JP5205029B2 - 燃料電池セル積層方法 - Google Patents
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Description
燃料電池セルを多数枚積層する燃料電池セル積層装置として、燃料電池セルを多数枚積層した状態で、積層した多数枚の燃料電池セルに振動を与えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
このように、比較的大きな振動装置を備えるために、燃料電池セル積層装置が大型化することが考えられる。
このため、積層した燃料電池セルのなかには、例えば、斜めに配置された状態を維持したものが残ることが考えられる。
燃料電池セルの積層中に、所定枚積層した燃料電池セルの実積層厚さを基準積層厚さに修正することで、比較的少ない枚数の積層状態で燃料電池セルの整列修正が可能になる。
これにより、所定枚の全ての燃料電池セルを互いに平行に確実に整列することができる。
このように、従来技術の振動装置を不要にすることで、積層装置が大型化することを防ぐことができる。
加えて、燃料電池セルの両側辺のうち一方の側辺を他方の側辺に対して低くなるように傾けた状態に配置するようにした。
これにより、燃料電池セルの自重を利用して燃料電池セルを正規の位置に配置することができる。
よって、ハンド部の押圧力を作用させる際に、燃料電池セルに押圧力が局部的に集中することを防ぐことができる。
よって、ハンド部の押圧力を全ての燃料電池セルに均等に伝える(なじませる)ことができる。
図1は本発明に係る燃料電池セル積層装置で積層した多数枚の燃料電池セルを示す斜視図、図2は図1の燃料電池セルを示す断面図である。
燃料電池10は、燃料電池セル11…を多数枚積層し、この積層した燃料電池セル11…の両側の端面12,13側に第1、第2支持板14,15を配置し、第1、第2支持板14,15に左右の連結プレート16,16をピン17…で連結することで、多数枚の燃料電池セル11…、および第1、第2支持板14,15を一体に連結したものである。
第1、第2支持板14,15は、表面18、19から突出した接続用の端子28,29を備える。
第1、第2支持板14,15は、燃料電池セル11と同様に、略矩形状に形成したものである。
同様に、右連結プレート16をピン17…で第1、第2支持板14,15に連結する。
このように、左右の連結プレート16,16で第1、第2支持板14,15を連結することで、燃料電池10を組み付ける。
燃料電池セル積層装置30は、架台31に設けられた傾斜ガイドレール32と、架台31の左端部31aに設けられた支持板34と、傾斜ガイドレール32に移動自在に設けられた押当板35と、架台31の右端部31bに設けられた駆動モータ37と、駆動モータ37を押当板35に連結するボールねじ38と、支持板34および押当板35間に燃料電池セル11(図1参照)を載置する載置台41と、載置台41に燃料電池セル11を積層する非接触搬送ユニット42と、駆動モータ37および非接触搬送ユニット42を制御する制御部43とを備える。
傾斜ガイドレール32は、架台31の右端部31bから左端部31aに向けて下り勾配に傾斜されている。
載置台41は、燃料電池セル11の位置決めをする基準ガイド45を備える。燃料電池セル11を矢印の如く移動して、基準ガイド45に燃料電池セル11を縦方向に配置することができる。
この状態で、燃料電池セル11は支持板34に支えられている。
この基準ガイド45は、燃料電池セル11の下辺11aを2点で支える一対の下辺支持ガイド部46と、左側辺11bを1点で支える側辺支持ガイド部47とを備える。
なお、燃料電池セル11の左側辺11bを右側片11cに対して低くなるように、基準ガイド45を傾斜させた理由については図14で詳しく説明する。
