JP5194270B1 - 内外温度計 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷暖房機器に依存した生活が染み付くと、外が快適な許容範囲の温度であるにも関わらず、室外の状態を知らないがゆえに室内の冷暖房機器を必要以上に動作させてしまう問題があった。また、車に乗る前に車のエアコンを動作させるにしても車内温度と外気温との比較をせずに、何でもエアコン動作を優先するという問題があった。さらに別なシチュエーションでは、室内の温度が異常にならない限り水槽の中を意識する注意を怠り、水中で飼っている魚などへの水温管理が不十分になるという問題があった。
【解決手段】室内外や車内外や水槽内外など、遮蔽物を通しての内外両面の測定される温度測定量をアナログ量にて比較可能に提示し、直感的に遮蔽物の内と外の温度状況を容易に把握可能にすることで、エコな生活をを可能にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、家の窓や戸などの部屋を仕切る遮蔽物の両面、または車両の内外を仕切る遮蔽物の両面、および水槽を挟んでの槽の内外温度の状況を把握するのに用いることができる温度計に関し、各種遮蔽物の内外に設けられ、遮蔽物の両面の温度状況を、遮蔽物の片面に設けた一つの目盛りでビジュアルに比較することにより、直感的に遮蔽物の両面の温度状況を把握する温度計に関する。
特許文献1および特許文献2には窓ガラスを挟んで両面に各々目盛りが設けられた温度計を配置する技術が開示されている。
特に特許文献1には粘着紙で各々の温度計に目盛りが設けられた温度計を透明窓ガラスの両面に配置する技術が開示されており、特許文献2には磁石で各々の温度計に目盛りが設けられた温度計を窓ガラスの両面に配置する技術が開示されている。
また、特許文献3には温度目盛に対しこの目盛近傍に冷暖房装置の切換え指示点を表記する技術が開示されている。
実開昭58−103338 実開平3−4234 実開昭56−9034
本願の発明は、家においては室内の冷暖房機器を動作させるべきか窓を開けるべきか、車においては先に車のエアコンを車に入る前に動作させるべきか否かなどを、室内の温度と室外の温度を直感的に比較可能に提示することにより室内と室外の温度状況の判断を容易にすることを目的としており、別なシチュエーションとしては水槽の内外温度状況を把握するのにも用いることができる温度計を提供することを目的としている。
特許文献1および特許文献2の技術では、室内と室外に設けた2つの温度計の示す値の比較を行うのに、各々の温度計に設けられた各目盛りの温度計の示す値を読み取って、その差分を考えて判断をする必要が求められ、常に各温度計の目盛りの値を精査する必要が求められた。特に室内の温度計と室外の温度計の目盛り異なる場合には、詳細に目盛りの値を読み取って温度量の数値を理解して判断を下す必要が求められるという課題があった。
例えば特許文献1および特許文献2は、図面上は2つの温度計の目盛りは並べて配置しているが、お互いの温度計の位置が離れたり、お互いの温度計の目盛りの単位幅が異なると単純には比較するのは困難となるのが想像できる。
また、棒状温度計以外の温度計としてバイメタル式の渦巻き温度計が市場には出回っているが、これにおいては内側温度計と外側温度計を横に並べて配置するよりも回転軸を重ねて配置する方が直感的に解りやすくなるという課題が発生し、重ねている各々の温度計の針の状況をどのような目盛りで示すべきかという解決しなければいけない課題があった。
そして、温度計の設置方法においても、ガラス窓の両面に正しく2つの温度計を配置する場合、その位置合わせを正しく行わせ、かつ風や振動等の力で外れないように強く接着させる課題があった。
そして、スリガラスなどの透明性を意図的に乱反射面にして透過率を低下させたガラスにおいては、特許文献1や特許文献2などのガラスを透過して温度計の目盛り及び温度量を見ることは出来なかった。
また、スリガラス以外の非透過遮蔽物などでは棒状温度計やバイメタル式温度計を両面に張り合わせて透過して2つの温度計の温度値を見ることはできなかった。
さらに特許文献3の冷暖房装置の切換え指示点は温度計を設置している面の情報のみで判断するものであって、室内外の温度比較で冷暖房装置の切換え指示点を知リ得ないという課題を抱えていた。
本願発明では、このような幾つかの課題に対して解決をするものであります。
本発明は、これら課題に対して遮蔽物の両面の所定の位置に各々温度計を配置し、温度計の少なくとも何れか片面に設けた目盛りにて各々の温度計の温度測定量がひと目で比較可能に提示される内外温度計であって、一つの目盛りにて両面の温度測定量が比較できるように提示することにより、直感的にお互いの温度量の差分が見やすくなるという特徴を持つ。
これら内外温度計としてはバイメタル式温度計と棒状温度計と電子的温度センサーを用いた温度計などがあり、バイメタル式温度計の配置位置は、遮蔽物の両面における温度量を測定するバイメタルの回転中心部を遮蔽物を間に挟んで略同一軸上に重なる位置を所定の位置とし、片面に設ける目盛りはこの略同一軸上を中心として設けられる構成とする。
棒状温度計においては、遮蔽物を挟んで面側から見て所定の隙間を設けて遮蔽物の両面に棒状温度計を配置することにより、少なくとも片面に設ける目盛りの位置は、これら両面に配置した温度計の隙間に設けて、この隙間に設けた目盛りにて両面に配置した各温度計の温度測定量が比較できるように提示する構成とする。特に棒状温度計においては両面に設けた温度計の目盛りスケールが異なる場合も想定され、このような場合にはお互いの温度計の目盛りの値を線で結んで相関がわかるようにして所定の隙間に目盛りにて遮蔽物の両面で測定される温度測定量の関連性がより解り易くすることが容易に行えるようになる。
