上述したように、パチンコ機等の遊技機には、例えば遊技の統括的な制御を行う主制御装置や、表示演出を行うための表示装置を制御する表示制御装置など各種制御装置が配設されている。
従来より、これらの制御装置においては、中央処理装置(CPU)等の電子部品が発熱を伴うため、例えば制御基板を収納する樹脂ケース(基板ボックス)に放熱孔を設けるなど電子部品から生じる熱を効率良く逃がすための種々の放熱対策がとられている。
近年では、演出機能の多様化などにより、制御基板には、処理速度の速いCPU等、より高性能な電子部品が搭載されるようになってきている。例えば、表示装置として液晶表示装置などが採用されており、この液晶表示装置を制御する表示制御基板には、処理速度の速いCPUや画像処理装置(VDP)などが搭載され、より多彩な表示演出が可能となっている。
一般に、CPU等の処理速度、つまり動作クロック周波数が上がると、それに伴って消費電力が大きくなり、発生する熱量も増加する。このように樹脂ケース内に多量の熱が発生するようになると、上述した放熱孔だけでは十分に熱を逃しきれず、電子部品の発する熱により制御装置が誤作動を起してしまうおそれがある。従って、高性能な電子部品を搭載した近年の制御装置では、ファン等を取付けるなど、より効率の高い放熱対策が求められる(例えば特許文献1参照)。
ところが、従来では、制御装置内への塵や埃等の異物の侵入を抑制するため、上記ファン等は、制御装置内の熱を外部に排出する向きに取付けられている。従って、このような構成の制御装置内では、温められた空気が樹脂ケース内全体からファンへ集まるように流れるため、仮にCPU等の高熱を発する電子部品の近傍にファン等を設置したとしても、当該電子部品を効率良く冷却しづらい。
なお、上記課題は、パチンコ機に限らず、スロットマシン等の他の遊技機にも該当する問題である。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、塵や埃等の異物の侵入を抑制しつつ、電子部品を効率良く冷却できる遊技機を提供することにある。
以下、上記課題等を解決するのに適した各手段を項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
手段1.所定の契機に基づき抽選を行い、当該抽選により当選結果が得られた場合には遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる遊技機であって、
各種電子部品が実装された制御基板と、当該制御基板を収容した基板ボックスとを備えるとともに、
前記基板ボックスの内側に向け送風する送風手段と、
前記基板ボックスの外側において、前記送風手段に対向して配置されたカバー部材とを備えたことを特徴とする遊技機。
上記手段1によれば、基板ボックスの内側へ向け送風する送風手段を備えることにより、例えばCPU等の高熱を発する電子部品など所定の電子部品に対し、基板ボックス内の空気よりも冷たい外気を集中的に送風し、当該電子部品を効率良く冷却することができるようになる。さらに、基板ボックスの外側、すなわち送風手段の吸気側において当該送風手段に対向して配置されたカバー部材を備えることにより、制御装置内への塵や埃等の異物の侵入を抑制することができる。結果として、塵や埃等の異物の侵入抑制と、電子部品の冷却効率の向上との両立を図ることができる。例えば、上記カバー部材としては、「少なくとも送風手段を覆う通気可能なカバー部材」などが挙げられる。
手段2.前記送風手段は、前記制御基板の実装面に相対向して配置されていることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
上記手段2によれば、制御基板に実装された電子部品に対し効率よく外気を当てることができる。
手段3.前記送風手段は、前記制御基板に実装された電子部品のうち特定の電子部品に相対向して配置され、当該特定の電子部品に向けて送風することを特徴とする手段1に記載の遊技機。
上記手段3によれば、特定の電子部品を集中的に冷却することができるので、効率よく特定の電子部品を適正温度に保つことができる。
手段4.前記基板ボックスには、少なくとも前記送風手段が配置された高さ位置よりも上方位置において排気口が設けられていることを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
上記手段4によれば、例えば基板ボックスの上壁部など、送風手段が配置された高さ位置よりも上方位置に排気口を設けることにより、基板ボックス内で温められた空気を効率よく外部に排気することができる。
手段5.前記基板ボックスは、前記制御基板の実装面に相対向して配置される表壁部と、前記表壁部の周囲に形成される側壁部とを備えるとともに、前記側壁部から前記表壁部にかけて開口した排気口を備えていることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段5によれば、より大きな排気口を確保しやすくなり、放熱性能のさらなる向上を図ることができる。
なお、遊技機には、限られた設置スペースの中で多くの制御装置(基板ボックス)が設置されていることから、上記送風手段を備えた基板ボックスの側壁部に隣接して他の基板ボックスが配置されることが考えられる。この場合には、両者の設置間隔が狭すぎると、十分な通気スペースが確保できず、側壁部に開口した排気口からは効率よく排気を行うことができないことも懸念される。この点、上記手段5によれば、基板ボックスの表壁部側からも排気できるため、放熱性能の低下を抑制することができる。
手段6.前記基板ボックスは、前記制御基板の実装面に相対向して配置される表壁部と、前記表壁部の周囲に形成される側壁部とを備えるとともに、前記表壁部及び前記側壁部の連接部の所定箇所においては前記制御基板に対し傾斜した傾斜壁部を備え、
前記傾斜壁部において排気口を備えていることを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段6によれば、上記手段5と同様の作用効果が奏される。さらに、上記送風手段を備えた基板ボックスにおいて、他の基板ボックスと隣接した箇所に上記傾斜壁部及びそこに開口した排気口を設けることにより、他の基板ボックスと隣接した箇所の側壁部から排気口を省略することも可能となる。このようにすれば、隣接する他の基板ボックスに対し熱風が吹きつけられることもなくなるため、隣接する他の基板ボックス(制御基板)に与える影響を低減することができる。ひいては、隣接した両基板ボックス間に通気スペースを確保する必要もなくなるため、両基板ボックスを密着させることも可能となり、限られた設置スペースの有効利用を図ることができる。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
