図2は、本発明を適用した放送システムの構成例を示す図である。
この放送システムは、基本的には、放送局1(放送局1に設置される送信装置11(図7))、携帯受信機2、受信機3から構成される。
放送局1は、例えば、テレビジョン放送サービス、データ放送サービスなどの地上波ディジタル放送の各種のサービスを提供する。放送局1により提供されるサービスには、例えば、家庭に設置された受信機向けのサービスだけでなく、携帯機向けのサービスも含まれる。
これらのサービスは、放送局1から送信されるストリームに多重化されるPSI(Program Specific Information)に記述されるサービスタイプにより識別される。
携帯受信機2は、いわゆる「1セグメント放送」に対応した、地上波ディジタル放送のチューナ内蔵の受信機(携帯機)である。「1セグメント放送」は、従来のアナログ放送1チャネルにあたる6MHzの帯域を、13の「セグメント」に分割したうちの1セグメントを用いて行われる、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistants)などの携帯向けの放送である。
従って、ユーザは、携帯受信機2を用いることによって、外出先から放送局1より提供される携帯機向けのサービスを利用し、テレビジョン番組を視聴したりすることができる。また、携帯受信機2のユーザは、携帯受信機2に内蔵されるメモリにテレビジョン番組などのコンテンツを記録(コピー)させておき、リアルタイムではなくタイムシフトさせた形で、コンテンツを携帯受信機2に出力させて、或いは、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394を介して携帯受信機2と接続される外部の機器にディジタル出力させて視聴したりすることもできる。
コンテンツの記録や出力は、後に詳述するように、PSIのPMT(Program Map Table)に挿入されるディジタルコピー制御記述子(digital_copy_control_descriptor)の記述に従って行われる。
ディジタルコピー制御記述子の従来の運用では、受信機と外部機器のディジタル接続にDTCPの著作権保護技術を採用する事を前提に出力を許可しつつコピーを制限している。また、放送局1からの放送もスクランブル放送によりセキュリティを守る必要があることからB-CASカードが受信機に挿入されていなければ放送受信を実現することができない。一方、携帯受信機2においては、B-CASカードが挿入されていなくても、放送受信を実現することができるようになされている。
受信機3は、住宅Hに設置される地上波ディジタル放送の受信機である。受信機3には、テレビジョン受像機4および固定のアンテナ5が接続されており、ユーザは、放送局1から提供されるサービスを受信機3を用いて利用することができる。受信機3にはB-CASカードが挿入されており、同時にARIB(Association of Radio Industries and Businesses)(例えば、「ARIB TR-B10」)に規定されるディジタルコピー制御記述子の記述に従って、コンテンツの記録、出力を行うことができるようになされている。
ここで、ディジタルコピー制御記述子について説明する。
図3は、図2の放送システムで用いられるディジタルコピー制御記述子のデータ構造の例を示す図である。
従来のディジタルコピー制御記述子では、それに含まれる2ビットの「copy_control_type」として01b,11bが定義されているが、図3のディジタルコピー制御記述子では、10bもさらに定義されている点が従来のものと相違する。10bの「copy_control_type」は、携帯放送サービスにおけるコンテンツの記録、出力を制限するために特に用いられる。
図3のデータ構造のうちの上から2行目に示す8ビットの「descriptor_tag」は、ディジタルコピー制御記述子であることを識別するために用いられる。3行目に示す8ビットの「descriptor_length」は、ディジタルコピー制御記述子の記述子長を表す。
4行目に示す2ビットの「digital_recording_control_data」は、受信機、またはそれに接続された外部の機器によるコンテンツの著作権情報を表し、コンテンツのコピーを制御する情報である。「digital_recording_control_data」のそれぞれの値の意味を図4に示す。
図4に示すように、「digital_recording_control_data」が00bである場合、それは、「制約条件なしにコピー可」を表し、10bである場合、「1世代のみコピー可」を表す。また、11bである場合、それは「コピー禁止」を表す。なお、01bは、利用者が任意に定義することができるようになされている。
図3の説明に戻り、5行目に示す1ビットの「maximum_bit_rate_flag」は、サービスの最大伝送レートを記述するか否かを表す。「maximum_bit_rate_flag」が0である場合、それは、最大伝送レートを記述しないことを表し、1である場合、最大伝送レートを記述することを表す。
