JP5193493B2 - 有機エレクトロルミネッセンス表示装置およびその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス表示装置およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス表示装置(有機EL表示装置)に関わる。
有機エレクトロルミネッセンス表示装置(Organic Electroluminescence Display Device,以下、有機EL表示装置と記す)の一例を、図7及び図8を参照して説明する。図7は、従来の有機EL表示装置の断面構造を模式的に示す。この有機EL表示装置は、主面に複数の画素が二次元的に配置された素子基板(第1基板)301と、この素子基板301の主面に対向する封止キャップ(第2基板)306とを備える。アクティブマトリクス型有機EL表示装置の素子基板301の主面における複数の画素の配置を、その等価回路として図8に示す。複数の画素PXの各々には、発光電源部から電力供給線PL及び基準電位線CLを通して基準電位へ流れる駆動電流により発光する有機EL素子(有機エレクトロルミネッセンス素子の略、発光ダイオード又は発光素子とも記される)OLEと、この電流を制御する2つの能動素子(薄膜トランジスタ)TR1,TR2とが設けられる。能動素子TR1は、走査信号駆動回路から走査信号線GLを通してこれに印加される走査信号で制御されて、映像信号駆動回路から映像信号線DLを通してこれに供給される映像信号を、画素に備えられた容量素子STRに取り込む。能動素子TR2は、容量素子STRに取り込まれ且つ保持された映像信号に応じて、有機EL素子OLEに注入される駆動電流を制御する。これらの素子を各々備えた複数の画素PXは、素子基板301の主面内にて有機EL表示装置の表示領域DISPを成す。パッシブマトリクス型有機EL表示装置において、能動素子TFT1,TFT2や容量素子STRは画素PXに設けられず、走査信号線GLの如く配置された電力供給線PLと、映像信号線DLの如く配置された基準電位線CLとが、有機EL素子OLEの両端に夫々接続される。以下の説明では、複数の画素PXの一つに形成された有機EL素子OLEを、表示領域DISPを成す有機EL表示回路302として代表させる。
有機EL素子には、その素子内部への水分の侵入により、いわゆるダークスポット(非発光部)が発生することがある。これに対し、特許文献1には、封止キャップ(金属製またはガラス製)306の素子基板301に対向する主面に乾燥剤を搭載し、素子基板301の主面において上記表示領域DISPを囲むシール材303で素子基板301と封止キャップ306とを貼り合わせることが開示される。素子基板301の主面、封止キャップ306の主面、及びシール材303に囲まれた空間(以下、封止空間)304で有機EL素子(発光素子ともいう)を封止することによって、有機EL素子内部への水分の侵入が防がれる。図7に示される従来の有機EL表示装置では、封止キャップ306の素子基板301に対向する主面に形成された凹部307にシート状吸湿材305を搭載することにより、素子基板301の主面を封止キャップ306で封止した際のシート状吸湿材305の有機EL表示回路302への接触が防がれる。この表示装置では、有機EL素子(有機EL表示回路302)からの発光(emitted light)308がシート状吸湿材305で遮蔽されるため、当該発光308は素子基板301から有機EL表示装置の外側に出射される。このようにして有機EL素子からの発光308による画像を素子基板301側に表示する有機EL表示装置は、ボトムエミッション型(Bottom Emission type)と呼ばれる。図7に示されたボトムエミッション型の構造では、素子基板301上に形成された他の駆動回路等の配線(例えば、上述した能動素子TR1,TR2や容量素子STR)の遮蔽により、画素PX毎の開口率が制限されるため、高精細化された有機EL表示装置にて、高輝度を得るのが難しい。
有機EL表示回路302の上部に形成する電極を透明化して、有機EL表示装置からの発光308の取り出しを、その電極側から行うことで駆動回路の干渉を回避する技術として、例えば特許文献2記載の技術が知られている。封止キャップ306に代えて透光性を有する平板状の封止キャップを用い、この封止キャップに、透光性と吸湿性を有する有機金属化合物の膜(吸湿材層)を形成して、封止キャップをシール材303により素子基板301に固着することにより、有機EL素子からの発光308は透光性を有する平板状の封止キャップと吸湿材層を通して、有機EL表示装置の外側に出射される。封止キャップに凹部を形成する必要もないため、部材の低コスト化も図られる。
透光性を有する吸湿性物質を含む層(吸湿材層)を封止基板(平板状の封止キャップ)主面の所定の領域に形成する技術は、例えば特許文献3に開示される。特許文献3に開示される手法は、平板状の封止基板上に予め枠体を設け、吸湿性物質を液体の状態(流動を有し且つ滴下可能な状態)で枠体内に滴下することで、この枠体の内側に透光性を有する吸湿材層を形成する。
特開平9−148066号公報 特開2003−142256号公報 特開2005−209633号公報
特許文献2には、上記有機金属化合物として、アルミニウム・オキサイド・オクチレート(aluminum oxide octylate,化学式:(R-CO-O-Al=O)n,R= C7H15)及びその誘導体(R-CO= C6H5,R= C17H35,他)が開示される。本発明者らは、これらの材料を用いて、平板封止基板上における透光性を有する吸湿材層の形成を検討したが、次の課題を見出した。これらの有機金属化合物で吸湿材層を形成する上で、有機金属化合物の溶液を調合し、この溶液を封止基板の主面に塗布せねばならない。しかし、この溶液を、十分な濃度の有機金属化合物を含ませた状態で、吸湿材層形成に好適な粘度に調整することが難しい。アルミニウム・オキサイド・オクチレートやその誘導体は、これが添加された有機溶剤の粘度を高める。このため、有機金属化合物の溶液を封止基板主面の「有機EL表示装置の表示領域」に対向する領域全体に塗布するには、ディスペンサを用い、この領域の部分毎に有機金属化合物の溶液を滴下せねばならず、封止基板の製造のタクトタイムも大幅に伸びる。
一方、この溶液の粘度を希釈により下げたとき、封止基板主面の上記領域に吸湿材層を十分な厚さで形成するには、この希釈溶液で封止基板主面(上記領域)を重ね塗りせねばならない。しかし、有機EL表示装置の量産工程では、「重ね塗り」の間隔を延ばすことは難しく、故に既に塗布された有機金属化合物が次の希釈溶液の塗布で封止基板主面の端部に流されることもある。その結果、吸湿材層の一部がシール材を貫通して、有機EL表示装置の雰囲気(ambient atmosphere,外気)に暴露され、この一部が短時間で吸湿能力の飽和に達して吸湿材としての能力を失うのみならず、斯様な失活領域が封止空間に形成された吸湿材層の残りの部分にもシール材近傍から徐々に拡大する。また、吸湿材層の材料内部からの透湿も相俟って、封止空間を乾燥雰囲気(低水分濃度雰囲気)に維持てすることが困難となる。
特許文献3に倣い、封止基板主面の吸湿材層を形成する領域に予め枠体を設けることは、封止基板の製造工程数の増加と枠体自身の部材コスト加算をもたらす。また、上述した有機金属化合物(吸湿性物質)の希釈溶液に係る問題の解決するには、この枠体を封止基板主面から十分高く形成せねばならない。しかし、素子基板主面に形成される有機EL表示回路(アクティブマトリクス型では薄膜トランジスタ等の駆動回路も含む)は薄いため、素子基板と封止基板との間隔を枠体だけのために広げねばならなくなる。その結果、封止基板主面から素子基板に突き出た枠体が、有機EL表示装置に加わる外力(衝撃)により、素子基板やその主面に形成された配線を損傷する可能性も否めない。
以上、従来の有機EL表示装置に係る問題を、特許文献2に開示された有機金属化合物による吸湿材層の形成を例に述べたが、特許文献3に例示された他の吸湿性物質による吸湿材層の形成でも、同様な問題は生じる。即ち、吸湿性物質を含み又はこれが分散された溶液やスラリー(slurry)が、所定の濃度以上の吸湿性物質を含み得ないためである。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は水分の影響による有機EL素子の劣化を防ぎ得る信頼性の高い有機EL表示装置と、この有機EL表示装置をより簡略かつ安価に製造できる製造方法とを提供することにある。
本発明は、上記した目的を達成するために、以下に例示される有機エレクトロルミネッセンス表示装置及びその製造方法を提供する。
