JP5193321B2 - レーザー彫刻用樹脂組成物、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、並びに、レリーフ印刷版及びその製版方法 - Google Patents

レーザー彫刻用樹脂組成物、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、並びに、レリーフ印刷版及びその製版方法 Download PDF

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Description

本発明は、レーザー彫刻用樹脂組成物、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、並びに、レリーフ印刷版及びその製版方法に関する。
レリーフ形成層をレーザーにより直接彫刻し製版する、いわゆる「直彫りCTP方式」が多く提案されている。この方式では、フレキソ原版に直接レーザーを照射し、光熱変換で熱分解及び揮発を生じさせ、凹部を形成する。直彫りCTP方式は、原画フィルムを用いたレリーフ形成と異なり、自由にレリーフ形状を制御することができる。このため、抜き文字の如き画像を形成する場合、その領域を他の領域よりも深く彫刻する、又は、微細網点画像では、印圧に対する抵抗を考慮し、ショルダーをつけた彫刻をする、なども可能である。この方式に用いられるレーザーは高出力の炭酸ガスレーザーが用いられることが一般的である。炭酸ガスレーザーの場合、全ての有機化合物が照射エネルギーを吸収して熱に変換できる。一方、安価で小型の半導体レーザーが開発されてきているが、これらは可視及び近赤外光であるため、該レーザー光を吸収して熱に変換することが必要となる。
また、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版としては、特許文献1〜3に記載されたものが知られている。
特開2010−100048号公報 特開2009−262370号公報 国際公開第2005/070691号
本発明の目的は、レーザー彫刻感度、リンス性、着肉性、耐刷性及び剥離耐性に優れるレリーフ印刷版を得ることができるレーザー彫刻用樹脂組成物、前記レーザー彫刻用樹脂組成物を用いたレリーフ印刷版原版、それを用いたレリーフ印刷版の製版方法、及び、それにより得られたレリーフ印刷版を提供することである。
本発明の上記課題は以下の<1>、<13>、<16>及び<18>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<12>、<14>、<15>、<17>及び<19>とともに以下に記載する。
<1> (成分A)式(I)で表される基、及び、式(II)で表される基を有し、かつ、数平均分子量が5,000以上50万以下である樹脂を含有することを特徴とするレーザー彫刻用樹脂組成物、
Figure 0005193321
(式(I)及び(II)中、Xは−S−又は−N(R0)−を表し、R0は水素原子又はアルキル基を表し、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は二価の連結基を表し、R3はそれぞれ独立してアルコキシ基、ハロゲン原子又は炭素数1〜30のアルキル基を表す。ただし、R3の少なくとも1つはアルコキシ基又はハロゲン原子である。)
<2> 前記成分A中の式(I)で表される基と式(II)で表される基の官能基平均数比((I)/(II))が0.1以上4以下である、<1>に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<3> 前記成分A中の式(I)で表される基と式(II)で表される基の官能基平均数比((I)/(II))が0.3以上1.5以下である、<1>又は<2>に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<4> 前記成分A中の式(I)で表される基と式(II)で表される基の官能基平均数比((I)/(II))が0.4以上1.0以下である、<1>〜<3>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<5> 前記成分Aが、カーボネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂及びエステル樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも一種類の樹脂である、<1>〜<4>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<6> (成分B)シリカ粒子を更に含有する、<1>〜<5>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<7> 前記成分Bの数平均粒子径が0.01μm以上10μm以下である、<6>に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<8> (成分C)アルコール交換反応触媒を更に含有する、<1>〜<7>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<9> (成分D)ラジカル重合開始剤を更に含有する、<1>〜<8>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<10> (成分E)重量平均分子量が5,000未満の重合性不飽和基を有する化合物を更に含有する、<1>〜<9>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<11> (成分F)重量平均分子量が5,000未満の加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物を更に含有する、<1>〜<10>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<12> (成分G)700〜1,300nmの波長の光を吸収可能な光熱変換剤を更に含有する、<1>〜<11>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物、
<13> 支持体上に、<1>〜<12>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を備えるレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、
<14> 前記レリーフ形成層が光及び/又は熱により架橋されている、<13>に記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、
<15> 前記レリーフ形成層が熱により架橋されている、<13>に記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版、
<16> (1)<1>〜<12>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレーザー彫刻用樹脂組成物層を形成する工程、(2)該レーザー彫刻用樹脂組成物層を光及び/又は熱により架橋して、架橋されたレリーフ形成層を形成する工程、及び、(3)架橋されたレリーフ形成層をレーザー彫刻してレリーフ層を形成する工程、をこの順に有することを特徴とするレリーフ印刷版の製版方法、
<17> 前記工程(2)が、前記レリーフ形成層を熱により架橋する工程である、<16>に記載のレリーフ印刷版の製版方法、
<18> <16>又は<17>に記載の製版方法により製造された、レリーフ層を有するレリーフ印刷版、
<19> 前記レリーフ層の厚みが、0.05mm以上10mm以下である、<18>に記載のレリーフ印刷版。
本発明によれば、レーザー彫刻感度、リンス性、着肉性、耐刷性及び剥離耐性に優れるレリーフ印刷版を得ることができるレーザー彫刻用樹脂組成物、前記レーザー彫刻用樹脂組成物を用いたレリーフ印刷版原版、それを用いたレリーフ印刷版の製版方法、及び、それにより得られたレリーフ印刷版を提供することができた。
以下、本発明について詳細に説明する。
(レーザー彫刻用樹脂組成物)
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」ともいう。)は、下記式(I)で表される基、及び、下記式(II)で表される基を有し、かつ、数平均分子量が5,000以上50万以下である樹脂を含有することを特徴とする。
Figure 0005193321
(式(I)及び(II)中、Xは−S−又は−N(R0)−を表し、R0は水素原子又はアルキル基を表し、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は二価の連結基を表し、R3はそれぞれ独立してアルコキシ基、ハロゲン原子又は炭素数1〜30のアルキル基を表す。ただし、R3の少なくとも1つはアルコキシ基又はハロゲン原子である。)
なお、本発明において、数値範囲を表す「下限〜上限」の記載は、「下限以上、上限以下」を表し、「上限〜下限」の記載は、「上限以下、下限以上」を表す。すなわち、上限及び下限を含む数値範囲を表す。
また、本発明において、「(メタ)アクリル基」は、アクリル基及び/又はメタクリル基を意味する。(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸等についても同様である。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、レーザー彫刻が施されるレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版(以下、レリーフ印刷版原版、又は、印刷版原版ともいう。)のレリーフ形成層用途以外にも、特に限定なく、他の用途にも広範囲に適用することができる。例えば、以下に詳述する凸状のレリーフ形成をレーザー彫刻により行う印刷版原版のレリーフ形成層のみならず、表面に凹凸や開口部を形成する他の材形、例えば、凹版、孔版、スタンプ等、レーザー彫刻により画像形成される各種印刷版や各種成形体の形成に適用することができる。
中でも、適切な支持体上に設けられるレリーフ形成層の形成に適用することが好ましい態様である。
本発明の樹脂組成物において、成分Aを使用することにおける推定される作用機構を以下に記載する。
成分A中に式(I)で表される基(アクリレート基、又は、メタクリレート基)が存在することによって、重合性不飽和二重結合による架橋と、式(II)で表される基が有する加水分解性シラノール基との架橋の双方が形成され、高い架橋密度が得られる。その結果、膜物性が向上し、耐剥離性が向上するとともに、リンス性も向上すると考えられる。
また、後述するように、成分Aにおいて、ポリマー化した後に式(I)で表される基、及び、式(II)で表される基を導入可能であり、ポリウレタンやポリエステルなどのように重合時に水酸基を有する単量体を使用する場合や、酸性又は塩基性官能基を有する単量体と共重合させるような場合であっても、容易に式(I)で表される基及び式(II)で表される基を導入することができる。
以下、本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物に含有される成分について説明する。
(成分A)式(I)で表される基、及び、式(II)で表される基を有し、かつ、数平均分子量が5,000以上50万以下である樹脂
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、(成分A)式(I)で表される基、及び、式(II)で表される基を有し、かつ、数平均分子量が5,000以上50万以下である樹脂(バインダーポリマー)(以下、成分Aともいう。)を含有する。
Figure 0005193321
(式(I)及び(II)中、Xは−S−又は−N(R0)−を表し、R0は水素原子又はアルキル基を表し、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は二価の連結基を表し、R3はそれぞれ独立してアルコキシ基、ハロゲン原子又は炭素数1〜30のアルキル基を表す。ただし、R3の少なくとも1つはアルコキシ基又はハロゲン原子である。)
前記式(I)及び式(II)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、水素原子であることがより好ましい。
前記式(II)中、Xは、−S−又は−N(R0)−を表し、R0は水素原子又はアルキル基を表す。R0が表すアルキル基は、炭素数1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4であることがより好ましく、炭素数1〜3であることが更に好ましく、メチル基又はエチル基であることが特に好ましい。R0は、水素原子、メチル基又はエチル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることがより好ましく、水素原子であることが更に好ましい。
前記Xは、−S−又は−NH−であることが好ましく、−S−であることが最も好ましい。
前記式(II)中、R2は二価の連結基を表す。R2は、二価の炭化水素基、又は、炭化水素基及びエーテル結合又はアミノ結合を組み合わせた二価の基であることが好ましく、二価の炭化水素基、ポリ(アルキレンオキシ)基、又は、ポリ(アルキレンオキシ)アルキル基であることがより好ましい。また、前記二価の連結基の炭素原子数は、1〜60であることが好ましく、1〜40であることがより好ましく、炭素数1〜8のアルキレン基であることが更に好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基であることが特に好ましい。
式(II)中、3つ存在するR3はそれぞれ独立してアルコキシ基、ハロゲン原子又は炭素数1〜30のアルキル基を表す。ただし、R3の少なくとも1つはアルコキシ基又はハロゲン原子である。
3がアルコキシ基である場合、炭素数1〜15のアルコキシ基であることが好ましく、炭素数1〜8のアルコキシ基であることがより好ましく、炭素数1〜4のアルコキシ基であることが更に好ましく、エトキシ基又はメトキシ基であることが特に好ましい。
3がハロゲン原子である場合、ハロゲン原子としてはF原子、Cl原子、Br原子、I原子が例示されるが、Cl原子又はBr原子であることが好ましく、Cl原子であることがより好ましい。
3がアルキル基である場合、R3は炭素数1〜30のアルキル基であり、炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜8のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜3のアルキル基であることが更に好ましい。
3のうち、少なくとも1つはアルコキシ基又はハロゲン原子であり、少なくとも2つがアルコキシ基又はハロゲン原子であることが好ましく、3つがアルコキシ基又はハロゲン原子であることが更に好ましく、3つがアルコキシ基であることが最も好ましい。すなわち、−Si(R33は、トリアルコキシシリル基であることが特に好ましい。
成分Aの数平均分子量は5,000以上50万以下である。数平均分子量が5,000未満であると、レリーフ印刷版原版及びレリーフ印刷版の強度が低下するため繰り返しの使用に対する耐久性に劣る。また、数平均分子量が50万を超えると、レリーフ印刷用樹脂組成物からレリーフ形成層を作製する際に粘度が過度に上昇し、レリーフ印刷版原版及びレリーフ印刷版を作製することが困難である。
数平均分子量は、5,000以上30万以下であることが好ましく、15,000以上20万以下であることがより好ましく、3万以上10万以下であることが更に好ましい。
なお、本発明における数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定し、分子量既知のポリスチレンで検量し換算した値である。
成分Aとしては、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレア樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ヒドロキシエチレン単位を含む親水性ポリマー、アクリル樹脂、アセタール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマーなどが例示できる。これらの中でも、印刷で用いられるエステル系溶剤を含有するインキ洗浄剤や炭化水素系溶剤を含有するインキ洗浄剤に対する耐溶剤性の観点から、カーボネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂及びエステル樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも一種類の樹脂であることが好ましい。
なお、カーボネート樹脂とはカーボネート結合を有する樹脂であり、ウレタン樹脂とはウレタン結合を有する樹脂であり、アクリル樹脂とは(メタ)アクリル酸又はそのエステルに由来する単量体単位を有する樹脂であり、エステル樹脂とはエステル結合を有する樹脂である。
