JP5195485B2 - 多段ターボ圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、多段ターボ圧縮機に関する。
高速で飛行を行うためのジェットエンジンにおいては、多段ターボ圧縮機を備えたものが実用されている。多段ターボ圧縮機においては、図5に示すように、前方の吸気口より流入した空気は、複数の(多段の)羽根車101,102,103を順次経ることにより、圧縮されて、後方の図示しない燃焼室に送られる。
ターボ圧縮機は、適切に設計された複数の羽根車(または翼車)を直列に接続することにより、比較的高い効率で高い圧縮性能を発揮することが可能である。しかし、多段になると、一般に、その性能を得られる流量及び圧縮比の範囲は狭くなり、設計回転数(設計点)以外の作動効率はむしろ低下し、風車現象、チョーキング、ストール、サージングなどの効率低下及び不安定現象が発生するリスクも増える傾向にある。
このとき、設計回転数は高い効率と高い圧縮性能を見込みながら安定して連続運転できるように設定された回転数である。
図6は従来の多段ターボ圧縮機における各羽根車と、各羽根車の前後の圧力比との関係を示すグラフである。
すなわち、多段ターボ圧縮機において、各段の羽根車が同一の回転軸に取付けられ同一の回転数で回転されるとすると、図6に示すように、設計回転数より低速で回転される場合には、前段部においては、動翼の断面積(流路の面積;ガスの流線に対して直角な方向の占める面積)がガス流量に対して大き過ぎることになり、流入ガスの絶対速度が遅くなり、動翼に対する迎え角が大きくなるため圧力比は上がるが、動翼に対する迎え角が大きくなり過ぎて、ストールを生じ、圧力比はそれ以上は上がらない。後段部においては、逆に、ガス密度の減少により、断面積が小さ過ぎることになり、絶対速度が増加し、圧力比が下がるため効率の低下を招く。なお、中間段部においては、ほとんど回転数の影響を受けない。
また、この多段ターボ圧縮機において、設計回転数より高速で回転される場合には、前段部においては、動翼の断面積がガス流量に対して小さ過ぎることになり、絶対速度が増加し、圧力比が下がるため効率の低下を招き、後段部においては、ガス密度の増加が大きいため動翼の断面積がガス流量に対して大き過ぎることになり、流入ガスの絶対速度が遅くなり、動翼に対する迎え角が大きくなり過ぎて、圧力比は上がるがストールを生ずる。
このように、多段ターボ圧縮機においては、一般に、設計回転数より低速では、前段の負荷が高くなり、設計回転数より高速においては、後段の負荷が高くなる。これは、前段及び後段のそれぞれ一方が流量を制限し、他方がその影響を受けるためであり、場合によっては、ストールや風車現象を発生し、負荷が増す結果、効率が低下することになる。
このような効率低下を防ぐためには、多段ターボ圧縮機においては、設計回転数から外れた回転数(Off design point)での運転を避ける必要がある。そのため、多段ターボ圧縮機においては、一定以上のガスを流すことができず、また、吸入ガスの温度が変化すると、圧縮効率は低下することになる。
また、バリアブルステータベーン(以下、「VSV」という。)と呼ばれる技術が提案されている。このVSVは、ステータの角度を可変としておき、回転数に応じて、ステータの角度を変えるものである。
さらに、ブリードと呼ばれる技術が提案されている。このブリードは、圧縮機外筒に開閉可能な孔を設けておき、ストールを生じ易い段を通過する空気を、エンジン外筒の孔を解放することによって、外方に逃がすものである。
そして、多段ターボ圧縮機においては、多軸化することも行われている。多軸化は、各段の羽根車を同一の軸に取付けるのではなく、それぞれを個別の軸に取付けておき、各段の羽根車をそれぞれ異なる動力で回転させるものである。
なお、特許文献1には、内燃機関と、遊星歯車伝動装置を介して動力伝達装置内に組み込まれた少くとも1つの容積型圧縮機とを備えた駆動装置が記載されている。この駆動装置においては、前記動力伝達経路が、少くとも伝動比が1:1までの伝動領域において無段階に調節可能な回転モーメント倍加装置を有し、その際圧縮機だけが反作用機構として協働し、圧縮機のケーシングが伝動装置ケーシングに不動に結合させられている。