本発明による有機エレクトロルミネセンス表示装置の一つは、発光素子を有する画素部が主面に形成された第1の基板と、吸湿性物質を含む層が主面に形成された第2の基板と、第1の基板の主面と第2の基板の主面とを貼り合せるシール材とを備え、吸湿性物質を含む層は第2の基板の主面にシール材に囲まれて設けられ、第1の基板と第2の基板とは、夫々の主面に挟まれた空間内に画素部と吸湿性物質を含む層とが封じ込められるように、シール材によって固着される。
本発明による有機エレクトロルミネッセンス表示装置の具体例の一つは、発光素子を各々有する複数の画素が形成された第1主面を有する第1基板、第1主面に対向し且つ吸湿性物質を含む層が形成された第2主面を有する第2基板、及び第1主面内で複数の画素が形成された領域を囲み且つ第1基板と第2基板とを貼り合わせて第1主面と第2主面との間に複数の画素を封止するシール材を備え、前記第2主面において、前記吸湿性物質を含む層は、その輪郭が前記シール材の内周と外周との間で当該外周沿いに延在し、且つそのシール材と重なる周縁が当該シール材の外周と離されている。「吸湿性物質を含む層」は、例えば、第2主面(第2の基板)の「シール材の内周で囲まれた全域」と「当該全域の全周(例えば、当該全域を取り囲む枠状領域)」に形成される。第2主面内において、「吸湿性物質を含む層の前記周縁(シール材と重なる輪郭)」は、「シール材の内周で囲まれた前記全域」をその全周に亘って取り囲み、且つ「当該シール材の周縁(例えば、シール材の外周に沿う枠状部分)」で囲まれている。例えば、「吸湿性物質を含む層」の輪郭は、シール材の外周と内周との間を、夫々から離されて延在する。
一方、本発明による有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法の一つは、第1の基板上に発光素子を、第2の基板上に枠状にシール材を夫々形成した後、シール材で囲まれた領域に液状の吸湿性物質を含む組成物を滴下する工程と、この組成物を固化することにより吸湿性物質を含む層を形成する工程と、前記発光素子と前記吸湿性物質を含む層とが第1の基板と第2の基板とに挟まれた空間内に封じ込めるように、第1の基板と第2の基板とをシール材によって固着する工程とを順次行う。
本発明による有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法の具体例の一つは、次のように記される。
発光素子が形成された第1主面を有する第1の基板と、吸湿性物質を含む層が形成された第2主面を有する第2の基板とを、第1主面と該第2主面とで貼り合せる有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法であって、
前記第2の基板の前記第2主面にシール材の前駆体を枠状に形成する第1工程、
前記第2主面の前記シール材の前駆体で囲まれた領域に、前記吸湿性物質を含む液状の組成物を塗布し、前記組成物を乾燥させて前記吸湿性物質を含む層を形成する第2工程、及び
前記第2の基板を、前記第2主面に形成された前記枠状のシール材の前駆体で前記第1主面に形成された前記発光素子を囲みながら前記第1の基板に重ね合わせ、シール材の前駆体を硬化させることにより、シール材で第1の基板と第2の基板とを固着し且つ第1主面と第2主面との間に発光素子と吸湿性物質を含む層とを封じ込める第3工程をこの順に行うことを特徴とする。
発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子,以下、有機EL素子)を各々備えた複数の画素が形成された第1基板の主面に第2基板を対向させて貼り合わせる前に、第2基板の第1基板に対向させられる主面には、シール材(シールの前駆体)が枠状に塗布され、このシール材で囲まれた領域には吸湿性物質を含み又はこれが分散された溶液(含むスラリー)が流し込まれる。この溶液から溶媒(バインダ)を蒸発させる工程で、上記領域における溶液の液面は下がり、この領域全体に吸湿性物質からなる膜(吸湿性物質を含む層,以下、吸湿材層)を薄く且つ十分な密度が形成される。この膜の上面は、溶液の液面により平坦化されるため、吸湿材層の特に有機エレクトロルミネッセンス表示装置(以下、有機EL表示装置)の表示領域(第1基板の主面の上記複数の画素が形成された部分)に対向する部分が均質に形成される。また、シール材は硬化させない状態で、これに含まれる水分がある程度除去される。
第1基板の上記主面と第2基板の上記主面とを対向させて貼り合わせる工程で、シール材は、その硬化によりその第2基板の主面からの高さが縮まり、吸湿材層の周縁部分を覆う。第2基板の主面内にて、吸湿材層の輪郭(外周)は、シール材の内周から当該主面端部に向けて突き出るも、シール材の外周(輪郭)内で終端され、シール材の外周に接することも、これから主面端部に向けて突き出ることもない。換言すれば、シール材と吸湿材層とが接する第1領域が、シール材と第2基板の主面とが接する第2領域に囲まれる。これにより、第1基板と第2基板とシール材とで囲まれた封止空間と有機EL表示装置の雰囲気(外気)とがシール材で絶縁され、この雰囲気中の水分が吸湿材層を介して封止空間内に入ることはない。また、シール材の硬化過程でシール材から放出される微量な水分は、吸湿材層のシール材に覆われる周縁部分(第1領域)に吸収される。封止空間内に位置する吸湿材層(シール材に覆われない領域)は、この上記周縁部分に沿う一部でシール材からの水分を吸収することはあっても、この「第1基板主面の複数の画素が形成された領域」に対向する部分は十分に乾燥された状態に保たれる。従って、封止空間における有機EL表示回路の雰囲気の水分濃度は十分抑えられ、良好に乾燥されるため、画素毎に設けられた有機EL素子の劣化も抑止できる。
さらに、第2基板主面に吸湿性物質を含む溶液の塗布を制御するための枠体の如き構造物を設ける必要もないため、第1基板主面は、その複数の画素が形成された領域とシール材との接合領域との間で、当該構造物に対向しない。従って、有機EL表示装置に加わる外力で、第1基板やその主面に形成された配線が損傷することもない。
上述のとおり、本発明によれば、信頼性の高い有機EL表示装置を、より簡略な製造工程で製造することができる。
以下、本発明の実施形態について、夫々に関連する図面を参照して説明する。但し、本発明は下記実施形態に限定されず、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、その形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施形態に例示される内容に限定して解釈されるものではない。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態を、図1を用いて説明する。図1は有機EL表示装置の断面図である。
素子基板(第1基板)1はガラス基板等の絶縁基板であり、その表面(主面)には薄膜トランジスタ(能動素子、以下、TFTと略称する)等の駆動回路および配線が形成されている。その詳細は、背景技術として、図8を参照して説明したとおりである。
素子基板1の主面上に形成された有機EL表示回路のうち、本発明に関連する要素は発光素子(有機EL素子,Organic EL element)OLEであり、パッシブマトリクス型有機EL表示装置でも同様である。従って、本実施形態では、複数の画素PXの一つに形成された有機EL素子OLE(図1では参照番号5)を、表示領域DISPを成す有機EL表示回路として代表させる。
図1において、有機EL素子(発光素子ともいう)5は、素子基板1の主面上に下部電極2、有機発光層3、及び上部電極4を順次積層して構成される。有機EL素子は、発光ダイオードに類似した機能を有し、その構造は、下部電極2を陰極とし且つ上部電極4を陽極とするものと、下部電極2を陽極とし且つ上部電極4を陰極とするものとに分けられる。いずれの場合も、上部電極4に可視光の高い透過性を有する材料を用いる。上部電極4の形成には、可視光全領域(380nm〜780nmの波長帯域)において、80%以上(好ましくは90%以上)の透過率を示す材料を用いることが望ましい。下部電極2を陰極とし且つ上部電極4を陽極とする有機EL素子5は、素子基板1の主面側から下部電極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/上部電極の順に積層された積層構造を有する。下部電極2を陽極とし且つ上部電極4を陰極とする有機EL素子5は、下部電極/電子注入層/電子輸送層/発光層/正孔輸送層/正孔注入層/上部電極の順に積層された積層構造を有する。ただし、いずれの積層構造においても、電子注入層あるいは正孔注入層、電子輸送層あるいは正孔輸送層が省略されることがある。
