JP5203188B2 - タンパク質にエフェクター分子を結合させる方法 - Google Patents

タンパク質にエフェクター分子を結合させる方法 Download PDF

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Description

本発明は、タンパク質にエフェクター分子を結合させる方法に関し、より具体的にはタンパク質中の1つ又は複数のシステインへの1つ又は複数のエフェクター分子の部位特異的結合のための改善された方法を提供する。
エフェクター分子が結合しているタンパク質は、診断用及び治療用の使用を含むいくつかの異なる目的のために使用されている。例えば、抗体可変領域の高い特異性及び親和性は、これを、特にタンパク質間相互作用を調節する理想的な診断用及び治療用薬剤にする。Fv、Fab、Fab’、F(ab)及び他の抗体断片にコードされている標的化機能部分を、細胞毒性薬剤、毒素又はポリマー分子などの1つ又は複数のエフェクター分子とコンジュゲートさせて、効果を増加させることができる。例えば、これらの断片はFc領域を欠失していることから動物において循環半減期が短いが、ポリエチレングリコール(PEG)などのある種のポリマーとコンジュゲートすることによりこれを改善することができる。コンジュゲートしているPEGのサイズを増大させると、循環半減期が数分から数時間に増大することが示されており、5kDaから100kDaの範囲のPEGによるFab’の修飾は実証されている(Chapmanら、1999、Nature Biotechnology、17、780−783;Leongら、2001、Cytokine、16、106−119;Chapman、2002、Advanced Drug Delivery Reviews、54、531−545)。CDP870などのPEG化抗体断片は、コンジュゲートしているPEGの作用により治療用に許容できるレベルの循環半減期になることに関して、現在臨床試験中である。
エフェクター分子を、タンパク質中に天然に存在するか又はタンパク質工学により人為的に導入されるタンパク質中の反応基を介してタンパク質に結合させることができる。この様な基は、アミン(リシン)、チオール(システイン、メチオニン)、フェノール(チロシン)、カルボン酸(アスパラギン酸、グルタミン酸)又は他のアミノ酸側鎖を含む。エフェクター分子の結合部位は、無作為又は部位特異的のどちらであってよいが、部位特異的結合が通常好ましい。
硫黄含有アミノ酸システイン由来のチオール残基は、タンパク質へのエフェクター分子の選択的結合のために使用することができる慣用の反応基である。例えば、システイン残基が抗体断片において比較的まれであることから、抗体へのエフェクター分子の部位特異的結合は、最も一般的にはシステイン残基への結合により達成される。抗体ヒンジは、システイン残基を含み、抗原結合に必要であると考えられる抗体の他の領域から離れていることから、部位特異的結合のために広く使用される領域である。適切なヒンジは、断片中に天然に存在しているか又は組換えDNA技術により作製することができる(例えば、US5677425;WO98/25971;Leongら、2001 Cytokine、16、106−119;Chapmanら、1999 Nature Biotechnology、17、780−783参照)。別法として部位特異的システインを、例えば表面に露出するシステインを作製するために抗体断片中に操作導入することができる(US5219996)。
エフェクター分子をシステインを介して部位特異的に結合しようとする場合、タンパク質中の標的チオールはグルタチオンなどの小さな発酵関連ペプチド生成物によりしばしばキャッピングされているか、又はタンパク質(例えば抗体断片)の抽出中に及び精製中に使用された例えば5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)(DTNB)などの化学的添加物により計画的にキャッピングされている。これらのキャッピング剤は、標的チオールを活性化するために、エフェクター分子が結合できる前に、除去する必要がある。多くの場合、タンパク質中の他のシステインを還元することなく、エフェクター分子の結合のための1つ又は複数の標的システインを選択的に活性化することが望ましい。例えば、抗体Fab’断片は重鎖及び軽鎖の定常部(C1及びC)に両鎖間のネイティブのジスルフィド結合を有しており、抗体における他の部位、例えばヒンジの標的システインを選択的に還元するためには還元は、C:C1間のジスルフィドをそのまま残し、両鎖間システインへのエフェクター分子の結合を避けるために相当の注意を払って実施されなければならない。故に、エフェクター分子との反応に先立つチオールをキャッピングしている物質の除去及び標的チオールの活性化のために「穏やかな」還元条件が常法により使用されている。この穏やかな還元は、通常抗体断片をβ−メルカプトエタノール(β−ME)、β−メルカプトエチルアミン(β−MA)又はジチオスレイトール(DTT)などのチオールを基とする還元剤と共にインキュベートすることにより達成される(例えばEP0948544参照)。(前記条件下での)還元及びエフェクター分子との反応後、大部分の抗体断片にはエフェクター分子を結合していないことから、これらを適切な数のエフェクター分子が結合した抗体断片から精製除去する必要がある。エフェクター分子結合のこの効率の低さは、最高生成効率を達成することが重要である治療用改変抗体断片の大規模生成において不利益となる。
本発明は、タンパク質中の1つ又は複数のシステインに1つ又は複数のエフェクター分子を選択的に結合させるための改善された方法を提供する。本発明の方法においては、従来技術の方法と比較してタンパク質の大部分が適切に修飾され、エフェクター分子結合の効率は著しく増大する。
したがって、本発明は、タンパク質中の1つ又は複数のシステインに1つ又は複数のエフェクター分子を結合させるための方法であって、
a)分子内ジスルフィド結合を形成することができないモノチオール還元剤又はマルチチオール還元剤に対してタンパク質をダイアフィルタリングすることによってタンパク質中の1つ又は複数のシステインを活性化するステップ、及び
b)処理したタンパク質をエフェクター分子と反応させるステップ
を含む方法を提供する。
本明細書において使用される用語「タンパク質」は、エフェクター分子の結合のために使用することができる1つ又は複数のシステインを含むタンパク質、ポリペプチド及びこれらの断片を含む。タンパク質を、必要に応じて、所望の生物学的特徴(例えば標的部位に結合する能力)が保持される範囲で、改変して、例えばその変種又は断片を生成することができる。タンパク質を、例えばエフェクター分子結合の部位として使用するためのシステインをタンパク質に導入するために種々の遺伝子工学又はタンパク質工学技術を使用して改変することができる。故に、エフェクター分子結合のために使用されるシステインは、タンパク質中に天然に存在してもよく及び/又は組換えDNA技術によりタンパク質中に操作導入することができる。したがって、エフェクター分子の結合に使用できるシステインの数及び位置は、タンパク質の使用目的及び必要とされるエフェクター分子の数に応じて明確に制御することができる。