電子的温度センサーを用いた温度計に関しては、遮蔽物の両面の間で目盛りを設けた側とは異なる面に設けられた温度センサーの温度測定値が目盛りを設けた側で入手できる位置に配置することにて、上記一つの目盛りにて両面の温度測定量が比較提示されることにより、直感的にお互いの温度量の差分が見やすくなるという特徴を維持することが可能となる。
さらに、バイメタル式温度計においては、遮蔽物を通して断面方向に両面の温度計の針の位置に距離があると温度計を見る角度により視差角読み取りミスを招く可能性が生まれる。よって、バイメタル式温度計の針の位置は、遮蔽物を挟む各バイメタル式温度計の厚さ方向に対して、各バイメタル式温度計の厚さ中央より該遮蔽物寄りに寄せて設けることにより視差角読み取りミスを小さくすることが可能となる。
また、バイメタル式温度計や棒状温度計においては基本としては遮蔽物として透明ガラスなどを想定しているが、場所によってはスリガラスなどで光りが乱反射して透明度が低下して、遮蔽物を通して見る温度計の温度測定量を見ることが出来にくくなる設置場所もある。このような設置場所においては光りを乱反射させている凹凸面にに透明ゲル剤を透明粘着シートとして粘着部に用いることにより、光りの乱反射を抑えて少なくして透明度を上げて遮蔽物を通しての温度計の温度測定量を容易に見ることを可能にする。
また、遮蔽物を挟んだ両面に設けられる温度計の、両面の温度測定量の温度量を示す色は、例えば赤色と青色などのように異なる色とすることで、どちらが室内の温度測定量で、どちらが室外の温度測定量であるか判読容易にすることが可能となる。つまり、バイメタル式温度計においては針の色を、棒状温度計においては液体の色を異ならせることで、判読容易にすることが実現可能である。特に、バイメタル式温度計においては、同一中心軸上で複数の針が重なるために、その判読は針の色で判断することになる。
電子的温度センサーを用いた温度計においては、遮蔽物を挟んだ片面に配置される温度計の温度測定量は遮蔽物を通過する物理的信号として送信され、物理的信号は他の片面で受信され、この受信面に設けられた温度計の温度測定量と共にアナログ量で並べて提示することで実現される。ここで、物理的信号とはLEDとホトセンサーで情報の送受信を光を利用して行ったり、マグネットとそれに反応するリードスイッチや磁気抵抗素子など電磁力を利用したり、弱電波にて送受信を行う信号をいう。
温度測定量を表示する表示部もデジタル数値で表わしたのではその数値を読み取り理解する必要が求められるが、2つの温度計の温度測定量を擬似的(表示長さを段階的に変化させるデジタル量でのアナログ表示方法)にアナログ量で示すと、容易に比較可能になるので室内と室外の温度値によって冷暖房機器を起動させるか、窓を開放するかの判断が容易に付きやすくなる。
これら、各温度計を遮蔽物の両面の所定の位置に設置するために、本願発明では少なくとも2つの手段を用いる。
つまり、温度計には遮蔽物に設置するために磁気吸着部と粘着部が設けられており、遮蔽物を挟んで磁気吸着部で温度計の設置位置を定め、粘着部で遮蔽物に対する温度計の接着力を確保する。
このようにすることにて、磁気吸着部(磁石と磁石又は磁石と金属)と粘着部で温度計の位置を決めて固定することが可能となり、特許文献1の粘着部のみ、または特許文献2の磁石のみでは得られないより強固に温度計を目的の所定の位置に設置することができる。
特に、粘着部の位置が温度測定量を示す領域と重なる場合には上記スリガラスの際のゲル剤を透明粘着剤でシート状に構成すれば粘着部の設置効果と共にスリガラスの透明化も実現可能となる。
本発明は遮蔽物の両面に配置した各々の温度計の温度測定量を片方の面から一つの目盛りにて把握可能な構造としているので、直感的に各温度測定量の比較が容易になります。特に目盛りを通して比較する温度測定量はアナログ的値となるため、デジタル表示で示された場合には数値を理解して考え判断するという過程を踏む必要が常に求められますが、本願の発明では、即座に遮蔽物の両面の温度差の状態を直感的に認識可能になります。
遮蔽物の両面に配置した各々の温度計には3つの種類が想定されます。
一つは棒状温度計であり、一つはバイメタル式温度計であり、一つは電子式温度計であります。
これらには各々特徴がありますので、以下に各温度計毎に本願発明の工夫点における多様な効果を述べます。
本発明の棒状温度計を用いた場合の効果としては、棒状温度計をガラスなどの遮蔽物を挟んで両方に取り付ける際に、遮蔽物の片面から両面に取り付けた棒状温度計を眺めた場合、遮蔽物を挟んで上下又は左右に隙間を設けて配置することで、その隙間の部分に目盛りをお互いの棒状温度計が比較できるように提示することにて、直感的に温度差の状態を認識可能にすることが可能となる。
特に、片面から両方の温度計を一つの目盛りで2つの温度計の温度測定量を比較して見る形式をとることで、各々の温度計の目盛りスケールが異なっても、各温度計の同じ温度値を線引きして提示することで、容易に比較可能となり、従来各々の温度計の目盛りをそれぞれ見比べる時と比べて温度差が一目瞭然に解るという効果が生まれる。
さらに、各々の温度量の内、どちらが遮蔽物の内側で、どちらが遮蔽物の外側か?解らなくなる場合を想定して、例えば内側を赤色の液体で温度計の温度測定量を示す液体色を構成させ、外側を青色の液体で温度計の温度測定量を示す液体色を構成すれば、さらに内外の温度状況が直感的に理解できるという効果が付加される。
そして、遮蔽物が透明ガラスであれば好ましいがスリガラスの場合には、そのスリガラス面である凹凸面に透明ゲル剤をシート状に挟むことにてスリガラスの透明化を可能とした透明粘着テープで構成することができるので、その効果はスリガラスにおいても透明ガラスと同様に得られる。
また、これら温度計を遮蔽物を挟んで取り付ける場合、お互いの温度計の位置は片方に設けられている目盛りの位置に可能な限り厳密に位置づけされて、且つ長期的に固定化される必要が求められるので磁気力でお互いの温度計の位置を精度よく定めて、両面テープなどの粘着テープで強固に固定化する手段をとることで安心して確かな位置に長期的に固定化することが出来るという効果が生まれる。
