JP5186998B2 - 光測距装置 - Google Patents
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Description
このような無人搬送装置に搭載される光測距装置においては、比較的、近距離における測定精度を高めるための技術が開示されている。
例えば、特許文献1においては、投光ミラーと受光ミラーとを、回転部材であるキャップ部材の端壁部を介して相互に近接して固定し、投光ミラーの投光光軸と受光ミラーの受光光軸との光軸間距離を小さくした走査型レンジセンサが開示されている。これによれば、近距離での死角を実用上問題のない程度まで小さくすることができる。また、キャップ部材の端壁部によって投光ミラーと受光ミラーとは光学的に分離されるため、不要な光が回り込んで受光部に入射されるという事態を可及的に防止している。
上記走査型センサにおいては、反射光の受光部が、回転部材であるキャップ部材と回転軸方向において重なる位置、すなわち、キャップ部材に取り囲まれるように配置されている。このため、受光部への接続ケーブルをキャップ部材における回転軸の中心を通して接続する複雑な構造となり、組立にあたっては、ワイヤを介して通線する等の工程が必要となる。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、配線構造を簡略化し、容易に組み立てることが可能な光測距装置を提供することを目的とする。
この装置では、投光部は、回転部に対して軸方向外側に配置され、回転軸の中空を光路として利用している。このようにして、投光部と距離演算部等への配線を装置内部に配置する必要が無くなる。この結果、配線構造を簡略化し、容易に組み立てることが可能な光測距装置を提供することが可能となる。
光測距装置は、投光ミラーの出射方向に配置されており、投光ミラー側からの光を通過させる壁面をさらに備えており、壁面は、投光ミラー側からの光の一部が反射する際には受光部と遠ざかる方向に反射させる。これにより、距離計測に不要な光が、壁面に反射し、受光部に入射することを防止することができる。この結果、不要光による測定誤差を防止することが可能となる。
光測距装置は、投光ミラーと受光ミラーとを支持する支持部と、被投射体からの反射光を受光ミラーに集光するための受光レンズとをさらに備えていることが好ましい。支持部は、投光ミラーから出ていく光に沿った第1面と、受光ミラーに入っていく光に沿った第2面とを有している。
回転位置検出部は、回転部の垂下体部の外周面に取り付けられる光学的スリットを周方向に配列して形成されるスリット板と、スリット板の回転経路上に配置されたフォトインタラプタとにより、スリット板の回転を検知する。
光測距装置は、受光ミラーの面積が、投光ミラーの面積よりも大きいことが好ましい。これにより、被投射体に投光する光の範囲を狭くし、受光ミラーに受光する範囲を広くすることができるので、投受光の光軸間距離を最短とすることが可能となる。この結果、近距離の被投射体に対する測定距離の精度を高めることが可能となる。
[天井走行車2の構成]
天井走行車2は、クリーンルーム等において物品10を搬送する搬送装置であって、図1に示すように、天井空間等に配置された走行レール4に沿って、物品を搬送する。そして、地上側に配置されたロードポート8との間で物品10を受け渡しする。
天井走行車2は、図1に示すように、台車12と、受電装置14と、フレーム16と、横送り部18と、θドライブ20と、昇降駆動部22と、昇降台24と、障害物センサ29,30とを備えている。
台車12は、走行レール4内を走行する。受電装置14は、走行レール4に設けたリッツ線等から非接触給電などで受電し、かつ、リッツ線などを利用して通信を行う。フレーム16は、台車12から延びるシャフトで支持されている。横送り部18は、走行レール4に対して後述するθドライブ20、昇降駆動部22および昇降台24を横方向に移動させる。θドライブ20は、昇降駆動部22を水平面内で回動させる。昇降駆動部22は、昇降台24をベルトやロープ、ワイヤなどの吊持材により昇降させ、ロードポート8との間で物品10を受け渡しする。昇降台24は、搬送する物品10を載置する。
障害物センサ29,30は、走行方向前方の落下防止カバー25の下部に、障害物センサ30は、走行方向前方の落下防止カバー25の前面に配置されている。障害物センサ29は、ロードポート8へ向けて昇降台24を下降させる際に、ロードポート8へアクセスしようとする人やロードポート8の付近に不用意に置かれた物品等の障害物を検出する。障害物センサ30は、進行方向前方の所定の角度範囲内でかつ所定の距離内にある障害物を検出する。
[障害物センサ30の詳細説明]
図3は、本発明の一実施形態に係る障害物センサ30の全体構成を示す概略縦断面図である。なお、障害物センサ29についても、同様の構成であるのでここではその説明を省略する。
