JP5196348B2 - 皮剥き装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば大根,ごぼう,人参などの棒状の野菜、ジャガイモ,里芋などの塊状の野菜や、棒状及び塊状の果物を含む食品(以下、被切削物という。)を皮剥きするための皮剥き装置に関する。
従来、大根,ごぼう,人参などの棒状の野菜を皮剥きするには、ハンディタイプの皮剥き器、いわゆるピーラーにより手作業で行っており、皮剥きする野菜の数が多いと、この皮剥き作業は多大の労力と時間がかかるという問題があった。
これを解決するため、従来では、被切削物を水平方向に移動させて周方向に複数かつ多段配置した切削刃により順次被切削物の皮を剥く装置もあるが、この装置では、上記被切削物を水平方向に移動させる駆動機構などが必要となり、構造が複雑かつ大型化するという問題があった。
そこで、従来では、アスパラガス若しくは類似の棒状の野菜を皮剥きする装置として例えば特許文献1に開示された発明がある。この特許文献1に開示された発明は、皮剥きカッター自体が、通し通路の縦方向に対して横方向に外側旋回可能に支承されたカッターアームに旋回可能に支承されているので、皮剥きカッターが野菜片の起伏に対応することができるようになっている。また、皮剥きカッターが野菜片の外側輪郭に対応して円弧形の横断面を有しているので、わずかな数の皮剥きカッターで野菜の周囲全体が皮剥きされる。
また、特許文献1に開示された発明は、皮剥きカッターが凹状の刃先エッジを有し、この刃先エッジの円弧形が半径方向で差込方向若しくは押し込み方向に向けられ、凹状の刃先エッジによって皮剥きカッターが野菜の切り込みに際して野菜の皮内に入り込むようにしている。
さらに、野菜を皮剥きする装置としては、本出願人による特許文献2に開示された発明がある。この特許文献2に開示された発明は、被切削物を挿通する挿通路の縦方向に対して横方向に複数放射状にカッター部材のカッター刃が配設され、かつこれらのカッター部材がそれぞれ上記挿通路の縦方向中心方向にばね付勢されたカッターユニットを、上記カッター刃が周方向に対して互いに位置をずらせて上記挿通路の縦方向に多段に連設し、これら多段に連設したカッターユニットのカッター刃で上記挿通路に挿通された上記被切削物の周面の皮を剥くものである。
特表平9−502090号公報 特開2004−357681公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示された発明では、皮剥きカッター自体が、通し通路の縦方向に対して横方向にカッターアームに外側旋回可能に支承されているので、皮剥きカッターが野菜片の起伏に対応することができ、やや径の異なる野菜でも皮剥きできるようになっているものの、起伏の極めて大きい野菜や極端に径の異なる野菜を皮剥きしようとすると、剥き残しが発生したり、あるいは皮剥きすることができないという問題がある。
したがって、特許文献1に開示された発明は、剥き残しの発生を回避するため、アスパラガス若しくは類似の棒状の野菜しか皮剥きすることができず、汎用性が極めて低いという問題があった。
また、上述した特許文献2に開示された発明は、特許文献1に開示された発明と同様に、カッター部材がそれぞれ挿通路の縦方向中心方向にばね付勢されているので、やや径の異なる被切削物でも皮剥きできるようになっているものの、起伏の極めて大きい被切削物や極端に径の大きい被切削物を皮剥きしようとすると、剥き残しが発生する問題がある。そのため、皮剥きする被切削物の径の大小に応じた皮剥き装置を多数用意する必要があり、汎用性及び経済性が低いという問題があった。
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、被切削物の径の大小や起伏の大小に広範囲で対応することができ、剥き残しがなく確実に皮剥きすることのできる皮剥き装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載の発明は、被切削物を挿通する挿通路の縦方向に対して横方向に配設されたカッター刃をそれぞれ有し、かつ当該カッター刃が周方向に対して互いに位置をずらして前記挿通路の縦方向に沿って多段に配設された複数のカッター部材と、これら複数のカッター部材をそれぞれ前記挿通路の縦方向中心方向にばね付勢する複数の付勢手段を有するカッターユニットを備え、前記挿通路の縦方向に多段に配設された前記複数のカッター部材が同じ段に少なくとも3つ配置され、互いに隣り合うカッター部材における一方のカッター刃の内側に他方のカッター刃を配置し、かつ当該他方のカッター刃の長さ方向延長線が前記一方のカッター刃と交差する位置関係となるように周方向にわたり各カッター部材を配置し、前記挿通路に押し込まれた前記被切削物の周面の皮を前記複数のカッター部材の各カッター刃で剥くことを特徴とする。
ここで、本発明における被切削物とは、大根,ごぼう,人参などの棒状の野菜、ジャガイモ,里芋などの塊状の野菜や、棒状及び塊状の果物を含む食品をいう。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の皮剥き装置において、前記複数のカッター部材は、それぞれ横方向に偏った位置で前記付勢手段により付勢されることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1に記載の皮剥き装置において、前記挿通路の縦方向に多段に配設された前記複数のカッター部材のうち、前記挿通路の前記被切削物の挿通方向に対して上流側から第1段のカッター部材と第2段のカッター部材とが周方向に最もずらした位置に配置されたことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項3に記載の皮剥き装置において、前記挿通路の縦方向に多段に配設された前記複数のカッター部材のうち、前記上流側から第3段又は第4段のいずれかのカッター部材は、それぞれ横方向に前記第1段及び第2段のカッター部材の間となる位置に配置されたことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1に記