手段1.通常遊技状態と、遊技者に有利な特別遊技状態と、前記通常遊技状態よりも遊技者に有効で、かつ、特別遊技状態ほど遊技者に有利でない付加遊技状態とを発生しうる遊技機であって、前記通常遊技状態と付加遊技状態との間の相互切換が前記特別遊技状態の発生を必要条件とすることなく行われるようにするとともに、前記各遊技状態に応じて互いに異なる態様で遊技者に報知が行われるよう構成したことを特徴とする遊技機。
上記手段によれば、通常遊技状態と、遊技者に有利な特別遊技状態と、前記通常遊技状態よりも遊技者に有効で、かつ、特別遊技状態ほど遊技者に有利でない付加遊技状態とが発生させられ、遊技者は、各状態下において遊技を行う。さて、本手段では、通常遊技状態と付加遊技状態との間の相互切換が特別遊技状態の発生を必要条件とすることなく行われる。このため、通常遊技状態の発生中において、特別遊技状態の前兆がない場合であっても、遊技者は付加遊技状態の発生を期待することが可能となる。また、各遊技状態に応じて互いに異なる態様で遊技者に報知が行われるため、遊技者は、報知態様が変化することに伴い、遊技状態が切換えられたことを把握しうる。従って、報知態様の変化に応じて、遊技者は一喜一憂しうる。
手段2.手段1において、前記付加遊技状態は、前記特別遊技状態の発生確率が通常遊技状態よりも高いモードを含んでいることを特徴とする遊技機。上記手段によれば、付加遊技状態が発生すると、特別遊技状態の発生確率が通常遊技状態よりも高くなるため、遊技者は、特別遊技状態の発生を期待してわくわくしながら遊技を行いうる。
手段3.手段1又は2において、図柄及び背景の少なくとも一方を可変表示しうる表示装置を備えたことを特徴とする遊技機。
手段4.手段3において、前記特別遊技状態は、前記表示装置における図柄が特定の停止態様となることを必要条件に発生させられるものであることを特徴とする遊技機。
手段5.手段3又は4において、前記報知は、図柄及び背景の少なくとも一方において行われることを特徴とする遊技機。上記手段によれば、図柄及び背景の少なくとも一方の報知態様に基づいて、遊技状態が切換えられたことを把握しうる。
手段6.手段5において、前記報知は、背景に表示される少なくとも1つの表示対象に基づいて行われることを特徴とする遊技機。
手段7.手段5又は6において、前記背景は少なくとも遊技者が遊技を継続している限り周期的にかつ連続的に表示されるものであることを特徴とする遊技機。
手段8.手段3〜7において、前記態様は、図柄及び背景の少なくとも一方の着色態様を含んでいることを特徴とする遊技機。上記手段によれば、態様の切換があった場合でも、同じようなデータを用いた上で着色を異ならせることによって、各遊技状態に応じた報知が行われうる。
手段9.手段1〜8において、前記報知は、同じ遊技状態であっても互いに異なる態様で行われうるよう構成したことを特徴とする遊技機。上記手段によれば、報知態様が変化したからといって、必ずしも遊技状態が切換えられたことにはならないため、遊技者にとってそのときどきの遊技状態が不明となる場合が生じうる。そのため、遊技内容に厚みが増す。
手段10.手段1〜9において、少なくとも特別遊技状態が発生することなく付加遊技状態が発生した場合の当該付加遊技状態の発生期間は、前記通常遊技状態の発生期間に比べて短いことを特徴とする遊技機。上記手段によれば、付加遊技状態に稀少価値が生じる。
手段11.手段1〜10において、前記付加遊技状態は複数種備えられており、各付加遊技状態間の相互切換も前記特別遊技状態の発生を必要条件とすることなく行われるように構成したことを特徴とする遊技機。上記手段によれば、それぞれ内容の異なった付加遊技状態を堪能しうる。
手段12.手段1〜11において、所定の契機に基づき、前記付加遊技状態の発生を遅延させるよう構成したことを特徴とする遊技機。上記手段によれば、所定の契機が発生した場合、付加遊技状態の発生が遅延させられるため、さらに付加遊技状態に稀少価値が生じる。
手段13.手段12において、前記所定の契機は、遊技者が所定時間以上遊技を行っていないことを含むことを特徴とする遊技機。上記手段によれば、遊技者が所定時間以上遊技を行っていないと前記付加遊技状態の発生が遅延させられてしまうため、前記付加遊技状態が発生するまで、遊技者が遊技を停止するという事態が回避される。
手段14.手段1〜13において、前記報知は、少なくとも一時的に遊技者が現在の遊技状態を特定不能又は困難な程度に行われるよう構成したことを特徴とする遊技機。上記手段によれば、遊技者にとってそのときどきの遊技状態が不明となる場合が生じ、面白味が増す。
手段15.手段1〜14において、前記付加遊技状態の発生期間及び発生頻度の少なくとも一方を、そのときどきに応じて可変としたことを特徴とする遊技機。上記手段によれば、さらに遊技内容に厚みが増す。
以下に、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を具体化した一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
なお、周知のように、パチンコ機1は、外枠と、該外枠の前部に設けられ外枠の一側部にて開閉可能に設けられた前面枠とを備えている。また、その前面枠の前面側にはガラス扉枠が開閉自在に設けられている。前面枠の後側(ガラス扉枠の奥、外枠の内側)には、遊技盤2が着脱可能に装着されている。この遊技盤2は内レール、外レール等を備え、これらのレールは、遊技球発射装置によって発射された遊技球5を、遊技盤2の上部に案内する。また、ガラス扉枠の下側において、前面枠には前飾枠が開閉可能に設けられ、前飾枠には、上受皿が設けられている。一方、前面枠の下部には、前記上受皿よりも下方位置にて下受皿が設けられているとともに、遊技球発射装置を構成するハンドルが設けられている。