成分Aを製造する方法としては、特に限定はなく、公知の方法を用いることができる。一例としては、カーボネート結合、エステル結合を有し、かつ、ヒドロキシ基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシ基、酸無水物基、ケトン性カルボニル基(>C=O)、ヒドラジン残基、イソシアナト基、イソチオシアナト基、環状カーボネート残基、アルコキシカルボニル基等の反応性基を複数有する数千程度の分子量の化合物と、上記反応性基と結合し得る官能基を複数有する化合物(例えば、水酸基やアミノ基等を有するポリイソシアネート等)を反応させ、分子量の調節及び分子末端の結合性基への変換等を行った後、この末端結合性基と反応し得る官能基と式(I)で表される基((メタ)アクリロイルオキシ)基を有する有機化合物とを反応させて末端に式(I)で表される基を導入し、その後、導入された(メタ)アクリロイルオキシ基の一部に、メルカプタン類又はアミン類をマイケル付加させて、式(II)で表される基に変換する方法等を用いることができる。
本発明において、成分Aは、上述のように、ポリマーの末端に式(I)で表される基((メタ)アクリロイルオキシ基)を導入した後、式(I)で表される基の一部に対して付加反応させることによって、式(II)で表される基に変換することが好ましい。このように、二段階で式(II)で表される基に含まれるシラノール基を導入することによって、重合時に水酸基を有する樹脂や、酸又は塩基性官能基を有する単量体単位を有する樹脂に対しても、容易にシラノール基を導入することが可能である。また、式(I)で表される基の一部を残存させることにより、レリーフ印刷版原版に重合性不飽和結合に基づく架橋を導入することができる。
成分A中の式(I)で表される基と式(II)で表される基の官能基平均数比((I)/(II))は、0.1以上4以下であるであることが好ましい。前記範囲内であると、不飽和二重結合及びシラノール基に基づく架橋の導入により、耐刷性、剥離耐性に優れる印刷版を得ることができる。
前記官能基平均数比((I)/(II))は、0.3以上1.5以下であることがより好ましく、0.4以上1.0以下であることが更に好ましい。
官能基平均数比は、式(I)で表される基に対して、付加反応させる化合物の量を制御することにより調整することができる。
前記官能基平均数比は、NMRによって測定される。すなわち、式(II)で表される基に変換前の式(I)で表される基に基づく重合性不飽和基の平均数、及び、式(II)で表される基に変換後の式(I)で表される基に基づく重合性不飽和基の平均数をそれぞれ測定する。変換率は、以下の式で与えられる。
変換率={1−(変換後重合性不飽和基の平均数/変換前重合性不飽和基の平均数)}×100
また、官能基平均数比((I)/(II))は、以下の式で与えられる。
官能基平均数比((I)/(II))=変換後重合性不飽和基の平均数/(変換前重合性不飽和基の平均数−変換後重合性不飽和基の平均数)
本発明において、式(I)で表される基を式(II)で表される基に変換するために使用される前記メルカプタン類としては、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン(KBM−802、信越化学工業(株)製)、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(KBM−803、信越化学工業(株)製)、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン(KBE−803、信越化学工業(株)製)が例示できる。
また、本発明において、式(I)で表される基を式(II)で表される基に変換するために使用される前記アミン類としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM−903、信越化学工業(株))、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(KBE−903、信越化学工業(株))、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(KBM−602、信越化学工業(株))、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM−603、信越化学工業(株))、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン(KBE−603、信越化学工業(株))が例示できる。
成分Aの製造に用いられるカーボネート結合を有する化合物としては、例えば、4,6−ポリアルキレンカーボネートジオール、8,9−ポリアルキレンカーボネートジオール、5,6−ポリアルキレンカーボネートジオール等の脂肪族ポリカーボネートジオール等を挙げることができる。また、芳香環を分子内に有する脂肪族ポリカーボネートジオールを用いてもよい。
これらの化合物の末端のヒドロキシ基に、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物、トリフェニルメタントリイソシアネート、1−メチルベンゼン−2,4,6−トリイソシアネート、ナフタリン−1,3,7−トリイソシアネート、ビフェニル−2,4,4’−トリイソシアネート等のトリイソシアネート化合物を縮合反応させることにより、ウレタン結合を導入するとともに、高分子量化させることができる。更に、末端のヒドロキシ基又はイソシアナト基を、式(I)で表される基を導入するために用いることもできる。
成分Aの製造に用いられるエステル結合を有する化合物としては、例えば、アジピン酸、フタル酸、マロン酸、コハク酸、イタコン酸、シュウ酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等のジカルボン酸化合物と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、ピナコール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール等の分子内に2個以上のヒドロキシ基を有する化合物とを縮合反応させて得られるポリエステル類、ポリカプロラクトン等のポリエステル類等を挙げることができる。これらの化合物の末端のヒドロキシ基又はカルボキシ基にジイソシアネート化合物を縮合反応させることにより、ウレタン結合を導入するとともに、高分子量化させることができる。更に、末端のヒドロキシ基、カルボキシ基又はイソシアナト基を、式(I)で表される基を導入するために用いることもできる。
成分Aは、シロキサン結合を有することが好ましい。
シロキサン結合とはケイ素(Si)と酸素(O)とが交互に結合した分子構造を意味する。
前記シロキサン結合を有する樹脂における主鎖及び/又は側鎖は、下記平均組成式(1)で表されるシリコーン化合物を含むことが好ましい。
prsSiO(4-p-r-s)/2 (1)
式(1)中、Rは、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基若しくはアリール基で置換された炭素数1〜30(置換前の炭素数)のアルキル基、ハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基、カルボキシ基又はその塩を含む一価の基、スルホ基又はその塩を含む一価の基、及び、ポリオキシアルキレン基よりなる群から選ばれた1種又は2種以上の炭化水素基を表し、
Q及びXはそれぞれ独立に、水素原子、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜30のアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基若しくはアリール基で置換された炭素数1〜30のアルキル基、ハロゲン原子で置換されている炭素数6〜20のアリール基、炭素数2〜30のアルコキシカルボニル基、カルボキシ基又はその塩を含む一価の基、スルホ基又はその塩を含む一価の基、及び、ポリオキシアルキレン基よりなる群から選ばれた1種又は2種以上の炭化水素基を表し、p、r及びsは、0<p<4、0≦r<4、0≦s<4、及び、(p+r+s)<4を満たす数である。
シロキサン結合を有する樹脂を製造するために用いることができるシロキサン結合を有する化合物としては、例えば、シリコーンオイルが挙げられる。
シリコーンオイルとしてはジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等の低粘度から高粘度のオルガノポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン等の環状シロキサン、高重合度のガム状ジメチルポリシロキサン、ガム状のジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等のシリコーンゴム、及び、シリコーンゴムの環状シロキサン溶液、トリメチルシロキシケイ酸、トリメチルシロキシケイ酸の環状シロキサン溶液、ステアロキシリコーン等の高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーンなどが挙げられる。
これらシリコーンオイルの中でも、反応性を有するシリコーンオイルが好ましい。例としてモノアミン変性シリコーンオイル、ジアミン変性シリコーンオイル、特殊アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、脂環式エポキシ変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、ハイドロジェン変性シリコーンオイル、アミノ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、エポキシ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、エポキシ・アラルキル変性シリコーンオイル、反応性シリコーンオイルシリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、シラノール変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、側鎖アミノ・両末端メトキシ変性シリコーンオイル、ジオール変性シリコーンオイルが挙げられる。これら反応性を有するシリコーンオイルを用いることで、樹脂へのシロキサン結合の導入が容易となる。
シロキサン結合を樹脂の主鎖部分へ導入するならば、反応性を有するシリコーンオイルの中でも両末端変性シリコーンオイルが好ましい。例として両末端アミノ変性シリコーンオイル、両末端エポキシ変性シリコーンオイル、両末端脂環式エポキシ変性シリコーンオイル、両末端カルビノール変性シリコーンオイル、両末端メタクリル変性シリコーンオイル、両末端ポリエーテル変性シリコーンオイル、両末端メルカプト変性シリコーンオイル、両末端カルボキシ変性シリコーンオイル、両末端フェノール変性シリコーンオイル、両末端シラノール変性シリコーンオイルが挙げられる。
シロキサン結合を樹脂の側鎖部分へ導入する場合、反応性を有するシリコーンオイルの中でも片末端変性シリコーンオイルや側鎖変性シリコーンオイルが好ましい。例えば、片末端ジオール変性シリコーンオイル、側鎖モノアミン変性シリコーンオイル、側鎖ジアミン変性シリコーンオイル、側鎖エポキシ変性シリコーンオイル、側鎖カルビノール変性シリコーンオイル、側鎖カルボキシ変性シリコーンオイル、側鎖アミノ・ポリエーテル変性シリコーンオイル、側鎖エポキシポリエーテル変性シリコーンオイル、側鎖エポキシ・アラルキル変性シリコーンオイルなどが挙げられる。
反応性を有するシリコーンオイルの中でも、反応性、臭いや刺激性などの取扱い性の観点から、両末端カルビノール変性シリコーンオイルや片末端ジオール変性シリコーンオイルが好ましい。
成分Aの20℃における粘度は、10Pa・s以上10kPa・s以下が好ましく、30Pa・s以上7kPa・s以下がより好ましく、50Pa・s以上5kPa・s以下が更に好ましい。粘度が10Pa・s以上であると、印刷版原版にしたときの機械的強度が良好であり、また、粘度が10kPa・s以下であると、常温でも変形し易く、他の組成物との混合や印刷版原版の形成が容易となる。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物中における成分Aの含有量は、特に制限されないが、全固形分に対して、2〜80重量%の範囲であることが好ましく、5〜70重量%の範囲であることがより好ましく、10〜60重量%であることが最も好ましい。
本発明のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版のレリーフ形成層中における成分Aの含有量は、20〜100重量%であることが好ましく、30〜100重量%であることがより好ましく、50〜95重量%であることが更に好ましい。
(成分B)シリカ粒子
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、(成分B)シリカ粒子を含有することが好ましい。
本発明において、前記シリカ粒子は、数平均粒子径が、0.01μm以上10μm以下であることが好ましい。数平均粒子径が上記範囲であればべとつきを低減でき、印刷版原版の表面粗さへの影響が少なく、印刷画像に欠損が生じることなくレーザー彫刻によりパターン形成が可能である。また、シリカ粒子は、多孔質微粒子又は無孔質超微粒子であることが好ましい。
成分Bの数平均粒子径は、0.01μm〜10μmであることが好ましく、0.5μm〜8μmであることがより好ましく、1μm〜5μmであることが更に好ましい。
ここで、粒子の数平均粒子径は、顕微鏡観察により測定した長径の値の平均値をいう。具体的には、顕微鏡の視野に少なくとも50個程度の粒子が入るように倍率を調整し、該粒子の長径を測長する。測長機能を有する顕微鏡を用いることが好ましいが、カメラを用いて撮影した写真を基に寸法を測ってもよい。
<多孔質微粒子>
多孔質微粒子とは粒子中に細孔容積が0.1ml/g以上の微小細孔を有する微粒子、又は、微小な空隙を有する微粒子と定義する。多孔質微粒子を含有することでレリーフ形成層表面を所望の表面粗さにする際に加工が容易となる。該加工の例として切削、研削や研摩などが挙げられる。多孔質微粒子により所望の表面粗さにする際の加工中に生じるカスなどのべとつきが低減し、レリーフ形成層表面を精密に加工することが容易となる。
多孔質微粒子は比表面積が10m2/g以上1,500m2/g以下、平均細孔径が1nm以上1,000nm以下、細孔容積が0.1ml/g以上10ml/g以下、吸油量が10ml/100g以上2,000ml/100g以下であることが好ましい。比表面積は−196℃における窒素の吸着等温線からBET式に基づいて求められる。また細孔容積及び平均細孔径の測定には、窒素吸着法を用いる。吸油量の測定は、JIS−K5101にて行う。多孔質微粒子の比表面積が上記範囲内であれば、例えば印刷原版にレーザーによる彫刻にて画像部を形成する場合に、除去した分解物を吸収するのに好適である。
多孔質微粒子の数平均粒子径は0.01μm以上10μm以下であることが好ましい。より好ましくは0.5μm以上8μm以下、更に好ましくは1μm以上5μm以下である。数平均粒子径が上記範囲であれば、切削、研削、研磨工程においてべとつきを低減でき、印刷原版の表面粗さへの影響が少なく、印刷画像に欠損が生じることなくレーザー彫刻によりパターン形成が可能である。
多孔質微粒子の形状は特に限定するものではなく、球状、扁平状、針状、無定形、又は、表面に突起のある粒子などを使用することができる。特に耐磨耗性の観点からは、少なくとも70%の粒子の真球度が0.5から1の範囲の球状粒子であることが好ましい。
多孔質微粒子の球状度合を規定する指標として、真球度を定義する。本実施の形態における真球度とは、多孔質微粒子を投影した場合に投影図形内に完全に入る円の最大値D1の、投影図形が完全に入る円の最小値D2の比(D1/D2)で定義する。真球の場合、真球度は1.0となる。好ましい多孔質微粒子の真球度は0.5以上1.0以下、より好ましくは0.7以上1.0以下である。0.5以上であれば、印刷版としての耐磨耗性が良好である。真球度1.0は、真球度の上限値である。多孔質微粒子としては、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上の多孔質微粒子の真球度が0.5以上である。真球度を測定する方法としては、走査型電子顕微鏡を用いて撮影した写真を基に測定する方法を用いることができる。その際、少なくとも100個以上の粒子がモニター画面に入る倍率において写真撮影を行うことが好ましい。また、写真を基に前記D1及びD2を測定するが、写真をスキャナー等のデジタル化する装置を用いて処理し、その後画像解析ソフトウェアを用いてデータ処理することが好ましい。
また、粒子の内部が空洞になっている粒子やシリカスポンジ等の均一な細孔径を有する球状顆粒体などを使用することも可能である。特に限定するものではないが、例えば、多孔質シリカ、メソポーラスシリカ、シリカ−ジルコニア多孔質ゲル、ポーラスアルミナ、多孔質ガラス等を挙げることができる。また、層状粘土化合物のように、層間に数nmから数百nmの空隙が存在するものについては、細孔径を定義できないため、本実施の形態においては層間に存在する空隙の間隔を細孔径と定義する。
更に多孔質微粒子の表面をシランカップリンング剤、チタンカップリング剤、その他の有機化合物で被覆し表面改質処理を行い、より親水性化又は疎水性化した粒子を用いることもできる。これらの多孔質微粒子は1種類もしくは2種類以上のものを選択できる。
