JP5188066B2 - 薬物依存症の予防および/または治療剤 - Google Patents

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Description

本発明は、薬物依存症の予防および/または治療剤等に関する。
「薬物依存」とは、生体と薬物の相互作用の結果として生じた、生体のその薬物に対する「精神依存」のみ、または「精神依存」と「身体依存」を呈した状態であり、その薬物の精神的な効果を得ようとして、または時には薬物の欠乏からくる不快感を避けるために、その薬物を継続的または周期的に摂取したいという衝動を常に有する状態と定義づけられている(世界保健機関(WHO)薬物依存に関する専門委員会第16回会議)。
「精神依存」とは薬物を使用せずにはいられなくなった精神状態であり、その薬物の使用を中止したり減らしたりすることにより、強い不安感、薬物への強い欲求等の精神異常、薬物探索行動等の行動異常等を生じる状態である。
「身体依存」とはその薬物の使用を中止したり減らしたりすることにより、不眠、不安、振戦、発汗、痙攣発作、妄想、幻覚、嘔吐、下痢等の薬物の欠乏からくる不快な症状(「退薬症候」:離脱症状、禁断症状ともいう)等の身体的異常を生じる状態である。
この様な薬物依存の結果として生じる行動障害、精神障害、臓器障害等がまとめて「薬物依存症」と称されている。WHOの国際疾病分類第10版(ICD−10:International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems−10)の中で「薬物依存症」は、精神作用物質使用による精神および行動の障害として位置付けられ、精神作用物質による例えば急性中毒、有害な使用(乱用等)、依存、中毒、精神病性障害、健忘症等の様々な程度の障害が含まれている。一方、DSM−IV(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorder−IV;アメリカ精神医学会発行)の依存と関連事象の診断分類においては、物質関連障害の中に物質使用障害として物質依存および物質乱用が位置付けられ、その他は、物質誘発性障害として、精神病性障害や気分障害の中に拡散されて位置付けられている。
WHOでは依存を形成する薬物(依存性薬物)を、1.アルコール、2.アヘン類、3.大麻類、4.鎮咳剤または睡眠剤、5.コカイン、6.カフェインを含む精神刺激剤、7.幻覚剤、8.タバコおよび9.揮発性溶剤の9タイプならびに10.その他の精神作用物質に分類している。これらに属する依存性薬物はすべて「精神依存」を形成し、中でも、1.アルコール、2.アヘン類、4.鎮咳剤または睡眠剤、8.タバコおよび9.揮発性溶剤の5タイプは「精神依存」と「身体依存」を形成する。さらに、ここ数年、マジック・マッシュルームに端を発した脱法ドラッグの使用が増加しており、これらも依存を形成することが知られている(臨床精神薬理,,1111−1119(2003))。
依存性薬物の乱用から、家庭の崩壊や犯罪を引き起こす悲劇は後を絶たず、深刻な社会問題となっている。その対策としては、乱用、依存、中毒まで含めた薬物による障害に関連する社会環境のどこかを断ち切ることが目標となる。したがって、その手段として、薬物治療、教育の推進、法律を含めた社会制度の改革等のあらゆる方法を駆使することになる(ファルマシア,34,905−909(1998)、プリンシプルズ・オブ・ドラッグ・アディクション・トリートメント:ア・リサーチ・ベースド・ガイド(Principles of Drug Addiction Treatment:A Research Based Guide),NIH発行(1999))。薬物治療としては、例えば依存性薬物をより安全な類似薬へ置換維持する治療、置換漸減療法、拮抗薬、阻害薬等による消去療法、そして身体依存の結果として現れる退薬症候に対する対症療法等がある(臨床精神薬理,,1121−1129(2003))。
薬物依存症のひとつであるアルコール依存症は、性別を問わず広く各層に認められており、日本での有病率は2%に近いという報告もある。アルコール依存症の治療薬として日本で使用されているのはいわゆる抗酒薬(例えばジスルフィラム、シアナミド等)のみであるが、アルコール依存症の治療において重要な点は、離脱管理と再発防止にある。欧米では、アルコールの強化効果や飲酒渇望に影響を与えて効果を発揮するとされるアカンプロステートが臨床使用されている(臨床精神薬理,,1151−1160(2003))。つまり、アルコール等の依存性薬物に対する「精神依存」または「身体依存」の形成を抑制し、かつそれ自体が薬物依存を形成しない薬物依存症の予防および/または治療剤が望まれている。
一方、後述する式(I)で表される化合物を含むキサンチン誘導体の多くは、例えば抗パーキンソン病作用、中枢興奮作用、神経変性抑制作用等を有することが知られている(特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5等参照)。また、例えばアデノシンA受容体拮抗作用、抗うつ作用、抗喘息作用、骨吸収抑制作用、血糖降下作用、血小板増殖抑制作用等を有することが知られている[国際公開第92/06976号パンフレット、国際公開第94/01114号パンフレット、国際公開第95/23165号パンフレット、国際公開第99/35147号パンフレット、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)、第34巻、p.1431(1991年)、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)、第36巻、p.1333(1993年)]。
特公昭47−26516号公報 特開平6−211856号公報 特開平6−239862号公報 特開平6−16559号公報 国際公開第99/12546号パンフレット
本発明の目的は、例えばアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬理的に許容される塩を有効成分として含有する薬物依存症の予防および/または治療剤等を提供することにある。
本発明は、以下の(1)〜(44)に関する。
(1)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する薬物依存症の予防および/または治療剤。
(2)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、キサンチン誘導体である上記(1)記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(3)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、式(I)
[式中、R、RおよびRは同一または異なって水素原子、低級アルキル、低級アルケニルまたは低級アルキニルを表し、
はシクロアルキル、−(CH−R(式中、Rは置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表し、nは0〜4の整数を表す)または式(II)
(式中、YおよびYは同一または異なって水素原子、ハロゲンまたは低級アルキルを表し、Zは置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表す)を表し、
およびXは同一または異なって酸素原子または硫黄原子を表す]で表されるキサンチン誘導体である上記(1)記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(4)XおよびXが酸素原子である上記(3)記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(5)Rが式(II)
(式中、Y、YおよびZはそれぞれ前記と同義である)である上記(3)または(4)記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(6)YおよびYが水素原子である上記(5)記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(7)Zが置換もしくは非置換のアリールまたは式(III)