載の皮剥き装置において、前記挿通路に前記被切削物を押し込む押圧機構を設けたことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1に記載の皮剥き装置において、前記カッターユニットは、前記被切削物を挿通するための挿通路とする開口部が形成された開口部材に固定されたことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項6に記載の皮剥き装置において、前記開口部材に固定され、それぞれ前記挿通路の縦方向中心に向けて折曲がり下端が前記挿通路の上流側に配置されたカッター部材に臨むように下方に延びるとともに、放射状に少なくとも3枚板状のガイドスプリングが前記挿通路の縦方向に多段に配置されたことを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項5に記載の皮剥き装置において、前記押圧機構は、支持台上に設置され、当該支持台に前記挿通路と連通する排出口を形成し、当該排出口から皮が剥かれた前記被切削物を排出することを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項8に記載の皮剥き装置において、前記押圧機構は、前記被切削物を押圧する押し棒を有し、当該押し棒を前記挿通路に案内する案内部材を前記支持台上に設置したことを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項1に記載の皮剥き装置において、前記複数のカッター部材は、断面コ字状に形成されたアーム部を有する一方、前記複数の付勢手段は、断面コ字状に形成され前記アーム部が嵌り込む保持部を有することを特徴とする。
本発明の請求項1によれば、挿通路の縦方向に多段に配設された複数のカッター部材が同じ段に少なくとも3つ配置され、互いに隣り合うカッター部材における一方のカッター刃の内側に他方のカッター刃を配置し、かつ他方のカッター刃の長さ方向延長線が一方のカッター刃と交差する位置関係となるように周方向にわたり各カッター部材を配置したことから、一方のカッター刃の内側に他方のカッター刃が配置された初期の位置関係からカッター刃の長さが被切削物の横断面における多角形の外接円の弦に相当する長さであって、その外接円の径までの太さの被切削物を皮剥きすることが可能となるため、被切削物の径を拡大することができる。その結果、被切削物の径の大小や起伏の大小に広範囲に対応することができることから、汎用性を著しく高め、また剥き残しがなく確実に皮剥きすることが可能になる。
また、挿通路の縦方向に多段に配設された複数のカッター部材が同じ段に少なくとも3つ配置されていることから、同じ段に少なくとも3つ配置されたカッター部材の内側に角形の空隙部が形成されるので、押圧機構により被切削物を挿通路に押し込んだとき、押圧機構の先端がカッター部材と干渉することがなくなる。これにより、押圧機構の先端は、カッター部材の内側に形成された空隙部に確実に案内されるため、被切削物を確実かつ円滑に皮剥きすることができる。
本発明の請求項2によれば、複数のカッター部材は、それぞれ横方向に偏った位置で前記付勢手段により付勢されることから、互いに隣り合うカッター部材において一方のカッター刃の内側に他方のカッター刃が交差方向となる位置関係に周方向に順次配置し、カッター部材が揺動して拡開した場合でも、複数のカッター部材の揺動方向延長線の交点を複数のカッター部材の内側に形成される空隙部の中心と常に一致させることができる。その結果、被切削物の径の大小や起伏の大小に関わらず、一段と精確かつ円滑に皮剥きすることができる。
本発明の請求項3によれば、挿通路の縦方向に多段に配設された複数のカッター部材のうち、挿通路の被切削物の挿通方向に対して上流側から第1段のカッター部材と第2段のカッター部材とが周方向に最もずらした位置に配置されたことにより、第1段のカッター部材と第2段のカッター部材とが挿通路の縦方向中心方向に対して揺動する際に互いに干渉することがなくなり、円滑に皮剥きすることができる。
本発明の請求項4によれば、挿通路の縦方向に多段に配設された複数のカッター部材のうち、上流側から第3段又は第4段のいずれかのカッター部材は、それぞれ横方向に第1段及び第2段のカッター部材の間となる位置に配置されたことにより、第2段のカッター部材に対して第3段のカッター部材が、第3段のカッター部材に対して第4段のカッター部材がそれぞれ挿通路の縦方向中心方向に対して揺動する際に互いに干渉することがなくなり、円滑に皮剥きすることができる。
本発明の請求項5によれば、押圧機構により被切削物を挿通路に押し込むようにしたので、被切削物の切削効率を大幅に向上させることができる。
本発明の請求項6によれば、カッターユニットは、被切削物を挿通するための挿通路とする開口部が形成された開口部材に固定されていることから、カッター部材の全てが開口部材に固定されているので、カッターユニットを複数段に亘って設けることがなくなり、挿通路を短くすることができる。その結果、被切削物が多少曲がっていても確実に皮剥きすることができるとともに、装置の小型化が可能となる。
本発明の請求項7によれば、開口部材に固定され、それぞれ挿通路の縦方向中心に向けて折曲がり下端が挿通路の上流側に配置されたカッター部材に臨むように下方に延びるとともに、放射状に少なくとも3枚板状のガイドスプリングが固定されたことにより、被切削物を挿通路の縦方向中心方向に確実に案内することができる。
本発明の請求項8によれば、押圧機構が支持台上に設置されているので、操作性を高めることができる。また、支持台に挿通路と連通する排出口を形成し、この排出口から皮が剥かれた被切削物を排出することにより、皮が剥かれた被切削物を円滑に排出することができる。
本発明の請求項9によれば、押圧機構は、被切削物を押圧する押し棒を有し、当該押し棒を挿通路に案内する案内部材が支持台上に設置されていることから、押し棒の先端をカッター部材の内側に形成された空隙部に確実に案内することができ、被切削物を常に確実かつ円滑に皮剥きすることができる。
