JP5186603B2 - マルチホーム移動ノードによるホーム・ネットワーク及びフォーリン・ネットワークの同時使用を可能にするための方法 - Google Patents

マルチホーム移動ノードによるホーム・ネットワーク及びフォーリン・ネットワークの同時使用を可能にするための方法 Download PDF

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Description

本発明は、ホーム・ネットワーク及びホーム・エージェントへマルチホーム移動ノードを取り付けた場合のマルチホーム移動ノードのホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードにサービスを提供しているホーム・エージェントにより実行する方法に関する。さらに、本発明は、また複数のインタフェースのうちの1つを通してホーム・ネットワークに、複数のインタフェースのうちの少なくとも他のインタフェースを通して少なくとも1つのフォーリン・ネットワークに取り付けられている、マルチホーム移動ノードにより複数のインタフェースの同時使用を可能にするための方法に関する。さらに、本発明は、マルチホーム移動ノード及びマルチホーム移動ノードの代わりに動作するプロキシを提供する。
長期展開(LTE)
WCDMA無線アクセス技術をベースとする第三世代移動システム(3G)は、全世界で大規模に展開中である。この技術を強化又は展開する際の第1のステップは、必然的に非常に競合的な無線アクセス技術となる、高速ダウンリンク・パケット・アクセス(HSDPA)及び高速アップリンク・パケット・アクセス(HSUPA)とも呼ばれる強化アップリンクの導入を伴う。
しかし、ユーザ及びオペレータの要件及び期待が引き続き展開することが分かっているので、3GPPは、3Gの長期競合性を確保するために3G規格の次の主要なステップ又は展開を考慮に入れ始めている。3GPPは、研究項目「展開UTRA及びUTRAN」(E−UTRA及びE−UTRAN)をスタートした。この研究は、サービスの提供を改善し、ユーザ及びオペレータ・コストを低減するために、性能の大きな飛躍を達成するための手段を調査する。
通常、この手段は、インターネット・プロトコル(IP)の使用の方向に収束し、将来のサービスはIPにより行われると考えられている。それ故、展開の焦点は、パケット交換(PS)領域の強化にある。
この展開の主な目的は、すでに説明したように、サービスの提供をさらに改善し、ユーザ・コスト及びオペレータ・コストを低減することである。
より詳細には、長期展開のためのいくつかの重要な性能及び機能目標は下記の通りである。
・HSDPA及びHSUPAよりもかなり高速なデータ速度:目標とするピーク・データ速度は、ダウンリンク上で100Mbps、アップリンク上で50Mbps以上。
・通達範囲の改善:広い範囲の通達範囲を有する速いデータ速度。
・(例えば、TCPのような)もっと高い層のプロトコル性能の改善及び(例えば、セッション・セットアップに対する)制御プレーン手順に関連する遅延の改善についてのユーザ・プレーンでの待ち時間の有意の短縮。
・もっと大きなシステム容量:現在の規格の3倍の容量。
長期展開のもう1つの重要な要件は、これらの技術への平滑な移行ができるようにすることである。
モビリティの管理
異質のアクセス・ネットワークを含むシステム内のモビリティの管理に対して異なるプロトコルを適用することができる。一方では、アクセス・システム間のモビリティに対してグローバル・モビリティ・プロトコルを使用することができる。グローバル・モビリティ・プロトコルの周知の例は、クライアントをベースとするネットワーク層プロトコル移動IP(MIPv6)である。このプロトコルを使用した場合、モビリティは、ネットワーク層上の層に対する移動ノード上で透過的になる。一方、ローカル・モビリティ・プロトコルは、アクセス・システム間のモビリティに対して使用される。その例としては、NetLLM又はGTPがある。特に、これら2つの例は、ネットワークをベースとしている。すなわち、これらの使用は、移動ノード、特にネットワーク層に対して完全に透過的である。NetLMMは、IPをベースとしていて、基礎をなすネットワーク技術から独立している。一方、GTPは、特に3GPPネットワークのためのものであり、この技術と結合している。例えば、3GPP特定識別子に依存する。
MIPv6
RFC3755(引用によって本明細書に組み込むものとする、http://www.ietf.orgから入手することができる)内に規定されている移動IPv6を使用すれば、ホームから離れている場合でも、そのホーム・アドレスにより移動ノード(MN)にアクセスすることができる。そのため、移動ノードは、移動ノードの現在の位置についての情報を提供する気付けアドレス(CoA)と関連している。移動ノードのホーム・エージェント(HA)及び通信相手ノード(CN)は、キャッシュ内のホーム・アドレス及び気付けアドレス間の結合をセットアップし、移動ノード宛のパケットは、直接気付けアドレスに送信される。移動ノードがそのホーム・ネットワークのところに位置している場合には、移動ノードは、気付けアドレスの登録を取り消して、そのホーム・アドレスと一緒にパケットを直接受信する。
ホーム・エージェントが、ノード宛のトラフィックを傍受することができるようにするために、ネイバ発見プロトコルのプロキシ・ネイバ広告が使用される。移動IPv6により、移動ノードに対するホーム・エージェント内に結合キャッシュ・エントリが存在する場合には、ホーム・エージェントは、プロキシ・ネイバ広告を送信し、そのためホーム・エージェント近くのノードのネイバ・キャッシュ・エントリが更新され、移動ノード宛のすべてのトラフィックは、ホーム・エージェントのリンク層アドレスに送信される。
IETF(インターネット・エンジニアリング・タスク・フォース)内においては、複数のインタフェースを含む移動ノードをサポートするためにどのように移動IPv6を強化すべきかについて議論が行われている。複数のインタフェースのこの同時使用は、端末に対するサービスの品質を向上し、ネットワーク容量をより良く使用する。
移動ノード戻り「ホーム」
ホームへ戻る場合、すなわち、移動ノードのインタフェースのうちの1つが、ホーム・リンクに取り付けられた場合、技術的現状における2つの可能なアプローチについて説明する。
第1のアプローチの場合、移動ノードは、気付けアドレスとしてのそのホーム・アドレスと一緒にホーム・エージェントに結合更新を送信し、そのホーム・エージェントにそれに対するパケットをもはや傍受又はトンネルできないことを知らせるために、ホーム登録ビットをセットし、持続時間をゼロにセットする。この場合、ホーム・エージェントは、結合キャッシュから移動ノードの結合を削除し、移動ノードのためのプロキシ・ネイバ広告の送信をストップする。一方、移動ノードは、ホーム・リンク上でそれ自身のリンク層アドレスと一緒にネイバ広告の送信を開始する。そのためルータ内のネイバ・キャッシュ・エントリが変化し、すべてのトラフィックは、移動ノードに直接送信される。
第2のアプローチの場合には、移動ノードは、ホーム・リンク上のインタフェースに対する結合の登録を取り消し、インタフェースの使用をストップする。この場合、次に、登録を取り消したインタフェースに対して前に送信したすべてのトラフィックは、残りの登録したインタフェースに送信される。すなわち、ホーム・ノードが依然として接続しているフォーリン・ネットワークを通して送信される。
両方のシナリオの場合、MNはホーム・リンク及び他のリンクを同時に使用することはできない。
RFC3755(引用によって本明細書に組み込むものとするhttp://www.ietf.orgから入手することができる) Prentice Hall PTR社のAndrew S.Tanenbaumのテキストブック「Computer Networks」 http://www.ietf.orgから入手することができるChowdhury他の2006年2月付けの「Network Based Layer 3 Connectivity and Mobility Management for IPv6」 2006年6月付けの「General Packet Radio Service(GPRS)、GPRS Tunnelling Protocol(GTP) across the Gn and Gp interface」7.2.0版、3GPP TS29.060
