JP5193905B2 - 穀類原料からのエタノールの製造方法 - Google Patents

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本発明は、穀類原料からのエタノールの効率的な製造方法、特に、穀類粉末原料からバイオエタノールやアルコール飲料或いはアルコール含有調味料等を製造するに際してのエタノールの生産効率を最大化しつつ、しかも製造工程上支障なく製造するための方法及びそのための原料の調製に関する。
近年、環境問題等からガソリンのような化石燃料の代替燃料としてバイオエタノールの利用が注目を集めている。従来より、バイオエタノールの原料としてはトウモロコシや、サトウキビ等の糖質が用いられてきたが、最近は、未利用バイオマスの有効活用という観点から、木材や紙類或いはワラ類のような農業廃棄物といったようなセルロース系のバイオマス原料の利用が検討されている(特開2006−88136号公報;特開2008−54676号公報;特開2008−260811号公報;特開2008−297229号公報;特開2009−59号公報)。これらのセルロース系のバイオマス原料から、エタノールを製造するには、セルロース系のバイオマス原料を100μm〜200μm以下といったように微粉砕し(特開2008−54676号公報;特開2008−260811号公報;特開2008−297229号公報)、該微粉砕物をセルラーゼ酵素や該酵素を産生する微生物を用いて糖に分解し、該分解物を酵母により発酵してエタノールを製造する方法が採られている。
一方で、アルコール飲料や酒精含有調味料の製造、或いはバイオエタノールの製造において、原料として穀類を用いてエタノール発酵を行うことが行われている。穀類をエタノール発酵の原料として用いる場合に、穀類を粉砕して、穀類粉末原料として用いることが行われている。すなわち、この方法では、穀類を粉砕して水と混合した後、加熱により穀類中のデンプンを糊化した上で、α−アミラーゼによる液化、及び該液化液をグルコアミラーゼなどで処理することで糖化し、酵母が資化できる糖類に分解することが行われている。
エタノール発酵の原料として、穀類粉末を用いるに際して、穀類の粉砕には、ロールミルやハンマーミルなどが使用されるが、その場合の粉砕度としては、例えば、みりんのような酒精含有調味料の製造に際しては、50〜60メッシュ程度の粉砕度のものが用いられている(特開4−258283号公報)。また、該酒精含有調味料の製造に際しては、かかる穀類粉砕物原料の利用率の向上を図るために、穀類の粉砕物の粒度分布を、80メッシュ網下の粒子が75重量%以上とすることも開示されている(特開平10−33157号公報)。
しかしながら、穀類粉砕物を発酵原料として用いる場合には、上記のようにバイオエタノールの製造にセルロース系のバイオマス原料を用いる場合と相違して、穀類に胚乳部分が多く含まれる等の粉砕物の特性のために、そのエタノールの収率を上げるために、穀類の粉砕度を上げると粉砕物の流動性が著しく損なわれ、エタノール製造工程におけるハンドリングに支障を来たす等のエタノール製造工程に悪影響を与えることがわかった。すなわち、穀類粉砕物を発酵原料として用いるエタノール発酵においては、穀類粉砕物の粉砕粒度が粗いと酵素反応の効率が悪く、液化や糖化に時間を要し、その結果、未分解デンプンの発生によるエタノール収率の低下や液化液や糖化液の粘度が高いことによる工程遅延などが発生する。逆に、粉砕粒度が細かすぎると粉砕物の安息角が大きくなり粉砕物の流動性が悪化し、ホッパーなどでのブリッジが発生しやすくなるなど、エタノール製造工程におけるハンドリングに支障を来たす等のエタノール製造工程に悪影響を与える。
したがって、穀類粉砕物を発酵原料として用いるエタノール発酵に際しては、そのエタノール収率の向上のために、穀類粉砕度を上げることを考えても、その製造工程上の問題から、その穀類粉砕物の粉砕度には制約があり、そのエタノール収率にも制約があることが分かった。また、従来、穀類粉砕物の流動性が悪かったりすると、ホッパーの下部コーンの角度を変えるなど、設備面での対応しか行なわれていなかった。穀類粉砕物自体を調整することで流動性を向上させる方法は知られていなかった。