この粘着テープなどの粘着部を透明ゲル剤で実現すれば、スリガラス対応の材料でそのまま温度計を固定化することも可能になり、透明ゲル剤の透明粘着シートで粘着部を構成することで一つで二役の効果を生み出すことが可能である。
バイメタル式温度計を用いた場合の効果としては、ガラスなどの遮蔽物への取り付けの際にお互いのバイメタル式温度計の回転中心軸を合わすことで以下の効果が生まれます。
つまりこのバイメタルの回転中心軸を中心として片面に目盛りを設けるだけで遮蔽物を通して2つのバイメタル式温度計の温度測定量が一つの目盛りで比較して内外の温度差を容易に比較確認可能となる効果が生まれます。
この目盛りは室内側の温度計に持たせても、室外側の温度計にもたせても、遮蔽物であるガラスが透明であれば何れの目盛りにおいても室の内外温度を一つの目盛りを通して見ることが出来、仮に遮蔽物がスリガラスであったとしても、そのスリガラスの凹凸面の粘着テープを透明ゲル剤で構成して透明な粘着部として遮蔽物の透明化を図ることにて、上記棒状温度計と同じような効果を生み出すことが可能となります。
ただ、バイメタル式温度計ではガラスなどの遮蔽物に重ねる際のお互いの温度計の針と針の距離が重ねる厚さ方向に離れて配置されると、温度計を見る人の見る角度によっては2つの針の間に視差角誤差が生じる結果となるので、バイメタル式温度計の針の位置は遮蔽物を挟む各バイメタル式温度計の厚さ方向に対して、各バイメタル式温度計の厚さ中央より遮蔽物寄りに寄せて設ける必要が求められ、このように針の位置を可能な限り遮蔽物の面に近付けて動作させることで視差角誤差を最小に押えられるという効果が生まれます。
確かに温度計のユニットに厚さがあれば、目盛りを設けている位置と2つの針との間にも視差誤差は生じますが、問題とするところは2つの温度計の針の間の視差誤差を最少にすることであって、目盛りを見る人の位置において、その人の側の温度は体感で自覚できるので、その体感温度に対して、遮蔽物を通して外の温度との温度差が問題になるので、こちらの目盛りと温度計の針との間で発生する温度の視差誤差は針と針の間の視差誤差ほどには問題になりません。
けれど、この差も気になる場合には、目盛りの位置はいずれかの温度計の遮蔽物面側に設けると、視野角誤差の影響が少なくなり、さらに好ましい結果が生まれます。
このような構成により、上記にも記載しています、遮蔽物のガラスがスリガラスの場合には棒状温度計の場合と同じようにスリガラス状態の凹凸面に透明ゲル剤を埋め込むように粘着部を用いることでガラスの透明感を取り戻し、本願発明の遮蔽物を挟んでの温度比較を容易にすることが出来ると同時に、バイメタル温度計の各針の色を例えば内を赤色、外を青色とすれば、さらに内外の温度状況が直感的に理解できるという効果が付加される。
そして、これら温度計を遮蔽物を挟んで取り付ける場合、お互いの温度計の位置は片方に設けられている目盛りの位置に可能な限り厳密に位置づけて、且つ長期的に固定化される必要が求められるので磁気力でお互いの温度計の位置を精度よく定めて、両面テープなどの粘着テープで粘着部を用いて強固に固定化する手段をとることで安心して確かな位置に長期的に固定化することが出来るという効果が生まれます。
電子式温度計を用いた場合の効果としては、遮蔽物が透明の場合でも可能でありますが、モルタル壁材などの非透明である遮蔽物の場合にも本願発明が実現できるという新たな効果があります。
具体的方法としては、遮蔽物の向こう側(目盛りを設けている面とは異なる面)の温度測定量は直接眼で見ることは困難なので、温度比較用の目盛りを設けている面側でない温度測定量は温度センサーで数値化して物理的信号として温度比較用の目盛りを設けている面側に送られ、温度比較用の目盛りを設けている面側にてそれを受信して、温度比較用の目盛りを設けている面側の温度センサーの値と共に各々の温度測定量をアナログ量で並べて提示するようにすることで、遮蔽物の透明度に依存することなく内側と外側の温度量をアナログ量で直感的に認識可能に提示することを可能にするという効果があります。
従来デジタル数値を並べて表記する温度計は窯の内外の温度比較などで用いられていると思いますが、このようなデジタル数字での表記では温度量を直感的に比較することは容易ではなく、一度頭で考えて各々の温度の状況を理解し直すことがもとめられておりました。本願発明では、これをアナログ量で比較するようにすることで直感的に温度差が容易に判断可能になるという効果を生んでいます。
このアナログ量での比較は擬似的(表示長さを段階的に変化させるデジタル量でのアナログ表示方法)な方法でも実現可能です。
ここで遮蔽物を通して温度測定量を電子的に送受信する方法としては電磁的、光学的、微弱電波を用いるなど色々な方法が既に公知技術としてあります。本願の発明は、電子式温度計においても一つの目盛りで遮蔽物を挟んでの2つの温度計の温度測定量を比較可能にアナログ的に表示することにて直感的に温度差分が読み取れるようにしたことに効果を生み出しております。
当然、この温度測定量をアナログ的に表示する方法として棒状温度計のような棒状での表示方法もありますが、バイメタル式温度計のように回転量での表示方法もあります。いずれにしても一つの目盛りにて温度差が一目して出来るという効果は大きく、遮蔽物が透明でないシチュエーションにおいても利用可能な内外温度計で、棒状温度計やバイメタル式温度計と同様の効果が期待できます。
これらによって、2つの温度計の温度測定量を一つの目盛りで比較して見られるために直感的に例えば室内と室外の温度の状況が即、理解でき、室内の冷暖房機器の動作判断、および窓の開け閉めの判断が容易になり、エコな生活を過ごすことが可能になる。
特に、温度計の目盛りに対して冷暖房機器の操作判断情報や、窓の開け閉めなどの判断情報を補足情報として併記することにてエコ意識を向上させるための効果として大いに期待されるものがある。