<無孔質超微粒子>
本実施の形態における無孔質超微粒子とは、細孔容積が0.1ml/g未満の粒子と定義する。無孔質超微粒子の数平均粒子径は、1次粒子を対象とする数平均粒子径であり、10nm以上500nm以下が好ましい。より好ましくは10nm以上100nm以下である。この範囲であれば、切削、研削、研磨工程においてべとつきを低減でき、レリーフ印刷版原版の表面粗さへの影響が少なく、印刷画像に欠損が生じることなくレーザー彫刻によりパターン形成が可能である。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物中における成分Bの含有量は、特に制限されないが、全固形分に対して、1〜30重量%の範囲であることが好ましく、3〜20重量%の範囲であることがより好ましく、5〜15重量%であることが最も好ましい。
成分Bの含有量が上記範囲内であると、印刷版原版の表面粗さへの影響が少なく、印刷画像に欠損が生じることなくべとつきを低減できるので好ましい。
(成分C)アルコール交換反応触媒
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、(成分C)アルコール交換反応触媒を含有することが好ましい。
アルコール交換反応触媒とは、成分Aにおける加水分解性シリル基と、ヒドロキシ基との反応を促進しうるものを表し、酸又は塩基触媒、及び、金属錯体触媒が好ましく例示できる。
アルコール交換反応触媒の種類は特に限定されないが、有機酸又は無機酸類、有機塩基又は無機塩基類、及び、それらの塩が挙げられる。
具体的には、有機酸又は無機酸類としては、塩酸などのハロゲン化水素、硝酸、硫酸、亜硫酸、硫化水素、過塩素酸、過酸化水素、炭酸、蟻酸や酢酸などのカルボン酸、そのRCOOHで表される構造式のRを他元素又は置換基によって置換した置換カルボン酸、ベンゼンスルホン酸などのスルホン酸、リン酸、ヘテロポリ酸、無機固体酸などが挙げられ、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、リン酸、ホスホン酸、酢酸、が好ましく、熱架橋後の膜強度の観点から特に好ましくはメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、リン酸、である。
有機塩基又は無機塩基類、及び、それらの塩としては、第三級アミン類及びイミダゾール類、無機塩基、第四級アンモニウム塩類、並びに、第四級ホスホニウム塩類が例示できる。
第三級アミン類及びイミダゾール類としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン類、トリブチルアミン類、トリペンチルアミン類、トリヘキシルアミン類、ジメチルエチルアミン、ジメチルプロピルアミン類、ジメチルブチルアミン類、ジメチルペンチルアミン類、ジメチルヘキシルアミン類、ジエチルプロピルアミン類、ジエチルブチルアミン類、ジエチルペンチルアミン類、ジエチルヘキシルアミン類、ジプロピルブチルアミン類、ジプロピルペンチルアミン類、ジプロピルヘキシルアミン類、ジブチルペンチルアミン類、ジブチルヘキシルアミン類、ジペンチルヘキシルアミン類、メチルジエチルアミン、メチルジプロピルアミン類、メチルジブチルアミン類、メチルジペンチルアミン類、メチルジヘキシルアミン類、エチルジプロピルアミン類、エチルジブチルアミン類、エチルジペンチルアミン類、エチルジヘキシルアミン類、プロピルジブチルアミン類、プロピルジペンチルアミン類、プロピルジヘキシルアミン類、ブチルジペンチルアミン類、ブチルジヘキシルアミン類、ペンチルジヘキシルアミン類、メチルエチルプロピルアミン類、メチルエチルブチルアミン類、メチルエチルヘキシルアミン類、メチルプロピルブチルアミン類、メチルプロピルヘキシルアミン類、エチルプロピルブチルアミン類、エチルブチルペンチルアミン類、エチルブチルヘキシルアミン類、プロピルブチルペンチルアミン類、プロピルブチルヘキシルアミン類、ブチルペンチルヘキシルアミン類、トリビニルアミン、トリアリルアミン、トリブテニルアミン類、トリペンテニルアミン類、トリヘキセニルアミン類、ジメチルビニルアミン、ジメチルアリルアミン、ジメチルブテニルアミン類、ジメチルペンテニルアミン類、ジエチルビニルアミン、ジエチルアリルアミン、ジエチルブテニルアミン類、ジエチルペンテニルアミン類、ジエチルヘキセニルアミン類、ジプロピルビニルアミン類、ジプロピルアリルアミン類、ジプロピルブテニルアミン類、メチルジビニルアミン、メチルジアリルアミン、メチルジブテニルアミン類、エチルジビニルアミン、エチルジアリルアミン、トリシクロペンチルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリシクロオクチルアミン、トリシクロペンテニルアミン、トリシクロヘキセニルアミン、トリシクロペンタジエニルアミン、トリシクロヘキサジエニルアミン類、ジメチルシクロペンチルアミン、ジエチルシクロペンチルアミン、ジプロピルシクロペンチルアミン類、ジブチルシクロペンチルアミン類、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジエチルシクロヘキシルアミン、ジプロピルシクロヘキシルアミン類、ジメチルシクロペンテニルアミン類、ジエチルシクロペンテニルアミン類、ジプロピルシクロペンテニルアミン類、ジメチルシクロヘキセニルアミン類、ジエチルシクロヘキセニルアミン類、ジプロピルシクロヘキセニルアミン類、メチルジシクロペンチルアミン、エチルジシクロペンチルアミン、プロピルシクロペンチルアミン類、メチルジシクロヘキシルアミン、エチルジシクロヘキシルアミン、プロピルシクロヘキシルアミン類、メチルジシクロペンテニルアミン類、エチルジシクロペンテニルアミン類、プロピルジシクロペンテニルアミン類、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルトルイジン類、N,N−ジメチルナフチルアミン類、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジエチルベンジルアミン、N,N−ジエチルトルイジン類、N,N−ジエチルナフチルアミン類、N,N−ジプロピルアニリン類、N,N−ジプロピルベンジルアミン類、N,N−ジプロピルトルイジン類、N,N−ジプロピルナフチルアミン類、N,N−ジビニルアニリン、N,N−ジアリルアニリン、N,N−ジビニルトルイジン類、N,N−ジアリルアニリン、ジフェニルメチルアミン、ジフェニルエチルアミン、ジフェニルプロピルアミン類、ジベンジルメチルアミン、ジベンジルエチルアミン、ジベンジルシクロヘキシルアミン、ジベンジルビニルアミン、ジベンジルアリルアミン、ジトリルメチルアミン類、ジトリルエチルアミン類、ジトリルシクロヘキシルアミン類、ジトリルビニルアミン類、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、トリ(トリル)アミン類、トリナフチルアミン類、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルトリレンジアミン類、N,N,N’,N’−テトラエチルトリレンジアミン類、N−メチルピロール、N−メチルピロリジン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾリン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−メチルピペリジン、N−エチルピロール、N−メチルピロリジン、N−エチルイミダゾール、N,N′−ジエチルピペラジン、N−エチルピペリジン、ピリジン、ピリダジン、ピラジン、キノリン、キナゾリン、キヌクリジン、N−メチルピロリドン、N−メチルモルホリン、N−エチルピロリドン、N−エチルモルホリン、N,N−ジメチルアニソール、N,N−ジエチルアニソール、N,N−ジメチルグリシン、N,N−ジエチルグリシン、N,N−ジメチルアラニン、N,N−ジエチルアラニン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジメチルアミノチオフェン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、ヘキサメチレンテトラミンなどが挙げられる。熱架橋後の膜強度の観点から、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾリン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ−5−エン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジンが好ましく、特に好ましくは、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナ−5−エンである。
無機塩基類としてはアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ土類金属酸化物が挙げられ、好ましくはナトリウム−t−ブトキシド、カリウム−t−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシドであり、より好ましくはナトリウム−t−ブトキシド、カリウム−t−ブトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシドである。
第四級アンモニウム塩類としては、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、デシルトリメチルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルアンモニウムブロマイド、などが挙げられ、好ましくはテトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイドであり、より好ましくはテトラエチルアンモニウムブロマイドである。
第四級ホスホニウム塩類としては、テトラメチルホスホニウムブロマイド、テトラエチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムブロマイド、テトラメチルホスホニウムブロマイド、ベンジルトリメチルホスホニウムクロライド、ベンジルトリメチルホスホニウムブロマイド、デシルトリメチルホスホニウムクロライド、デシルトリメチルホスホニウムブロマイド、などが挙げられ、好ましくはテトラメチルホスホニウムブロマイド、テトラエチルホスホニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムブロマイドであり、より好ましくはテトラエチルホスホニウムブロマイドである。
塩基性化合物と酸性化合物では、塩基性化合物を用いた方が、反応が円滑に進行するので好ましい。
(成分C)アルコール交換反応触媒は、1種のみを用いてもよく、2種以上併用してもよい。含有量は、特に限定はなく、用いる(成分F)重量平均分子量が5,000未満の加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物等の特性に応じて適宜選択すればよい。
(成分D)ラジカル重合開始剤
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、(成分D)ラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。
ラジカル重合開始剤は当業者間で公知のものを制限なく使用することができる。
本発明において、好ましいラジカル重合開始剤としては、(a)芳香族ケトン類、(b)オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)チオ化合物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)メタロセン化合物、(j)活性エステル化合物、(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物、(l)アゾ系化合物等が挙げられる。以下に、上記(a)〜(l)の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明においては、彫刻感度と、レリーフ印刷版原版のレリーフ形成層に適用した際にレリーフエッジ形状を良好とするといった観点から、(c)有機過酸化物及び(l)アゾ系化合物がより好ましく、(c)有機過酸化物が特に好ましい。
前記(a)芳香族ケトン類、(b)オニウム塩化合物、(d)チオ化合物、(e)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(f)ケトオキシムエステル化合物、(g)ボレート化合物、(h)アジニウム化合物、(i)メタロセン化合物、(j)活性エステル化合物、及び(k)炭素ハロゲン結合を有する化合物としては、特開2008−63554号公報の段落〔0074〕〜〔0118〕に挙げられている化合物を好ましく用いることができる。
また、(c)有機過酸化物及び(l)アゾ系化合物としては、以下に示す化合物が好ましい。
(c)有機過酸化物
本発明に用いうるラジカル重合開始剤として好ましい(c)有機過酸化物としては、3,3’,4,4’−テトラ−(ターシャリーブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(ターシャリーアミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(ターシャリーヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(ターシャリーオクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ−(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジ−ターシャリーブチルジパーオキシイソフタレートなどの過酸化エステル系が好ましい。
(l)アゾ系化合物
本発明に用いうるラジカル重合開始剤として好ましい(l)アゾ系化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスプロピオニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等を挙げることができる。
なお、本発明においては、前記(c)有機過酸化物が本発明における重合開始剤として、膜(レリーフ形成層)の架橋性の観点から好ましく、更に、予想外の効果として、彫刻感度向上の観点で特に好ましいことを見出した。
本発明における(成分D)ラジカル重合開始剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用することも可能である。
レーザー彫刻用樹脂組成物中の(成分D)ラジカル重合開始剤の含有量は、固形分全重量に対し0.01〜10重量%が好ましく、0.1〜3重量%がより好ましい。ラジカル重合開始剤の含有量を0.01重量%以上とすることで、これを添加した効果が得られ、架橋性レリーフ形成層の架橋が速やかに行われる。また、含有量を10重量%以下とすることで他成分が不足することがなく、レリーフ印刷版として使用するに足る耐刷性が得られるためである。
(成分E)重量平均分子量が5,000未満の重合性不飽和基を有する化合物
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、(成分E)重量平均分子量が5,000未満の重合性不飽和基を有する化合物(以下、成分Eともいう。)を含有することが好ましい。
成分Eは、成分Aとの希釈のし易さから数平均分子量は2,000未満が好ましく、低揮発性など取扱いの観点から100以上が好ましい。
本実施の形態において、成分Eの含有量は特に制限されないが、成分A100重量部に対して好ましくは20重量部以上300重量部以下であり、より好ましくは50重量部以上250重量部以下である。成分Eの含有量が20重量部以上であると、樹脂組成物の硬化物であるレリーフ印刷版原版及びレリーフ印刷版が十分な機械的強度が得られる傾向にあり、300重量部以下であると、樹脂組成物の硬化物であるレリーフ印刷版原版及びレリーフ印刷版の硬化収縮が低減される傾向にある。
成分Eの具体例としては、(メタ)アクリル酸及びその誘導体、並びに、(メタ)アクリルアミド及びその誘導体等が挙げられる。その種類の豊富さ、価格、等の観点から(メタ)アクリル酸及びその誘導体がより好ましい。
該誘導体として、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、シクロアルケン基、ビシクロアルケン基などを有する脂環族化合物、ベンジル基、フェニル基、フェノキシ基、フルオレン基などを有する芳香族化合物、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、グリシジル基等を有する化合物、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールとのエステル化合物などが挙げられる。
成分Eは、1分子中に、少なくとも1つの重合性不飽和基を有し、2〜6個の重合性不飽和結合基を有することがより好ましく、2〜4個の重合性不飽和結合基を有することが更に好ましい。