6行目に示す1ビットの「component_control_flag」は、その値が0の場合、ディジタルコピー制御情報は番組全体について規定され、コンポーネント制御長以降のフィールドは存在しないことを表す。PMTに当該記述子が記載される場合は、このフラグは使用されない。
7行目に示す2ビットの「copy_control_type」は保護の仕組みを表す。「copy_control_type」のそれぞれの値の意味を図5に示す。
図5に示すように、「copy_control_type」が01bである場合、それは、「digital_recording_control_data」が「制約条件なしにコピー可」(00b)以外である場合、受信機のIEEE1394のディジタル出力にはDTLA(Digital Transmission Licensing Administrator)がライセンスするDTCP(Digital Transmission Content Protection)方式の暗号出力処理が要求されることを表す。
また、「copy_control_type」が11bである場合、それは、「digital_recording_control_data」が「制約条件なしにコピー可」以外であるときIEEE1394ディジタル出力が不可であることを表す。
さらに、「copy_control_type」が10bである場合(図3の8行目に示す「if(copy_control_type = 10)」を満たす場合)、それは、図3の9行目に示す2ビットの「security_type」を参照し、その設定に従ってコンテンツの記録、出力を行うことを表す。
この、「copy_control_type」の10bを用いた点、および「security_type」を規定した点が図1のディジタルコピー制御記述子と異なる。当然、「security_type」を参照させるための「copy_control_type」の値として、10bと同様、他のサービスでは用いられていない00bが用いられるようにしてもよい。
「security_type」のそれぞれの値の意味を図6に示す。なお、「security_type」は便宜上付した名称であり、「security_type」と同様にコンテンツの記録、出力の制限を表すことができるものであれば、その名称はどのようなものであってもよい。
図6に示すように、「security_type」が00bの場合、それは、「ディジタル記録およびディジタル出力にセキュリティが要求されない」ことを表し、01bの場合、それは、「ディジタル記録およびディジタル出力にセキュリティが要求される」ことを表す。ここで、セキュリティとは、上述した、DTCP方式の暗号出力処理等のことをいう。
また、「security_type」が10bの場合、それは、「内蔵セキュリティ記録のみ可能。ディジタル出力は不可」であることを表す。11bは「resesrved_future_use」であり、将来の拡張のために用いられる。
このように「security_type」を新たに規定し、「copy_control_type」を10b、「security_type」を00bと設定することにより、従来の規定では、「digital_recording_control_data」が00b以外である場合、スクランブル出力を行わなければディジタル出力を行うことができない、またコンテンツを記録する場合、セキュリティ記録が必要となることを回避してディジタル記録およびディジタル出力を行うことが可能になる。また、放送においては、スクランブルを施すことによるセキュリティの向上が行われる。
従って、例えば、ディジタル接続された外部の機器に携帯受信機2からコンテンツをディジタル出力することが可能となり、B-CASカードなしに放送受信を行うことが可能になる。
なお、「security_type」の10bは、受信機内蔵の記録媒体にコンテンツを記録させておき、後からコンテンツを利用可能とする、いわゆるサーバ型放送等に用いることができる。また、「security_type」が11bである場合(未定義)、「security_type」の01bと同じ様に、将来の拡張の為のリザーブビットの扱いとすることも可能である。
このように、内蔵記録媒体へのコンテンツの記録、外部機器へのディジタル出力のセキュリティをそれぞれ独立に制限することができるようにすることにより、受信機側でのコンテンツの扱い方の幅を広げることが可能になる。すなわち、放送局1は、多様なサービスを提供することが可能になる。
以上においては、ディジタルの信号の扱いについて説明したが、受信機からのアナログ出力については、従来の規定と同じ運用を課すこと(図1の「APS_control_data」の値に従うこと)、また、ディジタルコンテンツの扱いと同様、別の運用を課すことも可能である。
以上のようなディジタルコピー制御記述子を用いてコンテンツの記録または出力を制限する放送局1の送信装置11と、携帯受信機2の処理についてはフローチャートを参照して後述する。
図7は、送信装置11の構成例を示すブロック図である。
