JP5198182B2 - ガラスリブ構造及びガラススクリーン用リブガラスの製造方法 - Google Patents

ガラスリブ構造及びガラススクリーン用リブガラスの製造方法 Download PDF

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本発明はガラスリブ構造に係り、特に隣接するフェイスガラスの目地部に取り付けられたリブガラスによってフェイスガラスを支持するガラススクリーンのガラスリブ構造に関する。
近年、建築物では、多数のフェイスガラスの上下辺を支持枠によって支持し、これらのフェイスガラスによって外壁を構築するガラスファサードが増えている。リブガラスを用いた従来のガラススクリーン構造では、フェイスガラスの面外方向に働く風圧力等の力に対し、フェイスガラスとリブガラスとをシリコーン系シーリング材で構造的に接着固定している。しかし、経年によるシーリング材の劣化は否めず、また、施工が煩雑となる等の問題があった。この問題を解決すべく、本願出願人は、特許文献1において、
リブガラスの長手方向に沿って溝がリブガラスの全長にわたって形成されるとともに、リブガラスをフェイスガラスに連結する金属製の連結部材には、リブガラスの前記溝に嵌合する爪部と、前記目地部を形成する左右のフェイスガラスに取り付けられる取付部とを設け、隣接するフェイスガラスの目地部にフェイスガラスと直交する方向にリブガラスを取り付けてフェイスガラスを支持するガラススクリーンを提案している。
また、引用文献1では前記溝として、リブガラスの両面に形成されているもの、及びリブガラスの片面に形成されているものが例示されている。更に、溝の断面形状として、コ字形状、V字形状、半円形状のものがバリエーションとして例示されており、これらの溝形状に前記爪部の形状が対応されている。
なお、特許文献1には、リブガラスの一部分に溝を加工してもよいという記載があるが、リブガラスの一部分に溝を加工することは機械加工上困難であり、また、専用の溝加工機を製作すれば実現できるが、コストが非常に高くなることから現実的ではない。よって、溝に関しては、リブガラスの長手方向に沿ってリブガラスの全長にわたって形成することが機械加工上及びコスト的に最良の手法であった。
特開2005−36639号公報
ところで、特許文献1のガラスリブ構造は、リブガラスに溝を形成することを主たる構成としているので、連結部材の爪部を溝に嵌合させて連結部材を位置決めする際に、連結部材が溝に沿って落下しないように仮止め部材を用いて連結部材をリブガラスに仮止めしなければならず、ガラススクリーンの施工に手間がかかるという問題があった。
また、特許文献1のガラスリブ構造では、連結部材で覆われていない部位において、リブガラスの面から前記溝が露出されるため、外観的に見栄えが悪くなるという懸念があった。すなわち、本来であれば平坦な見栄えのよいリブガラスであるにもかかわらず、溝が見えてしまうことが如何にも不自然であり、これがガラススクリーンの外観を損ねる場合があった。特に、人目のつくビルの低層階では、このような外観不良を改善する必要があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ガラススクリーンの施工性に優れ、外観的に見栄えのよいガラスリブ構造を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために、支持枠によってその対向する一対の二辺が支持されたフェイスガラスが、隣接するフェイスガラスとの目地部において、該フェイスガラスと直交方向に配置されたリブガラスによって支持されたガラススクリーンにおいて、前記リブガラス所定の位置に所定の間隔を空けた凹状穴が複数形成され、前記リブガラスを前記目地部に取り付ける連結部材には、前記リブガラスの前記凹状穴に嵌合される嵌合部と、前記目地部を形成する左右のフェイスガラスに取り付けられる取付部とが設けられていることを特徴とするガラスリブ構造を提供する。