本発明の目的は、マルチホーム移動ノードが、通信のためにホーム・ネットワーク及び少なくとも1つの他のフォーリン・ネットワークを使用することができるようにすることである。
この目的は、独立請求項の主題により達成される。有利な実施形態は従属請求項に従属する。
本発明の態様のうちの1つは、それに接続している場合に、マルチホーム移動ノードが、そのホーム・アドレスをそのホーム・ネットワーク内の気付けアドレスとして登録することができるようにすることである。別の方法としては、ホーム・ネットワーク内のネットワーク・ノードのアドレスを、マルチホーム移動ノードのホーム・エージェントの結合キャッシュ内に登録することもできる。本発明のもう1つの態様は、マルチホーム移動ノードが、マルチホーム移動ノードのホーム・アドレス、又はホーム・ネットワーク内のアドレスを含むことができるそのホーム・エージェントのところに複数の気付けアドレスを登録することができるようにすることである。
本発明の一実施形態は、複数のインタフェースを用いてホーム・リンクとフォーリンリンクを同時に使用する移動ノードあって、前記複数のインタフェースの少なくとも1つを介した前記フォーリンリンクへのアタッチを維持しつつ、他の前記インタフェースを介して前記ホーム・リンクにアタッチする通信手段を有し、前記通信手段は、前記ホーム・リンクにおける前記移動ノードのホーム・アドレスを気付けアドレスフィールドに含むバインディングアップデートメッセージを、前記移動ノードのホーム・エージェントに送信する。
また、本発明の好ましい態様として、前記バインディングアップデートメッセージは、前記移動ノードのホーム・アドレスと前記フォーリンリンクに設定された気付けアドレスとのすでに登録されている結合に加えて、前記移動ノードのホーム・アドレスと前記バインディングアップデートメッセージ内で気付アドレスとして示される前記移動ノードのホーム・アドレスとの結合を登録する。
また、本発明の好ましい態様として、前記バインディングアップデートメッセージは、前記移動ノードのバインディングエントリーを識別するバインディングユニーク識別子をさらに含む。
また、本発明の好ましい態様として、前記バインディングアップデートメッセージは、フローフィルタルールをさらに含む。
また、本発明の好ましい態様として、前記バインディングアップデートメッセージは、前記ホーム・エージェントが前記移動ノードのための近隣探索を実行するか否かに関する情報をさらに含む。
本発明の一実施形態は、複数のインタフェースを用いてホーム・リンクとフォーリンリンクを同時に使用する移動ノードあって、前記複数のインタフェースの1つを介して前記ホーム・リンクにアタッチし、前記複数のインタフェースの他の少なくとも1つを介して前記フォーリンリンクにアタッチする通信手段を有する。
本発明の一実施形態は、マルチホーム移動ノードをホーム・ネットワークに取り付けた場合に、マルチホーム移動ノードのホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードにサービスを提供しているホーム・エージェントが実行する方法に関する。ホーム・エージェントは、ホーム・ネットワーク内にあるアドレスをマルチホーム移動ノードに対する気付けアドレスとして登録するために、結合更新メッセージを受信することができる。ホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードに対する気付けアドレスとして登録されるこのアドレスは、ホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードのホーム・アドレス、又はホーム・ネットワーク内に位置するネットワーク・ノードのアドレスである。ネットワーク・ノードは、例えば、マルチホーム移動ノードの代わりに動作するプロキシであってもよい。さらに、ホーム・エージェントは、気付けアドレスとしてのアドレスをその結合キャッシュに追加する。
ホーム・エージェントの結合キャッシュにアドレスを追加すると、例えば、ホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードのホーム・アドレスに対する結合を生成することができる。さらに、ホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードに対する気付けアドレスとしてのアドレスの登録を、マルチホーム移動ノードが少なくとも1つのフォーリン・ネットワークにさらに取り付けるホーム・エージェントに表示することができる。
本発明の他の実施形態の場合には、結合更新は、そのアドレスをホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードの気付けアドレスとして登録することにより、生成した結合に割り当てられる結合の一意の識別子を含む。
本発明の他の実施形態の場合には、結合更新は、ホーム・エージェントが結合が終了したと見なす前に、残っている時間単位の数を表示する持続時間フィールドを含むことができる。この実施形態の場合には、持続時間フィールドは、ホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードに対する気付けアドレスとして登録したアドレスの結合が時間切れになっていないことを表示する。
本発明のさらに他の実施形態の場合には、結合キャッシュは、少なくとも1つのフォーリン・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードに対する少なくとも1つのもう1つの気付けアドレスを含む。
さらに、本発明の他の実施形態の場合には、ホーム・エージェントは、ホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードに対して気付けアドレスとして登録したアドレスを使用するホーム・ネットワークを通して、及び/又は結合キャッシュ内のマルチホーム移動ノードに対して登録した少なくとも1つの各フォーリン・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードの気付けアドレスを使用するマルチホーム移動ノードがさらに取り付けられる少なくとも1つのフォーリン・ネットワークを通して、マルチホーム移動ノードにネットワーク層パケットを、送信、中継又は転送することができる。
本発明のさらに他の実施形態の場合には、ホーム・エージェントは、ホーム・エージェントが維持する結合キャッシュ内のマルチホーム移動ノードに対して登録した複数の気付けアドレスのうちの少なくとも1つの気付けアドレスを使用して、マルチホーム移動ノードにネットワーク層パケットを送信又は転送することができる。
マルチホーム移動ノードにネットワーク層パケットを送信、中継又は転送するために、ホーム・エージェントは、最初に、例えば、リンク層プロトコルにより、上記の決定したリンク層アドレスにネットワーク層パケットを送信、中継又は転送するために、ホーム・エージェント内に維持しているネイバ・キャッシュからの結合キャッシュ内の気付けアドレスに関連するリンク層アドレスを決定することができる。
この実施形態の変形例の場合には、ホーム・ネットワークを通してマルチホーム移動ノードにトランスポート層パケットを転送又は送信する場合に、決定したリンク層アドレスは、ホーム・ネットワークへのそのインタフェース上のマルチホーム移動ノードのリンク層アドレスであってもよいし、又はホーム・エージェントとマルチホーム移動ノードの間のダウンリンク配信経路内の中間ノードのリンク層アドレスであってもよい。
この実施形態の他の変形例の場合には、ネットワーク層パケットは、ユーザ・プレーンのホーム・ネットワーク特定層プロトコル構造を使用して、マルチホーム移動ノードに転送又は送信される。このことは、例えば、ホーム・エージェントとマルチホーム移動ノードの間のダウンリンク配信経路内の中間ノードを介してのマルチホーム移動ノードへのネットワーク・データ・パケットの送信を含む。
