該損傷状態に基づいて地震動による前記建物に対する被害程度を予測し、当該予測結果を出力する技術が開示されている。
さらに、非特許文献1には、建物の耐震性能を地震荷重に換算した性能等価地震荷重を用いて地震動による建物の被害状況を予測する技術が開示されている。
特開2004−145696号公報 特開2005−49225号公報 林 康裕,「性能等価応答スペクトルに基づく建築物の地震荷重評価」,第11回日本地震工学シンポジウム,2002年11月,p.651〜656
しかしながら、上記特許文献1に開示されている技術では、建物の被害程度を大破、中破、小破といったレベルで予測するものとされており、必ずしも要求される予測精度を満足することができるとは限らない、という問題点があった。
また、上記特許文献2に開示されている技術では、生成した地震波を用いた弾塑性解析によって建物に対する被害程度を予測しており、時間や手間がかかる、という問題点があった。
さらに、上記非特許文献1に開示されている技術では、予測に用いる地震波として汎用的なものを適用しており、この技術においても、必ずしも要求される予測精度を満足することができるとは限らない、という問題点があった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、簡易に建物の地震による被害状況の高精度な予測を行うことのできる地震被害予測装置及び地震被害予測プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の地震被害予測装置は、地震被害の予測対象とする建物の建設位置を示す建設位置情報及び前記建物の種類を示す建物種類情報を入力する入力手段と、前記入力手段によって入力された建設位置情報により示される建設位置の地盤種別に応じた地表面における地震動に対する加速度応答スペクトルを示す応答スペクトル情報及び前記入力手段によって入力された建物種類情報により示される建物の種類に応じた耐震性能を示す性能情報を取得する取得手段と、地震被害の予測に用いる地震波の基準となる基準地震波を示す基準地震波情報を、前記取得手段によって取得された応答スペクトル情報により示される加速度応答スペクトルに適合させることにより適合地震波情報を生成する生成手段と、前記取得手段によって取得された性能情報及び前記生成手段によって生成された適合地震波情報に基づいて、地震被害の予測対象とする地震動による前記建物の被害状況を予測できる地震被害予測情報を作成する作成手段と、前記作成手段によって作成された地震被害予測情報を表示する表示手段と、を備えている。
請求項1記載の地震被害予測装置によれば、地震被害の予測対象とする建物の建設位置を示す建設位置情報及び前記建物の種類を示す建物種類情報が入力手段によって入力され、入力された建設位置情報により示される建設位置の地盤種別に応じた地表面における地震動に対する加速度応答スペクトルを示す応答スペクトル情報、及び入力された建物種類情報により示される建物の種類に応じた耐震性能を示す性能情報が取得手段によって取得される。なお、上記建設位置情報には、上記建設位置を示す住所情報の他、当該建設位置を示す緯度及び経度の各情報が含まれる。また、上記入力手段による入力及び上記取得手段による取得には、キーボード、ポインティング・デバイス、タッチ・パネル、タブレット等の入力装置を介した入力及び取得の他、ローカル・エリア・ネットワーク、インターネット、イントラネット等の通信回線を介した外部装置からの入力及び取得が各々含まれる。
ここで、本発明では、生成手段により、地震被害の予測に用いる地震波の基準となる基準地震波を示す基準地震波情報が、前記取得手段によって取得された応答スペクトル情報により示される加速度応答スペクトルに適合(スペクトル・フィッティング)されることにより適合地震波情報が生成される。
そして、本発明では、作成手段により、前記取得手段によって取得された性能情報及び前記生成手段によって生成された適合地震波情報に基づいて、地震被害の予測対象とする地震動による前記建物の被害状況を予測できる地震被害予測情報が作成され、作成された地震被害予測情報が表示手段によって表示される。なお、上記表示手段による表示には、ディスプレイ装置等による可視表示、画像形成装置等による永久可視表示、音声合成装置等による可聴表示が含まれる。
このように、請求項1に記載の地震被害予測装置によれば、地震被害の予測対象とする建物の建設位置を示す建設位置情報及び前記建物の種類を示す建物種類情報を入力し、入力した建設位置情報により示される建設位置の地盤種別に応じた地表面における地震動に対する加速度応答スペクトルを示す応答スペクトル情報、及び入力した建物種類情報により示される建物の種類に応じた耐震性能を示す性能情報を取得し、地震被害の予測に用いる地震波の基準となる基準地震波を示す基準地震波情報を、取得した応答スペクトル情報により示される加速度応答スペクトルに適合させることにより適合地震波情報を生成し、取得した性能情報及び生成した適合地震波情報に基づいて、地震被害の予測対象とする地震動による前記建物の被害状況を予測できる地震被害予測情報を作成し、作成した地震被害予測情報を表示しているので、本発明を適用しない場合に比較して、簡易に建物の地震による被害状況の高精度な予測を行うことができる。
また、本発明は、前記取得手段が、前記入力手段によって入力された建設位置情報により示される建設位置における地表面の、前記地震被害の予測対象とする地震動による最大速度または最大加速度を示す速度関連情報を更に取得し、前記作成手段が、前記取得手段によって取得された速度関連情報の、前記生成手段によって生成された適合地震波情報により示される地震波の当該速度関連情報と同一種類の最大速度または最大加速度に対する倍率を前記取得手段によって取得された応答スペクトル情報に乗算することにより適合応答スペクトル情報を算出し、算出した適合応答スペクトル情報と前記取得手段によって取得された性能情報とに基づいて前記地震被害予測情報を作成するものとしている。これにより、より高精度な地震被害の予測を行うことができる。
特に、請求項1に記載の発明は、前記作成手段が、前記適合応答スペクトル情報と前記性能情報とを重ねて示すグラフを前記地震被害予測情報として作成するものとしてもよい。これにより、より容易に地震被害の予測状況を把握することができる結果、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