A.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
B.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
C.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。
D.上記各手段における遊技機は、スロットマシン等の回胴式遊技機であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成した回胴式遊技機」が挙げられる。
E.上記各手段における遊技機は、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機(特に遊技球を遊技媒体として使用するスロットマシン仕様の遊技機)であること。より詳しい態様例としては、「複数の識別情報(図柄)からなる識別情報列(図柄列;具体的には図柄の付されたリール、ベルト等の回転体)を変動表示(具体的にはリール等の回転)した後に識別情報列を停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット等の回転体ユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して識別情報(図柄)の変動が停止され、その停止時に有効ライン上に揃った識別情報が特定の識別情報であることを条件に遊技価値が付与されるよう構成し、さらに球受皿(上皿等)を設けてその球受皿から遊技球を取り込む取込手段と、前記球受皿に遊技球の払出しを行う払出手段とを備え、前記取込手段により遊技球が取り込まれることにより遊技の開始条件が成立するように構成した遊技機」が挙げられる。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここで、図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は斜視図である。また、図3は、内枠12及び前面枠セット14を開放した状態を示す斜視図である。但し、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137などを省略して示している。
図1乃至図3に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。外枠11は、例えば木製の板材により全体として矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。
外枠11の左辺部には、上ヒンジ81及び下ヒンジ82が設けられている。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能に支持される。また、便宜上、図示は省略するが、外枠11の右辺部には、後述する施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受け金具が取付けられている。さらに、外枠11下部には、樹脂製の幕板飾り85が取着されている。
内枠12の開閉軸線は、上述したようにパチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす青色の樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には、前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
前面枠セット14の前面側には、その下部中央において球受皿としての下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球を排出するための球抜きレバー25が設けられている。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球発射ハンドル(以下、単にハンドルという)18が設けられ、下皿15の左方には、灰皿26が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段が設けられている。
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射装置(以下、単に発射装置という)70の方へ案内する球受皿である。なお、上皿19から溢れる遊技球は下皿15へ案内されるようになっている。
上皿19には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技場等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられ、該環状電飾部102の中央であってパチンコ機10の最上部には、同じくLED等の発光手段を内蔵した中央電飾部103が設けられている。本パチンコ機10では、中央電飾部103が大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。さらに、中央電飾部103の左右側方には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。また、各エラー表示ランプ104に隣接してスピーカSP(図7参照)が設けられるとともに、当該スピーカSPの前側にスピーカカバー24が取着されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対を為して別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12(樹脂ベース38)について図4,図5を参照して説明する。図4は、内枠及び遊技盤の構成を示す正面図であり、図5は、内枠及び遊技盤の構成を示す背面図である。