本発明によれば、リブガラスに凹状穴を加工し、この凹状穴に連結部材の嵌合部を嵌合させて連結部材をリブガラスに取り付ける。これにより、連結部材は従来のように溝に沿って落下するようなことはなく、凹状穴に嵌合部を嵌合させるだけで連結部材がリブガラスに位置決めされる。よって、本発明では、連結部材の仮止め作業が不要になるので、ガラススクリーンの施工性が向上する。また、凹状穴は連結部材に隠されて露出しないので外観の見栄えが改善され、特に、人目のつくビルの低層階に設置されるガラススクリーンに好適となる。本発明は、このように連結部材に形成された嵌合部をリブガラスに形成された凹状穴に嵌合させて連結部材とリブガラスとを構造的に一体化させることにより、フェイスガラスの面外方向に作用する風圧力をリブガラスで支持する。
本発明でいう凹状穴は、貫通孔ではなく連結部材の嵌合部が嵌合し得る凹部である。リブガラスの正面から見た場合、点対称の形状で加工された凹部とすれば、汎用のドリルマシンで加工できるので製造コストも安価となるので好ましい。ドリルマシンで加工する場合、リブガラスの両面の対向する位置に凹状穴を同時に形成すべく、リブガラスの両側から回転軸を一致させたドリルで表裏面の凹状穴を同時に加工するのが好ましい。
また、連結部材の嵌合部は、凹状穴に対応した形状であることが嵌合力向上の観点から好ましい。また、嵌合部と凹状穴との間にシート状の緩衝材を介在させることが好ましい。これにより凹状穴に生じる、金属製の嵌合部による応力集中を緩和することができる。
リブガラスとしては、非強化のフロートガラスを適用してもよく、また、強化ガラスでもよく、倍強度ガラスでもよい。また、合わせガラスでもよい。本発明では、リブガラスに貫通孔を加工しないため、リブガラスとしてフロートガラスを適用しても強度的に問題は無い。
本発明によれば、前記連結部材の前記取付部は、前記目地部を形成する隣接するフェイスガラスの目地部に沿う辺を支持するサッシフレーム部、又は前記フェイスガラスを強化ガラスまたは倍強度ガラスで構成し、該強化ガラスまたは倍強度ガラスに形成された貫通孔に取り付けられる腕状部材であることが好ましい。
記連結部材は、前記リブガラスの長手方向に所定の間隔をもって複数取り付けられていることが好ましい。



特許文献1のガラススクリーンは、リブガラスの長手方向(高さ方向)の長さと略等しい長さを持つ連続した構造の連結部材を配置することでガラススクリーンに耐風圧等の強度を持たせている。これに対し、ビルの低層階のように高層階よりも耐風圧をそれほど設計的に考慮しなくてもよい設置場所には、前記連続した構造の連結部材を設けることは非常に無駄があり、また、景観を損ねるという不具合もある。よって、このような場所に設置されるガラススクリーンにおいては、リブガラスの長手方向に所定の間隔をもって連結部材を複数取り付けることが好ましい。これにより、連結部材の材料の無駄、景観を損ねるという不具合を解消することができる。なお、内装用のガラススクリーンにおいても同様である。
前述したように本発明に係るガラスリブ構造によれば、リブガラスに凹状穴を形成し、この凹状穴に連結部材の嵌合部を嵌合させて連結部材をリブガラスに取り付けたので、ガラススクリーンの施工性に優れ、外観的に見栄えのよいガラスリブ構造を提供できる。
以下、添付図面に従って本発明に係るガラスリブ構造の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、第1の実施の形態のガラスリブ構造10が適用されたガラススクリーン12を室内から見た要部斜視図である。同図に示すガラススクリーン12は、複数枚(図1では2枚)の矩形状フェイスガラス14、14…を面一になるように隣接して配置するとともに、フェイスガラス14、14…の対向する一対の二辺である上下辺を支持枠であるサッシ16、16に支持させ、隣接するフェイスガラス14、14間の目地部18に長尺矩形状のリブガラス20をフェイスガラス14の直交方向に配置することにより構成される。
リブガラス20は、ガラスリブ構造10を構成する金属製の連結部材22を介して目地部18に取り付けられている。実施の形態のガラススクリーン12では、連結部材22が上下方向に所定の間隔をもって3個配置されている例について説明するが、連結部材22の個数はこれに限定されるものでもなく、また、連結部材22は、リブガラス20の高さ方向長さと略同長の連続した構造であってもよい。更に、上部に配置された連結部材22及び下部に配置された連結部材22は、上下のサッシ16、16と接していないため、サッシ16、16との取り合いが簡略化されている。