さらにこの実施形態の他の変形例の場合には、ホーム・エージェントは、中間ノードのリンク層アドレスを示すメッセージを受信することができ、ホーム・エージェントは、ネイバ・キャッシュを更新することができ、それにより中間ノードのリンク層アドレスを結合更新内のアドレスに関連する登録した気付けアドレスと関連づけることができる。
本発明の他の実施形態の場合には、ホーム・エージェントは、マルチホーム移動ノードに対して登録した複数の気付けアドレスを含む結合キャッシュを維持する。この場合、複数の気付けアドレスは、結合更新内に含まれる上記アドレスを含む。さらに、ホーム・エージェントは、フィルタ・ポリシーに基づいてマルチホーム移動ノードにネットワーク層パケットを送信又は転送するために使用する1つの気付けアドレス又は複数の気付けアドレスを決定することができる。
フィルタ・ポリシーは、例えば、ユーザの優先順位、ネットワーク・オペレータの優先順位、ソース及び宛先IPアドレス、転送プロトコル番号、ソース及び宛先ポート番号、IPv6ヘッダ内のフロー・ラベル・フィールド、IPv6セキュリティ(IPsec)を使用する場合には、セキュリティ・パラメータ・インデックス(SPI)、宛先プレフィックス、気付けアドレスに関連するマルチホーム移動ノード・インタフェースのタイプ、気付けアドレスに関連する通信リンク上のリンク特性のうちの少なくとも1つを含むことができる。
さらに、この実施形態の変形例の場合には、ホーム・エージェントは、マルチホーム移動ノード、マルチホーム移動ノードの代わりに動作するプロキシ、又はホーム・ネットワーク又はフォーリン・ネットワーク内のポリシー制御ノードからフィルタ・ポリシーの少なくとも一部を受信することができる。
本発明の他の実施形態の場合には、ホーム・エージェントは、結合更新を受信した場合、マルチホーム移動ノードの代わりにプロキシ・ネイバ発見を行う。さらに、ホーム・エージェントが、ホーム・ネットワークに取り付けられているマルチホーム移動ノードの前に、マルチホーム移動ノードの代わりにプロキシ・ネイバ発見をすでに行っている場合もある。プロキシ・ネイバ発見は、例えば、マルチホーム移動ノードのリンク層アドレスとしてホーム・エージェントのリンク層アドレスの広告を含むことができる。
本発明の他の実施形態の場合には、ホーム・ネットワークへのマルチホーム移動ノードの取り付けは、ホーム・ネットワークのアクセス・システムとマルチホーム移動ノードの間のデータ交換のためのホーム・ネットワークの無線アクセス技術による通信ベアラを確立するステップを含む。通信ベアラは、例えば、ホーム・エージェントのところで結合更新を受信する前に確立することができる。
結合更新は、ホーム・ネットワーク及び/又はフォーリン・ネットワーク内の通信リンクを通して受信することができる。
本発明のある実施形態の場合には、結合更新は、マルチホーム移動ノードから受信される。
本発明の他の実施形態の場合には、結合更新は、ホーム・ネットワーク内のプロキシから受信される。例えば、プロキシは、ユーザ・プレーンのデータ配信経路又はホーム・エージェントとマルチホーム移動ノード間の制御プレーンのデータ経路内に位置することができる。
本発明のさらに他の実施形態の場合には、結合更新は、ホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードのホーム・ネットワーク処理モビリティ内のローカルモビリティ・アンカーから受信される。この実施形態の場合には、結合更新は、マルチホーム移動ノードに対する気付けアドレスとしての登録のためのローカルモビリティ・アンカーのアドレスを表示することができる。
本発明のある実施形態の場合には、ホーム・エージェントは、異なるネットワークを通して移動中、マルチホーム移動ノードに対するモビリティ・アンカーとしての働きをする。
本発明の他の実施形態は、複数のインタフェースのうちの1つのインタフェースを通してホーム・ネットワークに、複数のインタフェースのうちの少なくとももう1つを通して少なくとも1つのフォーリン・ネットワークに取り付けられているマルチホーム移動ノードにより複数のインタフェースの同時使用を可能にする方法を提供する。マルチホーム移動ノード又はマルチホーム移動ノードの代わりに動作するプロキシは、マルチホーム移動ノードがホーム・ネットワークでマルチホーム移動ノードにサービスを提供しているホーム・エージェントのところで、ホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードに対する気付けアドレスとして取り付けられているホーム・ネットワーク内のアドレスの登録を開始する。すでに説明したように、ホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードに対する気付けアドレスとして登録するアドレスは、ホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードのホーム・アドレス、又はホーム・ネットワーク内に位置するネットワーク・ノードのアドレスである。さらに、マルチホーム移動ノードに対する気付けアドレスとしてアドレスが登録されると、マルチホーム移動ノード又はそのプロキシは、ホーム・ネットワーク及び少なくとも1つのフォーリン・ネットワークを通してネットワーク層パケットを受信することができる。それ故、マルチホーム移動ノード宛のネットワーク層パケットは、そのホーム・ネットワーク及び/又は少なくとも1つのフォーリン・ネットワークを通して同じものに提供することができる。
すでに説明したように、アドレスを登録すると、ホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードのホーム・アドレスに対する結合を生成することができる。結合更新は、例えば、ホーム・ネットワーク及び/又は少なくとも1つのフォーリン・ネットワークを介して送信することができる。マルチホーム移動ノードに対する気付けアドレスとしてのホーム・ネットワーク内でのアドレスの登録は、例えば、ホーム・エージェントに結合更新を送信することにより開始することができる。
本発明のさらに他の実施形態の場合には、マルチホーム移動ノードに対する気付けアドレスとしてのホーム・ネットワーク内でのアドレスの登録は、ホーム・ネットワーク内のネットワーク・ノード又はプロキシに、マルチホーム移動ノードの代わりのホーム・エージェントに結合更新の送信を要求することにより開始することができる。
さらに、本発明の他の実施形態の場合には、マルチホーム移動ノード又はそのプロキシは、ホーム・ネットワーク内の他の通信ノードによるマルチホーム移動ノードのリンク層アドレスに対する要求を無視することができる。
本発明の他の実施形態の場合には、マルチホーム移動ノード又はそのプロキシは、ホーム・ネットワーク又はそのプロキシ内の少なくとも1つの他のノードによるマルチホーム移動ノードのリンク層アドレスに対する要求に応じて、ホーム・ネットワーク内の少なくとも1つの他の通信ノードへのホーム・エージェントのリンク層アドレスを表示することができる。
本発明の他の実施形態の場合には、マルチホーム移動ノード又はそのプロキシは、ホーム・ネットワークに取り付けた場合に、マルチホーム移動ノードの代わりにプロキシ・ネイバ発見機能を実行するためにホーム・エージェントをトリガすることができる。このことは、例えば、ホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードに対する気付けアドレスとして、ホーム・ネットワーク内でアドレスを登録するために、マルチホーム移動ノード又はそのプロキシが送信した結合更新により行うことができる。
本発明の他の実施形態の場合には、マルチホーム移動ノード又はそのプロキシは、ホーム・エージェントにフィルタ・ポリシーを送信する。ホーム・エージェントは、マルチホーム移動ノードのために登録し、ホーム・ネットワーク内のアドレスを含む複数の気付けアドレスのうちのどれが又はその一部が、マルチホーム移動ノードにトランスポート層パケットを送信又は転送するのに使用されるのかを判断するために、フィルタ・ポリシーを使用することができる。