図1に示すように、パチンコ機1の遊技盤2には、作動口3及び大入賞口4が設けられている。作動口3は、遊技球5の通路を備えており、その通路入口には羽根6が開閉可能に支持されている。大入賞口4の奥の右側にはVゾーンが、左側には入賞通路が設けられている(図示略。また、左右逆でもよい)。そして、大入賞口4に入賞した遊技球5は、Vゾーン又は入賞通路のいずれか一方を通って図示しない入賞球処理装置の方へと導かれる。また、大入賞口4の前には、シャッタ11が設けられている。このシャッタ11は、大入賞口4の側部に設けられた大入賞口用ソレノイド12により作動させられ、大入賞口4を開閉する。詳しくは、当該ソレノイド12が励磁状態となることにより、シャッタ11が略水平に傾き、これにより大入賞口4が開かれる。また、ソレノイド12が非励磁状態となることにより、シャッタ11が略垂直状態となり、これにより大入賞口4は閉鎖される。
遊技盤2の中央部分には、特別図柄表示装置(以下、単に「表示装置」という)13が組込まれている。表示装置13は、液晶ディスプレイ(LCD)よりなる表示部13aを備えており、ここに複数の図柄列が表示される。図2に示すように、本実施の形態では、これらの図柄列として上図柄列14、中図柄列15及び下図柄列16の3つの図柄列が表示されるが、それ以外の数の図柄列が表示されてもよい。なお、前記表示部13aには、背景が適宜表示されるようになっている。
各図柄列14〜16は、基本的には、図2,3に示すように、複数種類で複数個の図柄17A〜17Hと、1種類で複数個の図柄17Kとによって構成されている。各図柄17A〜17Hは、各種「犬」のキャラクタDG1〜DG8と、「1」〜「8」の数字図柄N1〜N8との組合せによって構成されている。「1」〜「8」の数字図柄N1〜N8は、上図柄列14については降順に、中、下図柄列15,16については昇順にそれぞれ配列されている。より詳しくは、図柄17Aは「1」の数字図柄N1及び「ドーベルマン」のキャラクタDG1の組み合わせによって構成されている。また、図柄17Bは「2」の数字図柄N2及び「ダックスフンド」のキャラクタDG2、図柄17Cは「3」の数字図柄N3及び「プードル」のキャラクタDG3、図柄17Dは「4」の数字図柄N4及び「オールドシープドッグ」のキャラクタDG4、図柄17Eは「5」の数字図柄N5及び「土佐犬」のキャラクタDG5、図柄17Fは「6」の数字図柄N6及び「テリア」のキャラクタDG6、図柄17Gは「7」の数字図柄N7及び「ブルドッグ」のキャラクタDG7、図柄17Hは「8」の数字図柄N8及び「セントバーナード」のキャラクタDG8の組み合わせによって、それぞれ構成されている。これらの図柄17A〜17Hは、特別遊技図柄としての大当たり図柄、外れリーチ図柄及び外れ図柄のいずれかになりうる(これらについては後述する)。
また、図柄17Kは「ハート」のマークによって構成されており、前記図柄17A〜17H間に配置される。さらに、当該図柄17Kは、外れ図柄にのみなりうる。
図4に示すように、各々の図柄列14〜16においては、あたかも草原(背景画面)を、表示される図柄17A〜17H,17Kが、右から左方向へと駆け抜けるかのごとく表示される。
また、図1に示すように、特別図柄表示装置13の上部には普通図柄表示装置51が併設されている。普通図柄表示装置51は、発光ダイオード(LED)よりなる4つの保留ランプ52と、普通図柄表示部たるLEDよりなる7セグ表示部53とを有している。
さらに、前記特別図柄表示装置13の左右両側方には一対の通過ゲート54が配設されている。同通過ゲート54を遊技球5が通過すると前記普通図柄表示装置51が作動する。本実施の形態では、普通図柄表示装置51は、「0」から「9」までの数字を可変表示して7セグ表示部53にセグメント表示させ、その数字が所定値(本実施の形態では「7」)で停止した場合に、作動口3の羽根6を所定秒数開放させる。この開放により、作動口3への入賞が比較的容易なものとなる。普通図柄表示装置51は、遊技球5の通過ゲート54の通過回数を4回まで記憶することができ、保留ランプ52でその保留数を表示する。従って、4つの保留ランプ52が点灯している状態で遊技球5が通過ゲート54を通過してもカウントされず、保留ランプ52が点灯している限り、遊技球5が通過ゲート54を通過しなくとも保留数に応じた回数だけ普通図柄表示装置51は作動するようになっている。
表示装置13の表示部13aでは、各図柄列14〜16の図柄変動(回転変動)が、遊技球5の作動口3への入賞に基づいて開始させられる。また、大当たり図柄、外れリーチ図柄、外れ図柄の中から1つが選択され、これが停止図柄として設定される。停止図柄とは、各図柄列14〜16が図柄変動を停止したときに表示される図柄である。本実施の形態では、図柄変動は、上図柄列14、下図柄列16、中図柄列15の順に停止させられるが、これはあくまでも1例にすぎず、別の順序で停止させられるようにしてもよい。
図5,6は、表示部13aにおける大当たり時の画面を示す図である。同図に示すように、大当たり図柄は、リーチ遊技状態(リーチ状態)を経た後、遊技者に有利な特別遊技状態としての大当たり状態を発生させるための図柄である。詳しくは、全ての図柄列14〜16の変動が停止させられたとき、表示されている図柄17A〜17Hの組合せが、予め定められた大当たりの組合せ、すなわち、同一種類の図柄17A〜17Hが大当たりラインL1〜L5に沿って並んでいるときの同図柄17A〜17Hの組合せとなる場合がある(例えば「1」「1」「1」や「2」「2」「2」等)。当該組合せを構成する図柄が「大当たり図柄」である。
本実施の形態では、左右の縦ラインL1,L2(図5(a),(b)参照)、中央の縦ラインL3(図6(a)参照)、及び斜めの2本のラインL4,L5(図6(b)参照)によって大当たりラインL1〜L5が構成されている(5ラインと称される)。大当たりの組合せが成立すると、特別電動役物が作動し(大入賞口4が開かれ)、遊技者にとって有利な大当たり状態の到来、すなわち、より多くの景品球を獲得することが可能となる。