本発明の請求項10によれば、複数のカッター部材は、断面コ字状に形成されたアーム部を有する一方、前記複数の付勢手段は、断面コ字状に形成され前記アーム部が嵌り込む保持部を有することにより、複数のカッター部材がそれぞれ左右に振れることなく、複数のカッター部材を常に挿通路の縦方向中心方向に付勢することができる。これにより、被切削物の剥き残しが未然に防止され、被切削物の周方向に亘って確実に皮剥きすることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る皮剥き装置の一実施形態において皮剥き前の状態を示す斜視図、図2は一実施形態の皮剥き装置におけるカッターユニットを示す正面図、図3は図2のカッターユニットにおけるカッター部材の取付状態を示す分解斜視図、図4は図3のカッター部材を示す断面図、図5は図3のカッター部材の配置態様を示す斜視図、図6は図5のカッター部材を示す平面図、図7(A)〜(D)は各段に配設されたカッター部材の配置態様を示す平面図、図8(A)〜(D)は各段に配設されたカッター部材により皮剥きされる部位を示す説明図、図9は一実施形態の皮剥き装置における押圧機構を示す側面図、図10は一実施形態において皮剥き後の状態を示す斜視図である。なお、図1及び図10は皮剥き装置を斜め正面方向から見た斜視図である。また、図1、図2及び図10においては、挿通路の縦方向に4段に配設され、各段のカッター部材がそれぞれ同一高さに3つ配置されているものの、図が複雑化するため、簡素化して示している。
図1に示すように、本実施形態の皮剥き装置1は、カッターユニット10の基板11が支持台2上に図示しないねじなどの固定部材により固定されており、この支持台2は4本の脚部3により水平状態に支持され、各脚部3の下端には矩形状に形成された4本の枠部4が支持台2と平行に固定されている。この枠部4には、支持板5が載置され、この支持板5上に皮が剥かれた被切削物を収容するかご6が載置される。そして、枠部4底面の隅部近傍には、それぞれ車輪7が回動自在に取り付けられている。ここで、枠部4は、3本で平面コ状に連結すれば、かごを載置した台車の出し入れが可能となり、作業性を高めることができる。
カッターユニット10の基板11には円孔12が穿設され、この円孔12が図示しない支持台2の排出口と連通状態となるように基板11は支持台2に載置され、これら円孔12及び支持台2の排出口を皮が剥かれた被切削物が通過してかご6に収容される。
基板11の円孔12の上方は、カッターユニット10において被切削物を挿通する挿通路13となる。なお、以下の説明では、皮剥き装置1の設置状態において、挿通路13の被切削物の挿通方向(縦方向、高さ方向)に対して上流側を上方とし、下流側を下方とするとともに、当該挿通方向に対して直交する方向を横(水平)方向として説明する。
また、基板11には、図2に示すように3本の連結ロッド14の一端がそれぞれ固着され、これら連結ロッド14の他端は、基板11に対して鉛直方向上方に同一の長さに延びて開口部材としての上下2枚の円孔板15,16のうち、設置状態において下方に位置する下部円孔板16に固着されている。この下部円孔板16は、上方に所定の隙間を有して複数の連結具17により上部円孔板15が固着されている。これにより、上下2枚の円孔板15,16がそれぞれ水平状態に保持される。また、これらの円孔板15,16の中心は、挿通路13の縦方向中心と一致している。
上部円孔板15の開口部15aには、図2及び図4に示すように上部ガイドスプリング18が装着されている。この上部ガイドスプリング18は、帯状に形成され、その上端が上部円孔板15に固定手段により固定される一方、その下端が挿通路13の縦方向中心に向けて折曲がり、挿通路13の被切削物の最も上部に配置された後述する第1段のカッター部材に臨むように垂直下方に延びている。この上部ガイドスプリング18は、放射状に少なくとも3枚(本実施形態では6枚)配置されている。
また、下部円孔板16の開口部16aには、図2に示すように上部円孔板15と同様に下部ガイドスプリング19が装着されている。この下部ガイドスプリング19は、帯状に形成され、その下端が挿通路13の縦方向中心に向けて折曲がり、挿通路13の被切削物の挿通方向に対して最も上部に配置された上記カッター部材のカッター刃近傍まで垂直下方に延びている。この下部ガイドスプリング19は、放射状に少なくとも3枚(本実施形態では6枚)配置されるとともに、3枚の上部ガイドスプリング18の周方向位置に対して互いに位置をずらしている。なお、上部ガイドスプリング18,19の下端は、垂直下方に延びていることに限らず、必ずしも垂直ではないとしても下方に延びて被切削物を挿通路13の縦方向中心に案内するものであればよい。
ここで、本実施形態では、上部円孔板15に上部ガイドスプリング18を、下部円孔板16に下部ガイドスプリング19をそれぞれ6枚づつ固定した例について説明したが、これに限らず少なくとも下部円孔板16に下部ガイドスプリング19を3枚固定すれば、3枚の下部ガイドスプリング19の下端が上記カッター部材のカッター刃近傍まで垂直下方に延びていることから、被切削物を挿通路13の縦方向中心方向に確実に案内することができる。
さらに、下部円孔板16には、挿通路13の縦方向(設置状態における上下方向)となるように12個のカッター部材20が固着されている。具体的には、これら12個のカッター部材20は、それぞれ下部円孔板15に互いに30度の角度を有して挿通路13の縦方向中心方向に揺動可能に一端が軸支されるとともに、周方向に対して互いに位置をずらして被切削物の周方向に連続するようにしている。すなわち、12個のカッター部材20で皮剥きされた被切削物の水平切断面は、12角形となる。ここで、被切削物の皮を厚く剥く場合には、その角形の数を少なくする一方、薄く剥く場合には、その角形の数を増加させる。
これらの12個のカッター部材20は、図2に示すように被切削物の挿通方向に対して上流側(上部)から順に、3つの短尺の第1カッター部材(第1段のカッター部材)21と、これら第1カッター部材21よりやや長尺の3つの第2カッター部材(第2段のカッター部材)22と、これら第2カッター部材22よりやや長尺の3つの第3カッター部材(第3段のカッター部材)23と、これら第3カッター部材23よりやや長尺の3つの第4カッター部材(第4段のカッター部材)24とから上下方向4段に略同一の間隔(高さ)をおいて配置構成されている。