1分子中の重合性不飽和基の数が上記範囲内であると、成分Aとの架橋性に優れる。
(成分F)重量平均分子量が5,000未満の加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物
本発明のレリーフ彫刻用樹脂組成物は、(成分F)重量平均分子量が5,000未満の加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物(以下、成分Fともいう。)を含有することが好ましい。
成分Fにおける「加水分解性シリル基」とは、加水分解性基を含むシリル基のことであり、加水分解性基としては、アルコキシ基、アリールオキシ基、メルカプト基、ハロゲン基、アミド基、アセトキシ基、アミノ基、イソプロペノキシ基等を挙げることができる。シリル基は加水分解してシラノール基となり、シラノール基は脱水縮合してシロキサン結合が生成する。このような加水分解性シリル基又はシラノール基は下記式(1)で表されるものが好ましい。
Figure 0005193321
前記式(1)中、R1〜R3はそれぞれ独立に、アルコキシ基、アリールオキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、アミド基、アセトキシ基、アミノ基、及び、イソプロペノキシ基からなる群より選択される加水分解性基、ヒドロキシ基、水素原子、又は、一価の有機基を表す。但し、R1〜R3の少なくともいずれか1つは、アルコキシ基、アリールオキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、アミド基、アセトキシ基、アミノ基、及び、イソプロペノキシ基からなる群より選択される加水分解性基、又は、ヒドロキシ基を表す。
1〜R3が一価の有機基を表す場合の好ましい有機基としては、種々の有機溶媒への溶解性を付与できる観点から、炭素数1〜30のアルキル基が挙げられる。
上記式(1)中、ケイ素原子に結合する加水分解性基としては、特にアルコキシ基、ハロゲン原子が好ましい。
アルコキシ基としては、リンス性と耐刷性の観点から炭素数1〜30のアルコキシ基が好ましい。より好ましくは炭素数1〜15のアルコキシ基であり、更に好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基であり、特に好ましくは炭素数1〜3のアルコキシ基である。
また、ハロゲン原子として、F原子、Cl原子、Br原子、I原子が挙げられ、合成のしやすさ及び安定性の観点で、好ましくはCl原子及びBr原子が挙げられ、より好ましくはCl原子である。
本発明における成分Fは、前記式(1)で表される基を少なくとも1つ以上有する化合物であることが好ましく、少なくとも2つ以上有する化合物であることが好ましい。特に加水分解性シリル基を少なくとも2つ以上有する化合物が好ましく用いられる。即ち、分子内にケイ素原子を2つ以上有する化合物が好ましく用いられる。化合物中に含まれるケイ素原子の数は2以上6以下が好ましく、2又は3が最も好ましい。
上記加水分解性基は1個のケイ素原子に1〜3個の範囲で結合することができ、式(1)中における加水分解性基の総個数は2又は3の範囲であるのが好ましい。特に3つの加水分解性基がケイ素原子に結合していることが好ましい。加水分解性基がケイ素原子に2個以上結合するときは、それらは互いに同一であっても、異なっていてもよい。
上記アルコキシ基としては、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ベンジルオキシ基などを挙げることができる。アルコキシ基の結合したアルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基などのトリアルコキシシリル基;ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基などのジメトキシシリル基;メトキシジメチルシリル基、エトキシジメチルシリル基などのモノアルコキシシリル基を挙げることができる。これらの各アルコキシ基を複数個組み合わせて用いてもよし、異なるアルコキシ基を複数個組み合わせて用いてもよい。
上記アリールオキシ基としては、具体的には、例えば、フェノキシ基などを挙げることができる。アリールオキシ基の結合したアリールオキシシリル基としては、例えば、トリフェノキシシリル基などのトリアリールオキシシリル基を挙げることができる。
本発明における成分Fの好ましい例としては、複数の前記式(1)で表される基が連結基を介して結合している化合物が挙げられ、このような連結基としては、効果の観点からスルフィド基、イミノ基、又はウレイレン基を含んで構成される連結基が好ましい。
上記特定構造を有する連結基を含む成分Fの代表的な合成方法を以下に示す。
(スルフィド基を含む連結基を有する加水分解性シリル基及びシラノール基の少なくとも1種を有する化合物の合成法)
スルフィド基を含む連結基を有する成分F(以下、適宜、スルフィド連結基含有成分Fと称する。)の合成法は特には限定されないが、具体的には、例えば、ハロゲン化炭化水素基を有する成分Fと硫化アルカリの反応、メルカプト基を有する成分Fとハロゲン化炭化水素の反応、メルカプト基を有する成分Fとハロゲン化炭化水素基を有する成分Fの反応、ハロゲン化炭化水素基を有する成分Fとメルカプタン類の反応、エチレン性不飽和二重結合を有する成分Fとメルカプタン類の反応、エチレン性不飽和二重結合を有する成分Fとメルカプト基を有する成分Fの反応、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物とメルカプト基を有する成分Fの反応、ケトン類とメルカプト基を有する成分Fの反応、ジアゾニウム塩とメルカプト基を有する成分Fの反応、メルカプト基を有する成分Fとオキシラン類との反応、メルカプト基を有する成分Fとオキシラン基を有する成分Fの反応、メルカプタン類とオキシラン基を有する成分Fの反応、及び、メルカプト基を有する成分Fとアジリジン類との反応等から選択される合成法のいずれかにより合成される。
(イミノ基を含む連結基を有する加水分解性シリル基及びシラノール基の少なくとも1種を有する化合物の合成法)
イミノ基を含む連結基を有する加水分解性シリル基及びシラノール基の少なくとも1種を有する化合物(以下、適宜、イミノ連結基含有成分Fと称する。)の合成法は特には限定されないが、具体的には、例えば、アミノ基を有する成分Fとハロゲン化炭化水素の反応、アミノ基を有する成分Fとハロゲン化炭化水素基を有する成分Fの反応、ハロゲン化炭化水素基を有する成分Fとアミン類の反応、アミノ基を有する成分Fとオキシラン類との反応、アミノ基を有する成分Fとオキシラン基を有する成分Fの反応、アミン類とオキシラン基を有する成分Fの反応、アミノ基を有する成分Fとアジリジン類との反応、エチレン性不飽和二重結合を有する成分Fとアミン類の反応、エチレン性不飽和二重結合を有する成分Fとアミノ基を有する成分Fの反応、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物とアミノ基を有する成分Fの反応、アセチレン性不飽和三重結合を有する化合物とアミノ基を有する成分Fの反応、イミン性不飽和二重結合を有する成分Fと有機アルカリ金属化合物の反応、イミン性不飽和二重結合を有する成分Fと有機アルカリ土類金属化合物の反応、及び、カルボニル化合物とアミノ基を有する成分Fの反応等から選択される合成法のいずれかにより合成される。
(ウレイレン基を含む連結基を有する加水分解性シリル基及びシラノール基の少なくとも1種を有する化合物の合成法)
ウレイレン基を含む連結基を有する加水分解性シリル基及びシラノール基の少なくとも1種を有する化合物(以下、適宜、ウレイレン連結基含有成分Fと称する。)の合成法は特には限定されないが、具体的には、例えば、アミノ基を有する成分Fとイソシアン酸エステル類の反応、アミノ基を有する成分Fとイソシアン酸エステルを有する成分Fの反応、及び、アミン類とイソシアン酸エステルを有する成分Fの反応等から選択される合成法のいずれかにより合成される。
本発明における成分Fとしては、(F−1)シランカップリング剤を用いることが好ましい。
(F−1)シランカップリング剤
以下、本発明における成分Fとして好適な(F−1)シランカップリング剤について説明する。
本発明においては、Si原子に、アルコキシ基又はハロゲン基が少なくとも1つ直接結合した官能基をシランカップリング基と呼び、このシランカップリング基を分子中に1つ以上有している化合物をシランカップリング剤と称する。シランカップリング基は、Si原子にアルコキシ基又はハロゲン原子が2つ以上直接結合したものが好ましく、3つ以上直接結合したものが特に好ましい。
本発明の樹脂組成物においては、成分Fにおける加水分解性シリル基及びシラノール基の少なくとも1種、好ましくは、(F−1)シランカップリング剤におけるシランカップリング基が、成分A中の反応性官能基、例えば、水酸基(−OH)であれば、この水酸基とアルコール交換反応を起こし、架橋構造を形成する。その結果、バインダーポリマーの分子同士がシランカップリング剤を介して3次元的に架橋される。
本発明における好ましい態様である(F−1)シランカップリング剤においては、Si原子に直接結合している官能基として、アルコキシ基及びハロゲン原子の少なくとも1つ以上の官能基を有することが必須であり、化合物の取り扱いやすさの観点からは、アルコキシ基を有するものが好ましい。
ここで、アルコキシ基としては、リンス性と耐刷性の観点から炭素数1〜30のアルコキシ基が好ましい。より好ましくは炭素数1〜15のアルコキシ基、特に好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基である。
また、ハロゲン原子として、F原子、Cl原子、Br原子、I原子が挙げられ、合成のしやすさ及び安定性の観点で、好ましくはCl原子及びBr原子が挙げられ、より好ましくはCl原子である。
本発明におけるシランカップリング剤は、膜の架橋度と柔軟性のバランスを良好に保つ観点で、上記シランカップリング基を分子内に1個以上10個以下含むことが好ましく、より好ましくは1個以上5個以下であり、特に好ましくは2個以上4個以下である。
シランカップリング基が2つ以上ある場合には、シランカップリング基同士が連結基で連結されていることが好ましい。連結基としては、ヘテロ原子や炭化水素などの置換基を有してもよい二価以上の有機基が挙げられ、彫刻感度が高い点ではヘテロ原子(N、S、O)を含む態様が好ましく、特に好ましくはS原子を含む連結基である。
このような観点からは、本発明におけるシランカップリング剤として、アルコキシ基としてメトキシ基又はエトキシ基、なかでも、メトキシ基がSi原子に結合したシランカップリング基を分子内に2個有し、且つ、これらシランカップリング基が、ヘテロ原子(特に好ましくはS原子)を含むアルキレン基を介して結合している化合物が好適である。より具体的には、スルフィド基を含む連結基を有するものが好ましい。
また、シランカップリング基同士を連結する連結基の他の好ましい態様として、オキシアルキレン基を有する連結基が挙げられる。連結基がオキシアルキレン基を含むことで、レーザー彫刻後の彫刻カスのリンス性が向上する。オキシアルキレン基としては、好ましくはオキシエチレン基であり、より好ましくは、オキシエチレン基が複数連結されたポリオキシエチレン鎖である。ポリオキシエチレン鎖におけるオキシエチレン基の総数としては、2〜50が好ましく、3〜30がより好ましく、4〜15が特に好ましい。
本発明に適用しうるシランカップリング剤の具体例を以下に示す。本発明におけるシランカップリング剤としては、例えば、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、1,8−ビス(トリエトキシシリル)オクタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)デカン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)アミン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)ウレア、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等を挙げることができ、そのほかにも、以下の一般式で示す化合物が好ましいものとして挙げられるが、本発明はこれらの化合物に制限されるものではない。
Figure 0005193321
Figure 0005193321
Figure 0005193321
Figure 0005193321
Figure 0005193321
前記各式中、Rは以下の構造から選択される部分構造を表す。分子内に複数のR及びR1が存在する場合、これらは互いに同じでも異なっていてもよく、合成適性上は、同一であることが好ましい。
Figure 0005193321
Figure 0005193321
前記各式中、Rは以下に示す部分構造を表す。R1は前記したのと同義である。分子内に複数のR及びR1が存在する場合、これらは互いに同じでも異なっていてもよく、合成適性上は、同一であることが好ましい。
Figure 0005193321
成分Fは、適宜合成して得ることも可能であるが、市販品を用いることがコストの面から好ましい。成分Fとしては、例えば、信越化学工業(株)、東レ・ダウコーニング(株)、モメンティブパフォーマンスマテリアルズ(株)、チッソ(株)等から市販されているシラン製品、シランカップリング剤などの市販品がこれに相当するため、本発明の組成物に、これら市販品を、目的に応じて適宜選択して使用してもよい。
本発明におけるシランカップリング剤として、前記化合物の他、1種のシランを用いて得られた部分加水分解縮合物、及び2種以上のシランを用いて得られた部分共加水分解縮合物を用いることができる。以下、これらの化合物を「部分(共)加水分解縮合物」と称することがある。
このような部分(共)加水分解縮合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリス(メトキシエトキシ)シラン、メチルトリス(メトキシプロポキシ)シラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、へキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、トリルトリメトキシシラン、クロロメチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、シアノエチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、メチルプロピルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のアルコキシシラン又はアセチルオキシシラン、エトキサリルオキシシラン等のアシロキシシランからなるシラン化合物から選択される1種以上を前駆体として用いて得られた部分(共)加水分解縮合物を挙げることができる。
これらの部分(共)加水分解縮合物前駆体としてのシラン化合物の中でも、汎用性、コスト面、膜の相溶性の観点から、ケイ素上の置換基としてメチル基及びフェニル基から選択される置換基を有するシラン化合物であることが好ましく、具体的には、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランが好ましい前駆体として例示される。
この場合、部分(共)加水分解縮合物としては、上記したようなシラン化合物の2量体(シラン化合物2モルに水1モルを作用させてアルコール2モルを脱離させ、ジシロキサン単位としたもの)〜100量体、好ましくは2量体〜50量体、更に好ましくは2量体〜30量体としたものが好適に使用できるし、2種以上のシラン化合物を原料とする部分(共)加水分解縮合物を使用することも可能である。
なお、このような部分(共)加水分解縮合物はシリコーンアルコキシオリゴマーとして市販されているものを使用してもよく(例えば、信越化学工業(株)などから市販されている。)、また、常法に基づき、加水分解性シラン化合物に対し当量未満の加水分解水を反応させた後に、アルコール、塩酸等の副生物を除去することによって製造したものを使用してもよい。製造に際しては、前駆体となる原料の加水分解性シラン化合物として、例えば、上記したようなアルコキシシラン類やアシロキシシラン類を使用する場合は、塩酸、硫酸等の酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、トリエチルアミン等のアルカリ性有機物質等を反応触媒として部分加水分解縮合すればよく、クロロシラン類から直接製造する場合には、副生する塩酸を触媒として水及びアルコールを反応させればよい。
本発明の樹脂組成物における成分F、好ましくは(F−1)シランカップリング剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の樹脂組成物中に含まれる成分Fの含有量は、固形分換算で、0.1重量%〜80重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは1重量%〜40重量%の範囲であり、最も好ましくは5重量%〜30重量%である。
(成分G)700〜1,300nmの波長の光を吸収可能な光熱変換剤