本発明の他の実施形態の場合には、ホーム・ネットワーク内に位置するプロキシ及び/又は上記ネットワーク・ノードは、ホーム・ネットワーク内のホーム・エージェントとマルチホーム移動ノード間のデータ配信経路上に位置する。
さらに、ホーム・ネットワーク内に位置するネットワーク・ノードは、同様にマルチホーム移動ノードの代わりに動作するプロキシと同じネットワーク・ノード又は機能エンティティであってもよいことに留意されたい。
一般に、フォーリン・ネットワーク又はホーム・ネットワークは、例えば、3GPPをベースとするネットワーク、非3GPPをベースとする無線ネットワーク、WiMAXネットワーク、Bluetoothネットワーク、無線パケット交換ネットワーク、又は固定パケット交換ネットワークのうちのいずれかであってもよい。アドレス、ホーム・アドレス及び気付けアドレスは、例えば、IPv6アドレスのようなネットワーク層アドレスであってもよい。それ故、本発明のある実施形態の場合には、ネットワーク層は、IPv6プロトコルにより実施され、少なくともマルチホーム移動ノード及びホーム・エージェントは、モバイルIPv6プロトコルを実施する。
本発明の他の実施形態は、マルチホーム移動ノードをホーム・ネットワークに取り付けた場合に、マルチホーム移動ノードのホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードにサービスを提供するホーム・エージェントに関する。ホーム・エージェントは、マルチホーム移動ノードに対する気付けアドレスとして、ホーム・ネットワーク内にアドレスを登録するために結合更新を受信するための受信機を含むことができる。ホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードに対する気付けアドレスとして登録するこのアドレスは、例えば、ホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードのホーム・アドレスであってもよいし、又はホーム・ネットワーク内に位置するネットワーク・ノードのアドレスであってもよい。さらに、ホーム・エージェントは、ホーム・エージェントが維持する結合キャッシュに、気付けアドレスとして、マルチホーム移動ノードのホーム・アドレス、又はホーム・ネットワーク内に位置するネットワーク・ノードのアドレスを追加するために、プロセッサのような処理手段を含むことができる。
本発明の他の実施形態の場合には、ホーム・エージェントは、本明細書に記載する種々の実施形態及びその変形例のうちの1つにより、ホーム・エージェントが実行する方法のステップを実行するように構成される。
さらに、本発明の他の実施形態は、複数のインタフェースのうちの1つのインタフェースを通してホーム・ネットワークに、複数のインタフェースのうちの少なくとももう1つのインタフェースを通して少なくとも1つのフォーリン・ネットワークに取り付けられているマルチホーム移動ノードにより複数のインタフェースの同時使用を可能にするマルチホーム移動ノードに関する。マルチホーム移動ノードは、ホーム・ネットワーク内でマルチホーム移動ノードにサービスを提供しているホーム・エージェントのところで、ホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードに対する気付けアドレスとして、マルチホーム移動ノードが取り付けられているホーム・ネットワーク内でのアドレスの登録を開始するための処理手段を備えることができる。ホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードに対する気付けアドレスとして登録するこのアドレスは、例えば、ホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードのホーム・アドレス、又はホーム・ネットワーク内に位置するネットワーク・ノードのアドレスであってもよい。さらに、マルチホーム移動ノードは、マルチホーム移動ノードに対する気付けアドレスとしてアドレスを登録した場合に、ホーム・ネットワーク及び少なくとも1つのフォーリン・ネットワークを通してネットワーク層パケットを受信するための受信機を有することができる。
本発明の他の実施形態によるマルチホーム移動ノードは、さらに、本明細書に記載する種々の実施形態及びその変形例のうちの1つにより、マルチホーム移動ノードによる複数のインタフェースの同時使用を可能にする方法のステップを実行するために動作することができる。
さらに、本発明の他の実施形態は、複数のインタフェースのうちの1つのインタフェースを通してホーム・ネットワークに、複数のインタフェースのうちの少なくとももう1つのインタフェースを通して少なくとも1つのフォーリン・ネットワークに取り付けられているマルチホーム移動ノードにより複数のインタフェースの同時使用を可能にするためのマルチホーム移動ノードのプロキシを提供する。このプロキシは、ホーム・ネットワーク内でマルチホーム移動ノードにサービスを提供しているホーム・エージェントのところで、ホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードに対する気付けアドレスとして、マルチホーム移動ノードが取り付けられているホーム・ネットワーク内でのアドレスの登録を開始するための処理手段と、マルチホーム移動ノードに対する気付けアドレスとしてアドレスが登録された場合に、ホーム・ネットワークを通してネットワーク層パケットを受信するための受信機とを備えることができる。ホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードに対する気付けアドレスとして登録するこのアドレスは、例えば、ホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードのホーム・アドレスであってもよいし、又はホーム・ネットワーク内に位置するネットワーク・ノードのアドレスであってもよい。
本発明の他の実施形態の場合には、プロキシは、さらに、本明細書に記載する種々の実施形態及びその変形例のうちの1つにより、マルチホーム移動ノードによる複数のインタフェースの同時使用を可能にする方法のステップを実行するために動作することができる。
さらに、本発明の他の実施形態は、マルチホーム移動ノードをホーム・ネットワークに取り付けた場合に、マルチホーム移動ノードのホーム・ネットワーク内でマルチホーム移動ノードにサービスを提供するホーム・エージェントのプロセッサにより実行した場合に、ホーム・エージェントに、マルチホーム移動ノードに対する気付けアドレスとしてホーム・ネットワーク内にアドレスを登録するための結合更新を受信させる命令を格納しているコンピュータ読み取り可能媒体に関する。この場合、ホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードに対する気付けアドレスとして登録するアドレスは、ホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードのホーム・アドレスであってもよいし、又はホーム・ネットワーク内に位置していて、ホーム・エージェントにより維持されている結合キャッシュへの気付けアドレスとしてアドレスに追加するネットワーク・ノード・アドレスであってもよい。
本発明の他の実施形態の場合には、コンピュータ読み取り可能媒体は、さらに、ホーム・エージェントのプロセッサにより実行した場合に、本明細書に記載する種々の実施形態及びその変形例のうちの1つにより実行する方法のステップをホーム・エージェントに実行させる命令を格納する。
