JP5192800B2 - 磁気ディスク装置 - Google Patents

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本発明は、磁気ディスク装置に関し、より詳細には、磁気ディスク装置に用いられるスピンドルモータのステータ構造に関する。
例えばハードディスクドライブ(Hard Disk Drive;以下、「HDD」とする。)等の磁気ディスク装置は、情報を記録する記録媒体であるディスクをスピンドルモータにより回転させた状態で、ヘッドにより情報の記録再生を行う装置である。HDDは、例えばノートパソコンやMP3プレーヤー、自動車等に搭載されており、その用途は多様にある。これに応じてHDDの小型化、薄型化とともに、所定のモータ効率を維持することが要求されている。
HDDの薄型化とモータの効率維持とを両立する磁気ディスク装置が、例えば特許文献1に開示されている。かかる磁気ディスク装置における回転駆動部であるモータ・アセンブリは、図11に示すように、ベース11に固定された回転軸12に、ディスクを保持するハブ17が軸受14を介して回転可能に支持されている。ハブ17の内側においては、ベース11にステータコイル15が設けられ、ハブ17にマグネット16が設けられている。かかるモータ・アセンブリは、ステータコイル15に電流が流れることにより発生する磁場とマグネット16との引き合い動作を繰り返すことによって回転する。
かかるモータ・アセンブリでは、モータの回転軸方向の高さ(以下、「モータの高さ」という。)を低く抑えるために、ベース11に貫通穴13を形成し、貫通穴13にステータコイル15の一部を収容している。このため、特許文献1のモータ・アセンブリのベース11には、図12に示すように、複数の貫通穴13がステータコイル15の位置に対応して形成される。
特許第3270381号明細書
しかし、上記特許文献1の磁気ディスク装置は、図12に示すように複数の貫通穴13をベース11に形成することにより、ベース11の強度を低下させてしまうという問題があった。特に、ベース11の面積全体に対してステータコイル15の実装スペースを大きくする場合、相対的に大きなサイズの貫通穴が形成されるため、ベース11の強度低下が顕著となる。このようにベースの強度が低下すると、磁気ディスク装置を動作させた場合におけるディスク支持の剛性が小さくなる。このとき、磁気ディスク装置に対して外部から衝撃や振動が加えられた場合、あるいは磁気ディスク装置の構成部品が動作した際に、ディスクを面外方向に傾斜させる振動が発生してしまい、高精度に磁気ヘッドを所定のディスク位置に位置決めすることが困難となる。
また、スピンドルモータの効率向上には、ステータコイルの巻き数を増加させることが有効である。しかし、薄型の磁気ディスク装置においてはコイル実装スペースが限定されている。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、ベース剛性の低下を防止するとともに、装置の薄型化を実現することが可能な、新規かつ改良された磁気ディスク装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、ディスクと、ディスクを回転させる回転駆動部と、回転駆動部を支持するベースと、ディスクにデータを記録再生するヘッドを回転移動させるアクチュエータとを備える磁気ディスク装置が提供される。かかる磁気ディスク装置の回転駆動部は、回転軸を中心として永久磁石が配置されたロータ部と、ロータ部と対向して設けられ、回転軸を中心として周方向に沿って配設された複数のコイル列からなるステータ部とを備える。このとき、各コイル列は、ディスクの径方向に延びる一の軸芯に少なくとも2つのコイルが所定の間隔をおいて巻回されて構成される。そして、ベースには、コイルが1つずつ収容される複数の貫通穴が形成される。
本発明によれば、回転駆動部のステータ部を構成するコイルを回転軸中心に環状に配置し、かかるコイルをベースに形成された貫通穴に1つずつ収める。これにより、回転駆動部の高さを低減させることができ、回転駆動部を制限のある高さスペースに効率よく配置することができる。また、本発明のステータ部のコイル列は、1つの鉄芯に少なくとも2つのコイルを巻回して形成されている。このため、ベースに形成される貫通穴のひとつひとつの大きさを小さくすることができる。これにより、大きな貫通穴によるベース強度の低下を防止することができ、ディスクの支持剛性を高めることができる。
ここで、ベースに形成される貫通穴は、収容されるコイルの形状に応じて形成されるようにする。これにより、貫通穴の開口面積を最小限に抑えることができるので、ベース強度の低下をより防止することができる。
また、1つの鉄芯に巻回されるコイルの巻き数を略同一としてもよい。また、1つの鉄芯に巻回される各コイルの軸芯方向の長さを略同一とすることもできる。このように各コイルの大きさを所定の大きさに揃えることによって、ベースの開口面積を略均一とすることができる。これにより、ベースに極端に大きな開口面積を有する貫通穴が存在しないので、ベース強度が局所的に著しく低下することがない。