また、請求項1に記載の発明は、請求項2に記載の発明のように、地震被害の予測可能な領域である予測可能領域内における区分領域毎の地盤種別を示す地盤種別情報群、前記区分領域毎で、かつ地震被害の予測可能な地震動として予め定められた地震動による地表面における最大速度または最大加速度を示す速度関連情報群、前記地盤種別毎の地盤の地表面における地震動に対する加速度応答スペクトルを示す応答スペクトル情報群、及び地震被害の予測可能な種類として予め定められた建物の種類毎の耐震性能を示す性能情報群を予め記憶した記憶手段を更に備え、前記取得手段が、前記記憶手段から前記入力手段によって入力された建設位置情報により示される建設位置が含まれる区分領域に対応する地盤種別情報を前記地盤種別情報群から読み出すと共に、当該区分領域に対応し、かつ前記地震被害の予測対象とする地震動に対応する速度関連情報を前記速度関連情報群から読み出し、かつ前記入力手段によって入力された建物種類情報により示される建物の種類に対応する性能情報を前記性能情報群から読み出し、読み出した地盤種別情報により示される地盤種別に対応する応答スペクトル情報を前記応答スペクトル情報群から読み出すことにより、前記速度関連情報、前記性能情報、及び前記応答スペクトル情報を取得するものとしてもよい。これにより、より簡易に速度関連情報、性能情報、及び応答スペクトル情報を取得することができる結果、より簡易に建物の地震による被害状況の高精度な予測を行うことができる。なお、上記記憶手段には、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュEEPROM(Flash EEPROM)等の半導体記憶素子、SDメモリーカード(登録商標)、フレキシブル・ディスク等の可搬記録媒体やハードディスク等の固定記録媒体、或いはネットワークに接続されたサーバ・コンピュータ等に設けられた外部記憶装置が含まれる。
特に、請求項2に記載の発明は、前記地盤種別情報群、前記速度関連情報群、及び前記応答スペクトル情報群の少なくとも1つが、予め公開されている公開情報であるものとしてもよい。これにより、より簡易に前記地盤種別情報群、前記速度関連情報群、及び前記応答スペクトル情報群の少なくとも1つを得ることができる結果、より簡易に建物の地震による被害状況の高精度な予測を行うことができる。
また、本発明は、前記性能情報が、地震動による建物の種類毎の層間変位量を示す変位量情報であるものとしてもよい。層間変位量は、前述した非特許文献1に記載の技術等によって容易に導出することができるため、より簡易に、建物の地震による被害状況の高精度な予測を行うことができる。
また、本発明は、請求項3に記載の発明のように、前記基準地震波情報が、建築基準法により地震の発生頻度毎に加速度応答スペクトルを示すものとして予め定められた包絡関数に、位相が乱数を用いて一様分布でランダムとなるように生成した波形を適合(スペクトル・フィッティング)させることにより生成されたものであるものとしてもよい。これにより、基準地震波情報を演算によって導出することができるため、基準地震波情報を予め記憶しておくための記憶容量を削減することができる結果、装置構成を簡略化することができる。
さらに、本発明は、前記基準地震波情報が、過去に発生して計測された地震波を示す情報であるものとしてもよい。これにより、基準地震波情報を演算により生成する場合に比較して、演算負荷を低減することができる。
一方、上記目的を達成するために、請求項4記載の地震被害予測プログラムは、コンピュータを、地震被害の予測対象とする建物の建設位置を示す建設位置情報により示される建設位置の地盤種別に応じた地表面における地震動に対する加速度応答スペクトルを示す応答スペクトル情報及び前記建物の種類を示す建物種類情報により示される建物の種類に応じた耐震性能を示す性能情報を取得すると共に、前記建設位置情報により示される建設位置における地表面の、前記地震被害の予測対象とする地震動による最大速度または最大加速度を示す速度関連情報を取得する取得手段と、地震被害の予測に用いる地震波の基準となる基準地震波を示す基準地震波情報を、前記取得手段によって取得された応答スペクトル情報により示される加速度応答スペクトルに適合させることにより適合地震波情報を生成する生成手段と、前記取得手段によって取得された速度関連情報の、前記生成手段によって生成された適合地震波情報により示される地震波の当該速度関連情報と同一種類の最大速度または最大加速度に対する倍率を前記取得手段によって取得された応答スペクトル情報に乗算することにより適合応答スペクトル情報を算出し、算出した適合応答スペクトル情報と前記取得手段によって取得された性能情報とに基づいて、地震被害の予測対象とする地震動による前記建物の被害状況を予測できる地震被害予測情報を作成する作成手段と、前記作成手段によって作成された地震被害予測情報を表示手段によって表示するように制御する制御手段と、として機能させるためのものである。
従って、請求項4記載の地震被害予測プログラムによれば、コンピュータに対して請求項1記載の発明と同様に作用させることができるので、請求項1記載の発明と同様に、簡易に建物の地震による被害状況の高精度な予測を行うことができる、という効果が得られる。
本発明によれば、地震被害の予測対象とする建物の建設位置を示す建設位置情報及び前記建物の種類を示す建物種類情報を入力し、入力した建設位置情報により示される建設位置の地盤種別に応じた地表面における地震動に対する加速度応答スペクトルを示す応答スペクトル情報、及び入力した建物種類情報により示される建物の種類に応じた耐震性能を示す性能情報を取得し、地震被害の予測に用いる地震波の基準となる基準地震波を示す基準地震波情報を、取得した応答スペクトル情報により示される加速度応答スペクトルに適合させることにより適合地震波情報を生成し、取得した性能情報及び生成した適合地震波情報に基づいて、地震被害の予測対象とする地震動による前記建物の被害状況を予測できる地震被害予測情報を作成し、作成した地震被害予測情報を表示しているので、本発明を適用しない場合に比較して、簡易に建物の地震による被害状況の高精度な予測を行うことができる、という効果が得られる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
まず、図1及び図2を参照して、本発明が適用された地震被害予測装置10の構成を説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る地震被害予測装置10は、本装置の全体的な動作を制御する制御部12と、ユーザからの各種情報等の入力に使用するキーボード14及びマウス16と、本装置による処理結果や各種メニュー画面、メッセージ等を表示するディスプレイ18と、を含んで構成されている。すなわち、本実施の形態に係る地震被害予測装置10は、汎用のパーソナル・コンピュータにより構成されている。
次に、図2を参照して、本実施の形態に係る地震被害予測装置10の電気系の要部構成を説明する。
同図に示すように、地震被害予測装置10は、地震被害予測装置10全体の動作を司るCPU(中央処理装置)22と、CPU22による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM24と、各種制御プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM26と、各種情報を記憶するために用いられる記憶手段として機能するハードディスク28と、前述のキーボード14、マウス16、及びディスプレイ18と、外部に接続された装置等との間の各種情報の授受を司る外部インタフェース(I/F)30と、を備えており、これら各部はシステムバスBUSにより電気的に相互に接続されている。なお、外部インタフェース30にはインターネットが接続されている。