上述した通り、内枠12(樹脂ベース38)には、窓孔39の後側に遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が内枠12(樹脂ベース38)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の下部、すなわち窓孔39(遊技盤30)の下方位置には、後側へ膨出した膨出部40が形成されている。この膨出部40の前面右側には、発射装置70が取付けられている。本実施形態では、発射装置70としてソレノイド式発射装置を採用している。また、膨出部40には、後述する払出機構部352から上記下皿15の排出口16へ繋がる球通路71が設けられている。また、発射装置70の発射レール70aと後述するレール50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、この隙間より下方にファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置70から発射された遊技球が後述する戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72及び球通路71を介して下皿15に排出される。また、球通路71の下側にはハーネスカバー74が設けられている。これにより中継基板75と発射装置70とを接続するハーネス(図示略)をまとめている。
また、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14及び裏パックユニット203を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14及び裏パックユニット203は内枠12に対し施錠される。
次に、遊技盤30の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応口(作動口)33、第2契機対応口34、可変表示装置ユニット35等がルータ加工によって形成された貫通穴に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り前記一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応口33に遊技球が入球(入賞)すると、それぞれに対応して設けられた検出スイッチの出力により、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞部(一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応口33)に入賞しなかった遊技球は、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
また、第1契機対応口33へ遊技球が入球したことを契機として大当たり抽選が行われ、当該大当たり抽選により当選結果が得られた場合には特別遊技状態としての大当たり状態が発生する。
可変表示装置ユニット35には、第2契機対応口34の通過をトリガとして変動表示する普通図柄表示装置41と、第1契機対応口33への入賞をトリガとして変動表示する特別表示装置43と、特別表示装置43による変動表示に合わせて変動表示する可変表示装置としての装飾図柄表示装置42とが設けられている。
普通図柄表示装置41は複数の発光手段(LED)を内蔵しており、遊技球が第2契機対応口34を通過する毎に点灯表示態様が切換表示(変動表示)され、その変動表示が特定の点灯態様で数秒間停止した場合に第1契機対応口33が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。また、普通図柄表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球が第2契機対応口34を通過した場合には、その分の普通図柄の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
特別表示装置43は、普通図柄表示装置41の側方に設けられた複数の発光部により構成され、遊技球が第1契機対応口33を通過する毎に点灯する発光部の組合せが切換えられる(変動表示される)。そして、変動表示が停止したときに点灯している発光部の組合わせにより、大当たりか否かが確定的に表示される。この特別表示装置43についても、主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。また、特別表示装置43の変動表示中に新たに遊技球が第1契機対応口33に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。また、大当たり状態中に新たに遊技球が第1契機対応口33に入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
装飾図柄表示装置42は、液晶表示装置であって、後述するサブ制御装置262によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、特別表示装置43にて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、後述する表示制御装置45によって表示が行われる。装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成されており、これら図柄が図柄列毎にスクロールされるようにして装飾図柄表示装置42に変動表示され、その後、上図柄列→下図柄列→中図柄列の順に停止表示される。また、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。
可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たり(特別遊技状態の発生)の際に、遊技球が入賞しやすい開状態とされる。具体的には、所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数(所定ラウンド数)繰り返し開放される。
また、遊技盤30には、発射装置70から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球はレール50を通じて、遊技盤面上に形成された遊技領域内に案内される。レール50は内レール構成部51と外レール構成部52とからなる。