他の実施形態は、マルチホーム移動ノード又はマルチホーム移動ノードの代わりに動作しているプロキシのプロセッサにより実行した場合に、マルチホーム移動ノード又はプロキシに、ホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードに対する気付けアドレスとして登録するアドレスが、ホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードのホーム・アドレス、又はホーム・ネットワーク内に位置するネットワーク・ノードである場合に、ホーム・ネットワーク内でマルチホーム移動ノードにサービスを提供しているホーム・エージェントのところで、ホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードに対する気付けアドレスとして、マルチホーム移動ノードが取り付けられているホーム・ネットワーク内でのアドレスの登録を開始することにより、またマルチホーム移動ノードに対する気付けアドレスとしてアドレスを登録した場合に、ホーム・ネットワーク及び少なくとも1つのフォーリン・ネットワークを通してネットワーク層パケットを受信することにより、複数のインタフェースのうちの少なくともインタフェースを通して、ホーム・ネットワークに、複数のインタフェースのうちの他のインタフェースを通してホーム・ネットワークに、複数のインタフェースの少なくとも他の1つのインタフェースを通して少なくとも1つのフォーリン・ネットワークに取り付けられているマルチホーム移動ノードにより複数のインタフェースの同時使用を可能にする命令を格納しているコンピュータ読み取り可能媒体を提供する。
本発明の他の実施形態の場合には、コンピュータ読み取り可能媒体は、さらに、マルチホーム移動ノードのプロセッサ又はマルチホーム移動ノードの代わりに動作するプロキシにより実行した場合に、本明細書に記載する種々の実施形態及びその変形例のうちの1つによりマルチホーム移動ノード又はプロキシが複数のインタフェースの同時使用を可能にするための方法のステップを実行させる命令を格納する。
以下に添付の図面を参照しながら本発明をさらに詳細に説明する。同じ参照番号は、図面内の類似の又は対応する詳細を示す。
マルチホーム移動ノードが、マルチホーム移動ノードのホーム・ネットワーク内のそのホーム・エージェントのところで、複数の気付けアドレスを登録した例示としてのネットワークを示す。 マルチホーム移動ノードが依然としてフォーリン・ネットワークに接続しているが、ホームに戻った場合のマルチホーム移動ノードの結合キャッシュ内のすべての結合を除去した例を示す。 本発明の例示としての実施形態によるホーム・エージェントの結合キャッシュのところで複数の気付けアドレスを登録しているマルチホーム移動ノードの例を示す。この場合、気付けアドレスは、ホーム・アドレス・ローカル・アドレスを含む。 本発明の一実施形態により本発明を実施することができる例示としてのシステム・アーキテクチャのより詳細な概観である。 本発明のある実施形態による例示としての結合更新メッセージを示す。 本発明のある実施形態による図5の結合更新メッセージに含ませることができる例示としての結合の一意の識別サブオプションである。 本発明の例示としての実施形態によるSAEアンカー/ホーム・エージェントのところの例示としての結合キャッシュである。 本発明の例示としての実施形態によるSAEアンカー/ホーム・エージェントが維持する例示としてのネイバ・キャッシュである。 本発明の例示としての実施形態によるSAEアンカー/ホーム・エージェントが維持する例示としてのルーティング・テーブルである。
本発明の種々の実施形態について以下に説明する。上記背景技術の部分で説明したLTEにより、(展開した)UMTS通信システムに関連して、大部分の実施形態について概略説明するが、これは単に例示としてのものに過ぎない。本発明は、例えば、すでに説明したLTE UMTS通信システムのような移動通信システムと一緒に有利に使用することができるが、本発明は、この特定の例示としての通信ネットワーク内の使用に限定されない。
それ故、同様に、本明細書で使用する専門用語は、主として移動IPv6の標準化の際に3GPP及びIETFが使用する専門用語に基づいている。しかし、LTE(UMTS)アーキテクチャ及び移動IPv6に関連する実施形態の専門用語及び記述は、本発明の原理及びアイデアをこのようなシステム及びこのプロトコルだけの使用に限定するものではない。
上記技術的背景内の説明は、本明細書に記載する大部分のLTEの特定の例示としての実施形態をよりよく理解してもらうためのものであり、本発明を移動通信ネットワーク内のプロセス及び機能の上記特定の実施態様に限定されるものと解釈すべきではない。しかし、本明細書で提案する改善は、技術的背景内に記載するアーキテクチャ/システムで容易に適用することができ、本発明のいくつかの実施形態においても、これらアーキテクチャ/システムの標準及び改善手順を使用することもできる。
定義
下記の説明においては、本明細書において頻繁に使用するいくつかの用語の定義について説明する。
ネットワーク・ノード又は移動ノードは、ネットワーク内の物理エンティティである。1つのノードは、いくつかの機能エンティティを有することができる。機能エンティティとは、ノード又はネットワークの他の機能エンティティに所定の一組の機能を実施及び/又は提供するソフトウェア又はハードウェア・モジュールである。ノードは、ノードをノードが通信することができる通信施設又は媒体に取り付ける1つ又は複数のインタフェースを有することができる。同様に、ネットワーク・エンティティは、機能エンティティを他の機能エンティティ又はノードと通信することができる通信施設又は媒体に取り付けている論理的インタフェースを有することができる。
ノード又はネットワーク・エンティティのアドレスは、永続的又は一時的な有効期間のノード又はネットワーク・エンティティのグローバル又はサイト・ローカル識別子である。通常、本明細書に記載する実施形態のうちのあるものの場合には、アドレスは、ネットワーク層アドレスである。すなわち、OSI参照モデルのネットワーク層上のノード及びネットワーク・エンティティの識別のために使用される(例えば、引用によって本明細書に組み込むものとする、Prentice Hall PTR社のAndrew S.Tanenbaumのテキストブック「コンピュータ・ネットワーク」(Computer Networks)の1/4章参照)。層3のネットワーク層は、通常、1つ又は複数のネットワークを介してソースから宛先に可変長パケットを転送するための機能的及び手順的手段を提供する。本発明のある実施形態の場合には、アドレスは、IP−over−IPトンネル又はGTPトンネルのような第1のネットワーク・ノード/機能エンティティ及び第2のネットワーク・ノード/機能エンティティ間のトンネル・エンドポイントを識別する。
通常、ホスト又はネットワーク・ノードのインタフェースには、1つのアドレスが割り当てられる。しかし、同様に、1つのインタフェースに複数のアドレスを割り当てることもできる。さらに、複数のネットワーク・エンティティを備えるネットワーク・ノードの場合には、アドレスをネットワーク・エンティティの論理的インタフェースと関連づけることができる。
ホーム・アドレスは、移動ノードのパーマネント・アドレスとして使用される移動ノードに割り当てられたアドレスである。このアドレスは、移動ノードのホーム・ネットワーク内に位置する。移動ノードは、例えば、複数のホーム・ネットワーク又は移動ノードが、1つのホーム・ネットワーク内に複数のホーム・アドレスを有することができる場合に、複数のホーム・アドレスを有することができる。
気付けアドレスは、フォーリン・ネットワークを訪問している間に、移動ノードと関連するアドレスである。移動ノードは、同時に1つ又は複数の気付けアドレスを有することができる。
移動ノードのホーム・ネットワークは、通常、移動ノードが移動ノードの所与のホーム・アドレスに対してその気付けアドレスを登録するホーム・エージェントの位置により識別される。
本発明のある実施形態の場合には、IPv6プロトコルは、ネットワーク層上で使用される。この場合、アドレスは、他のIPv6サブネットからそこに送信されたパケットがもっと低い層のリンクを介してそのアドレスにより識別されたインタフェースに送られるように、ホスト又はネットワーク・エンティティの1つの(論理的)インタフェースに対する識別子である。
ホーム・エージェントは、ルータ又はそれにより移動ノードが、その現在の気付けアドレスを登録する移動ノードのホーム・ネットワーク上のルーティング機能を提供する機能エンティティである。移動ノードがホームから離れている間、ホーム・エージェントは、移動ノードのホーム・アドレス宛のホーム・リンク上のパケットを傍受することができ、それらをカプセル化することができ、それらを移動ノードの登録した気付けアドレスのうちの1つ又はいくつかにトンネルすることができる。