また、図7(a)〜(d)に示すように、リーチ状態とは、大当たり直前の状態をいう(もちろん大当たり状態に至らない場合もある)。リーチ状態には、下図柄列16の図柄変動が、大当たりラインL1〜L5上において上図柄列14の停止図柄と同一種類の図柄で停止する状態が含まれる。例えば図7(a)に示す例では、大当たりラインL1上において、上図柄列14及び下図柄列16が同一の図柄17Aで停止しており、中図柄列15の図柄17A〜17H,17Kが未だ変動中の状態を示している。この場合において、中図柄列15の大当たりラインL1上における停止図柄が図柄17Aであることを必要条件に、大当たり状態が発生させられる。
上記のリーチ状態には、中図柄列15の図柄変動が、最終的に上・下両図柄列14,16の停止図柄と同一種類の図柄(大当たり図柄)で停止して大当たり状態になるもの以外にも、異なる種類の図柄(これを「外れリーチ図柄」という)で停止して、大当たり状態とならないもの(以下、「外れリーチ状態」という)が含まれる。さらには、中図柄列15の図柄変動が一旦停止した後、再度全図柄列(或いは一部の図柄列)が変動し、その後全図柄列14〜16の図柄17A〜17H,17Kが停止するような場合(再変動リーチとも称される)も含まれる。
上記リーチ状態においては、種々のリーチパターンが設定されている。リーチパターンとしては、中図柄列15の図柄17A〜17H,17Kが単にスクロールする「ノーマルリーチ」の外に、キャラクタとしてどろぼうが表示される「どろぼうリーチ(図7(a)参照)」、川及び丸太が表示される「丸太リーチ(図7(b)参照)」、背景画面に氷が表示される「氷リーチ(図7(c)参照)」、キャラクタとして女の子が表示される「女の子リーチ(図7(d)参照)」等が設定されている。これらリーチパターンのうち、「ノーマルリーチ」以外のリーチパターンは、いわゆる「スーパーリーチ」と称されるものである。「スーパーリーチ」の動作が開始された場合には、「ノーマルリーチ」の場合に比べて、大当たり状態が発生する期待値(大当たり期待値)が高くなるようになっている。また、「スーパーリーチ」においても、各リーチパターンによって大当たり期待値が異なったものとなっている(例えば、「どろぼうリーチ」よりも「女の子リーチ」の方が大当たり期待値は高い)。これらのリーチパターンは、リーチ種別決定カウンタに基づいて決定される。
遊技球5の作動口3への入賞に基づいて各図柄列14〜16の図柄変動が開始させられることはすでに説明したが、この変動表示中にさらに遊技球5が作動口3に入賞した場合には、その分の変動表示は、現在行われている変動表示の終了後に行われる。つまり、変動表示が待機(保留)される。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められている。本実施の形態では保留最大回数が4回に設定されているが、これに限られるものではない。
図1に示すように、表示装置13において、表示部13aの上方には、発光ダイオード(LED)からなる保留ランプ18a,18b,18c,18dが組み込まれている。保留ランプ18a〜18dの数は、前述した保留最大回数と同じ(この場合4個)である。保留ランプ18a〜18dは、変動表示の保留毎に点灯させられ、その保留に対応した変動表示の実行に伴い消灯させられる。このほかにも、パチンコ機1の複数箇所には、遊技効果を高めるための各種ランプが取付けられている。これらのランプは、遊技の進行に応じて点灯状態(消灯、点灯、点滅等)が変えられる。さらに、パチンコ機1には、遊技の進行に応じて効果音を発生する図示しないスピーカが設けられている。
遊技者の操作に応じて変化するパチンコ機1の遊技状態を検出するべく、本実施の形態では、遊技盤2には、スルースイッチ20、作動口用スイッチ21、Vゾーン用スイッチ22及びカウントスイッチ23等がそれぞれ取付けられている。スルースイッチ20は、遊技球5の通過ゲート54の通過を検出し、作動口用スイッチ21は、遊技球5の作動口3への入賞を検出し、Vゾーン用スイッチ22は遊技球5の大入賞口4のうちのVゾーンへの入賞を検出し、カウントスイッチ23は、遊技球5の大入賞口4への入賞を検出する。
本実施の形態では、各スイッチ20〜23の検出結果に基づき大入賞口用ソレノイド12、表示装置13(表示部13a)、各保留ランプ18a〜18d、スピーカ等をそれぞれ駆動制御するために制御装置24が設けられている。制御装置24は、図8に示すように、主基板61及び表示装置制御基板62等を備えている。主基板61はパチンコ機1の裏側の図示しない基板ボックス内に封印された状態で装着されている。また、表示装置制御基板62は、前記表示装置13に組み込まれている。
制御装置24の主基板61は、演算手段である中央処理装置(CPU)と、各種制御プログラム等を記憶した読み出し専用メモリ(ROM)と、各種データ等を記憶するためのランダムアクセスメモリ(RAM)とを備えている(いずれも図示略)。RAMには、コマンドバッファとコマンドカウンタとが設けられている。コマンドバッファは、制御データを一時的に記憶するためのバッファである。コマンドバッファの制御データは、所定の契機に基づいて実行される表示データ作成処理によって更新され、タイマ割込処理によって、表示装置制御基板62、ひいては表示部13aへと出力(送信)される。コマンドカウンタは、タイマ割込処理によって表示装置制御基板62へ送信される制御データの番号を示すカウンタである。コマンドバッファに書き込まれた制御データは、1回のタイマ割込処理により1バイトずつ表示装置制御基板62へ送信されるが、その送信される制御データの番号を示すものがコマンドカウンタである。