従って、CPU22は、RAM24、ROM26、及びハードディスク28に対するアクセス、キーボード14及びマウス16を介した各種情報の取得、ディスプレイ18に対する各種情報の表示、及び外部インタフェース30を介したインターネット上の各種サイトからの公開情報の取得等を各々行うことができる。
図3には、地震被害予測装置10に備えられたハードディスク28の主な記憶内容が模式的に示されている。同図に示すように、ハードディスク28には、各種データベースを記憶するためのデータベース領域DBと、各種処理を行うためのプログラムを記憶するためのプログラム領域PGとが設けられている。
また、データベース領域DBには、後述する地震被害予測プログラムの実行時に用いられる地盤種別情報データベースDB1、速度関連情報データベースDB2、応答スペクトル情報データベースDB3、及び損傷画像情報データベースDB4が予め記憶されている。
本実施の形態に係る地盤種別情報データベースDB1は、図4に示すように、地震被害の予測可能な領域として予め定められた予測可能領域内における予め定められた区分領域毎に、当該領域を示す領域情報及び当該領域における地盤の種別を示す地盤種別情報の各情報が記憶されて構成されている。
なお、本実施の形態に係る地震被害予測装置10では、上記予測可能領域として日本を適用し、上記区分領域として、日本国内を所定面積の矩形領域にメッシュ状に区分した領域を適用しており、図4に示されるように、地盤種別情報データベースDB1の領域情報として上記矩形領域の対角位置(本実施の形態では、北西方向角点及び南東方向角点の対角)における緯度及び経度を示す情報を適用している。また、上記地盤種別情報は、地盤の卓越周期を示す情報であり、本実施の形態に係る地震被害予測装置10では、第1種地盤、第2種地盤、及び第3種地盤の3種類の地盤種別を適用している。
一方、本実施の形態に係る速度関連情報データベースDB2は、図5に示すように、予め定められた地震の種類を示す地震種類情報毎で、かつ上記区分領域毎に、上記地盤種別情報データベースDB1と同様の領域情報、及び当該領域情報により示される領域において対応する地震種類情報により示される地震が発生した際の地表面における地震波による最大速度を示す最大速度情報の各情報が記憶されて構成されている。
なお、本実施の形態に係る地震被害予測装置10では、上記予め定められた地震の種類として、「首都圏直下型地震」、「東京北部地震」、「東海地震」、「宮城県沖地震」等の既に公開されている、所謂シナリオ地震と言われる地震や、過去に実際に発生し、計測された地震を適用している。
このように、本実施の形態に係る地盤種別情報データベースDB1と速度関連情報データベースDB2とは、上記区分領域(領域情報)として同一のものを適用しているが、これに限らず、例えば、各データベース間で区分領域の大きさや境界位置を変える等、互いに異なる区分領域を適用することもできる。また、本実施の形態に係る地盤種別情報データベースDB1及び速度関連情報データベースDB2は、上記区分領域として緯度及び経度により示される情報を適用しているが、これに限らず、例えば、市区町村を示す情報や、町丁目を示す情報等、住所を示す情報を適用する形態とすることもできる。
一方、本実施の形態に係る応答スペクトル情報データベースDB3は、図6に示すように、上記地盤種別毎に、地震の発生頻度を示す地震発生頻度情報、及び対応する地盤種別に応じた地表面における地震動に対する加速度応答スペクトルを示す応答スペクトル情報の各情報が記憶されて構成されている。
なお、本実施の形態に係る地震被害予測装置10では、一例として図7に示されるように、上記応答スペクトル情報として、平成12年建設省告示1461号に規定される解放工学的基盤における加速度応答スペクトルに基づく、地盤種別に応じた地表面における地震動に対する加速度応答スペクトルを適用しており、上記地震発生頻度情報として、当該告示において適用されている「稀」(稀に発生する地震動のレベル)及び「極稀」(極めて稀に発生する地震動のレベル)を適用している。
このように、本実施の形態に係る地震被害予測装置10では、平成12年建設省告示1461号に規定される解放工学的基盤における加速度応答スペクトルに基づく地表面における加速度応答スペクトルを適用しているが、これに限らず、地盤種別毎に規定された他の応答スペクトル情報を適用してもよいことは言うまでもない。
さらに、本実施の形態に係る損傷画像情報データベースDB4は、図8に示すように、地震被害の予測可能な種類として予め定められた建物の種類毎に、当該建物の種類を示す建物種類情報、対応する種類の建物における地震動による層間変形角を示す層間変形角情報、及び一例として図9に示されるような、対応する層間変形角である場合の対応する建物における損傷状況を示す画像情報である損傷画像情報の各情報が記憶されて構成されている。
本実施の形態に係る地震被害予測装置10では、上記損傷画像情報として、過去に発生した地震によって実際に損傷が発生した建物の撮影画像を適用しているが、これに限らず、例えば、対応する建物の平均的な構造仕様を用いたコンピュータ・シミュレーション等によってコンピュータ・グラフィクス等により作画された画像情報等、対応する層間変形角である場合の対応する建物における損傷状況を示す他の画像情報を適用することもできる。また、本実施の形態に係る地震被害予測装置10では、上記建物の種類として、木造、S造(鉄骨造)、RC造(鉄筋コンクリート造)、SRC造(鉄骨鉄筋コンクリート造)の4種類が適用されているが、これに限るものでないことも言うまでもない。
なお、上述した地盤種別情報データベースDB1、速度関連情報データベースDB2、及び応答スペクトル情報データベースDB3の各データベースに含まれる情報は、既に公開されている情報からインターネット等を介して取得することができる。
例えば、上記地盤種別情報は、一例として、国土交通省土地・水資源局国土調査課ホームページ(http://tochi.mlit.go.jp/tockok/inspect/landclassification/index.html)の土地分類調査(垂直調査)により得ることができる。また、上記最大速度情報は、一例として、地震調査研究推進本部地震調査委員会による「全国を概観した地震動予測地図」(http://www.j-shis.bosai.go.jp/)の公開システム「地震ハザードステーション J−SHIS」より蓋然性、影響度の観点からの想定地震時の地表面の最大速度として得ることができる。さらに、上記応答スペクトル情報は、一例として、前述したように平成12年建設省告示1461号に規定される解放工学的基盤における加速度応答スペクトルに基づく地表面における加速度応答スペクトルから得ることができる。