実施の形態のガラスリブ構造10の特徴は、図2、図3に示すようにリブガラス20の両面の所定の位置に複数の断面略円弧形状の凹状穴(以下、「ディンプル」と称する)24、24…が形成されていること、及びリブガラス20を目地部18に取り付ける連結部材22に、ディンプル24に嵌合される嵌合部(以下、「ディンプルカップ」と称する)26と、目地部18を形成する左右のフェイスガラス14、14に取り付けられる取付部(以下、「サッシフレーム部」と称する)28とが設けられていることにある。なお、図2は、図1に示したガラススクリーン12の要部水平断面図であり、図3は、図1に示したガラススクリーン12の要部側面図である。
ディンプルカップ26は、図2に示すように連結部材22の断面略コ字形状をした本体部30の内側に配置されるとともに、その対向位置に形成されているディンプル24に面接触で嵌合するように嵌合面が球面状に形成されている。また、ディンプルカップ26の嵌合面には、この嵌合面に沿った形状の緩衝材32が取り付けられている。緩衝材32はシート状に形成され、ディンプルカップ26の嵌合面を覆うように球面状に形成されている。また、緩衝材32は、その中央部に形成された凸部32Aが、ディンプルカップ26の嵌合面の中央部に形成された凹部26Aに嵌合されることにより、ディンプルカップ26と一体に取り付けられている。なお、緩衝材32は必須の構成ではないが、ディンプル24とディンプルカップ26との間に緩衝材32を介在させることによって、金属製のディンプルカップ26による応力集中を緩和することができるので好ましい。緩衝材32としてはナイロン、ポリアセタール等のエンジニアリングプラスチックが好ましい。
ディンプルカップ26は、緩衝材32の表面に塗布された接着剤によってリブガラス20のディンプル24に予め固着される。また、連結部材22の本体部30の側面には、ねじ孔34が貫通形成されている。このねじ孔34には、円柱状の六角穴35付きボルト36が螺合されている。
かかる構成において、ディンプルカップ26をディンプル24に所定の力をもって嵌合させる作業手順について説明する。
まず、前述したように緩衝材32の表面に塗布された接着剤によってリブガラス20のディンプル24にディンプルカップ26を固着する。次に、本体部30の凹部にリブガラス20を挿入する。次いで、本体部30をリブガラス20に対して長手方向にスライド移動させて、本体部30の側面からディンプルカップ26の位置を、ねじ孔34を介して確認する。この位置がリブガラス20に対する連結部材22の取り付け位置である。この後、ボルト36の六角穴35に六角レンチを差し込み、ボルト36をねじ孔34に螺入させていくと、このボルト36の先端部がディンプルカップ26の凹部26Bに嵌合していく。そして更にボルト36を螺入させていくと、ボルト36がディンプルカップ26を押圧することにより、ディンプルカップ26がディンプル24に押し付けられる。これにより、ディンプルカップ26がディンプル24に所定の力をもって嵌合される。そして、ボルト36の軸力を調整することにより、ディンプルカップ26の嵌合力が調整される。以上が前記作業手順である。これにより、連結部材22とリブガラス20とが構造的に一体化される。なお、図1、図2に示したディンプル24、ディンプルカップ26、及びボルト36から分かるように1個の連結部材22に対し、片側各々2箇所においてディンプルカップ26がディンプル24に嵌合される。これは、主に強度上の要件によるもので、要求強度が小さければ1箇所でも良い。勿論、3箇所以上でも不可能ではないが、ディンプル部分に均等に荷重が加わるためには、2箇所を1セットとすることが好適である。また、図2の符号38はシリコーン製の接着テープであり、この接着テープ38を介してリブガラス20の小口面20Aが本体部30の凹部底部30Aに接着される。この接着テープ38は、緩衝材としても機能する。