(式中、Rは水素原子、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、ニトロまたはアミノを表し、mは1〜3の整数を表す)である上記(5)または(6)記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(8)Zが式(IV)
(式中、R、RおよびRの少なくとも一つは低級アルキルまたは低級アルコキシを表し、それ以外は水素原子を表し、R10は水素原子または低級アルキルを表す)または式(III)
(式中、Rおよびmはそれぞれ前記と同義である)である上記(5)または(6)記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(9)XおよびXが酸素原子であり、RおよびRがエチルであり、Rがメチルであり、Rが(E)−3,4−ジメトキシスチリルである上記(3)記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(10)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が式(V)
[式中、R11は置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表し、
12は水素原子、ハロゲン、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表し、
13は水素原子、ハロゲンまたは−WR14(式中、Wは−O−または−S−を表し、R14は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表す)を表し、
は水素原子または3,4−ジメトキシベンジルを表す]で表される化合物(例えば、5−アミノ−7−(4−ベンゾピペラジニル)−2−(2−フリル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン等)である上記(1)記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(11)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が式(VI)
[式中、R11Aは置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表し、
12Aは水素原子、ハロゲン、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表し、
n1およびm1は同一または異なって0〜4の整数を表し、
1Aは水素原子または3,4−ジメトキシベンジルを表し、
15は水素原子、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の複素環基または−CR171819(式中、R17、R18およびR19は同一または異なって水素原子、ヒドロキシ、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルコキシ、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表すか、またはR18とR19が隣接する炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の炭素環を形成する)を表し、
16は水素原子、ハロゲン、ヒドロキシまたは置換もしくは非置換の低級アルキルを表す]で表される化合物(例えば、5−アミノ−2−(2−フリル)−7−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)ピペラジニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン、5−アミノ−2−(2−フリル)−7−[4−(3−ヒドロキシ−3−メチルプロピル)ピペラジニル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン等)である上記(1)記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(12)R15が−CR17A18A19A(式中、R17Aはヒドロキシ、ヒドロキシ低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルコキシまたはイミダゾ[1,2−a]ピリジルを表し、
18AおよびR19Aは同一または異なって水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキルまたは置換もしくは非置換のアリールを表すか、またはR18AとR19Aが隣接する炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の炭素環を形成する)である上記(11)記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(13)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が式(VII)
[式中、R20は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキルまたは置換もしくは非置換の低級アルカノイルを表し、
21は置換もしくは非置換の複素環基を表し、
22は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表し、
は単結合、−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−または−NR23−(式中、R23は水素原子または置換もしくは非置換の低級アルキルを表す)を表し、
は窒素原子またはCR24(式中、R24は水素原子または置換もしくは非置換の低級アルキルを表す)を表す]で表される化合物である上記(1)記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(14)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が式(VIII)
(式中、Bはフリルまたはチエニルを表し、
は単結合、−O−または−S−を表し、
は水素原子、ハロゲンまたは置換もしくは非置換の低級アルキルを表し、
n2は0〜5の整数を表す)で表される化合物である上記(1)記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(15)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が式(IX)
[式中、R25は置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表し、
26は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表し、
は酸素原子、硫黄原子またはNR27(式中、R27は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のシクロアルキルまたは置換もしくは非置換のアリールを表す)を表し、
Aは隣接する2個の炭素原子と一緒になって置換もしくは非置換の炭素環または置換もしくは非置換の複素環を形成する]で表される化合物である上記(1)記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(16)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、式(X)
(式中、R28は水素原子、ヒドロキシ、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアミノまたは置換もしくは非置換の複素環基を表し、
29は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表し、