下部電極2と上部電極4の間に積層される上記5種類の層の夫々を成す材料を以下に例示する。
電子注入層の材料としては、弗化リチウム,弗化マグネシウム,弗化カルシウム,弗化ストロンチウム,弗化バリウム,酸化マグネシウム,酸化アルミニウム等がある。その形成(成膜)は、真空蒸着法等により行なわれる。
電子輸送層の材料としては、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(tris (8-quinolinol)-aluminum),オキサジアゾール誘導体(oxadiazole derivatives),シロール誘導体(silole derivatives),亜鉛ベンゾチアゾール錯体(benzothiazole zinc complex)等がある。その形成(成膜)は、真空蒸着法等により行なわれる。
発光層は、これを成すホスト材料自体が発光する場合と、ホスト材料に微量に添加されたドーパント材料が発光する場合がある。ホスト材料としては、ジスチリルアリーレン誘導体(di(styryl) arylene derivatives、例えば、DPVBi(1,4-bis (2,2-diphenylvinyl) biphenyl)),骨格にベンゼン環を有するシロール誘導体(例えば、2PSP(1,2-bis (1-methyl-2,3,4,5,-tetraphenylsilacyclopentadienyl) ethane)),トリフェニルアミン構造を両端に有するオキサジアゾール誘導体(例えば、EM2,下記化学式参照),フェナンスレン基を有するペリノン誘導体(perinone derivative with phenanthrene、例えば、P1,下記化学式参照),トリフェニルアミン構造を両端に有するオリゴチオフェン誘導体(oligothiophene derivatives having triphenylamine structures at ends、例えば、BMA−3T,下記化学式参照),ぺリレン誘導体(perylene derivatives、例えば、tBu−PTC,下記化学式参照),トリス(8−キノリノール)アルミニウム,ポリパラフェニレンビニレン誘導体(poly (p-phenylene vinylene) derivatives),ポリチオフェン誘導体(poly-thiophene derivatives),ポリパラフェニレン誘導体(poly-(p-phenylene) derivatives),ポリシラン誘導体(poly-silane derivatives)、ポリアセチレン誘導体(poly-acethylene derivatives)等がある。
Figure 0005193493
また、ドーパント材料としては、キナクリドン(quinacridone),クマリン6(Coumarin 6),ナイルレッド(Nile Red,下記化学式参照),ルブレン(rubrene(5,6,11,12-tetraphenyltetracene),下記化学式参照)、4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(パラ−ジメチルアミノスチリル)−4H−ピラン(4-(di-cyanomethylene)-6-(p-dimethyl aminostyryl )- 2-methyl-4H-pyran,DCMと略す),ジカルバゾール誘導体(di-carbazole derivatives)等がある。
Figure 0005193493
発光層の形成(成膜)は、ホスト材料(単体)の真空蒸着や、ホスト材料とドーパント材料との共蒸着等により行われる。
正孔輸送層の材料としては、N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−N,N′−ジフェニル−[1,1′−ビフェニル]−4,4′ジアミン(N,N’-diphenyl-N,N’-bis (3-methylphenyl)-1,1’-biphenyl-4,4’-diamine,TPDと略す)、4,4′−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(4,4'-bis (N-1-naphthyl)-N-phenylamino) biphenyl,α−NPDと略す)、4,4′,4″−トリ(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(4,4',4''-tris (N-carbazole) triphenyl amine,TCTAと略す)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)フェニルアミノ]ベンゼン(1, 3, 5-Tris[ -(4-diphenylaminophenyl) phenylamino]. benzene,p−DPA−TDABと略す)等がある。その形成(成膜)は、真空蒸着法等により行なわれる。
正孔注入層の材料としては銅フタロシアニン(copper phthalocyanine),スターバーストアミン化合物(starburst amine compounds),ポリアニリン(poly-aniline),ポリチオフェン(poly-thiophene)等がある。スターバーストアミンとは、トリフェニルアミンを基本とした星型の分子構造を有し、その一例(m−MTDATA)を以下に示す。
Figure 0005193493
正孔輸送層の形成(成膜)は、真空蒸着法等により行う。
上記4種類の層の形成方法として、これを単体(1種類)の材料で形成するときには真空蒸着法が、複数の材料の材料で形成するときには共蒸着法が、夫々用いられる。
下部電極2を陰極とし且つ上部電極4を陽極とするとき、下部電極2には電子の注入効率を高める仕事関数の小さな導電膜材料が望ましい。具体的にはアルミニウム、アルミニウム・ネオジウム合金、マグネシウム銀合金等が挙げられる。上部電極4には酸化インジウムを主原料とする酸化物で、ITO(Indium Tin Oxide透、インジウム−錫−酸化物)またはIZO(Indium Zinc Oxide)等の透明導電膜が望ましい。透明導電膜としては、ATO(Antimony Tin Oxide,アンチモン−錫−酸化物)やAZO(Aluminum Zinc Oxide,アルミニウム−亜鉛−酸化物)等の透明な導電性酸化物を用いてもよい。下部電極2及び上部電極4の形成は、スパッタ法、EB蒸着法、イオンプレーティング法等により行われる。
一方、下部電極2を陽極とし且つ上部電極4を陰極とするとき、陽極と陰極に上記と同様な材料を用いるが、トップエミッション型(Top Emission type)の有機EL表示装置の製造において、上部電極4の陰極に透光性を持たせることが必要である。仕事関数の小さな金属材料等の導電膜材料を用いる場合、可視光の透過率が少なくとも80%以上となる厚さまで薄くする。膜厚は、例えば15nm以下に形成する。また、金属材料等の導電膜材料の上部に透明導電膜材料を積層した構造を用いてもよい。
封止基板6には、ガラス基板等の透光性を有する材料からなる基板(板状部材)が用いられる。透過率としては可視光領域において95%以上(好ましくは98%以上)が好適である。また、熱変形によるシール材へのストレスを緩和するために、素子基板1と熱膨張係数が近い材料または素子基板1と同質の材料が好ましい。
吸湿性物質を含む層(以下、吸湿材層7)は、水を吸着する材料(吸湿材)を含み膜状に形成される。吸湿材層7は、後述するシール材(硬化前の前駆体)8で封止基板6の表面(主面)に形成された枠又は閉曲線の内部を、吸湿性物質が溶かされ又は分散された液体(スラリーやゾルも含む)で満たした後、当該液体から溶媒を除去することで形成される。即ち、吸湿性物質は流動可能な状態で封止基板6の表面に塗布された後、封止基板6又はその主面上の液膜が200℃以下の温度で加熱される過程で流動しない膜状になり(乾燥)、かつ可視光に対して高い透光性を示す。
吸湿性物質の具体例として、有機金属錯体化合物、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム等の化学的に吸湿する材料や、ゼオライト(zeolite)等の物理的に吸湿する材料が上げられる。吸湿性物質を含む液体には、吸湿性物質を封止基板6の表面やシール材8と結合させる結合材(例えば、樹脂材料)を添加又は分散させてもよく、また、この液体を吸湿性物質が分散された溶媒(溶剤)として調整してもよい。封止基板6の主面に塗布された吸湿性物質を含む液体は、200℃以下の温度で加熱されることにより、これに含まれる溶媒が除去され、最終的に当該吸湿性物質を含む膜(即ち、吸湿材層7)となる。トップエミッション型の有機EL表示装置においては、画素毎に設けられた有機EL素子からの発光を、その外側に封止基板6の主面を通して出射させるために、吸湿材層7の形成には、透過率は可視光全領域で90%以上(好ましくは95%以上)の材料が好適である。