この温度計を車の内外に持たせた場合も、車のエアコンを働かせるタイミングを調整したり、車の窓を開けるタイミングを考えるきっかけにもなり、
水槽での温度管理においても、水槽内の温度の状況と水槽を置いている周りの環境温度を常に比較確認可能となるので、水槽の温度制御機器の操作をエコ意識を持って操作できるという意識アップの効果が期待される。
棒状温度計を用いた内外温度計の斜視図 棒状温度計を目盛り比較面から見た場合の図 遮蔽物がスリガラスの場合の透明化説明図 バイメタル式温度計を用いた内外温度計の斜視図 バイメタル式温度計の配置説明図 バイメタル式温度計を目盛り比較面から見た場合の図 バイメタル式温度計の目盛り説明図 温度センサーを用いた内外温度計の構成図 温度センサーを用いた内外温度計の表示部
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
図1は棒状温度計を用いた本願発明の一例を示した図であります。
本願発明は透明ガラスなどの透明部材で構成された遮蔽物(3)を挟んで、温度計Aユニット(1)と温度計Bユニット(2)の2つの棒状温度計を所定の位置に配置して、温度計Aユニット(1)の上に設けられた目盛り(1f)にて2つの温度計の温度測定量を直感的に比較可能に提示した実施例の説明図であります。
ここで、棒状温度計とは水銀温度計や有機液体温度計などの液体をガラス管などの中に封じ込め、液体に対する温度変化による物理量の変化をガラス管の毛細管現象などを用いて棒状の長さ変化で示すようにした温度計測計であり、ガラス管などの液体の中に封印する有機液体としてはエチルアルコール、白灯油、トルエン、工業用ベンタンなどが用いられ、必要に応じて着色される。
本願発明としては、室内温度計と室外温度計の液体の着色は同じ色で構成してもよく、異なる色で構成しても良いが、より直感的に2つの温度計を比較する場合には異ならせる色の場合の方が、各温度計を比較するにさらに直感的にみやすくなるので、好ましいのは言うまでも無い。
さて、本願の図1の実施例について詳細に説明をしますと、
室内の温度計である温度計Aユニット(1)は温度計Aのケース(1a)と温度測定用のガラス管(1b)と目盛り(1f)と粘着シート(1g)と位置決め用マグネット(4a)とからなり、
室外の温度計である温度計Bユニット(2)は温度計Bのケース(2a)と温度測定用のガラス管(2b)と粘着シート(2g)と位置決め用マグネット(4a)とからなり、共に遮蔽物(3)の両面に所定の位置に複数の位置決め用マグネット(4a)で位置決めされ、粘着シート(1g)と粘着シート(2g)にて遮蔽物(3)に貼り付けられて固定される。
本実施例では、温度計Aユニット(1)を室内用、温度計Bユニット(2)を室外用として室内で目盛り(1f)を見ることを前提として説明しているが、室外から目盛り(1f)を見たい場合には温度計Aユニット(1)を室外用、温度計Bユニット(2)を室内用としてもなんら問題は無い。
また、図には示していないが、目盛り(1f)は室内側から見えるようにすると同時に温度計Aユニット(1)の遮蔽物側面に目盛り(1f)相当(裏から見る形になるので表記方法は若干異なるが)をもう一つ設けて、温度計Bユニット(2)側から見て温度測定量が判読可能に示すことも可能である。
図1にて温度計Aユニット(1)の温度計Aのケース(1a)には温度測定用のガラス管(1b)が組み込まれ、温度計Bユニット(2)
の温度計Bのケース(2a)には温度測定用のガラス管(2b)が組み込まれており、温度測定用のガラス管(1b)では温度測定量(1d)が温度測定用のガラス管(2b)では温度測定量(2d)が計測されて示される。
これら計測される温度測定量は目盛り(1f)で比較しやすいように提示されて示される。
なお、粘着シート(1g)(2g)で構成される粘着部は透明ゲル剤を用いるのが好ましい。特に、遮蔽物(3)を挟んで測定される温度測定量を見る場合や、図には記載していないが温度計Aユニット(1)の遮蔽物(3)側に設けた目盛り(1f)を遮蔽物(3)を通して見る場合には、透明ゲル剤を用いた粘着シートであれば遮蔽物の透明度を阻害しないために好ましい。
図1では遮蔽物を透明ガラスであることを前提に説明していますが、スリガラスであっても問題は無い。この場合は粘着シート(1g)(2g)で構成される粘着部に用いる透明ゲル剤がスリガラス面の乱反射光を直透過光にするので、本願発明の機能を遮ることにはならない。なぜ、直透過光になるかは後記で説明する。
なお、図1において温度計Aユニット(1)と温度計Bユニット(2)の所定の位置関係は各々のケースの中に組み込まれる位置決め用マグネット(4a)の位置で決まるものであり、対抗するマグネットが吸引する方向に磁極を向けておくことで、各々のケースの位置は遮蔽物(3)を通して正確に配置可能となります。さらに粘着シート(1g)(2g)にて遮蔽物(3)に対して強固に固着可能とするものであります。
具体的には温度計Aユニット(1)を先に遮蔽物(3)に粘着シート(1g)にて固着した後、温度計Bユニット(2)を磁極の吸引する位置に合わして粘着シート(2g)にて固着するか、若しくは温度計Bユニット(2)を先に遮蔽物(3)に粘着シート(2g)にて固着した後、温度計Aユニット(1)を磁極の吸引する位置に合わして粘着シート(1g)にて固着するようにして配置可能となります。なお、目盛り(1f)は温度計Aのケース(1a)に貼るように説明をしておりますが、温度計Aのケース(1a)に直接目盛り(1f)を印刷しても何ら問題はありません。
図2には図1の棒状温度計を目盛り比較面から見た場合の図を示しております。
図2では、温度計Aユニット(1)の横に温度計Bユニット(2)が所定の位置に配置された状態を示しております。
図2では温度測定用のガラス管(1b)(2b)の目盛りスケールが異なる場合、つまり長さとか、単位長の温度上昇率が異なる場合の例で示しております。