したがって、これら第1〜第4カッター部材21〜24は、それぞれのカッター刃が下方に配置されるに従って順次アーム部の長さが長く形成されることになる。それぞれの第1〜第4カッター部材21〜24は、図5及び図6に示すように互いに周方向位置をずらして下部円孔板16に120度の角度を有して後述する互いのカッター刃の両側端が圧接され、それらのカッター部の内側に三角形の空隙部25を形成する。
さらに、これら第1〜第4カッター部材21〜24は、下部円孔板11の周方向に対して互いに取付位置が異なるようにずらして配置されている。なお、以下の説明では、第1〜第4カッター部材21〜24は互いにアームの長さが異なるだけで構造が同様であるため、これらを纏めて説明する場合には、カッター部材20として説明する。
カッター部材20の上端は、図3に示すように二股の差込片26a,26aが一体形成された差込部材26を有し、これらの差込片26a,26aは下部円孔板16の周方向に一定間隔をおいて穿設された2つの差込孔27に挿通され、固定金具28の孔28aとともに、差込片26a,26aの孔26b,26bに通しボルト29が挿通してナット30により締結されることで、カッター部材20は通しボルト29を中心として揺動可能に支持される。そして、カッター部材20は、通しボルト29を外すことにより、下部円孔板11から容易に取り外すことが可能となる。
カッター部材20は、図3に示すように上記一体形成された差込部材26と、この差込部材26が2本のねじ31,31により固定されかつ長手方向に沿って断面コ字状に屈曲形成されたアーム部32と、このアーム部32に2本のねじ33,33により横方向に偏った位置で固定された二股状のブラケット34,34と、これらのブラケット34,34に揺動可能に支承されるカッター刃35と、を備えて構成されている。したがって、アーム部32は、ブラケット34,34の連結部34aの横方向に対して偏った位置に固定されている。
ブラケット34,34の二股の各先端には、それぞれ切欠円状の切欠部34b,34b(図4に示す)が形成され、これらの切欠部34b,34bにカッター刃35の両側に形成された張出片36,36が嵌り込んで、カッター刃35がブラケット34,34に揺動可能に支承されている。また、ブラケット34,34のそれぞれの略中央には、取付孔が穿設され、これらの孔に通しボルト37を挿通し、この通しボルト37にナット38を締結することで、この通しボルト37が図4においてカッター部材20の時計方向の回転角度を所定角度以上にならないように規制している。
通しボルト37は、屈曲片39の一端を挿通し、ナット38により締結することにより屈曲片39の一辺がブラケット34,34の一方の外側面に当接し、屈曲片39の他辺先端がブラケット34,34間に延びている。これにより、屈曲片39の他辺先端は、カッター部材20の反時計方向の回転角度を所定角度以上にならないようにストッパとしての機能を有する。
カッター刃35は、張出片36,36の上側に配置された接触案内部40と、張出片36,36の下側に配置された刃部41と、この刃部41に取り付けられて剥かれた皮を外側に案内するためのガイド片42と、を備えて構成されている。そして、接触案内部40と刃部41との間には開口部43が形成され、この開口部43は、剥かれた皮を排出するとともに、その大きさを変えることにより、被切削物に対する剥かれる皮の切り取り厚さを変えることができる。ここで、カッター刃35は、通常時、所定の角度となるように重量バランスが図られている。これにより、上部円孔板15の開口部15a及び下部円孔板16の開口部16aから挿通された被切削物の周面を適確に皮剥きすることができる。
さらに、各切欠部34bに嵌り込んだ張出片36,36は、カッター刃35の使用時における揺動範囲内では外れないように構成されているが、ブラケット34,34に挿通した通しボルト37及び屈曲片39を取り外し、接触案内部40及び刃部41をそれぞれ通しボルト37及び屈曲片39との接触を解除すれば、張出片36,36を外してカッター刃35を容易に取り外すことができる。
さらに、カッターユニット14において、各カッター部材20の背面には、それぞれ図2〜図4に示すように付勢手段としての押圧スプリング50が添うように取り付けられている。この押圧スプリング50は、カッター部材20を挿通路8の縦方向中心方向にばね付勢している。この押圧スプリング50は、3つねじ孔51を有し、かつこれらのねじ孔51が2つの差込孔27,27間に穿設した3つのねじ孔27bに位置決めされてねじ52により螺合される固定部53と、この固定部53に2本のねじ54,54により固着されたスプリング片55とを備えている。このスプリング片55の下端には、断面コ字状に形成されアーム部32が嵌り込む保持部56が固着されている。
したがって、押圧スプリング50のスプリング片55でカッター部材20の背面を常に押圧することにより、カッター部材20を挿通路8の縦方向中心方向に常時ばね付勢している。また、押圧スプリング50は、下部円孔板16にねじ52により着脱可能に取り付けられているので、スプリング片55の付勢力の異なるものと交換すれば、被切削物に対して常に適切な付勢力を設定することができる。
上記のように第1〜第4カッター部材21〜24を纏めて説明する場合には、カッター部材20としている。また、以下の説明では、第1〜第4カッター部材21〜24のそれぞれ構成する3つのカッター部材を、カッター部材21a〜21c,カッター部材22a〜22c,カッター部材23a〜23c,カッター部材24a〜24cとして説明する。さらに、図5及び図6では、カッター部材21a,22a,23a,24aを纏めてカッター部材20aとし、カッター部材21b,22b,23b,24bを纏めてカッター部材20bとし、さらにカッター部材21c,22c,23c,24cを纏めてカッター部材20cとして説明する。そして、図5及び図6では、これらのカッター部材20a〜20cのカッター刃を、カッター刃35a〜35cとする。