制御部21は、所定のプログラムに従って送信装置11の全体の動作を制御する。例えば、制御部21は、符号器22−1乃至22−nを制御してテレビジョン番組のビデオ信号、オーディオ信号の符号化処理、圧縮処理を行わせるとともに、パケットエンコーダ23−1乃至23−nを制御して、符号器22−1乃至22−nのそれぞれの出力のパケット化処理を行わせる。また、制御部21は、ディジタルコピー制御記述子を含むPMTなどのPSIを生成し、生成したPSI等の付加情報を多重化部24に出力する。
符号器22−1乃至22−nは、図示せぬ供給部から供給されてくるビデオ信号、オーディオ信号の符号化処理、および、例えば、MPEG-AVC/H.264(Moving Picture Experts Group-Advanced Video Coding/H.264)方式による圧縮処理を行い、得られたデータをパケットエンコーダ23−1乃至23−nにそれぞれ出力する。
パケットエンコーダ23−1乃至23−nは、それぞれ、符号器22−1乃至22−nから供給されてきたビデオデータ、オーディオデータに対してパケット化処理を施し、得られたパケットを多重化部24に出力する。
多重化部24は、パケットエンコーダ23−1乃至23−nから供給されてきたパケットと、制御部21から供給されてきた付加情報を多重化し、得られたストリームをディジタル変調回路25に出力する。多重化部24においては、必要に応じて、コンテンツのスクランブルも行われる。なお、制御部21から供給されてくる付加情報のPSIには、PMTの他、PAT(Program Association Table)、NIT(Network Information Table)、CAT(Conditional Access Table)も含まれる。
ディジタル変調回路25は、多重化部24から供給されてきたストリームに対してディジタル変調処理を施し、得られた放送信号をアンテナ26から送信する。
図8は、制御部21の機能構成例を示すブロック図である。図8の構成の少なくとも一部は、制御部21により所定のプログラムが実行されることで実現される。
制御部21は、ディジタルコピー制御情報設定部41、コピー制御タイプ設定部42、およびセキュリティタイプ設定部43から構成される。ディジタルコピー制御情報設定部41、コピー制御タイプ設定部42、およびセキュリティタイプ設定部43には、送信装置11の管理者などにより入力された制御情報が供給され、この制御情報に基づいてそれぞれの情報の設定が行われる。
ディジタルコピー制御情報設定部41は、制御情報に基づいてディジタルコピー制御記述子の「digital_recording_control_data」(図4)を設定する。
すなわち、ディジタルコピー制御情報設定部41には、図3に示す構造のディジタルコピー制御記述子が供給される。ディジタルコピー制御情報設定部41に供給されるディジタルコピー制御記述子は、「digital_recording_control_data」、「copy_control_type」、「security_type」の値がまだ設定されていないものである。
ディジタルコピー制御情報設定部41により「digital_recording_control_data」が設定されたディジタルコピー制御記述子はコピー制御タイプ設定部42に出力される。
コピー制御タイプ設定部42は、制御情報に基づいてディジタルコピー制御記述子の「copy_control_type」(図5)を設定する。コピー制御タイプ設定部42により「copy_control_type」が設定されたディジタルコピー制御記述子はセキュリティタイプ設定部43に出力される。
セキュリティタイプ設定部43は、制御情報に基づいてディジタルコピー制御記述子の「security_type」(図6)を設定する。セキュリティタイプ設定部43により「security_type」が設定されたディジタルコピー制御記述子は他のPSIとともに多重化部24に出力される。
図9は、図2の携帯受信機2の構成例を示すブロック図である。
CPU(Central Processing Unit)51は、図示せぬROM(Read Only Memory)、またはメモリ53に記憶されている所定のプログラムを実行し、バス52を介して携帯受信機2の全体の動作を制御する。例えば、CPU51は、B/E(Back End)部56からバス52を介して供給されてくるPSIの解析を行い、選局しているチャネルのサービスタイプの判定、ディジタルコピー制御記述子の解析等を行う。
フラッシュメモリなどよりなるメモリ53には、B/E部56から供給されてくるコンテンツが記録され、記録されたコンテンツは、B/E部56により必要に応じて読み出される。メモリ53に対するコンテンツの記録は、ディジタルコピー制御記述子の記述に従って行われる。
F/E(Front/End)部55は、CPU51による制御に従って、アンテナ54で受信された放送信号の選局、変調されている信号を復調する処理、誤り訂正等の処理を行い、得られたストリームをB/E部56に出力する。
