以下、本発明の実施形態の冷蔵庫について詳細に説明する。
本発明の実施形態の冷蔵庫は、冷蔵冷凍庫(家庭用、業務用含む)、その他の冷蔵庫が考えられる。本実施形態では、一例として冷凍冷蔵庫(以下、単に冷蔵庫と称する)について説明する。
図1および図9は本発明の実施形態における冷蔵庫の一例を示す外観図である。図1は、冷蔵庫100の開閉扉71を開いている状態、図9は冷蔵庫100の開閉扉71を閉じている状態を示している。
本実施形態の冷蔵庫は、前方が開口した筐体70と、筐体70の開口部を開閉する開閉扉71と、開閉扉71が閉じられたときに、筐体70内の空間を空気的に分離する分離壁72と、分離壁72によりそれぞれ分離された貯蔵室内に分離壁72と平行になるように設置された貯蔵棚73とを備えることがある。この場合、図2以降に示す給電ループアンテナ1により囲まれて形成される面と図2以降に示す無給電ループアンテナ2とが略平行となるように、給電ループアンテナ1と無給電ループアンテナ2とを貯蔵室内に配置する。
また、本実施形態の冷蔵庫は、筐体天部74、筐体底部75、または分離壁72に面して給電ループアンテナ1を配置することがあり、貯蔵棚73に面して無給電ループアンテナ2を配置することがある。一例を図3に示している。
また、本実施形態の冷蔵庫は、開閉扉71の内側壁に分離壁72と平行になるように貯蔵棚71Tを備え、貯蔵棚71Tに面して無給電ループアンテナ2を配置することがある。一例を図4に示している。
また、本実施形態の冷蔵庫は、分離壁72により分離して形成される貯蔵室として、冷蔵室10以外に、後述する冷凍室20や野菜室30、製氷室40、切り替え室50を備えている。この冷蔵室10以外の貯蔵室は、奥行き方向に押し引きすることによって開閉可能となり、貯蔵室内部には、図6に示すように収納物を区分けして収納するためのケースが設置されている。
このケースは、取り外し可能なように軽量な材質で作られている。そして、給電ループアンテナ1が形成する面と略平行となるケース面上に、無給電ループアンテナ2が形成されている。
また、本実施形態の冷蔵庫は、分離壁72が筐体70と一体に形成され、筐体70と分離壁72を所定の樹脂により形成することがある。
また、本実施形態の冷蔵庫は、無給電ループアンテナ2が所定の印刷手段によって形成されることがある。
また、本実施形態の冷蔵庫は、無給電ループアンテナ2が所定の樹脂または所定のガラスに埋設して形成されることがある。
また、本実施形態の冷蔵庫は、前方が開口した筐体70と、筐体70の開口部を開閉する開閉扉71と、開閉扉71が閉じられたときに筐体71内の空間を空気的に分離する分離壁72と、分離壁72によりそれぞれ分離された貯蔵室内に垂直方向に設置される仕切板76を備えることがある。この場合、筐体71の側面77上に給電ループアンテナ1を配置し、仕切板76に無給電ループアンテナ2を配置する。一例を図8に示している。
また、本実施形態の冷蔵庫は、給電ループアンテナ1および無給電ループアンテナの共振周波数が同一周波数であることがある。
また、本実施形態の冷蔵庫には、無給電ループアンテナ2を取り外し可能な貯蔵棚73に、給電ループアンテナ1を取り外し不可能な分離壁72に配置することが可能である。貯蔵棚73は、近年衛生意識の高まりから、定期的に取り外して洗うことができる構成が求められている。貯蔵棚73に給電ループアンテナ1を設置すると電気的な接続箇所が必要となり、貯蔵棚73を取り外した後で再び設置する際に、使用者は電気的な接続を注意しなければならないが、本実施形態の冷蔵庫ではこのような注意が不要となる。さらに、給電ループアンテナ1は電気的な接続が要求されることから、分離壁72などの取り外しできない箇所へ適用することで、使用者は複雑な配線接続を意識する必要がない。