可視光に対して高い透過率を示す吸湿性物質として、特許文献2に記載のアルミニウム・オキサイド・オクチレート(aluminum oxide octylate,(C7H15-CO-O-Al=O)3)に代表される金属酸化物のアルコキサイド(metal oxide alcoxide)やそのオリゴマ(oligomer)並びに錯体化合物がある。これらの有機材料は、増粘剤(thickener)やゲル化剤(gellant)としての性質も備える。しかし、これを溶かす溶媒の調整により、この有機材料の溶液は、封止基板6の主面における硬化前のシール材8で囲まれた領域全体(以下、シール材8の枠内全域)に塗布される。また、この液膜から溶媒を蒸発させることにより、表示基板1の主面における複数の発光素子が配置された領域(表示基板1における表示領域,例えば図8の領域DISP)に対向する封止基板6の主面の部分に、吸湿材層7が一様に形成される。溶媒は、例えば、オレイン酸(oleic acid,C18H34O2,沸点:195℃)、リモネン(limonene,C10H16,沸点:176℃)、及びキシレン(xylene,C6H4(CH3)2,沸点:144℃)の混合により調整される。
また、シリカゲルによる吸湿材層7の形成では、例えば、エチルシリケート(ethyl silicate)をエチルアルコール(沸点:78.3℃)に溶かせて調整したシリカゾル(silica sol)をシール材8の枠内全域に塗布する。酸化カルシウム(CaO)による吸湿材層7の形成では、例えば、酸化カルシウムをその分散剤であるエポキシ・シクロヘキシル・トリメトキシ・シラン(Epoxy Cyclohexyl Trimethoxy Silane)が添加された無水エタノール(沸点:78℃)に分散し、これに有機バインダ(例えば、ウレタンアクリレート,urethane acrylateの如き樹脂材料)を添加して、シール材8の枠内全域に塗布する。酸化ストロンチウムによる吸湿材層7の形成では、例えば、エタノール及びメタノール(沸点:64.7℃)のいずれか又はこれらを混合してなる溶媒に酸化ストロンチウムを混ぜて、この溶媒をシール材8の枠内全域に塗布する。ゼオライトによる吸湿材層7の形成では、例えば、ゼオライトが分散された脱水トルエン(沸点:110.6℃)をシール材8の枠内全域に塗布する。
上述の例に限らず、また、吸湿性物質の可視光に対する透過率に関わりなく、吸湿性物質をシール材8の枠内全域(封止基板6の主面)に塗布するための液体の調整には、200℃以下の加熱で除去される溶媒が用いられる。従って、シール材は200℃以下の加熱で分解せず且つ硬化しない材料を用いることができ、その選択肢は広がる。
シール材8は、素子基板1の有機EL素子5と封止基板6の吸湿材層7が対向するように配置して、素子基板1と封止基板6を固定するものである。シール材8には球状または円柱状等のスペーサ(不図示)が含まれている。このスペーサにより素子基板1と封止基板6との間隔tが規制されるため、有機EL素子5と吸湿材層6との接触を防止することができる。なお、スペーサの材質は、例えば、炭化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の無機材料や、ポリマ等の樹脂材料がある。
また、シール材8には、200℃以下の加熱で硬化しない光硬化性樹脂を用いる。例えば、有機ポリマと、200℃までの耐熱性のある光反応開始剤との混合物を用いるができる。有機ポリマの材料としては、側鎖アクリル基を有するポリマ、ビニルエーテルポリマ、ハイパーブランチ型(hyperbranch-type)エポキシアクリレートポリマ、ハイパーブランチ型オキセタンメタリレートポリマ、ノボラック型(novolac-type)オキセタンアクリレートポリマ等がある。光反応開始剤としては、光ラジカル重合開始剤等がある。
ハイパーブランチポリマ(hyperbranch polymer)とは、多分岐構造(highly/densely branched structure)を有するデンドリティック高分子(Dendritic polymer)であり、その分子鎖がランダムに分岐することで、これが星状に分岐するデンドリマー(Dendrimer)と異なる。ハイパーブランチ型オキセタンメタリレートポリマは、以下に(3−エチル−3−オキセタニル)メチル・アクリレート((3-ethyl3-oxetanyl) methyl acrylate)として例示されるオキセタンアクリレート(Oxetane acrylate)の重合により形成される。オキセタンアクリレートは、そのオキセタン四員環(four-membered ring of oxetane)の2位と3位(白抜きの矢印で指示)の炭素間での開環により、その2位の炭素が、他のオキセタンアクリレートの3位の炭素と結合して重合される。以下に例示されるハイパーブランチ構造では、この結合が点線で示される。
Figure 0005193493
しかし、オキセタンメタリレートポリマの末端のオキセタンアクリレートや分子鎖を成すオキセタンアクリレートの一部は、そのビニル基(vinyl)を成していた炭素(黒矢印で指示)に他のオキセタンアクリレートが結合している。これにより、オキセタンメタリレートポリマの分子鎖は分岐し、ハイパーブランチ構造を呈する。一方、分子鎖を分岐させないオキセタンメタリレートには、アクリル基(acryl,点線枠で囲まれた部分)やビニル基が残る。従って、ハイパーブランチ型オキセタンメタリレートポリマは、その側鎖にアクリル基やビニル基を有する。
ノボラック型オキセタンアクリレートポリマの一例を以下に示す。このオキセタンメタリレートポリマも、その側鎖にアクリル基やビニル基を有する。
Figure 0005193493
光反応開始剤としては、例えば、アセトフェノン型光開始剤が用いられ、その一例として、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(4-(2-hydroxyethoxy)phenyl-(2-hydroxy-2-propyl) ketone)の分子構造を以下に示す。
Figure 0005193493
なお、吸湿材層7の乾燥温度を超えていれば、シール材8の硬化開始温度は200℃にこだわる必要がなく、それより低温の材料でも問題はない。
吸湿材層7の乾燥温度より高い硬化開始温度を有するシール材(シール材の前駆体)8を用いることで、吸湿材層7の形成(塗布・乾燥)前にシール材8(硬化前の状態、例えばシール材の前駆体)を封止基板6上に予め形成してあっても、吸湿材層7の形成(乾燥)後、シール材8は柔軟性と接着性を損失しない。従って、封止基板6を素子基板1に貼り合せる後段の工程にて、このシール材8を硬化させることにより、素子基板1と封止基板6とが固着される。また、吸湿材層7の形成領域を、シール材8により規定できるため、吸湿材層7の形成領域を規定する枠体を、封止基板6の主面にシール材8とは別に設ける必要がない。また、素子基板1と封止基板6を固着するとき、シール材8は硬化反応に伴い若干流動して、その一部が吸着材層7と重なる。従って、シール材8の硬化反応時に、シール材組成物に因り脱離する水分や,硬化前のシール材(例えばシール材の前駆体)8に残留していた水分は、その一部に接触した吸湿材層7に効率よく吸湿される。
本実施形態では、吸湿材層および封止基板は透光性を有するため、これらが素子基板1の主面に形成された有機EL素子の全領域を覆うように配置されても、有機EL素子からの発光は、これらで遮蔽されない。また、素子基板1と封止基板6とで封止される空間の広範囲に吸着材層が形成できるため、有機EL素子5の雰囲気は十分に除湿される。
上述した如く、本発明によれば、有機EL表示装置の封止空間からその外側に出射される光(有機EL素子5の発光)の輝度を低下させることなく、封止空間の広範囲に吸湿性物質が設けられる。このため、吸湿性物質の十分な吸湿効果により、封止空間に配置された有機EL素子の劣化が防止され、その結果、有機EL表示装置の寿命は長くなる。また、この有機EL表示装置は、複雑な製作工程も必要としない。従って、信頼性の高い有機EL表示装置が、簡略な製造工程で且つ高い歩留まりで製造できる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る有機EL表示装置及びその製造方法を、図2乃至図5を用いて説明する。
アクティブマトリクス型有機EL表示装置の素子基板101上に画素毎に形成される有機EL素子について、図2乃至図3を用いて説明する。