30は水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換のシクロアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表し、
31は置換もしくは非置換の低級アルキルまたは置換もしくは非置換のアリールを表し、
は−CHCH−、−CH=CH−または−CC−を表す)で表される化合物である上記(1)記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(17)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、式(XI)
(式中、R32は水素原子または置換もしくは非置換の低級アルキルを表し、
33およびR34は同一または異なって水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキルまたは置換もしくは非置換のアリールを表し、
35、R36、R37、R38、R39およびR40は同一または異なって水素原子、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表す)で表される化合物である上記(1)記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(18)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、式(XII)
(式中、R41は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表し、
42は置換もしくは非置換の低級アルキルまたは置換もしくは非置換の複素環基を表し、
43はヒドロキシ、ハロゲンまたは置換もしくは非置換の低級アルキルを表し、
は窒素原子またはCHを表す)で表される化合物(例えば、3−[2−(チアゾール−2−イルメチル)−3−オキソ−2,3−ジヒドロピリダジン−6−イル]−2−フェニルピラゾロ[1,5−a]ピリジン等)である上記(1)記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(19)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、式(XIII)
(式中、R44およびR45は同一または異なって水素原子、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルコキシまたは置換もしくは非置換のアリールを表すか、またはR44とR45が一緒になってオキソ、ヒドロキシイミノ、イミノまたはヒドラゾノを形成し、
46は置換もしくは非置換の低級アルキルまたは置換もしくは非置換のアリールを表し、
47、R48およびR49は同一または異なってヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、ニトロ、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルコキシまたは置換もしくは非置換のアリールを表し、
は酸素原子または硫黄原子を表す)で表される化合物である上記(1)記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(20)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、式(XIV)
(式中、R50は水素原子、ヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換の低級アルキルまたは置換もしくは非置換のアミノを表し、
51は水素原子、ハロゲン、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニル、置換もしくは非置換の低級アルコキシまたは置換もしくは非置換のアミノを表し、
52は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表し、
53は置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表し、
およびXは同一または異なって窒素原子またはCHを表す)で表される化合物(例えば5−[6−アミノ−8−(3−フルオロフェニル)−9H−9−プリニル]−1−メチル−1,2−ジヒドロ−2−ピリミジン等)である上記(1)記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(21)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、式(XV)
(式中、R54は置換もしくは非置換のシクロアルケニル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表し、
55は置換もしくは非置換の低級アルキルを表し、
は単結合または−C(=O)−を表す)で表される化合物である上記(1)記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(22)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、式(XV−A)
(式中、R54は前記と同義であり、
n3は1〜4の整数を表し、
80は置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表す)で表される化合物(例えば5−アミノ−2−(2−フリル)−7−(2−{4−[4−(2−メトキシエトキシ)フェニル]ピペラジニル}エチル)ピラゾロ[4,3−e]−1,2,4−トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン等)である上記(1)記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(23)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、式(XVI)
[式中、R56は水素原子、ハロゲン、シアノ、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニルまたは置換もしくは非置換のシクロアルキルを表し、
57は水素原子、ハロゲン、シアノ、ニトロ、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルキニルまたは置換もしくは非置換のアリールを表し、
58は置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表し、
59およびR60は同一または異なって水素原子、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表し、
は単結合、−S−、−N(R61)−(式中、R61は水素原子または置換もしくは非置換の低級アルキルを表す)、−CHCH−、−CH=CH−、−CC−または−O−を表し、
およびX10は同一または異なって窒素原子またはCHを表す]で表される化合物である上記(1)記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(24)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、式(XVII)
(式中、R62は置換もしくは非置換の低級アルコキシ、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表し、
63およびR65は同一または異なって水素原子、シアノまたはフェニルスルホニルを表し、
64は水素原子、ハロゲン、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の芳香族複素環基または置換もしくは非置換のアミノを表し、