B/E部56は、CPU51による制御に従って、F/E部55から供給されてくるストリームからパケットを分離する処理、復号処理等を行う。B/E部56により取得されたビデオデータは例えばLCD(Liquid Crystal Display)57に出力され、コンテンツの画像が表示される。これにより、ユーザは番組を視聴することができる。なお、B/E部56により取得されたオーディオデータは、アナログ信号に変換された後、図示せぬスピーカやイヤホン端子から出力される。B/E部56により取得されたデータは、必要に応じて出力部58にも出力される。
また、B/E部56は、F/E部55から供給されてくるストリームに含まれるPSIなどの付加情報をバス52を介してCPU51に出力する。
出力部58は、例えば、IEEE1394などのディジタル出力端子であり、IEEE1394ケーブルを介して接続される外部の機器に、B/E部56から供給されてきたコンテンツ(ビデオデータ、オーディオデータ)をディジタル出力する。出力部58から外部の機器に対するディジタル出力も、ディジタルコピー制御記述子の記述に従って行われる。
図10は、図9の携帯受信機2の機能構成例を示すブロック図である。図10の構成の少なくとも一部は、CPU51により所定のプログラムが実行されることにより実現される。
サービスタイプ判定部71は、B/E部56から供給されてきたPSIに含まれるNITを参照し、F/E部55により選局されているチャネルにより提供されるサービスの判定を行う。NITのサービスリストディスクリプタには、テレビジョン放送サービス、音楽放送サービス、データ放送サービスなどの、それぞれのサービスを識別するサービスタイプが記述されている。サービスタイプ判定部71による判定結果はディジタルコピー制御記述子解析部72に出力される。
ディジタルコピー制御記述子解析部72は、B/E部56から供給されてきたPMTに含まれるディジタルコピー制御記述子を、サービスタイプ判定部71によるサービスの判定結果を参照して解析する。
例えば、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、選局されているサービスが携帯放送サービスであることがサービスタイプ判定部71により判定された場合、「digital_recording_control_data」、「copy_control_type」の他、「security_type」の解析も行う。ディジタルコピー制御記述子解析部72によるディジタルコピー制御記述子の解析結果は記録/出力制御部73に出力される。
記録/出力制御部73は、ディジタルコピー制御記述子解析部72による解析結果に従って、B/E部56によるコンテンツの記録、出力を制御する。
次に、以上のような構成を有する送信装置11、携帯受信機2の動作について説明する。
始めに、図11のフローチャートを参照して、送信装置11の送信処理について説明する。
制御部21のディジタルコピー制御情報設定部41(図8)は、送信装置11の管理者などにより入力された制御情報に基づいて、ディジタルコピー制御記述子の「digital_recording_control_data」を設定する。
すなわち、ディジタルコピー制御情報設定部41は、送信するコンテンツを「制約条件なしにコピー可」とする場合、「digital_recording_control_data」に00bを設定し、「1世代のみコピー可」とする場合、10bを設定する。また、ディジタルコピー制御情報設定部41は、「コピー禁止」とする場合、「digital_recording_control_data」に11bを設定する。
ディジタルコピー制御情報設定部41により「digital_recording_control_data」が設定されたディジタルコピー制御記述子はコピー制御タイプ設定部42に出力される。
ステップS2において、コピー制御タイプ設定部42は、制御情報に基づいて、ディジタルコピー制御記述子の「copy_control_type」を設定する。
例えば、コピー制御タイプ設定部42は、ディジタルコピー制御情報設定部41により設定された「digital_recording_control_data」が「制約条件なしにコピー可」(00b)以外である場合において、受信機のディジタル出力に暗号出力処理を要求する場合、「copy_control_type」に01bを設定する。
また、コピー制御タイプ設定部42は、携帯放送サービスのコンテンツを送信する場合、適宜、「copy_control_type」に10bを設定する。これにより、携帯受信機2においては、「security_type」に従ってコンテンツのディジタル記録およびディジタル出力が制限される。
コピー制御タイプ設定部42により「copy_control_type」が設定されたディジタルコピー制御記述子はセキュリティタイプ設定部43に出力される。
ステップS3において、セキュリティタイプ設定部43は、制御情報に基づいて、ディジタルコピー制御記述子の「security_type」を設定する。