図2(a)〜(b)には、画素の一つ(以下、画素部)に設けられる駆動回路と下部電極102および画素分離膜の製造工程を説明するための断面図が示される。
ここでは、駆動回路に低温ポリシリコンTFT回路を取り上げて説明する。この低温ポリシリコンTFT回路は、液晶パネルに用いられているTFT回路と同様な工程により製造可能であるため、その作製における半導体層へのイオン打ち込み、半導体層の活性化アニール等、液晶パネルの製造にて公知の工程は、以下の説明にて省略される。
素子基板101は、絶縁表面を有する基板であり、例えば、ガラス基板、石英基板、シリコン基板等が用いられる。
図2(a)に示すように、素子基板101の一方の面(主面)に、バリア膜として、例えば窒化ケイ素(SiN)及び炭化ケイ素(SiO)からなる下層絶縁膜131をCVD法(化学気相成長法)等により堆積する。さらに、この下層絶縁膜131上に適当な膜厚(例えば約50nm)のアモルファスシリコン膜(非晶質半導体膜)132をCVD法により堆積する。
その後、このアモルファスシリコン膜132の、各画素の駆動回路を形成すべき領域をエキシマレーザ照射法等によって改質する。さらに、図2(b)に示すように、改質後のシリコン膜(例えば、多結晶膜)132’を、予め定めた形状にエッチングしてから、シリコン膜132’上にゲート絶縁膜(不図示)、ゲート配線133、ソース・ドレイン配線134、層間絶縁膜135及びパシベーション膜136を形成する。これにより、各画素部にそれぞれ所定数(例えば2〜5個)の低温ポリシリコンTFT回路が形成される。改質されたシリコン膜132’のソース・ドレイン配線134に夫々接続された両端の間はチャネルとも記され、ゲート配線133からゲート絶縁膜を介してチャネルに印加される電界により、チャネルにおける電荷の流れが制御される。低温ポリシリコンTFTは、シリコン膜132’、ゲート絶縁膜、ゲート配線133、及びソース・ドレイン配線134を備えた電界効果型トランジスタ(薄膜トランジスタ)の1種で、そのチャネルは低温プロセスで改質された半導体層から成る。図8に示す等価回路を参照すれば、低温ポリシリコンTFTは能動素子TR2に、各画素部は画素PXに、複数の画素部がマトリックス状に配置された素子基板101の主面の領域は表示領域DISPに、夫々対応する。能動素子TR1は、図2(b)に示された低温ポリシリコンTFTと概ね同じ構造を有する。
次に、スパッタリングや蒸着法等により、各画素部の低温ポリシリコンTFT回路上に、下部電極102を形成する。
下部電極102は、アルミニウム、アルミニウム−ネオジウム合金、マグネシウム−銀合金等の金属膜や、これらの金属膜とITOやIZOの透明導電膜とを積層した積層膜のいずれかで形成される。トップエミッション型の有機EL表示装置では、有機発光層の発光光を有効に利用するために、下部電極102は可視光を反射する材料で形成され、または可視光を反射し易い構造を有することが好ましい。下部電極102のパターンは、その材料膜の公知のフォトリソグラフ(レジストの塗布、露光および現像)を用いたエッチングにより形成される。
その後、各画素部の発光領域を分離するための絶縁性の隔壁(以下、画素分離膜)138を隣り合う下部電極102の間に形成する。画素分離膜138は、素子基板101の一方の面全体に塗布された感光性の絶縁樹脂(ポリイミドやアクリル等)の露光および現像によって形成されてもよく、スパッタまたは蒸着で素子基板の一方の面全体に形成された無機物の絶縁膜のエッチングによって形成されてもよい。
次に素子基板101上に、有機EL素子105を形成する。図3は素子基板101上に形成する有機EL素子105の断面構成を示す。図3では、図2の低温ポリシリコンTFT回路を省略して、下部電極102と画素分離バンク138より上部側を示している。画素分離膜138で各々囲まれた有機EL素子105は、図8に示す有機EL素子OLEに対応し、その3つの断面の並設(juxtaposition)は表示基板101の主面に形成された表示領域DISP(表示基板1の主面上)の断面に対応する。アクティブマトリクス型有機EL表示装置の画素部に各々配置される能動素子TR1,TR2及び容量素子STR(所謂、駆動回路の要素)は、図3において省略される。
下部電極102の上面の周縁は画素分離膜138の端部に覆われているため、この上面には画素分離膜138の開口部が形成される。下部電極102上の画素分離膜138の開口部内に、有機発光層103がシャドウマスク等を用いた蒸着法等により選択的に形成された後、この有機発光層103上に上部電極104が蒸着法やスパッタ法等により形成される。
有機EL素子105は、下部電極102と有機発光層103と上部電極104により構成される。本実施形態に例示される有機EL素子105も、下部電極102を陰極とし且つ上部電極104を陽極とする構造、及び下部電極102を陽極とし且つ上部電極104を陰極とする構造のいずれかを有する。トップエミッション型の有機EL表示装置に備えられる有機EL素子105は、その構造に関わらず、可視光に対して高い透過性を示す材料で形成された上部電極104を有する。有機EL素子105の構造及び材料は、例えば、第1実施形態に記される。
本実施形態の有機EL表示装置の一例において、これに設けられる有機EL素子105は、次のように作製される。下部電極102は、スパッタリングにより形成されたアルミニウム(Al)の膜(厚さ:100nm)を、フォトリソおよびエッチングでパターニングして成形される。図2(b)に示される駆動回路を画素毎に備えたアクティブマトリクス型有機EL表示装置において、アルミニウム膜はパシベーション膜136上に形成され、そのパターニングにより画素毎に分けられた下部電極102は、パシベーション膜136の開口を通して、ソース・ドレイン配線134の一つに接続される。次に感光性のアクリル樹脂で下部電極102を覆い、このアクリル樹脂を露光し且つ現像して、画素分離膜138に成形する。画素分離膜138は、例えば隣接し合う下部電極102の間で、下部電極102の下地層(図2(b)では、パシベーション膜136)の上面を覆う。さらに、画素分離膜138の開口部で露出された下部電極102の上面に、シャドウマスクを用いた蒸着法により、電子注入層としてLiF膜を厚さ0.5nmで、電子輸送層としてトリス(8−キノリノール)アルミニウム(以下Alqと略記)を厚さ20nmで、順次形成する。
電子輸送層上には、ホスト材料としてAlqを、ドーパント材料としてキナクリドンを夫々含む発光層が形成される。複数の材料を用いた成膜工程には、共蒸着法が適用される。従って、発光層は、Alqとキナクリドンのシャドウマスクを通した電子輸送層上への共蒸着により、Alqとキナクリドンの共蒸着膜(膜厚:20nm)として形成される。
発光層上には、シャドウマスクを用いた蒸着法により、正孔輸送層として4、4−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアルミノ]ビフェニル膜(以下、α−NPD膜と略記)が厚さ50nmで、正孔注入層として銅フタロシアニンが厚さ50nmで、順次形成される。正孔注入層上には、シャドウマスクを用いたスパッタ法により、上部電極104として、IZOが厚さ100nmで形成される。なお、ここで挙げた各層の材料およびこれらの積層構成等は、一例であり、本実施形態における有機EL素子の構造を限定するものではない。全ての画素の発光層を同じ材料又はその組み合せで形成すれば単色のアクティブパネルが得られ、赤、青、緑の発光層材料をシャドウマスク等で選択された画素群毎に夫々蒸着すれば、カラーパネルが得られる。
一方、封止基板201の表面(素子基板101に対向する主面)のシール材202により封止される領域(以下、吸湿材層形成面201A)には、図4(a)〜(c)に示す手順で、吸湿材層203Bが形成される。
図4(a)に示すように、封止基板201の主面には、吸湿材層形成面201Aの周縁を囲む枠状のシール材202が形成される。図4(a)に示されるシール材202は、硬化される前の状態にあり、その構造物はシール材の前駆体を含む材料から成ると記されることもある。封止基板201の主面にて、吸湿材層形成面201Aは、連続的に延在し又は閉曲線を成すシール材202で囲まれた領域とも規定される。
封止基板201には、ガラス基板や石英基板等に代表される透光性を有する材料から成る基板(板状部材)が用いられる。特にトップエミッション型の有機EL表示装置において、封止基板201は、可視光領域において95%以上(好ましくは98%以上)の透過率を示す材料で形成されていることが好ましい。また、素子基板101と封止基板201の熱膨張により、これらを固着するシール材202に加わるストレスを小さくするために、封止基板201は、素子基板101との線膨張係数の差が小さい材料、または素子基板101と同質の材料から成ることが好ましい。
