JP5189745B2 - 光ファイバーおよび電話線の配線方法 - Google Patents
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FTTHは電話回線やケーブルテレビなどの既存の通信網とは全く異なる、別の通信網である。FTTHの利用に際しては、光ファイバーケーブルを電柱などから住宅へ直接引き込み、専用の回線接続装置を設置して、従来の電話機などと接続する工事が必要になる。接続工事では、専用の回線装置と専用のルーターを設置し、専用のルーターから電話機までを電話線で室内配線し、両者を接続する。この工事は、電話機が設置してある場所まで壁や床、天井などを伝ってモールを設置するので、室内の美観を損なうことも多い。
お客さまによっては、室内の美観を損なうという理由で電話線の配線工事を拒否されることもあり、その場合は電話機をルーターと回線接続装置の近くへ移設する必要がある。
また、一般のお客さまには、電話線の配線工事が新規に発生することを、なかなか理解していただけないことが多い。
例えば、一般的には、図3及び図4で示すように、電柱10(あるいは地下ケーブル)から延びるアナログ式の電話線(メタリックケーブル)11が室外に設けられた保安器20の局線端子20aに接続され、保安器20の宅内線端子20bから電話線(メタリックケーブル)12が宅内側に露出するように設けられた電話用モジュラージャック21に接続されている。そして、電話用モジュラージャック21に電話機22が電話線(メタリックケーブル)13を介して接続されている。
図5に示すものは、電話機22とパソコン23の設置場所が1階であるなど両者の位置が近い場合の宅内配線である。
電柱10(あるいは地下ケーブル)から光ファイバーケーブル15を2階軒下に装着した留め金具を経由して、雨樋などを利用して1階へ配線し、1階の電話用モジュラージャック21の設置位置に近い部分から引き込まれ、宅内側に設けられた回線接続装置24に接続される。回線接続装置24では、光信号と電気信号間の変換が実行される。そして、回線接続装置24と光電話対応型の中継用ルーター25とがLAN(Local Area Network)ケーブル16で接続される。LANケーブル16は、図6で示すように、ルーター25に設けられたWANポート25aに接続される。そして、ルーター25に設けられたPCポート25bにパソコン23がLANケーブル17を介して接続されるとともに、同じくルーター25に設けられた電話機ポート25cに、電話用モジュラージャック21から外された電話機22が電話線13を介して接続される。そして、ルーター25に設けられた電話回線ポート25dと電話用モジュラージャック21とが電話線(メタリックケーブル)14を介して接続される。
特に、図7に示すように、光ファイバーケーブル15を2階から宅内に引き込み、パソコン23と回線接続装置24は2階に設置されるが、電話機22とルーター25は1階に設置されるというように、電話機22とパソコン23の設置場所が大きく離れている場合の宅内配線では、電話機22の設置位置を変える必要が生じたり、電話機22の設置位置を変えない場合には、ルーター25と回線接続装置24とを接続するLANケーブル16と、ルーター25とパソコン23とを接続するLANケーブル17を延長しなければならない。
また、図8に示すように、光ファイバーケーブル15を2階から宅内に引き込み、パソコン23と回線接続装置24に加えルーター25は2階に設置されるが、電話機22は1階に設置されるというように、電話機22とパソコン23の設置場所が大きく離れている場合の宅内配線では、図7の場合と同様に電話機22の設置位置を変える必要が生じたり、電話機22の設置位置を変えない場合には、ルーター25と電話機22とを接続する電話線13と、ルーター25と電話用モジュラージャック21とを接続する電話線14を延長しなければならない。
このように、LANケーブル17や電話線13、14を延長して1、2階間に通すように配線するには穴あけ等を含め配線作業が複雑になりコスト高になるのに加え、LANケーブル17や電話線14が延長される分、それらを覆うモールも延長されることになるので美観を損ねるといった問題が生じる。
前記光ファイバーケーブルに2本の電話線を重ねて室外から前記宅内に引き込む工程と、