結合は、その移動ノードに対する気付けアドレスを含む移動ノードのホーム・アドレスの関連である。本発明のある実施形態の場合には、(結合一意識別子とも呼ぶ)その関連及び/又は結合一意識別(BID)番号の残りの持続時間も、結合の一部と見なされる。結合一意識別番号は、移動ノードが登録した複数の結合を区別するために使用される識別番号である。異なるBIDを割り当てることにより、移動ノードは、結合の重複を回避しながら、所与の移動ノード(ホーム・アドレス)に対する複数の結合を登録することができる。
結合は、移動ノード又はプロキシが、移動ノードのホーム・エージェント(又は通信相手ノード)に結合更新を送信して、移動ノードに対する結合を登録させているプロセスを示す登録により生成される。結合は、例えば、結合キャッシュ内に格納することができる。
マルチホーム移動ノードは、その間で選択するためのいくつかのアドレスを有する移動ノードである。例えば、マルチホーム移動ノードは、複数のインタフェースを有することができ、同時にいくつかのアクセス・ネットワークに接続することができる。
各ネットワークは、少なくとも1つの番号により識別される。この番号により、ネットワーク内のノードへパケットをルーティングすることができる。さらに、この番号は、ネットワーク内のノードが使用することができる識別子のプールを示す。ネットワーク内のあるアドレスは、識別子のプールからの識別子である。例えば、IPv6の場合には、ネットワークの数は、IPv6プレフィックスであり、ネットワーク内のアドレスは、IPv6プレフィックス及びIPv6ホスト部分からなるIPv6アドレスである。
例えば、ホーム・ネットワーク及びフォーリン・ネットワークのような異なるネットワークにおいては、異なるアドレスが使用される。
(発明の概観)
すでに説明したように、移動IPv6プロトコルの場合には、フォーリン・ネットワークへのリンク、及び移動ノードのホーム・ネットワークへのリンクを同時に使用することはできない。移動ノードが、ホーム・エージェントに結合更新を送信することによりホーム・ネットワーク内に登録した場合には、ホーム・エージェントは、結合キャッシュからのすべての結合を廃棄する。さらに、ホーム・エージェントは、移動ノードのためのプロキシ・ネイバ発見の実行をストップする。それ故、マルチホーム移動ノードが、ホームに戻る際に通信のためにフォーリン・ネットワークへの他のリンクを使用することができない場合には(すなわち、ホーム・ネットワークのアクセス・ネットワークへ取り付けている場合には)、移動ノードの通常2つのオプションを有する。すなわち、移動ノードが、それに取り付けた後でホーム・ネットワークへのそのリンクを独占的に使用するか、又は別の方法としては、フォーリン・ネットワーク内のその気付けアドレスを使用して、移動ノードにすべてのトラフィックを依然としてルーティングするように、ホーム・エージェントのところでそれ自身を登録することができないかである。すなわち、フォーリン・ネットワークを通して独占的に使用するかである。
本発明の1つの態様及び実施形態によれば、移動ノード(又は移動ノードの代わりに動作するプロキシ)は、マルチホーム移動ノードがホーム・ネットワークに接続した場合、又はホーム・ネットワークに接続された場合、ホーム・エージェントのところでマルチホーム移動ノードに対する気付けアドレスとしてホーム・ネットワーク内にアドレスを登録することを示唆している。マルチホーム移動ノードに対する気付けアドレスとして登録したホーム・ネットワーク内のアドレスは、例えば、ホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードのホーム・アドレスであってもよいし、マルチホーム移動ノードの代わりに動作するプロキシのアドレス、又は他のネットワーク・ノードのアドレス、又はホーム・エージェントとマルチホーム移動ノードの間のデータ配信経路内に位置するホーム・ネットワーク内の機能エンティティのアドレスであってもよい。
例えば、移動IPv6を使用した場合には、現在RFC3775が規定している移動IPv6プロトコルにより許可されていない気付けアドレスとして移動ノードのホーム・アドレスをホーム・エージェントが登録することができるようにするために、プロトコルを拡張しなければならない場合がある。さらに、本発明のある実施形態の場合には、ホーム・エージェントは、さらに、移動ノードのためのプロキシとして動作することができ、また移動ノードがそのホーム・ネットワークに接続/取り付けられている状態で、移動ノードのためのプロキシ・ネイバ発見を行うことができる。
いくつかのリンク(移動ノードのホーム・ネットワークへのリンクを含む)を使用することができるようにするために、本発明の他の態様及び実施形態は、ホーム・エージェントの結合キャッシュ内に2つ以上の気付けアドレスの登録を可能にする方法に関する。
移動ノードの個々の結合を区別するために、本発明の一実施形態は、結合キャッシュ内の個々の結合の管理(例えば、追加、削除、更新等)ができるようにするために、個々の結合又は結合のグループに関連する結合の一意の識別番号の導入を予見している。この目的のために、本発明の他の実施形態は、RFC3775が規定している移動IPv6プロトコルの強化結合更新メッセージを示唆している。
図3は、本発明のこれらの態様を強調するために使用する例示としてのネットワークの概観を示す。マルチホーム移動ノードは、フォーリン・ネットワーク#1と接続していて、そのホーム・ネットワークに取り付けられている。例示として説明するために、ホーム・ネットワーク及びフォーリン・ネットワークは、両方とも、インターネット又はパケット・データ・ネットワーク(PDN)のような1つの他のパケット交換ネットワーク又は複数の他のパケット交換ネットワークを通して相互に接続している。図3の例示としての実施形態の場合には、モビリティ管理プロトコル(例えば、移動IPv6など)を実施しているマルチホーム移動ノードは、フォーリン・ネットワーク#1からそのホーム・ネットワークに移動中である。
ホーム・ネットワークは、またホーム・ネットワークに特有であり、同じタイプのネットワーク間及び/又はホーム・ネットワークのアクセス・システム内のモビリティを処理する他のモビリティ管理プロトコルを含むことができることに留意されたい。しかし、このことは、本発明の原理にとって本質的なものではない。
さらに、この例の場合、移動ノードは、(気付けアドレスを使用する)フォーリン・ネットワークを通してデータ・パケットを移動ノードにルーティングするために使用されるホーム・ネットワーク内でそのサービスを提供しているホーム・エージェントのところで気付けアドレスを登録済みであると仮定する。
ホーム・ネットワークに取り付けた後で(すなわち、例えば、ホーム・ネットワークのアクセス・ネットワークへのようなホーム・ネットワークへの接続性を確立した後で)、移動ノードは、通信のための他のリンクを通してフォーリン・ネットワークへの接続性を維持したいと考える。それ故、ホーム・エージェントのところで(すべての)その気付けアドレスの登録を取り消す結合更新を送信する代わりに、マルチホーム移動ノードは、ホーム・ネットワーク内の気付けアドレスとして、(ホーム・ネットワーク内の)移動ノードのホーム・アドレスを登録することを、ホーム・エージェントに要求するホーム・エージェントに結合更新を送信する。別の方法としては、結合更新を、同様に、マルチホーム移動ノードのためのホーム又はフォーリン・ネットワーク内のプロキシ・ノードにより送信することもできる。それ故、結合更新を、それが接続しているホーム・ネットワーク又はフォーリン・ネットワークを通してホーム・エージェントに送ることができる。さらに、すでに説明したように、同様に、マルチホーム移動ノードのホーム・アドレス以外のホーム・ネットワーク内の他のアドレスも、マルチホーム移動ノードの気付けアドレスとして登録することができる。例えば、マルチホーム移動ノードの代わりに動作するホーム・ネットワーク内のプロキシのアドレスを、本発明の他の実施形態により登録することができる。