シール材202には、200℃以下の加熱で硬化しない光硬化性樹脂を用いる。例えば、有機ポリマと、200℃までの耐熱性のある光反応開始剤との混合物を用いるができる。有機ポリマの材料としては、側鎖アクリル基を有するポリマ、ビニルエーテルポリマ、ハイパーブランチ型エポキシアクリレートポリマ、ハイパーブランチ型オキセタンメタリレートポリマ、ノボラック型オキセタンアクリレートポリマ等が例示される。光反応開始剤として、例えば、光ラジカル重合開始剤等が用いられる。
また、シール材202には球状または円柱状等のスペーサ(不図示)が含まれている。スペーサの材質は、炭化ケイ素、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の無機材料や、ポリマ等の樹脂材料がある。大きさは、直径15〜50μmが好ましい。
シール材202は、ディスペンサ方式やスクリーン印刷方式等の公知の手段により、極力水分濃度の低い乾燥雰囲気(例えば露点−85℃の窒素雰囲気)内で、封止基板201の主面に塗布される。封止基板201の主面の単位面積に対するシール材(例えば、その前駆体を含む材料)の塗布量(供給量)は、この主面に塗布されたシール材(硬化前の状態)の厚さが60〜120μm(好ましくは80〜100μm)の範囲に留まるように調整するとよい。
次に図4(b)に示すように、シール材202の内側(吸湿材層形成面201A内)に、吸湿材溶液203Aを塗布する。
吸湿材溶液203Aは、水を吸着する材料(吸湿材、又はその前駆体)を含み、流動可能な状態を呈する限り、ゾルやスラリーとして調製されてもよい。また、吸湿材溶液203Aは、吸湿材層形成面201Aに塗布された後、200℃以下(好ましくは150℃以下)の温度で加熱されて吸湿材層形成面201A上に流動しない膜を形成し、且つこの膜に透光性を付与する材料を含む。吸湿材溶液203Aは、第1実施形態で挙げた有機金属錯体化合物、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム等の化学的に吸湿する材料やゼオライト等の物理的に吸湿する材料を、例えば結合材等とともに溶媒中に分散して調製される。
吸湿材溶液203Aの吸湿材層形成面201Aへの塗布は、ディスペンサ方式やスクリーン印刷方式、滴下方式、インクジェット方式の公知の手法により、極力水分濃度の低い乾燥雰囲気(例えば露点−85℃の窒素雰囲気)内で行う。吸湿材溶液203Aは、溶液状態でも吸湿して粘度等が変化し塗布が不安定になることがあり、また、塗布中も周囲の水分を吸着するため、極力水分の少ない雰囲気中で取り扱う方がよい。また、吸湿材溶液203Aは、シール材202を乗り越えない(吸湿材層形成面201Aの外側に漏れない)ように吸湿材層形成面201A内に塗布される。シール材202と吸湿材料溶液203Aとが撥液関係(repelling each other)にあれば、吸湿材料溶液203Aの塗布時に、そのシール材202の乗り越えを抑制しやすくなる。また、吸湿材料溶液203Aの溶媒としては、シール材202を溶解しないものが好ましい。
次に図4(c)に示すように、シール材202Aの内側に塗布した吸湿材溶液203Aを乾燥して、吸湿材層203Bを形成する。
吸湿材溶液203Aの乾燥は、極力水分濃度の低い乾燥雰囲気(例えば露点−85℃の窒素雰囲気)内で、200℃以下の加熱により行う。
加熱手段としては、ホットプレートや加熱オーブン等がある。加熱は常温から乾燥温度まで昇温して、乾燥温度で保持し、冷却してもよいし、あらかじめ乾燥温度に装置を維持しておき、その環境に投入した後に冷却してもよい。なお、ここに記される吸湿材料溶液203Aの乾燥とは、吸着材料溶液203Aの液膜の流動が認められない、言わば当該液膜が吸湿材層203Bに変化したと判断されるときに完了され、その時点で、吸湿材層203Bが吸湿材料として機能する状態であればよい。
吸湿材層203Bの膜厚は、有機EL素子との接触を防ぐために、シール材202に含有するスペーサの大きさにより決定する。スペーサとしては、例えば、大きさ15〜50μmを用いる場合、吸湿材層203Bの膜厚としては、スペーサの大きさより少なくとも10μmは小さく形成する。また、スペーサを大きくしたとき、シール材自体による透湿量も多くなるため、シール材で規定される封止空間の低水分濃度維持の観点から、吸湿材層203Bの膜厚も厚くする方がよい。
吸湿材層203Bの可視光透過率は、可視光全領域において90%以上、好ましくは95%以上にするとよい。なお、吸湿材溶液203Aに透光性を付与しなくとも、乾燥後、吸湿材層203Bとなった状態で透光性を付与する吸湿材料であれば、本実施形態による有機EL表示装置の作製に用いることが可能である。
吸湿材料溶液203Aの乾燥温度を、シール材202の硬化開始温度よりも低くすることで、吸湿材料溶液203Aの乾燥が完了した段階(図4(c))でも、シール材202は固化せずに、柔軟性と接着性を有する。従って、シール材202は素子基板101と封止基板201とを貼り合せる段階(後述)で硬化され、これらに挟まれた空間を封止する封止材としての役割を果たすことができる。
次に図5(a)に示すように、有機EL素子105(素子基板1上の表示領域)と吸湿材層203Bとが対向するように、素子基板101と封止基板201とを重ね合わせる。その後、図5(b)に示すように、シール材含有のスペーサ(図示せず)の大きさまで、シール材202の高さが小さくなるように素子基板と101と封止基板201を近づけた状態で、紫外光を照射してシール材202を硬化する。
素子基板101と封止基板201とを、相互のずれを抑え且つ精度良く重ね合わせるには、アライメント機構を有する貼り合わせ装置を用いるのが好ましい。また、貼り合わせ装置には、素子基板101と封止基板201の位置合わせ後に、基板の間隔を平行に保ちながら近づけてシール材を両方の基板に接触させる機構と、シール材接触後に加圧する機構と、その状態を維持して紫外線を照射する機構を有するのが好ましい。また、重ね合わせを行う空間に充填する気体は、水分を極力取り除いた乾燥窒素雰囲気等が好ましく、さらにこの空間の圧力調整ができるものが良い。さらに、素子基板101と封止基板201は、それぞれの主面に構成要素(有機EL素子105や吸湿材層203B)が形成された後、これらの貼り合わせ作業を行う装置まで水分を極力取り除いた不活性雰囲気(例えば乾燥窒素等)を通過させ、望ましくは大気に接触させないように取り扱うとよい。
封止基板201上のシール材202が素子基板101に接触した初期の段階(重ね合わせ直後と称する)では、シール材202(硬化前)の高さは、シール材に含有しているスペーサの高さより大きい。このとき、封止基板201の主面において、吸湿材層203Bは、その輪郭(contour)の全てが封止基板201の主面に接するシール材202の内側の輪郭(inner contour)に接するような、単一の膜を成しているとよい。以下、素子基板101と封止基板201とが重ね合わされながら有機EL表示装置として完成されない構造体を、便宜的にパネルと記す。
この状態から、加圧等により封止基板201と素子基板101の間隔をさらに近づけ、スペーサの高さまでシール材202の厚さを小さくする(図5(b))と、シール材202は枠状に形成されているため、これに囲まれた封止空間121の圧力は、重ね合わせ直後(図5(a))の封止空間121の圧力より高くなる。これにより、シール材202に対して、パネル内部(封止空間121)から外側に向かう圧力がかかる。この圧力が大きくなり過ぎると、シール材202は封止空間121からその外側に向けて破断されて、封止空間121をパネルの雰囲気に開放する。
そのため、スペーサの高さまでシール材202の厚さが小さくなった状態で、封止空間の圧力が、大気圧と同等になるように、重ね合わせ前の封止作業を行う装置内の圧力を、大気圧より低くするとよい。なお、有機EL表示装置の使用環境をほぼ大気圧と想定すると、シール材202の厚さをスペーサの高さまで小さくした段階で、封止空間121の圧力が大気圧より極めて低いとき、素子基板101と封止基板201が近づくように変形して有機EL素子105と吸湿材層203Bとが接触する可能性がある。また、この段階で封止空間121の圧力が極めて高いとき、シール材202を引きはがそうとする力が働き、シール材121の接着力(adhesion)を不安定にし、封止空間の低水分雰囲気維持に支障をきたす可能性がある。例えば、大きさが25μmのスペーサを含むシール材(硬化前、例えば、シール材の前駆体)を用い、重ね合わせ直後のシール材の高さが80μmのとき、重ね合わせ前の封止作業を行う装置内の圧力を約32kPaとすることで、シール材の厚みがスペーサの大きさ(25μm)まで小さくしたときの封止空間121内の圧力をほぼ大気圧(101kPa)に調整できる。