ハンド部55は、搬送アーム52の先端部52aが連結された略矩形状の保持板58と、先端部52aの左右側(両側)にそれぞれ設けられた左右の非接触保持部61と、左右の非接触保持部61の外側にそれぞれ設けられた左右の位置決め部62と、保持板58の上下の長辺58a,58bにそれぞれ3個ずつ設けられた受け部63と、燃料電池セル11の積層厚さを検出する積層厚さ検出部64とを備える。
この保持板58は、クリアランス部67として一対の下辺凹部68および1つの側辺凹部69を備える。
下長辺58bに一対の下辺凹部68が形成され、一対の下辺凹部68は下長辺58bに所定間隔をおいて形成されている。1つの側辺凹部69は左側辺(一方の側辺)58cに形成されている。
側辺凹部69は、図5に示す基準ガイド45の側辺支持ガイド部47に相当する部位に形成されている。
なお、保持板58にクリアランス部67を設けた理由は図13で詳しく説明する。
積層厚さ検出部64は、保持板58の表面58eにおいて、右非接触保持部61の上方に設けられている。
左非接触保持部61は、図6に示すように外形が略矩形体に形成され、保持板58の開口71に嵌入され、裏面61aが保持板58の裏面58fと面一に配置されている。
この左非接触保持部61は、裏面61aの中央に負圧凹部72が形成され、負圧凹部72の頂部72aに環状のエア噴射口73が形成され、エア噴射口73にエア導入流路74が連通されている。
エア噴射口73は、負圧凹部72に対して同軸上に形成されている。よって、エア噴射口73から負圧凹部72内にエアを噴射した際に、噴射したエアは側壁72bに沿って矢印Bの如く導かれる。
側壁72bに沿って矢印Bの如く導かれたエアは、裏面61aおよび燃料電池セル11間の空間76に矢印Cの如く導かれる。
すなわち、側壁72bに沿って矢印Bの如く導かれたエアは、燃料電池セル11に噴射されている。
燃料電池セル11が保持板58に接近すると、負圧凹部72から空間76に導かれたエアが反発力として作用する。
これにより、燃料電池セル11が保持板58に接触することを防止して、燃料電池セル11を保持板58に対して非接触状態で保持することができる。
したがって、燃料電池セル11に損傷や接触痕が生じることを防止することができる。
この噴射が強められたエアを燃料電池セル11に噴射させることで、燃料電池セル11に対するエアの反発力を大きくできる。
これにより、燃料電池セル11からハンド部55を円滑に退避させることができる。
この位置決め部62は、保持板58の表面58eに位置決めシリンダ78が縦向きに設けられ、シリンダロッド79の頂部が連結プレート81を介して位置決めピン(可動式のピン)82の頂部82aが連結されている。
これにより、左非接触保持部61で燃料電池セル11を非接触状態で保持した際に、燃料電池セル11が保持板58の裏面58fに沿って移動することを防止することができる。
なお、燃料電池セル11の差込孔84は、燃料電池セル11の組立時などに使用する位置決め用の孔である。
受け部63は、保持板58の表面58eに一対の受けシリンダ86が横向きに設けられ、シリンダロッド87の端部に受けプレート88が設けられている。
受けプレート88は、保持板58の周縁58gに沿って、保持板58に対して直交するように配置されるとともに、燃料電池セル11に向けて延出され、先端部88aが燃料電池セル11側に折り曲げられている。
先端部88aに第2セパレータ27の周縁27aを載せることで、燃料電池セル11を支えることができる。
一対の受けシリンダ86を作動して各シリンダロッド87を矢印Eの如く進出させることにより、受けプレート88の先端部88aを第2セパレータ27の周縁27aから外すことができる。
非接触保持部61で燃料電池セル11の第1セパレータ26を保持板58に対して非接触状態で保持するとともに、受け部63で燃料電池セル11の第2セパレータ27を支える。
これにより、燃料電池セル11を保持板58に対して非接触状態に保持することができる。