このように、本実施形態の冷蔵庫では、単に給電ループアンテナ1と無給電ループアンテナ2とを略並行に配置するだけではなく、給電ループアンテナ1と無給電ループアンテナ2をどのような性質の場所(簡単に取り外し可能か不可能か)に配置するのかについても考慮している。
図1に示す冷蔵庫100は、複数の貯蔵室を備えている。貯蔵室とは、例えば、冷蔵室10、冷凍室20、野菜室30、製氷室40、用途に応じて切り替え可能な切り替え室50などである。また、冷蔵庫100が1つの貯蔵室だけ備えていても良い。
また、冷蔵庫100は図示しないネットワーク通信部を備えることも可能である。ネットワーク通信部により、外部通信網としてのインターネットに接続可能である。例えば冷蔵庫100の開閉扉71にタッチパネル機能を有するディスプレイ140を設け、ディスプレイ140から所定の入力操作を取得し、ネットワーク通信部によりインターネットに接続する。
冷蔵室10は、食品などの貯蔵物を配置するための複数の貯蔵棚73を備えている。また、冷蔵室10は、通常、図7や図8に示すような給水タンク12やチルド室13を備えている。給水タンク12やチルド室13はケースの一例である。
冷凍室20および野菜室30は、通常、食品などの貯蔵物を収容するためのケースを備えている。このケースは複数であってもよい。また、貯蔵棚を備えても良い。
上記貯蔵室10、20、30以外の貯蔵室であっても、貯蔵棚やケースを備えても良い。
なお、冷蔵庫100の外筐体の材質は、通常鉄板であり、開閉扉71を備える場合には、ドアパネルを仕切っている部分についても例えば鉄のアームが含まれる。冷蔵庫100の内壁材料は通常ポリプロピレンなどの樹脂である。また、開閉扉71のドアポケットの材料は通常ポリスチレンなどの樹脂である。
次に、本発明の実施形態における給電ループアンテナおよび無給電ループアンテナの構成および動作の一例について説明する。図2は、本発明の実施形態における給電ループアンテナおよび無給電ループアンテナの一例を示す図である。
図2に示す給電ループアンテナ1とは、給電が行なわれるループアンテナである。ループアンテナの給電部3から信号電流が入力され、自ら周囲に対して電磁波を放射するループアンテナを指す。
また、図2に示す無給電ループアンテナ2とは、給電が行なわれないループアンテナである。給電が行なわれないとは、ループアンテナの給電部に直接、電気的に信号電流が供給されないことをいい、例えば、他のループアンテナなどから発生する電磁波による相互インダクタンスに基づいて電流が供給されるものは含まない。ここでは、無給電ループアンテナは、給電部3が接続されていないか、もしくは、接続されていても電気的に直接信号電流が供給されていないかであって、他のループアンテナ(給電、無給電を問わない)からの磁界供給などによる電流の発生が行なわれ得るものを指す。
給電ループアンテナ1、無給電ループアンテナ2は、それぞれ中央に開口部をそなえた巻数が1回もしくはそれ以上の巻数を有するループアンテナであればよい。また、ループの形状は、円形、楕円形、略矩形、多角形などいずれであってもよい。また、ループアンテナの材質としては、導電性の金属製線材、金属製板材、金属製箔財、金属製筒材などから適宜選択可能である。また、給電ループアンテナ1と無給電ループアンテナ2とはそれぞれ同一の形状、材料から構成されてもよく、異なる材料から構成されてもよい。
給電ループアンテナ1および無給電ループアンテナ2は、そのループが作る主面である開口面同士が略平行関係となるように配置されることが望ましい。略平行である場合には、給電ループアンテナ1の放射電磁波により無給電ループアンテナ2で発生する誘導電流が大きくなり、無給電ループアンテナ2で効果的に電流と放射電磁波を発生することができる。また、給電ループアンテナ1と無給電ループアンテナ2との間隔は、無給電ループアンテナ2で十分な誘導電流が発生する距離とすることが望ましい。この間隔は、給電ループアンテナ1で給電される電流の強度、発生する磁界や電界の強さによって決まる。なお、略平行でなくとも、多少の角度をもって配置されても、所望の動作を得ることは可能である。