66は置換もしくは非置換のアミノを表す)で表される化合物(例えば2−(4,5−ジヒドロフラン−2−イル)−7−m−トリル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イルアミン等)である上記(1)記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(25)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、式(XVIII)
(式中、R67は置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表し、
68は置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表し、
69およびR70は同一または異なって水素原子または置換もしくは非置換のアミノを表す)で表される化合物である上記(1)記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(26)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、式(XIX)
(式中、R71はシアノ、カルボキシまたは置換もしくは非置換のカルバモイルを表し、
72は水素原子、ヒドロキシ、置換もしくは非置換の低級アルコキシ、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の芳香族複素環基を表し、
73およびR74は同一または異なって置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表す)で表される化合物である上記(1)記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(27)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、式(XX)
[式中、R75は水素原子、ヒドロキシ、ハロゲン、ベンジルオキシ、トリフルオロメチルオキシ、置換もしくは非置換の低級アルキルまたは置換もしくは非置換の低級アルコキシを表し、
76およびR77は同一または異なってヒドロキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換の低級アルキルまたは置換もしくは非置換の低級アルコキシを表し、
78は水素原子、ハロゲン、カルボキシ、置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルケニル、置換もしくは非置換の低級アルカノイル、置換もしくは非置換の低級アルコキシカルボニル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表し、
79は置換もしくは非置換のフェニルを表し、
−C(=X11)−は−C(=O)−、−C(=S)−または−CH−を表す]で表される化合物である上記(1)記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(28)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、(−)−(11S,2’R)−α−2−ピペリジニル−2,8−ビス(トリフルオロメチル)−4−キノリンメタノールである上記(1)記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(29)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、式(XXI)
(式中、R81は置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換のシクロアルケニルまたは置換もしくは非置換の複素環基を表し、
は単結合または−C(=O)−を表し、
82は置換もしくは非置換の低級アルキルを表す)である上記(1)記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(30)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物が、式(XXI−A)
(式中、R81は前記と同義であり、
n4は1〜4の整数を表し、
83は置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換の複素環基を表す)で表される化合物(例えば5−アミノ−2−(2−フリル)−7−(2−{4−[4−(2−メトキシエトキシ)フェニル]ピペラジニル}エチル)イミダゾ[4,3−e]−1,2,4−トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン等)である上記(1)記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(31)薬物依存が、精神依存である上記(1)〜(30)のいずれかに記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(32)薬物依存が、身体依存である上記(1)〜(30)のいずれかに記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(33)薬物依存症が、アルコール依存症である上記(1)〜(30)のいずれかに記載の薬物依存症の予防および/または治療剤。
(34)上記(1)〜(30)のいずれかに記載のアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬理的に許容される塩を有効成分として含有する薬物依存の形成抑制剤。
(35)上記(1)〜(30)のいずれかに記載のアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬理的に許容される塩を有効成分として含有する精神依存の形成抑制剤。
(36)上記(1)〜(30)のいずれかに記載のアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬理的に許容される塩を有効成分として含有する身体依存の形成抑制剤。
(37)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする薬物依存症の予防および/または治療方法。
(38)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする薬物依存の形成抑制方法。
(39)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする精神依存の形成抑制方法。
(40)アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩の有効量を投与することを特徴とする身体依存の形成抑制方法。
(41)薬物依存症の予防および/または治療剤の製造のための、アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩の使用。
(42)薬物依存の形成抑制剤の製造のための、アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩の使用。
(43)精神依存の形成抑制剤の製造のための、アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩の使用。
(44)身体依存の形成抑制剤の製造のための、アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩の使用。
本発明により、例えばキサンチン誘導体等のアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬理的に許容される塩を有効成分として含有する薬物依存症の予防および/または治療剤等が提供される。
本発明で予防および/または治療される薬物依存症としては、「精神依存」のみまたは「精神依存」と「身体依存」を形成する「依存性薬物」に対する「薬物依存」の結果として生じる行動障害、精神障害、臓器障害等があげられ、具体的には依存性薬物の使用によるICD−10に記載の精神および行動の障害、ならびにDSM−IVに記載の物質関連障害等があげられる。