燃料電池セル11を積層位置まで搬送した状態で、燃料電池セル11の積層厚さ寸法を積層厚さ検出部64で検出する。
この積層厚さ検出部64によれば、レーザ光源からレーザ90を投光することで、投光したレーザ90を投光レンズ89aを経て基準面35a(図4参照)に向けて照射する。照射したレーザ90は基準面35aで反射して受光素子に導かれる。
基準面35aで反射したレーザ90を受光素子で受光し、受光した受光量に基づいて積層した燃料電池セル11の実積層厚さを検出する。
まず、図10〜図14に基づいて燃料電池セル11を支持板34(図5参照)に立て掛けた状態で載置台41に縦方向に配置する例を説明する。
(a)において、前工程で製造された燃料電池セル11をセル供給部56の供給台95に載置する。
非接触搬送ユニット42のハンド部55を燃料電池セル11上にセットする。
受けプレート88の先端部88aが第2セパレータ27の周縁27aに向けて矢印の如く移動して、第2セパレータ27の周縁27aを先端部88aに載せる。
位置決めピン82が矢印の如く下降して燃料電池セル11の差込孔84に挿入する。
ハンド部55を矢印Hの如く上昇することにより、供給台95から燃料電池セル11を持ち上げる。
(a)において、左非接触保持部61のエア導入流路74からエア噴射口73にエアを供給することで、エア噴射口73から負圧凹部72内にエアを側壁72bに沿って矢印Iの如く噴射する。
負圧凹部72内に負圧が発生し、発生した負圧を利用して燃料電池セル11(具体的には、第1セパレータ26)を吸引する。
燃料電池セル11を吸引することで、第1セパレータ26が保持板58に接近する。
これにより、第1セパレータ26が保持板58に接触することを防止して、第1セパレータ26を保持板58に対して非接触状態で保持する。
これにより、位置決め部62で燃料電池セル11が保持板58の裏面58fに沿って移動することを防止する。
(a)において、燃料電池セル11を非接触状態で保持した状態で、ハンド部55を載置台41の基準ガイド45まで矢印Jの如く搬送する。
(a)において、基準ガイド45の下辺支持ガイド部46,46に燃料電池セル11の下辺11aを良好に押し付ける(当てる)ことができる。
基準ガイド45の側辺支持ガイド部47に燃料電池セル11の左側辺11bを良好に押し付ける(当てる)ことができる。
すなわち、基準ガイド45に燃料電池セル11を縦方向に突き当てることができる。
また、左位置決め部62,62の位置決めシリンダ78,78(図7参照)を作動して、位置決めピン82,82を燃料電池セル11の差込孔84,84から抜き出す。
これにより、燃料電池セル11は左右の非接触保持部61のみで非接触状態に保持される。
これにより、基準ガイド45の下辺支持ガイド部46,46に燃料電池セル11の下辺11aを確実に当接することができる。
同様に、基準ガイド45の側辺支持ガイド部47に燃料電池セル11の左側辺11bを確実に当接することができる。
これにより、燃料電池セル11を正規の位置に確実に配置することができる。
よって、燃料電池セル11の下辺11aおよび左側辺11bを下辺支持ガイド部46,46や側辺支持ガイド部47に当接させた後でも、ハンド部55を基準ガイド45に干渉させることなく矢印Mの如く移動することができる。
これにより、燃料電池セル11を正規の位置に確実に配置することを、簡素な構成で実現することができる。
これにより、ハンド部55を燃料電池セル11から離して退避することができる。
ここで、燃料電池セル11はハンド部55に非接触状態に保持されているので、燃料電池セル11を正規の位置からずらすことなく、ハンド部55による非接触状態を解除することができる。
したがって、燃料電池セル11を正規の位置に確実に配置した状態に保つことができる。
そして、載置台41に配置した燃料電池セル11からハンド部55を退避させる際に、燃料電池セル11を非接触状態に保持する負圧を発生させるエアの噴射に比して、噴射が強められたエアを燃料電池セル11に噴射させるようにした。