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、(成分G)700〜1,300nmの波長の光を吸収可能な光熱変換剤(以下、成分G、又は、単に「光熱変換剤」ともいう。)を含有することが好ましい。
即ち、本発明における光熱変換剤は、レーザーの光を吸収し発熱することで、レーザー彫刻時の硬化物の熱分解を促進すると考えられる。このため、彫刻に用いるレーザー波長の光を吸収する光熱変換剤を選択することが好ましい。
本発明に係るレーザー彫刻用レリーフ形成層を、700〜1,300nmの赤外線を発するレーザー(YAGレーザー、半導体レーザー、ファイバーレーザー、面発光レーザー等)を光源としてレーザー彫刻に用いる場合に、光熱変換剤としては、700〜1,300nmに極大吸収波長を有する化合物が用いることが好ましい。
本発明における光熱変換剤としては、種々の染料又は顔料が用いられる。
光熱変換剤のうち、染料としては、市販の染料及び例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、700nm〜1,300nmに極大吸収波長を有するものが挙げられ、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、ジインモニウム化合物、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
本発明において好ましく用いられる染料としては、ヘプタメチンシアニン色素等のシアニン系色素、ペンタメチンオキソノール色素等のオキソノール系色素、フタロシアニン系色素及び特開2008−63554号公報の段落〔0124〕〜〔0137〕に記載の染料を挙げることができる。
本発明において使用される光熱変換剤のうち、顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち好ましいものはカーボンブラックである。
カーボンブラックは、組成物中における分散性などが安定である限り、ASTMによる分類のほか、用途(例えば、カラー用、ゴム用、乾電池用など)の如何に拘らずいずれも使用可能である。カーボンブラックには、例えば、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラックなどが含まれる。なお、カーボンブラックなどの黒色着色剤は、分散を容易にするため、必要に応じて分散剤を用い、予めニトロセルロースやバインダーなどに分散させたカラーチップやカラーペーストとして使用することができ、このようなチップやペーストは市販品として容易に入手できる。
本発明においては、比較的低い比表面積及び比較的低いDBP吸収を有するカーボンブラックや比表面積の大きい微細化されたカーボンブラックまでを使用することも可能である。好適なカーボンブラックの例は、Printex(登録商標)U、Printex(登録商標)A、又はSpezialschwarz(登録商標)4(Degussaより)を含む。
本発明に適用しうるカーボンブラックとしては、光熱変換により発生した熱を周囲のポリマー等に効率よく伝えることで彫刻感度が向上するという観点で、比表面積が少なくとも150m2/g及びDBP数が少なくとも150ml/100gである、伝導性カーボンブラックが好ましい。
この比表面積は好ましくは、少なくとも250m2/g、特に好ましくは少なくとも500m2/gである。DBP数は好ましくは少なくとも200ml/100g、特に好ましくは少なくとも250ml/100gである。上述したカーボンブラックは酸性の又は塩基性のカーボンブラックであってよい。カーボンブラックは、好ましくは塩基性のカーボンブラックである。異なるカーボンブラックの混合物も当然に、使用され得る。
約1,500m2/gにまで及ぶ比表面積及び約550ml/100gにまで及ぶDBP数を有する適当な伝導性カーボンブラックが、例えば、Ketjenblack(登録商標)EC300J、Ketjenblack(登録商標)EC600J(Akzoより)、Prinrex(登録商標)XE(Degussaより)又はBlack Pearls(登録商標)2000(Cabotより)、ケッチェンブラック(ライオン(株)製)の名称で、商業的に入手可能である。
光熱変換剤としてカーボンブラックを用いる場合には、UV光などを利用した光架橋ではなく、熱架橋の方が膜の硬化性の点で好ましく、前述の好ましい併用成分である(D)ラジカル重合開始剤である(c)有機過酸化物と組み合わせて用いることで、彫刻感度が極めて高くなるのでより好ましい。
レーザー彫刻用樹脂組成物中おける光熱変換剤の含有量は、その分子固有の分子吸光係数の大きさにより大きく異なるが、該樹脂組成物の固形分全重量の0.01重量%〜20重量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.5重量%〜15重量%、更に好ましくは1重量%〜10重量%の範囲である。
<その他添加剤>
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、可塑剤を含有することが好ましい。可塑剤は、レーザー彫刻用樹脂組成物により形成された膜を柔軟化する作用を有するものであり、バインダーポリマーに対して相溶性のよいものである必要がある。
可塑剤としては、例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート等や、ポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコール(モノオール型やジオール型)、ポリプロピレングリコール(モノオール型やジオール型)好ましく用いられる。
本発明のレーザー彫刻用樹脂組成物は、彫刻感度向上のための添加剤として、ニトロセルロースや高熱伝導性物質、を加えることがより好ましい。ニトロセルロースは自己反応性化合物であるため、レーザー彫刻時、自身が発熱し、共存する親水性ポリマー等のバインダーポリマーの熱分解をアシストする。その結果、彫刻感度が向上すると推定される。高熱伝導性物質は、熱伝達を補助する目的で添加され、熱伝導性物質としては、金属粒子等の無機化合物、導電性ポリマー等の有機化合物が挙げられる。金属粒子としては、粒径がマイクロメートルオーダーから数ナノメートルオーダーの、金微粒子、銀微粒子、銅微粒子が好ましい導電性ポリマーとしては、特に共役ポリマーが好ましく、具体的には、ポリアニリン、ポリチオフェンが挙げられる。
また、共増感剤を用いることで、レーザー彫刻用樹脂組成物を光硬化させる際の感度を更に向上させることができる。
更に、組成物の製造中又は保存中において重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合禁止剤を添加することが好ましい。
レーザー彫刻用樹脂組成物の着色を目的として染料若しくは顔料等の着色剤を添加してもよい。これにより、画像部の視認性や、画像濃度測定機適性といった性質を向上させることができる。
更に、レーザー彫刻用樹脂組成物の硬化皮膜の物性を改良するために充填剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
(レリーフ印刷版原版及びレリーフ印刷版)
本発明のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版は、前記のような成分を含有するレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を有する。レリーフ形成層は、支持体上に設けられることが好ましい。
本発明において「レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版」とは、レーザー彫刻用樹脂組成物からなる架橋性を有するレリーフ形成層が熱により硬化された状態のものをいう。
本発明において「レリーフ形成層」とは、熱により硬化した層をいい、熱により架橋した層であることが好ましい。
レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版は、必要により更に、支持体とレリーフ形成層との間に接着層を、また、レリーフ形成層上にスリップコート層、保護フィルムを有していてもよい。
<レリーフ形成層>
レリーフ形成層は、前記本発明に係るレーザー彫刻用樹脂組成物からなる層である。レーザー彫刻用樹脂組成物として架橋性樹脂組成物を用いると、架橋性のレリーフ形成層が得られる。本発明のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版としては、成分Aによる架橋構造に加えて、更に、成分B、成分D、成分E、及び、成分Fを含有することで更なる架橋性の機能を付与したレリーフ形成層を有するものが好ましい。
レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版によるレリーフ印刷版の製版態様としては、レリーフ形成層を架橋させて硬化されたレリーフ形成層を有するレリーフ印刷版原版とした後、該硬化されたレリーフ形成層(硬質のレリーフ形成層)をレーザー彫刻することによりレリーフ層を形成してレリーフ印刷版を作製する態様であることが好ましい。レリーフ形成層を架橋することにより、印刷時におけるレリーフ層の摩耗を防ぐことができ、また、レーザー彫刻後にシャープな形状のレリーフ層を有するレリーフ印刷版を得ることができる。
レリーフ形成層は、レリーフ形成層用の前記の如き成分を有するレーザー彫刻用樹脂組成物を、シート状又はスリーブ状に成形することで形成することができる。レリーフ形成層は、通常、後述する支持体上に設けられるが、製版、印刷用の装置に備えられたシリンダーなどの部材表面に直接、形成したり、そこに配置して固定化したりすることもでき、必ずしも支持体を必要としない。
以下、主としてレリーフ形成層をシート状にした場合を例に挙げて説明する。
<支持体>
レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版に使用しうる支持体について説明する。
レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版に支持体に使用する素材は特に限定されないが、寸法安定性の高いものが好ましく使用され、例えば、スチール、ステンレス、アルミニウムなどの金属、ポリエステル(例えばPET、PBT、PAN)やポリ塩化ビニルなどのプラスチック樹脂、スチレン−ブタジエンゴムなどの合成ゴム、ガラスファイバーで補強されたプラスチック樹脂(エポキシ樹脂やフェノール樹脂など)が挙げられる。支持体としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムやスチール基板が好ましく用いられる。支持体の形態は、レリーフ形成層がシート状であるかスリーブ状であるかによって決定される。スリーブ状とした場合の好ましい支持体については以下に詳述する。
<接着層>
レリーフ形成層を支持体上に形成する場合、両者の間には、層間の接着力を強化する目的で接着層を設けてもよい。
接着層に使用しうる材料は、レリーフ形成層が架橋された後において接着力を強固にするものであればよく、レリーフ形成層が架橋される前も接着力が強固であることが好ましい。ここで、接着力とは支持体/接着層間及び接着層/レリーフ形成層間の接着力の両者を意味する。
支持体/接着層間の接着力は、支持体/接着層/レリーフ形成層からなる積層体から接着層及びレリーフ形成層を400mm/分の速度で剥離する際、サンプル1cm幅当たりの剥離力が1.0N/cm以上又は剥離不能であることが好ましく、3.0N/cm以上又は剥離不能であることがより好ましい。
接着層/レリーフ形成層の接着力は、接着層/レリーフ形成層から接着層を400mm/分の速度で剥離する際、サンプル1cm幅当たりの剥離力が1.0N/cm以上又は剥離不能であることが好ましく、3.0N/cm以上又は剥離不能であることがより好ましい。
接着層に使用しうる材料(接着剤)としては、例えば、I.Skeist編、「Handbook of Adhesives」、第2版(1977)に記載のものを用いることができる。
<保護フィルム、スリップコート層>
レリーフ形成層は、レーザー彫刻後レリーフが造形される部分(レリーフ層)となり、そのレリーフ層表面はインキ着肉部として機能する。架橋後のレリーフ形成層は架橋により強化されているので、レリーフ形成層表面に印刷に影響を及ぼすほどの傷や凹みが発生することはほとんどない。しかし、架橋前のレリーフ形成層は強度が不足している場合が多く、表面に傷や凹みが入りやすい。かかる観点からは、レリーフ形成層表面への傷・凹み防止の目的で、レリーフ形成層表面に保護フィルムを設けてもよい。
保護フィルムは、薄すぎると傷・凹み防止の効果が得られず、厚すぎると取り扱いが不便になり、コスト高にもなる。よって、保護フィルムの厚さは25μm〜500μmが好ましく、50μm〜200μmがより好ましい。
保護フィルムは、印刷版の保護フィルムとして公知の材質、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)のようなポリエステル系フィルム、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)のようなポリオレフィン系フィルムを用いることができる。またフィルムの表面はプレーンでもよいし、マット化されていてもよい。
レリーフ形成層上に保護フィルムを設ける場合、保護フィルムは剥離可能でなければならない。
保護フィルムが剥離不可能な場合や、逆にレリーフ形成層に接着しにくい場合には、両層間にスリップコート層を設けてもよい。
スリップコート層に使用される材料は、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、部分鹸化ポリビニルアルコール、ヒドロシキアルキルセルロース、アルキルセルロース、ポリアミド樹脂など、水に溶解又は分散可能で、粘着性の少ない樹脂を主成分とすることが好ましい。これらの中で、粘着性の面から、鹸化度60〜99モル%の部分鹸化ポリビニルアルコール、アルキル基の炭素数が1〜5のヒドロキシアルキルセルロース及びアルキルセルロースが特に好ましく用いられる。
レリーフ形成層(及びスリップコート層)/保護フィルムから保護フィルムを200mm/分の速度で剥離する時、1cm当たりの剥離力が5〜200mN/cmであることが好ましく、10〜150mN/cmが更に好ましい。5mN/cm以上であれば、作業中に保護フィルムが剥離することなく作業でき、200mN/cm以下であれば無理なく保護フィルムを剥離することができる。
−レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版の作製方法−
次に、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版の作製方法について説明する。
レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版におけるレリーフ形成層の形成は、特に限定されるものではないが、例えば、レリーフ形成層用塗布液組成物(レーザー彫刻用樹脂組成物)を調製し、このレリーフ形成層用塗布液組成物から溶剤を除去した後に、支持体表面や版胴上に、溶融押し出しする方法が挙げられる。また、支持体上に形成する場合には、レリーフ形成層用塗布液組成物を、支持体上に流延し、これをオーブン中で乾燥して塗布液組成物から溶媒を除去する方法でもよい。
その後、必要に応じてレリーフ形成層の上に保護フィルムをラミネートしてもよい。ラミネートは、加熱したカレンダーロールなどで保護フィルムとレリーフ形成層を圧着することや、表面に少量の溶媒を含浸させたレリーフ形成層に保護フィルムを密着させることよって行うことができる。
保護フィルムを用いる場合には、先ず保護フィルム上にレリーフ形成層を積層し、次いで支持体をラミネートする方法を採ってもよい。
接着層を設ける場合は、接着層を塗布した支持体を用いることで対応できる。スリップコート層を設ける場合は、スリップコート層を塗布した保護フィルムを用いることで対応できる。
レリーフ形成層を形成するための塗布液組成物は、全成分を適当な溶媒に溶解させることによって製造できるが、成分ごとに、又は、数種の成分を一緒に、適当な溶媒に溶解させ、これを混合することによって調製することもでき、また、溶媒への添加の順序を適宜選択して調製することもできる。
溶媒は、非プロトン性溶媒を主成分とする溶媒を使用することが好ましく、溶媒成分のほとんどは印刷版原版を製造する段階で除去する必要があるので、溶媒の全添加量をできるだけ少なく抑えることが好ましい。系を高温にすることで、溶媒の添加量を抑制することができるが、温度が高すぎると重合性化合物が重合反応し易くなるため、重合性化合物及び/又は重合開始剤の添加後の塗布液組成物の調製温度は30℃〜80℃が好ましい。
レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版におけるレリーフ形成層の厚さは、架橋の前後において、0.05mm以上10mm以下が好ましく、より好ましくは0.05mm以上7mm以下、特に好ましくは0.05mm以上3mm以下である。
次に、レリーフ形成層をスリーブ状に形成する場合について説明する。スリーブ状に成形する場合においても、公知の樹脂成型方法を適用することができる。例えば、注型法、ポンプや押し出し機などの機械で樹脂をノゾルやダイスから押し出し、ブレードで厚みを合わせる、ロールによりカレンダー加工して厚みを合わせる方法などを例示できる。その際、レリーフ形成層を構成する樹脂組成物の特性を損なわない程度の温度で加熱しながら、成形してもよい。また、必要に応じて圧延処理、研削処理などを施すこともできる。