すなわち、セキュリティタイプ設定部43は、送信するコンテンツが、ディジタル記録、ディジタル出力の際にセキュリティを要求しないものである場合、「security_type」に00bを設定し、要求する場合、01bを設定する。また、セキュリティタイプ設定部43は、「内蔵セキュリティ記録のみ可能。ディジタル出力は不可」としてコンテンツが扱われるようにする場合、「security_type」に10bを設定する。
セキュリティタイプ設定部43により「security_type」が設定されたディジタルコピー制御記述子は他のPSIとともに多重化部24に出力される。
多重化部24には、制御部21からのPSIの他、符号器22−1乃至22−nにより符号化処理、圧縮処理が施され、パケットエンコーダ23−1乃至23−nによりパケット化処理が施されることにより得られたパケットも供給されている。
多重化部24は、ステップS4において、それらのパケットと、制御部21(セキュリティタイプ設定部43)から供給されてきたPSIを多重化する。多重化部24により多重化されることで得られたストリームはディジタル変調回路25に出力される。
ステップS5において、ディジタル変調回路25は、多重化部24から供給されてきたストリームに対してディジタル変調処理等を施し、得られた放送信号をアンテナ26から送信する。
次に、図12のフローチャートを参照して、携帯受信機2の受信処理について説明する。
ステップS11において、F/E部55は、例えばユーザ操作に従って選局を行い、復調、誤り訂正等の処理を行うことで得られたストリームをB/E部56に出力する。B/E部56においてはパケットの分離が行われ、PSI等の情報が、バス52を介してCPU51(サービスタイプ判定部71、ディジタルコピー制御記述子解析部72(図10))に出力される。
ステップS12において、サービスタイプ判定部71は、B/E部56から供給されてきたPSIに含まれるNITのサービスタイプを参照し、F/E部55により選局されているチャネルで提供されるサービスが携帯放送サービスであるか否かを判定する。
ステップS12において、提供されるサービスが携帯放送サービスではないと判定した場合、サービスタイプ判定部71は、その判定結果をディジタルコピー制御記述子解析部72に出力する。このとき、処理はステップS13に進む。
ステップS13において、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、通常の記録/出力制御処理を行う。
一方、ステップS12において、選局されているチャネルで提供されるサービスが携帯放送サービスであると判定した場合、サービスタイプ判定部71は、その判定結果をディジタルコピー制御記述子解析部72に出力する。
ステップS14において、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、B/E部56から供給されてきたPSIを解析し、PMTにディジタルコピー制御記述子があるか否かを判定する。
ディジタルコピー制御記述子解析部72は、ステップS14において、PMTにディジタルコピー制御記述子がないと判定した場合、ステップS15に進み、受信されたコンテンツがコピーフリーのコンテンツであるとして、コンテンツの記録、出力等の所定の処理を記録/出力制御部73に行わせる。すなわち、記録/出力制御部73によりB/E部56が制御され、メモリ53に対するコンテンツの記録、出力部58からのコンテンツのディジタル出力が行われる。
ディジタルコピー制御記述子解析部72は、ステップS14において、PMTにディジタルコピー制御記述子があると判定した場合、そのディジタルコピー制御記述子の「copy_control_type」の解析を行う。
ステップS16において、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、「copy_control_type」が01bまたは11bであると判定した場合、その判定結果を記録/出力制御部73に出力する。このとき、処理はステップS13に進む。
ステップS13において、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、通常の記録/出力制御処理を行う。すなわち、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、「copy_control_type」が01bである場合、「digital_recording_control_data」が「制約条件なしにコピー可」(00b)以外であるときには、ディジタル出力の際に記録/出力制御部73にIEEE1394ディジタル出力に暗号出力処理を行わせる。また、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、「copy_control_type」が11bである場合、「digital_recording_control_data」が「制約条件なしにコピー可」以外であるときは記録/出力制御部73にIEEE1394ディジタル出力を禁止させる。