内レール構成部51の先端部分には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、内外レール構成部51,52の並行部分を除く。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5,図6を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合において、主基板とサブ制御基板とを一方の取付台に搭載してユニット化すると共に、払出制御基板、発射制御基板及び電源基板を他方の取付台に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。また、払出機構及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。なお、第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で着脱できるよう構成されており、さらに、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。上述したように遊技盤30の中央にはルータ加工によって形成された貫通穴に対して可変表示装置ユニット35が配設されている。この可変表示装置ユニット35に対し、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板などが配設されている。
また、フレームカバー213の後端に、液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42と表示制御装置45とが前後に重ね合わされ一体化(ユニット化)された状態で取付けられている。さらに、表示制御装置45の背面側には音声ランプ制御装置560が取付けられている。
ここで、まず装飾図柄表示装置42及び表示制御装置45の構造についてより詳しく説明する。
図8に示すように、ユニット化された装飾図柄表示装置42及び表示制御装置45では、樹脂材料等よりなる略長方形状のベースプレート645の前側に装飾図柄表示装置42が配設され、ベースプレート645の後側に表示制御装置45が配設されている。
ベースプレート645の前面側には、装飾図柄表示装置42の本体部となる液晶表示器(液晶パネル)647が配設されている。液晶表示器647は、表示器として液晶を用いたディスプレイであり、略長方形状をなす薄板状に形成されている。
さらに、液晶表示器647の前面には、当該液晶表示器647を保護するための透明な保護パネル648が配設されている。
また、ベースプレート645の前面側には、液晶表示器647及び保護パネル648を重ね合わせた状態で係り止める窓枠フレーム649が配設される。窓枠フレーム649は後述するユニットカバー654に係止される。
一方、表示制御装置45は、各種電子部品が実装された表示制御基板650を具備しており、この表示制御基板650がベースプレート645の背面側に取付けられている。そして、ベースプレート645の背面側には、透明樹脂材料等よりなるユニットカバー654が表示制御基板650を覆うように取付けられている。従って、ベースプレート645及びユニットカバー654により表示制御基板650を収容する基板ボックスが構成される。つまり、表示制御基板650が本実施形態における制御基板に相当する。
ユニットカバー654は、表示制御基板650の実装面と相対向して略平坦に形成された略長方形状の背壁部655と、当該背壁部655の周縁部に沿って形成された上下左右の側壁部656とから形成されており、ベースプレート645側が開口面となった略箱形状に形成されたものである。背壁部655が本実施形態における基板ボックスの表壁部に相当する。
ユニットカバー654の背壁部655には、表示制御基板650に設けられたコネクタ658,659を外部に露出させるためのコネクタ窓660が形成されている。このコネクタ窓660を介して表示制御装置45の外側から表示制御基板650のコネクタ658,659へのハーネス等の抜き差しが可能となる。
ユニットカバー654の上下左右の側壁部656には、それぞれ通気用の小孔群662が開口形成されている。本実施形態では、これらの小孔群662が排気口として機能する。なお、図10等からも分かるとおり、小孔群662を構成する小孔には、小さな円形小孔662aと、より大きな長孔662bの2種類がある。これは故障等の発生防止や不正防止の観点からであり、異物等が接触してほしくない電子部品が側壁部656の近傍に配置されている場合には当該箇所に対応して円形小孔662aが設けられる。また、後述するCPU521やVDP526など、より重要な電子部品が側壁部656の近傍に配置されている場合などには、小孔群662が形成されないようにしてもよい。
さらに、背壁部655には、後述する冷却ファン675に対応して、後方へ突出したファンダクト部663が形成されている。ファンダクト部663の頂部には通気孔664が形成されている。本実施形態では、通気孔664が冷却用の外気を導入するための吸気口として機能する。
また、表示制御基板650は、各種電子部品が実装された実装面650aとユニットカバー654の背壁部655との間、及び、基板裏面650bとベースプレート645との間にそれぞれ所定の隙間が確保されるように取付けられている(図12参照)。
表示制御基板650には、後述するようなCPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、ビデオRAM524、キャラクタROM525、VDP526などの各種電子部品が実装されている。また、表示制御基板650は、コネクタ657を介して図示しない配線により液晶表示器647(装飾図柄表示装置42)と電気的に接続されている。従って、コネクタ657により後述する出力ポート529が構成される。また、上記コネクタ658,659により後述する入力ポート527が構成される。
さらに、本実施形態では、表示制御基板650上において、発熱量の多い集積回路であるCPU521及びVDP526により発せられる熱を放熱するためのヒートシンク(放熱板)670が載置されている。
本実施形態におけるヒートシンク670は、熱伝導率のよいアルミニウム合金等により略平板状に形成されている。このうち、CPU521及びVDP526に対応する領域が曲げ加工により段差状の当接部671となっており、当該当接部671の裏面がCPU521及びVDP526に面接触している。従って、CPU521及びVDP526により発せられた熱は、ヒートシンク670側に伝導され、ヒートシンク670から放熱される。その結果、CPU521及びVDP526が冷却される。本実施形態におけるヒートシンク670では、多数の放熱フィン等が省略されているため、表示制御装置45部分を比較的薄型に形成することができる。