次に、図10を参照して、地震被害予測処理を実行する際の地震被害予測装置10の作用を説明する。なお、図10は、ユーザによりキーボード14、マウス16の操作によって当該地震被害予測処理の実行指示が入力された際にCPU22により実行される地震被害予測プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはハードディスク28のプログラム領域PGに予め記憶されている。
まず、同図のステップ100では、予め定められたフォーマットとされた予測対象情報入力画面をディスプレイ18により表示させるように制御し、次のステップ102にて所定情報の入力待ちを行う。
図11には、本実施の形態に係る予測対象情報入力画面の表示状態が示されている。同図に示すように、当該画面では、地震被害の予測対象に関する情報の入力を促すメッセージが表示されると共に、地震被害の予測対象とする建物(以下、「予測対象建物」という。)に関する情報として、予測対象建物の建設位置(本実施の形態では、住所)、予測対象建物の種類(本実施の形態では、木造、S造、RC造、SRC造の何れか)、及び評価対象とする階数の各情報と、予測対象とする地震(以下、「予測対象地震」という。)に関する情報として、地震発生頻度(本実施の形態では、「稀」または「極稀」の何れか)、及び地震の種類(本実施の形態では、「首都圏直下型地震」、「東京北部地震」等の速度関連情報データベースDB2に登録されている何れかの地震の種類)の各情報を入力するための矩形枠が表示される。
同図に示すような予測対象情報入力画面がディスプレイ18に表示されると、ユーザは、キーボード14及びマウス16の操作により、予測対象建物の建設位置、予測対象建物の種類、評価対象とする階数、予測対象地震の地震発生頻度、及び地震の種類の各情報を対応する矩形枠内に入力した後、当該画面の最下部に表示されている「終了」ボタンをマウス16にてポインティング指定する。これに応じて、上記ステップ102が肯定判定となってステップ104に移行する。
ステップ104では、予測対象情報入力画面上でユーザによって入力された住所(建設位置)における所定位置(本実施の形態では、当該住所の中心位置)が含まれる区分領域に対応する地盤種別情報及び最大速度情報を地盤種別情報データベースDB1及び速度関連情報データベースDB2から各々読み出す。このように、本実施の形態に係る地震被害予測装置10では、ユーザによって予測対象建物の建設位置の住所を入力させ、当該住所が含まれる区分領域を特定する必要があるため、ハードディスク28の所定領域には、当該住所と区分領域との関係を示す情報も予め記憶されている。
次のステップ106では、読み出した地盤種別情報及び上記予測対象情報入力画面上でユーザによって入力された地震発生頻度情報に対応する応答スペクトル情報を応答スペクトル情報データベースDB3から読み出す。
次のステップ108では、以下のように適合地震波情報を生成する。
まず、建築基準法により地震の発生頻度毎に加速度応答スペクトルを示すものとして予め定められた包絡関数に、位相が乱数を用いて一様分布でランダムとなるように生成した複数種類(本実施の形態では、3種類)の波形を適合(スペクトル・フィッティング)させることにより、複数種類の基準地震波情報を生成する。
図12には、この際に適用される包絡関数E(t)が示されている。なお、同図における「レベル1」は地震発生頻度が上記「稀」である場合に対応するレベルであり、「レベル2」は地震発生頻度が上記「極稀」である場合に対応するレベルである。
次に、生成した複数種類の基準地震波情報を、上記ステップ106の処理によって読み出した応答スペクトル情報により示される加速度応答スペクトルに各々適合(スペクトル・フィッティング)させることにより、複数種類の適合地震波情報を作成する。なお、上記スペクトル・フィッティングについては従来既知の技術であるので、これ以上のここでの説明を省略する。
次のステップ110では、生成した複数種類の適合地震波情報の最大速度を導出して平均値を算出し、次のステップ112にて、算出した平均値に対する、上記ステップ104の処理によって読み出した最大速度倍率を算出する。
次のステップ114では、上記ステップ106の処理によって読み出した応答スペクトル情報に対して上記ステップ112の処理によって算出した倍率を乗算することにより、適合応答スペクトル情報を算出する。
次のステップ116では、予測対象建物の種類に応じた耐震性能を示す性能情報としての性能等価加速度応答スペクトルを示す性能スペクトル情報を導出する。
なお、上記性能等価加速度応答スペクトルは、建物の耐震性能を、それと等価な加速度応答スペクトルに変換したものであり、本実施の形態に係る地震被害予測装置10では、2000年6月に施行された改正建築基準法における限界耐力計算法の計算過程を用いて導出する。ここで、この性能スペクトル情報の導出過程で必要とされる各種パラメータもまた、ハードディスク28の所定領域に予め記憶されている。
なお、性能スペクトル情報の導出手順については、前述した非特許文献1や「新・地震動のスペクトル解析入門、大崎順彦、鹿島出版会、1194」等に記載されているため、これ以上のここでの説明は省略する。
次のステップ118では、以上の処理によって得られた適合応答スペクトル情報と性能スペクトル情報に基づいて、地震被害の予測対象とする地震動による予測対象建物の被害状況を予測できる地震被害予測情報を作成し、次のステップ120にて、作成した地震被害予測情報をディスプレイ18によって表示させるように制御する。
図13には、上記ステップ120の処理によってディスプレイ18により表示される地震被害予測情報の表示状態の一例が示されている。同図に示されるように、この地震被害予測情報では、上記ステップ114の処理によって算出した適合応答スペクトル情報と、上記ステップ116の処理によって導出した性能スペクトル情報とが重ねられた状態とされたグラフが表示される。なお、同図に示したものは、一例として、予測対象建物の建設位置として「江東区」を適用し、建物の種類として「RC造」を適用し、評価対象階数として「5階」を適用し、地震発生頻度として「極稀」を適用し、予測対象地震として「首都圏直下型地震」を適用した場合の地震被害予測情報である。
同図に示す例では、層間変形角(最大応答変形角)Rとして1/150,1/120,1/100,1/75,1/50,1/30の6種類を適用しており、降伏せん断力係数Cyを0.2から0.8まで0.1刻みで変化させている。
同図に示される地震被害予測情報を参照することにより、ユーザは、例えば、層間変形角Rを1/100以内とするためには、降伏せん断力係数Cyとして0.6以上が必要である、といったことを把握することができる。
ここで、本実施の形態に係る地震被害予測情報の表示画面では、性能スペクトル情報を示す何れかの曲線をマウス16によってポインティング指定することにより、指定した曲線と適合応答スペクトル情報を示す曲線または直線との交点に対応する層間変形角Rに対する損傷状態を示す画像を表示することができるものとされている。