レリーフ形成層をスリーブ状とする場合、当初からレリーフ形成層自体を円筒状に成形してもよく、また、まずシート状に成型したのち、円筒状支持体や版胴上に固定することで円筒状とすることもできる。円筒状支持体への固定方法には特に制限はなく、例えば、両面に接着層、粘着層などが形成された粘着テープによる固定、又は、接着剤層を介する固定などを行うことができる。
[レリーフ印刷版及びその製版方法]
本発明のレリーフ印刷版原版を用いたレリーフ印刷版の製版方法は、(1)本発明のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版におけるレリーフ形成層を光(活性光線の照射)及び/又は熱(加熱)により架橋する工程、及び(2)架橋されたレリーフ形成層をレーザー彫刻してレリーフ層を形成する工程、を含むことが好ましい。本発明のレリーフ印刷版原版を用いて、このような製版方法により、レリーフ層を有するレリーフ印刷版を製版することができる。本発明のレリーフ印刷版原版が、支持体を備える場合、このようなレリーフ層は、支持体表面に形成され、これを印刷装置に適用して印刷を行う。
本発明におけるレリーフ印刷版の好ましい製版方法では、工程(2)に次いで、更に、必要に応じて下記工程(3)〜工程(5)を含んでもよい。
工程(3): 彫刻後のレリーフ層表面を、水又は水を主成分とする液体で彫刻表面をリンスする工程(リンス工程)。
工程(4): 彫刻されたレリーフ層を乾燥する工程(乾燥工程)。
工程(5): 彫刻後のレリーフ層にエネルギーを付与し、レリーフ層を更に架橋する工程(後架橋工程)。
工程(1)におけるレリーフ形成層の架橋は、活性光線の照射、及び/又は、熱により行われる。
工程(1)レリーフ形成層の架橋において、光により架橋する工程と、熱により架橋する工程とが併用される場合には、これらの工程は、互いに同時工程でも別時工程としてもよい。
工程(1)は、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版のレリーフ形成層を、光及び/又は熱により架橋する工程である。
重合開始剤はラジカル発生剤であることが好ましく、該ラジカル発生剤は、ラジカルを発生するきっかけが光か熱かによって、光重合開始剤と熱重合開始剤に大別される。
レリーフ形成層が光重合開始剤を含有する場合には、光重合開始剤のトリガーとなる活性光線をレリーフ形成層に照射することで、レリーフ形成層を架橋することができる(光により架橋する工程)。
活性光線の照射は、レリーフ形成層全面に行うのが一般的である。活性光線としては可視光、紫外光又は電子線が挙げられるが、紫外光が最も一般的である。レリーフ形成層の支持体等、レリーフ形成層を固定化するための基材側を裏面とすれば、表面に活性光線を照射するだけでもよいが、用いられる支持体が活性光線を透過する透明なフィルムであれば、更に裏面からも活性光線を照射することも好ましい。表面からの照射は、保護フィルムが存在する場合、これを設けたまま行ってもよいし、保護フィルムを剥離した後に行ってもよい。酸素の存在下では重合阻害が生じる恐れがあるので、架橋性レリーフ形成層に塩化ビニルシートを被せて真空引きした上で、活性光線の照射を行ってもよい。
レリーフ形成層が熱重合開始剤を含有する場合には(上記の光重合開始剤が熱重合開始剤にもなりうる。)、レーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を加熱することで、レリーフ形成層を架橋することができる(熱により架橋する工程)。加熱手段としては、印刷版原版を熱風オーブンや遠赤外オーブン内で所定時間加熱する方法や、加熱したロールに所定時間接する方法が挙げられる。
工程(1)が、光により架橋する工程である場合は、活性光線を照射する装置が比較的高価であるものの、印刷版原版が高温になることがないので、印刷版原版の原材料の制約がほとんどない。
工程(1)が、熱により架橋する工程である場合には、特別高価な装置を必要としない利点があるが、印刷版原版が高温になるので、高温で柔軟になる熱可塑性ポリマーは加熱中に変形する可能性がある等、使用する原材料は慎重に選択する必要がある。
熱架橋の際には、熱重合開始剤を加え得る。熱重合開始剤としては、遊離基重合(free radical polymerization)用の商業的な熱重合開始剤として使用され得る。このような熱重合開始剤としては、例えば、適当な過酸化物、ヒドロペルオキシド又はアゾ基を含む化合物が挙げられる。代表的な加硫剤も架橋用に使用できる。熱架橋性(heat−curable)の樹脂、例えばエポキシ樹脂、を架橋成分として層に加えることにより熱架橋も実施され得る。
工程(1)におけるレリーフ形成層の架橋方法としは、レリーフ形成層を表面から内部まで均一に硬化(架橋)可能という観点で、熱による架橋の方が好ましい。
レリーフ形成層を架橋することで、第1にレーザー彫刻後形成されるレリーフがシャープになり、第2にレーザー彫刻の際に発生する彫刻カスの粘着性が抑制されるという利点がある。未架橋のレリーフ形成層をレーザー彫刻すると、レーザー照射部の周辺に伝播した余熱により、本来意図していない部分が溶融、変形しやすく、シャープなレリーフ層が得られない場合がある。また、素材の一般的な性質として、低分子なものほど固形ではなく液状になり、すなわち粘着性が強くなる傾向がある。レリーフ形成層を彫刻する際に発生する彫刻カスは、低分子の材料を多く用いるほど粘着性が強くなる傾向がある。低分子である重合性化合物は架橋することで高分子になるため、発生する彫刻カスは粘着性が少なくなる傾向がある。
工程(2)では、架橋されたレリーフ形成層をレーザー彫刻してレリーフ層を形成する工程である。工程(2)においては、後述する特定のレーザーにより、形成したい画像に対応したレーザー光を照射してレリーフを形成し、印刷用のレリーフ層を形成することが好ましい。
具体的には、架橋されたレリーフ形成層に対して形成したい画像に対応したレーザー光を照射して彫刻を行うことによりレリーフ層を形成する。好ましくは、形成したい画像のデジタルデータを元にコンピューターでレーザーヘッドを制御し、レリーフ形成層に対して走査照射する工程が挙げられる。赤外レーザーが照射されると、レリーフ形成層中の分子が分子振動し、熱が発生する。赤外レーザーとして炭酸ガスレーザーやYAGレーザーのような高出力のレーザーを用いると、レーザー照射部分に大量の熱が発生し、感光層中の分子は分子切断又はイオン化されて選択的な除去、すなわち彫刻がなされる。このとき、レリーフ形成層中の光熱変換剤によっても露光領域が発熱するため、この光熱変換剤により発生した熱もまた、この除去性を促進する。
レーザー彫刻の利点は、彫刻深さを任意に設定できるため、構造を3次元的に制御することができる点である。例えば、微細な網点を印刷する部分は浅く又はショルダーをつけて彫刻することで、印圧でレリーフが転倒しないようにすることができ、細かい抜き文字を印刷する溝の部分は深く彫刻することで、溝にインキが埋まりにくくなり、抜き文字つぶれを抑制することが可能となる。
なかでも光熱変換剤の極大吸収波長に対応した赤外レーザーで彫刻する場合に、前述の光熱変換剤からの発熱が効率よく行われるために、より高感度かつシャープなレリーフ層が得られる。
彫刻に用いられる赤外レーザーとしては、生産性、コスト等の面から、炭酸ガスレーザー又は半導体レーザーが好ましく用いられ、なかでも、以下に詳述するファイバー付き半導体赤外線レーザーが特に好ましく用いられる。
〔半導体レーザーを備えた製版装置〕
一般に、半導体レーザーは、CO2レーザーに比べレーザー発振が高効率且つ安価で小型化が可能である。また、小型であるためアレイ化が容易である。ビーム径の制御は、結像レンズ、特定の光ファイバーを用いて行われる。ファイバー付き半導体レーザーは、更に光ファイバーを取り付けることで効率よくレーザー光を出力できるため本発明における画像形成には有効である。更に、ファイバーの処理によりビーム形状を制御できる。例えば、ビームプロファイルはトップハット形状とすることができ安定に版面にエネルギーを与えることができる。半導体レーザーの詳細は、「レーザーハンドブック第2版」レーザー学会編、実用レーザー技術 電子通信学会 等に記載されている。
また、本発明のレリーフ印刷版原版を用いたレリーフ印刷版の製造方法に好適に使用しうるファイバー付き半導体レーザーを備えた製版装置は、本願出願人が提出した特願2008−15460号明細書、特願2008−58160号明細書に詳細に記載され、これを本発明に係るレリーフ印刷版の製版に使用することができる。
レーザー彫刻に用いる半導体レーザーとしては、波長が700nm〜1,300nmのものであれば利用可能であるが、800nm〜1,200nmのものが好ましく、860nm〜1,200nmのものがより好ましく、900nm〜1,100nmであるものが特に好ましい。
GaAsのバンドギャップが室温で860nmであるため、860nm未満の領域では、一般的に、活性層がAlGaAs系のものが用いられる。一方、860nm以上では半導体活性層材料がInGaAs系のものが用いられる。一般にAlは酸化されやすいため、InGaAs系材料を活性層に持つ半導体レーザーの方がAlGaAs系より信頼性が高いため860nm〜1,200nmが好ましい。
更に実用的な半導体レーザーとしては、活性層材料のみならずクラッド材料の組成なども考慮すると、InGaAs系材料を活性層に持つ半導体レーザーでは、更に好ましい態様としては、波長が900nm〜1100nmの範囲において、より高出力で高信頼なものが得られやすい。従って波長900nm〜1100nmのInGaAs系の材料を活性層に持つファイバー付き半導体レーザーを用いることにより、本発明の効果である低コスト、高生産性を達成し易い。
安価で高生産で、且つ、画質の良好なレーザー彫刻レリーフ印刷システムを実現するためには、本発明に規定するようなレーザー彫刻用樹脂組成物を用いたレリーフ形成層を備えたレリーフ印刷版原版を用いるとともに、前記の如き特定波長の半導体レーザーであって、且つ、ファイバー付き半導体レーザーを用いることが好ましい。
ファイバー付き半導体レーザーを用いることで、彫刻したい形状の制御において、ファイバー付き半導体レーザーのビーム形状を変化させたり、ビーム形状を変化させずにレーザーに供給するエネルギー量を変化させたりすることで彫刻領域の形状を変化させることが可能となるという利点をも有するものである。
前記工程を経た後、彫刻表面に彫刻カスが付着しているため、水又は水を主成分とする液体で彫刻表面をリンスして、彫刻カスを洗い流すリンス工程(3)を行うことが好ましい。リンスの手段として、高圧水をスプレー噴射する方法、感光性樹脂凸版の現像機として公知のバッチ式又は搬送式のブラシ式洗い出し機で、彫刻表面を主に水の存在下でブラシ擦りする方法などが挙げられる。本発明によれば、発生する彫刻カスはヌメリなどがなく、粉末状であるために、水によるリンス工程により、カスが効果的に除去されるため、例えば、石鹸を添加したリンス液などを用いる必要がない。
彫刻表面にリンス工程(3)を行った場合、彫刻されたレリーフ形成層を乾燥してリンス液を揮発させる工程(4)を追加することが好ましい。
更に、必要に応じてレリーフ形成層を更に架橋させる工程(5)を追加してもよい。追加の架橋工程(5)(後架橋処理)を行うことにより、彫刻によって形成されたレリーフをより強固にすることができる。
以上のようにして、支持体等の任意の基材表面にレリーフ層を有するレリーフ印刷版が得られる。
レリーフ印刷版が有するレリーフ層の厚さは、耐磨耗性やインキ転移性のような種々の印刷適性を満たす観点からは、0.05mm以上10mm以下が好ましく、より好ましくは0.05mm以上7mm以下、特に好ましくは0.05mm以上3mm以下である。
また、レリーフ印刷版が有するレリーフ層のショアA硬度は、50°以上90°以下であることが好ましい。
レリーフ層のショアA硬度が50°以上であると、彫刻により形成された微細な網点が凸版印刷機の強い印圧を受けても倒れてつぶれることがなく、正常な印刷ができる。また、レリーフ層のショアA硬度が90°以下であると、印圧がキスタッチのフレキソ印刷でもベタ部での印刷かすれを防止することができる。
なお、本明細書におけるショアA硬度は、測定対象の表面に圧子(押針又はインデンタと呼ばれる)を押し込み変形させ、その変形量(押込み深さ)を測定して、数値化するデュロメータ(スプリング式ゴム硬度計)により測定した値である。
本発明のレリーフ印刷版原版を用いて製造されたレリーフ印刷版は、凸版用印刷機による水性インキ、油性インキ、及び、UVインキ、いずれのインキを用いた場合でも、印刷が可能であり、また、フレキソ印刷機によるUVインキでの印刷も可能である。本発明のレリーフ印刷版原版より得られるレリーフ印刷版は、リンス性に優れており彫刻カスの残存がなく、且つ、得られたレリーフ層が弾性に優れるため、インク転移性及び耐刷性に優れ、長期間にわたりレリーフ層の塑性変形や耐刷性低下の懸念がなく、印刷が実施できる。
以下、製造例、実施例及び比較例を挙げて本実施の形態を詳細に説明する。なお、以下において、「部」及び「%」は、「重量部」及び「重量%」を各々意味する。
(1)数平均分子量の測定
樹脂の平均分子量は、GPC法で求めた数平均分子量Mnを採用した。具体的には、樹脂の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ法(GPC法)を用いて、分子量既知のポリスチレンで換算して求めた。高速GPC装置(日本国、東ソー(株)製、商標、HLC−8020)とポリスチレン充填カラム(商標:TSKgel GMHXL;日本国、東ソー(株)製)を用い、テトラヒドロフラン(THF)で展開して測定した。カラムの温度は40℃に設定した。GPC装置に注入する試料としては、樹脂濃度が1wt%のTHF溶液を調製し、注入量10μlとした。また、検出器としては、樹脂紫外吸収検出器を使用し、モニター光として254nmの光を用いた。
(2)重合性不飽和基の平均数の測定
成分Aの分子内に存在する重合性不飽和基の平均数は、未反応の低分子成分を液体クロマトグラフ法を用いて除去した後、核磁気共鳴スペクトル法(NMR法、Bruker Biospin社製、商標「Avance 600」)を用いて分子構造解析し求めた。例えば「1.7官能」とは、分子内に存在する重合性不飽和基の平均数が1.7個であることを意味する。
また、成分Aにおける前記式(I)で表される基の前記式(II)で表される基への変換率は
変換率=100−{(変換後重合性不飽和基の平均数/変換前重合性不飽和基の平均数)×100}
で定義される。したがって、式(I)で表される基と式(II)で表される基の官能基平均数比(I)/(II)は
官能基平均数比(I)/(II)=変換後重合性不飽和基の平均数/(変換前重合性不飽和基の平均数−変換後重合性不飽和基の平均数)
で定義される。
(3)支持体への樹脂組成物の塗工
印刷機のシリンダーとの内径を調整するために、内径152.905mm、外径175.187mm、幅1,000mmのクッションブリッジスリーブ(独、AKL社製、商標「OptiFlex−Cushion Bridge」、PU50)を用いた。それぞれクッションブリッジスリーブのASKER−C硬度はPU50は78であった。
樹脂の支持体として繊維強化プラスチック製スリーブ(独、AKL社製、商標「OptiFlex−Basic」)を用いた。内径は175.18mm、外径は175.88mm、幅1000mmであった。該支持体上にレーザー彫刻印刷原版用樹脂組成物をドクターブレードで塗工し、130℃で60分間保持し硬化させ印刷原版を得た。硬化後の印刷周長が560mmとなるように印刷原版の最外面を研削、研磨で調整した。ドクターブレードで調節し、印刷性評価用のレーザー彫刻印刷原版を作成した。
(4)レーザー彫刻
炭酸ガスレーザー彫刻機として、レーザー照射による彫刻は、高品位CO2レーザーマーカML−9100シリーズ((株)キーエンス製)を用いた。レーザー彫刻用印刷版原版を、炭酸ガスレーザー彫刻機で、出力:12W、ヘッド速度:200mm/秒、ピッチ設定:2,400DPIの条件で、1cm四方のベタ部分をラスター彫刻した。
半導体レーザー彫刻機として、最大出力8.0Wのファイバー付き半導体レーザー(FC−LD)SDL−6390(JDSU社製、波長915nm)を装備したレーザー記録装置を用いた。半導体レーザー彫刻機でレーザー出力:7.5W、ヘッド速度:409mm/秒、ピッチ設定:2,400DPIの条件で、1cm四方のベタ部分をラスター彫刻した。
(5)レリーフ印刷版の評価
以下の項目でレリーフ印刷版の性能評価を行った。結果は、表1に併記した。
(5−1)彫刻深さ
レリーフ印刷版原版が有するレリーフ形成層をレーザー彫刻して得られたレリーフ層の「彫刻深さ」を、以下のように測定した。ここで、「彫刻深さ」とは、レリーフ層の断面を観察した場合の、彫刻された位置(高さ)と彫刻されていない位置(高さ)との差をいう。本実施例における「彫刻深さ」は、レリーフ層の断面を、超深度カラー3D形状測定顕微鏡VK9510((株)キーエンス製)にて観察することにより測定した。彫刻深さが大きいことは、彫刻感度が高いことを意味する。結果は、表1に示した。
(5−2)リンス性