また、特許文献2には、空気を圧縮する容積形のスクリュ式コンプレッサと、圧縮された空気を冷却するインタークーラと、冷却された空気を断熱膨張させて空調用に供する遠心式タービンと、エンジンの駆動力をコンプレッサに伝達し、コンプレッサとタービンの駆動負荷の違いを緩和する差動式の変速機構とを備えた空調装置が記載されている。
特開平6−042365号公報 特開平8−285400号公報
ところで、多段ターボ圧縮機において、前述したように、設計回転数から外れた回転数での運転ができないことは、エンジン使用環境と低速運転性能が制限されることになり、広範な環境で高出力化が求められる航空機のエンジンとして好ましくない。
また、ブリードを採用することは、効率低下を招き、高効率化、高出力化を求める圧縮機として好ましくない。
そして、VSVを採用すること、または、多軸化を採用することは、構成が複雑化するため、装置構成の大型化、重量増加が招来されることになり、航空機のエンジンとしては好ましくない。
また、特許文献1及び特許文献2に記載の技術は、圧縮機の回転速度を調整しようとするものではあるが、航空機のエンジンに使用される多段ターボ圧縮機に適用することはできない。
そこで、本発明は、前記の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、構成の複雑化、装置構成の大型化、重量増加を招来することなく、安定して作動できる範囲が拡大され、効率が向上された多段ターボ圧縮機を提供することにある。
前述の課題を解決し、前記目的を達成するため、本発明に係る多段ターボ圧縮機は、以下のいずれか一の構成を有するものである。
〔構成1〕
複数段の羽根車が直列に接続された多段ターボ圧縮機であって、回転力の入力は、中間段の羽根車になされ、中間段の羽根車より前段の羽根車及び後段の羽根車には、中間段の羽根車から動力分配を行う差動機構を介して回転力が伝達され、前段の羽根車と後段の羽根車とは、互いに回転数の増減が相反するように結合されていることを特徴とするものである。
〔構成2〕
複数段の羽根車が直列に接続された多段ターボ圧縮機であって、回転力の入力は、動力分配を行う差動機構になされ、前段の羽根車及び後段の羽根車には、差動機構から回転力が伝達され、前段の羽根車と後段の羽根車とは、互いに回転数の増減が相反するように結合されていることを特徴とするものである。
構成1を有する本発明に係る多段ターボ圧縮機においては、前段の羽根車及び後段の羽根車には、回転力が入力される中間段の羽根車から動力分配を行う差動機構を介して回転力が伝達され、これら前段の羽根車と後段の羽根車とは、互いに回転数の増減が相反するように結合されているので、前段の羽根車の回転数が下がれば、後段の羽根車の回転数が上がり、後段の羽根車の回転数が下がれば、前段の羽根車の回転数が上がる。
また、構成2を有する本発明に係る多段ターボ圧縮機においては、前段の羽根車及び後段の羽根車には、差動機構から回転力が伝達され、これら前段の羽根車と後段の羽根車とは、互いに回転数の増減が相反するように結合されているので、前段の羽根車の回転数が下がれば、後段の羽根車の回転数が上がり、後段の羽根車の回転数が下がれば、前段の羽根車の回転数が上がる。
この機構により、この多段ターボ圧縮機においては、ガス流量の制約の緩和とともに、効率の向上が図られ、設計回転数から外れた回転数においても、流量と効率の向上が図られる。
すなわち、本発明は、構成の複雑化、装置構成の大型化、重量増加を招来することなく、安定して作動できる範囲が拡大され、流量と効率が向上された多段ターボ圧縮機を提供することができるものである。