そこで、次のステップ122では、所定期間(本実施の形態では、1分間)以内に何れかの性能スペクトル情報を示す曲線が指定されたか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ124に移行して、指定された曲線と適合応答スペクトル情報を示す曲線または直線との交点に対応する層間変形角Rを導出した後、導出した層間変形角Rと、予測対象建物の種類とに対応する損傷画像情報を損傷画像情報データベースDB4から読み出し、次のステップ126にて、読み出した損傷画像情報により示される損傷画像をディスプレイ18によって表示させるように制御し、その後に本地震被害予測プログラムを終了する。なお、上記ステップ122において否定判定となった場合には、上記ステップ124及びステップ126の処理を実行することなく本地震被害予測プログラムを終了する。
図14には、上記ステップ126の処理によってディスプレイ18により表示される損傷画像情報の表示状態の一例が示されている。従って、同図に示される損傷画像情報を参照することにより、ユーザは、指定した降伏せん断力係数Cyに対応する損傷状態を視覚的かつ直感的に把握することができる。
以上詳細に説明したように、本実施の形態では、地震被害の予測対象とする建物(ここでは、予測対象建物)の建設位置を示す建設位置情報及び前記建物の種類を示す建物種類情報を入力し、入力した建設位置情報により示される建設位置の地盤種別に応じた地表面における地震動に対する加速度応答スペクトルを示す応答スペクトル情報、及び入力した建物種類情報により示される建物の種類に応じた耐震性能を示す性能情報(ここでは、性能スペクトル情報)を取得し、地震被害の予測に用いる地震波の基準となる基準地震波を示す基準地震波情報を、取得した応答スペクトル情報により示される加速度応答スペクトルに適合(スペクトル・フィッティング)させることにより適合地震波情報を生成し、取得した性能情報及び生成した適合地震波情報に基づいて、地震被害の予測対象とする地震動による前記建物の被害状況を予測できる地震被害予測情報を作成し、作成した地震被害予測情報を表示しているので、本発明を適用しない場合に比較して、簡易に建物の地震による被害状況の高精度な予測を行うことができる。
また、本実施の形態では、入力した建設位置情報により示される建設位置における地表面の、前記地震被害の予測対象とする地震動による最大速度を示す速度関連情報(ここでは、最大速度情報)をさらに取得し、取得した速度関連情報の、生成した適合地震波情報により示される地震波の最大速度に対する倍率を、取得した応答スペクトル情報に乗算することにより適合応答スペクトル情報を算出し、算出した適合応答スペクトル情報と取得した性能情報とに基づいて前記地震被害予測情報を作成しているので、より高精度な地震被害の予測を行うことができる。
特に、本実施の形態では、前記適合応答スペクトル情報と前記性能情報とを重ねて示すグラフを前記地震被害予測情報として作成しているので、より容易に地震被害の予測状況を把握することができる結果、ユーザにとっての利便性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、地震被害の予測可能な領域として予め定められた予測可能領域内における予め定められた区分領域毎の地盤種別を示す地盤種別情報群(ここでは、地盤種別情報データベースDB1)、前記区分領域毎で、かつ地震被害の予測可能な地震動として予め定められた地震動による地表面における最大速度を示す速度関連情報群(ここでは、速度関連情報データベースDB2)、前記地盤種別毎の地盤の地表面における地震動に対する加速度応答スペクトルを示す応答スペクトル情報群(ここでは、応答スペクトル情報データベースDB3)、及び地震被害の予測可能な種類として予め定められた建物の種類毎の耐震性能を示す性能情報群を予め記憶した記憶手段(ここでは、ハードディスク28)を備え、前記記憶手段から、入力した建設位置情報により示される建設位置が含まれる区分領域に対応する地盤種別情報を前記地盤種別情報群から読み出すと共に、当該区分領域に対応し、かつ前記地震被害の予測対象とする地震動に対応する速度関連情報を前記速度関連情報群から読み出し、かつ入力した建物種類情報により示される建物の種類に対応する性能情報を前記性能情報群から読み出し、読み出した地盤種別情報により示される地盤種別に対応する応答スペクトル情報を前記応答スペクトル情報群から読み出すことにより、前記速度関連情報、前記性能情報、及び前記応答スペクトル情報を取得しているので、より簡易に速度関連情報、性能情報、及び応答スペクトル情報を取得することができる結果、より簡易に建物の地震による被害状況の高精度な予測を行うことができる。
特に、本実施の形態では、前記地盤種別情報群、前記速度関連情報群、及び前記応答スペクトル情報群が、予め公開されている公開情報から得られたものとしているので、より簡易に前記地盤種別情報群、前記速度関連情報群、及び前記応答スペクトル情報群を得ることができる結果、より簡易に建物の地震による被害状況の高精度な予測を行うことができる。
また、本実施の形態では、前記性能情報が、地震動による建物の種類毎の層間変位量を示す変位量情報であるものとしているので、層間変位量は、前述した非特許文献1に記載の技術等によって容易に導出することができるため、より簡易に、建物の地震による被害状況の高精度な予測を行うことができる。
さらに、本実施の形態では、前記基準地震波情報が、建築基準法により地震の発生頻度毎に加速度応答スペクトルを示すものとして予め定められた包絡関数に、位相が乱数を用いて一様分布でランダムとなるように生成した波形を適合(スペクトル・フィッティング)させることにより生成されたものとしているので、基準地震波情報を演算によって導出することができるため、基準地震波情報を予め記憶しておくための記憶容量を削減することができる結果、装置構成を簡略化することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
また、上記の実施の形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組み合わせにより種々の発明を抽出できる。実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