サッシフレーム部28は、本体部30と一体に形成された金属製のプレート40と、ガラススクリーン12の室外側に配置される金属製のプレート42とから構成される。プレート40は、本体部30の端部中央から本体部30の長手方向に沿って形成されており、図2の如く目地部18の隙間に貫通配置される。また、プレート40の先端部は折り曲げられて係合部41が形成されており、この係合部41がプレート42の中央部に形成された係合部43に係合される。これにより、プレート40とプレート42とが連結されてサッシフレーム部28が構成される。また、プレート42とフェイスガラス14、14との間の隙間には、プレート40を境にしてその両側にガスケット44及びウェザーシール46が各々打設されている。更に、本体部30とフェイスガラス14、14との間の隙間には、プレート40を境にしてガスケット48及びシリコーンシーラント50が各々打設されている。これによって、連結部材22が目地部18に水密性をもって固定される。よって、フェイスガラス14の面外方向に作用する風圧力を、連結部材22を介してリブガラス20で支持できる。連結部材22が存在しない部分では、リブガラス20とフェイスガラス14とを、シリコーン系シーリング材で接着する構成として、従来のガラススクリーン構法と同様の納まりとすればよい。なお、本発明のガラスリブ構造は、ディンプル24に連結部材22の嵌合部(ディンプルカップ26)を嵌合させて連結部材22とリブガラス20とを構造的に一体化することにより構造的な要件は満たしているので、従来のガラススクリーン構法とは異なり、連結部材22が存在しない部分においても、構造シリコーンに限定して施工する必要はなく、ウェザーシールで施工してもよい。
以上が実施の形態のガラスリブ構造10の構成であるが、このガラスリブ構造10は、リブガラス20にディンプル24を加工し、このディンプル24に連結部材22のディンプルカップ26を嵌合させて連結部材22をリブガラス20に取り付けることを主たる構成としている。
これにより、連結部材22は従来のように溝に沿って落下するようなことはなく、ボルト36の螺入作業によってディンプルカップ26をディンプル24に嵌合させるだけで、連結部材22がリブガラス20に固定される。したがって、実施の形態のガラスリブ構造10は、従来のような連結部材の仮止め作業が不要になるので、ガラススクリーン12の施工性が向上する。
また、ディンプル24は、ディンプルカップ26がディンプル24に嵌合すると、連結部材22の本体部30に隠されて露出しないので、ガラススクリーン12の外観の見栄えが改善される。特に、人目のつくビルの低層階に設置されるガラススクリーンに好適となる。
なお、実施の形態のガラスリブ構造10は、ディンプルカップ26を連結部材22の本体部30と別体とし、ディンプルカップ26をディンプル24に予め固着する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、ディンプルカップ26とボルト36とを一体的に構成し、これを本体部30のねじ孔34に予め螺合させておき、ボルト36を締め込むことでディンプルカップ26をディンプル24に嵌合させる構成としてもよい。この構成の場合、本体部30の凹部にリブガラス20を挿入する際に、リブガラス20がディンプルカップ26に干渉しないよう、ディンプルカップ26の逃げを本体部30に形成する必要がある。
図4、図5には第2の実施の形態のガラスリブ構造100が示されている。
このガラスリブ構造100は、フェイスガラス114を強化ガラスで構成し、そのフェイスガラス114の4隅に孔明け加工したものを複数枚揃え、これらのフェイスガラス114、114…を面一となるように隣接して配設し、4枚のフェイスガラス114、114…が突き合わされる垂直方向及び水平方向の目地部118、118が直交する付近に連結部材122を介してリブガラス20を取り付けたものである。
連結部材122の取付部は、DPG構法(Dot-Point-Glazing構法)の例えば旭硝子株式会社商品名「テンポイント」に使用される周知の金属製腕状部材120である。この腕状部材120は、連結部材122の本体部130に軸受128を介して取り付けられたアーム140と、アーム140から放射した4本のブランチ142、142…を有している。これらのブランチ142、142…の各先端部には、強化ガラス製のフェイスガラス114に形成された孔115に嵌入固定される特殊ヒンジボルト144が取り付けられている。例えば、特殊ヒンジボルト144は、その内部にボールジョイントを有し、フェイスガラス114の面内方向の変位を回動することで吸収する。