また、RAMは、大当たりの発生を決定するための乱数カウンタをも備えている。この乱数カウンタは、乱数更新処理により、所定(例えば「0」〜「299」)の範囲で、例えば2ms毎に、1カウントずつ更新される。本実施の形態では、乱数カウンタの値が例えば「7」であるときに、遊技球5が作動口3に入賞し、それが作動口用スイッチ21にて検出される(保留最大回数時は除く)ことに基づいて、前記大当たり状態が発生させられるようになっている。
これらのCPU、ROM、RAMは、バスラインを介して互いに接続されている。バスラインは、また、主基板61の入出力ポート(図示略)にも接続されている。この入出力ポートは、コネクタ及びケーブルを介して、表示装置制御基板62の画像コントローラ74の入出力ポート75や他の入出力装置と接続されている。また、もちろん主基板61の入出力ポートは、コネクタを介して、前記作動口スイッチ21等に接続されている。すなわち、制御装置24の主基板61は、作動口スイッチ21等から入出力ポートを介して入力される入賞信号等に基づいて、入出力ポートを介して表示装置制御基板62や他の入出力装置(他の基板を含む)へ、制御データ等の各種の動作コマンドを送って、各装置を制御するのである。
表示装置制御基板62は、CPU63と、プログラムROM64と、ワークRAM65と、ビデオRAM66と、キャラクタROM73と、入出力ポート75を内蔵してなる画像コントローラ74とを備えている。表示装置制御基板62のCPU63は、主基板61から送信される制御データに応じて、表示部13aの表示を制御するものであり、プログラムROM64には、このCPU63により実行されるプログラムが記憶されている。ワークRAM65には、CPU63によるプログラムの実行時に使用されるワークデータが記憶されている。
また、ビデオRAM66は、表示部13aに表示されるデータを記憶するメモリであり、当該ビデオRAM66の内容を書き換えることにより、表示部13aの表示内容が変更される。さらに、キャラクタROM73は、表示部13aに表示される図柄17A〜17H,17K、背景、キャラクタなどの各データを記憶するメモリである。画像コントローラ74は、CPU63、ビデオRAM66、入出力ポート75のそれぞれのタイミングを調整して、データの読み書きを介在するとともに、ビデオRAM66に記憶される表示データを、キャラクタROM73を参照して所定のタイミングで表示部13aに表示させるものである。
本実施の形態では、表示装置13の表示部13aに表示される図柄17A〜17H,17K及び背景は、複数のレイヤに別個の図柄、背景等が表示制御されてそれらを重ね透かし合わせることにより1画面として表示制御されるようになっている。実際には、図8のブロック図に示すように、各レイヤに対応するビデオRAM66に、1画面分のカラー画像がそれぞれ保持されるようになっている。また、ビデオRAM66に保持される画像の表示データは、前記キャラクタROM73に記憶されており、キャラクタROM73から画像コントローラ74によって取り込まれた画像表示データが一旦ビデオRAM66に保持された後、スキャンデータ信号に変換されて順次出力され、そのデータ出力信号に基づいて色、輝度等が制御されて所定の図柄が表示される。
但し、本実施の形態では、優先順位の上位のビデオRAMに保持されている画像が下位のビデオRAMに保持されている画像に優先して表示されるように制御される。具体的には、背景のレイヤに対応するビデオRAM66よりも図柄17A〜17H,17Kのレイヤに対応するビデオRAM66の方が優先順位が上位となるように予め設定されている。さらに、画像コントローラ74に接続された主基板61からの信号によって、上記図柄17A〜17H,17Kの変動・停止制御のみならず、背景に関するレイヤによって構成される背景画面の変動制御も行われるようになっている。
すなわち、本実施の形態では、背景画面を構成する背景レイヤとして、雲を含む空、木、建造物、道路、草原等の風景を構成する背景表示対象が、図柄17A〜17H,17Kの変動に合わせて変動表示制御される。ここで、図9に示すように、背景レイヤは、同一の輪郭を有し、着色が異なる朝背景レイヤML、昼背景レイヤDL及び夜背景レイヤNLによって構成されている。これらML,DL,NLは同一の画像データに基づいて変動表示されるもので、着色のみが異なっている。すなわち、朝背景レイヤMLは、朝日が当たっているかのようなコントラストを有し、昼背景レイヤDLは、最も明るく、かつ、暖かな昼下がりが表示されているかの如くコントラストを有し、夜背景レイヤNLは最も暗いコントラストを有しており、各レイヤML,DL,NLの一部(例えば図9(a)〜(c)のレイヤの半分の長さ)が表示部13aに表示された状態で、34秒間で1周するようになっている。
また、本実施の形態では、コントラストの都合上、当初(初期状態として)は、昼背景レイヤDLが表示されるようになっている。そして、昼背景レイヤDLが6周→夜背景レイヤNLが6周→朝背景レイヤMLが4周→元の状態(昼背景レイヤDL)に復帰するといった具合に、連続的に、かつ、周期的に表示されるようになっている。従って、一旦変動が開始されてから、再度元の状態に復帰するまでには(16周=1サイクルの時間としては)、34秒×6+34秒×6+34秒×4=544秒を要するように設定されている。
さらに、本実施の形態では、所定の契機に基づいて、表示される背景画面が前記初期状態(昼背景レイヤDLの最初の状態)にリセット(初期化)させられるようになっている。所定の契機としては、大当たり状態の発生、特定のリーチ状態(例えば、丸太リーチ、氷リーチ)の発生、及びデモ画面の表示等が挙げられる。なお、デモ画面というのは、電源投入時及び前記図柄17A〜17H,17Kの非変動状態が所定時間継続することを必要条件に、表示部13aに表示される遊技とはほとんど関係のない画面である。