障害物センサ30は、図3に示すように、ベース31と、カバー32と、投光素子(投光部)34と、投光レンズ35と、受光素子(受光部)36と、投光ミラー41と、受光ミラー42と、回転ユニット(回転部)40と、受光レンズ43と、回転位置検出部50と、演算部(距離演算部)60(図4参照)とを主に備えている。
ベース31は、底面部31aと円筒部31bとを有しており、障害物センサ30における静止部を構成している。底面部31aは、後述する回転ユニット40とカバー32とを支持する。円筒部31bは、底面部31aの略中心に回転軸X方向上方に突出する円筒状の部位であって、円筒部31bの外周面には回転ユニット40に回転駆動力を付与するモータ45が、円筒部31bの内周面には軸部(回転軸)40hが配設される。
回転ユニット40は、カバー32の内部に配置され、投光素子34と受光素子36とを結ぶ直線を回転軸Xとして回転可能に配置されている。具体的には、回転ユニット40は、支持部40aとロータ部40bと連結部40cとを主に備えており、障害物センサ30における回転部を構成している。
軸受部44は、軸部40hの外周面と円筒部31bの内周面との間に形成され、静止部である円筒部31bに対して回転部である回転ユニット40を回転自在に支持している。そして、軸受部44は、例えば、ボール軸受、滑り軸受、または、流体動圧軸受等で構成されている。
モータ45は、円筒部31bの外周面に配置された巻線コイルとコアとからなるステータ46と、垂下体部40kの内周面に配置されたマグネット47により構成されている。そして、モータ45は、ステータ46により発生された回転磁界にマグネット47が誘引されることにより、回転駆動力を発生させる。
投光レンズ35は、投光素子34の光出射方向側に配置され、投光素子34から出射された光のビーム径を一定にする。これにより、投光素子34から出射される光の投光路となる範囲を小さくすることが可能となるので、軸部40hに形成される中空貫通穴40iを小さくし、回転ユニット40を小型化することができる。
投光ミラー41は、投光ミラー取付面40dに取り付けられており、回転軸X方向に対して投光ミラー41における回転軸X方向上側部分を右に略45度傾けて配置されている。これにより、投光素子34から入射する光を回転軸Xの半径方向外側にある被投射体に向けて出射することが可能となる。
受光ミラー42は、受光ミラー取付面40gに取り付けられており、回転軸X方向に対して受光ミラー42における回転軸X方向上側部分を左に略45度傾けて配置されている。これにより、回転軸Xの半径方向外側にある被投射体からの反射光を回転軸X方向上方、すなわち、受光素子36に向けて出射することが可能となる。
なお、本実施形態の障害物センサ30においては、投光ミラー41は、受光ミラー42の面積よりも小さい面積のものが配置されている。これにより、投受光の光軸間距離を最短とすることが可能となるので、近接する被投射体に対する距離精度を高めることが可能となる。
回転位置検出部50は、回転ユニット40における垂下体部40kの外周面と対向する位置に配置されている。回転位置検出部50は、垂下体部40kの外周面に取り付けられている光学的スリットを周方向に配列して形成されるスリット板51と、スリット板51の回転経路上に配置されたフォトインタラプタ52とを有している。そして、フォトインタラプタ52は、演算部60(図4参照)に接続されており、スリット板51の回転を検知した場合には、演算部60にその信号を入力する。
次に、上記構成をした障害物センサ30の動作について説明する。
投光ミラー41は、回転ユニット40と共に高速で回転している。このため、投光素子34から回転軸X方向上方に出射され、投光ミラー41で水平方向に反射された投光光は、カバー32の側面部32aを通して回転軸Xを中心とする、例えば、周囲約270度の走査領域に連続的に走査される。そして、この走査領域の被投射体で反射された反射光は、側面部32aを通してカバー32の内部に再び入射し、受光レンズ43を通して受光ミラー42にほぼ水平方向に入射する。その後、反射光は、受光ミラー42で回転軸X方向上方に反射され、受光素子36に焦合される。
回転位置検出部50は、受光素子36で光を受光した際の回転ユニット40における回転角度に関する情報を検出する。回転位置検出部50は、この情報を演算部60に入力する。
なお、演算部60は、光が入射したときの受光回路38の測距信号に基づいて、演算された被投射体までの距離を較正したり、更に、受光素子36において常に一定の光量として受光されるように、投光回路37が印加する電圧を調整したりする。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態の障害物センサ30では、投光素子34が、底面部31aの下部に配置され、受光素子36が、天板部32bに配置されている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、投光素子を天板部側に設け、受光素子を底面部側に設けてもよい。