特開4−258283号公報 特開平10−33157号公報 特開2006−88136号公報 特開2008−54676号公報 特開2008−260811号公報 特開2008−297229号公報 特開2009−59号公報
本発明課題は、穀類原料からのエタノールの効率的な製造方法、特に、穀類粉末原料からバイオエタノールやアルコール飲料或いはアルコール含有調味料等を製造するに際してのエタノールの生産効率を最大化しつつ、しかも製造工程上支障なく製造するための方法及びそのための原料を提供することにある。すなわち、本発明の課題は、穀類粉末原料を用いる発酵によるエタノールの製造において、エタノール収率を最大化しつつ、しかも、粉砕物の流動性を良好に保ち、製造工程上支障なく、エタノール生産効率を向上させるための原料穀類を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討する中で、穀類を粉砕し、液化・糖化、酵母発酵によりエタノールを製造する方法において、用いる原料として、粉砕穀類の粉砕粒度分布を、粒径200μm以下の画分の比率が、粉砕穀類の88重量%以上という高粉砕度の粉砕穀類を用いても、粒径1000μm以上の画分の比率を、粉砕穀類の0.5重量%以上であるように調整された原料を用いることにより、粉砕物の流動性を良好に保ち、製造工程上支障なく、そして高いエタノール生産効率を得ることできることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、穀類粉砕物を原料とし、該原料を加熱により糊化した後、液化・糖化、酵母発酵によりエタノールを製造する方法において、用いる穀類粉砕物の粉砕粒度分布が、粒径200μm以下の画分の比率が、粉砕穀類の88重量%以上であり、粒径1000μm以上の画分の比率が、粉砕穀類の0.5重量%以上であることを特徴とする穀類からのエタノールの製造方法からなる。本発明においては、(1)粉砕穀類の粉砕粒度分布を、粒径200μm以下の画分の比率が粉砕穀類の88重量%以上という粉砕度を採用することにより、該粉砕穀類を原料として、糊化、液化、糖化を行った後、発酵を行った場合のエタノール収率を最大化した。そして(2)かかる粉砕粒度分布を有する粉砕穀類において、粒径1000μm以上の画分の比率を、粉砕穀類の0.5%以上であるように調整したものを用いることにより、上記のとおり発酵を行った場合のエタノール収率を最大化した条件を採用しても、粉砕物の流動性を高めることができ、したがって、製造工程上支障をきたすことなく、エタノールの製造を効率的に行うことに成功した。
本発明においては、粉砕穀類の粒径200μm以下の画分は、穀類のデンプン粒を含む胚乳部分を主成分とし、粒径1000μm以上の画分は、穀類の種皮・果皮・穀皮部分を主成分とするものである。本発明において、粉砕穀類の特に好ましい原料として用いられる穀類は、小麦或いは大麦のような麦類が用いられる。本発明において、用いる原料の粉砕穀類の粉砕粒度分布の調整は、粉砕機の粉砕間隙、及び、粉砕回数の調節により行なうことができる。また、本発明において、用いる原料の粉砕穀類の粉砕粒度分布の調整は、篩若しくはスクリーンを用いて分別した画分の配合により行なうことができる。
更に、本発明においては、エタノール製造原料として、小麦粉砕物を原料として、小麦粉砕物を用いることができるが、用いる小麦粉砕物が、粒径200μm以下の画分の比率が、粉砕穀類の88重量%以上であり、水分含率10〜13%の小麦粉砕物において、安息角が40〜48度であるものを用いることにより、エタノール収率を最大化したエタノールの製造方法を提供することができる。ここで、安息角とは、粉粒体を漏斗などから静かに平面状に落下させると円錐状に堆積していくが、この円錐の母線と水平面のなす角をその粉粒体の安息角といい、粉粒体の特性値として用いられているものである。