併せて、本実施の形態では、背景画面に適宜表示対象としてのキャラクタが表示されるようになっている。キャラクタとしては、図10(a),(b)に示すように雲がジュゴンに疑似的に変形したジュゴンキャラクタJC、図10(c),(d)に示すように雲がサメに疑似的に変形したサメキャラクタSC、図10(e),(f)に示すように木が寿司屋職人(ここでは、便宜上「源さん」と称する)に疑似的に変形した源さんキャラクタGC、図10(g),(h)に示すように木が寿司屋手伝いの女の子(ここでは、便宜上「カンナちゃん」と称する)に疑似的に変形したカンナちゃんキャラクタKC、図10(i)に示すようにUFO及びそこから舞い降りた牛の絵よりなるUFOキャラクタUC、及び図10(j)に示すようにどろぼうの絵よりなるどろぼうキャラクタDCが用意されている。ここで、ジュゴンキャラクタJC及びサメキャラクタSCは相互に関連しているキャラクタであり、源さんキャラクタGC及びカンナちゃんキャラクタKCも相互に関連しているキャラクタである。そして、これらのキャラクタが、背景画面のスクロールに伴って、適宜所定のタイミングで表示部13aに表示されるようになっている。
次に、本実施の形態における背景画面に関する具体的な表示態様を図11のタイミングチャート等を参酌して説明することとする。但し、説明の便宜上(表示の都合上)、図12〜図16においては、コントラストに差異を設けることなく(朝昼夜を図面上区別することなく)図示することとする。まず、制御装置24は、当初においては、図12に示すように、昼背景レイヤDLに源さんキャラクタGC及びサメキャラクタSCを表示させた状態で、スクロール変動表示させる。そして、当該レイヤDLが2周した後、昼の3周目においては、図13に示すように、昼背景レイヤDLにカンナちゃんキャラクタKC及びサメキャラクタSCを表示させた状態で、スクロール変動表示させる。
続いて、昼の4周目においては、図14に示すように、昼背景レイヤDLに源さんキャラクタGC、サメキャラクタSC及びUFOキャラクタUCを表示させた状態で、スクロール変動表示させる。さらに、昼の5周目においては、図15に示すように、昼背景レイヤDLに源さんキャラクタGC及びジュゴンキャラクタJCを表示させた状態で、スクロール変動表示させる。また、昼の6周目においては、再度図12に示すように、昼背景レイヤDLに源さんキャラクタGC及びサメキャラクタSCを表示させた状態で、スクロール変動表示させる。
このように、昼背景レイヤDLを6周させた後、制御装置24は、次に、着色を変更して、夜背景レイヤNLに源さんキャラクタGC及びサメキャラクタSCを表示させた状態で、スクロール変動表示させる。そして、当該レイヤNLが3周した後、夜の4周目においては、図16に示すように、カンナちゃんキャラクタKC、ジュゴンキャラクタJC及びどろぼうキャラクタDCを表示させた状態でスクロール変動表示させる。その後、夜の5周目においては、図15に示すように、夜背景レイヤNLに源さんキャラクタGC及びジュゴンキャラクタJCを表示させた状態で、スクロール変動表示させる。また、夜の6周目においては、図12に示すように、夜背景レイヤDLに源さんキャラクタGC及びサメキャラクタSCを表示させた状態で、スクロール変動表示させる。
上記のように、夜背景レイヤNLを6周させた後、制御装置24は、次に、着色を変更して、朝背景レイヤMLに源さんキャラクタGC及びサメキャラクタSCを表示させた状態で、スクロール変動表示させる。さらに、朝の2周目においては、図14に示すように、朝背景レイヤDLに源さんキャラクタGC、サメキャラクタSC及びUFOキャラクタUCを表示させた状態で、スクロール変動表示させる。また、朝の3周目においては、図13に示すように、朝背景レイヤMLにカンナちゃんキャラクタKC及びサメキャラクタSCを表示させた状態で、スクロール変動表示させる。そして、朝の4周目においては、再度図12に示すように、朝背景レイヤMLに源さんキャラクタGC及びサメキャラクタSCを表示させた状態で、スクロール変動表示させる。
このように、制御装置24は、所定の契機が発生した場合を除いて上述したような背景画面の表示制御を連続的に繰り返し実行する。また、前記所定の契機が発生した場合には、大当たり状態、特定のリーチ状態(例えば、丸太リーチ、氷リーチといった特定のリーチパターンが演出された状態)、及びデモ画面の表示が終了した後、表示される背景画面が前記初期状態(昼背景レイヤDLの最初の状態)にリセットさせられる。
また、本実施の形態においては、主基板61側のCPU(制御装置24)による制御の1つとして、遊技モード切換制御がある。本実施の形態においては、大当たり状態を除いて、基本的には2つのモードが用意されている。すなわち、例えば300分の1程度の低確率で大当たり状態を発生させる通常モードと、その2倍である150分の1程度の高確率で大当たり状態を発生させる高確率モード(以降、便宜上「確変モード」と称する)とがある。
なお、一般的に、確変モードの概念としては、(1)7セグ表示部53に「7」が表示される確率を通常時に比べて高め、作動口3の羽根6を開放させる機会を増やすこと、(2)7セグ表示部53における数字の変動時間を短くすること、(3)羽根6の開放時間を長くすること(及び/又は入賞個数を多くすること)、(4)特別図柄表示装置13の表示部13aの図柄17A〜17H,17Kの変動時間を短くすること、(5)大当たり確率が通常モードに比べて高くなること等が挙げられるが、本実施の形態における確変モードにおいては、(5)のみが実行される。より詳しくは、乱数カウンタの値が例えば「7」又は「77」であるときに、遊技球5が作動口3に入賞し、それが作動口用スイッチ21にて検出される(保留最大回数時は除く)ことに基づいて、前記大当たり状態が発生させられるようになっている。