これにより、載置台に配置した燃料電池セルからハンド部を退避させる際に、燃料電池セル11が配置位置からずれることを一層良好に防いで、燃料電池セル11を正規の位置に一層確実に配置した状態に保つことができる。
燃料電池セル11は、支持板34(図5も参照)に立て掛けられた状態で、基準ガイド45に対して縦方向に配置される。
ここで、燃料電池セル11は、下辺11aが下辺支持ガイド部46,46に確実に当接され、左側辺11bが側辺支持ガイド部47に確実に当接される。
これにより、燃料電池セルの自重を利用して、燃料電池セルを基準ガイド側に寄せることができるので、燃料電池セルを正規の位置に一層確実に配置することができる。
図15は本発明に係る燃料電池セル積層方法において燃料電池セルを積層する例を説明する図である。
燃料電池セル11の積層中に、燃料電池セル11を支持板34に立て掛けた状態で所定枚積層したとき、所定枚積層した燃料電池セル11の実積層厚さT1を求める。
基準面35aで反射したレーザ90を受光素子で受光し、受光した受光量に基づいて所定枚積層した燃料電池セルの実積層厚さT1を求める。
このように、燃料電池セル11の積層中に、所定枚積層した燃料電池セル11の実積層厚さT1を基準積層厚さT2に修正することで、比較的少ない枚数の積層状態で燃料電池セル11の整列修正が可能になる。
これにより、所定枚の燃料電池セル11を全て互いに平行に確実に整列することができる。
このように、従来技術の振動装置を不要にすることで、燃料電池セル積層装置30が大型化することを防ぐことができる。
すなわち、燃料電池セルをハンド部で押圧する際に、積層された燃料電池セルの全枚数にハンド部の押圧力を均等に作用させる必要がある。
これにより、ハンド部の押圧力を作用させる際に、燃料電池セルに押圧力が局部的に集中することを防ぐことができる。
これにより、ハンド部の押圧力を全ての燃料電池セルに均等に伝える(なじませる)ことができる。
この積層方法を順次繰り返すことにより、全枚数の燃料電池セル11を積層する。全枚数の燃料電池セル11を積層した後、図3に示す駆動モータ37を駆動して押当板35で全枚数の燃料電池セル11を押さえ付ける。
この状態で、図1に示す左右の連結プレート16,16で第1、第2支持板14,15を連結することで、燃料電池10を組み付ける。
例えば、燃料電池セル積層装置30の架台31に、基準面35aを専用部材として設けることも可能である。
Claims (2)
- 燃料電池セル搬送ユニットのハンド部で燃料電池セルを保持し、保持した燃料電池セルの両側辺のうち一方の側辺を他方の側辺に対して低くなるように傾けた状態で、傾けた前記燃料電池セルを、該燃料電池セルの積層方向に向けて下り勾配に傾斜させた載置台に対して縦方向に配置し、該載置台に配置した燃料電池セルを前記積層方向に向けて下り勾配に傾斜させた状態で複数枚積層させる燃料電池セル積層方法であって、
前記燃料電池セルの積層中に、前記燃料電池セルを所定枚積層したとき、所定枚積層した燃料電池セルの実積層厚さが、予め設定された基準積層厚さを超えた場合、
前記実積層厚さを前記基準積層厚さに修正するように前記燃料電池セルを前記ハンド部で押圧し、
前記基準積層厚さに修正した後、所定枚の燃料電池セルを積層する工程を順次繰り返すことにより全枚数の燃料電池セルを積層することを特徴とする燃料電池セル積層方法。 - 前記所定枚積層した燃料電池セルを前記ハンド部で押圧する際に、前記積層された所定枚の燃料電池セルに前記ハンド部の押圧力を均等に作用させるように、前記燃料電池セルにかける前記ハンド部の押圧力を一定の割合で所定圧まで徐々に高め、その後、前記所定圧による押圧状態を所定時間継続することを特徴とする請求項1記載の燃料電池セル積層方法。
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