なお、CPU521及びVDP526の上面には、非導電性で伝熱性能のよいシリコンゴム板673が貼付けられている(図12参照)。つまり、CPU521及びVDP526と、ヒートシンク670の当接部671は、シリコンゴム板673を介して当接している。このシリコンゴム板673は、熱伝導率の高い成分を含むと共に弾性を有する薄いゴム板である。これにより、CPU521及びVDP526と、ヒートシンク670の当接部671は隙間なく密着される。もちろん、これに限らず、シリコングリスや伝熱性テープ等の非導電性の伝熱性緩衝体を介して当接することとしてもよい。
さらに、ヒートシンク670には、当接部671の後方位置において、当該当接部671を介してCPU521と相対向するように送風手段としての冷却ファン675が取付けられている。この冷却ファン675は、ユニットカバー654の組付け時において上述したファンダクト部663内に差込まれた状態となる。従って、CPU521が本実施形態における特定の電子部品に相当する。
冷却ファン675は、薄型の軸流式のものであって、ハウジング680内に、複数の羽根からなるファン681と、当該ファン681を駆動するモータ682とが収容されている。冷却ファン675には、表示制御基板650を介して駆動電力が供給される。
上記のように構成された装飾図柄表示装置42及び表示制御装置45は、上記窓枠フレーム649と上記ユニットカバー654とを組付けることにより一体化(ユニット化)される。より詳しくは、窓枠フレーム649には複数の係止爪649aが形成され、これに対応してユニットカバー654には前記係止爪649aが係止される係止孔683が形成されている。そして、窓枠フレーム649及びユニットカバー654が係止されることで略箱状のハウジングが構成され、この中に装飾図柄表示装置42及び表示制御装置45が収容されて一体化された状態となる。
さらに、背面右上及び左下の2箇所の係止孔683にはそれぞれ封止部材686が嵌め込まれている。封止部材686は一旦嵌め込まれると取外し不能となるとともに、係止爪649aの弾性変形を規制する。これにより窓枠フレーム649及びユニットカバー654が開封不能に連結された状態となる。但し、封止部材686を切断する等して取外すことにより、窓枠フレーム649及びユニットカバー654は開封可能となる。従って、封止部材686による封止処理は、その封止後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とする。
さて、本実施形態では、図9,10に示すように、ユニットカバー654の背壁部655には音声ランプ制御装置560が載置されている。図9は、ユニットカバー654に音声ランプ制御装置560が載置された状態を示す上記ユニット(装飾図柄表示装置42及び表示制御装置45)の背面図であり、図10はその斜視図である。また、図11は、ユニットカバー654から音声ランプ制御装置560が取外された状態を示す上記ユニットの分解斜視図である。
音声ランプ制御装置560は、音声ランプ制御基板561が、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス562に収容されて構成されている。基板ボックス562は、ボックスベース563と該ボックスベース563を覆うボックスカバー564とからなる(図12参照)。
ボックスベース563の裏面には、図示しない係合爪部が形成されており、当該係合爪部が上記ユニットカバー654の背壁部655に形成された係合孔部684に係合されることにより音声ランプ制御装置560(基板ボックス562)が固定される。また、ユニットカバー654の背壁部655には、音声ランプ制御装置560を位置決めするための位置決め凸部685が形成されている。
また、図9のK−K線部分断面図である図12に示すように、ボックスベース563には、ユニットカバー654のファンダクト部663に対応して四角形状の挿通孔687が形成され、ボックスカバー564には前記挿通孔687に繋がる筒部688が形成されている。さらに、筒部688に対応して、音声ランプ制御基板561には四角形状の挿通孔689が形成されている。これにより、基板ボックス562には、一方が、ボックスベース563の裏面に開口し、他方が、ボックスベース563と相対向するボックスカバー564の背壁部564aに開口する通気手段としての通気用筒部が形成されることとなり、冷却ファン675と外部との通気性が確保される。
上記構成により、冷却ファン675を駆動すると、筒部688及びファンダクト部663を介して吸い込まれた外気がユニットカバー654(表示制御装置45)内へ導入され、ヒートシンク670に吹き付けられる。そして、当該外気は、ヒートシンク670との間で熱交換がなされた後、ユニットカバー654内を通り、上下左右の側壁部656の小孔群662より外部に排出される。これにより、CPU521及びVDP526が冷却される。
次に、装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及び音声ランプ制御装置560をユニット化したもの(以下、表示装置組付体という)をフレームカバー213に取付け、上記可変表示装置ユニット35に一体化する手順について説明する。取付順序としては、まず表示装置組付体をフレームカバー213に対して傾斜させ、ユニットカバー654の下部の側壁部656に形成された位置決め部材690を、フレームカバー213に形成された下側受部691(図5参照)に挿入しつつ、表示装置組付体を徐々に垂直状態にしていき、フレームカバー213に嵌め込んでいく。そして、表示装置組付体が完全に嵌め込まれた状態で、ユニットカバー654の上部の側壁部656に形成されたスライドバー692を操作して外方向へスライドさせる。そして、スライドバー692の先が、フレームカバー213に形成されたバー受部693(図5参照)に差込まれ係合される。このようにして、表示装置組付体はフレームカバー213に固定された状態となる。