さて、本実施の形態では、上記背景の表示態様に応じて、遊技モードが適宜切換えられるようになっている。すなわち、朝背景レイヤMLが表示されているとき、より詳しくは、朝の1周目及び3周目において、遊技モードとして確変モードが設定され、それ以外のタイミングにおいては、遊技モードとして通常モードが設定される。
この制御内容について図17のフローチャートに従って説明する。すなわち、図17は、制御装置24によって実行される「遊技モード切換ルーチン」を示すフローチャートであって、所定時間(例えば「2ms」)毎に実行される。処理がこのルーチンに移行すると、制御装置24はまず、ステップS001において、現在大当たり状態が発生しておらず、しかもデモ画面が表示されていないか否かを判定する。また、続くステップS002においては、現時点での背景のタイミングを確認する。つまり、現在どの背景が表示されているのか(朝・昼・夜の何周目であるか)を確認する。
さらに、ステップS003においては、現在が朝の1周目であるか、或いは、3周目であるか否かを判定する。そして、否定判定された場合には、遊技モードを通常モードに設定し、その後の処理を一旦終了する。これに対し、肯定判定された場合(朝の1周目又は3周目の場合)には、遊技モードを確変モード(特別モード)に設定し、その後の処理を一旦終了する。従って、確変モードが設定されている朝の1周目又は3周目の間は、大当たり発生確率がそれ以外の場合に比べて2倍に高められることとなる。
以上詳述したように、本実施の形態によれば、通常モードと確変モードとの間の相互切換が大当たり状態の発生を必要条件とすることなく行われる。このため、通常モード中において、大当たり状態の前兆がない場合であっても、遊技者は確変モードの発生を期待することが可能となる。
また、表示部13aにおいて、各遊技モードに応じて互いに異なる態様で遊技者に報知が行われる。すなわち、背景に朝の画面が表示されることにより、遊技者は、確変モードが発生しうることを把握しうる。従って、そのように夜から朝に変化にすることに基づき喜びを覚えるとともに、逆に昼の画面に変化することに基づいて憂う。その結果、飛躍的な興趣の向上を図ることができる。
さらに、確変モードが発生すると、大当たり状態の発生確率が通常モードよりも高くなるため、かかる間、遊技者は大当たり状態の発生を期待してわくわくしながら遊技を行いうる。
併せて、本実施の形態では、上記報知が表示部13aの背景において行われる。従って、背景が夜から朝、朝から昼に切り換えられることに基づいて、遊技モードが状態がそれぞれ切換えられたことを把握しうる。また、昼・夜・朝の各表示態様は、着色態様がそれぞれ異ならされることにより変更される。そのため、態様の切換がある場合でも、同じようなデータを用いた上で着色を異ならせることのみによって、各遊技モードに応じた報知が行われうる。その結果、制御の複雑化を抑制することができる。
加えて、本実施の形態では、前記報知は、同じ遊技モードであっても互いに異なる態様で行われうる。例えば、本実施の形態では、昼から夜に切り換えられたからといって、必ずしも遊技モードが切換えられたことにはならない。そのため、遊技内容に厚みを持たせることができる。
また、本実施の形態では、確変モードの発生期間は、通常モードの発生期間に比べて非常に短い。そのため、確変モードに稀少価値が生じる。確変モードを把握した遊技者は、その喜びに拍車がかけられる。
さらに、本実施の形態では、所定の契機に基づき、背景が初期化されることとなり、ひいては確変モードの発生が遅延させられる。そのため、さらに確変モードに稀少価値が生じ、前記作用効果がより確実なものとなる。また、遊技者が実質上遊技を行っていない時間が所定時間を超えると、デモ画面が表示されるため、これによっても背景が初期化される。このため、遊技者が、背景が朝に切換えられるまで、遊技を行わずに待つといった事態を回避することができる。
尚、上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施の形態では、草原等の背景を表示部13aに表示することとしたが、海の中や、宇宙、空、家の中等いかなる背景を表示することとしてもよい。
(b)上記実施の形態では図柄17A〜17Hとして、絵(キャラクタ)図柄DG1〜DG8及び数字図柄N1〜N8の組み合わせを採用することとしたが、絵図柄のみとしてもよいし、数字図柄のみとしてもよい。また、他の絵図柄の組み合わせ等、実施の形態以外の図柄因子同士を組み合わせてもよい。さらに、3種以上の図柄因子同士を組み合わせてもよい。
(c)上記実施の形態では、着色を変更することにより、朝昼夜の風景を醸し出すこととしたが、その他にも、朝昼夜とは異なった時刻の変化(分・秒単位、時間単位)、季節の変化(春夏秋冬)、或いは天候の変化(晴雨曇雪等)等を醸し出すようにしてもよい。また、着色を変更しないこととしてもよい。
(d)上記実施の形態では各レイヤDL,NL,MLをそれぞれ昼:6周→夜:6周→朝:4周ずつスクロールさせることとしたが、それぞれ1周ずつとしても何ら差し支えない。
(e)上記実施の形態では、朝昼夜の風景(背景)に基づいて遊技モードの報知を行うこととしたが、図柄17A〜17H,17Kの表示態様に基づいて遊技モードの報知を行うこととしてもよい。例えば、通常モードと確変モードとの間で切換が行われる毎に図柄17A〜17H,17Kの着色を異ならせてもよい。また、このとき、切換がない場合であっても、着色を異ならせてもよい。
(f)さらに、背景に表示される少なくとも1つの表示対象に基づいて報知を行うこととしてもよい。例えば、例えばプレミア性の高いキャラクタ(UFOキャラクタUCやどろぼうキャラクタDC)が表示されている場合に限り、確変モードが発生するような構成としてもよい。
(g)上記実施の形態よりもさらに、遊技者が現在の遊技モードが把握できない又は困難なように表示部13aの表示態様変更を行ってもよい。例えば、あるタイミングでは、夜の4周目に、また、別のタイミングでは昼の5周目に、確変モードに切換えられるような構成としてもよい。このような構成とすることで、遊技者にとって、そのときどきの遊技モードが不明となる場合が生じうるため、遊技内容により一層厚みが増す。