これは、温度測定用のガラス管(1b)(2b)の中に含める液体や色素などにより温度変化量や、管の太さによる毛細管現象の温度変化率の違いによる一例として長さおよびスケールを異ならして説明しております。
図2では、このように各温度計の目盛りスケールが異なっている場合であっても、両方の温度計の間に目盛りが挟まるように配置することで、かつ同じ温度値を線で繋ぐことにより、直視的に温度比較が可能に目盛りを提示しております、
さらに、この目盛り(1f)の中に補助情報として例えば18℃以下の範囲を暖房情報(5c)、18℃〜31℃の範囲を窓開け情報(5b)、28℃以上の範囲を冷房情報B(5c)となるように目盛り(1f)の中に重ねて表記すれば、さらに直感的に温度測定量(1d)と温度測定量(2d)の2つの温度測定量は比較容易になり、室内の温度と室外の温度を直感的に比較して窓を開けるなり、室内の冷暖房機器の動作を行うなどエコなせ生活の目安情報を直接的に得られる事になります。
つまり、これら2つの温度計の温度差は(12)が目盛りを通して直視でき、かつ冷房情報(5a)、窓開け情報(5b)、暖房情報(5c)などの補助情報(5)を目盛り(1f)の上に重ね表記することにて室内の温度と室外の温度を直感的に比較して窓を開けるなり、室内の冷暖房機器の動作を行うなどエコなせ生活の目安情報を直接的に得られる事になります。
図3は遮蔽物がスリガラスの場合にガラスを透明にするための説明図であります。
スリガラスは片面に摺り加工(金剛砂と金属ブラシによる物理的な加工)などを施し不透明にしたガラスであって、その面は摺り加工により凹凸面が形成され、光りを乱反射する構造にしております。
よって、スリガラスの摺り加工をした面は透明粘着テープをはったり、水で濡らすと曇り効果が失われ透明になります。
本願発明では、この原理を利用しスリガラス面に透明粘着ゲル剤を付けた透明な粘着シート(2g)を使用することで、スリガラス面を透明化致します。
つまり、図3にて図の右面がスリガラス面であるガラスで構成された遮蔽物(3)が有る場合、温度計Aユニット(1)を透明な粘着シート(1g)で遮蔽物(3)に貼り付け、温度計Bユニット(2)を透明ゲル剤を用いた粘着シート(2g)で貼り付けます。
これによって、温度計Bユニット(2)の図3に割愛しています温度測定用ガラス管(2b)は温度計Aユニット(1)側から見てスリガラス面が透明粘着テープを貼ったときと同じように曇り効果が失われ透明化されこれも図3では割愛しています温度測定用ガラス管(2b)を見ることが可能となり、温度測定用ガラス管(2b)の中の温度測定量(2d)を温度計Aユニット(1)側から観測可能になります。
ここで、透明な粘着シート(2g)には透明粘着テープの接着面に用いられる透明ゲル剤を用いることにて目的を果たすことが出来ます。一般に使われている透明な粘着テープの粘着部には透明ゲル剤が用いられていますので、結論的には粘着シート(1g)と粘着シート(2g)は同じ部材で用いられるのではと考えられますが、透明化の目的を意識してあえて「透明粘着ゲル剤を付けた透明な粘着シート(2g)」と説明しております。
よって、温度計Aユニット(1)に用いる粘着シート(1g)は温度計Bユニット(2)側から温度測定用ガラス管(1b)を見る必要が無い限り透明な粘着シート(1g)は用いる必要は無く、もし粘着シート(1g)を透明ゲル剤を用いて構成しても何ら問題はありません。
ただ、スリガラス面が温度計Aユニット(1)側に有る場合には、温度計Bユニット(2)の温度測定用ガラス管(2b)が見える位置に透明な粘着シート(2g)を用いると同時に、対応する温度計Aユニット(1)側のスリガラス面に透明ゲル剤を用いて乱反射光(13a)を直透過光(13b)にする必要が求められます。この場合は例えば対応する温度計Aユニット(1)側のスリガラス面に透明粘着テープなどを貼る方法も一つの方法になります。
このように、遮蔽物(3)を挟む温度計Aユニット(1)と温度計Bユニット(2)の間において、特にスリガラス面には透明ゲル剤を用いた粘着シート(1g)または(2g)を必要に応じて採用することで、乱反射光(13a)を直透過光(13b)にすることが可能となり、本願発明をスリガラスで構成された遮蔽物(3)においても採用することが可能となります。
図4はバイメタル式温度計を用いた本願発明の一例を説明した図であります。
ここで、バイメタル式温度計に使われるバイメタルについて、説明をしますと、バイメタル(BIMETAL)とは、温度による膨張係数の違う2種類の薄い金属板を重ねて貼り合わせて巻いたものを言います。このような構成によってバイメタルの周囲温度が上昇すると、高膨張側の金属が膨張し長さが延びますが、低膨張側の金属はほとんど膨張しないので、バイメタルは反り返り、温度がもとにもどればバイメタルはまたもとの状態にもどります。その結果、このような張り合わせた金属を巻き付けた構造にする事により、金属の巻き状態が温度によって変化するようになります。
バイメタル式温度指示計はこの原理を応用し、バイメタルを「つるまき状」に巻いて、このバイメタルの一端を固定しておくと周囲の温度変化によって他端の位置に変化が生じ、その他端に指示針を付けておけば温度によって他端の位置を読み取ることが可能となります。
これによって、周囲温度の変化が針の動きで示されるために、バイメタル式温度計は温度変化が針の回転角度で変化するような構造で温度の値が測定可能になります。
図4では遮蔽物(3)を挟んでバイメタル式温度計である温度計Aユニット(1)と温度計Bユニット(2)が複数の位置決め用マグネット(4a)と粘着シート(1g)(2g)で貼り合わせる場合を斜視図で示しております。
ここで実線で記載しています温度計Aユニット(1)と、破線で記載しています遮蔽物(3)と、実線で記載しています温度計Bユニット(2)の関係は、破線で記載しています遮蔽物(3)の両端の破線の温度計Aユニット(1)と温度計Bユニット(2)の位置に遮蔽物(3)を挟んで配置されるようになります。