したがって、このガラスリブ構造100においても、リブガラス20を金属製の連結部材122を介してフェイスガラス114、114…に固定できる。また、ガラスリブ構造100は、強化ガラスであるフェイスガラス114に孔明け加工はするものの、本発明によるディンプルを適用するため、リブガラス20には孔明け加工(貫通孔加工)が不要なので、リブガラス20として、通常の板ガラスである非強化ガラス(例えば、フロートガラス)を用いることができる。なお、目地部118には、シーリング材146が充填されている。このガラスリブ構造100は、連結部材122とリブガラス20とが構造的に一体化されており、フェイスガラス114にかかる風圧力等をリブガラス20で支持する構造なので、シーリング材146としては高強度なシーリング材ではなく、中又は低モジュラスのシーリング材が適用されている。また、フェイスガラス114、114…の自重は、吊りロッド148によって支持されている。
また、図5に示すディンプル124、ディンプルカップ126、緩衝材132、及びボルト136の構成は、図2に示したガラスリブ構造10と同様であるので、ここではその説明を省略する。
更に、本発明のガラスリブ構造は、旭硝子株式会社商品名「メタルポイント」にも適用することができる。「メタルポイント」とは、フェイスガラスのガラスエッジの表裏を、緩衝材を介して支持部品で挟み込むことにより、隣接するフェイスガラスを支持するフレームレスガラスファサードである。「メタルポイント」は、フェイスガラスに孔加工が不要なため、設計条件ではフロートガラスの使用が可能となる。
ところで、本発明で規定する凹状穴とは、貫通孔ではなく連結部材22、122の嵌合部(ディンプルカップ26、126)が嵌合し得る凹部である。実施の形態のガラスリブ構造10、100では、リブガラスの正面から見た場合、点対称の形状で加工された凹部であり、汎用のドリルマシンでも形成できる穴である。また、リブガラスの両面の対向する位置に凹状穴を同時に形成すべく、リブガラスの両側から回転軸を一致させたドリルで表裏面の凹状穴を同時に加工できる。
また、凹状穴はディンプル24に限定されるものではなく、図6〜図9に示される凹状穴224、324、424、524等を例示できる。
図6(A)、(B)に示す凹状穴224は、中央部に円形の島部225を残してその周囲に断面凹状の溝226を形成した穴である。図7に示す凹状穴324は、中央部に円形の島部325を残してその周囲に平坦部326とテーパ面327とを有する溝328を形成した穴である。図8に示す凹状穴424は、中央部に円形の島部425を残してその周囲に断面略V字状の溝426を形成した穴である。図9に示す凹状穴524は、単なる凹状の穴である。これらの凹状穴224、324、424、524は全て点対称の形状で加工された凹部である。また、ディンプルカップは、これらの凹状穴224〜524の形状に対応した形状に構成されている。
本発明のガラスリブ構造は、上記実施の形態で説明した構造に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の設計変更等が可能である。つまり、リブガラスに凹状穴が形成され、この凹状穴に嵌合される嵌合部が連結部材に設けられ、連結部材に形成された嵌合部をリブガラスに形成された凹状穴に嵌合させて連結部材とリブガラスとを構造的に一体化させることにより、フェイスガラスの面外方向に作用する風圧力をリブガラスで支持したものであればよい。
本発明のガラスリブ構造の強度を、FEM解析を実施することにより確認した。
FEM解析おいては、板厚19mmの強化ガラスに貫通孔(φ25)を形成したものと、非強化ガラスである板厚19mmのフロートガラスに実施の形態のディンプル(凹状穴。φ25−深さ4mm)を形成したものとを揃え、貫通孔及びディンプルに嵌合部材を嵌合させ、この嵌合部材を所定の荷重で引っ張ったときの許容荷重(ガラスの許容応力に達するときの荷重)で比較した。この結果、ガラスのエッジからガラスの内側に20mm離れた位置、及び15mm離れた位置においては、フロートガラスの許容荷重となる荷重が、ディンプルを形成したものが、貫通孔を形成したものを上回ることが判明した。即ち、ディンプルを形成したものは、よりガラスエッジに近い部分にディンプルを形成でき、その結果、より小さな嵌合部材(連結部材)を用いてガラススクリーンを構成して、より高い透明感を実現することが可能となる。よって、外観的に見栄えのよいガラスリブ構造が得られる。また、連結部材はディンプルを介してリブガラスに嵌合されるので、施工時に仮止め作業が不要になるので、ガラススクリーンの施工性に優れる。