(h)上記実施の形態では、所定の契機として、大当たり状態の発生、特定のリーチ状態(例えば、丸太リーチ、氷リーチ)の発生、及びデモ画面の表示を挙げたが、これらの少なくとも1つを所定の契機から除外してもよい。
また、上記特定のリーチ状態のみならず、あらゆるリーチ状態の発生によってもリセットされることとしてもよい。
(i)さらには、朝の1周目が近づいた場合に、時として強制的に前記特定のリーチ状態を発生させ、初期化を行うこととしてもよい。ここで、制御装置24によって実行される強制的な初期化処理について説明する。すなわち、図18は、制御装置24によって実行される「強制初期化フラグ設定ルーチン」を示すフローチャートであって、所定時間毎(例えば2ms毎)に実行される。
処理が本ルーチンへ移行すると、制御装置24はまずステップS101において、初期化フラグXCLが「0」に設定されているか否かを判定する。そして、初期化フラグXCLが「0」に設定されていない場合(「1」に設定されている場合)には、近いうちに強制初期化処理が実行されるものとして、その後の処理を一旦終了する。また、初期化フラグXCLが「0」に設定されている場合には、ステップS102において、現在が夜の2周目又は3周目に該当しているか否かを判定する。そして、否定判定されたならば、朝への切換までにはまだまだ時間を要し、強制的に初期化を行う必要がないものとしてその後の処理を一旦終了する。
これに対し、現在が夜の2周目又は3周目に該当している場合には、続くステップS103において、実際に強制的に初期化を行うか否かを判定する。ここで、本実施の形態においては、所定のカウンタ等を用いて2分の1の確率で肯定判定される。もちろんこれは例示であって、99%の確率で肯定判定されるようにしてもよいし、3分の1の確率で肯定判定されるようにしてもよいし、また、1%の確率で肯定判定されるようにしてもよい。そして、当該ステップS103において否定判定された場合には、今回は強制的な初期化を実行する必要がないものとしてその後の処理を一旦終了する。
一方、ステップS103において肯定判定された場合には、強制的に初期化を実行するべく、ステップS104において、強制初期化フラグXCLを「1」に設定し、その後の処理を一旦終了する。
このように、強制初期化フラグ設定ルーチンにおいては、未だ強制初期化フラグXCLが「0」であり、背景が夜の2周目又は3周目であり、かつ、所定の初期化条件を満たす場合に強制初期化フラグXCLが「1」に設定される。
では次に、そのときどきの強制初期化フラグXCLに応じて特定のリーチパターンが発生させられる場合の処理内容について説明する。すなわち、図19は、制御装置24によって実行される「図柄変動開始ルーチン」を示すフローチャートである。本ルーチンは、「乱数振分けルーチン」、「格納処理ルーチン」等(説明略)の演算結果を用いて、特別電動役物や、表示装置13等を制御するための「特別電動役物制御ルーチン」において、実行されるものであって、パチンコ機1の電源投入後、保留カウンタの値が「0」でないことを条件に所定時間毎に実行される。
制御装置24は、当該「図柄変動開始処理ルーチン」において、まずステップS201において、内部乱数カウンタの値が大当たり値であるか否かを判定する。そして、内部乱数カウンタの値が大当たり値の場合には、ステップS202において、大当たり値に対応する大当たり図柄を停止図柄としてメモリに記憶する。その後、ステップS207へ移行する。
一方、ステップS201における判定条件が満たされていないと、ステップS203において、現在強制初期化フラグXCLが「1」に設定されているか否かを判定する。そして、否定判定された場合(XCL=「0」の場合)には、背景について強制的な初期化を行う必要がないものとして、ステップS204へと移行する。ステップS204において、制御装置24は、外れリーチ乱数カウンタの値が予め定められた外れリーチ値と同じであるか否かを判定する。そして、外れリーチ乱数カウンタの値が外れリーチ値と同一である場合には、ステップS205において、外れリーチ値に対応する図柄(外れリーチ図柄)を停止図柄としてメモリに記憶し、ステップS207へ移行する。また、ステップS204の判定条件が満たされていない場合には、ステップS206において、別途決定されている外れ図柄を停止図柄としてメモリに記憶し、ステップS208へ移行する。
さて、ステップS202又はステップS205から移行して、ステップS208においては、リーチパターンを取得する。すなわち、上述した「ノーマルリーチ」、「どろぼうリーチ」、「丸太リーチ」、「氷リーチ」、「女の子リーチ」等の種々のリーチパターンのうちのいずれかをリーチ種別決定カウンタに基づいて決定する。そして、ステップS207、ステップS206又は後述するステップS211から移行して、ステップS208においては、特別図柄表示装置13の図柄変動を開始させ、本ルーチンを一旦終了する。
一方、前記ステップS203において肯定判定された場合、つまり、現在強制初期化フラグXCLが「1」に設定されている場合には、背景を強制的に初期化させるべく、ステップS209へと移行する。ステップS209において、制御装置24は、リーチ乱数カウンタの値にかかわらず、外れリーチ値に対応する図柄(外れリーチ図柄)を停止図柄としてメモリに記憶する。
また、続くステップS210においては、前記特定のリーチパターンのうちの1つを取得する。つまり、丸太リーチ又は氷リーチのいずれかを取得し、当該リーチパターンにてリーチ状態を発生せしめるべく記憶しておく。