一方、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、ステップS16において、「copy_control_type」が10bであると判定した場合、ステップS17に進み、「digital_recording_control_data」が00b(「制約条件なしにコピー可」)であるか否かを判定する。
ステップS17において、「digital_recording_control_data」が00bであると判定した場合、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、ステップS15に進み、受信されたコンテンツがコピーフリーのコンテンツであるとして記録/出力制御部73に所定の処理を行わせる。
ディジタルコピー制御記述子解析部72は、ステップS17において、「digital_recording_control_data」が00bではないと判定した場合、ステップS18に進み、「security_type」の判定を行う。
ステップS18において、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、「security_type」が10bであると判定した場合、その判定結果を記録/出力制御部73に出力する。このとき、処理はステップS19に進む。
記録/出力制御部73は、ステップS19において、「内蔵セキュリティ記録のみ可能。ディジタル出力は不可」として、受信されたコンテンツを扱う。これにより、例えば、B/E部56により取得されたコンテンツがメモリ53に供給され、記録される。本説明において、メモリ53に記録することを前提にしているが、機器内蔵HDD記録機器、機器内蔵のメモリスティック(商標)等のセキュリティ記録が可能なリムーバブル記録媒体にも記録可能とする。
一方、ステップS18において、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、「security_type」が01bであると判定した場合、その判定結果を記録/出力制御部73に出力する。このとき、処理はステップS20に進む。
記録/出力制御部73は、ステップS20において、「ディジタル記録およびディジタル出力にセキュリティが要求される」として、受信されたコンテンツを扱う。これにより、例えば、出力部58を介して接続される外部の機器にコンテンツを出力する場合、その機器との間で、暗号出力処理などが行われることになる。
ステップS18において、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、「security_type」が00bであると判定した場合、その判定結果を記録/出力制御部73に出力する。このとき、処理はステップS21に進む。
記録/出力制御部73は、ステップS21において、「ディジタル記録およびディジタル出力にセキュリティが要求されない」として、受信されたコンテンツを扱う。これにより、例えば、出力部58を介して接続される外部の機器にコンテンツを出力する場合、暗号出力処理などが行われることなく、コンテンツが外部の機器に出力される。
以上のように、「copy_control_type」の10bを新たに用い、「security_type」を携帯受信機2に参照させることにより、各種の形態のサービスに対応させることを可能としつつ、かつ、適切な著作権の管理を図ることができる。
以上においては、「copy_control_type」の10bを新たに用いることにより上述したような機能を実現し、新たなサービスに対応させる場合について説明したが、従来の「digital_copy_control_descriptor」を変更することなく、新しいサービスに対してのみ有効とされる規定を追加することによって、それを実現することも可能である。
例えば、「copy_control_type」が01bのとき、それを解析した機器が、「security_type」の01bが意味する「ディジタル記録およびディジタル出力にセキュリティが要求される」と等価なものとしてコンテンツを扱うようにし、また、「copy_control_type」が11bのとき、「security_type」の00bが意味する「ディジタル記録およびディジタル出力にセキュリティが要求されない」と等価なものとしてコンテンツを扱うようにすることにより、従来の「digital_copy_control_descriptor」を変更することなく、新たなサービスに柔軟に対応させることができる。
このような、従来の「digital_copy_control_descriptor」を変更することなく、機能を追加する場合の携帯受信機2の受信処理について、図13のフローチャートを参照して説明する。
ステップS31乃至S34の処理は、図12のステップS11乃至S14の処理と同様である。すなわち、ステップS31においてF/E部55により選局が行われ、ステップS32において、受信されているチャネルで提供されるサービスが携帯放送サービスであることがサービスタイプ判定部71により判定された場合、処理はステップS34に進む。