該「精神依存」とは薬物を使用せずにはいられなくなった精神状態であり、その薬物の使用を中止したり減らしたりすることにより、強い不安感、薬物への強い欲求等の精神異常、薬物探索行動等の行動異常等を生じる状態である。
該「身体依存」とはその薬物の使用を中止したり減らしたりすることにより、不眠、不安、振戦、発汗、痙攣発作、妄想、幻覚、嘔吐、下痢等の薬物の欠乏からくる不快な症状(「退薬症候」:離脱症状、禁断症状ともいう)等の身体的異常を生じる状態である。
該「薬物依存」とは、生体と薬物の相互作用の結果として生じた、生体のその薬物に対する「精神依存」のみ、または「精神依存」と「身体依存」を呈した状態である。
該「依存性薬物」としては、例えばアルコール(例えばエタノール、エタノールを含む飲食物等)、アヘン類(例えばアヘン、ヘロイン、オピウム、モルヒネ、コデイン、メサドン等のオピオイド類、それらを含む鎮痛剤等)、大麻類(例えば大麻、マリファナ、ハシシュ、カンナビノイド類等)、鎮咳剤(塩酸メチルエフェドリン、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン等を含有する鎮咳剤)、睡眠剤(例えばバルビツール酸系薬剤、ベンゾジアゼピン系薬剤、その他精神安定剤等)、コカイン、カフェインを含む精神刺激剤(例えばアンフェタミン、メタンフェタミン等の覚醒剤、カフェイン、カフェイン含有飲料等)、幻覚剤(例えばLSD(リゼルギン酸ジエチルアミド)、メスカリン、シロシビン、サイロビシン、MDMA(3,4−メチレン−4−メチルアンフェタミン)、2,5−ジメトキシ−4−メチルアンフェタミン、ペヨーテ等)、タバコ(例えばニコチン、ニコチン含有製品等)、揮発性溶剤(例えばトルエン、アセトン、酢酸エチル、エーテル、クロロホルム、四塩化炭素等)、精神作用物質(例えばデザイナーズドラッグ、マジック・マッシュルーム等)等があげられる。
アデノシンA2A受容体拮抗作用としては、例えばアデノシンA2A受容体と結合すること、またはアデノシンのアデノシンA2A受容体への結合を妨害もしくは予防的に阻害することにより、アデノシンが関与する生理作用の少なくともひとつを阻害、抑制または停止させる作用等があげられる。
アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物としては、アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物であれば特に限定されないが、例えばUS 5,484,920、US 5,703,085、WO 92/06976、WO 94/01114、US 5,565,460、WO 98/42711、WO 00/17201、WO 99/43678、WO 99/26627、WO 01/92264、WO 99/35147、WO 00/13682、WO 00/13681、WO 00/69464、WO 01/40230、WO 01/02409、WO 01/02400、EP 1054012、WO 01/62233、WO 01/17999、WO 01/80893、WO 02/14282、WO 01/97786、WO 03/032996、WO 03/048163、WO 03/049164、WO 03/049165等に記載の化合物があげられる。具体的には、例えば上記の式(I)、式(V)〜(XXI)、式(XV−A)および式(XXI−A)で表される化合物(以下、それぞれ化合物(I)、化合物(V)〜(XXI)、化合物(XV−A)および化合物(XXI−A)という)、(−)−(11S,2’R)−α−2−ピペリジニル−2,8−ビス(トリフルオロメチル)−4−キノリンメタノール等があげられる。中でも化合物(I)または(X)のようなキサンチン誘導体、化合物(V)、(VI)、(IX)または(XV)のような[1,2,4]トリアゾロ[1,5−c]ピリミジン誘導体、化合物(VII)または(VIII)のような[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン誘導体等が好ましく、特に下記の化合物等が好ましい。
式(I)〜(XXI)、式(XV−A)および式(XXI−A)の各基の定義において、
低級アルキル、ヒドロキシ低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルコキシカルボニルおよび低級アルカノイルの低級アルキル部分としては、例えば直鎖または分岐状の炭素数1〜8のアルキルがあげられ、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等があげられる。
低級アルケニルとしては、例えば直鎖または分岐状の炭素数2〜8のアルケニルがあげられ、具体的にはビニル、アリル、メタクリル、クロチル、3−ブテニル、2−ペンテニル、4−ペンテニル、2−ヘキセニル、5−ヘキセニル、2−ヘプテニル、2−オクテニル等があげられる。
低級アルキニルとしては、例えば直鎖または分岐状の炭素数2〜8のアルキニルがあげられ、具体的にはエチニル、プロパルギル、2−ブチニル、3−ブチニル、2−ペンチニル、4−ペンチニル、2−ヘキシニル、5−ヘキシニル、4−メチル−2−ペンチニル、2−ヘプチニル、2−オクチニル等があげられる。
シクロアルキルとしては、例えば炭素数3〜8のシクロアルキルがあげられ、具体的にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等があげられる。
シクロアルケニルとしては、例えば炭素数4〜8のシクロアルケニルがあげられ、具体的にはシクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル等があげられる。
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子を意味する。
アリールとしては、例えば炭素数6〜14のアリールがあげられ、具体的にはフェニル、ナフチル、アントリル等があげられる。
芳香族複素環基としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性芳香族複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性芳香族複素環基等があげられ、具体的にはピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキソピリダジニル、キノリル、イソキノリル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、シンノリニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、チエニル、フリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、オキソオキサジアゾリル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、2−オキソベンゾイミダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、プリニル、ジベンゾフラニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル等があげられる。
複素環基としては、例えば前記芳香族複素環基の定義であげた基に加え、脂環式複素環基があげられる。脂環式複素環基としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性脂環式複素環基、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性脂環式複素環基等があげられ、具体的にはピラニル、チオピラニル、ピロリジニル、ピペリジノ、ピペラジニル、ピペリジニル、イミダゾリジニル、チアゾリジニル、モルホリノ、モルホリニル、チオモルホリノ、チオモルホリニル、ホモピペリジノ、ホモピペラジニル、テトラヒドロピリジニル、ジヒドロイソキノリル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、オキソオキサゾリジニル、オキサジアゾリニル、オキソラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロベンゾフラニル、オキソピペラジニル、2−オキソピロリジニル、ジオキソラニル、1,3−ベンゾジオキソリル、1,4−ベンゾジオキサニル、3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピニル、ベンゾピラニル、ベンゾジヒドロピラニル、ペルヒドロジアゼピニル、ペルヒドロジアゾシニル、ペルヒドロジアゾニニル等があげられる。