適切なタンパク質の例は、酵素、ホルモン、抗体、受容体、成長因子、(アルブミン、リポタンパク質及びフィブリノーゲンなどの)血清タンパク質、(組織プラスミノーゲン活性化因子(t−PA)、ストレプトキナーゼ及びウロキナーゼなどの)線維素溶解性酵素、(インターロイキン、インターフェロン及びコロニー刺激因子などの)生物学的応答調節物質、エリスロポエチン並びに(黄体形成ホルモン、成長ホルモン、ガストリン、ろ胞刺激ホルモン、TSH、ACTH、IGF結合タンパク質などの)ペプチドホルモン、(IL−1R、TNFR、IL−17Rなどの)可溶性受容体などをこれらに限定することなく含む。
本発明の方法において、エフェクター分子が結合するタンパク質は好ましくは、抗体又はその断片である。本明細書において使用される用語「抗体」は、抗体全体及び機能的に活性な断片又はその誘導体を意味し、抗体は、これらに限定されることなく、ポリクローナル、モノクローナル、ヒト化又はキメラ抗体、一本鎖抗体、Fv、Fab断片、Fab’及びF(ab’)断片並びに上記いずれかのエピトープ結合断片であってよい。適切な抗体断片の更なる例には、WO2005003169、WO2005003170及びWO2005003171に記載のものなどを含む。好ましくは、本発明において使用されるタンパク質はFab’断片である。
したがって、抗体は、免疫グロブリン分子及び免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、即ち抗原に特異的に結合する抗原結合部位を含有する分子を含む。本発明の免疫グロブリン分子は、免疫グロブリン分子のいかなるクラス(例えばIgG、IgE、IgM、IgD又はIgA)又はサブクラスであることができ、例えばマウス、ラット、サメ、ウサギ、ブタ、ハムスター、ラクダ、ラマ、ヤギ又はヒトを含むいかなる種からも得ることができる。
ヒト化抗体は、ヒト以外の種由来の1つ又は複数の相補的決定領域(CDRs)及びヒト免疫グロブリン分子由来の構造領域を有する抗体分子である(例えばUS5585089参照)。
キメラ抗体は、軽鎖及び重鎖遺伝子が異なる種に属する免疫グロブリン遺伝子セグメントで構成されるように遺伝子操作した免疫グロブリン遺伝子でコードされている抗体である。好ましくは、重鎖及び軽鎖定常領域はヒト由来であり、可変両域は他の種由来である。
モノクローナル抗体は、ハイブリドーマ技術(Kohler及びMilstein、Nature、1975、256、495−497)、トリオーマ(trioma)技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozborら、Immunology Today、1983、4、72)並びにEBV−ハイブリドーマ技術(Coleら、「Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy」、pp77−96、Alan R.Liss,Inc.、1985)などの当技術分野に周知の方法により調製することができる。
抗体は、Babcook,J.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、1996、93(15)、7843−7848、WO92/02551、WO2004/051268及びWO2004/106377に記載された方法などの他の適切な方法によって得ることができる。
抗体断片は、任意の抗体全体から特にモノクローナル抗体全体から、例えばペプシン処理などの適切な酵素的切断及び/又は消化技術を使用して得ることができる。別法又は追加として抗体断片は、抗体の可変及び/又は定常領域をコードするDNAの操作並びに再発現を含む組換えDNA技術の使用により調製することができる。標準的な分子生物学的技術を、目的に応じてアミノ酸又はドメインの改変、追加又は除去に使用することができる。可変又は定常領域へのいかなる改変も本明細書において使用される用語「可変」及び「定常」領域に含まれる。
抗体及び抗体断片を作製並びに製造するための方法は当技術分野に十分に周知である(例えばBossら、US4816397;Cabillyら、US6331415、Shraderら、WO92/02551;Wardら、1989、Nature、341、544、Orlandiら、1989、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、86、3833;Riechmannら、1988、Nature、322、323;Birdら、1988、Science、242、423;Queenら、US5585089;Adair、WO91/09967;Mountain及びAdair、1992、Biotechnol.Genet.Eng.Rev、10、1−142;Vermaら、1998、Journal of Immunological Methods、216、165−181参照)。
本発明において使用する抗体及び抗体断片は、エフェクター分子結合のための部位として使用することができる1つ又は複数のシステインを含むネイティブ又は改変ヒンジ領域を有することができる。ネイティブヒンジ領域は、抗体分子のC1ドメインと正常に会合しているヒンジ領域である。改変ヒンジ領域は、ネイティブヒンジ領域と長さ及び/又は組成が異なる任意のヒンジである。この様なヒンジは他の種からのヒンジ領域、例えばヒト、マウス、ラット、ウサギ、サメ、ブタ、ハムスター、ラクダ、ラマ又はヤギのヒンジ領域を含むことができる。他の改変ヒンジ領域は、異なるクラス又はサブクラスの抗体のC1ドメイン由来の完全なヒンジ領域を含むことができる。したがって例えば、クラスγ1のC1ドメインがクラスγ4のヒンジ領域に結合することができる。別法として、改変ヒンジ領域は天然のヒンジの一部又は繰り返し中の各単位が天然のヒンジ領域由来である繰り返し単位を含むことができる。更に別法において天然のヒンジ領域は、1つ又は複数のシステイン又は他の残基をセリン又はアラニンなどの中性残基に変換することにより、或いは適切な位置の残基をシステイン残基に変換することにより改変することができる。この様な方法によりヒンジ領域におけるシステイン残基の数を増やす又は減らすことができる。他の改変ヒンジ領域を完全に合成することができるし、長さ、システインの組成及び可撓性などの所望の特性を有するように操作導入することができる。