レーザー彫刻した版をpH9.8に調整したアルカリ水に浸漬し、彫刻部を歯ブラシ(ライオン社製、クリニカハブラシ フラット)で10回こすった。その後、光学顕微鏡でレリーフ層の表面におけるカスの有無を確認した。
カスがないものを◎、殆どないものを○、少し残存しているものを△、カスが除去できていないものを×とした。結果は、表1に示した。
(5−3)耐刷性
得られたレリーフ印刷版を印刷機(ITM−4型、(株)伊予機械製作所製)にセットし、インクとして、水性インキ アクアSPZ16紅(東洋インキ製造(株)製)を希釈せずに用いて、印刷紙として、フルカラーフォームM 70(日本製紙(株)製、厚さ100μm)を用いて印刷を継続し、ハイライト1〜10%を印刷物で確認した。印刷されない網点が生じたところを刷了とし、刷了時までに印刷した紙の長さ(メートル)を指標とした。数値が大きいほど耐刷性に優れると評価する。
結果は、表1に示した。
(5−4)インキ転移性(着肉性)
上記耐刷性の評価において、印刷開始から500m及び1,000mにおける印刷物上のベタ部におけるインキの付着度合い(着肉性)を目視で比較した。
濃度ムラなく均一なものを○、ムラがあるものを×、○と×の中間の程度を○に近い順に○△、△、△×として、5段階で評価した。結果は、表1に示した。
(5−5)剥離耐性評価
レリーフ印刷版原版の膜の剥がれやすさを下記方法で評価した。該評価による剥離耐性が高いとレリーフ印刷版原版が外力を加えられた際に支持体又はクッション層から剥離することがなく、良好に取り扱うことができる。
剥離耐性は、テープ剥離試験による剥離面積として評価した。すなわち、レリーフ印刷版原版の塗布面をJIS D0202−1988に準拠して碁盤目テープ剥離試験を行った。セロハンテープ(「CT24」、ニチバン(株)製)を用い、指の腹でフィルムに密着させた後、剥離した。判定は、剥離面積率(膜全面積に対する剥離面積の割合)で、○:<10%、△:10〜30%、×:>30%とした。結果は、表1に示した。
(式(I)で表される基、及び、式(II)で表される基を分子内に有する樹脂の調製)
[製造例1]
温度計、撹拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコに信越化学工業(株)製、両末端型カルビノール変性反応性シリコーンオイルである、「KF−6003」(数平均分子量5,100、OH価22.0)を413.72gとトリレンジイソシアナート11.05gを加え、80℃加温下で約3時間反応させた後、2−アクリロイルオキシイソシアネート4.99gを添加し、更に約3時間反応させて、末端がアクリル基である樹脂を調製した。更に、エポミンSP−006(ポリエチレンイミン、(株)日本触媒製)0.03gを入れ、KBM−803(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製)4.9gを室温下で30分かけて撹拌しながら滴下した。滴下後、室温下で2時間撹拌することで、(A)化合物(A−1)を得た。得られた化合物(A−1)及び(A−1)の前駆体の構造は、1H NMRにより同定した。このとき変換率70%、式(I)で表される基と式(II)で表される基の官能基平均数比(I)/(II)は0.42であり、樹脂(A−1)の数平均分子量は21,000であった。
[製造例2]
温度計、撹拌機、還流器を備えた2Lのセパラブルフラスコに旭化成(株)製ポリカーボネートジオールである、商標「PCDL T4672」(数平均分子量2,059、OH価54.5)1318gとトリレンジイソシアナート76.8gを加え、80℃加温下で約3時間反応させた後、2−アクリロイルオキシイソシアネート47.8gを添加し、更に約3時間反応させて、末端がアクリル基である樹脂を調製した。更に、トリエチルアミン(和光純薬工業(株)製)0.05gを入れ、KBM−803(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製)55gを室温下で30分かけて撹拌しながら滴下した。滴下後、室温下で2時間撹拌することで、(A)化合物(A−2)を得た。得られた化合物(A−2)及び(A−2)の前駆体の構造は、1H NMRにより同定した。このとき変換率80%、式(I)で表される基と式(II)で表される基の官能基平均数比(I)/(II)は0.25であり、樹脂(A−2)の数平均分子量は11,000であった。
[製造例3]
温度計、撹拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコに旭化成ケミカルズ(株)製ポリカーボネートジオール「PCDL T4672」(商標)(数平均分子量2,082、OH価53.9)396.67gと、旭化成ケミカルズ(株)製ヘキサメチレンジイソシアネート無黄変型ポリイソシアネート「デュラネートTPA−100」(商標)(数平均分子量600、NCO23%、イソシアナト基平均数fn3.3)28.4gを加え、40℃加温下で約1時間、80rpmにて撹拌させた後、触媒としてジブチルチンジラウレートを0.2g添加し3時間反応させた。次に、2−アクリロイルオキシイソシアネート26.9gを添加し、更に約3時間反応させて、末端がアクリル基である樹脂を調製した。更に、エポミンSP−006(ポリエチレンイミン、(株)日本触媒製)0.14gを入れ、KBM−803(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製)26.2gを室温下で30分かけて撹拌しながら滴下した。滴下後、室温下で2時間撹拌することで、(A)化合物(A−3)を得た。得られた化合物(A−3)及び(A−3)の前駆体の構造は、1H NMRにより同定した。このとき変換率70%、式(I)で表される基と式(II)で表される基の官能基平均数比(I)/(II)は0.42であり、樹脂(A−3)の数平均分子量は9,500であった。
[製造例4]
温度計、撹拌機、還流器を備えた500mlのセパラブルフラスコに、1−メトキシ−2−プロパノール160.01g入れ、窒素気流下、70℃まで加熱した。ジエチレングリコールモノメチルエーテル94.10g、メタクリル酸43.10g、V−601 1.84gの1−メトキシ−2−プロパノール160.01g溶液を2.5時間かけて滴下した。滴下終了後、90℃まで加熱し、更に2時間撹拌した。室温まで反応溶液を冷却した後、グリシジルメタクリレート80g、p−メトキシフェノール0.43g、テトラエチルアンモニウムブロミド2.17gを加え、再び90℃まで加熱し、8時間撹拌し、側鎖にメタクリル基を含有する樹脂を調製した。更に、DBU(ジアザビシクロウンデセン)0.31gを入れ、KBM−803(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製)58.9gを室温下で30分かけて撹拌しながら滴下した。滴下後、室温下で5時間撹拌し、(A)化合物(A−4)を得た(1−メトキシ−2−プロパノール溶液)。得られた化合物(A−4)及び(A−4)の前駆体の構造は、1H NMRにより同定した。このとき変換率60%、式(I)で表される基と式(II)で表される基の官能基平均数比(I)/(II)は0.66であり、樹脂(A−4)の数平均分子量は26,000であった。
[製造例5]
温度計、撹拌機、還流器を備えた500mlのセパラブルフラスコに下記ジオ−ル化合物(1)26.0g(0.10モル)をN,N−ジメチルアセトアミド100mlに溶解した。これに、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート25.5g(0.102モル)、ジブチル錫ジラウリレート0.1gを添加し、100℃にて、8時間加熱撹拌した。その後、N,N−ジメチルホルムアミド100ml及びメチルアルコール200mlにて希釈し30分撹拌した。更に、DBU(ジアザビシクロウンデセン)0.05gを入れ、KBM−803(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製)13.7gを室温下で30分かけて撹拌しながら滴下した。滴下後、室温下で5時間撹拌し、水で再沈殿し、乾燥した後、MEK(メチルエチルケトン)80gに溶解することで(A)化合物(A−5)(MEK溶液)を得た。得られた化合物(A−5)及び(A−5)の前駆体の構造は、1H NMRにより同定した。このとき変換率70%、式(I)で表される基と式(II)で表される基の官能基平均数比(I)/(II)は0.42であり、樹脂(A−3)の数平均分子量は36,000であった。
Figure 0005193321
[製造例6]
温度計、撹拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコに旭化成ケミカルズ(株)製ポリカーボネートジオール「PCDL T4672」(商標)(数平均分子量2,082、OH価53.9)396.67gと、旭化成ケミカルズ(株)製ヘキサメチレンジイソシアネート無黄変型ポリイソシアネート「デュラネートTPA−100」(商標)(数平均分子量600、NCO23%、イソシアナト基平均数fn3.3)28.4gを加え、40℃加温下で約1時間、80rpmにて撹拌させた後、触媒としてジブチルチンジラウレートを0.2g添加し3時間反応させた。次に、2−アクリロイルオキシイソシアネート26.9gを添加し、更に約3時間反応させて、末端がアクリル基である樹脂を調製した。更に、エポミンSP−006(ポリエチレンイミン、(株)日本触媒製)0.1gを入れ、KBM−803(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製)16.8gを室温下で30分かけて撹拌しながら滴下した。滴下後、室温下で2時間撹拌することで、(A)化合物(A−6)を得た。得られた化合物(A−6)及び(A−6)の前駆体の構造は、1H NMRにより同定した。このとき変換率45%、式(I)で表される基と式(II)で表される基の官能基平均数比(I)/(II)は1.2であり、樹脂(A−6)の数平均分子量は10,000であった。
[製造例7]
温度計、撹拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコに旭化成ケミカルズ(株)製ポリカーボネートジオール「PCDL T4672」(商標)(数平均分子量2,082、OH価53.9)396.67gと、旭化成ケミカルズ(株)製ヘキサメチレンジイソシアネート無黄変型ポリイソシアネート「デュラネートTPA−100」(商標)(数平均分子量600、NCO23%、イソシアナト基平均数fn3.3)28.4gを加え、40℃加温下で約1時間、80rpmにて撹拌させた後、触媒としてジブチルチンジラウレートを0.2g添加し3時間反応させた。次に、2−アクリロイルオキシイソシアネート26.9gを添加し、更に約3時間反応させて、末端がアクリル基である樹脂を調製した。更に、エポミンSP−006(ポリエチレンイミン、(株)日本触媒製)0.07gを入れ、KBM−803(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製)11.2gを室温下で30分かけて撹拌しながら滴下した。滴下後、室温下で2時間撹拌することで、(A)化合物(A−7)を得た。得られた化合物(A−7)及び(A−7)の前駆体の構造は、1H NMRにより同定した。このとき変換率30%、式(I)で表される基と式(II)で表される基の官能基平均数比(I)/(II)は2.3であり、樹脂(A−7)の数平均分子量は9,000であった。
[製造例8]
温度計、撹拌機、還流器を備えた500mlのセパラブルフラスコに、1−メトキシ−2−プロパノール160.01gを入れ、窒素気流下、70℃まで加熱した。ジエチレングリコールモノメチルエーテル94.10g、メタクリル酸43.10g、V−601 1.84gの1−メトキシ−2−プロパノール160.01g溶液を2.5時間かけて滴下した。滴下終了後、90℃まで加熱し、更に2時間撹拌した。室温まで反応溶液を冷却した後、グリシジルメタクリレート40g、p−メトキシフェノール0.22g、テトラエチルアンモニウムブロミド1.09gを加え、再び90℃まで加熱し、8時間撹拌し、側鎖にメタクリル基を含有する樹脂を調製した。更に、DBU(ジアザビシクロウンデセン)0.16gを入れ、KBM−803(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製)29.5gを室温下で30分かけて撹拌しながら滴下した。滴下後、室温下で5時間撹拌することで、(A)化合物(A−8)を得た(1−メトキシ−2−プロパノール溶液)。得られた化合物(A−8)及び(A−8)の前駆体の構造は、1H NMRにより同定した。このとき変換率60%、式(I)で表される基と式(II)で表される基の官能基平均数比(I)/(II)は0.66であり、樹脂(A−8)の数平均分子量は30,000であった。
[製造例9]
温度計、撹拌機、還流器を備えた500mlのセパラブルフラスコに2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸8.2g(0.05モル)、前記ジオ−ル化合物(1)13.0g(0.05モル)をN,N−ジメチルアセトアミド100mlに溶解した。これに、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート25.5g(0.102モル)、ジブチル錫ジラウリレート0.1gを添加し、100℃にて、8時間加熱撹拌した。その後、N,N−ジメチルホルムアミド100ml及びメチルアルコール200mlにて希釈し30分撹拌した。更に、DBU(ジアザビシクロウンデセン)0.03gを入れ、KBM−803(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製)6.9gを室温下で30分かけて撹拌しながら滴下した。滴下後、室温下で5時間撹拌し、水で再沈殿し、乾燥した後、MEK66gに溶解することで(A)化合物(A−9)(MEK溶液)を得た。水で再沈殿することで(A)化合物(A−9)を得た。得られた化合物(A−9)及び(A−9)の前駆体の構造は、1H NMRにより同定した。このとき変換率72%、式(I)で表される基と式(II)で表される基の官能基平均数比(I)/(II)は0.38であり、樹脂(A−9)の数平均分子量は33,000であった。
[製造例10]
温度計、撹拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコに信越化学工業(株)製、両末端型カルビノール変性反応性シリコーンオイルである、「KF−6003」(数平均分子量5,100、OH価22.0)を413.72gとトリレンジイソシアナート11.05gを加え、80℃加温下で約3時間反応させた後、2−アクリロイルオキシイソシアネート4.99gを添加し、更に約3時間反応させて、末端がアクリル基である樹脂を調製した。更に、DBU(ジアザビシクロウンデセン)0.06gを入れ、KBM−903(3−アミノプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業(株)製)4.5gを室温下で30分かけて撹拌しながら滴下した。滴下後、70℃で4時間撹拌することで、(A)化合物(A−10)を得た。得られた化合物(A−10)及び(A−10)の前駆体の構造は、1H NMRにより同定した。このとき変換率70%、式(I)で表される基と式(II)で表される基の官能基平均数比(I)/(II)は0.42であり、樹脂(A−10)の数平均分子量は20,000であった。
[製造例11]
温度計、撹拌機、還流器を備えた500mlのセパラブルフラスコにポリプロピレングリコール(平均分子量2,000)100.0g(0.05モル)をN,N−ジメチルアセトアミド300mlに溶解した。これに、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート9.6g(0.055モル)、ジブチル錫ジラウリレート0.2gを添加し、100℃にて、8時間加熱撹拌した。その後、N,N−ジメチルホルムアミド300ml及びメチルアルコール600mlにて希釈し30分撹拌した。これを水で再沈殿し、乾燥した後、MEK134gに溶解することで比較用化合物(AC−1)(MEK溶液)を得た。樹脂(AC−1)の数平均分子量は31,000であった。
[製造例12]
温度計、撹拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコに信越化学工業(株)製、両末端型カルビノール変性反応性シリコーンオイルである、「KF−6003」(数平均分子量5,100、OH価22.0)を413.72gとgとトリレンジイソシアナート11.05gを加え、80℃加温下で約3時間反応させた後、2−アクリロイルオキシイソシアネート4.99gを添加し、更に約3時間反応させて、末端がアクリル基である比較用化合物化合物(AC−2)を得た。樹脂(AC−2)の数平均分子量は19,000であった。
[製造例13]
温度計、撹拌機、還流器を備えた2Lのセパラブルフラスコに旭化成(株)製ポリカーボネートジオールである、商標「PCDL T4672」(数平均分子量2,059、OH価54.5)1318gとトリレンジイソシアナート76.8gを加え、80℃加温下で約3時間反応させた後、2−アクリロイルオキシイソシアネート47.8gを添加し、更に約3時間反応させて、末端がアクリル基である比較用化合物化合物(AC−3)を得た。樹脂(AC−3)の数平均分子量は10,000であった。
[製造例14]