ホーム・エージェントは、結合更新を受信した場合結合キャッシュを更新する。例示としてのための図3に示すように、気付けアドレスとしてのマルチホーム移動ノードの登録を示す新しい結合が、ホーム・エージェントの結合キャッシュに追加される。マルチホーム移動ノードの気付けアドレスを登録するための結合更新は、マルチホーム移動ノードの個々の結合を区別し、及び/又は識別するためのBIDを含むことができる。マルチホーム移動ノードのホーム・アドレス又は(例えば、アドレス・プレフィックスにより)気付けアドレスとしてのホーム・ネットワーク内のアドレスの登録を検出することにより、ホーム・エージェントは、マルチホーム移動ノードに対する結合キャッシュ・エントリから、マルチホーム移動ノードがホーム・ネットワークに接続していること、及び同時にもう1つのフォーリン・ネットワークに接続していることをさらに認識することができる。
マルチホーム移動ノードに対する新しい結合を登録した後で(例えば、ホーム・アドレスが、ホーム・ネットワーク内の気付けアドレスとして登録されている)、ホーム・エージェントは、ホーム・ネットワーク又はフォーリン・ネットワークを通してマルチホーム移動ノード宛のデータ・パケットにルーティングを行うことができる。データ配信のためにどのネットワークを選択するのかは、例えば、ホーム・エージェントのところでフィルタ規則又はポリシーに基づいて決定することができる。
この実施形態の変形例の場合には、ホーム・エージェントは、ホーム・ネットワーク内でネイバ発見に関連するマルチホーム移動ノードに対するプロキシとして動作することができる。このことは、マルチホーム移動ノードのネットワーク層アドレス宛のデータ・パケットが、ホーム・エージェントのリンク層アドレスに転送されるように、要求しているノード又はエンティティへのそれ自身のリンク層アドレスを表示することにより、マルチホーム移動ノード・リンク層アドレスに対する要求に答えることを意味する。この実施形態の他の変形例の場合には、マルチホーム移動ノードの代わりに動作しているプロキシは、ホーム・ネットワーク内に気付けアドレスを登録した場合、マルチホーム移動ノードのためにネイバ発見機能を実行する。上記変形例と同様に、プロキシは、マルチホーム移動ノードのリンク層アドレスに対する要求に応答している間に、ホーム・エージェントのリンク層アドレスを提供する。
一般に、移動ノードのホーム・アドレス、又はホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードに対する気付けアドレスとしてのホーム・ネットワーク内のアドレスの登録は、そのホーム・ネットワークばかりでなく、潜在的な他の(フォーリン)ネットワークを通して、移動ノードがデータを受信できるようにするためにそれだけで十分な場合がある。
しかし、本発明のある実施形態の場合には、そのホーム・ネットワークを通して移動ノード宛のデータ・パケットの正しいルーティングを確実に行うために、ホーム・ネットワーク内での適当な手段の予見をさらに確実に行えるようにする必要がある。本発明のこれらの実施形態の場合には、ホーム・ネットワークを通してマルチホーム移動ノードへデータ・パケットを配信するために、マルチホーム移動ノード宛のユーザ・プレーンのデータ・パケットの配信経路の更新を予見できる。配信経路のこの更新は、例えば、ルーティング又はスイッチング・エンティティを適当に操作することにより、ホーム・ネットワーク内のルーティングを更新することにより行うことができる。
例示としてのネットワーク・アーキテクチャの概観
図4は、本発明を実施することができる例示としてのネットワーク・アーキテクチャの概観である。この例の場合、マルチホーム移動ノード406のホーム・ネットワークは、3GPP展開パケット・コア・ネットワーク400のようなコア・ネットワーク、及びLTE無線アクセス・ネットワーク(RAN)401のような無線アクセス・ネットワークに分かれている。無線アクセス・ネットワークにおいては、強化ノードBのような複数の基地局を、エア・インタフェースを介して、移動ノードに接続性を提供するために使用することができる。
3GPP展開パケット・コア・ネットワーク400は、展開3GPPアーキテクチャ内の機能エンティティであるアクセス・システム間アンカー(IASA)を備える。このエンティティは、SAEアンカー402及び3GPPアンカー403に論理的に分割することができる。図4には、IASAは図示していないが、その機能エンティティ(SAEアンカー402及び3GPPアンカー403)は図示してある。IASAは、例えば、下記の機能を実行することができる。
・パケット・ルーティング及び転送
・モビリティ管理信号又はPDNアクセス制御(オプション)に対する認証、許可及びキー管理
・ポリシー及び課金実行機能(PCEF)
・オンライン又はオフライン課金システムのための課金情報の収集
・3GPPアクセス及び非3GPPアクセス間のモビリティに対するモビリティ・アンカー
・PDNアドレス・スペースからのIPアドレス割当てを含むPDNへのゲートウェイ機能
・3GPPアクセス・システム間モビリティ・アンカー(オプション)
SAEアンカー402は、3GPPアクセス・システムと非3GPPアクセス・システム間のモビリティのためのユーザ・プレーンをアンカーする機能エンティティである。この例示としての実施形態の場合には、ホーム・エージェントは、マルチホーム移動ノード406のSAEアンカー402と並置されている。すなわち、ホーム・エージェント機能又はSAEアンカー402の機能エンティティを備え、ホーム・エージェントは、1つのネットワーク・ノード内に位置する。
3GPPアンカー403は、2G/3Gアクセス・システムとLTEアクセス・システムとの間のモビリティのためのユーザ・プレーンをアンカーする機能エンティティであり、それ故、同様に無線アクセス・ネットワークに取り付けられている移動ノード宛の及び/又はから受信したデータ・パケットのルーティングを行うこともできる。3GPPアンカーは、LTE RANに取り付けられている移動ノードから/へのユーザ・プレーン・トラフィックに対するアンカーであると仮定する。
さらに、コア・ネットワークは、少なくとも1つのモビリティ管理エンティティ404を備える。モビリティ管理エンティティ(MME)は、移動ノード(3GPP用語においてはUEと呼ばれる)に対するコンテキスト情報を管理し、格納する。例えば、アイドル状態にある場合には、UE/ユーザ・アイデンティティ、UEモビリティ状態、ユーザ・セキュリティ・パラメータは、MMEのコンテキスト内に維持される。MMEは、さらに、一時識別子を生成し、それら識別子を移動ノード/UEに割り当てることができる。MMEは、さらに、移動ノード/UEが追跡エリア(TA)上又は公衆陸上移動ネットワーク(PLMN)上にキャンプできる否かの許可をチェックし、ユーザの認証を行うこともできる。それ故、主なMME機能は下記のように要約することができる。
・UE制御プレーン・コンテキストの管理及び格納
・LTE RAN内でのUEのモビリティの管理
・認証、許可(PLMN,TA)及びキー管理
さらに、コア・ネットワークは、さらに、1つ又は複数のユーザ・プレーン・エンティティ404を備える。ユーザ・プレーン・エンティティ(UPE)は、アイドル状態のUEに対するダウンリンク・データ経路を終端し、ダウンリンク・データがUEに対して到着した場合、ページングをトリガ/開始する。UPEは、例えば、IPベアラ・サービスのパラメータ、又はネットワーク内部ルーティング情報のようなUEコンテキストを共通に管理し、格納する。UPEは、傍受の場合にはユーザ・トラフィックを複製する。それ故、主なUPEの機能は、下記の通りである。
・パケット・ルーティング及び転送
・ユーザ・プレーン・トラフィックに対する暗号化の終了
・IPヘッダ圧縮
・ユーザ・プレーンに対するeNodeB間モビリティ・アンカー
3GPPアンカーに割り当てられた機能は、MME及び/又はUPE及び/又はSAEアンカーにも配信することができることに留意されたい。