Aと隣接する2個の炭素原子が一緒になって形成される複素環としては、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む5員または6員の単環性複素環、3〜8員の環が縮合した二環または三環性で、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個の原子を含む縮環性複素環等があげられ、具体的にはピロール、ピラン、チオピラン、ピリジン、チアゾール、イミダゾール、ピリミジン、トリアジン、インドール、キノリン、ベンゾチアゾール、ピロリン、テトラヒドロピリジン、テトラヒドロピラジン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン等があげられる。
Aと隣接する2個の炭素原子が一緒になって形成される炭素環としては、例えば炭素数4〜8のシクロアルケン等があげられ、具体的にはシクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等があげられる。
隣接する炭素原子と一緒になって形成される炭素環としては、例えば炭素数4〜8のシクロアルカン、シクロアルケン等があげられ、具体的にはシクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン等があげられる。
置換低級アルキル、置換低級アルコキシ、置換低級アルカノイル、置換低級アルコキシカルボニル、置換低級アルケニルおよび置換低級アルキニルにおける置換基(A)としては、同一または異なって例えば置換数1〜3の置換基があげられ、具体的にはヒドロキシ、シアノ、ニトロ、カルボキシ、カルバモイル、アミノ、ベンジルオキシ、フェノキシ、ハロゲン、置換もしくは非置換の低級アルコキシ、シクロアルキル、低級アルカノイル、低級アルコキシカルボニル、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、置換もしくは非置換のアリール、置換もしくは非置換の複素環基等があげられる。
置換基(A)の例示であげたハロゲン、シクロアルキル、アリールおよび複素環基はそれぞれ前記と同義であり、低級アルコキシ、低級アルカノイル、低級アルコキシカルボニル、低級アルキルアミノおよびジ低級アルキルアミノの低級アルキル部分は前記低級アルキルと同義であり、ジ低級アルキルアミノの2個の低級アルキル部分は同一でも異なっていてもよい。
置換基(A)の例示であげた置換アリールおよび置換複素環基における置換基としては、同一または異なって例えば置換数1〜3の置換基があげられ、具体的には後記の置換基(C)の例示であげる置換基等があげられる。
置換基(A)の例示であげた置換低級アルコキシにおける置換基(a)としては、同一または異なって例えば置換数1〜3の置換基があげられ、具体的にはハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、アジド、低級アルコキシ、低級アルコキシカルボニル等があげられる。置換基(a)の例示であげたハロゲンは前記と同義であり、低級アルコキシおよびは低級アルコキシカルボニルの低級アルキル部分は前記低級アルキルと同義である。
置換アミノおよび置換カルバモイルにおける置換基(B)としては、同一または異なって置換数1または2の置換基があげられ、具体的には置換もしくは非置換の低級アルキル、置換もしくは非置換の低級アルコキシ等があげられる。
置換基(B)の例示であげた低級アルキルおよび低級アルコキシはそれぞれ前記と同義であり、置換基(B)の例示であげた置換低級アルキルおよび置換低級アルコキシにおける置換基としては、同一または異なって例えば置換数1〜3の置換基があげられ、具体的には前記置換基(a)の例示であげた置換基等があげられる。
置換シクロアルキル、置換シクロアルケニル、隣接する炭素原子と一緒になって形成される置換炭素環、Aと隣接する2個の炭素原子が一緒になって形成される置換炭素環、置換アリール、置換フェニル、置換複素環基、置換芳香族複素環基およびAと隣接する2個の炭素原子が一緒になって形成される置換複素環における置換基(C)としては、同一または異なって例えば置換数1〜3の、具体的にはヒドロキシ、ニトロ、アミノ、カルボキシ、スルホ、トリフルオロメチル、ハロゲン、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、置換もしくは非置換の低級アルコキシ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、置換もしくは非置換のアリール、アリールオキシ、アラルキル、アラルキルオキシ、低級アルカノイル、低級アルカノイルオキシ、アロイル、アロイルオキシ、アリールアルカノイルオキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルキルカルバモイル、ジ低級アルキルカルバモイル、低級アルコキシスルホニル、低級アルキルスルファモイル、ジ低級アルキルスルファモイル等があげられる。
置換基(C)の例示であげた低級アルキル、低級アルコキシ、低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルアミノ、低級アルカノイル、低級アルカノイルオキシ、低級アルコキシカルボニル、低級アルキルカルバモイル、ジ低級アルキルカルバモイル、低級アルコキシスルホニル、低級アルキルスルファモイルおよびジ低級アルキルスルファモイルの低級アルキル部分は、前記低級アルキルと同義であり、ハロゲン、低級アルケニルおよび低級アルキニルはそれぞれ前記と同義である。ジ低級アルキルアミノ、ジ低級アルキルカルバモイルおよびジ低級アルキルスルファモイルの2個の低級アルキル部分は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。アリールおよびアリールオキシのアリール部分は前記アリールと同義であり、アラルキルおよびアラルキルオキシのアラルキル部分としては、例えばベンジル、フェネチル等があげられる。アロイルおよびアロイルオキシのアロイル部分としては、例えばベンゾイル、ナフトイル等があげられる。アリールアルカノイルオキシのアリールアルキル部分としては、例えばベンジル、フェネチル等があげられる。
置換基(C)の例示であげた置換低級アルコキシおよび置換アリールにおける置換基(c)としては、同一または異なって例えば置換数1〜3の、具体的には前記置換基(a)の例示であげた置換基等があげられる。
アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物の薬理学的に許容される塩としては、例えば薬理学的に許容される酸付加塩、金属塩、アンモニウム塩、有機アミン付加塩、アミノ酸付加塩等があげられる。
アデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物の薬理学的に許容される酸付加塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩があげられ、薬理学的に許容される金属塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩等があげられ、薬理学的に許容されるアンモニウム塩としては、例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム等の塩があげられ、薬理学的に許容される有機アミン付加塩としては、モルホリン、ピペリジン等の付加塩があげられ、薬理学的に許容されるアミノ酸付加塩としては、リジン、グリシン、フェニルアラニン等の付加塩があげられる。