そして、次のステップS211においては、前記特定のリーチパターンが演出されることで、背景が初期化されるものとして強制初期化フラグXCLを「0」に切換え、前述したステップS208へと移行する。そして、ステップS208において、特別図柄表示装置13の図柄変動を開始させ、本ルーチンを一旦終了する。このように、上記「図柄変動開始処理ルーチン」によれば、大当たりが発生する場合、外れリーチカウンタの値が外れリーチ値と一致する場合にリーチ状態が発生することとなる。これに加えて、本実施の形態においては、強制初期化フラグXCLが「1」に設定されている場合にも、特定のリーチ状態(丸太リーチ又は氷リーチ)が発生する。そして、このように、特定のリーチ状態が発生した場合には、当該リーチ状態終了後等において、背景画面が初期化され、昼の1周目から背景がスクロール表示されることとなる。
このような構成とすることで、確変モードにより一層の稀少価値が生じ、面白味が増す。
(j)上記実施の形態では、確変モードとして1種類(150分の1で大当たり状態発生)しか用意しなかったが、複数種類の付加遊技状態(確変モード等)を用意することとしてもよい。そして、各確変モード間の相互切換も大当たり状態の発生を必要条件とすることなく行われるように構成してもよい。
(k)上記実施の形態では、付加遊技状態として確変モードを採用し、その概念として、大当たり確率が高められることのみを挙げたが、大当たり確率が高められることに加えて、(1)7セグ表示部53に「7」が表示される確率を通常時に比べて高め、作動口3の羽根6を開放させる機会を増やすこと、(2)7セグ表示部53における数字の変動時間を短くすること、(3)羽根6の開放時間を長くすること(及び/又は入賞個数を多くすること)、(4)特別図柄表示装置13の表示部13aの図柄17A〜17L,17Kの変動時間を短くすること、の全ての事項が実行されることとしてもよい。また、大当たり確率が高められることに加えて、(1)〜(4)のいずれか1つを満たすことを、確変モードとしてとらえてもよい。
(l)また、付加遊技状態としては、確変モードではなく、時間短縮モード(時短モード)を採用してもよい。時短モードとしては、上記(k)の(1)〜(4)の任意の組合せ(例えば(1)と(2)、(1)と(3)、(1)と(4)、(2)と(3)、(2)と(4)、(3)と(4)、(1)と(2)と(3)、(1)と(2)と(4)、(1)と(3)と(4)、(2)と(3)と(4))を採用できる。
(m)また、上記実施の形態では説明しなかったが、上記実施の形態の確変モードとは別に、従来から行われている一般的な時短モード、確変モード等を実行しうる遊技機にも適用できる。かかる時短モード、確変モード等としては、次回の大当たり時まで継続されるようにしてもよいし、図柄17A〜17H,17Kの予め定められた所定回転変動回数だけ継続され、その後通常モードに切り替えられるようにしてもよい。また、時短モード、確変モードが選択された場合には、大当たり状態が2回又はそれ以上発生するまで、当該特別モードが継続されるようにしてもよい。併せて、結果的に、大当たり図柄に応じて、確変モードや時短モードの継続回数(大当たり状態の継続発生回数)を可変とするようにしてもよい。さらに、かかる従来の確変モードや時短モードが終了して通常モードに移行した場合には、特別ボーナスとして、本実施の形態における確変モードが比較的頻繁に、或いは、比較的長期間発生するような構成としてもよい。このような構成とすることで、さらに面白味が増す。
(n)各着色態様に応じて、スクロール変動速度を異ならせてもよい。例えばプレミア性の高いキャラクタ(UFOキャラクタUCやどろぼうキャラクタDC)が登場するような場合には、スクロール変動速度をそれまでよりも遅くすることとしてもよい。このようにすることで、遊技者は、当該キャラクタをじっくりと視認することができるとともに、何か起こるのではないかというどきどき感を抱くことができる。
(o)表示装置13としては、上述した液晶ディスプレイ以外にも、CRT、ドットマトリックス、LED、エレクトロルミネセンス(EL)、蛍光表示菅等を用いてもよい。
(p)上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機等にも適用できる。例えば、大当たり図柄が表示された後に所定の領域に遊技球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン等の各種遊技機として実施することも可能である。なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作等することで図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に確定図柄を表示する図柄表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して或いは所定時間が経過することにより図柄変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となる。
(q)上記実施の形態では、表示部13aの背景において、表示態様を異ならせることとしたが、音声や光を用いて報知することとしてもよい。
(r)別途の契機に基づき、少なくとも一時的に背景に変化を設けることとしてもよい(例えば、家の煙突から煙がでるかの如く表示し、煙が出ている間は確変モードが発生してうるような構成としてもよい)。
(s)そのときどき(例えばサイクル数)に応じて、確変モードが発生する期間、頻度を可変としてもよい。例えば1サイクル目には、朝の背景が表示される前段階において必ず特定のリーチ状態が発生することとしてもよい。
(t)上記実施の形態よりもさらに長いサイクル(例えば1サイクルが例えば1時間程度)を要するようにしてもよい。
(u)上記実施の形態における確変モードが発生させられる直前の所定期間、大当たり確率が通常モードよりも低く設定されるようにしてもよい。