また、遊技盤30の裏面には、可変表示装置ユニット35を取り囲むようにして裏枠セット215が取付けられている。この裏枠セット215は、遊技盤30の裏面に張り付くようにして設けられる薄型の樹脂成形品であって、各種入賞口に入賞した遊技球を回収するための球回収機構216を備えている。また、第2制御基板ユニット202には、球回収機構216の下方位置において排出通路部217が形成されており、該排出通路部217には排出球をパチンコ機10外部へ排出する排出シュート218が形成されている(図6参照)。従って、一般入賞口31等に入賞した遊技球は何れも裏枠セット215の球回収機構216を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュート218を介してパチンコ機10外部に排出される。なお、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球も排出シュート218を介してパチンコ機10外部に排出される。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出する入賞感知機構(検出スイッチ)などが設けられている。入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主基板(主制御装置261)に取り込まれ、該主基板よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板に送信される。そして、該払出制御基板の出力により所定数の遊技球の払出が実施される。本実施形態のパチンコ機10では、各種入賞口毎に遊技球の入賞を電気的に感知して払出が直ちに行われる。
第1制御基板ユニット201は、主制御装置261と、サブ制御装置262とを具備している。主制御装置261は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含む主基板を具備しており、この主基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印ユニットによって連結されており、基板ボックス263が開封された場合には、封印ユニットにおいて所定の痕跡が残るよう構成されている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
また、サブ制御装置262は、主制御装置261(主基板)からの指示に従い各種演出制御を司るCPUや、各種プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等を含むサブ制御基板を具備しており、このサブ制御基板についても当該サブ制御基板に対応する基板ボックスに収容されて構成されている。
第2制御基板ユニット202は、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314を具備している。払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313は周知の通り制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、払出制御装置311の払出制御基板により、賞品球や貸出球の払出が制御される。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者によるハンドル18の操作に従い発射装置等の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。
上記払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313についても、それぞれに対応する基板ボックス315、316、317に収容されて構成されている。但し、発射制御装置312(基板ボックス316)は、電源装置313(基板ボックス317)の裏側に配置されている。また、払出制御装置311が収容される基板ボックス315には、前述した主制御装置261と同様に封印ユニットが設けられ、基板ボックス315の開封した痕跡が残るようになっている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
また、電源装置313にはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技場の営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部354を有する。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示装置ユニット35を囲むのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、前述のサブ制御装置262及び主制御装置261の一部も合わせて囲む構成となっている。保護カバー部354により、後述する上部のタンク355等から落下してくる遊技球等から可変表示装置ユニット35が保護される。
保護カバー部354の背面には、表示制御装置45に対応して、略矩形状の通気孔354aが開口形成されており、当該通気孔354aには防塵フィルタ354bが着脱可能に取付けられている。従って、保護カバー部354が本実施形態におけるカバー部材に相当する。また、保護カバー部354の上部には、その上方に配設された後述のタンクレール356を避けるように、上面から背面にかけて開口した通気孔354cが多数設けられている。
また、払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は上記上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図7は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10の主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するメモリやエリアの他に、バックアップエリア503aが設けられている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、NMI端子(ノンマスカブル端子)への停止信号の入力により起動されるNMI割込み処理(このNMI割込みにより、電源断時の主制御装置261の状態がRAM503のバックアップエリア503aに記憶される)によって停電の発生等による電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)の復電処理において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、特別表示装置43、普通図柄表示装置41、その他図示しないスイッチ等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43および普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
サブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されている。さらに、入出力ポート554には、表示制御装置45及び音声ランプ制御装置560が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する特別表示装置43にて大当たりか否かを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43の表示に合わせた表示が行われる。
また、払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するメモリやエリアの他に、バックアップエリア513aが設けられている。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、NMI割込み処理によって電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
発射制御装置312は、発射装置70による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置70は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射装置70が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行なう。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
また、音声ランプ制御装置560は、サブ制御装置262からの指示に従い、スピーカSP、各種電飾部及びランプ102〜104等の制御を実行するものである。音声ランプ制御装置560は、他の制御装置と同様に、音声やランプ表示の制御を司るCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む上記音声ランプ制御基板561を具備しており、音声ランプ制御基板561が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス562に収容されている。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
以上詳述したように、本実施形態では、表示制御装置45の内側へ向け送風する冷却ファン675を備えることにより、CPU521等に対し、表示制御装置45内の空気よりも冷たい外気を集中的に送風し、CPU521等を効率良く冷却することができる。さらに、防塵フィルタ354bを具備した保護カバー部354を備えることにより、表示制御装置45内への塵や埃等の異物の侵入を抑制することができる。結果として、塵や埃等の異物の侵入抑制と、CPU521等の冷却効率の向上との両立を図ることができる。
なお、表示制御装置45内の熱を外部に逃がすには、表示制御装置45の上部から放熱することが最も放熱効率が良い。従って、表示制御装置45内の熱を外部に向け排出するようにファンを取付ける従来構成において、表示制御装置45の上部から放熱しようとした場合には、前記ファンを表示制御装置45の上側に配置することとなる。しかしながら、このような構成ではファンに埃などが溜まりやすく故障の原因となるおそれがある。この点、本実施形態のように、表示制御装置45の背面側に冷却ファン675を備え、表示制御装置45の内側へ向け送風する構成とすれば、表示制御装置45の上部(ユニットカバー654の上側の側壁部656に形成された小孔群662)から放熱することができ、放熱性能の向上を図ることができる。
さらに、表示制御装置45の背面側には音声ランプ制御装置560が載置されており、当該音声ランプ制御装置560には、冷却ファン675と外部とを通気させるための筒部688等からなる通気手段(通気用筒部)が形成されている。これにより、表示制御装置45の背面側に音声ランプ制御装置560を載置できる構造を確保しつつ、当該音声ランプ制御装置560に妨げられることなく、冷却ファン675と外部との通気性が十分に確保される。結果として、表示制御装置45の放熱性能を損なうことなく、音声ランプ制御装置560を設置するためのより大きなスペースを確保しやすくなる。
また、本実施形態では、通気手段を構成する筒部688が、音声ランプ制御基板561の挿通孔689を介して基板ボックス562の前後に真っ直ぐ貫通形成されている。このため、筒部688を、音声ランプ制御基板561を迂回するような複雑な形状とすることなく、比較的短い距離で形成することができ、通気性能の向上を図ることができる。
加えて、筒部688が基板ボックス562内と非連通状態にあるため、音声ランプ制御基板561に実装された電子部品に与える影響を低減することができる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、表示制御装置45に関連して本発明を適用した例を示したが、主制御装置261など他の制御装置に関連して本発明を適用してもよい。
(b)上記実施形態では、冷却ファン675を覆うカバー部材として、防塵フィルタ354bを具備した保護カバー部354を例示したが、カバー部材はこれに限られるものではない。例えば保護カバー部354から通気孔354a及び防塵フィルタ354bを省略するとともに、その背面に多数の通気孔を形成した構成を採用してもよい。このように、カバー部材は、必ずしも防塵フィルタ等のフィルタ手段を備えた構成でなくともよく、塵や埃等の異物が侵入しにくい構成となっていればよい。従って、保護カバー部354において、冷却ファン675に対向する領域には通気孔等が設けられず、その周囲に通気孔が形成された構成としてもよい。また、冷却ファン675を覆うカバー部材を表示制御装置45に直接取付け又は一体形成した構成としてもよい。
(c)上記実施形態では、音声ランプ制御基板561の挿通孔689を介して基板ボックス562の前後に真っ直ぐ貫通形成された筒部688等により通気手段が構成されている。これに限らず、制御装置や通気手段の形状・構造等を必要に応じて適宜変更することができる。