化合物(I)、化合物(V)〜(XXI)、化合物(XV−A)および化合物(XXI−A)は、それぞれ例えば特公昭47−26516号公報、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)、第34巻、p.1431(1991年)、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)、第36巻、p.1333(1993年)、WO 92/06976、特開平6−211856号公報、特開平6−239862号公報、WO 95/23165、特開平6−16559号公報、WO 94/01114、WO 99/12546、WO 99/35147、US 5,484,920、US 5,703,085、WO 92/06976、WO 94/01114、US 5,665,460、WO 98/42711、WO 00/17201、WO 99/43678、WO 99/26627、WO 01/92264、WO 99/35147、WO 00/13682、WO 00/13681、WO 00/69464、WO 01/40230、WO 01/02409、WO 01/02400、EP 1054012、WO 01/62233、WO 01/17999、WO 01/80893、WO 02/14282、WO 01/97786、WO 03/032996、WO 03/048163、WO 03/049164、WO 03/049165等に開示された方法でまたはそれらに準じて製造することができる。各製造法における目的化合物は、有機合成化学で常用される精製法、例えば濾過、抽出、洗浄、乾燥、濃縮、再結晶、各種クロマトグラフィー等に付して単離精製することができる。
化合物(I)、化合物(V)〜(XXI)、化合物(XV−A)および化合物(XXI−A)等のアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物のそれぞれ塩を取得したいとき、化合物(I)、化合物(V)〜(XXI)、化合物(XV−A)および化合物(XXI−A)等のアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物がそれぞれ塩の形で得られる場合には、そのまま精製すればよく、また、遊離の形で得られる場合には、化合物(I)、化合物(V)〜(XXI)、化合物(XV−A)および化合物(XXI−A)等のアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物をそれぞれ適当な溶媒に溶解または懸濁し、酸または塩基を加えて塩を形成させればよい。
また、化合物(I)、化合物(V)〜(XXI)、化合物(XV−A)および化合物(XXI−A)等のアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物およびその薬理学的に許容される塩は、水または各種溶媒との付加物の形で存在することもあるが、これら付加物も本発明の薬物依存症の予防および/または治療剤に用いることができる。
化合物(I)、化合物(V)〜(XXI)、化合物(XV−A)および化合物(XXI−A)等のアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物の中には光学異性体等の立体異性体が存在し得るものもあるが、全ての可能な立体異性体およびそれらの混合物も本発明の薬物依存症の予防および/または治療剤に用いることができる。
化合物(I)の具体例を表1に示す。
以下に試験例により本発明の効果を具体的に説明する。
試験例1:アルコール嗜好性への影響
<アルコール嗜好性の評価方法>
C57BL/6Jマウス(チャールスリバー、雄性、7週齢)を購入し、1週間の馴化期間を置いた後、個別ケージに入れて飼育した(以下、該C57BL/6Jマウスをマウスと称する)。それぞれのケージに同型の2本の飲水ボトルを設置し、片方の飲水ボトルには水のみを、もう片方の飲水ボトルには10%のエタノールを含有する水を入れた。エタノールを含有するボトルの左右の位置は、ボトルの中身を交換する度に入れ替えた。各飲水ボトルの重量をケージに設置する前と後にそれぞれ測定し、その差を摂取量とした。アルコール嗜好性は、以下の式により算出した。
以下、それぞれの処置により、試験化合物の投与によるアルコール嗜好性への影響を評価した。
<処置1>
試験化合物投与前のアルコール嗜好性の平均値が等しくなるように、マウスを2群に分けた。一方を試験化合物投与群、他方を溶媒投与群とした。試験化合物は、0.5%のメチルセルロースを含有する注射用蒸留水(大塚製薬社製;0.5%MC溶液)に懸濁させ、試験に用いた。試験化合物投与群には試験化合物(3mg/kg)を、溶媒投与群には0.5%MC溶液を、それぞれ10mL/kgの容量で、1日2回、4日間経口投与し、投与期間中のアルコール嗜好性を2日間ずつ2回に分けて評価した。試験結果の解析には、試験化合物投与前のアルコール嗜好性が0.4以上認められたマウスのみを使用した。試験化合物または溶媒の投与によるアルコール嗜好性への影響は、以下の式により算出される値により投与前のアルコール嗜好性を100%とした場合のアルコール嗜好性の度合いとして評価した。その結果を表2に示す。
処置1の結果、以下のことが判明した。アルコール摂取期間中に、化合物2を投与することにより、アルコール嗜好性が低下した。
<処置2>
試験開始前8日間のアルコール嗜好性の平均値が0.6以上のマウスを用い、試験化合物投与前の嗜好性の平均値が等しくなるように、該マウスを2群に分けた(このときのアルコール嗜好性の値を基礎値とする)。一方を試験化合物投与群、他方を溶媒投与群とした。これらのマウスについて、さらに計10日間の嗜好性評価を実施し、2群に分けた後の嗜好性が安定していることを確認した(このときのアルコール嗜好性の値を投与前値とする)。試験化合物は、0.5%のメチルセルロースを含有する注射用蒸留水(大塚製薬社製;0.5%MC溶液)に懸濁させ、試験に用いた。試験化合物投与群には試験化合物(3mg/kg)を、溶媒投与群には0.5%MC溶液を、それぞれ10mL/kgの容量で、1日2回、4日間経口投与した。投与期間中の4日間は、両群のマウスに両ボトルから水のみを摂取させた。その後、最終投与の翌日から3日間について、アルコール嗜好性を評価した。その結果を表3に示す。
処置2の結果、以下のことが判明した。化合物2をアルコール摂取の中断期間中に投与することにより、再飲時のアルコール嗜好性は、溶媒群と比較して有意に低い値を示した。
試験例2:アルコールの退薬(離脱)症候における評価
<アルコールの退薬症候の評価方法>
SDラット(チャールスリバー、雄性、6週齢)を購入し、6日間の馴化期間を置いた後、プラスチックケージに入れて飼育した(以下、該SDラットをラットと称する)。16日間の飼育期間中、アルコール非処置群にはデキストリンを、アルコール処置群には7.4%エタノールを含有する液状食をそれぞれ与えた。液状食は1日1回交換した。飼育17日目に、アルコール処置群にはエタノール(3g/10mL/kg)を、アルコール非処置群には注射用蒸留水(大塚製薬製、10mL/kg)をそれぞれ経口投与し、その6時間後に5分間の高架式十字迷路試験を実施した。つまり、床面より50cmの高さに走路を有し、該走路が等しい長さ(50cm)の壁のある走路(closed arm:クローズドアーム)と壁のない走路(open arm:オープンアーム)がクロスした形で構成される高架式の十字迷路のセンターにマウスを置き、5分間の試験中にマウスがオープンアームに滞在する時間を計った。
アルコールの退薬症候は、エタノールの離脱により発現する不安行動(不安状態)の指標であるオープンアームへの滞在時間により評価した。なお、オープンアームへの滞在時間の減少(クローズドアームへの滞在時間の延長)は不安行動が惹起されていることを示し、オープンアームへの滞在時間の延長(クローズドアームへの滞在時間の減少)は不安行動が抑制されていることを示す。
<処置1>
試験開始の1時間前に、アルコール処置群およびアルコール非処置群に0.5%MC溶液を5mL/kgの用量でそれぞれ経口投与した。アルコール処置群としては、飼育期間中のエタノール摂取量が平均8g/kg/日以上となったラットのみを使用した。