本発明のエタノールの製造方法は、バイオエタノールやアルコール飲料或いはアルコール含有調味料等の製造におけるアルコール製造に利用され、エタノール収率を最大化したアルコール発酵を達成することができる。
すなわち具体的には本発明は、[1]穀類粉砕物を原料とし、該原料を加熱により糊化した後、液化・糖化、酵母発酵によりエタノールを製造する方法において、用いる穀類粉砕物の粉砕粒度分布が、穀類のデンプン粒を含む胚乳部分を主成分とし、粒径200μm以下の画分の比率が、粉砕穀類の88重量%以上であり、穀類の種皮・果皮・穀皮部分を主成分とし、粒径1000μm以上の画分の比率が、粉砕穀類の0.5重量%以上であることを特徴とする穀類からのエタノールの製造方法や、[2]穀類が、麦類であることを特徴とする上記[記載の穀類からのエタノールの製造方法からなる。
また本発明は、[]穀類粉砕物が、穀類の粉砕に際して、粉砕機の粉砕間隙、及び、粉砕回数の調節により粉砕穀類の粉砕粒度分布を調整することにより調製されたものであることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の穀類からのエタノールの製造方法や、[]穀類粉砕物が、篩若しくはスクリーンを用いて粉砕穀類を分別した画分の配合により、粉砕穀類の粉砕粒度分布の調整を行なったものであることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載の穀類からのエタノールの製造方法や、[]穀類粉砕物が、穀類粉砕物の篩い分け若しくは粒度分布測定装置により粉砕穀類の粉砕粒度分布の測定を行ない、粉砕穀類の粉砕粒度分布の調整を行なったものであることを特徴とする上記[4]に記載の穀類からのエタノールの製造方法や、[]小麦粉砕物を原料とし、該原料を加熱により糊化した後、液化・糖化、酵母発酵によりエタノールを製造する方法において、用いる小麦粉砕物が、小麦のデンプン粒を含む胚乳部分を主成分とし、粒径200μm以下の画分の比率が、粉砕穀類の88重量%以上であり、小麦の穀皮部分を主成分とし、粒径1000μm以上の画分の比率が、小麦粉砕物の0.5重量%以上である小麦粉砕物において、水分含率10〜13%の小麦粉砕物における、安息角が40〜48度であることを特徴とする穀類からのエタノールの製造方法からなる。
本発明は、穀類粉末原料からのバイオエタノールやアルコール飲料或いはアルコール含有調味料等の製造において、エタノール収率を最大化し、エタノール生産効率を向上させた効率的なアルコール発酵方法を提供する。
本発明は、穀類粉砕物を原料とし、該原料を加熱により糊化した後、液化・糖化、酵母発酵によりエタノールを製造する方法において、用いる穀類粉砕物の粉砕粒度分布が、粒径200μm以下の画分の比率が、粉砕穀類の88重量%以上であり、粒径1000μm以上の画分の比率が、粉砕穀類の0.5重量%以上であることを特徴とする穀類からのエタノールの製造方法からなる。
本発明のエタノールの製造方法において原料として用いられる穀類としては、特に、限定されないが、大麦、小麦、らい麦等の麦類、トウモロコシ、モロコシ、粟、稗、コウリャン、マイロ、蕎麦等の雑穀類を挙げることができる。特に、好ましい原料として、大麦、小麦のような麦類を挙げることができる。1000μm<の粉砕物の形状を目視観察したところによれば、フレーク状、平面状、角状で、1〜3平方ミリメートルと、ほぼ均一の形状・大きさをしていることが観察され、該粒子は略全てが小麦の皮であったことから、小麦のように穀皮をもつ、穀類の原料が特に好ましい。
本発明において、穀類の粉砕に用いる粉砕装置としては、ロールミルや、ハンマーミル、カッター等適宜の粉砕装置を用いることができるが、粉砕穀類の粉砕度の調整には、ロールミルが特に好ましい。本発明において、エタノールの製造原料として用いる粉砕穀類の粉砕粒度分布の調整には、粉砕機の粉砕間隙を調節することにより行なうことができるが、粉砕機による穀類の粉砕を複数回行うような粉砕回数の調節により行なうことができる。また、粉砕した穀類を篩若しくはスクリーンを用いて各画分に分別し、分別した画分を配合することにより粉砕穀類の粉砕粒度分布を調整することができる。例えば、ハンマーミルを用いて粉砕穀類の粉砕粒度分布を調整し、その後、篩やスクリーンで分画し、画分を配合するなどの操作を行って粉砕穀類の粉砕粒度分布を調整することができる。