いくつかの改変ヒンジ領域が、例えばUS5677425、WO9915549、WO9825971及びWO2005003171に既に記載されており、これらを本明細書において参照により援用する。一例において本発明において使用するタンパク質は、ネイティブ又は改変ヒンジ領域を有するFab’断片である。
別法として又は追加的に、エフェクター分子結合のための部位特異的システインを抗体又はその断片中に、例えば表面に露出するシステインを作製するために操作導入することができる(例えばUS5219996及びWO2006034488を参照)。したがって適切な工学的技術を使用することにより抗体又はその断片におけるシステインの数を、エフェクター分子結合のための特定の数の部位を提供するために改変することができる。
故に、本発明の一実施形態においてタンパク質は抗体Fab’断片であり、エフェクター分子が結合する各システインはヒンジにある。他の実施形態においてタンパク質は抗体Fab’又はFab断片であり、エフェクター分子が結合する少なくとも1つのシステインは操作導入されたシステインであり、好ましくは表面に露出しているシステインである。一実施形態において2つ以上のエフェクター分子は抗体Fab’断片に結合しており、前記分子の少なくとも1つはヒンジ内のシステインに結合している。
本発明のタンパク質が抗体又はその断片である場合、抗体は一般に抗原に選択的に結合することができる。抗原はいかなる細胞関連抗原、例えば細菌細胞、酵母細胞、T細胞、内皮細胞又は腫瘍細胞などの細胞における細胞表面抗原であってもよい、或いは可溶性抗原であってもよい。抗原は、疾患又は感染時に上方制御される抗原、例えば受容体及び/又はそれに対応するリガンドなどの任意の医学関連抗原であることができる。細胞表面抗原の詳細な例は、接着分子(β1インテグリン例えばVLA−4、E−セレクチン、Pセレクチン又はL−セレクチンなどの)インテグリン、CD2、CD3、CD4、CD5、CD7、CD8、CD11a、CD11b、CD18、CD19、CD20、CD23、CD25、CD33、CD38、CD40、CD45、CDW52、CD69、ガン胎児性抗原(CEA)、ヒト乳脂肪グロブリン(human milk fat globulin)(HMFG1及び2)、MHCクラスI及びMHCクラスII抗原、並びにVEGF、更に必要に応じてこれらの受容体を例えば含む。可溶性抗原は、インターロイキン(IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−8、IL−12、IL−16又はIL−17など)、ウイルス性抗原(例えば呼吸器多核体ウイルス又はサイトメガロウイルス抗原)、IgEなどの免疫グロブリン、インターフェロン(インターフェロンα、インターフェロンβ又はインターフェロンγなど)、腫瘍壊死因子−α、腫瘍壊死因子−β、コロニー刺激因子(G−CSF又はGM−CSFなど)、並びに血小板由来増殖因子(PDGF−α及びPDGF−βなど)、更に必要に応じてこれらの受容体を含む。
本発明の方法において少なくとも1つのエフェクター分子は、タンパク質中に位置するシステイン残基のチオール基を介して共有結合する。共有結合は一般にジスルフィド結合、チオ−エーテル結合又は詳細には硫黄−炭素結合である。必要に応じて活性化したエフェクター分子、例えばマレイミド、ピリジルジチオ、ビニルスルホン、ヨードアセチル、ブロモアセチル及びシステイン誘導体などのチオール選択的誘導体も使用できる。
本明細書において使用する用語「エフェクター分子」は、例えば抗腫瘍薬、薬剤、毒素(細菌又は植物由来の酵素的に活性な毒素、及びこれらの断片、例えばリシン(ricin)及びその断片など)、生物学的に活性なタンパク質(例えば酵素、他の抗体又は抗体断片)、合成又は天然に存在するポリマー、核酸及びこの断片(例えばDNA、RNA及びその断片)、放射性核種(詳細には放射性ヨウ化物)、放射性同位体、キレート化金属、ナノ粒子並びにリポーター試薬(蛍光化合物又はNMR若しくはESR分光学によって検出できる化合物など)を含む。エフェクター分子が、本発明の方法を使用してタンパク質に結合することができる1つの部分を形成するために連結した1つのエフェクター分子又は2つ以上のその様な分子を含むことができることは理解される。
詳細には抗腫瘍薬は、細胞毒性剤及び細胞分裂阻害剤、例えば、ナイトロジェンマスタード(例えばクロラムブシル、メルファラン、メクロレタミン、シクロホスファミド、又はウラシルマスタード)及びその誘導体、トリエチレンフォスホルアミド、トリエチレンチオフォスホル−アミド、ブスルファン、又はシスプラチンなどのアルキル化剤;メトトレキサート、フルオロウラシル、フロクスウリジン、シタラビン、メルカプトプリン、チオグアニン、フルオロ酢酸、又はフルオロクエン酸などの代謝拮抗剤、ブレオマイシン(例えば硫酸ブレオマイシン)、ドキソルビシン、ダウノルビシン、マイトマイシン(例えばマイトマイシンC)、アクチノマイシン(例えばダクチノマイシン)、プリカマイシン(plicamyin)、カリチアマイシン及びこれらの誘導体、又はエスペラミシン及びこの誘導体などの抗生物質;エトポシド、ビンクリスチン又はビンブラスチン及びこれらの誘導体などの分裂阻害剤;エリプチシンなどのアルカロイド;タキシン−I又はタキシン−IIなどのポリオール;アンドロゲン(例えばドロモスタノロン又はテストラクトン)、プロゲスチン(例えば酢酸メゲストロール若しくは酢酸メドロキシプロゲステロン)、エストロゲン(例えば二リン酸ジメチルスチルベストロール、リン酸ポリエストラジオール若しくはリン酸エストラムスチン)又は抗エストロゲン(例えばタモキシフェン)などのホルモン;ミトキサントロンなどのアントラキノン類、ヒドロキシ尿素などの尿素類;プロカルバジンなどのヒドラジン類;或いはダカルバジンなどのイミダゾール類を含む。
キレートされた金属は、(2と8を含めて)2から8の配位数を有する2価又は3価金属のキレートを含む。この様な金属の詳細な例は、テクネチウム(Tc)、レニウム(Re)、コバルト(Co)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)、鉛(Pb)、ビスマス(Bi)、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、イットリウム(Y)、テルビウム(Tb)、ガドリニウム(Gd)、及びスカンジウム(Sc)を含む。一般に、金属は好ましくは放射性核種である。詳細な放射性核種は、99mTc、186Re、188Re、58Co、60Co、67Cu、195Au、199Au、110Ag、203Pb、206Bi、207Bi、111In、67Ga、68Ga、88Y、90Y、160Tb、153Gd及び47Scを含む。