図5及び図6に示すように、カッター部材20は、被切削物を挿通する挿通路13の縦方向に4段に配設され、これらのカッター部材20は同じ段において同一高さ(同一平面上)に3つ配置されている。互いに隣り合うカッター部材20a,20bにおける一方のカッター刃35aの内側に他方のカッター刃35bを配置し、かつ他方のカッター刃35bの長さ方向延長線L1が一方のカッター刃35aと交差する位置関係に配置されている。
同様に、カッター部材20は、カッター部材20b,20cにおけるカッター刃35bの内側にカッター刃35cを配置し、かつカッター刃35cの長さ方向延長線L2がカッター刃35bと交差する位置関係に配置されている。さらに、カッター部材20は、カッター部材20c,20aにおけるカッター刃35cの内側にカッター刃35aを配置し、かつカッター刃35aの長さ方向延長線L3がカッター刃35cと交差する位置関係に配置されている。このようにカッター部材20は、周方向にわたり各カッター部材20a〜20cが配置されている。
ここで、カッター部材20a〜20cは、図5及び図6に示すようにそれぞれ横方向に偏った位置でアーム部32に固定され、上記のように内側に三角形の空隙部25を形成している。また、カッター部材20a〜20cは、各々アーム部32を介して揺動され、これらのアーム部32の揺動方向延長線A1〜A3は、挿通路13の縦方向中心、すなわち空隙部25の三角形の中心O1を通るように延びている。すなわち、カッター部材20a〜20cの揺動方向延長線A1〜A3の交点をカッター部材20a〜20cの内側に形成される空隙部25の中心O1と常に一致させることができる。したがって、空隙部25の三角形は、異なる径の被切削物が挿通する際、挿通する被切削物の径に応じて相似形の大小が変化することになる。
ところで、本実施形態は、図7(A)〜図7(D)に示すように挿通路13の縦方向に4段に配設された第1〜第4カッター部材21〜24のうち、図7(A),(B)のように挿通路13の被切削物の挿通方向に対して上流側から第1段のカッター部材としての第1カッター部材21と第2段のカッター部材としての第2カッター部材22は、周方向に最も角度(60°)をずらした位置に配置されている。
ここで、第1カッター部材21を構成するカッター部材21a〜21cは、図8(A)に示すように被切削物が大根Rであるとすると、それぞれその切削部P4,P8,P12を皮剥きし、第2カッター部材22を構成するカッター部材22a〜22cは、それぞれ図8(B)に示すように切削部P1,P5,P9を皮剥きする。この場合、大根Rは、その中心O2が板状のガイドスプリング18,19により挿通路13の縦方向中心方向である空隙部25の中心O1方向に一致する方向に案内される。
また、本実施形態は、図7(C),(D)に示すように第3段のカッター部材としての第3カッター部材23と第4段のカッター部材としての第4カッター部材24は、第1カッター部材21の配置態様と第2カッター部材22の配置態様との間の配置態様になるように配置される。すなわち、第3カッター部材23及び第4カッター部材24は、第2カッター部材22に対して周方向に30°の角度をずらして配置されている。したがって、第3カッター部材23を構成するカッター部材23a〜23cは、それぞれ図8(C)に示すように切削部P2,P6,P10を皮剥きする。同様に、第4カッター部材24を構成するカッター部材24a〜24cは、それぞれ図8(D)に示すように切削部P3,P7,P11を皮剥きする。このようにして被切削物である大根Rの全周面の皮を剥くことが可能となる。なお、この場合には、第3カッター部材23と第4カッター部材24の配置態様が逆であっても同様に皮剥きすることが可能となる。
また、本実施形態の皮剥き装置1は、図1、図9及び図10に示すように支持台2上に、カッターユニット10を跨ぐように門形に形成された支持アーム60が設置されている。この支持アーム60は、支持台2上に立設された2本の垂直部61,61と、これら2本の垂直部61,61の上端に水平に固定された水平部62とを備えている。そして、水平部62の正面側及び背面側には、それぞれ補強板63が固定されている。この背面側の補強板63の下方には、取付板64が2本の垂直部61,61を横架するように固着されている。この取付板64には、図9に示すように被切削物を挿通路13に押し込むための押圧機構70の一端が軸支されている。
押圧機構70は、図1、図9及び図10に示すように取付板64に一端が軸着される支持アーム部71と、この支持アーム部71の他端が後端近傍に軸着される後方アーム部72と、この後方アーム部72の後端と支持アーム部71との間に装着される引張りばね73と、一側の端部が後方アーム部72の後方寄りに軸支され、かつ他側に長孔74aが形成された2枚の案内板74と、後方アーム部72の先端に一端(後端)が軸支された前方アーム部75と、この前方アーム部75の他端(前端)に軸支された操作部76と、前方アーム部75の一端(後端)近傍に取り付けられ、水平部62に形成された案内孔62aに対して上下動可能に挿通する押し棒77とを備えて構成されている。
2枚の案内板74の長孔74a内には、支持アーム部71の一端寄り両側に固着された突部71aが摺動可能に装着される。また、操作部76には、作業者が被切削物を挿通路13に押し込む際に押し下げるために握持する取手78が取り付けられている。さらに、押し棒77は、基端側に形成された大径部77aと先端側に形成された中径部77bとが連設されている。この中径部77bの先端は、図示しないが被切削物を保持するために小径部が着脱可能に装着されている。なお、中径部77bの先端には、被切削物の形状や硬さなどに対応して例えば同一長さに複数本植設された突起を有するものや、中央部が周辺部より長くして異なる長さに複数本突起が植設したものを装着するようにしてもよい。また、押し棒77をカッターユニット10に押し込んだとき、押し棒77の下端は、3つの第2カッター部材22と2つの第3カッター部材23との間に達するように長さが設定されている。