実施の形態のガラスリブ構造が適用されたガラススクリーンの要部斜視図 図1に示したガラススクリーンの要部水平断面図、 図1に示したガラススクリーンの要部側面図 他の実施の形態のガラスリブ構造が適用されたガラススクリーンの要部斜視図 図4に示したガラススクリーンの要部水平断面図、 リブガラスに加工される凹状穴の一例を示した説明図 リブガラスに加工される凹状穴の一例を示したリブガラスの断面図 リブガラスに加工される凹状穴の一例を示したリブガラスの断面図 リブガラスに加工される凹状穴の一例を示したリブガラスの断面図
符号の説明
10…ガラスリブ構造、12…ガラススクリーン、14…フェイスガラス、16…サッシ、18…目地部、20…リブガラス、20A…小口面、22…連結部材、24…ディンプル、26…ディンプルカップ、26A、26B…凹部、28…サッシフレーム部、30…本体部、30A…凹部底部、32…緩衝材、32A…凸部、34…ねじ孔、35…六角穴、36…六角穴付きボルト、38…接着テープ、40…プレート、41…係合部、42…プレート、43…係合部、44…ガスケット、46…ウェザーシール、48…ガスケット、50…シリコーンシーラント、100…ガラスリブ構造、114…フェイスガラス、115…孔、118…目地部、120…腕状部材、122…連結部材、124…ディンプル、126…ディンプルカップ、128…軸受、130…本体部、132…緩衝材、136…六角穴付きボルト、140…アーム、142…ブランチ、144…特殊ヒンジボルト、146…シーリング材、148…吊りロッド、224…凹状穴、225…島部、226…溝、324…凹状穴、325…島部、326…平坦部、327…テーパ面、328…溝、424…凹状穴、425…島部、426…溝、524…凹状穴

Claims (4)

  1. 支持枠によってその対向する一対の二辺が支持されたフェイスガラスが、隣接するフェイスガラスとの目地部において、該フェイスガラスと直交方向に配置されたリブガラスによって支持されたガラススクリーンにおいて、
    前記リブガラス所定の位置に所定の間隔を空けた凹状穴が複数形成され、
    前記リブガラスを前記目地部に取り付ける連結部材には、前記リブガラスの前記凹状穴に嵌合される嵌合部と、前記目地部を形成する左右のフェイスガラスに取り付けられる取付部とが設けられていることを特徴とするガラスリブ構造。
  2. 前記連結部材の前記取付部は、前記目地部を形成する隣接するフェイスガラスの目地部に沿う辺を支持するサッシフレーム部、又は前記フェイスガラスを強化ガラスまたは倍強度ガラスで構成し、該強化ガラスまたは倍強度ガラスに形成された貫通孔に取り付けられる腕状部材である請求項1に記載のガラスリブ構造。
  3. 支持枠によってその対向する一対の二辺が支持されたフェイスガラスが、隣接するフェイスガラスとの目地部において、該フェイスガラスと直交方向に配置されたリブガラスによって支持されるガラススクリーン用リブガラスの製造方法において、
    前記リブガラスを準備する工程と、
    前記リブガラス板の表面の所定の位置に、ドリルマシンによる加工法によって、前記リブガラスの裏面に貫通しない第一の凹状穴を所定の間隔を空けて複数形成する工程と、
    を含むことを特徴とするガラススクリーン用リブガラスの製造方法
  4. 前記第一の凹状穴を形成すると同時に、前記リブガラス板の裏面において前記第一の凹状穴と対向する位置に、前記第一の凹状穴に貫通しない第二の凹状穴を形成する工程を含むことを特徴とする請求項3に記載のガラススクリーン用リブガラスの製造方法。
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