本発明において、粉砕穀類の粉砕粒度分布の測定には、穀類粉砕物の篩い分け若しくは粒度分布測定装置により簡便に行うことができる。すなわち、この方法は、エタノール収率向上の観点から200μm以下の画分の比率が88%以上の粒度分布の条件下において、予め、粉砕穀類の粉砕粒度と安息角との関係を測定しておき、該データを用いて、粉砕した穀類の安息角を測定し、該安息角となるように粉砕穀類の粉砕粒度分布を調整することができる。例えば、粉砕小麦の粉砕粒度分布は、安息角測定粒度分布測定装置を用い、水分含率10〜13%の小麦において、安息角40〜48度になるように、粉砕穀類の粉砕粒度分布を調整することにより行なうことができる。
本発明のエタノールの製造方法は、用いる穀類原料として、特定の粉砕粒度分布に調整した穀類粉砕物を用いる点を除いて、穀類原料の処理、加熱による糊化、液化・糖化、酵母による発酵等、通常のエタノールの製造方法及び製造条件と特に変わるところはない。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は以下の実施例によって限定されるものではない。
<材料と方法>
(材料)
粉砕された小麦6サンプルを使用する。粉砕は、200μm、315μm、1180μmのいずれかに間隙を調整したロールミルで実施した。200μm及び315μmのロール間隙の場合は4回ミルを通過させることで粉砕を行い、1180μmのロール間隙では3回ミルを通過させた。粉砕後、間隙と同じサイズ目開きの篩で篩い分けを行い、篩上に残った画分をふすまとした。各サンプルの特徴は、次の通りである。
[穀類原料]:小麦品種:DNS(外国産ハード);デンプン価:55.5%(as is)。粉砕小麦のサンプル粒度分布を表1に示す。
(方法)
[原料配合]:使用原料量は、ふすまを含むサンプルを200gとし、ふすまを含まないサンプルは200gからふすま分を減らした重量とした。液化処理後の各サンプルの体積を水で同一に調整することで、ふすま分のデンプン含量がエタノール濃度に反映される設定とした。サンプルの原料量(g)及び仕込み水量(ml)を表2に示す。
[液化処理]:液化処理は、糖化槽を使用したバッチ処理で実施した。液化処理前に耐熱性α−アミラーゼ(Novozymes社製Termamyl SC)を原料重量の0.03%添加した。
[液化温度]
50℃(10min)−50→90℃(40min)−90℃(30min)−33℃まで冷却した。
[水分調整]
液化終了後、ふすまを含むサンプルの重量を液化前に重量になるように水を加えて調整し、その体積を測定した。ふすまを含まないサンプルは、ふすまを含むサンプルと同じ体積になるように水で調整した(全てのサンプルの液化後体積は、700mlとなった)。
[発酵処理]
液化後、発酵温度まで冷却したサンプルに酵素剤及び酵母を添加した。また、各サンプルには、4倍希釈した消泡剤(信越化学製食品添加用シリコン)を50μl添加した。酵素剤の添加量を、表3に示す。
[酵母添加量]
焼酎酵母協会3号(SH3)を復水し、酵母濃度が1×10cells/mlになるように添加した。
[発酵温度]
33℃に調整したウォーターバスに発酵容器を入れて発酵を行った。
(結果)
[液化]:液化終了後のBrix及び粘度は次の表4の通りである。Brix値より、ふすま分(特に粒度の細かいふすま)にデンプンが含まれていることが示唆された。また、粒度が粗いほど粘度が高い結果となり、粉砕が細かいほど、酵素の作用が早いことが示された。
[発酵]:発酵は、48時間でほぼ終了した。
[発酵経過]:結果を表5に示す。液化後のBrixの結果と同様、ふすま分にデンプンが含まれていることを示す結果となった。また、粒度分布が粗いほどエタノールの生成量が低いことが明らかになった。
<材料と方法>
(材料)
小麦をロール間隙200μmのミルを4回通過させることで粉砕した。粒度分布及び各粒度分布のデンプン値(as is)は、以下の通りである。