本発明に係る多段ターボ圧縮機の構成を示すブロック図である。 本発明に係る多段ターボ圧縮機の構成を示す斜視図である。 本発明に係る多段ターボ圧縮機において、前段の羽根車の負荷(トルク)が大きくなった状態を示す斜視図である。 本発明に係る多段ターボ圧縮機において、後段の羽根車の負荷(トルク)が大きくなった状態を示す斜視図である。 従来の多段ターボ圧縮機の構成を示すブロック図である。 従来の多段ターボ圧縮機における各羽根車と圧力比との関係を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る多段ターボ圧縮機の構成を示すブロック図である。
〔本発明に係る多段ターボ圧縮機の構成〕
本発明に係る多段ターボ圧縮機は、図1に示すように、複数段の羽根車1,2,3が直列に接続された多段ターボ圧縮機である。この多段ターボ圧縮機において、回転力の入力は、中間段の羽根車2になされる。中間段の羽根車2よりも前段の羽根車1及び後段の羽根車3には、中間段の羽根車2から、動力分配を行う差動機構4を介して、回転力が伝達される。
前段の羽根車1と後段の羽根車3とは、互いに回転数の増減が相反するように結合されている。すなわち、前段の羽根車1の回転数が下がれば、後段の羽根車3の回転数が上がり、後段の羽根車3の回転数が下がれば、前段の羽根車1の回転数が上がる。
このような作用を果たす差動機構4は、例えば、図1に示すように、中間段の羽根車2に回転軸により取付けられた能動ギヤ4aと、この能動ギヤ4aに噛合し前段の羽根車1に連結された第1の従動ギヤ4bと、能動ギヤ4aに噛合し後段の羽根車3に連結された第2の従動ギヤ4cとから構成されたデファレンシャルギヤ(differential gear)装置とすることができる。
この差動機構4において、能動ギヤ4aの回転軸は、中間段の羽根車2の回転軸に直交している。中間段の羽根車2が回転すると、能動ギヤ4aは、回転軸に対しては回転しない状態で、中間段の羽根車2とともに回転する。このとき、前段の羽根車1及び後段の羽根車3に対する負荷(トルク)の釣り合いが取れている場合に、第1及び第2の従動ベベルギヤ4b,4cは、能動ギヤ4aに対して相対的に回転することなく、中間段の羽根車2とともに回転する。このとき、前段の羽根車1及び後段の羽根車3は、中間段の羽根車2と等しい速度で回転する。
図2は、本発明に係る多段ターボ圧縮機の構成を示す斜視図である。
すなわち、前段の羽根車1及び後段の羽根車3に対する負荷(トルク)の釣り合いが取れている場合には、図2に示すように、中間段の羽根車2の回転数がNであるときには、前段の羽根車1の回転数及び後段の羽根車3の回転数は、ともにNである。
そして、前段の羽根車1及び後段の羽根車3に対する負荷(トルク)が異なる状態となると、能動ベベルギヤ4aが回転軸に対して回転し、また、第1及び第2の従動ベベルギヤ4b,4cが能動ベベルギヤ4aに対して相対的に回転し、前段の羽根車1及び後段の羽根車3のうちの負荷(トルク)が大きいほうの回転速度が低下し、他方の回転速度が上昇する。
図3は、本発明に係る多段ターボ圧縮機において、前段の羽根車の負荷(トルク)が大きくなった状態を示す斜視図である。
前段の羽根車1に対する負荷(トルク)が大きくなると、図1及び図3に示すように、能動ベベルギヤ4aが回転軸に対して回転し、また、第1及び第2の従動笠ギヤ4b,4cが能動ベベルギヤ4aに対して相対的に回転し、前段の羽根車1の回転速度が低下してN−ΔNとなり、後段の羽根車3の回転速度が上昇してN+ΔNとなる。このように、前段の羽根車1と後段の羽根車3とは、回転数の増減が相反する状態となる。
図4は、本発明に係る多段ターボ圧縮機において、後段の羽根車の負荷(トルク)が大きくなった状態を示す斜視図である。
逆に、後段の羽根車3に対する負荷(トルク)が大きくなると、図4に示すように、能動ベベルギヤ4aが回転軸に対して回転し、また、第1及び第2の従動ベベルギヤ4b,4cが能動ベベルギヤ4aに対して相対的に回転し、後段の羽根車3の回転速度が低下してN−ΔNとなり、前段の羽根車1の回転速度が上昇してN+ΔNとなる。この場合にも、前段の羽根車1と後段の羽根車3とは、回転数の増減が相反する状態となる。