給電ループアンテナ1に対して、給電部3から信号電流が供給されると、時間的に変化する第1の高周波電流が発生する。この第1の高周波電流により、右ネジの法則に従い給電ループアンテナ1内に磁束が生じる。これにより、給電ループアンテナ1から電磁波が放射される。給電ループアンテナ1内で時間的に変化する磁束は、無給電ループアンテナ2内も貫き、相互インダクタンスによって、無給電ループアンテナ2に誘起電圧を生じ、第2の高周波電流を流す。さらに、この時間的に変化する第2の高周波電流により、右ネジの法則に従い無給電ループアンテナ2内に磁束が生じる。すなわち、無給電ループアンテナ2からも電磁波の放射が可能となり、無給電ループアンテナ2が給電ループアンテナ1と同様に、アンテナとしての動作を行うことが可能となる。したがって、無給電ループアンテナ2を連続して配置することで、これらの無給電ループアンテナ2を順にアンテナとして動作させることが可能である。
このように給電ループアンテナ1および無給電ループアンテナ2を組み合わせて配置することにより、有効な通信範囲が拡大する。また、通信範囲が同一である場合、給電ループアンテナ1のみで電磁波を放射した場合と比較して、給電ループアンテナ1と無給電ループアンテナ2とを利用して電磁波を放射した場合の消費電力を大幅に低減することが可能となる。
次に、冷蔵庫100におけるアンテナの配置の一例について説明する。図3〜図8は、冷蔵庫100におけるアンテナの配置の具体例を示す図である。
冷蔵庫100内には、少なくとも1つの給電ループアンテナ1と無給電ループアンテナ2が備えられる。例えば、冷蔵庫100の筐体天部74や筐体底部75や分離壁72(貯蔵室の下面や上面)に給電ループアンテナ1が配置される。給電ループアンテナ1からの電波により励振可能となるように、給電ループアンテナ1および無給電ループアンテナ2が様々な位置に配置される。
また、冷蔵庫100の備える給電ループアンテナ1、無給電ループアンテナ2、貯蔵物の備える無給電ループアンテナは、それぞれ共振周波数が一致するように設計されることが望ましい。これにより、各ループアンテナ間の伝送効率が向上する。
また、貯蔵物の備える無給電ループアンテナは、冷蔵庫100の備える給電ループアンテナ1または無給電ループアンテナ2からの電波によって励振可能に載置可能である。この場合、給電ループアンテナ1もしくは無給電ループアンテナ2により囲まれて形成される面と、貯蔵物の備える給電ループアンテナにより囲まれて形成される面とが略平行となるように配置される。
図3では、冷蔵庫100の冷蔵室10が貯蔵棚73を備えており、貯蔵棚73に無給電ループアンテナ2が配置される場合を示している。各貯蔵棚73は冷蔵室10の底面と略平行に配置されている。なお、貯蔵棚の数はこれに限らない。冷蔵室10の上面および下面に給電ループアンテナ1、貯蔵棚73に無給電ループアンテナ2が配置されている。なお、給電ループアンテナ1は上面および下面の両方に配置されることに限られず、いずれか一方でもよい。また、無給電ループアンテナ2が貯蔵棚73のすべてに配置されなくてもよい。また、冷蔵庫10は、貯蔵棚73の位置を可変とする機構を備えている。これにより、無給電ループアンテナ2による通信特性(例えば磁界強度の強弱の調節など)を容易に変更可能となる。また、冷蔵室10以外の貯蔵室に貯蔵棚を設け、その貯蔵棚に無給電ループアンテナ2が配置されるようにしてもよい。貯蔵棚のアンテナを無給電ループアンテナ2とすることで、例えば飲み物などの液体を零してしまっても冷蔵庫が故障してしまう可能性を軽減できる。