さらに、回転駆動部に入力する電流を、1つの鉄芯に巻回された前記コイル間の距離に応じて決定させるようにしてもよい。コイル間の距離が大きくなるにつれて、回転駆動部の駆動効率は低下する。このような状況下では、回転駆動部に入力される電流を調節することにより、回転駆動部の回転トルク低下を防止することができる。
以上説明したように本発明によれば、ベース剛性の低下を防止するとともに、装置の薄型化を実現することが可能な磁気ディスク装置を提供することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
まず、図1および図2に基づいて、本発明の実施形態にかかる磁気ディスク装置について説明する。なお、図1は、本実施形態にかかるHDD100の概略構成を示す部分切り欠き平面図である。図2は、本実施形態にかかるスピンドルモータ120の構成を示す断面図である。
本実施形態にかかる磁気ディスク装置は、例えばHDD100であって、図1に示すように、データ記録媒体であるディスク105と、ベース110と、ディスク105を保持して回転させるスピンドルモータ120と、ディスク105にデータを記録および/または再生するヘッド135を回転移動させるアクチュエータ130と、を備える。
ベース110は、スピンドルモータ120を支持する他に、例えば、後述するアクチュエータ130や、アクチュエータ130の稼動範囲を制限してヘッド135と他部材との接触を防止する衝撃緩衝機構であるストッパなど複数の機構部品が組み付けられる。本実施形態にかかるベース110には、スピンドルモータ120の高さを低くするために、後述するステータコイルの形状に応じて複数の貫通穴が形成される。
スピンドルモータ120は、ディスク105を回転させる回転駆動部である。本実施形態にかかるスピンドルモータ120は、図2に示すように、スピンドルモータ120の回転中心である回転軸121と、回転軸121の周囲に設けられた軸受122と、軸受122を介してディスク105を保持するハブ123と、ハブ123の外周部に設けられたマグネットロータ124と、複数のステータコイル列からなるステータ部125と、から構成される。
マグネットロータ124は、例えばリング形状の永久磁石からなるロータ部である。また、ステータ部125は、図2に示すように、第1のステータコイル125aと第2のステータコイル125bとからなるステータコイル列を複数備えて構成される。1つのステータコイル列を形成する第1のステータコイル125aおよび第2のステータコイル125bは、同一の導線を1つの鉄芯に巻回して形成されており、図1に示すように、回転軸121から第1のステータコイル125a、第2のステータコイル125bの順にディスク105の径方向に所定の間隔を有して並んで配置される。
また、ステータ部125は、第1のステータコイル125aおよび第2のステータコイル125bからなるステータコイルをスピンドルモータ120の回転方向に沿って複数配置して形成されている。なお、本実施形態において、第1のステータコイル125aおよび第2のステータコイル125bのコイル巻き数は略同一であり、各ステータコイル125a、125bの径方向における長さも略同一であるとする。スピンドルモータ120は、ステータコイルに電流が流れることにより発生する磁場とマグネットロータ124との引き合い動作を繰り返すことによって回転する。
アクチュエータ130には、ディスク105にデータを記録および/または再生するヘッド135が設けられ、回転軸(ピボット)133を介して回転自在な状態でベース110に取り付けられる。かかるアクチュエータ130は、例えば、1つのディスク105に対して一対のヘッドアセンブリ137を備えている。一対のヘッドアセンブリ137は、所定の隙間を有して積層されており、この隙間にディスク105を挟むように配設されている。ディスク105にデータを記録および/または再生する場合、かかるヘッドアセンブリ137を回転させて、ヘッド135をディスク105の所定の位置に移動させる。なお、アクチュエータ130は、ボイスコイルモータ(VCM;Voice Coil Motor、図示せず。)構成で回転駆動する。
このようなHDD100において、ディスク105がスピンドルモータ120により、例えば図1の矢印方向に回転されるとする。そして、データの記録・再生を行う際には、アクチュエータ130が駆動されてディスク105の所定の位置にヘッド135が位置するように移動される。一方、データの記録・再生を行わないときは、アクチュエータ130を駆動させて、ヘッド135をディスク105上から退避させる。
以上、本実施形態にかかるHDD100の構成について説明した。本実施形態にかかるHDD100は、モータの効率を高めるために、ステータコイルの巻き数を多くする。このとき、スピンドルモータ120の高さを低くするため、ベース110にはステータコイルに対応して複数の貫通穴が形成される。図3に、本実施形態にかかるベース110の平面図を示す。
図3に示すように、ベース110のステータ部125と対応する領域111には、第1のステータコイル125aに対応する第1の貫通穴113、第2のステータコイル125bに対応する第2の貫通穴114が形成されている。ベース110にスピンドルモータ120を組み付けたときに、スピンドルモータ120の回転軸方向に、第1のステータコイル125aの一部が第1の貫通穴113に、第2のステータコイル125bの一部が第2の貫通穴114に収容されるようになる。このように、ステータコイルが貫通穴に収容された分だけスピンドルモータ120の高さを低くすることができる。
また、上述したように、本実施形態にかかるステータ部125は、連続したステータコイルがディスク105の径方向に2つ並んで形成されている。このとき、ベース110に形成される貫通穴113、114は、収容するステータコイルの形状に合わせて形成されるので、第1のステータコイル125aおよび第2のステータコイル125bとの間のコイルが巻回されていない部分に対応する領域(図3の符号112)には、貫通穴を形成する必要がない。磁気ディスク装置の薄型化に伴い、ベース110の厚さは約1mm以下のものが主に使用されるようになっている。このとき、ベース110に複数の貫通穴が形成されると、貫通穴の大きさと数に比例してベース110の強度が低下する。特に、ベース110に形成されるひとつひとつの貫通穴のサイズが大きくなると、局所的に強度が低下し、ベース剛性への影響が大きくなる。
本実施形態によれば、従来は1つの鉄芯に連続して巻回されていたコイルを、第1のステータコイル125aと第2のステータコイル部125bとの2つに分けることにより、図3に示すようにベース110に形成される貫通穴113、114のサイズを小さくすることができる。このとき形成される第1のステータコイル125aおよび第2のステータコイル125bとの間のコイルが巻回されていない部分に対応する領域112により、ベース強度の局所的な低下を防止することができ、装置の強度を全体として向上させることができる。
また、貫通穴113、114には、ステータコイル(第1のステータコイル125aあるいは第2のステータコイル125b)が1つずつ収容される。本実施形態では、収容されるステータコイル125a、125bの形状を略同一となるように形成しているため、貫通穴113、114の開口面積も略同一となる。これにより、極端に大きな開口面積を有する貫通穴113、114がないため、ベース強度の局所的な低下を防止することができる。
(ベース剛性についての検証)
以下、図4〜図7に基づいて、本実施形態にかかるHDD100のベース剛性についてシミュレーション検証した結果を示す。なお、図4は、HDDの構成を示す平面図であり、(a)は従来のHDDを示し、(b)は本実施形態のHDDを示す。図5は、ベースを示す平面図であり、(a)は従来のベースを示し、(b)は本実施形態のベースを示す。図6は、ベース剛性の検証方法を説明するための説明図である。図7は、ベース剛性のシミュレーション結果を示すグラフである。
本シミュレーションでは、図4(b)に示す本実施形態のHDD100と、図4(a)に示す従来のHDD10とを比較する。これらのステータ部は上述したように、一部がベースに収容されるステータコイルと、ステータコイルが巻回される鉄芯とから構成されている。しかし、これらのステータ部は、図4(a)のHDD10は、ディスクの径方向に配置されるステータコイル15は1つであるのに対し、図4(b)のHDD100は、ディスクの径方向に配置されるステータコイルは2つ(第1のステータコイル125aおよび第2のステータコイル125b)である点で相違する。このため、図5に示すように、ベースに形成されるステータコイルを収容するための貫通穴の大きさおよび数が相違する。
本シミュレーションにおいて、ベース11、110は、ともに冷間圧延軟鋼板から形成された、54mm×71mm、板厚0.5mmの略矩形状部材を用いるとする。また、ベース11、10において、スピンドルモータ120のステータ部125が収容される領域は直径32mmの円領域(図3の符号111の領域に相当)である。また、ステータコイルが収容される貫通穴については、図5(a)に示す従来の貫通穴13は、長辺4.8mm、短辺3.6mm、幅7.8mmの略台形状に形成されているとする。一方、図5(b)に示す本実施形態の貫通穴113、114は、図5(a)に示す貫通穴13を円周方向に2つに分割したものに相当する。
本シミュレーションでは、図6に示すように、スピンドルモータ120の回転軸121に対して対称な2つの点において、上下方向(回転軸方向)に反対向きの力を加えたときのスピンドルモータ120の高さ方向の変位量を計算した。かかるシミュレーションでは、ベース上で支持するディスクの傾きに対する剛性を見積もる。ベースの変形モードは、荷重条件や拘束条件により変動するものであるが、図6に示すように、ベースの変形は貫通穴が形成されているステータ部の収容領域で大きくなっている。なお、本シミュレーションにおいて、ベースに加えられた力は、+1.0kgf、−1.0kgfであるとする。
そして、計算された変位量に基づいて、下記数式1からベース剛性(Base Stiffness)を算定した。数式1は、ベース剛性を上記変位量の逆数により定義したものである。
BASE
STIFFNESS = 1/(高さ方向の最高点座標−高さ方向の最低点座標)
・・・(数式1)
数式1に基づいて算出されたベース剛性を図7に示す。図7において、ケース1は図5(a)に示す従来のベース11についてのベース剛性であり、ケース2は図5(b)に示す本実施形態のベース110についてのベース剛性を示す。図7より、本実施形態のベース110の方が、従来のベース11と比較してベース剛性が高いことが確認できる。これは、本実施形態のベース110は、ステータコイル125a、125bが埋め込まれる貫通穴113、114の1つの大きさが、従来のベース11の貫通穴13の大きさと比較して小さいことによると考えられる。
上述したように、本実施形態にかかるHDD100では、ディスク105の径方向に2つのステータコイルが配置される。このため、本実施形態のベース110には、図3に示すように、第1のステータコイル125aが収容される第1の貫通穴113と第2のステータコイル125bが収容される第2の貫通穴114との間にベース部材が存在している(図3の符号112)。かかるベース部材(符号112)によって貫通穴113、114が小さくなり、貫通穴113、114近傍における顕著な変形を抑制することができるので、全体としてベース剛性を高めることができると考えられる。
(ステータコイルの形状の違いによる磁場への影響)
ここで、本実施形態にかかるスピンドルモータ120のステータ部125は、ディスク105の径方向に2つのステータコイル125a、125bを配置して構成している。すなわち、従来1つであったステータコイルを2つに分割するため、本来のモータを回転駆動するための磁気回路の効率に対して影響が生じることが考えられる。そこで、ステータコイルを分割した場合における磁場への影響をシミュレーションにより検証した。
本シミュレーションでは、ステータコイルをモデル化し、図8(a)に示す従来のステータコイル15を想定した形状(ケース1)と、図8(b)、(c)に示す本実施形態のステータコイル125a、125bを想定した形状(ケース2およびケース3)とについて検証した。各ステータコイルが巻回される鉄芯は、直径3.0mm、長さ9.0mmの円柱形状のものとする。このような鉄芯に、ケース1ではコイルを1箇所に6.0mmの長さに巻回し、ケース2およびケース3ではコイルを3.0mmの長さに2箇所に巻回したものをステータコイルのモデルとして考える。また、ケース2におけるコイル間の距離は1.5mmとし、ケース3におけるコイル間の距離は3.0mmとする。
このようなステータコイルについて、図8に示す測定点Mにおける軸方向成分の磁束密度を計算した。このとき、測定点Mには、実機ではモータ回転体である永久磁石が配置されていることを想定している。このため、測定点Mにおける磁束密度はモータのトルク効率に比例すると考えることができる。なお、測定点Mは、鉄芯端面から0.5mm離れた位置とした。
図8(a)〜(c)に示すケース1〜3についての磁束密度の計算結果を図9に示す。図9に示すように、1つのステータコイルとしたケース1の場合に最も磁束密度が大きい。また、2つのステータコイルを離隔して配置した場合のうち、ステータコイル間の距離の短いケース2の場合の方が、ステータコイル間の距離の長いケース3の場合よりも磁束密度が大きいことがわかる。本シミュレーションにおいては、ケース2の場合はケース1の場合と比較して約10%磁束密度が低下しており、ケース3の場合はケース1の場合と比較して約20%磁束密度が低下している。
かかるシミュレーションより、コイルを分割し、分割したコイル間の距離を大きくするにしたがって、所定の測定点における磁束密度が低下することがわかった。ステータ部で発生する磁束密度の低下はスピンドルモータ120の効率低下につながる。そこで、スピンドルモータ120の効率が低下した分だけスピンドルモータ120に入力する電流を増加させることにより、スピンドルモータ120における発生トルクが低下しないように対応することができる。
ここで、スピンドルモータ120に入力する電流を増加させると、他の部品による電力使用も考えて、HDD100の装置全体としての消費電力を考慮する必要がある。図10に低電力アイドル状態(Low Power Idle)におけるHDDにおける消費電力をシミュレーションにより計算した結果を示す。ここで、図10(a)は従来のHDD10における消費電力を示し(ケース1)、図10(b)は本実施形態のHDD100における消費電力を示す(ケース2)。
本実施形態にかかるHDD100は、ステータ部125における磁束密度の低下を補うため、スピンドルモータ120に入力する電流を増加させて従来のHDD10と略同一のモータ効率にされているとする。この結果、図10に示すように、スピンドルモータ120の消費電力はケース2の方が約10%増加する。一方、電気回路部の消費電力(主としてCPUおよびモータドライバLSIにおける消費電力)は、ケース1とケース2との間に大きな差はない。HDD全体としては、本実施形態のHDD100を示すケース2の方が約3%消費電力増加となる。
上記シミュレーションによれば、図4(b)に示す本実施形態のHDD100は、図4(a)に示す従来のHDD10と比較して、HDD全体としての消費電力を約3%増加させることにより、ベース剛性を約4%高めることができる。磁気ディスク装置において要求される性能は、モータ効率に加えて外部衝撃や振動に対する耐性、および通常動作時の低振動性などがあり、それぞれがすべて一定水準以上であることが要求される。ベース剛性が極端に不十分な状態であるとディスクの支持剛性が不足し、ディスクに振動モードが発生する。これは、磁気ディスク装置の性能に深刻な悪影響を及ぼすことにもなる。本実施形態にかかるHDD100は、装置全体として一定水準以上の機能を満たすものといえ、安定した装置の提供を可能とすることができる。
なお、上記のシミュレーションは一条件を仮定して実施したものであり、シミュレーション条件を変更することにより上記結果は変動し、より好ましい設計条件を選択することも可能である。
以上、本発明の実施形態にかかるHDD100について説明した。本実施形態のHDD100は、ステータ部125のステータコイルをディスク105の径方向に2つ設け、これらのステータコイルに対応して形成されたベース110の貫通穴113、114にステータコイルを収容するように構成される。これにより、装置の薄型化を実現するとともに、ベース剛性を高めることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、ディスクの径方向に設けられるステータコイルの数は2つとしたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、3つ以上設けることもできる。しかし、ステータコイルの数を増加し過ぎると返ってベース剛性を低下させてしまう可能性もある。このため1つの軸芯に設けられるステータコイルの数は、2〜数個程度とするのが適切である。
本発明の実施形態にかかるHDDの概略構成を示す部分切り欠き平面図である。 同実施形態にかかるスピンドルモータの構成を示す断面図である。 本実施形態にかかるベースを示す平面図である。 HDDの構成を示す平面図であり、(a)は従来のHDDを示し、(b)は本実施形態のHDDを示す。 ベースを示す平面図であり、(a)は従来のベースを示し、(b)は本実施形態のベースを示す。 ベース剛性の検証方法を説明するための説明図である。 ベース剛性のシミュレーション結果を示すグラフである。 ステータコイルの形状の違いによる磁場への影響を検証するためのシミュレーションにおけるステータコイルのモデルを示す説明図である。 磁束密度の計算結果を示すグラフである。 従来のHDDと本実施形態のHDDとにおける消費電力を比較したグラフである。 従来のモータ・アセンブリの構成を示す説明図である。 従来のベースを示す平面図である。
符号の説明
100 HDD
105 ディスク
110 ベース
113 第1の貫通穴
114 第2の貫通穴
120 スピンドルモータ
121 回転軸
124 マグネットロータ
125 ステータ部
125a 第1のステータコイル
125b 第2のステータコイル
130 アクチュエータ

Claims (4)

  1. ディスクと、前記ディスクを回転させる回転駆動部と、前記回転駆動部を支持するベースと、前記ディスクにデータを記録再生するヘッドを回転移動させるアクチュエータとを備える磁気ディスク装置であって、
    前記回転駆動部は、回転軸を中心として永久磁石が配置されたロータ部と、前記ロータ部と対向して設けられ、回転軸を中心として周方向に沿って配設された複数のコイル列からなるステータ部とを備え、
    前記各コイル列は、前記ディスクの径方向に延びる一の軸芯に少なくとも2つのコイルが所定の間隔をおいて巻回されて構成され、
    前記ベースには、前記コイルが1つずつ収容される複数の貫通穴が形成され、
    前記回転駆動部に入力される電流は、前記一の軸芯に巻回された前記コイル間の距離に応じて決定されることを特徴とする、磁気ディスク装置。
  2. 前記貫通穴は、収容される前記コイルの形状に応じて形成されることを特徴とする、請求項1に記載の、磁気ディスク装置。
  3. 前記一の軸芯に巻回される前記各コイルの巻き数は、略同一であることを特徴とする、請求項1または2に記載の磁気ディスク装置。
  4. 前記一の軸芯に巻回される前記各コイルの軸芯方向の長さは、略同一であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の磁気ディスク装置。
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