これら設置位置は中心軸(4c)の上に温度計Aユニット(1)の温度測定用バイメタル(1c)と温度計Bユニット(2)の温度測定用バイメタル(2c)が略同一軸上に重なるように配置されます。
温度計Aユニット(1)は図で示していますように、中心に温度測定用バイメタル(1c)を持ち、その温度測定用バイメタル(1c)の外端には温度測定針(1e)が設けられ、外には目盛り(1f)が設けられ温度測定針(1e)の示す位置の温度量が判読できるようになっています。また、温度計Aユニット(1)は位置決め用マグネット(4a)と粘着シート(1g)にて遮蔽物(3)に貼り付けられます。
温度計Bユニット(2)も図で示していますように、中心に温度測定用バイメタル(2c)を持ち、その温度測定用バイメタル(2c)の外端には温度測定針(2e)が設けられ、外には目盛り(2f)が設けられ温度測定針(2e)の示す位置の温度量が判読できるようになっています。また、温度計Bユニット(2)は位置決め用マグネット(4a)と粘着シート(2g)にて遮蔽物(3)に貼り付けられます。
つまり、図1においては透明ガラスで構成される遮蔽物の何れの面からも両方のバイメタル式温度計の温度量が直視可能に配置され、温度計Aユニット(1)に設けられた目盛り(1f)から温度計Aユニット(1)の温度計測針(1e)の温度測定量と温度計Bユニット(2)の温度計測針(2e)の温度測定量を重ねてみることができると同時に、温度計Bユニット(2)に設けられた目盛り(2f)から温度計Bユニット(2)の温度計測針(2e)の温度測定量と温度計Aユニット(1)の温度計測針(1e)の温度測定を重ねてみることも可能になっています。
なお、本実施例では温度計Aユニット(1)と温度計Bユニット(2)は立方体の形状で説明していますが円柱型など他の形状でも問題はなく、目盛り(1f)(2f)は別体ではなく温度計Aユニット(1)と温度計Bユニット(2)に直接印刷しても何ら問題はありません。
また、目盛り(1f)(2f)は温度計Aユニット(1)と温度計Bユニット(2)の遮蔽物(3)から離れた面に図4では設けておりますが、遮蔽物(3)側の面に設けると、後記する視差角での読み誤りが低減するという効果が生まれます。
図5ではこのバイメタル式温度計の重なり状態の一例を断面図にて図5−1と図5−2で示しています。
なお、図5−1と図5−2では温度計Aユニット(1)では図4の構成のように、位置決め用マグネット(4a)を用いていますが、温度計Bユニット(2)では位置決め用マグネット(4a)の代わりに位置決め用金属板(4b)を用いた例で図を説明しております。これは、位置決め用マグネット(4a)同士の吸引力で発明の位置決めを実現する方法もありますが、位置決め用マグネット(4a)と位置決め用金属板(4b)との組合せでも発明の位置決めを実現可能である一つの実施例として記載しております。前者は磁石の極性を温度計Aユニット(1)と温度計Bユニット(2)で吸引する方向に各々の位置決め用マグネット(4a)を組み込む必要が有りますが、後者は片方が位置決め用金属板(4b)であるために製造時に位置決め用マグネット(4a)の極性まで考慮して組み込む必要性は発生しませんので、製造しやすくなります。位置決め時の貼り付き強度は、前者の方が強いですが、後者においても位置決め用マグネット(4a)と位置決め用金属板(4b)の間に発生する磁力線の吸引力がありますので難なく位置決めは可能です。本来の遮蔽物(3)に対する温度計Aユニット(1)と温度計Bユニット(2)の接着は図4で示しています粘着シート(1g)(2g)で固定させますので何ら問題はありません。また、図4では温度計Aユニット(1)と温度計Bユニット(2)の各温度測定針(1e)(2e)が透明ガラスである遮蔽物(3)を通して見られるように小さな円形で粘着シート(1g)(2g)の形状を示していますが、粘着シート(1g)(2g)が透明ゲルなどで構成される粘着シートであれば、遮蔽物(3)の温度計Aユニット(1)と温度計Bユニット(2)の接着面は全面使っても何ら問題なく、必要とする接着能力は粘着素材を正しく選べば強固に確保できます。
もう一点の図5−1と図5−2の違いは温度計Bユニット(2)に温度測定用のバイメタル(2c)を支える位置が異なっている点にあります。
温度計Aユニット(1)は共に遮蔽物(3)に対して接しない面側より温度測定用のバイメタル(1c)を支えておりますが、温度計Bユニット(2)について、図5−1では遮蔽物(3)の面側にて温度測定用のバイメタル(2c)を支え、図5−2では遮蔽物(3)の面とは異なる面側より温度測定用のバイメタル(2c)を支える構造にしております。
これは図5−1では温度計Aユニット(1)と温度計Bユニット(2)のケースの形状が位置決め用マグネット(4a)または位置決め用金属板(4b)を組み込む面を意識すると異なるケースで準備する必要が求められるが、図5−2では温度計Aユニット(1)と温度計Bユニット(2)のケースの形状を位置決め用マグネット(4a)または位置決め用金属板(4b)を組み込む面が同じとなるため、同じケースで利用可能となることを示しております。
しかしながら、図5−2の形状で温度計Aユニット(1)は左側から、温度計Bユニット(2)は右側からつまり温度測定用のバイメタル(1c)または(2c)を支える方向から温度計Aユニット(1)と温度計Bユニット(2)を見ると、図5−3と図5−4のように温度測定用のバイメタルの巻き方向が逆になります。つまり図5−3では時計回りに温度測定用のバイメタル(1c)を組み込みますが、図5−4では版と計方向に温度測定用のバイメタル(2c)を組み込みます。
つまり、温度計Aユニット(1)と温度計Bユニット(2)への温度測定用のバイメタルの支え方を異ならせると温度測定用のバイメタル(1c)(2c)は同じ部品を用いても問題ありませんが、温度計Aユニット(1)と温度計Bユニット(2)への温度測定用のバイメタルの支え方を同じにすると温度測定用のバイメタル(1c)(2c)は逆巻きの異なる部品を用いる必要が求められます。