また、シール材202は、その厚みがスペーサの大きさまで小さくなるように圧縮されたとき、その流動により、その一部が吸着材層7の周縁上に延びる。従って、硬化直前のシール材は、その内周の輪郭に沿う部分で、吸湿材層203Bの上面に接する。シール材202の硬化反応時に、シール材202(又はその前駆体)の組成物に起因し且つ当該シール材202から脱離する水分と、硬化反応前からシール材202に残留していた水分は、シール材202に接触した吸湿材層203B(その周縁)で効率よく積極的に吸湿される。
シール材202を紫外光で照射して硬化させる工程では、有機EL素子105(特に、その材料)の紫外光照射による劣化を防止するために、シール材202を選択的に紫外光で照射することが好ましい。また、シール材202を紫外光で照射するとき、紫外光の素子基板の配線や回路による遮蔽を避けるために、紫外光は封止基板202側からシール材202に入射させることが望ましい。また、シール材202は、紫外光により硬化反応が開始し、その後、70℃程度の加熱により硬化を促進する材料でも、紫外光だけで硬化する材料どちらも用いることができる。また、シール材202は、より水分の透湿量の少ない材料で形成することが好ましい。
以上の工程により、有機EL表示装置が完成する。
このように、本実施の形態に係る製造工程によれば、吸湿材溶液203Aの塗布領域を規定する仕切り壁として機能し、かつ吸着材溶液203Aの硬化後も基板間を固定するための接着材として機能するシール材202により、素子基板101と封止基板201との間の空間(121)が封止できるため、吸湿材層203Bがシール材202を貫通して封止空間121の外側に突き出ることはなく、封止空間121に配置された有機EL素子105の劣化が防がれる。また、封止基板201上に吸湿材層203Bの形成領域を規定する枠状部材を別途設ける必要もないため、有機EL表示装置の製造工程の簡略化も図れる。
また、本実施形態の吸湿材層203Bおよび封止基板201は透光性を有するため、これらを有機EL素子の全領域を覆うように配置しても、有機EL素子からの発光は殆んど遮蔽されない。
また、封止空間121内の広範囲に吸着材層203Bが形成されるため、有機EL素子105の雰囲気は十分に吸湿される。この吸湿効果を確認するために、本実施の形態に係る製造工程により製造された有機EL表示装置を、温度85℃、湿度85%の恒温槽に放置し、有機EL素子105におけるダークスポット(非発光領域)の成長を調べた。ダークスポットは、完全な円形で成長するとは限らないため、その外形が最も大きくなるように測定してダークスポットの大きさと定義した。即ち、ダークスポットの大きさは、その輪郭の外接円として評価される。初期に大きさ2μmのダークスポットについて、その経時的な変化を観察したところ、500時間経過後で10μmまでしか成長しなかった。ダークスポットの大きさが、15μm以下(好ましくは10μm以下)であれば、有機EL表示装置の表示画面において、目視では確認できず、その実用上の問題はない。従って、本実施形態に係る製造工程により製造された有機EL表示装置が、実用的に信頼性を満足することが確認された。
以上、本発明により、封止空間から有機EL素子の発光を取り出す(出射させる)効率を低下させることなく、且つ封止空間内の広範囲に吸湿性物質が設けられた有機EL表示装置が作製され、その吸湿性物質の十分な吸湿効果による有機EL素子の劣化の抑止により、その表示画像の輝度が末永く保たれる。また、この有機EL表示装置は、複雑な製作工程も必要としない。従って、信頼性の高い有機EL表示装置を簡略な製造工程で製造することができる。
<第3実施形態>
本実施形態では、有機発光素子の発光を素子基板側から取り出す所謂ボトムエミッション型の有機EL表示装置の一例を、図6を参照して説明する。本実施の形態の有機EL表示装置は、実施の形態1の図1を用いた有機EL表示装置と比べて、素子基板、封止基板、吸湿材層、および有機EL素子の構造で若干相違する。
本実施形態で説明される有機EL表示装置は、封止基板510及びその主面に形成された吸着材層507Bを通して有機EL素子(有機発光素子)505の発光を取り出さないため、吸湿材層507Bに透光性を付与する必要はなく、その形成に用いる材料の選択肢も広がる。従って、吸収材層507Bの形成には、第1実施形態に例示された材料の他に、200℃以下の温度で流動性のない膜となる透光性の低い材料も用いることができる。封止基板510の主面上に吸着剤層507Bを形成する工程は、第2実施形態で説明したそれと同様である。
一方、素子基板501上に形成された有機EL素子505の構造は、その発光層からの発光を素子基板501の主面から有機EL表示装置の外側に出射させるために、素子基板501には、ガラス基板のような、透光性を有し且つ絶縁表面を有する材料から成る基板(板状部材)を用いる。下部電極502も有機EL素子の発光層からの発光を透過させるために、透明な導電材料で形成される必要があり、例えば、ITOやIZOからなる陽極として形成される。このとき、上部電極504は陰極として機能させるため、仕事関数の小さな導電膜材料で形成されることが望ましい。上部電極504の形成に用いる具体的な材料として、アルミニウム、アルミニウム−ネオジウム合金、マグネシウム−銀合金等が挙げられる。また、上部電極504は有機EL素子の発光効率をあげるために、可視光を反射するものが好ましい。下部電極502を陽極とし且つその上部電極504を陰極として構成される有機EL素子505は、下部電極502と上部電極504との間に、下部電極502/電子注入層/電子輸送層/発光層/正孔輸送層/正孔注入層/上部電極504を順次積層してなる積層構造を有する。ただし、上記積層構造において、電子注入層あるいは正孔注入層、電子輸送層あるいは正孔輸送層が省略されることもある。また、下部電極502と上部電極504との間に挿入される上記5種類の層は、例えば、実施形態1で夫々に例示された材料で形成される。
有機EL素子505の製造工程の一例は、次のように記される。例えば、下部電極502として、スパッタリング法等によりITO膜が膜厚100nmで形成される。下部電極502上には、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層の順に各層が積層される。各層の材料、成膜条件、膜厚は、第2実施形態において、図4を参照して説明したように選ばれる。例えば、正孔注入層として、蒸着法により銅フタロシアニンが膜厚50nmで形成される。正孔輸送層として、蒸着法により4、4−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアルミノ]ビフェニル膜(以下、α−NPD膜と略記)が膜厚50nmで形成される。発光層として、共蒸着法によりAlqとキナクリドンの共蒸着膜が、膜厚20nmで形成される。電子輸送層として、蒸着法によりトリス(8−キノリノール)アルミニウム(以下Alqと略記)が膜厚20nmで形成される。電子注入層として、蒸着法によりLiF膜が膜厚0.5nmで形成される。
電子注入層上には、上部電極504として、シャドウマスクを用いたEB蒸着法等により、アルミニウム(Al)が膜厚100nmで形成される。
次に素子基板501と封止基板205を重ね合わせ、これらに挟まれた空間を封止する。封止条件及びその工程は、第2実施形態において、図5(a)〜(b)を参照して説明したとおりである。第1実施形態及び第2実施形態と同様に、本実施形態においても、シール材506(硬化前)は、スペーサの大きさまで厚みを小さくした際に流動して、その一部(内周沿いの部分)が吸着材層507B(その周縁)の上部へ延びる。従って、シール材506の内周に沿う縁は、吸着材層507Bの周縁の上面に接する。シール材506の硬化反応時に、シール材507Bからこの組成物に起因して脱離する水分と、硬化反応前からシール材506に残留していた水分とは、これに接触した吸湿材層507Bで効率よく吸湿される。
以上の工程により、透光性を有する素子基板501側から有機発光素子505の発光508を取り出すボトムエミッション型の有機EL表示パネルが完成する。
本実施形態に係る製造工程によれば、素子基板501側から有機発光素子505の発光を取り出すように構成された有機EL表示装置においても、封止基板510の主面(素子基板501に対向する)に吸収材層を形成し又はシート状の乾燥剤を収納するための凹部を設ける必要はなく、有機EL表示装置の製造工程の簡略化が図られる。