温度計、撹拌機、還流器を備えた500mlのセパラブルフラスコに、1−メトキシ−2−プロパノール130g入れ、窒素気流下、70℃まで加熱した。ジエチレングリコールモノメチルエーテル94.10g、KBM−503(3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、信越化学工業(株)製)124.3g、V−601 1.84gの1−メトキシ−2−プロパノール130g溶液を2.5時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃まで加熱し、更に2時間撹拌した。側鎖にアルコキシシリル基を含有する樹脂(AC−4)を調製した(1−メトキシ−2−プロパノール溶液)。樹脂(AC−4)の数平均分子量は56,000であった。
[実施例1]
成分A:A−1 100部
成分B:商標「サイロスフェアC−1504」 15.4部
(富士シリシア化学(株)製、数平均粒子径4.5μm、比表面積520m2/g、平均細孔径12nm、細孔容積1.5ml/g、灼熱減量2.5重量%、吸油量290ml/100g、添加した多孔質球状シリカであるサイロスフェアC−1504の真球度は、走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、ほぼ全ての粒子が0.9以上であった。)
成分C:DBU(ジアザビシクロウンデセン) 0.5部
成分D:PBE 0.5部
(t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート(日本油脂(株)製商標「パーブチルE」))
以上の成分を添加して25℃にて30分間撹拌し、液状の樹脂組成物を作製した後、前記の方法で支持体へ該樹脂組成物を成型することでレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を作製し、これに対してレーザー彫刻を行った。
前記の方法で各評価を行った結果を表1に示した。
[実施例2]
成分A:A−1 100部
成分B:商標「サイロスフェアC−1504」 15.4部
(富士シリシア化学(株)製、数平均粒子径4.5μm、比表面積520m2/g、平均細孔径12nm、細孔容積1.5ml/g、灼熱減量2.5重量%、吸油量290ml/100g、添加した多孔質球状シリカであるサイロスフェアC−1504の真球度は、走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、ほぼ全ての粒子が0.9以上であった。)
成分C:DBU(ジアザビシクロウンデセン) 0.5部
成分D:PBE 0.5部
(t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、日本油脂(株)製、商標「パーブチルE」)
成分G:ケッチェンブラックEC600JD 10部
(カーボンブラック、ライオン(株)製、表1ではCB−1と表記する)
以上の成分を添加して25℃にて30分間撹拌し、液状の樹脂組成物を作製した後、前記の方法で支持体へ該樹脂組成物を成型することでレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を作製し、これに対してレーザー彫刻を行った。
前記の方法で各評価を行った結果を表1に示した。
[実施例3]
成分A:A−1 100部
成分B:商標「サイロスフェアC−1504」 15.4部
(富士シリシア化学(株)製、数平均粒子径4.5μm、比表面積520m2/g、平均細孔径12nm、細孔容積1.5ml/g、灼熱減量2.5重量%、吸油量290ml/100g、添加した多孔質球状シリカであるサイロスフェアC−1504の真球度は、走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、ほぼ全ての粒子が0.9以上であった。)
成分C:DBU(ジアザビシクロウンデセン) 0.5部
成分D:PBE 0.5部
(t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、日本油脂(株)製、商標「パーブチルE」)
成分E:下記E−1 30部
成分G:ケッチェンブラックEC600JD 10部
(カーボンブラック、ライオン(株)製)
以上の成分を添加して25℃にて30分間撹拌し、液状の樹脂組成物を作製した後、前記の方法で支持体へ該樹脂組成物を成型することでレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を作製し、これに対してレーザー彫刻を行った。
前記の方法で各評価を行った結果を表1に示した。
[実施例4]
成分A:A−1 100部
成分B:商標「サイロスフェアC−1504」 15.4部
(富士シリシア化学(株)製、数平均粒子径4.5μm、比表面積520m2/g、平均細孔径12nm、細孔容積1.5ml/g、灼熱減量2.5重量%、吸油量290ml/100g、添加した多孔質球状シリカであるサイロスフェアC−1504の真球度は、走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、ほぼ全ての粒子が0.9以上であった。)
成分C:DBU(ジアザビシクロウンデセン) 0.5部
成分D:PBE 0.5部
(t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、日本油脂(株)製、商標「パーブチルE」)
成分F:下記F−1 70部
成分G:ケッチェンブラックEC600JD 10部
(カーボンブラック、ライオン(株)製)
以上の成分を添加して25℃にて30分間撹拌し、液状の樹脂組成物を作製した後、前記の方法で支持体へ該樹脂組成物を成型することでレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を作製し、これに対してレーザー彫刻を行った。
前記の方法で各評価を行った結果を表1に示した。
[実施例5]
成分A:A−1 100部
成分B:商標「サイロスフェアC−1504」 15.4部
(富士シリシア化学(株)製、数平均粒子径4.5μm、比表面積520m2/g、平均細孔径12nm、細孔容積1.5ml/g、灼熱減量2.5重量%、吸油量290ml/100g、添加した多孔質球状シリカであるサイロスフェアC−1504の真球度は、走査型電子顕微鏡を用いて観察したところ、ほぼ全ての粒子が0.9以上であった。)
成分C:DBU(ジアザビシクロウンデセン) 0.5部
成分D:PBE 0.5部
(t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート、日本油脂(株)製、商標「パーブチルE」)
成分E:下記E−1 30部
成分F:下記F−1 70部
成分G:ケッチェンブラックEC600JD 10部
(カーボンブラック、ライオン(株)製)
以上の成分を添加して25℃にて30分間撹拌し、液状の樹脂組成物を作製した後、前記の方法で支持体へ該樹脂組成物を成型することでレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を作製し、これに対してレーザー彫刻を行った。
前記の方法で各評価を行った結果を表1に示した。
[実施例6]
成分Aとして、A−2を100部使用した以外は実施例5と同様にしてレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を作製し、これに対してレーザー彫刻を行った。
前記の方法で各評価を行った結果を表1に示した。
[実施例7]
成分Aとして、A−3を100部使用した以外は実施例5と同様にしてレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を作製し、これに対してレーザー彫刻を行った。
前記の方法で各評価を行った結果を表1に示した。
[実施例8]
成分Aとして、A−4(1−メトキシ−2−プロパノール溶液)を220部使用した以外は実施例5と同様にしてレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を作製し、これに対してレーザー彫刻を行った。
前記の方法で各評価を行った結果を表1に示した。
[実施例9]
成分Aとして、A−5(MEK溶液)を220部使用した以外は実施例5と同様にしてレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を作製し、これに対してレーザー彫刻を行った。
前記の方法で各評価を行った結果を表1に示した。
[実施例10]
成分Aとして、A−6を100部使用した以外は実施例5と同様にしてレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を作製し、これに対してレーザー彫刻を行った。
前記の方法で各評価を行った結果を表1に示した。
[実施例11]
成分Aとして、A−7を100部使用した以外は実施例5と同様にしてレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を作製し、これに対してレーザー彫刻を行った。
前記の方法で各評価を行った結果を表1に示した。
[実施例12]
成分Aとして、A−8(1−メトキシ−2−プロパノール溶液)を220部使用した以外は実施例5と同様にしてレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を作製し、これに対してレーザー彫刻を行った。
前記の方法で各評価を行った結果を表1に示した。
[実施例13]
成分Aとして、A−9(MEK溶液)を220部使用した以外は実施例5と同様にしてレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を作製し、これに対してレーザー彫刻を行った。
前記の方法で各評価を行った結果を表1に示した。
[実施例14]
成分Aとして、A−10を100部使用した以外は実施例5と同様にしてレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を作製し、これに対してレーザー彫刻を行った。
前記の方法で各評価を行った結果を表1に示した。
[比較例1]
成分Aの代わりに、AC−1(MEK溶液)を220部使用した以外は実施例5と同様にしてレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を作製し、これに対してレーザー彫刻を行った。
前記の方法で各評価を行った結果を表1に示した。
[比較例2]
成分Aの代わりに、AC−2を100部使用した以外は実施例5と同様にしてレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を作製し、これに対してレーザー彫刻を行った。
前記の方法で各評価を行った結果を表1に示した。
[比較例3]
成分Aの代わりに、AC−3を100部使用した以外は実施例5と同様にしてレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を作製し、これに対してレーザー彫刻を行った。
前記の方法で各評価を行った結果を表1に示した。
[比較例4]
成分Aの代わりに、AC−4(1−メトキシ−2−プロパノール溶液)を220部使用した以外は実施例5と同様にしてレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を作製し、これに対してレーザー彫刻を行った。
前記の方法で各評価を行った結果を表1に示した。
[比較例5]
成分Aの代わりに、AC−2を50部、及び、AC−4(1−メトキシ−2−プロパノール溶液)を110部使用した以外は実施例5と同様にしてレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版を作製し、これに対してレーザー彫刻を行った。
前記の方法で各評価を行った結果を表1に示した。
Figure 0005193321
Figure 0005193321
Figure 0005193321
以上の結果から、本発明によればレーザー彫刻感度(彫刻深さ)、リンス性、着肉性、耐刷性、剥離耐性に優れたレーザー彫刻印刷版が得られることがわかる。また、該製法により得られたカルボン酸とラジカル及びアルコキシシラン架橋性基を含むポリマーは他性能だけでなく、リンス性が非常に良いことがわかった。

Claims (19)

  1. (成分A)下記式(I)で表される基、及び、下記式(II)で表される基を有し、かつ、数平均分子量が5,000以上50万以下である樹脂を含有することを特徴とする
    レーザー彫刻用樹脂組成物。
    Figure 0005193321
    (式(I)及び(II)中、Xは−S−又は−N(R0)−を表し、R0は水素原子又はアルキル基を表し、R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は二価の連結基を表し、R3はそれぞれ独立してアルコキシ基、ハロゲン原子又は炭素数1〜30のアルキル基を表す。ただし、R3の少なくとも1つはアルコキシ基又はハロゲン原子である。)
  2. 前記成分A中の式(I)で表される基と式(II)で表される基の官能基平均数比((I)/(II))が0.1以上4以下である、請求項1に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  3. 前記成分A中の式(I)で表される基と式(II)で表される基の官能基平均数比((I)/(II))が0.3以上1.5以下である、請求項1又は2に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  4. 前記成分A中の式(I)で表される基と式(II)で表される基の官能基平均数比((I)/(II))が0.4以上1.0以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  5. 前記成分Aが、カーボネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂及びエステル樹脂よりなる群から選ばれる少なくとも一種類の樹脂である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  6. (成分B)シリカ粒子を更に含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  7. 前記成分Bの数平均粒子径が0.01μm以上10μm以下である、請求項6に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  8. (成分C)アルコール交換反応触媒を更に含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  9. (成分D)ラジカル重合開始剤を更に含有する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  10. (成分E)重量平均分子量が5,000未満の重合性不飽和基を有する化合物を更に含有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  11. (成分F)重量平均分子量が5,000未満の加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物を更に含有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  12. (成分G)700〜1,300nmの波長の光を吸収可能な光熱変換剤を更に含有する、請求項1〜11のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物。
  13. 支持体上に、請求項1〜12のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレリーフ形成層を備えるレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版。
  14. 前記レリーフ形成層が光及び/又は熱により架橋されている、請求項13に記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版。
  15. 前記レリーフ形成層が熱により架橋されている、請求項13に記載のレーザー彫刻用レリーフ印刷版原版。
  16. (1)請求項1〜12のいずれか1項に記載のレーザー彫刻用樹脂組成物からなるレーザー彫刻用樹脂組成物層を形成する工程、
    (2)該レーザー彫刻用樹脂組成物層を光及び/又は熱により架橋して、架橋されたレリーフ形成層を形成する工程、及び、
    (3)架橋されたレリーフ形成層をレーザー彫刻してレリーフ層を形成する工程、をこの順に有することを特徴とする
    レリーフ印刷版の製版方法。
  17. 前記工程(2)が、前記レリーフ形成層を熱により架橋する工程である、請求項16に記載のレリーフ印刷版の製版方法。
  18. 請求項16又は17に記載の製版方法により製造された、レリーフ層を有するレリーフ印刷版。
  19. 前記レリーフ層の厚みが、0.05mm以上10mm以下である、請求項18に記載のレリーフ印刷版。
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