このように構成された押圧機構70は、作業者が取手78を握持して押し下げると、引張りばね73の引張力に抗して後方アーム部72及び前方アーム部75が下降し、それに伴い押し棒77が水平部62の案内孔62aに沿って下降する。なお、後方アーム部72及び前方アーム部75が下降するときに、後方アーム部72に軸支された2枚の案内板74は、その長孔74aに装着された支持アーム部71の突部71aに沿って移動することにより、押し棒77は円滑に下降することができる。
次に、本実施形態の皮剥き装置の作用を説明する。なお,本実施形態の作用の説明では、上記のように被切削物に大根Rとした場合について説明する。
まず、被切削物である大根Rの葉の部分を包丁で切り落とした後、この大根Rを図1に示すように、カッターユニット10の上下の円孔板15,16における開口部15a,16aに挿入する。すると、大根Rの先端は、板状のガイドスプリング18,19の付勢力により挿通路13の縦方向中心方向である空隙部25の中心O1方向に案内されつつ、3つの短尺の第1カッター部材21に臨むような位置に到達する。
次いで、作業者が取手78を握持して押し下げると、引張りばね73の引張力に抗して後方アーム部72及び前方アーム部75が下降し、それに伴い押し棒77が水平部62の案内孔62aに沿って下降する。ここで、押し棒77の下端は、3つの第2カッター部材22と第3カッター部材23との間に達するように長さが設定されているので、大根Rの後端が押し棒77により押圧されて、大根Rの先端は、それぞれ3つの第1カッター部材21、第2カッター部材22、第3カッター部材23を経て第4カッター部材24を通過する。
このとき、大根Rの周面は、第1カッター部材21、第2カッター部材22、第3カッター部材23及び第4カッター部材24におけるそれぞれのカッター刃35の接触案内部40に接触して刃部41により周面の皮が剥かれる。すなわち、上述したように第1カッター部材21を構成するカッター部材21a〜21cは、図8(A)に示すようにそれぞれ大根Rの切削部P4,P8,P12を皮剥きし、第2カッター部材22を構成するカッター部材22a〜22cは、それぞれ図8(B)に示すように切削部P1,P5,P9を皮剥きする。
その後、第3カッター部材23を構成するカッター部材23a〜23cは、それぞれ図8(C)に示すように切削部P2,P6,P10を皮剥きする。同様に、第4カッター部材24を構成するカッター部材24a〜24cは、それぞれ図8(D)に示すように切削部P3,P7,P11を皮剥きする。そして、このようにして挿通路13の縦方向に4段の第1カッター部材21〜第4カッター部材24におけるそれぞれのカッター刃35により、大根Rの周面の長手方向に計12本帯状に皮剥きされる。その結果、12角形の12辺の全てが形成され、被切削物である大根Rの全周面の皮を剥くことが可能となる。
このようにして剥かれた皮は、断面弓形をなし、各カッター刃35の開口部43からガイド片42を経て案内されてカッターユニット10の基板11から支持台2上に排出される。なお、皮が剥かれた大根Rは、基板11の円孔12及び支持台2の排出口を通過してかご6に収容される。
次に、作業者が押圧機構70の取手78を握持して押し上げると、引張りばね73の引張力により後方アーム部72及び前方アーム部75が上昇し、それに伴い押し棒77が水平部62の案内孔62aに沿って上昇する。そして、次の大根Rを図1に示すように、カッターユニット10の上下の円孔板15,16における開口部15a,16aに挿入する。その後は、上述した工程を再び実行する。これらの工程を繰り返すことにより、大量の大根Rを短時間で皮剥きすることができる。
次に、被切削物として人参を皮剥きする場合には、人参の葉の部分を包丁で切り落とした後、この人参を図1に示すように、カッターユニット10の上下の円孔板15,16における開口部15a,16aに挿入する。すると、人参の先端は、板状のガイドスプリング18,19の付勢力により挿通路13の縦方向中心方向である空隙部25の中心O1方向に案内されつつ、3つの短尺の第1カッター部材21を経て第2カッター部材22に臨むような位置に到達する。
ここで、第1カッター部材21、第2カッター部材22、第3カッター部材23及び第4カッター部材24によりそれぞれ形成される挿入路13の三角形の空隙部25は、予め狭く設定されている。
次いで、作業者が押圧機構70の取手78を握持して押し下げると、引張りばね73の引張力に抗して後方アーム部72及び前方アーム部75が下降し、それに伴い押し棒77が水平部62の案内孔62aに沿って下降する。この場合、押し棒77の下端は、3つの第2カッター部材22と第3カッター部材23との間に達するように長さが設定されているので、人参の後端が押し棒77により押圧される。
すると、第1カッター部材21、第2カッター部材22、第3カッター部材23及び第4カッター部材24によりそれぞれ人参の先端が皮剥きされると同時に、人参の径が次第に大きくなるに従って第1カッター部材21、第2カッター部材22、第3カッター部材23及び第4カッター部材24によりそれぞれ形成される挿入路13の三角形の空隙部25が次第に押し広げられ、カッター刃35の接触案内部40に接触して刃部41により周面の皮が剥かれる。このようにして人参の先端側を含む周方向全面を皮剥きすることができる。
また、被切削物としてごぼうを皮剥きする場合には、ごぼうを作業者が手で握持して図1に示すように、カッターユニット10の上下の円孔板15,16における開口部15a,16aに押し込む。上記のように第1カッター部材21、第2カッター部材22、第3カッター部材23及び第4カッター部材24によりそれぞれ形成される挿入路13の三角形の空隙部25は、予め狭く設定されているので、小径のごぼうは、板状のガイドスプリング18,19により挿通路13の縦方向中心方向に案内されつつ、それぞれ3つの第1カッター部材21、第2カッター部材22、第3カッター部材23及び第4カッター部材24を経てそれぞれのカッター刃35の接触案内部40に接触して刃部41により周面の皮が剥かれる。
この場合、作業者が押圧機構70の取手78を握持して押し下げ、引張りばね73の引張力に抗して後方アーム部72及び前方アーム部75を下降させ、それに伴い押し棒77が水平部62の案内孔62aに沿って下降させ、ごぼうの後端を押し棒77により押圧するようにしてもよい。また、第4カッター部材24を経て周面の皮が剥かれたごぼうの先端を作業者が手で握持して引き抜くようにしてもよい。なお、ジャガイモ,里芋などの塊状野菜の場合も人参やごぼうと同様に周面の皮を剥くことができる。
したがって、本実施形態では、一方のカッター刃35の内側に他方のカッター刃35が配置された初期の位置関係における弦に相当する長さであって、その外接円の径の太さに相当する被切削物から、カッター刃35の長さが被切削物の横断面における多角形の外接円の弦に相当する長さであって、その外接円の径までの太さの被切削物を皮剥きすることが可能となる。
このように本実施形態によれば、挿通路13の縦方向に4段に配設された複数のカッター部材20(21〜24)が同じ段に少なくとも3つ配置され、互いに隣り合うカッター部材における一方のカッター刃35aの内側に他方のカッター刃35bを配置し、かつ他方のカッター刃35bの長さ方向延長線L1が一方のカッター刃35aと交差する位置関係となるように周方向にわたり各カッター部材21〜24を配置したことから、一方のカッター刃35の内側に他方のカッター刃35が配置された初期の位置関係からカッター刃35の長さが被切削物の横断面における多角形の外接円の弦に相当する長さであって、その外接円の径までの太さの被切削物を皮剥きすることが可能となるため、被切削物の径を拡大することができる。その結果、被切削物の径の大小や起伏の大小に広範囲に対応することができることから、汎用性を著しく高め、また剥き残しがなく確実に皮剥きすることが可能になる。
また、本実施形態によれば、挿通路13の縦方向に4段に配設された複数のカッター部材21〜24が同じ段に少なくとも3つ配置されていることから、同じ段に少なくとも3つ配置されたカッター部材21〜24の内側に角形の空隙部が形成されるので、押圧機構70により被切削物を挿通路13に押し込んだとき、押圧機構70の先端がカッター部材21〜24と干渉することがなくなる。これにより、押圧機構70の先端は、カッター部材21〜24の内側に形成された空隙部25に確実に案内されるため、被切削物を確実かつ円滑に皮剥きすることができる。
さらに、本実施形態によれば、複数のカッター部材21〜24は、それぞれ横方向に偏った位置で付勢手段としての押圧スプリング50により付勢されることから、互いに隣り合うカッター部材において一方のカッター刃35の内側に他方のカッター刃35が交差方向となる位置関係に周方向に順次配置し、カッター部材21〜24が揺動して拡開した場合でも、カッター部材21〜24の揺動方向延長線A1〜A3の交点を複数のカッター部材21〜24の内側に形成される空隙部25の中心O1と常に一致させることができる。その結果、被切削物の径の大小や起伏の大小に関わらず、一段と精確かつ円滑に皮剥きすることができる。
そして、本実施形態によれば、挿通路13の縦方向に4段に配設された複数のカッター部材21〜24のうち、挿通路13の被切削物の挿通方向に対して上流側から第1段のカッター部材21と第2段のカッター部材22とが周方向に最もずらした位置に配置されたことにより、第1段のカッター部材21と第2段のカッター部材22とが挿通路13の縦方向中心方向に対して揺動する際に互いのカッター刃35が干渉することがなくなり、円滑に皮剥きすることができる。
また、本実施形態によれば、挿通路13の縦方向に4段に配設された複数のカッター部材21〜24のうち、上流側から第3段又は第4段のカッター部材23,24は、それぞれ横方向に第1段及び第2段のカッター部材21,22の間となる位置に配置されたことにより、第2段のカッター部材22に対して第3段のカッター部材23が、第3段のカッター部材23に対して第4段のカッター部材24がそれぞれ挿通路13の縦方向中心方向に対して揺動する際に互いに干渉することがなくなり、円滑に皮剥きすることができる。
さらに、本実施形態によれば、押圧機構70により被切削物を挿通路13に押し込むようにしたので、被切削物の切削効率を大幅に向上させることができる。
そして、本実施形態によれば、カッターユニット10は、被切削物を挿通するための挿通路13とする開口部16aが形成された下部円孔板16に固定されていることから、カッター部材20の全てが下部円孔板16に固定されているので、カッターユニット10を複数段に亘って設けることがなくなり、挿通路13を短くすることができる。その結果、被切削物が多少曲がっていても確実に皮剥きすることができるとともに、装置の小型化が可能となる。
また、本実施形態によれば、上部円孔板15及び下部円孔板16に、それぞれ挿通路13の縦方向中心に向けて折曲がり下端が挿通路13の上流側に配置された第1カッター部材21に臨むように垂直下方に延びるとともに、放射状に少なくとも3枚板状の上部ガイドスプリング18及び下部ガイドスプリング19が固定されたことにより、被切削物を挿通路13の縦方向中心方向に確実に案内することができる。
さらに、本実施形態によれば、押圧機構70が支持台2上に設置されているので、操作性を高めることができる。また、支持台2に挿通路13と連通する排出口を形成し、この排出口から皮が剥かれた被切削物を排出することにより、皮が剥かれた被切削物を円滑に排出することができる。
そして、本実施形態によれば、押圧機構70は、被切削物を押圧する押し棒77を有し、この押し棒77を挿通路13に案内する案内孔62aを有する支持アーム60が支持台2上に設置されていることから、押し棒77の先端をカッター部材20の内側に形成された空隙部に確実に案内することができ、被切削物を常に確実かつ円滑に皮剥きすることができる。
また、本実施形態によれば、複数のカッター部材20は、断面コ字状に形成されたアーム部32を有する一方、押圧スプリング50は、断面コ字状に形成されアーム部32が嵌り込む保持部56を有することにより、複数のカッター部材20がそれぞれ左右に揺動することなく、複数のカッター部材20を常に挿通路13の縦方向中心方向に付勢することができる。これにより、被切削物の剥き残しが未然に防止され、被切削物の周方向全体に亘って確実に皮剥きすることができる。