図4では、冷蔵庫100の冷蔵室10が開閉扉71を備えており、開閉扉71に備え付けられている貯蔵棚71Tに無給電ループアンテナ2が配置される場合を示している。各貯蔵棚71Tは冷蔵室10の底面と略平行に配置されている。なお、貯蔵棚の数はこれに限らない。冷蔵室10の上面および下面に給電ループアンテナ1、貯蔵棚71Tに無給電ループアンテナ2が配置されている。なお、給電ループアンテナ1は上面および下面の両方に設置されることに限られず、いずれか一方でもよい。また、無給電ループアンテナ2が貯蔵棚71Tのすべてに配置されなくてもよい。また、冷蔵室10以外の貯蔵室に開閉扉71を備え、開閉扉71に備え付けられる貯蔵棚71Tに無給電ループアンテナ2が配置されるようにしてもよい。
図5では、冷蔵庫100が複数の貯蔵室を備えており、冷蔵室10以外の貯蔵室の下面に無給電ループアンテナ2が配置される場合を示している。貯蔵室の数はこれに限られない。冷蔵室10の下面に給電ループアンテナ1、冷蔵室10以外の貯蔵室の下面に無給電ループアンテナ2が配置されている。なお、給電ループアンテナ1が冷蔵室10の下面や上面に配置されることに限られず、給電ループアンテナ1が他の貯蔵室の下面や上面に配置され、無給電ループアンテナ2が冷蔵室10の下面または上面に配置されてもよいが、電力効率の観点から、冷蔵室10と冷蔵室以外の貯蔵室とを分離する冷蔵庫10の下面に配置されることが望ましい。
また、図5では、貯蔵棚73は取り外し可能に、分離壁72は取り外し不可能に設置されている。貯蔵棚73に給電ループアンテナ1を設置すると電気的な接続箇所が必要となり、貯蔵棚73を取り外した後で再び設置する際に、使用者は電気的な接続を注意しなければならないが、図5の冷蔵庫ではこのような注意が不要となる。さらに、給電ループアンテナ1は電気的な接続が要求されることから、分離壁72などの取り外しできない箇所へ適用することで、使用者は複雑な配線接続を意識する必要がない。
図6では、冷蔵庫100の野菜室30がケース(野菜ケース31など)を備えており、野菜室30の底面に給電ループアンテナ1が配置されており、ケースの底面に無給電ループアンテナ2が配置される場合を示している。野菜室30の底面とケースの底面とは略平行となっている。ケースは複数であってもよい。また、ケースは取り外し可能となっていることがある。なお、ケースに配置された無給電ループアンテナ2を励振可能であれば、給電ループアンテナ1を野菜室30以外の貯蔵室に配置してもよい。また、野菜室以外の貯蔵室のケース(例えば給水タンクやチルド室や冷凍室20のケース)に、無給電ループアンテナ2を備えるようにしてもよい。
図7では、冷蔵庫100の冷蔵室10が貯蔵棚または最下段にケース(給水タンク12やチルド室13)を備えており、このケースの側面(給水タンク12およびチルド室13の間側の側面)に無給電ループアンテナ2が配置される場合を示している。このケースが備えられる貯蔵棚または冷蔵室10の最下段に対応する冷蔵室10の側面部分を含む冷蔵室10の側面の少なくとも一部(つまり冷蔵庫筐体の側面77の少なくとも一部)には、給電ループアンテナ1が配置される。なお、図7では、左側面にのみ給電ループアンテナ1が配置されることを示しているが、右側面のみ、もしくは両側面に配置されてもよい。これにより、無給電ループアンテナ2は給電ループアンテナ1からの電波により励振可能となる。また、冷蔵室10以外にこのようなループアンテナの配置関係を適用させてもよい。
図8では、冷蔵庫100の冷蔵室10が貯蔵棚または最下段に仕切板76を備えており、仕切板76の側面に無給電ループアンテナ2が配置される場合を示している。仕切り部材76が備えられる貯蔵棚または冷蔵室10の最下段に対応する冷蔵室10の側面部分を含む冷蔵室10の側面の少なくとも一部(つまり冷蔵庫筐体の側面77の少なくとも一部)には、給電ループアンテナ1が配置される。なお、図8では、両側面に配置されることを示しているが、左右いずれかの側面のみに配置されてもよい。これにより、無給電ループアンテナ2は給電ループアンテナ1からの電波により励振可能となる。また、冷蔵室10以外にこのようなループアンテナの配置関係を適用させてもよい。