ステップS34において、ディジタルコピー制御記述子解析部72によりPMTにディジタルコピー制御記述子があると判定された場合、処理はステップS36に進む。
ステップS36において、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、ディジタルコピー制御記述子の「copy_control_type」を解析し、「copy_control_type」が01bであると判定した場合、ステップS37に進み、「ディジタル記録およびディジタル出力にセキュリティが要求される」として、受信されたコンテンツを扱う。
すなわち、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、「copy_control_type」の01bを、「security_type」の01bとして読み替えを行っている。
また、ステップS36において、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、ディジタルコピー制御記述子の「copy_control_type」が11bであると判定した場合、ステップS38に進み、「ディジタル記録およびディジタル出力にセキュリティが要求されない」として、受信されたコンテンツを扱う。
すなわち、ディジタルコピー制御記述子解析部72は、「copy_control_type」の11bを、「security_type」の00bとして読み替えを行っている。
このような読み替えを行うことによっても、従来の「digital_copy_control_descriptor」のまま、新たなサービスに柔軟に対応させることもできる。従来の「digital_copy_control_descriptor」を解析することが可能な受信機に対して読み替えの方法を指定するプログラムがインストールされることで、以上のような読み替えが可能とされるようにしてもよい。
以上においては、携帯放送サービスの機能を追加する場合について説明したが、同様に、「copy_control_type」の10bと「security_type」を用いて、住宅Hに設置される受信機3の機能を追加し、新たなサービスに対応させるようにしてもよい。
また、以上においては、「security_type」の意味を図6に示すものとしたが、当然、サービスに応じて、他の様々な意味を持たせることも可能である。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。この場合、そのソフトウェアを実行させる装置は、例えば、図14に示されるようなパーソナルコンピュータにより構成される。
図14において、CPU71は、ROM72に記憶されているプログラム、または、記憶部78からRAM(Random Access Memory)73にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM73にはまた、CPU71が各種の処理を実行する上において必要なデータなどが適宜記憶される。
CPU71、ROM72、およびRAM73は、バス74を介して相互に接続されている。このバス74にはまた、入出力インタフェース75も接続されている。
入出力インタフェース75には、キーボード、マウスなどよりなる入力部76、LCDなどよりなる出力部77、ハードディスクなどより構成される記憶部78、ネットワークを介しての通信処理を行う通信部79が接続されている。
入出力インタフェース75にはまた、必要に応じてドライブ80が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア81が適宜装着され、それから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部78にインストールされる。
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで各種の機能を実行することが可能な、例えば、汎用のパーソナルコンピュータなどにネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、図14に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(登録商標)(Mini-Disk)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア81により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM72や、記憶部78に含まれるハードディスクなどで構成される。なお、コンピュータでディジタル放送受信機能を実現する場合は、上記に加え運用規定で定義される実装基準に準拠し、放送コンテンツ及びセキュリティ情報が容易に外に取り出せないよう、十分留意する必要がある。
なお、本明細書において、各ステップは、記載された順序に従って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。