ここで、複数のカッター部材20と押圧スプリング50とをクリップ状の固定金具で固定した場合には、複数のカッター部材20の左右への揺動がある程度防止されるものの、複数のカッター部材20を挿通路13の縦方向中心方向に対して円滑に付勢することができなくなる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々の変更が可能である。例えば上記実施形態では、押圧機構70は、作業者が取手78を握持して押し下げるようにしたが、これに限らず流体圧や電動モータなどの駆動手段により押圧機構70を駆動するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、挿通路13の縦方向に4段にカッター部材21〜24を配設した例について説明したが、これに限らず2段、3段あるいは5段以上でもよい。さらに、第1カッター部材21、第2カッター部材22、第3カッター部材23及び第4カッター部材をそれぞれ3つづつ配置した例について説明したが、4つ以上でもよく、要するに少なくとも3つ配置したものであればよい。
さらに、上記実施形態では、同じ段における第1カッター部材21、第2カッター部材22、第3カッター部材23及び第4カッター部材は、それぞれ同一の高さに配置したが、これに限らず、互いに隣り合うカッター部材における一方のカッター刃の内側に他方のカッター刃を配置し、かつ他方のカッター刃の長さ方向延長線が一方のカッター刃と交差する位置関係となるように周方向にわたり各カッター部材を配置すれば、同じ段のカッター部材が互いに高さ方向に数mm程度ずれていたとしても、被切削物の周面の皮を各カッター刃で剥くことができる。
本発明に係る皮剥き装置の一実施形態において皮剥き前の状態を示す斜視図。 一実施形態の皮剥き装置におけるカッターユニットを示す正面図。 図2のカッターユニットにおけるカッター部材の取付状態を示す分解斜視図。 図3のカッター部材を示す断面図。 図3のカッター部材の配置態様を示す斜視図。 図5のカッター部材を示す平面図。 (A)〜(D)は各段に配設されたカッター部材の配置態様を示す平面図。 (A)〜(D)は各段に配設されたカッター部材により皮剥きされる部位を示す説明図。 一実施形態の皮剥き装置における押圧機構を示す側面図。 一実施形態において皮剥き後の状態を示す斜視図。
符号の説明
1 皮剥き装置
2 支持台
3 脚部
4 枠部
7 車輪
10 カッターユニット
11 基板
12 円孔
13 挿通路
14 連結ロッド
15 上部円孔板
16 下部円孔板
17 連結具
18 上部ガイドスプリング
19 下部ガイドスプリング
20 カッター部材
21 第1カッター部材
22 第2カッター部材
23 第3カッター部材
24 第4カッター部材
25 空隙部
35 カッター刃
41 刃部
60 支持アーム
62 水平部
62a 案内孔
70 押圧機構
77 押し棒
78 取手

Claims (10)

  1. 被切削物を挿通する挿通路の縦方向に対して横方向に配設されたカッター刃をそれぞれ有し、かつ当該カッター刃が周方向に対して互いに位置をずらして前記挿通路の縦方向に沿って多段に配設された複数のカッター部材と、これら複数のカッター部材をそれぞれ前記挿通路の縦方向中心方向にばね付勢する複数の付勢手段を有するカッターユニットを備え、
    前記挿通路の縦方向に多段に配設された前記複数のカッター部材が同じ段に少なくとも3つ配置され、互いに隣り合うカッター部材における一方のカッター刃の内側に他方のカッター刃を配置し、かつ当該他方のカッター刃の長さ方向延長線が前記一方のカッター刃と交差する位置関係となるように周方向にわたり各カッター部材を配置し、前記挿通路に押し込まれた前記被切削物の周面の皮を前記複数のカッター部材の各カッター刃で剥くことを特徴とする皮剥き装置。
  2. 請求項1に記載の皮剥き装置において、
    前記複数のカッター部材は、それぞれ横方向に偏った位置で前記付勢手段により付勢されることを特徴とする皮剥き装置。
  3. 請求項1に記載の皮剥き装置において、
    前記挿通路の縦方向に多段に配設された前記複数のカッター部材のうち、前記挿通路の前記被切削物の挿通方向に対して上流側から第1段のカッター部材と第2段のカッター部材とが周方向に最もずらした位置に配置されたことを特徴とする皮剥き装置。
  4. 請求項3に記載の皮剥き装置において、
    前記挿通路の縦方向に多段に配設された前記複数のカッター部材のうち、前記上流側から第3段又は第4段のいずれかのカッター部材は、それぞれ横方向に前記第1段及び第2段のカッター部材の間となる位置に配置されたことを特徴とする皮剥き装置。
  5. 請求項1に記載の皮剥き装置において、
    前記挿通路に前記被切削物を押し込む押圧機構を設けたことを特徴とする皮剥き装置。
  6. 請求項1に記載の皮剥き装置において、
    前記カッターユニットは、前記被切削物を挿通するための挿通路とする開口部が形成された開口部材に固定されたことを特徴とする皮剥き装置。
  7. 請求項6に記載の皮剥き装置において、
    前記開口部材に固定され、それぞれ前記挿通路の縦方向中心に向けて折曲がり下端が前記挿通路の上流側に配置されたカッター部材に臨むように下方に延びるとともに、放射状に少なくとも3枚板状のガイドスプリングが前記挿通路の縦方向に多段に配置されたことを特徴とする皮剥き装置。
  8. 請求項5に記載の皮剥き装置において、
    前記押圧機構は、支持台上に設置され、当該支持台に前記挿通路と連通する排出口を形成し、当該排出口から皮が剥かれた前記被切削物を排出することを特徴とする皮剥き装置。
  9. 請求項8に記載の皮剥き装置において、
    前記押圧機構は、前記被切削物を押圧する押し棒を有し、当該押し棒を前記挿通路に案内する案内部材を前記支持台上に設置したことを特徴とする皮剥き装置。
  10. 請求項1に記載の皮剥き装置において、
    前記複数のカッター部材は、断面コ字状に形成されたアーム部を有する一方、前記複数の付勢手段は、断面コ字状に形成され前記アーム部が嵌り込む保持部を有することを特徴とする皮剥き装置。
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