JP5190653B2 - 圧縮機 - Google Patents
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Description
空気(ガス)の圧縮過程中におけるエネルギー付与領域(圧縮羽根によって空気が圧力エネルギーと速度エネルギーが付与される領域)にて、圧縮空気の温度が上昇した際に空気中に混合された噴霧状の液滴が蒸発し、その際の蒸発潜熱により下流に向かう空気中から熱が奪われ、これによって圧縮空気の温度上昇を抑制することができる。本発明においては、超音波振動子を複数個利用して液体を噴霧させているので、噴霧液滴を従来よりも微細化することが可能となる(本発明の構成によれば、粒径が1〜5μm程度の噴霧液滴を生成することも可能である)。従来の構成では、粒径が2〜3μmの液滴を生成することは不可能であったが、本発明のように超音波振動子を用いることで、容易に生成することが可能である。そのため、エネルギー付与領域において噴霧液滴の蒸発が完了する。これにより、熱交換効率を向上させることができ、圧縮動力をより低減させることが可能になる。
このように、複数個の超音波振動子によって液滴が微細化されるので、圧縮羽根にダメージが及ぶこともなく、所謂ドレンエロージョンが防止されたものとなる。
図1は本発明の実施の形態に係る遠心圧縮機1の概略構成を示す模式図、図2はインペラの概略構成を示す斜視図、図3は図1の要部拡大図、図4は噴出装置の要部拡大図である。
回転軸9は、図1に示すように、ケーシング本体10によって支持され、回転中心軸Oまわりに回転可能である。そして、回転軸9の他端に連結されているタービン(図示せず)の羽根車かモータ駆動の歯車装置が回転することにより、インペラ3が回転するようになっている。
そして、吸込部ケーシング12は、流入口Bから流入した空気A0がインペラ3に流入するまでの流路を形成する。
そして、収容部ケーシング14は、インペラ3に流入した空気A1がディフューザ20に流入するまでの流路を、インペラ3とともに形成する。
インペラ3からスクロール部22へと流れるディフューザ20の流路断面積は、半径方向に次第に大きくなるようになっている。なお、本図では所謂ベーン(案内羽根)はついていない。
このディフューザ20は、流入した空気A2がスクロール部22に流入するまでの流路を形成する。
そして、回転中心軸Oを中心として、吸込部ケーシング12の一部と収容部ケーシング14に巻き付くように構成されている。また、回転中心軸Oに沿った断面形状は中空円形であって、流路の下流側に進むほどに流路断面積が大きくなるようになっている。
このスクロール部22は、ディフューザ20から流入した空気A3をスクロール部22の下流側の流出口Cから外部に排出するまでの流路を形成する。
なお、液体貯留部32内に、たとえば液体Eの貯留量を検知する液検知センサなどを備えるようにしてもよい。この液検知センサにより、超音波振動子33による霧化に適正な水位hを保つことができ、最適な粒子径を保つ且つ空焚きによる超音波振動子33の損傷を防止できる。
まず、遠心圧縮機1の基本的な作用を流路R1に沿って説明する。
回転軸9によって連結されているタービン(図示せず)の羽根車が回転することにより、インペラ3が回転する。そして、インペラ3の回転によって、吸込部ケーシング12の空気A0の圧力が外部の空気Aの圧力よりも低くなるため、流入口Bから空気Aが順次流入する。
そして、インペラ3を経た空気A1は、空気A2となって、ディフューザ20に流入する。
超音波振動子33の作用により、液体Eに振動エネルギーが与えられると、液面の表面張力が減少して霧状の噴霧液滴Fが生成される。ここで、生成される噴霧液滴Fのザウター平均粒径は10μm以下である。本実施形態では超音波振動子33の周波数を調整することにより、ザウター平均粒径が1〜5μm以下の噴霧液滴Fを生成することが可能となっている。
噴霧液滴Fを空気A0中に噴霧供給すると、吸込部ケーシング12を流れる空気A0の相対湿度が高まる。このようにして水分(噴霧液滴F)を含んだ空気A0が、インペラ3によって収容部ケーシング14に流入することになる。
次に、本発明の第2の実施形態の遠心圧縮機について説明する。なお、本実施形態においては、第1の実施形態と同様の構成には同一の符号を付して説明する。ここで、図5は、図1のX−X断面図である。
本発明の第2の実施形態における遠心圧縮機40は、吸込部ケーシング41の内壁に沿う多数の噴霧機構42からなる噴霧装置43と、各噴霧機構42に液体を供給する一対の供給部44,44、及び各噴霧機構42から溢れ出した液体Eを排出する排出部45を有したケーシング本体46とを備えている。
また、各噴霧機構42には、貯留穴48の底部に超音波振動子33がそれぞれ備えられており、液体Eに振動エネルギーが付与されるようになっている。
なお、本実施形態における貯留穴48は、超音波振動子33による液体Eの霧化に適正な水位hの高さ(深さ)を一定に確保可能とする。各貯留穴48からは液体Eが常にオーバーフローするようになっているため、液検知センサを用いる必要もなく、水位hの管理が容易である。なお、水位hによって噴霧液滴Fの発生量に最適値があることから、所望量の噴霧液滴Fを得るべく水位hを適宜調整する。
次に、本発明の第3の実施形態の遠心圧縮機について説明する。なお、本実施形態においては、第1の実施形態と同様の構成には同一の符号を付して説明する。ここで、図6は、図1の要部拡大図である。本発明の第3の実施形態における遠心圧縮機50は、吸込部ケーシングと液体貯留部とを一体化、または吸込部ケーシングが液体貯留機能を有した構成となっている。
液体貯留部52内が一定の水位hになると、排出部54から液体Eが排出される。液体貯留部52内の水位hは、この排出部54によって常に一定に保持され、超音波振動子33による霧化に適正な水位hが確保されるようになっている。このような構成とすることで水位hを検知する液検知センサは不要となる。
さらに、遠心式以外のターボ圧縮機(例えば、斜流式や軸流式)にも適用可能である。軸流圧縮機としては、ガスタービンのコンプレッサーなどが挙げられる。
Claims (4)
- 圧縮羽根と、
前記圧縮羽根を収容するとともに、前記圧縮羽根に向けてガスを送気する流路が形成されたケーシングと、
前記流路の前記圧縮羽根よりも上流側に配置され、且つ前記圧縮羽根により前記ガスにエネルギーを付与するエネルギー付与領域で蒸発可能な粒径の液滴を前記ガス中に噴霧する噴霧手段とを備え、
該噴霧手段は、
液体を貯留すると共に高さ方向に段差を設けて隣接配置された複数の貯留部と、
最も高い貯留部に液体を供給する供給部と、
最も低い貯留部から溢れ出した液体を排出する排出部と、
前記貯留部に各々設けられ、前記液体に振動を与える複数の超音波振動子とからなることを特徴とする圧縮機。 - 前記噴霧手段は、前記噴霧液滴の平均粒径を10μm以下に形成することを特徴とする請求項1記載の圧縮機。
- 前記噴霧液滴の平均粒径は、前記超音波振動子の周波数によって調整できることを特徴とする請求項1記載の圧縮機。
- 前記流路には、前記噴霧手段よりも上流側に、フィルタ部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の圧縮機。
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2007
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