このように、この多段ターボ圧縮機においては、前段の羽根車1と後段の羽根車3とを、中間段の羽根車2から分離し、差動機構4により結合している。差動機構4における前後段の羽根車1,3のトルク分配は、差動機構4におけるギア比の設定により決めることができる。また、オーバースピード防止のための差動速度制限装置(リミテッド・スリップ・デフ(limited slip differential gear))を設けてもよい。さらに、電気的、電子的な制御を行うこともできる。
また、この多段ターボ圧縮機は、中間段の羽根車2を設けずに、前後段の羽根車1,3と、差動機構4とによって構成してもよい。この場合には、回転力の入力は、差動機構4の能動ベベルギヤ4aになされ、前段の羽根車1及び後段の羽根車3には、この差動機構4の第1及び第2の従動ベベルギヤ4b,4cから回転力が伝達され、これら前段の羽根車1と後段の羽根車3とは、互いに回転数の増減が相反するように結合される。
〔本発明に係る多段ターボ圧縮機の動作〕
前述したように、多段ターボ圧縮機においては、一般に、設計回転数より低速では前段の羽根車の負荷が高くなり、高速においては後段の羽根車の負荷が高くなる。これは、前段の羽根車と後段の羽根車のそれぞれ一方が流量を制限し、他方がその影響を受けるためであり、場合によっては、ストールや風車現象を発生させ、負荷が増加し、流量と効率が低下する。ストールは圧縮機全般の問題であるが、とくに航空エンジンでは、圧縮性能が高く、また、運転環境(特に、入口ガス温度)が大きく変わるため、ストールが発生しやすい。にもかかわらず構造余裕がないため、航空エンジンにおいては、ストールが運転の差障りになることが多い。
本発明に係る多段ターボ圧縮機においては、前段の羽根車1と後段の羽根車3とを差動機構4により回転数の増減が相反するように結合し、高負荷側の駆動動力を他方に分配することにより、バランスをとりながら、不安定現象の発生を回避しつつ、流量の制限を緩和することができる。
この多段ターボ圧縮機においては、多段ターボ圧縮機の設計回転数よりも低速時には、負荷の低い後段の羽根車3が駆動軸(中間段の羽根車2)より速く回転するため、風車現象が抑制され、流量及び効率の低下を防ぐ。設計回転数よりも高速時には、後段の羽根車3の負荷が高くなるので、前段の羽根車1が駆動軸(中間段の羽根車2)より速く回転するので、多段ターボ圧縮機全体における流量が増加し、後段の羽根車3におけるストール突入を緩和する。
高マッハで飛行するジェットエンジンにおいては、空気の入口の温度が上昇することにより、物理的回転数は同じでも、設計回転数より低速のときと同様の現象が発生する。このような場合でも、本発明に係る多段ターボ圧縮機においては、VSVにて入口を絞って空気流量を減らしたり、大量のブリードによって効率や性能を下げることなく、自律的に状態が調整され、最高の性能を発揮することができる。このように、この多段ターボ圧縮機においては、入口温度の変化などにより設計回転数から外れた状態となっても、作動の安定と高効率化を図ることができる。
すなわち、本発明においては、従来の高圧のガス用ターボ圧縮機に比較して、より効率良く安定した運転領域(吸気ガス温度、回転数、圧力、流量)を拡大させ、ストールによる加速の停滞を抑止し、駆動動力が無駄なく圧力の向上に使われることから、性能を向上させることができる。
本発明に係る多段ターボ圧縮機においては、中間段の羽根車2の回転数Nが、設計修正回転数未満であるとき、あるいは、入口ガス温度が高温の場合には、前段の羽根車1のストールを抑制でき、後段の羽根車3における風車現象発生を抑え、効率低下を抑制することができる。また、後段の羽根車3の回転数の増加よる出口圧力の上昇が促進され、加速性を向上させることができる。また、後段の羽根車3のストール余裕を減らして設計すれば、圧縮性能を向上させることができる
これに対し、従来の航空エンジンにおいては、前段側VSV(バリアブルステータベーン)は、運転を安定させるが、損失も生ずるという問題がある。また、後段側VSVは、高圧の圧縮機であるほど、構造上リークを防ぐのが難しく、リークは圧縮性能及び効率低下の原因となる。さらに、ブリードは途中までの圧縮に使ったエネルギを捨てることになり、大きな効率低下を生ずる。また、多軸化した場合は、軸ごとの駆動源(例えば、駆動)が多く必要になり、重量増加、複雑化、各駆動源を連携させる制御が必要である。