例えば、上記実施の形態では、各種データベースDB1〜DB4が予め記憶されたハードディスク28を内蔵した単体のパーソナル・コンピュータによって本発明を実現した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、当該ハードディスク28を内蔵しないパーソナル・コンピュータに、各データベースDB1〜DB4が予め記憶された記憶媒体又は記憶装置が設けられた外部装置を、通信回線を介してネットワーク接続することにより、パーソナル・コンピュータと外部装置とによって本発明を実現する形態とすることもできる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、上記実施の形態では、本発明の速度関連情報として、地震種類情報により示される地震が発生した際の地表面における地震波による最大速度を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、当該地震波による最大加速度を適用する形態とすることもできる。この場合、速度関連情報データベースDB2に代えて、速度関連情報データベースDB2における最大速度が最大加速度とされたデータベースを構築しておき、これを利用して地震被害予測プログラムを実行することになる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、上記実施の形態では、本発明の基準地震波情報として、建築基準法により地震の発生頻度毎に加速度応答スペクトルを示すものとして予め定められた包絡関数に、位相が乱数を用いて一様分布でランダムとなるように生成した波形を適合させることにより生成した波形を適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、所謂八戸1968NS(継続時間180秒)、神戸海洋気象台1995NS(継続時間120秒)等の過去に発生して計測された地震波を示す情報を適用する形態とすることもできる。この場合、当該地震波を示す情報を予めハードディスク28に登録しておくことになる。この場合、基準地震波情報を演算により生成する場合に比較して、演算負荷を低減することができる。
また、上記実施の形態では、前記地盤種別情報群、前記速度関連情報群、及び前記応答スペクトル情報群の全ての情報が、予め公開されている公開情報から得られたものとした場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これらの情報群の何れか1つ、または何れか2つの組み合わせが公開情報から得られたものとする形態とすることもできる。この場合も、上記実施の形態と略同様の効果を奏することができる。
また、上記実施の形態では、適合応答スペクトル情報及び性能情報に基づいて地震被害予測情報を作成する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、適合地震波情報及び性能情報に基づいて地震被害予測情報を作成する形態とすることもできる。この場合の形態例としては、サイト特性を反映しているサイト観測地震を活用する形態、過去の被害地震で観測されている地震波を活用する形態等を例示することができる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、上記実施の形態では、地震被害予測プログラムにより導出した地震被害予測情報を、ディスプレイ18を用いた可視表示によって表示する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図示しないプリンタ等を用いた永久可視表示や、図示しないスピーカ等を用いた可聴表示によって表示する形態とすることもできる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、上記実施の形態では、本発明の性能情報を演算により取得する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、地震被害の予測可能な種類として予め定められた建物の種類毎の性能情報群を予め記憶手段により記憶しておき、当該性能情報群から予測対象建物の種類に対応する性能情報を読み出すことにより取得する形態とすることもできる。この場合も、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。
その他、上記実施の形態で説明した地震被害予測装置10の構成(図1〜図3参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要な部位を削除したり、新たな部位を追加したりすることができることは言うまでもない。
また、上記実施の形態で示した地震被害予測プログラムの処理の流れ(図10参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ換えたりすることができることは言うまでもない。
また、上記実施の形態で示した各種表示画面の構成(図11,図13,図14参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることも言うまでもない。例えば、図13に示したグラフに代えて、適合応答スペクトル情報及び性能スペクトル情報を示す文字情報を表示する形態としたり、図13に示すグラフに加えて、性能スペクトル情報を示す曲線と適合応答スペクトル情報を示す曲線または直線との交点を示す文字情報を表示したりする形態等とすることもできる。
さらに、上記実施の形態で示した各種データベースの構成(図4〜図6,図8参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、不要な情報を削除したり、新たな情報を追加したりすることができることも言うまでもない。
実施の形態に係る地震被害予測装置の外観を示す斜視図である。 実施の形態に係る地震被害予測装置の電気系の要部構成を示すブロック図である。 実施の形態に係る地震被害予測装置に備えられたハードディスクの主な記憶内容を示す模式図である。 実施の形態に係る地盤種別情報データベースの構成を示す模式図である。 実施の形態に係る速度関連情報データベースの構成を示す模式図である。 実施の形態に係る応答スペクトル情報データベースの構成を示す模式図である。 実施の形態に係る加速度応答スペクトルの説明に供するグラフである。 実施の形態に係る損傷画像情報データベースの構成を示す模式図である。 実施の形態に係る損傷画像情報の説明に供する模式図である。 実施の形態に係る地震被害予測プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。 実施の形態に係る予測対象情報入力画面の表示状態例を示す概略図である。 実施の形態に係る包絡関数を示すグラフである。 実施の形態に係る地震被害予測情報の表示状態例を示す概略図である。 実施の形態に係る損傷画像情報の表示状態例を示す概略図である。
符号の説明
10 地震被害予測装置
14 キーボード(入力手段)
16 マウス(入力手段)
18 ディスプレイ(表示手段)
22 CPU(取得手段,生成手段,作成手段,制御手段)
28 ハードディスク(記憶手段)
DB1 地盤種別情報データベース
DB2 速度関連情報データベース
DB3 応答スペクトル情報データベース
DB4 損傷画像情報データベース

Claims (4)

  1. 地震被害の予測対象とする建物の建設位置を示す建設位置情報及び前記建物の種類を示す建物種類情報を入力する入力手段と、