例えばキレートされた金属は、例えば環状又は非環状ポリアミン類、ポリエーテル類(例えばクラウンエーテル及びその誘導体);ポリアミド類;ポルフィリン類;並びに炭素環式誘導体類である任意の適切なポリアデンテートキレート剤(polyadentate chelating agent)でキレートされた上記種類の金属の1つであることができる。
一般にキレート剤の種類は使用する金属に依存する。しかし、本発明によるコンジュゲートにおいて特に有用なキレート剤の群の1つは、環状及び非環状ポリアミン類(特に、例えば五酢酸ジエチレントリアミン及びその誘導体であるポリアミノカルボン酸類、並びに例えば環状トリアザ及びテトラアザ誘導体(例えば、国際特許明細書番号WO92/22583に記載の通り)である大環状アミン);更にポリアミド類(特にデスフェリオキサミン及びその誘導体)である。
他のエフェクター分子はタンパク質、ペプチド及び酵素を含む。重要な酵素は、タンパク質分解酵素、加水分解酵素、リアーゼ、イソメラーゼ、転移酵素をこれらに限定することなく含む。重要なタンパク質、ポリペプチド及びペプチドは、免疫グロブリン、アルブミン、毒素(アブリン、リシンA(ricin A)、シュードモナス外毒素、若しくはジフテリア毒素など)、タンパク質(インスリン、腫瘍壊死因子、α−インターフェロン、β−インターフェロン、神経成長因子、血小板由来増殖因子、若しくは組織プラスミノーゲン活性化因子など)、トロンボティック剤(thrombotic agent)又は抗血管新生薬(例えばアンジオスタチン又はエンドスタチン)、或いは生物学的応答修飾因子(リンホカイン、インターロイキン−1(IL−1)、インターロイキン−2(IL−2)、インターロイキン−6(IL−6)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、神経成長因子(NGF)又は他の成長因子など)及び免疫グロブリンをこれらに限定することなく含む。
他のエフェクター分子は、例えば診断において有用である検出可能な物質を含むことができる。検出可能な物質の例は、種々の酵素、補欠分子族、蛍光物質、発光物質、生物発光物質、放射性核種、陽電子放出金属(陽電子放出断層撮影において使用)、及び非放射性常磁性金属イオンを含む。診断用に使用する抗体にコンジュゲートすることができる金属イオンについては一般に米国特許第4741900号を参照されたい。適切な酵素は、西洋ワサビペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、ベータ−ガラクトシダーゼ、又はアセチルコリンエステラーゼを含み;適切な補欠分子族は、ストレプトアビジン、アビジン及びビオチンを含み;適切な蛍光物質は、ウンベリフェロン、フルオレセイン、ローダミンレッド、ローダミングリーン、B−フィコエリトリン、R−フィコエリトリン、アロフィコシアニン(allophycosyanin)、テキサスレッド、パシフィックブルー(Pacific blue)、マリーナブルー(Marina blue)、オレゴングリーン並びにアレクサフローシリーズ(Alexa Fluor series)350、405、430、488、500、514、532、546、555、568、594、610、633、647、660、680、700及び750を含み;適切な発光物質はルミノールを含み;適切な生物発光物質は、ルシフェラーゼ、ルシフェリン及びエクオリンを含み;適切な放射性核種は、125I、131I、111In及び99Tcを含む。
エフェクター分子として使用される合成又は天然に存在するポリマーは、例えば場合により置換されていてもよい直鎖又は分枝鎖ポリアルキレン、ポリアルケニレン(polyalkenylene)、又はポリオキシアルキレンポリマー或いは分枝又は非分枝多糖(例えば乳糖、アミロース、デキストラン、デンプン又はグリコーゲンなどのホモ−又はヘテロ−多糖)を含む。
前記合成ポリマーに存在してよい詳細な任意選択の置換基は、1つ又は複数のヒドロキシ、メチル又はメトキシ基を含む。合成ポリマーの詳細な例は、場合により置換されている直鎖若しくは分枝鎖ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)又はこれらの誘導体、特にメトキシポリ(エチレングリコール)又はその誘導体などの場合により置換されているポリ(エチレングリコール)を含む。
本明細書において使用される「誘導体」は、α−ハロカルボン酸又はエステル(例えばヨードアセトアミド、イミド(例えばマレイミド)、ビニルスルホン又はジスルフィドマレイミドなど)などの例えばチオール選択的反応基である反応誘導体を含むものとする。反応基は、ポリマーに直接又はリンカーセグメントを介して結合することができる。この様な基の残基は、タンパク質とポリマー間の結合基として生成物の一部を場合により形成することは理解される。
直鎖又は分枝であってよいポリマーの大きさは、目的に応じて変動することができるが、一般に500Daから100000Da、好ましくは5000から40000Da、より好ましくは10000から40000Da及び20000から40000Daの平均分子量範囲にある。詳細にはポリマーの大きさは生成物の使用目的、例えば腫瘍などの特定の組織に局在させる又は循環半減期を延長する能力に基づいて選択することができる(総説については、Chapman、2002、Advanced Drug Delivery Reviews、54、531−545を参照)。したがって、例えば腫瘍の治療に使用するために生成物が循環から離れ組織に浸透することを目的とする場合は、低分子量例えば5000Da付近の分子量であるポリマーを使用することが有利である。生成物が循環中に残留する適用には、高分子量例えば25000Daから40000Daの範囲の分子量を有するポリマーを使用することが有利である。
特に好ましいポリマーは、ポリ(エチレングリコール)、又は、特にメトキシポリ(エチレングリコール)若しくはその誘導体などで特に約10000Daから約40000Daの範囲の分子量であるポリアルキレンポリマーを含む。
本発明のポリマーは、商業的に入手することも(例えばNippon Oil and Fats;Nektar Therapeuticsから)できるし、従来の化学的手順を使用して商業的に入手可能な出発物質から調製することができる。
本発明の好ましい態様において、タンパク質に結合している少なくとも1つのエフェクター分子はポリマー分子、好ましくはPEG又はその誘導体である。一般的にポリ(エチレングリコール)(PEG)の結合部分に関しては、「Poly(ethyleneglycol)Chemistry,Biotechnical and Biomedical Applications」、1992、J.Milton Harris(編)、Plenum Press、ニューヨーク;「Poly(ethyleneglycol)Chemistry and Biological Applications」、1997、J.Milton Harris and S.Zalipsky(編)、American Chemical Society、ワシントンDC及び「Bioconjugation Protein Coupling Techniques for the Biomedical Sciences」、1998、M.Aslam and A.Dent、Grove Publishers、ニューヨークを参照されたい。