上記実施形態の障害物センサ30では、回転ユニット40の回転軸上に中空貫通穴40iが設けられ、投光素子34と投光ミラー41との間の投光路が中空貫通穴40iに設けられている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、受光素子と受光ミラーとの間の光路が、回転ユニットの中空貫通穴に形成されていてもよいし、投光素子と投光ミラーとの間の光路と受光素子と受光ミラーとの間の光路との両方が、回転ユニットの中空貫通穴に形成されていてもよい。
(C)
上記実施形態の障害物センサ30では、カバー32における側面部32aが、特定の波長範囲の光だけを透過し、それ以外の光を透過しないフィルタ材によって形成されている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、投光ミラーからの出射光、あるいは、受光ミラーへ入射する被投射体からの反射光が通過する領域が光透過材料で形成され、その他の領域が遮光材料等で形成されていてもよい。
上記実施形態の障害物センサ30では、演算部60が、投光素子34が出射した出射光と受光素子36に受光された反射光との間の位相差から距離を検出する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、距離演算部が、光をパルス状に強度変調して受光信号との時間差を計測することにより距離を求めるTOF方式や、光をある一定の周波数でAM強度変調して受光信号との位相差から距離を求めるAM方式や、光を三角波の形で波長変調し、受光信号と投光信号の干渉光の周波数信号から距離を求めるFM方式等の距離検出アルゴリムを使用する場合であってもよい。
4 走行レール
8 ロードポート
10 物品
12 台車
14 受電装置
16 フレーム
18 横送り部
20 θドライブ
22 昇降駆動部
24 昇降台
25 落下防止カバー
28 落下防止部
29,30 障害物センサ(光測距装置)
31 ベース
31a 底面部
31b 円筒部
32 カバー
32a 側面部(壁面)
32d 天板部
33 投光ユニット
34 投光素子(投光部)
35 投光レンズ
36 受光素子(受光部)
37 投光回路
38 受光回路
40 回転ユニット(回転部)
40a 支持部
40b ロータ部
40c 連結部
40d 投光ミラー取付面
40e 第1面
40f 第2面
40g 受光ミラー取付面
40h 軸部(回転軸)
40i 中空貫通穴
40j 水平部
40k 垂下体部
40m 開口部
41 投光ミラー
42 受光ミラー
43 受光レンズ
44 軸受部
45 モータ
46 ステータ
47 マグネット
50 回転位置検出部
51 スリット板
52 フォトインタラプタ
60 演算部(距離演算部)
X 回転軸
Claims (3)
- 投光部と、
前記投光部と投受光方向が一致するように対向して配置されている受光部と、
前記投光部と前記受光部との間に配置され、前記投光部からの光を被投射体に向ける投光ミラーと、
前記投光部と前記受光部との間に配置され、前記被投射体からの反射光を前記受光部に向ける受光ミラーと、
前記投光ミラーと前記受光ミラーとを回転駆動するための機構であり、前記投光部と前記投光ミラーとの間の投光路を形成する中空貫通穴を有する中空形状の回転軸と、前記回転軸から前記回転軸の半径方向に延びる水平部と、前記水平部から回転軸方向に延びる垂下体部とを有する回転部と、
前記回転軸の外周側に配置された円筒部と、
前記円筒部と前記回転軸との間に配置された軸受と、
前記円筒部の外周面に設けられたコイルと、
前記垂下体部の内周面に固定され、前記コイルと前記半径方向において対向するマグネットと、
前記受光部に受光された前記反射光に基づいて、前記被投射体までの距離を演算する距離演算部と、
前記投光部と前記回転軸との間に配置され、前記投光部からの光を絞るための投光レンズと、
前記投光ミラーの出射方向に配置されており、前記投光ミラー側からの光を通過させる壁面と、
前記回転部の垂下体部の外周面に取り付けられる光学的スリットを周方向に配列して形成されるスリット板と、前記スリット板の回転経路上に配置されたフォトインタラプタとにより、前記スリット板の回転を検知する回転位置検出部と、
を備えており、
前記壁面は、前記投光ミラー側からの光の一部が反射する際には前記受光部と遠ざかる方向に反射させる、
光測距装置。 - 前記投光ミラーと前記受光ミラーとを支持する支持部と、
前記被投射体からの反射光を前記受光ミラーに集光するための受光レンズと、
をさらに備え、
前記支持部は、前記投光ミラーから出ていく光に沿った第1面と、前記受光ミラーに入っていく光に沿った第2面とを有している、
請求項1に記載の光測距装置。 - 前記受光ミラーの面積は、前記投光ミラーの面積よりも大きい、
請求項1又は2に記載の光測距装置。
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