図3〜図8に示した給電ループアンテナ1および無給電ループアンテナ2の形状や大きさはこれに限られないが、無給電ループアンテナ2は、給電ループアンテナ1もしくは他の無給電ループアンテナ2から放射される電波により励振可能に配置される。具体的には、アンテナ1または2から放射された電波がループアンテナの開口部を通過するように配置される。
なお、無給電ループアンテナは、例えば、所定の印刷手段によって無給電ループアンテナを形成してもよいし、貯蔵棚やケースを形成するための樹脂やガラスに埋設して無給電ループアンテナを形成してもよい。
また、給電ループアンテナは、例えば、冷蔵庫筐体天部74、筐体底部75、筐体側部77、または分離壁72の断熱材に埋め込むようにして配設されてもよい。
さらに、冷蔵庫100の筐体天部74などにループアンテナが配置される場合、ループアンテナと外筐体の鉄板との間に、強磁性体を挿入することで、鉄板の影響を抑制し、磁界強度が低減することを防止可能である。この強磁性体とは、例えば、磁気セラミックス材料の一種であるフェライト材料で形成されたシートである。
例えば鉄板などの金属筐体に磁界が発生すると、金属表面を通る磁束は、金属表面に渦電流を誘導し、この渦電流は、レンツの法則に基づき、リーダが発生する磁界と逆向きに発生する。この場合、金属表面で磁界が弱められ、通信効率が低下してしまうことがあるが、強磁性体を挿入することで、効率よくループアンテナ間での通信が可能となる。
また、強磁性体を挿入せずに、外筐体を金属筐体ではなく樹脂筐体としても、渦電流の発生を抑制し、これにより磁界強度の低減を防止でき、効率よくループアンテナ間での通信が可能となる。
次に、冷蔵庫100および冷蔵庫に収納される貯蔵物に付加されるICタグ200で構成される冷蔵庫システムの機能ブロックについて説明する。なお、ここでは、通信の一例として、食品等の貯蔵物に付加されたRFID(Radio Frequency IDentification)タグ200および冷蔵庫100に備えられたRFIDリーダを用いた通信を想定している。つまり、本実施形態の冷蔵庫システムは、例えば13.56MHzを用いた電磁誘導方式により通信を行うRFIDシステムであり、そのRFIDシステムはリーダライタのループアンテナとタグのループアンテナが磁界結合することによって通信を行っていることを想定している。RFIDタグはICタグの一例であり、RFIDリーダはICタグリーダライタの一例である。
図10は上記冷蔵庫システムの一例を示すブロック図である。冷蔵庫100は、通信部110、電源部120、メモリ130、ディスプレイ140、制御部150を有して構成される。また、ICタグ200は、通信部210、メモリ220、制御部230を有して構成される。
通信部110は、給電ループアンテナ1を備え、電波の放射や受電を行う。通信部110は、電波に様々な情報を含ませ、給電ループアンテナ1を介して各種信号を送受信する。給電ループアンテナ1は1つであっても複数であってもよい。また、通信部110は、RFIDリーダ112としての機能を有する。例えば、受電した電波から所定の情報を読み取る。必要に応じて、制御部150の指示により、この所定の情報はメモリ130やディスプレイ140へ送られる。
なお、給電ループアンテナ1から放射された電波により冷蔵庫100の無給電ループアンテナ2が励振する。また、無給電ループアンテナ2は他の無給電ループアンテナ2からの電波によっても励振する。したがって、無給電ループアンテナ2を励振可能に連続して配置することで、通信距離を延ばすことが可能となる。このように、無給電ループアンテナ2は通信機能を有する。