前記光ファイバーケーブルを信号変換器を介して、少なくともパソコン用端子、電話機用端子、電話回線用端子を有し、しかも前記電話機が設置された部屋とは異なる階の部屋に設置された中継用ルーターまで配線する工程と、
前記2本の電話線のうち一方の電話線の一端を前記ルーターの電話機用端子に接続するとともに他方の電話線の一端を前記ルーターの電話回線用端子に接続し、前記ルーターを介して前記2本の電話線同士を前記宅内側で接続する工程と、
前記保安器の宅内線端子から前記既設電話回線を外し、その外した既設電話回線に前記一方の電話線の他端を室外で接続する工程と、
前記保安器の宅内線端子に、前記他方の電話線の他端を室外で接続する工程と、
を備え、前記電話機の位置に左右されることなく前記ルーターの位置を定めることができるようにし、
しかも前記保安器の宅内線端子から外した前記既設電話回線と前記一方の電話線の他端との接続部を、前記保安器内に納めることを特徴にする。
よって、電話機の位置に左右されることなくルーターの位置を定めることができるので、既設の電話機をまったく移動させることなく、ルーターをパソコンの近くに設けることができる。
また、ルーターと電話機間の接続、及びルーターとパソコン間の接続に使用されるLANケーブルや電話線を、室内で特に延長することは不要となるので、穴あけや延長にともなうケーブル固定や同じく延長にともなうモールの敷設等の配線作業を行う必要がない。
このように、延長ケーブルにともなう余分な配線作業を行う必要がなくなるので作業が簡素化される。また、モールの敷設も減るのでその分、外観の悪化を防止しうる。
よって、光ファイバーケーブルを介し、既設の電話機をインターネットを利用した電話として利用する場合に、電話局側で、既存の電話番号を新規の電話番号として書き替え可能であるので、ユーザは、既存の電話番号をそのまま使用することができる。
また、本発明によれば、所定時間経過後、保安器の宅内線端子に対する他方の電話線の他端の接続を外すので、接続が簡素化される。
この光ファイバーおよび電話線の配線方法は、室外に設けられた保安器20の宅内線端子20bから既設電話回線が配線されてなる宅内、すなわち、図3で示したように、電話用モジュラージャック21に電話機22が電話線(メタリックケーブル)13を介して接続されている宅内に対して、新たに光ファイバーケーブル15を信号変換器である回線接続装置24を介して、WANポート25a、PCポート(パソコン用端子)25b、電話機ポート(電話機用端子)25c、電話回線ポート(電話回線用端子)25dを有する中継用ルーター25まで配線し、そのルーター25のPCポート25bに接続されるパソコン23で光通信を可能にするものであり、電話機22の設置位置を特に変えることなく施工することができる配線方法である。
なお、電柱10(あるいは地下ケーブル)からはアナログ式の電話線(メタリックケーブル)11が室外に設けられた保安器20の局線端子20aに接続されている。
(1)まず、光ファイバーケーブル15を宅内に引き込むときに2本の電話線(メタリックケーブル)31、32を1本の光ファイバーケーブル15に重ねた状態にして宅内に引き込む。このように、3本のケーブルを束にするのは、配線を整然として施工を容易化するとともに美観を特に害さないようにするためである。なお、光ファイバーケーブル15と2本の電話線31、32とを束ねて一体化した複合ケーブルを使用してもよい。
(2)次に、引き込んだ3本のケーブルのうち、光ファイバーケーブル15を信号変換器である回線接続装置24を介してルーター25に接続する。より、具体的には、光ファイバーケーブル15を回線接続装置24に接続し、回線接続装置24に一端を接続したLANケーブル16の他端をルーター25のWANポート25aに接続する。回線接続装置24は、光信号と電気信号間の変換を行うものであり、宅内に設けられる。
(4)次に、保安器20の2次側となる宅内線端子20bから既設電話回線、すなわち、宅内線端子20bと電話用モジュラージャック21を接続する電話線(メタリックケーブル)12を宅内線端子20bから外し、その外した電話線12に一方の電話線31の他端を室外で接続する。
電話線12と電話線31との接続部40は、図2に示すように、保安器20の内側に納められることにより保護される。