その結果を表4に示す。
処置1の結果、以下のことが判明した。アルコール処置群ではオープンアームに滞在する時間は有意に減少し、エタノールの離脱による不安行動が惹起されたことが確認された。なお、これらの条件で惹起された不安行動等がエタノールの離脱による退薬症候の症状であることは、例えば「アルコール(Alcohol)」,32,101−111(2000)等に報告されている。
<処置2>
アルコール処置群のうち、飼育期間中のエタノール摂取量が平均8g/kg/日以上となったラットのみを使用し、無作為に溶媒投与群および試験化合物投与群2群の計3群に分けた。試験化合物は、0.5%のメチルセルロースを含有する注射用蒸留水(大塚製薬社製;0.5%MC溶液)に懸濁させ、試験に用いた。試験開始の1時間前に、試験化合物投与群には試験化合物を、溶媒投与群には0.5%MC溶液を、それぞれ5mL/kgの容量で経口投与した。
その結果を表5に示す。
処置2の結果、以下のことが判明した。化合物2を投与することにより、エタノールの離脱による不安行動が有意に抑制され、アルコールの退薬症候が緩解された。
以上の試験例1の結果から、化合物(I)等のアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬理的に許容される塩は、アルコール等の依存性薬物の摂取に対する欲求を抑制する作用、すなわち依存性薬物に対する「精神依存」を抑制する効果を有することが明らかとなった。また、試験例2の結果から、化合物(I)等のアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬理的に許容される塩は、アルコール等の依存性薬物の摂取を中止することによる「退薬症候(離脱症候)の発現」、すなわち「身体依存」を抑制する効果を有することが明らかとなった。
また、その他の依存性薬物に対する「精神依存」、または「精神依存」および「身体依存」の形成を抑制する効果については、上記の試験例と同様の試験、嗜好性を指標とした試験(例えばCPP法等:ライフ・サイエンス「Life Science」,57,1277−1284(1995)、サイコファーマコロジー「Psychopharmacology」,102,438−442(1990)等参照)、依存性薬物の離脱による不安行動を指標とした試験(例えば高架式十字迷路試験等)、モレキュラー・メディシン「Molecular Medicine」,32,140(1995)等に記載の試験等により、確認することができる。
つまり、化合物(I)等のアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬理的に許容される塩は、例えば薬物依存(依存性薬物に対する精神依存、または精神依存および身体依存)の形成抑制剤、薬物依存症の予防および/または治療剤等として有用であることが示唆された。
化合物(I)等のアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬理的に許容される塩はそのまままたは各種の製薬形態で使用することができる。本発明の製薬組成物は、活性成分として、有効な量の化合物(I)等のアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬理的に許容される塩を薬理的に許容される担体と均一に混合して製造できる。これらの製薬組成物は、例えば直腸投与、経口または非経口(皮下、静脈内および筋肉内を含む)等の投与に対して適する単位服用形態にあることが望ましい。
経口服用形態にある組成物の調製においては、何らかの有用な薬理的に許容される担体が使用できる。例えば懸濁剤およびシロップ剤のような経口液体調製物は、水、シュークロース、ソルビトール、フラクトース等の糖類、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、ゴマ油、オリーブ油、大豆油等の油類、p−ヒドロキシ安息香酸エステル類等の防腐剤、ストロベリーフレーバー、ペパーミント等のフレーバー類等を使用して製造できる。粉剤、丸剤、カプセル剤および錠剤は、ラクトース、グルコース、シュークロース、マンニトール等の賦形剤、でん粉、アルギン酸ソーダ等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウム、タルク等の滑沢剤、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチン等の結合剤、脂肪酸エステル等の表面活性剤、グリセリン等の可塑剤等を用いて製造できる。錠剤およびカプセル剤は、投与が容易であるという理由で、最も有用な単位経口投与剤である。錠剤やカプセル剤を製造する際には固体の製薬担体が用いられる。
また、注射剤は、蒸留水、塩溶液、グルコース溶液または塩水とグルコース溶液の混合物等から成る担体を用いて調製することができる。この際、常法に従い適当な助剤を用いて、溶液、懸濁液または分散液として調製される。
化合物(I)等のアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬理的に許容される塩は、上記製薬形態で経口的にまたは注射剤等として非経口的に投与することができ、その有効用量および投与回数は、投与形態、患者の年齢、体重、症状等により異なるが、1〜100mg/60kg/日、好ましくは1〜20mg/60kg/日を1日1回または数回に分けて投与するのが適当である。
以下に、実施例によって本発明の様態を説明する。
錠剤
常法により、次の組成からなる錠剤を調製する。
化合物1の40g、ラクトース286.8gおよび馬鈴薯でん粉60gを混合し、これにヒドロキシプロピルセルロースの10%水溶液120gを加える。この混合物を常法により練合し、造粒して乾燥させた後、整粒し打錠用顆粒とする。これにステアリン酸マグネシウム1.2gを加えて混合し、径8mmの杵を持った打錠機(菊水社製RT−15型)で打錠を行って、錠剤(1錠あたり活性成分20mgを含有する)を得る。
処方 化合物1 20mg
ラクトース 143.4mg
馬鈴薯でん粉 30mg
ヒドロキシプロピルセルロース 6mg
ステアリン酸マグネシウム 0.6mg
200mg
カプセル剤
常法により、次の組成からなるカプセル剤を調製する。
化合物2の200g、アビセル995gおよびステアリン酸マグネシウム5gを常法により混合する。この混合物をカプセル充填機(Zanasi社製、LZ−64型)により、ハードカプセル4号(1カプセルあたり120mg容量)に充填し、カプセル剤(1カプセルあたり活性成分20mgを含有する)を得る。
処方 化合物2 20mg
アビセル 99.5mg
ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
120mg
注射剤
常法により、次の組成からなる注射剤を調製する。
化合物3の1gを精製ダイズ油100gに溶解させ、精製卵黄レシチン12gおよび注射用グリセリン25gを加える。この混合物を常法により注射用蒸留水で1000mLとして練合・乳化する。得られた分散液を0.2μmのディスポーザブル型メンブランフィルターを用いて無菌濾過後、ガラスバイアルに2mLずつ無菌的に充填して、注射剤(1バイアルあたり活性成分2mgを含有する)を得る。
処方 化合物3 2mg
精製ダイズ油 200mg
精製卵黄レシチン 24mg
注射用グリセリン 50mg
注射用蒸留水 1.72mL
2.00mL
本発明により、例えばアデノシンA2A受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬理的に許容される塩を有効成分として含有する薬物依存症の予防および/または治療剤等が提供される。

Claims (1)

  1. アルコール摂取の中断期間中に投与されるように用いられることを特徴とする、下記式(2)で表される化合物またはその薬理的に許容される塩を有効成分として含有するアルコール依存症の予防および/または治療剤。
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