電源部120は、所定の電源回路で構成される。この電源部120は、給電ループアンテナ1へ給電するための給電部に接続される。
メモリ130は、各種情報を記憶する。
ディスプレイ140は、各種情報を表示する。
制御部150は、他の構成要素を制御する。
通信部210は、無給電ループアンテナ2を備え、電波の放射や受電を行う。また、無給電ループアンテナ2は、電波を受電することで励振するため、給電部に接続されてはいないがアンテナとして機能することが可能である。通信部210は、電波に様々な情報を含ませ、無給電ループアンテナ2を介して各種信号を送受信する。必要に応じて、制御部230の指示により、この所定の情報はメモリ220へ送られる。
メモリ220は、各種情報を記憶可能であり、不揮発メモリ(EEPROM、FRAM(登録商標)等)で構成されている。メモリ220は、食品等の貯蔵物に関する情報を記憶しており、例えば食品情報(貯蔵物の名前、種類、冷蔵庫100への入庫日、期限など)や当該食品を用いたメニュー提案情報などがある。また、これ以外の情報を記憶してもよい。
制御部230は、他の構成要素を制御する。
次に、冷蔵庫100が貯蔵物に付加されたICタグ200から情報を取得する場合の動作の一例について説明する。まず、操作入力等により情報取得要求を行われた場合に、給電ループアンテナへ給電を行う。これにより、給電ループアンテナは情報取得要求を含む電波を放射する。冷蔵庫の無給電ループアンテナは、放射された電波により励振する。つまり、相互インダクタンスにより誘起電圧が発生し、電流が流れ、電波を再放射する。そして、冷蔵庫の給電ループアンテナまたは無給電ループアンテナから放射された電波により、貯蔵物に付加されたICタグの無給電ループアンテナが励振する。この電波には、情報取得要求が含まれている。ICタグは、情報取得要求に基づいてメモリから必要情報を読み出し、冷蔵庫へ応答すべく無給電ループアンテナから電波を再放射する。そして、冷蔵庫の給電ループアンテナがICタグからの情報を含む電波を受電する。さらに、必要に応じて、ICタグからの情報を冷蔵庫のメモリに記憶する。
このように、冷蔵庫100からの情報取得要求に対するICタグからの情報を取得することが可能である。ICタグからの情報には、食品情報(貯蔵物の名前、種類、冷蔵庫100への入庫日、期限など)や当該食品を用いたメニュー提案情報を含むことが可能である。
このような本実施形態の冷蔵庫100によれば、小電力で、確実に所望の貯蔵物等との間で通信可能である。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、冷蔵庫100に食品等の貯蔵物を収容し、この貯蔵物にICタグ200を付加することで、冷蔵庫100とICタグ200との通信を行うことを説明したが、第2の実施形態では、温度センサ等のセンサ付きICタグ300を貯蔵棚やケース等に配置し、冷蔵庫100とセンサ付きICタグ300との通信を行う場合について説明する。ここでは、主に、第1の実施形態と第2の実施形態の差異について説明する。なお、本実施形態における冷蔵庫の構成やアンテナの配置については、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
次に、センサ付きICタグ300の構成の一例について説明する。
図11に示す本実施形態のセンサ付きICタグ300は、通信部210、メモリ320、制御部230、温度検知部340を有して構成される。なお、通信部210、制御部230については先に説明したので説明を省略する。
メモリ320は、各種情報を記憶可能であり、不揮発メモリ(EEPROM、FRAM(登録商標)等)で構成されている。メモリ320は、センサにより取得された情報を記憶可能であり、例えば温度情報や湿度情報などがある。また、これ以外の情報を記憶してもよい。なお、センサにより取得された情報を、記憶するか否かをアプリケーションによって決定してもよい。