さらに図5で説明したいもう一つのポイントは温度計Aユニット(1)、温度計Bユニット(2)に付けています温度計測針(1e)(2e)の位置であります。
つまり、図5で示しますように温度計測針(1e)(2e)の位置は温度計Aユニット(1)、温度計Bユニット(2)の断面にて可能な限り遮蔽物(3)の近くに中心をずらして配置しております。これにて温度計測針(1e)(2e)相互の距離を可能な限り小さくして針を見る方向からの視差角誤差を減少させることが出来ます。図4の温度計測針(1e)(2e)でも、この考えをベースに図にしめしております。
図6はこのバイメタル温度計の温度計Aユニット(1)を目盛り(1f)側から見た図を示しております。
図6では目盛り(1f)の目盛りのを囲む丸形状の外側に目盛りを印刷し、内側は透明にしておきます。これによって、遮蔽物(3)が透明ガラスであった場合、またはスリガラスであっても透明ゲル剤を間に挟んで透明化して遮蔽物(3)越しに温度計Bユニット(2)に設けられている温度計測針(2e)を眺めた場合を示しており、温度計Aユニット(1)側に設けてある目盛り(1f)と温度計測針(2e)の2本の針が見えている状況を示しています。このとき例えば室内の針は青色、室外の針は赤色としておきますと、2本の針の温度測定量の状況が重なって一つの目盛り(1f)の中で確認可能となり、一つの目盛りで2つの針の温度差(12)を直視的に認識可能となります。この場合、2つの針間の距離が大きいと、見る方向が真正面で無い場合には視差角による読み誤りが発生しますが、前記図5で示したように針の位置を可能な限り遮蔽物面側に寄せておくと、その読み誤り誤差を小さくすることが出来ます。
さらに図4、図5では説明していませんが、目盛りを設ける面を温度計Aユニット(1)の遮蔽物側、もしくは温度計Bユニット(2)の遮蔽物側に設けると、視差読みミスは各針と目盛りとの間においても小さくすることが出来ます。
図7には温度計Aユニット(1)に設けてある目盛り(1f)と、温度計Bユニット(2)に設けてある目盛り(2f)の状態を示しております。
この図では各目盛りの外丸と内丸の間が透明部分、つまり針が透過して見える領域と読み取ってください。図でも確認できますように、目盛り(1f)では左側から右側に温度が上がるように目盛りを記載していますが、目盛り(2f)では右側から左側に温度が上がるように目盛りが記載されます。これは内蔵する温度測定用バイメタル(1c)(2c)の巻き方向を遮蔽物(3)に設置したときに同じ向きに揃えている事により発生するものです。
このように温度計Aユニット(1)に設けてある目盛り(1f)と、温度計Bユニット(2)に設けてある目盛り(2f)を配置すれば、片面からのみでなく、両面から遮蔽物(3)の両面の温度を比較して見ることが可能となり、
例えば車のガラス面に本願発明の内外温度計を設置した場合には、車の内側からも外側からも温度の状況を見ることが可能となります。
この場合、目盛りや温度値を示す表記領域は透明化することは出来ませんが、各針が遮蔽物を挟んで動く領域のみ透明化することにて2つの温度状況を一つの目盛りにて比較判読可能になります。
次に、電子式温度計を用いた場合での本願発明の実施例を図8にて説明いたします。
電子式温度計に用いる温度センサー(6)には白金の温度による電気抵抗の変化を検出したり、温度によって誘電率の変化する感温体を誘電体に用いたコンデンサの容量変化を検出するもの、簡易的にはサーミスタなどの抵抗値変化を検出するものなどがあります。本願はこのような温度センサー(6)を用いて後の図9で示す表示部で、棒状温度計やバイメタル式温度計で得られる効果と同じ効果を生み出す構造で本願発明を説明しております。
特に、電子式温度計を用いた場合は遮蔽物(3)は透明ガラスやスリガラスでなくても実現できますのでその応用範囲は広いと考えられます。
さて、図8において、遮蔽物(3)の外側に設ける温度計Bユニット(2)には電池(10)とマイコン(7)が設けられ、温度センサー(6)で測定される温度測定値を温度量送信部(8a)にて温度計Aユニット(1)に送信すると同時に、太陽電池などで構成される電池(10)の電力も電力送信部(11a)で温度計Aユニット(1)に送信する構成にしております。
背景には、温度計Aユニット(1)でもマイコン(7)と温度センサー(6)と表示部(9)を設けていますので電源が必要になりますが、温度計Bユニット(2)と温度計Aユニット(1)の両方に電池を設けるのは電池の管理が難く、温度計Bユニット(2)の電池(10)を太陽電池で構成すれば、その電力を電力送信部(11a)から温度計Aユニット(1)の電力受信部(11b)で受信すれば一つの太陽電池で温度計Bユニット(2)と温度計Aユニット(1)の電源が確保できる構造にしております。
温度計Aユニット(1)では、電力受信部(11b)で受信される電力を電源として、マイコン(6)を動作させ、温度計Aユニット(1)に設けてある温度センサー(6)の温度測定値と、温度計Bユニット(2)に設けてある温度センサー(6)の温度測定値を温度量送信部(8a)から温度量受信部(8b)で受信し、それぞれの温度測定量を表示部(9)で表示する構造になっています。
ここで、電力送信部(11a)と電力受信部(11b)は一般的には磁気結合で電力送信部(11a)の中のコイルに交流を流し、電力受信部(11b)の中のコイルにて交流を受けて整流化して電力を得るなどの方法で実現できます。
温度量送信部(8a)と温度量受信部(8b)も同じく電磁結合で温度量を数値化して情報としてパルス送受信するとか、微弱電波で送受信するとか、遮蔽物(3)に透明度がある場合にはLEDとホトトラなどを用いて光り伝送するなどの方法で温度計Bユニット(2)で測定される温度量を温度計Aユニット(1)に伝えることが可能となります。