例えば図13に示すように、筒部688の一方が、ボックスベース563の裏面に開口し、他方が、ボックスカバー564の側壁部に開口した構成としてもよい。より詳しくは、ボックスベース563には、上記実施形態と同様に、ユニットカバー654のファンダクト部663に対応して四角形状の挿通孔687が形成されている。そして、ボックスカバー564には前記挿通孔687に繋がる断面四角形状の筒部688が形成されている。但し、この実施形態における筒部688は、挿通孔687から音声ランプ制御基板561の裏面に向けて真っ直ぐに延びる第1筒構成部688aと、当該第1筒構成部688aからボックスカバー564の所定の側壁部564bに向けて音声ランプ制御基板561の裏面に沿って真っ直ぐに延びる第2筒構成部688bとから構成されている。つまり、この実施形態における筒部688は、ボックスベース563からこれと相対向するボックスカバー564の背壁部564aに向けて真っ直ぐに形成されていない。これにより、基板ボックス562には、一方が、ボックスベース563の裏面に開口し、他方が、ボックスベース563と直交するボックスカバー564の側壁部564bに開口する通気手段としての屈曲した通気用筒部が形成されることとなり、上記実施形態と同様に、冷却ファン675と外部との通気性が確保される。これにより、音声ランプ制御基板561において、筒部688を貫通させるための挿通孔689のような貫通孔部を形成しなくともよく、音声ランプ制御基板561のサイズをより大きくすることができる。このような構成では、音声ランプ制御装置560の基板ボックス562が、冷却ファン675に対向して配置されたカバー部材を構成することとなる。このような構成となっていれば、保護カバー部354を省略した構成としても、塵や埃等の異物が侵入しにくい構成となる。
また、例えば冷却ファン675が表示制御基板650の周縁部近傍に配設されている場合などにおいては、通気手段が通気用筒部ではなく、図14,15に示すように、ボックスカバー564に形成された略コ字状の切欠き部694や略L字状の切欠き部695などであってもよい。
(d)上記実施形態では、冷却ファン675がCPU521に相対向して配置され、当該CPU521に向けて送風する構成となっている。これに限らず、冷却ファン675は、少なくとも表示制御装置45の内側に向けて送風するように配設されていればよい。例えばCPU521から外れた位置において表示制御基板650の実装面に相対向するように配設されていてもよい。従って、このように配設されていれば、VDP526など他の電子部品に相対向して配設されていてもよい。
また、冷却ファン675がユニットカバー654側に取付けられた構成としてもよい。この場合、冷却ファン675への電力供給用配線の接続構成の簡素化等を図るためには、表示制御基板650も併せてユニットカバー654側に取付けられる構成とすることが好ましい。例えば、図16に示す例では、表示制御基板650がユニットカバー654に対しネジ900により固定されるとともに、冷却ファン675が配線901により表示制御基板650と電気的に接続されている。
(e)上記実施形態では、ユニットカバー654の背壁部655から突出するようにファンダクト部663が形成され、その頂部に吸気口としての複数の通気孔664が形成されている。これに限らず、例えばファンダクト部663を省略し、ユニットカバー654の背壁部655が略平板状となった構成としてもよい。また、冷却ファン675全体が外部に臨むように、当該冷却ファン675と同等の大きさの吸気口を備えた構成としてもよい。このようにすれば、吸気性能の向上を図ることができる。しかし、安全性を向上する上では、上記実施形態のように小さな通気孔664を複数備え、冷却ファン675内へ指などを差し込めない構成とすることが好ましい。
(f)上記実施形態では、ユニットカバー654の上下左右すべての側壁部656に小孔群662が形成されている。これに限らず、少なくとも冷却ファン675が配置された高さ位置よりも上方位置、例えば上側の側壁部656において小孔群662が形成されていればよい。表示制御装置45の上部から放熱することが最も放熱効率が良いため、このようにすれば、上下左右すべての側壁部656に小孔群662が形成された上記実施形態に比べても、放熱性能は低下しにくい。
また、図5,6からも分かるように、パチンコ機10には、背面側の限られた設置スペースの中に多くの制御装置が設置されている。このため、各種制御装置が隣接して配設されている。例えば、表示制御装置45の下方には、主制御装置261が隣接して配置されている。この場合、両者の設置間隔が狭すぎると、十分な通気スペースが確保できず、ユニットカバー654の下側の側壁部656の小孔群662からは効率よく排気を行うことができないことも懸念される。これに鑑み、以下の構成を採用することで、表示制御装置45の後方又は斜め後方に向けて排気できるため、放熱性能の低下を抑制することができる。
例えば、図17に示すように、ユニットカバー654の下部において、背壁部655から下側の側壁部656にかけて開口した排気口904を備えた構成としてもよい。
また、図18に示すように、ユニットカバー654の下部の所定箇所において、背壁部655と下側の側壁部656との連接部分に傾斜壁部906を形成し、当該傾斜壁部906において排気口907を備えた構成としてもよい。この場合、さらに下側の側壁部656において小孔群662を省略した構成としてもよい。このようにすれば、下方の主制御装置261に対し熱風が吹きつけられることもなくなるため、主制御装置261に与える影響を低減することができる。ひいては、表示制御装置45と主制御装置261との間に通気スペースを確保する必要もなくなるため、両制御装置45,261を密着させることも可能となり、限られた設置スペースの有効利用を図ることができる。
(g)上記実施形態では、冷却ファン675及び通気手段としての筒部688等が1つ設けられているだけであるが、これらを複数備えた構成としてもよい。
(h)上記実施形態では、通気手段としての筒部688等がボックスカバー564に一体形成されているが、これに限らず、別体で成形されたものをボックスカバー564に組付けた構成としてもよい。
(i)上記実施形態では、ユニットカバー654(表示制御装置45)の背壁部655に直接当接するように音声ランプ制御装置560が載置されているが、これに限らず、所定の取付台を介して載置される構成としてもよい。
(j)上記実施形態では、ヒートシンク670が設けられているが、これを省略した構成としてもよい。
(k)音声ランプ制御装置560の背面側にさらにもう一つの別の制御装置(基板ボックス)を取付け、当該制御装置にも上記冷却ファン675及び筒部688等に繋がる通気手段を形成した構成としてもよい。
(l)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、それに類する雀球等の各種遊技機、スロットマシン等の回胴式遊技機、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機などとして実施してもよい。