    前記入力手段によって入力された建設位置情報により示される建設位置の地盤種別に応じた地表面における地震動に対する加速度応答スペクトルを示す応答スペクトル情報及び前記入力手段によって入力された建物種類情報により示される建物の種類に応じた耐震性能を示す性能情報を取得すると共に、前記建設位置情報により示される建設位置における地表面の、前記地震被害の予測対象とする地震動による最大速度または最大加速度を示す速度関連情報を取得する取得手段と、
    地震被害の予測に用いる地震波の基準となる基準地震波を示す基準地震波情報を、前記取得手段によって取得された応答スペクトル情報により示される加速度応答スペクトルに適合させることにより適合地震波情報を生成する生成手段と、
    前記取得手段によって取得された速度関連情報の、前記生成手段によって生成された適合地震波情報により示される地震波の当該速度関連情報と同一種類の最大速度または最大加速度に対する倍率を前記取得手段によって取得された応答スペクトル情報に乗算することにより適合応答スペクトル情報を算出し、算出した適合応答スペクトル情報と前記取得手段によって取得された性能情報とに基づいて、地震被害の予測対象とする地震動による前記建物の被害状況を予測できる地震被害予測情報を作成する作成手段と、
    前記作成手段によって作成された地震被害予測情報を表示する表示手段と、
    を備えた地震被害予測装置。
  2. 地震被害の予測可能な領域である予測可能領域内における区分領域毎の地盤種別を示す地盤種別情報群、前記区分領域毎で、かつ地震被害の予測可能な地震動として予め定められた地震動による地表面における最大速度または最大加速度を示す速度関連情報群、前記地盤種別毎の地盤の地表面における地震動に対する加速度応答スペクトルを示す応答スペクトル情報群、及び地震被害の予測可能な種類として予め定められた建物の種類毎の耐震性能を示す性能情報群を予め記憶した記憶手段を更に備え、
    前記取得手段は、前記記憶手段から前記入力手段によって入力された建設位置情報により示される建設位置が含まれる区分領域に対応する地盤種別情報を前記地盤種別情報群から読み出すと共に、当該区分領域に対応し、かつ前記地震被害の予測対象とする地震動に対応する速度関連情報を前記速度関連情報群から読み出し、かつ前記入力手段によって入力された建物種類情報により示される建物の種類に対応する性能情報を前記性能情報群から読み出し、読み出した地盤種別情報により示される地盤種別に対応する応答スペクトル情報を前記応答スペクトル情報群から読み出すことにより、前記速度関連情報、前記性能情報、及び前記応答スペクトル情報を取得する
    請求項1記載の地震被害予測装置。
  3. 前記基準地震波情報は、建築基準法により地震の発生頻度毎に加速度応答スペクトルを示すものとして予め定められた包絡関数に、位相が乱数を用いて一様分布でランダムとなるように生成した波形を適合させることにより生成されたものである
    請求項1または請求項2記載の地震被害予測装置。
  4. コンピュータを、
    地震被害の予測対象とする建物の建設位置を示す建設位置情報により示される建設位置の地盤種別に応じた地表面における地震動に対する加速度応答スペクトルを示す応答スペクトル情報及び前記建物の種類を示す建物種類情報により示される建物の種類に応じた耐震性能を示す性能情報を取得すると共に、前記建設位置情報により示される建設位置における地表面の、前記地震被害の予測対象とする地震動による最大速度または最大加速度を示す速度関連情報を取得する取得手段と、
    地震被害の予測に用いる地震波の基準となる基準地震波を示す基準地震波情報を、前記取得手段によって取得された応答スペクトル情報により示される加速度応答スペクトルに適合させることにより適合地震波情報を生成する生成手段と、
    前記取得手段によって取得された速度関連情報の、前記生成手段によって生成された適合地震波情報により示される地震波の当該速度関連情報と同一種類の最大速度または最大加速度に対する倍率を前記取得手段によって取得された応答スペクトル情報に乗算することにより適合応答スペクトル情報を算出し、算出した適合応答スペクトル情報と前記取得手段によって取得された性能情報とに基づいて、地震被害の予測対象とする地震動による前記建物の被害状況を予測できる地震被害予測情報を作成する作成手段と、
    前記作成手段によって作成された地震被害予測情報を表示手段によって表示するように制御する制御手段と、
    として機能させるための地震被害予測プログラム。
JP2008156723A 2008-06-16 2008-06-16 地震被害予測装置及び地震被害予測プログラム Expired - Fee Related JP5210058B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008156723A JP5210058B2 (ja) 2008-06-16 2008-06-16 地震被害予測装置及び地震被害予測プログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008156723A JP5210058B2 (ja) 2008-06-16 2008-06-16 地震被害予測装置及び地震被害予測プログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009300312A JP2009300312A (ja) 2009-12-24
JP5210058B2 true JP5210058B2 (ja) 2013-06-12

Family

ID=41547363

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008156723A Expired - Fee Related JP5210058B2 (ja) 2008-06-16 2008-06-16 地震被害予測装置及び地震被害予測プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5210058B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5424999B2 (ja) * 2010-06-30 2014-02-26 株式会社竹中工務店 地震被害予測装置およびプログラム
KR101547156B1 (ko) 2014-05-29 2015-08-25 한국과학기술원 면진구조물의 지진응답분포 추정방법
JP6438746B2 (ja) * 2014-11-14 2018-12-19 株式会社熊谷組 建物層間変位推定方法
JP6438745B2 (ja) * 2014-11-14 2018-12-19 株式会社熊谷組 建物層間変位推定方法
JP6997431B2 (ja) * 2017-08-02 2022-02-21 ビイック株式会社 地震による建物変位量の判定方法