中間段の羽根車2の回転数Nが、設計修正回転数以上であるとき、あるいは、入口ガス温度が低温の場合には、前段の羽根車1の増速による圧縮機の空気流量増加(エンジンの場合は推進力増加)が得られる。また、後段の羽根車3のストールを抑制することができる。高速運転におけるストールの抑制は、構造的に安全性を増すものである。さらに、後段の羽根車3の回転数の抑制により、出口圧力の上昇が緩和されることも構造安全性を増す方向である。
多段圧縮機では、運転状態に関わらずVSVのデメリットは変わらない。また、高速でブリードにより後段出口圧力を下げても、流量が増えない(高速で回る場合、ブリードでは性能向上しない)。また、多軸化した場合は、航空エンジンにおいて駆動を複数備える多軸化は、各軸を順に加速する制御シークエンスをとることから、一般に加速性が劣化する。
このように、本発明においては、ストールを抑制して安定な作動(回転数)範囲を広くすることができ、構造的に危険となることも抑制することができる。また、機構及び構造的に、ブリードやリークによるエネルギー損失がない。さらに、低速、または、高吸気ガス温度でも、風車現象が抑制され、エネルギー損失が少ない。自律的に前・中・後段の動力配分が行われるので、また、圧縮エネルギーを捨てることがないので、加速性を向上させ、圧力の上昇を早くすることができる。そして、従来のガス用多段ターボ圧縮機に比較して、構成が複雑化することがなく、複雑な制御及び機構が不要であり、重量増加を防ぐことができる。また、当初から前後段の回転数を変えて設計することができるので、さらに性能向上を図ることができる。
なお、設計回転数における前段の羽根車1と後段の羽根車3とのトルク比率は、差動機構4におけるギア比により機械的に決まるが、このギア比を変更しても、性能及び安定性,加速性は、従来の多段ターボ圧縮機に比較すれば、改善される。低速から設計回転数までは、後段の羽根車3の回転数が先行して高くなるからである。
また、エンジンの性能向上のためには、設計回転数における後段の羽根車3の回転数を意図的に高く設定してもよい。この場合には、圧縮により流体の温度が上昇する後段の羽根車3の回転数を上げて、従来の多段ターボ圧縮機よりも圧縮性能を高くすることができ、多段ターボ圧縮機の前面面積を増加することなく、性能向上を図ることができる。
本発明に係る多段ターボ圧縮機において、差動機構4は、前述のようなデファレンシャルギア装置に限定されず、一方の負荷変化を他方が補うメカニズムであれば、いかなるものであってもよい。例えば、前後段の羽根車1,3を、電動機構、油圧機構、空圧機構、モーターなどにより結合させた機構も使用できる。この場合において、各機構および前後段の羽根車1,3は、同軸に設置されている必要はない。
本発明は、多段ターボ圧縮機に利用される。
1 前段の羽根車
2 中段の羽根車
3 後段の羽根車
4 差動機構

Claims (2)

  1. 複数段の羽根車が直列に接続された多段ターボ圧縮機であって、
    回転力の入力は、中間段の羽根車になされ、
    前記中間段の羽根車より前段の羽根車及び後段の羽根車には、前記中間段の羽根車から、動力分配を行う差動機構を介して回転力が伝達され、
    前記前段の羽根車と前記後段の羽根車とは、互いに回転数の増減が相反するように結合されている
    ことを特徴とする多段ターボ圧縮機。
  2. 複数段の羽根車が直列に接続された多段ターボ圧縮機であって、
    回転力の入力は、動力分配を行う差動機構になされ、
    前段の羽根車及び後段の羽根車には、前記差動機構から回転力が伝達され、
    前記前段の羽根車と前記後段の羽根車とは、互いに回転数の増減が相反するように結合されている
    ことを特徴とする多段ターボ圧縮機。
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