本発明の一例において、タンパク質に結合している各エフェクター分子はPEGであり、タンパク質は抗体断片であり、各PEG分子は抗体断片中の1つ又は複数のチオール基にマレイミド基を介して共有結合している。好ましい一実施形態において、タンパク質は抗体Fab’断片であり、PEG分子はヒンジ内の1つのシステインにマレイミド基を介して結合している。PEGは直鎖又は分枝であってもよい。分枝PEG分子を結合させるために、リシン残基がマレイミド基に好ましくは共有結合する。リシン残基のアミン基のそれぞれに、メトキシ(ポリ(エチレングリコール))ポリマーが好ましくは結合する。一例において各ポリマーの分子量は約20000Daであり、全ポリマー分子の合計分子量は、したがって約40000Daである。
本明細書に記載の方法を使用して同時に又は方法を繰り返すことにより、2つ以上のエフェクター分子を逐次的にタンパク質中のシステインに結合することができる。好ましくは、2つ以上のエフェクター分子をタンパク質に結合する場合、これらは同時に結合する。
本発明の方法は、本明細書に記載の方法より先及び/又は後の1つ又は複数のステップにも続き、そこで更なるエフェクター分子が例えばアミノ及びイミノ基など利用可能な他のアミノ酸側鎖を介する任意の適切な方法を使用してタンパク質に結合する。他のこの様なエフェクター分子を、標準的化学的又は組換えDNA手順を使用して(この場合タンパク質は直接又は結合剤を介してエフェクター分子に結合する)タンパク質に結合させることができる。例えば抗体にこの様なエフェクター分子をコンジュゲートさせる技術は、当技術分野に十分に周知である(Hellstromら、Controlled Drug Delivery、第2版、Robinsonら編、1987、pp623−53;Thorpeら、1982、Immunol.Rev.、62:119−58及びDubowchikら、1999、Pharmacology and Therapeutics、83、67−123参照)。詳細な化学的手順は例えば、国際特許明細書番号WO93/06231、WO92/22583、WO90/09195、WO89/01476、WO9915549及びWO03031581に記載の手順を含む。別法として、エフェクター分子がタンパク質又はポチペプチドである場合、結合は例えば欧州特許明細書番号392745に記載の組換えDNA手順を使用して行うことができる。
本発明の方法において、エフェクター分子の結合より先に、ステップ(a)において、1つ又は複数のシステインを活性化させる。本明細書において使用する用語「活性化」は、ステップ(b)においてエフェクター分子が結合する各システイン中に遊離のチオール生成するプロセスを意味する。一例において「活性化」は、グルタチオンなどのシステインに結合した付加物の除去を意味する。他の例において「活性化」は、異なるポリペプチド鎖における2つのシステイン間のジスルフィド結合の還元を意味し、例えば構成しているFab’断片のヒンジシステインを活性化するためのF(ab’)の1つ又は複数のヒンジシステイン間のジスルフィド結合の還元である。一実施形態において、Fab’断片のヒンジシステインはシステインに結合した付加物を除去することにより活性化される。他の実施形態においてFab’断片のヒンジシステインは、F(ab’)中の2つのこの様なヒンジシステイン間のジスルフィド結合を還元することにより活性化される。
好ましくは、この方法のステップ(a)において活性化された各システインは、同じポリペプチド内の他のシステインとのジスルフィド結合内にはない。例えば、タンパク質が抗体又はその断片である場合、ステップ(a)において活性化されたシステインは好ましくは重鎖C1の鎖間システイン、又は軽鎖Cの鎖間システイン、又は重鎖若しくは軽鎖の鎖間システインではない。故に、本発明は、エフェクター分子が特定のシステイン残基に効率的且つ選択的に結合することができ、タンパク質中の他の望ましいジスルフィド結合を保持することができる方法を提供する。
タンパク質が抗体Fab’断片である本発明の一実施形態において方法の生成物は、エフェクター分子がヒンジ内の1つのシステインに結合し、重鎖及び軽鎖間(C1及びC)の鎖間ジスルフィドが保持されている抗体Fab’断片である。
他の実施形態において、本発明の方法を使用して、2つ以上のタンパク質を1つ又は複数のエフェクター分子に結合することができる。同じ又は異なっていてもよいタンパク質は、必要に応じて適切なリンカーを使用して1つ又は複数のエフェクター分子を介して結合できる。一例において、2価の抗体は共有結合しているエフェクター分子を含む鎖間架橋により結合することができる。この様な一例において2つのFab’断片は、多価抗体を生成するために適切なリンカーによってPEG分子に本発明の方法を使用して結合する。この様な一例において2つのFab’断片は、WO99/64460において記載の通りDFM−PEGを生成するためにPEG化ジマレイミド架橋で架橋結合する。
システインは、分子内ジスルフィド結合を形成することができないモノチオール還元剤又はマルチチオール還元剤に対するタンパク質のダイアフィルタリングによる本発明の方法のステップ(a)において選択的に活性化される。ダイアフィルトレーションは当技術分野において十分に周知の技術であり、タンパク質試料における緩衝液交換のために慣用されている。ダイアフィルトレーションセルは商業的に入手可能である(例えばthe Amicon攪拌セル及びthe Pall Centramate system)。タンパク質試料、典型的には緩衝液中は、タンパク質を保持し緩衝液交換を可能にする膜を通じてダイアフィルトレーションを行う。時間をかけてタンパク質を含む初期緩衝液を新たな緩衝液に交換する。本発明において用語「分子内ジスルフィド結合を形成することができないモノチオール還元剤又はマルチチオール還元剤に対するダイアフィルタリング」は、適切な還元剤を含む溶媒、適切には緩衝液に対するタンパク質のダイアフィルトレーションを意味する。
方法のステップ(a)は一般に緩衝水溶液中で実施され、その例はリン酸又はクエン酸緩衝液をこれらに限定することなく含む。タンパク質は、ダイアフィルトレーション緩衝液と同じ緩衝液中にあることができるし、又はこれらは異なっていることができる。好ましくは、緩衝液のpHは2.0から10.0の間、より好ましくは4.0から7.0の間の範囲にある。好ましい一実施形態において緩衝液pHは、6.0から7.0の間である。任意選択により緩衝液は、EDTA、EGTA、CDTA又はDTPAなどのキレート剤を含むことができる。好ましくは緩衝液はEDTAを1から5mMの間、好ましくは2mM含む。別法として又は追加的に緩衝液は、クエン酸、シュウ酸、葉酸、ビシン、トリシン、トリス又はADAなどのキレート緩衝液であってもよい。
本発明における使用のために適切な還元剤は、分子内ジスルフィド結合を形成することができないモノチオール還元剤又はマルチチオール還元剤である。
本発明における使用のためのモノチオール還元剤は、当技術分野に広く周知であり、その例はβ−メルカプトエチルアミン、β−メルカプトエタノール、システイン及びグルタチオンをこれらに限定することなく含む。好ましくは本発明における使用のためのモノチオール還元剤は、β−メルカプトエチルアミンである。
他の適切な還元剤は、分子内ジスルフィド結合を形成することができないマルチチオール還元剤を含む。本明細書において使用される用語「分子内ジスルフィド結合を形成することができないマルチチオール還元剤」は、2つ以上のチオール基を含みチオール基間の分子内ジスルフィド結合を形成することができない還元剤を意味する。この様な還元剤の例を以下に示す:
Figure 0005203188
本発明における使用のために不適切な還元剤は、分子内ジスルフィド結合を形成することができるマルチチオール還元剤、例えば、2つのチオール基間で分子内ジスルフィド結合を形成することができるジチオスレイトールである。
適切な還元剤を、ステップ(a)においてタンパク質を還元剤で処理した後に生成する遊離のチオールの数を決定することにより、又はステップ(b)において結合したエフェクター分子の数を例えばサイズ排除クロマトグラフィーによって決定することにより確認することができることは当業者に明らかである。遊離のチオールの数を決定する方法は当技術分野に十分に周知であり、例えばLyonsら、1990、Protein Engineering、3、703を参照されたい。
還元剤の適切な濃度を当業者により経験的に決定することができる。好ましくは還元剤は、0.3から5mMの間、より好ましくは0.3から4mMの間、更に好ましくは0.3から3mMの間、一層好ましくは0.3から2mMの間の濃度において使用される。好ましい濃度は、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5又は5mMである。好ましくは還元剤の濃度は、標的システインの選択的活性化を達成するために低い。したがって、一実施形態において還元剤の濃度は5mMを超えない。一実施形態において還元剤の濃度は4mMを超えない。一実施形態において還元剤の濃度は3mMを超えない。一実施形態において還元剤の濃度は2mMを超えない。一実施形態において還元剤の濃度は1mMを超えない。
本発明の一実施形態において、ステップ(a)におけるダイアフィルトレーションの開始の前にはタンパク質試料中に還元剤は含まれず、タンパク質はダイアフィルトレーションによって還元剤に接触するようになる。故に、一実施形態において還元剤はダイアフィルトレーション緩衝液にのみ混合されており、方法のステップ(a)の前にはタンパク質試料中に還元剤は含まれていない。
他の実施形態においては、還元剤もステップ(a)におけるダイアフィルトレーションより前にタンパク質に加えられる。好ましくは還元剤はダイアフィルトレーションを開始する直前にタンパク質に加える。タンパク質に加える還元剤はダイアフィルトレーション緩衝液における還元剤と同じであることができるし又は異なっていることができる。どちらの場合でも使用される各還元剤は、好ましくは分子内ジスルフィド結合を形成することができないモノチオール還元剤又はマルチチオール還元剤である。したがって、一実施形態においてタンパク質試料に加える還元剤は、ダイアフィルトレーション緩衝液中の還元剤と異なっている。好ましくはタンパク質に加える還元剤はダイアフィルトレーション緩衝液中の還元剤と同じ、即ち分子内ジスルフィド結合を形成することができないモノチオール還元剤又はマルチチオール還元剤である。好ましくは、タンパク質試料中及びダイアフィルトレーション緩衝液中の還元剤はβ−メルカプトエチルアミンである。好ましくはダイアフィルトレーションの前のタンパク質試料中の還元剤の初期濃度は、ダイアフィルトレーション緩衝液中の還元剤の濃度の0.5から1.5倍の間、より好ましくは0.75から1.25倍の間、更に好ましくは0.9から1.1倍の間である。一実施形態においてダイアフィルトレーション開始時のタンパク質試料中の還元剤の濃度は、ダイアフィルトレーション緩衝液中の還元剤の濃度とほとんど同じであり、好ましくは同じである。
本発明の方法のステップ(a)におけるタンパク質中のシステインの活性化は、使用する還元剤、還元剤の濃度、タンパク質の濃度、反応時のpH、温度、ダイアフィルトレーション時間及び流動速度を変化させることにより当業者により最適化できることは理解される。
したがってダイアフィルトレーションの適切な流動速度を、当技術分野により経験的に決定することができる。適切な流動速度は1から15ダイア容積/時間を含む。更に低い流動速度、例えば0.2から0.9ダイア容積/時間の間も使用することができる。一実施形態において流動速度は0.5ダイア容積/時間である。
ダイアフィルトレーションは、任意の適切な温度で、例えば約5℃から70℃の間、例えば室温で実施することができる。
方法のステップ(a)は、ステップ(b)においてエフェクター分子が結合する各システインを活性化するために十分な時間をかけて実施される。適切な時間を当技術分野により経験的に決定することができる。典型的には、ダイアフィルトレーションは1から20時間の間で実施される。一実施形態においてダイアフィルトレーションは1から10時間の間、典型的には4、5、6、7、8、9又は10時間で実施される。一実施形態においてダイアフィルトレーションは6.5時間にわたって実施される。
本発明の方法における使用のための適切なタンパク質濃度を、当業者により経験的に、タンパク質の種類に依存して決定することができる。例えばタンパク質が抗体Fab’断片である場合、適切な濃度は、1から200mg/lの間、好ましくは2から30mg/lの間、好ましくは20mg/lが挙げられる。
場合により、還元剤に対するダイアフィルトレーションに続いて、当技術分野に周知の適切な方法を使用して、方法のステップ(a)及び(b)の間で還元剤のレベルを減少させる又は還元剤を除去してもよい。一実施形態において還元剤の濃度は還元剤を含まない緩衝液に対してタンパク質をダイアフィルトレーションすることにより、例えば新たな緩衝液に対してステップ(a)のダイアフィルトレーションを継続することにより減少させる。他の実施形態において還元剤のレベルは、低濃度の還元剤を含む緩衝液に対するダイアフィルトレーションにより減少させる。他の実施形態において、ゲルろ過によりタンパク質試料の還元剤のレベルを減少させる又は還元剤を除去する。
方法のステップ(b)において、活性化したシステインにエフェクター分子を結合させるために、1つ又は複数のエフェクター分子を、方法のステップ(a)において生成した処理タンパク質と反応させる。
方法のステップ(b)は、一般に溶媒、例えばリン酸、クエン酸又は酢酸などの緩衝水溶液において実施することができる。典型的にはこれは、タンパク質試料がダイアフィルトレーションされる又はゲルろ過により移される緩衝液である。反応は一般的に任意の適切な温度で、例えば約5℃から約70℃の間で、例えば室温で実施される。任意選択により緩衝液は、EDTA、EGTA、CDTA又はDTPAなどのキレート剤を含むことができる。好ましくは緩衝液は、EDTAを1から5mMの間で、好ましくは2mMで含む。別法として又は追加的に緩衝液は、クエン酸、シュウ酸、葉酸、ビシン、トリシン、トリス又はADAなどのキレート緩衝液であってもよい。エフェクター分子は一般的にタンパク質の濃度と比較して少なくとも等モル濃度、即ち少なくとも1:1において使用される。典型的には、エフェクター分子はタンパク質の濃度と比較して過剰量な濃度において使用される。典型的にはエフェクター分子は1.1から100倍モル過剰量の間、好ましくは1.1、1.5、2、3、5、10又は50倍モル過剰量である。適切なエフェクター分子濃度の更なる例は、1.2、1.25、1.3及び1.4倍モル過剰量が挙げられる。別法として、2つ以上のタンパク質が1つ又は複数のエフェクター分子に結合する場合、エフェクター分子は過剰でなくてもよい、例えばタンパク質に対するエフェクター分子の比率は0.1から1の間であることができ、好ましくは0.5である。反応時間は当業者により経験的に決定されることができ、典型的には1から20時間の間である。一実施形態において反応は14〜16時間の間である。
必要に応じて、所望の数のエフェクター分子を含有する所望の生成物を、従来法により、例えばイオン交換、サイズ排除又は疎水性相互作用クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィー技術による、出発物質又はプロセス中に生成した他の生成物から分離することができる。故に、一実施形態において本発明の方法は、所望の数のエフェクター分子が結合したタンパク質を精製するステップ(c)を更に含む。
本発明をここで、図面を参照して、例示のためだけに記載する。
すべての図において用語「Fab’−PEG」は、1つのヒンジシステインに1つの40000PEGが結合しているFab’を表す。
すべての図において用語「マルチ−PEG」は、抗体Fab’断片に1つを超えるPEG分子が結合しているPEG化高分子量物質を表す。
(実施例1)
0.1Mリン酸、2mM EDTA pH6中、10mg/mlで、1つのヒンジチオールを含むFab’ 20mlを8050 Amicon攪拌セル中、10000MWCO膜で2mM 2−メルカプトエチルアミン、0.1Mリン酸、2mM EDTA pH6に対してダイアフィルトレーションすることにより還元した。ダイアフィルトレーションの開始直前に、2−メルカプトエチルアミンをFab’溶液に2mMの最終濃度で加えた。
ダイアフィルトレーション中は、30分ごとに保持液の1ml一定分量を取り、0.1Mリン酸、2mM EDTA pH6で平衡化したPD10カラムにおける厳密なゲルろ過により、一定分量から還元剤を除去した。還元されたFab’を、40kPEG−マレイミド(Nektar)を約3倍モル過剰量含む同じ緩衝液中において周囲温度、16時間PEG化した。Fab’のPEG化(PEG化物の百分率)をサイズ排除HPLCにより測定した。
図1は、ダイアフィルトレーションの5時間後でのFab’の約80%モノPEG化の平衡までの反応の経時進行を表す。
(実施例2)
1つのヒンジチオールを含むFab’の0.1Mリン酸、2mM EDTA pH6中の10mg/mlでの試料8mlを、8010 Amicon攪拌セル中、10000MWCO膜で、すべて0.1Mリン酸、2mM EDTA pH6中の1mM 2−メルカプトエチルアミン又は1mM 2−メルカプトエタノール又は1mM還元グルタチオン又は1mMジチオスレイトールに対して周囲温度で、16時間ダイアフィルトレーションすることにより還元した。次いで還元剤を、Fab’を0.1Mリン酸、2mM EDTA pH6に対して周囲温度で4時間継続したダイアフィルトレーションにより除去した。還元Fab’を、5倍モル過剰量の40kPEG−マレイミド(Nektar)を含む同じ緩衝液中において周囲温度で、16時間PEG化した。
同時に、1つのヒンジチオールを含むFab’の0.1Mリン酸、2mM EDTA pH6中の10mg/mlでの試料0.5mlを、5mM 2−メルカプトエチルアミン又は5mM 2−メルカプトエタノール又は5mM還元グルタチオン又は5mMジチオスレイトールと共に周囲温度で30分間インキュベートすることにより還元した。還元剤を、0.1Mリン酸、2mM EDTA pH6で平衡化したPD10カラムにおける厳密なゲルろ過により除去した。還元Fab’を5倍モル過剰量の40kPEG−マレイミド(Nektar)で周囲温度において16時間PEG化した。
Fab’のPEG化をサイズ排除HPLC並びに還元及び非還元SDS−PAGEにより測定した。SDS−PAGE分析は、Fab’−PEG(モノペグ化)において鎖間ジスルフィド結合が保持されていたことを証明した。
図2は、大部分のFab’がPEG化されずに残る結果となるインキュベーションと比較して、ダイアフィルトレーション還元が平衡をFab’のモノPEG化の方向に更にずらすことを表す。2−メルカプトエチルアミンを使用したダイアフィルトレーションは、モノPEG化されたFab’の百分率を55から85%に増加させた。同様にグルタチオン又は2−メルカプトエタノールを使用したダイアフィルトレーションは、モノPEG化されたFab’の百分率を25%から58%に及び22%から42%にそれぞれ増加させた。図2は、還元剤が分子内ジスルフィド結合を形成できるジチオール、例えばジチオスレイトールである場合、この還元剤は平衡をモノPEG化を超えて鎖間システインについての望ましくない過剰なマルチPEG化にずらすことも示す。
(実施例3)
1つのヒンジチオールを含むFab’の0.1Mリン酸、2mM EDTA pH6中の10mg/mlでの試料8mlを、8010 Amicon攪拌セル中、10000MWCO膜で、すべて0.1Mリン酸、2mM EDTA pH6中の1mM 2−メルカプトエチルアミン又は1mM 2−メルカプトエタノール又は1mM還元グルタチオン又は1mM L−システインに対して周囲温度で、16時間ダイアフィルトレーションすることにより還元した。次いで、還元剤を、Fab’を0.1Mリン酸、2mM EDTA pH6に対して周囲温度で4時間継続したダイアフィルトレーションにより除去した。還元Fab’を5倍モル過剰量の40kPEG−マレイミド(Nektar)で周囲温度、16時間PEG化した。