WO2021084699A1 (ja) * 2019-10-31 2021-05-06 三菱電機株式会社 作業支援装置、作業支援システム、作業支援方法
JP7262552B2 (ja) * 2019-10-31 2023-04-21 三菱電機株式会社 作業支援システム、作業支援方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001133556A (ja) * 1999-11-02 2001-05-18 Toda Constr Co Ltd 地震震度予測システム並びに地震震度予測を行うアプリケーション及びデータを備えた携帯自在な情報記録媒体
JP4092174B2 (ja) * 2002-10-25 2008-05-28 株式会社竹中工務店 地震被害予測装置及び地震被害予測プログラム
JP4005004B2 (ja) * 2003-07-29 2007-11-07 株式会社竹中工務店 地震被害予測装置、地震被害予測方法及び地震被害予測プログラム
JP2007133697A (ja) * 2005-11-10 2007-05-31 Sekisui House Ltd 住宅建物の構法選択支援システム及びプログラム
JP4533369B2 (ja) * 2006-12-04 2010-09-01 株式会社竹中工務店 地震被害予測装置及び地震被害予測プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009300312A (ja) 2009-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5210058B2 (ja) 地震被害予測装置及び地震被害予測プログラム
Günay et al. PEER performance-based earthquake engineering methodology, revisited
Goda et al. Multi-hazard loss estimation for shaking and tsunami using stochastic rupture sources
Betti et al. Comparative seismic risk assessment of basilica-type churches
JP7442059B2 (ja) 構造情報表示装置、構造設計支援装置、及び構造設計支援モデル学習装置
Chellini et al. Evaluation of seismic vulnerability of Santa Maria del Mar in Barcelona by an integrated approach based on terrestrial laser scanner and finite element modeling
Lancellotta et al. Identification technique for soil-structure analysis of the Ghirlandina tower
US20160063633A1 (en) User interface for real estate development and communications platform
JP4005004B2 (ja) 地震被害予測装置、地震被害予測方法及び地震被害予測プログラム
JP2008039446A (ja) 地震被災状況評価プログラム
JP4916017B2 (ja) 構造物の耐震性能評価プログラム
Goda et al. Probabilistic tsunami loss estimation methodology: stochastic earthquake scenario approach
Casapulla et al. Performance-based seismic analysis of rocking masonry façades using non-linear kinematics with frictional resistances: A case study
JP4533369B2 (ja) 地震被害予測装置及び地震被害予測プログラム
Bui et al. Assessing the seismic performance of rammed earth walls by using discrete elements
Tavafi et al. Seismic behavior of the cube of Zoroaster tower using the discrete element method
Hafeez et al. Dynamic characteristics of light-frame wood buildings
Cismaşiu et al. Seismic vulnerability assessment of a stone arch using discrete elements
CN114048279B (zh) 生成预报信息的方法和装置
JP2007133697A (ja) 住宅建物の構法選択支援システム及びプログラム
JP6866717B2 (ja) 構造物解析装置、構造物解析システムおよび構造物解析方法
Tripathy et al. Investigation of dynamic behaviour for turbo generator frame foundation through experimental and computational approach
JP6073708B2 (ja) 音場シミュレーション装置及び音場シミュレーションプログラム
JP6790867B2 (ja) 地震動警告装置、地震動警告システム及び地震動警告方法
Tomaszewska et al. Vibration-based investigation of a historic bell tower to understand the occurrence of damage

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110328

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120606

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120619

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120809

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130222

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160301

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees