JP5190929B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
こうした感覚的演出効果を採用したものとして、例えば特許文献1に示すように、遊技者に温度変化を体感させるものがある。
ところが、ペルチェ素子に電流を流して、ハンドルを所定の温度に到達させるまでには、電流を流してからある程度の時間が必要となる。言い換えれば、ペルチェ素子に電流を流しても、瞬時にハンドルを冷却したり、あるいは瞬時に冷却されたハンドルを元の温度に戻したりすることはできない。
そのため、演出を開始あるいは終了するための信号が入力してから、実際に遊技者が冷たさを感じたり、あるいは元の温度に戻ったと感じたりするまでの間に大きなタイムラグが生じてしまう。つまり、温度変化による演出をタイミングよく開始したり、終了させたりすることが非常に難しい。このように、温度変化による演出をタイミングよく行うことができないので、当該演出を採用できる場面や演出の内容が限られてしまうという問題があった。
しかも、ハンドルの冷却温度は常に一定であり、遊技者が体感する冷たさも常に同じである。このように、遊技者の温度変化に対する感覚が常に同じとなれば、演出の幅が非常に狭くなるとともに、遊技者が当該演出にすぐに飽きてしまい、演出効果が非常に低下するという問題があった。
この発明における熱交換部材とは、ペルチェ素子のように、通電によって温度が変化するものをいう。
演出用操作部材の操作に関連する演出コマンドとは、演出用操作部材の操作に伴って、画像や音声等の演出が進行する内容を含むコマンドのことである。
なお、この発明でいうメッセージとは、演出用操作部材の操作時期や操作方法等を、遊技者に視覚的に認識させるものを広く含む。したがって、ここでいうメッセージは、文字に限らず絵や図等どのような手段を用いてもよい。
第3の発明は、上記熱交換部材はペルチェ素子で構成する一方、上記制御手段は、上記ペルチェ素子へ通電する電流を制御して、当該ペルチェ素子の温度を可変制御することを特徴とする。
また、本発明によれば、設定温度に制御した熱交換部材を伝達位置へ移動させると同時に、もしくは熱交換部材を伝達位置へ移動させた後にメッセージを表示するので、遊技者に対して確実に所定の温度を体感させることができる。言い換えれば、熱交換部材が所定の温度に到達する前に、遊技者が演出用操作部材を操作してしまうことがない。したがって、温度変化が生じていることを遊技者に悟られることなく、確実に大きな温度変化を一瞬で体感させることができる。
図1は、本実施形態に係る遊技機の正面図である。この遊技機は、遊技機本体100に遊技盤101を設けるとともに、この遊技盤101の下方にハンドル102を設けている。このハンドル102は、遊技機本体100の表面に突出した状態で遊技機本体100に支持されており、当該ハンドル102を回動操作することによって、この回動角度に応じて遊技球が遊技盤101に発射される。そして、遊技盤101に発射された遊技球は、レール103a,103b間を上昇した後、遊技盤101の上方から遊技領域104内に落下する。遊技領域104には、不図示の多数の釘や、風車あるいは入賞口が設けられ、遊技領域104に発射された遊技球が、予測不能に落下するようにしている。
つまり、入賞ゲート107は、遊技球が通過可能な構成としており、当該入賞ゲート107を遊技球が通過したことをセンサが検出するようにしている。遊技球が入賞ゲート107を通過すると、上記始動入賞口106が一定時間だけ開放し、この開放した始動入賞口106に遊技球が入賞するたびに、抽選が行われる。なお、始動入賞口106にもセンサが設けられており、このセンサが遊技球を検出したとき、上記抽選が行われることとなる。
また、演出ライト111には、光の照射方向を上下に移動するモータとは別のモータをさらに設けている。そして、このモータを駆動することによって、各ライト111aが、遊技機を基準にして円をなすように、光の照射方向を回転させるようにしている。これにより演出ライト111は、光の照射方向を3次元に変更することができる。
この演出用操作部材1を操作すると、図柄表示部105にて種々の演出画像が表示され、この演出画像によって遊技者の期待感を高めるようにしている。
演出用操作部材1は、少なくとも一部に表面材2aが固定された表面側カバー部材2と、その背面側に出没自在に収納される可動部材3と、この可動部材3を演出用操作部材1内で移動させる駆動機構4とを備えている。
そして、図2に示すように、遊技機本体100の表面(着席した遊技者に対抗する面)には、上板113を設け、この上板113に形成した開口113aから、表面側カバー部材2のみが露出するようにしている。
なお、ペルチェ素子5は表面材2aに直接接触させてもよいが、本実施形態においてはペルチェ素子5からの熱の伝達効率を高める目的で、表面材2aの背面形状に対応した表面形状を有する蓄熱部材6を設けている。したがって、ペルチェ素子5の熱は、蓄熱部材6を介して表面材2aに伝達されることとなる。
蓄熱部材6には銅、アルミニウム等、熱伝導率の高い金属材料等が主に使用されるが、駆動機構4に移動可能状態に支持されることを考慮すれば、軽量なアルミニウムの使用が適切である。また蓄熱部材6に設定される冷却温度、または加熱温度によってはプラスチックの使用も可能であり、プラスチックの使用により一層の軽量化が図られる。
伝熱部材7は、蓄熱部材6を冷却する場合に、ペルチェ素子5の背面が発生する熱を放熱し、蓄熱部材6を加熱する場合には、ペルチェ素子5の背面が冷却されるときに吸熱をする役目を持つ。したがって、伝熱部材7にも蓄熱部材6と同様、熱伝導率の高い材料を用いるのが望ましい。
上記表面材2aは、表面側カバー部材2のいずれかの、人の手が触れる部分に配置され、背面から伝達される熱を表面に接触している人の手のひらに伝達させる働きを有するため、肉厚は可能な限り、小さい方がよい。また蓄熱部材6の接触時、または衝突時に蓄熱部材6から衝撃を受けることが想定されることから、表面材2aにはこの衝撃に耐え得る材質の材料が使用される。蓄熱部材6が表面材2aに衝突するときの衝撃を緩和させるために、蓄熱部材6が表面材2aに接触するときの両者間にゴムや合成樹脂等の緩衝材を介在させることもある。
なお、表面側カバー部材2は周囲にフランジ2bを有し、このフランジ2bが遊技機本体100の上板113に付勢の向きに係止することで、付勢部材8に付勢された状態で安定する。なお、表面側カバー部材2は、図示の距離(L1)の範囲内で出没可能である。
図2に示すように、遊技機本体100の内部には支持フレーム30を固定し、この支持フレーム30に、可動部材3を接続したソレノイド9を支持させている。
これに対して、表面側カバー部材2が押圧操作されて没入位置にあり、かつ、可動部材3が突出して伝達位置にある場合には、表面材2aと蓄熱部材6とが接触する。したがって、表面側カバー部材2が押圧操作され、かつ、可動部材3が伝達位置にある場合にのみ、遊技者の身体部位(手もしくは指)に対して熱的接触がなされ、それ以外の場合には、熱的接触が一切なされないこととなる。
図3は、遊技の進行や演出を制御する制御手段200の内部構成を示すブロック図である。制御手段200は、複数の制御基板により構成されている。図示の例では、主制御基板201と、演出制御基板202と、賞球制御基板203と、図柄制御基板204と、音声制御基板205と、ランプ制御基板206と、温度制御基板207とで構成されている。
始動入賞口検出部106aは、上記始動入賞口106に設けたセンサで構成されており、始動入賞口106に遊技球が入賞したことを検出している。ゲート検出部107aは、入賞ゲート107に設けたセンサで構成されており、入賞ゲート107に遊技球が入賞したことを検出している。大入賞口検出部108aは、大入賞口108に設けたセンサで構成されており、大入賞口108に遊技球が入賞したことを検出している。普通入賞口検出部109aは、普通入賞口109に設けたセンサで構成されており、普通入賞口109に遊技球が入賞したことを検出している。
一方、上記ゲート検出部107aを除く各検出部106a〜109aから信号を受信すると、ROM201aに記憶されたプログラムを作動するとともに、賞球制御基板203に、所定の賞球を払い出すように賞球制御コマンドを送信する。
上記大当たり演出というのは、図柄表示部105に表示される上記左列、中列、右列上の数字が、スクロールした後、横または斜めにわたる一直線上において、「7,7,7」のように同一の数字が揃った状態でスクロールが停止する演出のことである。この大当たり演出は、全240通りの演出のうち140通り用意されている。
これに対して、リーチ演出というのは、次のような演出のことである。すなわち、上記3つの列において数字がスクロールした後、まず、左列と右列が、横または斜めにわたるいずれかの一直線上に、「7,―,7」のように同一の数字を表示して停止する。その後、中列のスクロール速度を遅くして、3つの数字が揃うのではないかという期待感を遊技者に与えるが、最終的には「7,6,7」のように、数字が揃わないでスクロールが停止する演出のことである。このリーチ演出は、全240通りの演出のうち90通り用意されており、このリーチ演出の中には、最後の列のスクロールが停止するまでの間に、さまざまなキャラクターが戦闘などを行っている映像を図柄表示部105に表示するいわゆる「熱いリーチ演出」が複数用意されている。
すなわち、「大当たり演出」も「熱いリーチ演出」も、まず、左列と右列が、横または斜めにわたるいずれかの一直線上に、「7,―,7」のように同一の数字を表示して停止する。その後、中列のスクロールが停止するまでの間に、遊技者に対して3つの数字が揃うかもしれないという期待感を抱かせるような映像を図柄表示部105に表示する。そして、「大当たり演出」は、最終的に横または斜めにわたるいずれかの一直線上に、「7,7,7」のように同一の数字を揃えて停止し、「熱いリーチ演出」は、「7,6,7」のように同一の数字を揃えずに停止する。つまり、最終的に3列の数字が揃うか、揃わないかといった点のみ両者で異なり、それ以外は同様の演出内容である。したがって、抽選の結果ハズレが確定していても、「熱いリーチ演出」が行われると、大当たりが確定しているのではないかという期待感が非常に高くなり、演出が行われている間中、遊技者は当該演出を楽しむことができる。
図柄制御基板204は、背景画像、図柄画像、キャラクター画像など各種画像データを記憶するROM204aと、演出制御基板202より送信された演出確定コマンドに基づき演出処理を実行するCPU204bと、CPU204bの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAM204cと、図柄表示部105に表示させる画像データを書き込むVRAM204dとを備えている。
この場合、同一位置に背景画像と図柄画像が重なる場合、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先してVRAM204dに記憶させる。
具体的には、第1電源装置300からペルチェ素子5に流れる電流が、演出制御基板202の演出コマンドごとにROM207aに記憶されている。そして、演出制御基板202から演出コマンドが送信されると、CPU207bがプログラムを作動して、ペルチェ素子5に所定の電流を流す。
なお、本実施形態においては、ペルチェ素子5を、5℃、10℃、15℃の3段階に制御するように、演出コマンドごとにROM207aに記憶されている。
なお、ソレノイド9に電流を流さない状態では、可動部材3(ペルチェ素子5)が待機位置に保持されており、仮に遊技者が演出用操作部材1を操作したとしても、ペルチェ素子5の熱が遊技者に伝達することはない。
次に、上記の構成からなる遊技機の進行と演出の制御について説明する。
図3に示すように、遊技機の電源を入れると、主制御基板201のCPU201bが、ROM201aに記憶されたプログラムを起動するとともに、各基板に制御コマンドを送信する。そして、図柄表示部105、演出ライト111、ランプ211、役物部212等の演出を、待機時の演出モードに制御する。
発射された遊技球は、レール103a、103bにガイドされながら遊技領域104の上方に導かれるとともに、遊技領域104の上方から、釘に当たって方向を変えながら落下する。
図4は、始動入賞口106に遊技球が入賞した際の制御を簡略的に示したフローである。
始動入賞口検出部106aから入賞信号を受信すると、主制御基板201のCPU201bが大当たりの抽選を行う。この大当たりの抽選は、乱数発生手段を用いて行われ、大当たりの抽選確率を315分の1に設定している。
そして、ステップS2において大当たりの抽選を行ったら、この大当たりの抽選結果を演出制御基板202に送信する。大当たりの抽選結果を受信した演出制御基板202は、当該抽選結果に基づいて、CPU202bを作動して、乱数発生手段を用いた演出の抽選を行う。この演出の抽選は、大当たりが確定したかあるいはハズレであったかという抽選結果を、どのように遊技者に知らせるかを決定するもので、図5、図6に示すテーブルに基づいて行われる。
図5に示すように、大当たり時の抽選テーブルには、「101」〜「240」のコードが付された演出コマンドが記憶されている。この「101」〜「240」のコードが付された演出コマンドは、最終的に、横または斜めにわたるいずれかの一直線上に「7,7,7」のように同一の数字が揃うものである。
上記のようにして演出コマンドが送信されたら、図柄制御基板204、音声制御基板205、ランプ制御基板206は、それぞれ送信された演出コマンドに基づいて、図柄表示部105、スピーカー210、ランプ211、演出ライト111、役物部212を制御して、種々の演出を行う。
なお、ステップS2における大当たりの抽選結果がハズレであった場合、図柄表示部105には、最終的に3つの数字が揃わない状態(「7、7、6」等)が表示される。一方、ステップS2における大当たりの抽選結果が大当たり確定であった場合、図柄表示部105には、最終的に3つの数字が揃った状態(「7、7、7」等)が表示される。
また、上記ステップS3において決定された演出コマンドは、演出制御基板202から温度制御基板207にも送信される。温度制御基板207は、受信した演出コマンドに基づいて、第1電源装置300および第2電源装置301を制御するが、この温度制御基板207の制御は次のようにして行われる。
すなわち、温度制御基板207は、遊技者に温度変化を体感させる感覚的演出を制御しており、各演出コマンドには、図7に示すように、第1電源装置300や第2電源装置301の各制御が対応づけて記憶されている。
上記のように演出コマンドが送信されると、図8に示すように、温度制御基板207が、当該演出コマンドを解析する。解析の結果、第1電源装置300および第2電源装置301の少なくてもいずれかを制御するコマンドであった場合には、ステップS103に進み、いずれも制御しないコマンドの場合には、ステップS109に進んで待機状態となる。
なお、コード「100」に対応する演出は、1分の演出時間であり、図柄制御基板204が、図柄表示部105に1分間の映像を表示する。
また、コード「100」に対応する演出のように、温度変化による感覚的演出を行う場合には、演出用操作部材1の操作を促すメッセージが、図柄表示部105に必ず表示される。
ステップS103においては、温度制御基板207が、第1電源装置300に対する制御を行うか否かを判定する。第1電源装置300を制御する場合というのは、遊技者に対して「冷たさ」を体感させる演出を行う場合であり、演出コマンドごとに「0」〜「3」の冷却レベルが記憶されている。図7において、冷却レベル「0」というのは、温度変化による演出を行わない場合を示しており、第1電源装置300を制御しないことを意味している。一方、冷却レベル「1」〜「3」というのは、温度変化による演出を行う場合であり、この冷却レベルに応じてペルチェ素子5の制御温度を異にしている。本実施形態においては、冷却レベル「1」は15℃に、「2」は10℃に「3」は5℃にペルチェ素子を制御する。コード「100」の演出においては、冷却レベルが「3」なので、ステップS104に進む。ただし、冷却レベルが「0」の場合には、ステップS105に進む。なお、本実施形態においては、140通りの大当たり演出の中に、冷却レベルが「1」〜「3」の演出が約半分用意されており、90通りのリーチ演出の中にも、冷却レベルが「1」〜「3」の演出が約半分用意されている。
上記ステップS103において、冷却レベルが「1」〜「3」のいずれかであった場合には、温度制御基板207が第1電源装置300を制御して、ペルチェ素子5に通電する。このとき、第1電源装置300の制御電流は、冷却レベルに応じて適宜決定される。なお、上記ステップS103において、冷却レベルが「0」以外の場合には、当該信号の演出コマンドの受信後、即座に温度制御基板207が第1電源装置300の電流制御を開始する。
コード「100」の演出は、冷却レベルが「3」なので、ペルチェ素子5が5℃になるように第1電源装置300が制御される。
次に、温度制御基板207は、第2電源装置301の制御を開始する。第2電源装置301は、駆動機構4を制御して可動部材3を待機位置から伝達位置へ移動させるが、図7に示すように、伝達位置への移動を開始するタイミングが、演出コマンドごとに設定されている。ここでは、演出が開始してから何秒後に可動部材3を伝達位置へ移動させるか、また、演出が開始してから何秒後に可動部材3を待機位置へ復帰させるかが設定されている。例えば、コード「100」の演出の場合、演出が開始して5秒後に可動部材3を伝達位置に移動させ、30秒後に可動部材3を待機位置に復帰させる。つまり、コード「100」の演出は、映像が1分表示される間に、遊技者に冷却レベル「3」(5℃)の温度を約25秒間体感させることを意味している。
上記のようにして駆動機構4(ソレノイド9の電流)を制御して、可動部材3が伝達位置へ移動するのと同時に、図柄制御基板204は、図柄表示部105に「演出用操作部材1を押せ」といった演出用操作部材1の操作を促すメッセージを表示する。このように、設定温度に制御されたペルチェ素子5が伝達位置へ移動するのと同時にメッセージを表示するのは、ペルチェ素子5(蓄熱部材6)が設定温度に到達する前に、遊技者が演出用操作部材1を操作してしまうのを防ぐためである。したがって、上記メッセージを表示するのは、可動部材3が伝達位置へ移動した後であってもよい。
なお、演出用操作部材1の操作を促すメッセージは、上記のように文字でもよいし、絵や図等を用いても構わない。いずれにしても、遊技者が操作部材を操作することを認識できれば、その内容はどのようなものであってもよい。ただし、演出用操作部材1の操作を促す手段は、図柄表示部105に限らず、例えばスピーカー210から出力する音声を用いても構わない。
また、上記ステップS106において、遊技者に演出用操作部材1の操作を促すのと同時に、演出制御基板202は、演出用操作部材1を有効化する。これにより、遊技者は、演出用操作部材1を操作可能となる。なお、演出用操作部材1を有効化するというのは、当該演出用操作部材1を物理的に没入可能にする場合や、演出用操作部材検出部1aと演出制御基板202との電気的な信号の送受信を可能にする場合等がある。いずれにしても、遊技者が演出用操作部材1の操作に基づいて、制御手段200が演出に関する何らかの制御を行う場合を広く含むものである。
ただし、通常時には、演出用操作部材1を物理的に押圧操作できないようにしておけば、ペルチェ素子5が設定温度に到達する前に、遊技者が演出用操作部材1を操作して温度変化を知覚してしまうといった問題がなくなる。
上記の状態で遊技者が演出用操作部材1を操作すると、蓄熱部材6が表面材2aに接触するので、当該演出用操作部材1を介して遊技者に5℃の熱が伝達し、遊技者は「冷たさ」を体感することができる。
そして、温度制御基板207は、演出が開始してからの経過時間をカウントしており、予め設定された時間を経過したか否かを検出している。温度制御基板207が所定時間経過したと判定すると、ステップS109に進む。コード「100」の演出においては、演出が開始してから(演出コマンドを受信してから)30秒経過すると、ステップS109に進む。
なお、コード「100」の演出においては、図柄表示部105の演出時間が1分であるのに対して、遊技者が冷たさを感じる時間を25秒と短くしている。つまり、演出が開始するとすぐに、遊技者は冷たさを感じるが、演出の途中で遊技者は冷たさを感じなくなる。これに対して、コード「238」の演出は、図柄表示部105の演出時間が1分であり、このうち、前半の30秒は遊技者が冷たさを感じないが、演出の途中から遊技者が冷たさを感じるようにしている。このように、遊技者が温度変化を体感する時間を長くしたり、短くしたりするのは、遊技者の期待感に変化をもたせて演出効果を高めることにある。
温度制御基板207は、演出が開始してから所定の時間が経過したと判定すると、ステップS109において、第2電源装置301の制御すなわち駆動機構4の制御(ソレノイド9への通電)を終了する。これにより、可動部材3は伝達位置から待機位置へ復帰することとなり、遊技者が演出用操作部材1を押圧操作しても、ペルチェ素子5の熱が遊技者に伝達しなくなり、熱的接触が即座に終了することとなる。
なお、温度制御基板207は、第2電源装置301の制御を終了すると同時に、第1電源装置300の制御も終了する。
このようにして、第1電源装置300および第2電源装置301の制御が終了したら、温度制御基板207は、次の演出コマンドが入力されるまで待機状態となる。
コード「100」の演出と、コード「238」の演出とは、どちらも演出時間や遊技者の体感温度が同じであるが、コード「100」の演出は、演出開始後すぐに遊技者が「冷たさ」を体感するが、演出の途中で「冷たさ」を感じなくなる。一方、コード「238」の演出は、演出開始後しばらくは「冷たさ」を感じないが、演出開始後30秒が経過してから遊技者が「冷たさ」を体感する。このように、温度変化を体感するタイミングを異にすることで、遊技者にさまざまな期待感を与えることが可能となり、演出の幅を非常に広くすることができる。
さらに、いわゆる「檄熱リーチ演出」であるコード「239」、「240」の演出は、ペルチェ素子5を徐々に冷たくしていく演出である。この演出は以下のようにして行われる。
ただし、本実施形態の演出用操作部材1は、温度変化による感覚的演出のみならず、振動による感覚的演出をも行うようにしている。したがって、温度変化を体感させない演出コマンドであっても、当該演出コマンドが振動を体感させるというものであった場合には、温度制御基板207が第2電源装置301を制御して可動部材3を移動させる。
したがって、温度制御基板207は、図8に示すとおり、上記ステップS102において「制御あり」と判定し、ステップS103に進む。このステップS103においては、冷却レベルが「0」なので、第1電源装置300を制御せずにステップS105に進む。
以上のようにして各演出が終了したら、図4に示すように、ステップS8において、大当たりが確定したか否かを判定し、大当たりでなかった場合には、ステップS1に戻って、始動入賞口検出部106aが入賞信号を検出するのを待機する。
一方、大当たりが確定した場合には、主制御基板201が、大入賞口開閉部108bを開放する。そして、大入賞口108に遊技球が入賞すると、大入賞口検出部108aが遊技球の入賞を検出するとともに、この検出信号に基づいて、主制御基板201が賞球制御基板203に制御コマンドを送信し、払出部208から遊技球を所定数払い出す。
しかも、温度変化による演出を終了する場合には、熱的接触がなされない待機位置まで可動部材3を移動させるので、遊技者は、温度変化による演出が終了したこともすぐに認識することができる。また、遊技者に対して、さまざまな温度変化を体感させることができるので、非常に幅広い演出が可能となる。
また、第1電源装置300の制御を、演出制御基板202における演出の抽選結果に基づいて開始するのではなく、それ以前の何らかの信号に基づいて開始すれば、省エネを実現しながらも、演出開始と同時に、瞬時に温度変化を体感させることができる。このように、熱交換部材を操作部材に移動可能に設けた本発明によれば、所定の温度に到達するまでの温度変化を遊技者に悟られることなく、大きな温度変化を一気に、かつ、瞬時に体感させることが可能である。したがって、温度変化による演出の開始あるいは終了を遊技者に瞬時に認識させることができ、演出効果をタイミングよく発揮させることができる。
また、上記実施形態においては、演出用操作部材を押圧式のボタンで構成したが、演出用操作部材の構成はこれに限らない。例えば、表面側カバー部材を、その径方向に回転可能な構成としてもよい。この場合、遊技機本体100内に表面側カバー部材が没入することもないので、伝達位置において、可動部材3と表面材2aとを接触させることが可能となる。
さらに、上記各実施形態においては、遊技者に冷たさを体感させることによって、感覚的演出効果をもたらせたが、これとは逆に、熱さを体感させることによって、感覚的演出効果をもたらすようにしてもよい。いずれにしても、遊技者に対して温度変化を体感させるものであれば、その制御温度等は特に限定されるものではない。
また、上記各実施形態においては、パチンコ遊技機を用いた場合について説明したが、本発明はパチンコ遊技機に限らず、パチスロ等の他の遊技機にも適用することができる。
2…表面側カバー部材
2a…表面材
3…可動部材
4…駆動機構
5…本発明の熱交換部材を構成するペルチェ素子
6…蓄熱部材
7…伝熱部材
9…本発明の駆動機構を構成するソレノイド
10…プランジャー
200…制御手段
201…主制御基板
202…演出制御基板
203…賞球制御基板
204…図柄制御基板
205…音声制御基板
206…ランプ制御基板
207…温度制御基板
201a〜207a…ROM
201b〜207b…CPU
201c〜207c…RAM
300…第1電源制御部
301…第2電源制御部
Claims (3)
- 遊技機本体に設けた遊技盤と、この遊技盤に設けた始動入賞口と、この始動入賞口に遊技球が入球したときに、演出コマンドを抽選する制御手段と、この制御手段に接続した演出用操作部材と、を備え、
上記制御手段は、上記演出用操作部材の操作に関連する演出コマンドを決定し、かつ、この演出用操作部材が操作されたとき、この操作に対応した演出を進行する遊技機において、
上記演出用操作部材には、上記制御手段によって温度を制御される熱交換部材と、この熱交換部材を移動させる駆動機構と、を設けるとともに、
上記駆動機構は、上記熱交換部材の熱が上記演出用操作部材に設けられた温度体感部を介して遊技者に直接または間接的に熱的接触する伝達位置と、上記熱的接触が解除される待機位置との間で上記熱交換部材を移動させてなり、
上記制御手段は、上記演出用操作部材の操作に関連する複数の演出コマンドの各々に応じて、所定のタイミングで上記待機位置と上記伝達位置との間で、設定温度に制御した上記熱交換部材を移動させること、
を特徴とする遊技機。 - 上記遊技機本体には、演出用の図柄を表示する図柄表示部を設ける一方、
上記制御手段は、演出コマンドに応じて、上記伝達位置に上記駆動機構により設定温度に制御された上記熱交換部材を移動させると同時に、もしくは上記伝達位置に上記熱交換部材を移動させた後、上記図柄表示部に上記演出用操作部材の操作を促すメッセージを表示すること、
を特徴とする請求項1記載の遊技機。 - 上記熱交換部材は、ペルチェ素子で構成する一方、
上記制御手段は、上記ペルチェ素子へ通電する電流を制御して、当該ペルチェ素子の温度を可変制御すること、
を特徴とする請求項1または2記載の遊技機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008047497A JP5190929B2 (ja) | 2008-02-28 | 2008-02-28 | 遊技機 |
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