Fab’のPEG化をサイズ排除HPLC並びに還元及び非還元SDS−PAGEにより測定した。
図3は、β−メルカプトエチルアミン及びシステインの両方が高レベルのモノPEG化を得るためのFab’の還元において特に効果的であることを示す。
(実施例4)
1つのヒンジチオールを含むFab’の0.1Mリン酸、2mM EDTA pH6中の10mg/mlでの試料6mlを、8010 Amicon攪拌セル中、10000MWCO膜で、0.1Mリン酸、2mM EDTA pH6中の0.3mM又は1mM又は3mM又は5mM 2−メルカプトエチルアミンに対して周囲温度で、16時間ダイアフィルトレーションすることにより還元した。次いで還元剤を、Fab’を0.1Mリン酸、2mM EDTA pH6に対して周囲温度で4時間、継続したダイアフィルトレーションにより除去した。還元Fab’を3倍モル過剰量の40kPEG−マレイミド(Nektar)で周囲温度で、16時間PEG化した。
Fab’のPEG化をサイズ排除HPLC並びに還元及び非還元SDS−PAGEにより測定した。
図4は、還元の効率が還元剤の濃度に依存することを示す。前記条件下における前記Fab’については1mMが最適であることが発見された。いかなるタンパク質の還元も使用する還元剤、還元剤の濃度、タンパク質の濃度、反応のpH、温度、タンパク質を通過する還元剤の量及びタンパク質を通過する還元剤の流動速度を変化させることにより最適化できることは理解される。
(実施例5)
Fab’の0.1Mクエン酸、2mM EDTA pH4、5、6又は7中の10mg/mlでの試料6.5mlを、8010 Amicom攪拌セル中、10000MWCO膜で、0.1Mクエン酸、2mM EDTA pH4、5、6又は7中の1mM 2−メルカプトエチルアミンに対して周囲温度で、16時間ダイアフィルトレーションすることにより還元した。還元剤を、0.1Mクエン酸、2mM EDTA pH4、5、6又は7で平衡化したPD10カラムにおける厳密なゲルろ過により除去した。還元Fab’を4倍モル過剰量の40kPEG−マレイミド(Nektar)で周囲温度で、5時間PEG化した。
Fab’のPEG化をサイズ排除HPLCにより測定した。
図5は、生成されたFab’−PEGの量についてのpHの効果を示す。
(実施例6)
0.1Mリン酸、2mM EDTA pH6.8中の20mg/ml(±2mg/ml)での抗体Fab’を、0.1Mリン酸、2mM EDTA pH6.8中の1mM 2−メルカプトエチルアミンに対して周囲温度、流動速度1ダイアフィルトレーション/時間、6.5時間の15〜20リットルの容量における10000MWCO膜を使用するダイアフィルトレーションにより還元した。ダイアフィルトレーションの開始直前にFab’溶液に2−メルカプトエチルアミンを1mMの最終濃度で加えた。ダイアフィルトレーションに続いて還元剤を、20mM酢酸ナトリウムpH4.5に対して8ダイアフィルトレーション容積/時間で1から1.5時間、継続したダイアフィルトレーションにより除去した。還元Fab’を1.25モル過剰量の40kPEG−マレイミド(Nektar)と周囲温度で16から20時間インキュベートした。
Fab’のPEG化をサイズ排除HPLCにより測定した。85%PEG化が達成された。
高いPEG化の効率が得られたダイアフィルトレーション法が大スケールにおいて効果的であることが確認された。
Fab’のPEG化効率における還元時間の効果を示す図である。 PEG化効率における還元条件の効果の比較を示す図である。 PEG化効率における還元剤の種類の効果の比較を示す図である。 PEG化効率における還元剤濃度の効果を示す図である。 PEG化効率におけるpHの効果を示す図である。

Claims (16)

  1. タンパク質中の1つ又は複数のシステインに1つ又は複数のエフェクター分子を結合させるための方法であって、
    a)モノチオール還元剤又はマルチチオール還元剤を含む緩衝液を用いてタンパク質をダイアフィルタリングすることによってタンパク質中の1つ又は複数のシステインを活性化するステップであって、該還元剤は分子内ジスルフィド結合を形成することができないものである、上記ステップ、及び
    b)処理したタンパク質をエフェクター分子と反応させるステップ
    を含む方法。
  2. 分子内ジスルフィド結合を形成することができないモノチオール還元剤又はマルチチオール還元剤がステップ(a)より前にタンパク質試料中に存在する、請求項1に記載の方法。
  3. タンパク質試料中の還元剤の濃度がダイアフィルトレーション緩衝液中の還元剤の濃度の0.5から1.5倍の間である、請求項2に記載の方法。
  4. タンパク質試料中の還元剤の開始濃度がダイアフィルトレーション緩衝液中の還元剤の濃度と同じである、請求項3に記載の方法。
  5. 還元剤の濃度が1mMである、請求項1から4までのいずれか一項に記載の方法。
  6. ステップ(a)と(b)の間でタンパク質試料から還元剤を除去する、請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法。
  7. 還元剤をゲルろ過により除去する、請求項6に記載の方法。
  8. 還元剤をダイアフィルトレーションにより除去する、請求項6に記載の方法。
  9. 還元剤がβ−メルカプトエチルアミン、β−メルカプトエタノール、グルタチオン又はシステインから選択される、請求項1から8までのいずれか一項に記載の方法。
  10. 所望の数のエフェクター分子が結合しているタンパク質を精製するステップ(c)を更に含む、請求項1から9までのいずれか一項に記載の方法。
  11. タンパク質が抗体又はその断片である、請求項1から10までのいずれか一項に記載の方法。
  12. タンパク質が抗体Fab’断片である、請求項11に記載の方法。
  13. エフェクター分子が結合している少なくとも1つのシステインが抗体ヒンジ内に存在する、請求項11又は12に記載の方法。
  14. エフェクター分子が結合している各システインが抗体ヒンジ内に存在する、請求項11から13までのいずれか一項に記載の方法。
  15. エフェクター分子がPEGである、請求項1から14までのいずれか一項に記載の方法。
  16. エフェクター分子が40000PEGマレイミドである、請求項15に記載の方法。
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