このようにすることにて、一つの太陽電池で温度計Bユニット(2)と温度計Aユニット(1)の電源を確保して温度計を働かせるために電池交換の無駄は不要となります。
なお当然のことながら、図では省略しておりますが太陽電池の電力は太陽の照射時間に依存しますので、横に蓄電池も設けて太陽電池で充電された電力を終夜活用可能に電池を構成することで、長時間電子回路を動作させるのが一般的な使い方です。
図9は図8の温度計Aユニット(1)に設けている表示部(9)の表示画面の例であります。
表示部(9)には図2のように温度計Aユニット(1)の温度測定量(1d)を表示する領域と、温度計Bユニット(2)の温度測定量(2d)を表示する領域と、それら2つの温度測定量(1d)(2d)の示す温度量の値を示す目盛り(1f)を示す領域があり、必要に応じて補助情報(5)である冷房情報(5a)窓開け情報(5b)暖房情報(5c)も可能であり、図9ではその表示状態を表わしております。
温度計Aユニット(1)は電子回路の箱またはシート状の形状で構成されるため表示部(9)は遮蔽物(3)に面していない他の面すべてを使うことも可能であり、室内温度と室外温度を表示する温度測定量(1d)(2d)の示す領域は液晶などで構成することも可能であります。
このようにユニットを構成すれば先に説明しました棒状温度計やバイメタル式温度計と同じように遮蔽物(3)の両面の温度を一つの目盛りを挟んで直視して比較できるようにアナログ的な表現で温度比較可能に表示することができます。
図8と図9で示しています電子式温度計は遮蔽物(3)が不透明であっても、温度量送信部(8a)と温度量受信部(8b)の機能が生かされる環境であれば何ら問題なく機能しますので、その設置場所は多くのシチュエーションで使われるものとなります。
また、図8では説明上電源を温度計Bユニット(2)のみに設けて説明しておりますが、温度計Aユニット(1)にも設けて電力送信部(11a)電力受信部(11b)を取り除いても図8の表示方法を実現する上において何ら問題ありません。
先の図4から図7で説明しましたバイメタル式温度計は車の窓での使用も可能と説明していますが、図1から図3の棒状温度計や図8から図9の電子式温度計でも家の室内外だけでなく車の窓でも使用可能でありますし、他のシチュエーションとしては水槽の内外の温度差を測る場合の温度計としても使うことが出来、何らかの遮蔽物(3)を挟んでの温度差を直視的に判読可能に見るために一つの目盛りで2つの温度測定量を比較可能に見たい場所であればいろいろな場面で使うことが可能となります。また、上記棒状温度計と電子式温度計では補助情報(5)も加えて説明をしており、バイメタル式温度計では補助情報(5)の開示は割愛しておりますが、バイメタル式温度計の目盛り部分に補助情報(5)を加えて表記しても何ら問題ありません。また、バイメタル式温度計では目盛りを温度計Aユニット(1)と温度計Bユニット(2)の両方に記載して説明しておりますが、棒状温度計においても温度計Aユニット(1)と温度計Bユニット(2)の両方で温度比較が出来るように目盛りを設けても何ら問題ありませんし、電子式温度計においては温度計Aユニット(1)と温度計Bユニット(2)の両方に表示部を設けて両面から温度比較が出来るような構成にしても何ら問題ありません。
つまり、図1から図9に記載した内容は本願発明の構成を説明するための一実施例であって、これに限定するものではありません。
遮蔽物を通しての内側と外側の温度を直感的に比較したい場所において求められる温度計であり、エコな生活が求められる状況の中で冷暖房機器の操作判断を促す情報提供姿勢の内外温度計。
1=温度計Aユニット
1a=温度計Aのケース
1b=温度測定用ガラス管
1c=温度測定用バイメタル
1d=温度測定量
1e=温度測定針
1f=目盛り
1g=粘着シート
2=温度計Bユニット
2a=温度計Bのケース
2b=温度測定用ガラス管
2c=温度測定用バイメタル
2d=温度測定量
2e=温度測定針
2f=目盛り
2g=粘着シート
3=遮蔽物
4a=位置決め用マグネット
4b=位置決め用金属板
4c=中心軸
5=補助情報
5a=冷房情報
5b=窓開け情報
5c=暖房情報
6=温度センサー
7=マイコン
8a=温度量送信部
8b=温度量受信部
9=表示部
10=電池
11a=電力送信部
11b=電力受信部
12=温度差
13=光
13a=乱反射光
13b=直透過光

Claims (4)

  1. 遮蔽物の両面にバイメタル式温度計の針の回転中心部が略同一軸上に重なる位置となるように
    該各バイメタル式温度計を配置し、
    該バイメタル式温度計の少なくとも何れか片面に設けた目盛りにて
    遮蔽物の両面に設けた該バイメタル式温度計の各測定量を比較可能に提示されるバイメタル式温度計であって、
    該各バイメタル式温度計の針の位置は、それぞれ、該遮蔽物を挟む各バイメタル式温度計の厚さ方向に対して、
    各バイメタル式温度計の厚さ中央より該遮蔽物寄りに寄せた位置に設けられている内外温度計。
  2. 前記遮蔽物の面が光りを乱反射させる凹凸面で構成されている場合には、
    該凹凸面に透明ゲル剤を用いて前記バイメタル式温度計を貼り付けることにより、
    前記遮蔽物の光りの乱反射を少なくして遮蔽物越しの温度測定量を直視可能にする
    請求項1に記載の内外温度計。
  3. 前記遮蔽物を挟んで設ける各バイメタル式温度計の温度量を示す針の色は異なる色とする
    請求項1または2のいずれかに記載の内外温度計。
  4. 前記バイメタル式温度計には前記遮蔽物に設置するために磁気吸着部と粘着部が設けられており、
    前記遮蔽物を挟んで該磁気吸着部で該バイメタル式温度計の設置位置を定め、
    粘着部で該遮蔽物に対する該温度計の接着力を確保する
    請求項1から3のいずれかに記載の内外温度計。
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