温度検知部340は、温度センサの一例であり、周囲温度を検知するものであり、半導体の温度特性で変化する抵抗値を読み取るデバイスであるサーミスタを想定している。ここでは、例えば、サーミスタをセンサ付きICタグ300内の半導体素子であるトランジスタに接続し、トランジスタの温度特性を利用する。温度検知部310の検知結果は電圧レベルで示される。
次に、冷蔵庫100がセンサ付きICタグ300から情報を取得する場合の動作の一例について説明する。基本的には、第1の実施形態で説明した貯蔵物に付加されたICタグ200から情報を取得する場合の動作と同様であるが、情報取得要求に対するセンサ付きICタグ300からの情報が異なっている。このセンサ付きICタグ300からの情報には、温度情報(ICタグ内の温度検出部が出力する電圧情報など)が含まれる。また、センサつきICタグ300から情報を送信する際には、メモリ320に記憶された温度情報を送信する、または、温度検知部340が検知した温度情報を記憶せずにそのまま送信する、のいずれであってもよい。
なお、ここでは主に温度センサ付きのICタグ300について説明したが、他のセンサであってもよい。例えば、湿度センサ、赤外線センサやLED、スイッチなどであってもよい。
これにより、冷蔵庫100が様々なセンサの情報を取得し、冷蔵庫内の食品等の管理を容易に行うことが可能となる。
(第3の実施形態)
第1の実施形態では、冷蔵庫100に食品等の貯蔵物を収容し、この貯蔵物にICタグ200を付加すること、第2の実施形態では、温度センサ等のセンサ付きICタグ300を貯蔵棚やケース等に配置することについて説明したが、第3の実施形態では、第2の実施形態におけるセンサ付きICタグを食品に付加するICタグに適用することを想定している。ここでは、主に、第1の実施形態および第2の実施形態と第3の実施形態の差異について説明する。なお、本実施形態における冷蔵庫の構成やアンテナの配置や情報取得時の動作については、第1の実施形態または第2の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
次に、センサ付きICタグ400の構成の一例について説明する。
図12に示す本実施形態のセンサ付きICタグ400は、通信部210、メモリ420、制御部230、温度検知部340を有して構成される。なお、通信部210、制御部230、温度検知部340については先に説明したので説明を省略する。なお、温度検知部340では、食品の温度を検知する。
メモリ420は、各種情報を記憶可能であり、不揮発メモリ(EEPROM、FRAM(登録商標)等)で構成されている。メモリ420は、食品等の貯蔵物に関する情報を記憶しており、例えば食品情報(貯蔵物の名前、種類、冷蔵庫100への入庫日、期限など)や当該食品を用いたメニュー提案情報などがある。また、これ以外の情報を記憶してもよい。また、メモリ420は、センサにより取得された情報を記憶可能であり、例えば温度情報や湿度情報などがある。また、これ以外の情報を記憶してもよい。
なお、センサにより取得された情報を、メモリ420に記憶するか否かをアプリケーションによって決定してもよい。例えば、食品の温度検知と商品管理を同時に行うアプリケーションの場合、最新数回分程度の温度情報をメモリ420に記憶しておく。これにより、食品の温度履歴を管理可能となる。
このようなセンサ付きICタグ400から冷蔵庫100が情報取得することで、例えば、冷蔵保存が必要な食品が、一度でも常温(貯蔵室内で通常保たれている冷却温度に対して一定幅以上高温である温度)となった温度履歴が残っている場合に、食品の消費期限を算出して冷蔵庫の表示部に表示させることが可能となる。