[穀類原料]:小麦品種:DNS(外国産ハード);デンプン価:55.5%(as is)。粉砕小麦のサンプル粒度分布を表6に示す。なお、粉砕前原料中のデンプンの98%が、200μm以下画分に含有される。
(方法)
[サンプル調製]:篩分けにより1000μm以上の画分を分離し、必要量を添加することでサンプルを調製した。本操作による各サンプルの粒度分布を表7に示す。サンプルの水分含率は、赤外線水分計で測定した結果、11.9%であった。
[安息角測定]:サンプルは、長さ100mm、内径10mmのノズル部を持つロートを通して、ロート吐出部から鉛直方向に100mm下部に設置した直径60mmの円盤上に落下させ、生じた堆積物の安息角を測定した。安息角は、各サンプル毎に3回測定し、その平均値を求めた。なお、該安息角の測定において、ロートは、上部(拡径側)内径150mm、下部(咄出側)12mm、高さが115mmである吐出口が円形のものを用いた。
(結果)
結果を表6に示す。1000μm<画分0.7%以上では、安息角の変化がなくなることが確認された。粉砕粒度1000μm以上の画分が0.0%のサンプル1及び0.3%のサンプル2の安息角は同等であるが、粉砕粒度1000μm以上の画分を0.5%含むサンプル3は、安息角が小さい。従って、粉砕粒度1000μm以上の画分を0.5%含むことで流動性が高まることが示された。各粒度分布のデンプン値の分析結果から、粉砕粒度1000μm以上の画分もデンプンを含有している。実施例1の結果から、粉砕粒度1000μm以上の画分の比率を増やすことは、エタノール収率の低下を招く。1000μm以上の画分の比率は0.5%以上であれば流動性が保たれる。0.5〜12%の間でも用いることができるが、エタノールの収率の低下の観点から、0.5〜1.2%が適切である。更に好ましくは、0.5%〜0.7%である。

Claims (6)

  1. 穀類粉砕物を原料とし、該原料を加熱により糊化した後、液化・糖化、酵母発酵によりエタノールを製造する方法において、用いる穀類粉砕物の粉砕粒度分布が、穀類のデンプン粒を含む胚乳部分を主成分とし、粒径200μm以下の画分の比率が、粉砕穀類の88重量%以上であり、穀類の種皮・果皮・穀皮部分を主成分とし、粒径1000μm以上の画分の比率が、粉砕穀類の0.5重量%以上であることを特徴とする穀類からのエタノールの製造方法。
  2. 穀類が、麦類であることを特徴とする請求項1に記載の穀類からのエタノールの製造方法。
  3. 穀類粉砕物が、穀類の粉砕に際して、粉砕機の粉砕間隙、及び、粉砕回数の調節により粉砕穀類の粉砕粒度分布を調整することにより調製されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の穀類からのエタノールの製造方法。
  4. 穀類粉砕物が、篩若しくはスクリーンを用いて粉砕穀類を分別した画分の配合により、粉砕穀類の粉砕粒度分布の調整を行なったものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の穀類からのエタノールの製造方法。
  5. 穀類粉砕物が、穀類粉砕物の篩い分け若しくは粒度分布測定装置により粉砕穀類の粉砕粒度分布の測定を行ない、粉砕穀類の粉砕粒度分布の調整を行なったものであることを特徴とする請求項4に記載の穀類からのエタノールの製造方法。
  6. 小麦粉砕物を原料とし、該原料を加熱により糊化した後、液化・糖化、酵母発酵によりエタノールを製造する方法において、用いる小麦粉砕物が、小麦のデンプン粒を含む胚乳部分を主成分とし、粒径200μm以下の画分の比率が、粉砕穀類の88重量%以上であり、小麦の穀皮部分を主成分とし、粒径1000μm以上の画分の比率が、小麦粉砕物の0.5重量%以上である小麦粉砕物において、水分含率10〜13%の小麦粉砕物における、安息角が40〜48度であることを特徴とする穀類からのエタノールの製造方法。
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