また、吸湿材層507Bの形成領域を規定する仕切り壁として機能し、かつ吸湿材層507Bの乾燥後も基板間を固定するための接着材として機能するシール材506により、素子基板501と封止基板510との間の空間を封止できるため、吸湿材層507Bがシール材506Bを貫通して封止空間の外側に延びて、有機EL表示装置の雰囲気に曝されることはなくなる。また、封止基板510の主面上に吸湿材層507Bの形成領域を規定する枠状部材を別途の設ける必要もないため、有機EL表示装置の製造工程の簡略化が図られる。
以上、本実施形態でも、有機EL素子505が配置された封止空間の広範囲に吸湿性物質が設けられた有機EL表示装置が提供され、その吸湿性物質の十分な吸湿効果により、有機EL素子の劣化は防止される。また、本実施形態に係る有機EL表示装置も複雑な製作工程も必要としない。従って、信頼性の高い有機EL表示装置が簡略な製造工程で製造できる。
本発明は、表示輝度が長期間に亘り維持される有機EL表示装置を、製造工程を煩雑にすることなく、量産せしめる。また、本発明は、有機EL表示装置のみならず、これが実装される民生電子機器の安定且つ廉価で供給する。例えば、本発明に係る有機EL表示装置が搭載された民生電子機器の一例として、デジタル・カメラ(DSC)が図9に示される。このデジタル・カメラにおいて、本発明による有機EL表示装置は、撮影画像を確認するためのモニタ(ファインダ)として組み込まれる。また、本発明による有機EL表示装置は、デジタル・ビデオカメラ、携帯電話、パーソナル・コンピュータ等、画像を表示するためのモニタを備えた電子機器であれば、どれにも実装可能である。
なお、本発明は、上記の構成に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱することなく、種々の変更が可能であることはいうまでもない。
本実施の形態に係る有機EL表示装置の断面図である。 本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の駆動回路と下部電極と画素分離膜の製造工程を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の有機EL素子の製造工程を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の封止基板の製造工程を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る有機EL表示装置の封止工程を説明するための図である。 本実施の形態に係る有機EL表示装置の断面図である。 従来の表示装置の構成を説明するための断面図である。 有機EL表示装置の素子基板に形成される複数の画素配置を説明するための等価回路図である。 本発明の実施の一形態に係る電子機器(デジタルカメラ)の外観図である。
符号の説明
1…素子基板、2…下部電極、3…有機発光素子、4…上部電極、5…有機EL素子、6…封止基板、7…吸湿材層、8…シール材、101…素子基板、102…下部電極、103…有機発光層、104…上部電極、105…有機EL素子、121…封止空間、201…封止基板、201A…吸湿材層形成面、202…シール材、203A…吸湿材溶液、203B…吸湿材層、121…封止空間、301…素子基板、302…有機EL表示回路、303…シール材、304…封止空間、305…シート状吸湿材、306…封止キャップ、307…凹部、308…発光光、501…素子基板、502…下部電極、503…有機発光素子、504…上部電極、505…有機EL素子、506…シール材、507B…吸湿材層、508…発光光、601…モニタ。

Claims (15)

  1. 発光素子が形成された第1主面を有する第1の基板と、吸湿性物質を含む層が形成された第2主面を有する第2の基板とを、該第1主面と該第2主面とで貼り合せる有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法であって、
    前記第2の基板の前記第2主面にシール材の前駆体を枠状に形成する第1工程、
    前記第2主面の前記シール材の前駆体で囲まれた領域に、前記吸湿性物質を含む液状の組成物を塗布し、前記組成物を乾燥させて前記吸湿性物質を含む層を形成する第2工程、
    及び
    前記第2の基板を、前記第2主面に形成された前記枠状のシール材の前駆体で前記第1主面に形成された前記発光素子を囲みながら前記第1の基板に重ね合わせ、該シール材の前駆体を圧縮して、前記吸湿性物質を含む層の周縁上に該シール材の前駆体が延びた状態で該シール材の前駆体を硬化させることにより、該シール材の内周の輪郭に沿う部分において前記吸湿性物質を含む層の上面に接する該シール材で該第1の基板と該第2の基板とを固着し且つ該第1主面と該第2主面との間に該発光素子と該吸湿性物質を含む層とを封じ込める第3工程をこの順に行い、
    前記第3工程によって、前記第2主面において、前記吸湿性物質を含む層が、その輪郭が前記シール材の内周と外周との間で該外周沿いに延在し、且つその該シール材と重なる周縁が該シール材の外周と離されるように形成されることにより、前記吸湿性物質を含む層が前記シール材と重なる周縁を、前記シール材と前記第2基板との間で該シール材および該第2基板にそれぞれ接するように設けることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  2. 請求項において、前記組成物を加熱することで固化し、前記吸湿性物質を含む層を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  3. 請求項において、前記組成物を200℃以下の温度で加熱することで固化し、前記吸湿性物質を含む層を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  4. 請求項において、前記組成物を、不活性気体雰囲気中で塗布することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  5. 請求項において、前記シール材は、200℃以下の加熱によって柔軟性と接着性を損失しないことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  6. 請求項において、前記シール材は、紫外光硬化性樹脂からなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  7. 請求項において、前記シール材が、有機ポリマと光反応開始剤との混合物からなることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  8. 請求項において、前記有機ポリマが、側鎖アクリル基を有するポリマであることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  9. 請求項において、前記有機ポリマが、ビニルエーテルポリマであることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  10. 請求項において、前記有機ポリマが、ハイパーブランチ型エポキシアクリレートポリマであることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  11. 請求項において、前記有機ポリマが、ハイパーブランチ型オキセタンメタリレートポリマであることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  12. 請求項において、前記有機ポリマが、ノボラック型オキセタンアクリレートポリマであることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  13. 請求項において、前記光反応開始剤が、光ラジカル重合開始剤であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  14. 請求項において、前記シール材は、紫外光の照射により固化することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
  15. 請求項において、前記シール材は、紫外光の照射により硬化が開始し、その後の加熱により固化することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法。
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