(5)次に、保安器20の宅内線端子20bに、他方の電話線32の他端を接続する。
これにより、光ファイバーケーブルの宅内配線が完了する。
その後、ルーター25のPCポート25bとパソコン23とをLANケーブル17で接続すると、パソコン23で光ファイバーケーブル15を使用しても光通信が可能となる。なお、LANケーブル17によるルーター25のPCポート25bとパソコン23との間の接続は、光ファイバーケーブルの宅内配線が完了すると同時に配線工事業者が行ってもよく、あるいは、後日、ユーザがパソコン23を手に入れたときにユーザ自身が行ってもよい。
よって、電話機22の位置に左右されることなくルーター25の位置を定めることができるので、既設の電話機22をまったく移動させることなく、ルーター25をパソコン23の近くに、例えば、図1で示すように、電話機22を住宅の1階に設け、パソコン23を2階、あるいは、同じ1階でも電話機22が設けられた部屋とは別の部屋にパソコン23を設けることができる。
また、ルーター25と電話機22間の接続、及びルーター25とパソコン23間の接続に使用されるLANケーブル17や電話線13、14を、従来例(図7、図8)で示したように、室内で特に延長することは不要となるので、穴あけや延長にともなうケーブル固定や同じく延長にともなうモールの敷設等の配線作業を行う必要がない。
なお、電話局側で既存の電話番号が書き替えられた後に、保安器20の宅内線端子20bに接続された他方の電話線32の他端の接続を外す配線工事を行ってもよい。この場合、電話機22をその後、特に支障なくインターネットを利用した電話として利用することができる。
また、回線接続装置24とルーター25とを別体型として両者をLANケーブル16で接続するようにしたが、回線接続装置24とルーター25とを一体型、すなわち、回線接続装置24の機能とルーター25の機能を持ち合わせたルーターを使用することもできる。
11 電話線
12 電話線
13 電話線
14 電話線
15 光ファイバーケーブル
16 LANケーブル
17 LANケーブル
20 保安器
20a 局線端子
20b 宅内線端子
20c 基盤
21 電話用モジュラージャック
22 電話機
23 パソコン
24 回線接続装置(信号変換器)
25 ルーター
25a WANポート
25b PCポート(パソコン用端子)
25c 電話機ポート(電話機用端子)
25d 電話回線ポート(電話回線用端子)
31 電話線
32 電話線
40 接続部
50 留め金具
Claims (2)
- 室外に設けられた保安器の宅内線端子から電話用モジュラージャックを介して電話機へ既設電話回線が配線されてなる一戸建住宅の宅内に新しく光ファイバーケーブルを直接引き込み、その光ファイバーケーブルを介して光通信を可能にする光ファイバーおよび電話線の配線方法であって、
前記光ファイバーケーブルに2本の電話線を重ねて室外から前記宅内に引き込む工程と、
前記光ファイバーケーブルを信号変換器を介して、少なくともパソコン用端子、電話機用端子、電話回線用端子を有し、しかも前記電話機が設置された部屋とは異なる階の部屋に設置された中継用ルーターまで配線する工程と、
前記2本の電話線のうち一方の電話線の一端を前記ルーターの電話機用端子に接続するとともに他方の電話線の一端を前記ルーターの電話回線用端子に接続し、前記ルーターを介して前記2本の電話線同士を前記宅内側で接続する工程と、
前記保安器の宅内線端子から前記既設電話回線を外し、その外した既設電話回線に前記一方の電話線の他端を室外で接続する工程と、
前記保安器の宅内線端子に、前記他方の電話線の他端を室外で接続する工程と、
を備え、前記電話機の位置に左右されることなく前記ルーターの位置を定めることができるようにし、
しかも前記保安器の宅内線端子から外した前記既設電話回線と前記一方の電話線の他端との接続部を、前記保安器内に納めることを特徴にする光ファイバーおよび電話線の配線方法。 - 所定時間経過後、前記保安器の宅内線端子に対する前記他方の電話線の他端の接続を外すことを特徴にする請求項1に記載の光ファイバーおよび電話線の配線方法。
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