本発明の他の実施形態は、さらに、図4のアーキテクチャ内の局所化したモビリティ管理スキームの統合を予見する。マルチホーム移動ノードからのアクセス・ネットワーク内にモビリティを隠すために、ネットワークをベースとする局所化したモビリティの管理を使用することができる。ネットワークをベースとする局所化したモビリティ(NetLMMとも呼ばれる)をサポートしているプロトコルにより、移動ノードは、局所化したモビリティ領域内を移動し、ネットワーク層の変更を認識しないで、継ぎ目のない通信を維持しながら、この領域内での取り付け点を変更することができる。
通常、2つのプロトコル・エンティティが、NetLMM、移動アクセス・ゲートウェイ(MAG)、及びローカルモビリティ・アンカー(LMA)に対して定義される。さらに、MAGとLMAとの間で交換する定義済みの一組のメッセージも使用することができる。一緒に、これらの仕様は、モビリティ・イベントをネットワーク層のところで移動ノードに対して透過的にすることができる。例えば、移動ノードが、あるMAGから他のMAGにハンドオーバした場合に、新しいMAGは、LMAに移動ノードの新しい位置を知らせるためにLMAに位置登録を送信する。
ローカルモビリティ・アンカー(LMA)は、例えば、ルータ又は複数の移動アクセス・ゲートウェイへの接続を終端し、NetLMM(ネットワークをベースとする局所化モビリティ管理)システム内を移動する移動ノードに対するモビリティ要求をサービスし、NetLMMプロトコルの交換に参加するルーティング機能を提供するネットワーク・ノード内の機能エンティティであってもよい。
それにより、LMAは、移動ノードがNetLMMインフラストラクチャ内を移動している間に、移動ノードのアドレスへ到着できる状態を維持することができる。LMAは、さらにその識別子により移動ノードをそのアドレス情報に関連づけ、移動ノードをそのサービスを提供しているMAG及びLMAとMAG間の関係に関連づける一組のマッピングを含む移動ノードに対する転送情報を維持することができる。NetLMMインフラストラクチャ内には1つ又は複数のLMAが存在する場合がある。
移動アクセス・ゲートウェイ(MAG)は、移動ノードが自分自身を取り付けている特定のリンク層技術を終端するデバイス又はその内部の機能エンティティ内に埋設されているルータである。MAGは、接続のMAGの一方の端部を1つ又は複数のローカルモビリティ・アンカーに終端し、NetLMMプロトコル交換に参加する。通常、MAGは、移動ノードが、NetLMMインフラストラクチャ内で第1のホップ・ルータに取り付けられているルータ/ルーティング・エンティティである。MAGは、リンク層が提供するある特定のリンクを通して移動ノードに接続することができるが、NetLMMインフラストラクチャは、使用しているリンク層技術について寛容である。各MAGは、MAGとLMAとの間のNetLMMプロトコル・メッセージ通信内で使用されるそれ自身の識別子を有する。リンク層の特定の機能及びNetLMM機能間の重要なインタフェースはMAG上に常駐する。NetLMMインフラストラクチャ内には複数のMAGが存在する場合がある。
展開3GPPアーキテクチャ内でのネットワークをベースとする局所化モビリティ管理の適用方法、及びNetLMMを異なる3GPPエンティティにマッピングする方法についてはいくつかの可能性がある。例えば、
・LMAは、SAEアンカーと並置することができる。この場合、LMAは、ホーム・エージェントから分離していてもよいし、又はホーム・エージェントと結合していてもよい。
・LMAは、3GPPアンカーと並置することもできる。
・MAGは、(LMAがSAEアンカーと並置している場合には)3GPPアンカーと並置することができる。
・MAGは、(LMAが3GPPアンカー又はSAEアンカーと並置している場合には)UPEと並置することができる。
・MAGは、(LMAが3GPPアンカー又はSAEアンカーと並置している場合には)MMEと並置することができる。
気付けアドレスの登録
結合更新のフォーマット
本発明の例示としての実施形態によれば、結合更新(BU)メッセージは、それ自身に対する新しい気付けアドレスと他のノードに通知するために移動ノードにより使用される。本発明のある態様によれば、結合更新は、移動ノードがそのホーム・ネットワークに取り付けられている場合でも、移動ノードのホーム・アドレスを気付けアドレスとして表示することもできる。必要な場合には、登録のBIDを含む一意の結合識別子サブオプションを結合更新に含ませることができる。
ある例示としての実施形態の場合には、MIPv6は、モビリティ管理のために使用される。この実施形態の場合には、結合更新は、RFC3775、6.1.7節に規定されている結合更新類似のものであってもよい。図5は、MIPv6内に定義されている結合更新の構造を示す。
マルチホーム移動ノードの気付けアドレスは、例えば、IPv6ヘッダ内のソース・アドレス・フィールドにより、又は存在する場合には、別の気付けアドレス・オプションにより指定することができる。標準MIPv6とは対照的に、結合更新は、気付けアドレスが既存の結合キャッシュ・エンティティ内にホーム・アドレスとして表示されている場合には、暗黙には廃棄されない。
本発明の一実施形態の場合には、ホーム・エージェントは、結合更新を受信した場合、移動ノードに対する前に登録した任意の結合を除去しない。この実施形態の場合には、ホーム・エージェントは、結合キャッシュから前の結合を削除しないで受信した各結合を登録することができる。それ故、マルチホーム移動ノードに対して複数の結合が可能である(すなわち、気付けアドレス登録が可能である)。
マルチホーム移動ノードの結合を管理するために、ホーム・エージェントは、例えば、明示の要求を受信した場合、又は1つの結合/複数の結合の持続時間が切れた場合、個々の結合(又はすべての結合)を削除することができる。このことは、例えば、結合更新に含まれている気付けアドレスが新しい結合を登録しているか否かを表示するか、又は表示のアドレスに対応する結合の削除を要求しているか否かを表示する結合更新に、追加フラグを追加することにより実施することができる。他の例示としての実施態様の場合には、結合更新メッセージは拡張されないが、気付けアドレスの登録は、気付けアドレスを再度「登録」し、持続時間フィールドをゼロ又は結合キャッシュからの結合の削除が必要であることを表示している任意の値にセットすることにより削除される。
別の方法としては、本発明の他の実施形態の場合には、MIPv6から分かった結合更新を、一意の結合識別子サブオプションにより拡張することができる。さらに、任意選択として、BIDサブオプションを、結合肯定応答メッセージ、結合リフレッシュ要求メッセージ又はエラー・メッセージに含ませることができる。
図6は、本発明のある例示としての実施形態によるBIDサブオプションを示す。この例示としてのサブオプションは、MIPv6プロトコルの上記メッセージのうちの1つに追加することができる。より詳細には、BIDサブオプションは、例えば、結合更新へのモビリティオプション(図5参照)として追加することができる。
BIDサブオプションのタイプ値は、BIDサブオプションが結合更新に含まれていることを示すようにセットされる。長さ値は、サブオプション内のCフラグがセットされているか否かを表示するように異なる値にセットすることができる。この値が4にセットされている場合には、Cフラグのセットが解除される。この値が20にセットされている場合には、Cフラグがセットされる。
結合一意ID(BID)は、このサブオプションと一緒に結合更新内で運ばれる結合に割り当てられた識別子を含む。例えば、BIDは、16ビットの符号を持たない整数であってもよい。
BIDサブオプションが、結合更新に含まれている場合には、優先順位/状態フィールドは、各結合に割り当てられた優先順位フィールドを示す。受信機は、マルチホーム移動ノードへマルチホーム移動ノード宛のデータ・パケットを配信する目的でどの結合を使用すべきかを決定するために、この優先順位を使用することができる。例えば、優先順位/状態は、8ビットの符号のない整数であってもよい。ゼロの値は、例えば、決定の優先順位が割り当てられていないことを表示することができる。この値が高ければ高いほど、決定の優先順位は高くなる。さらに、優先順位/状態フィールドの存在は、オプションとすることができることに留意されたい。
結合一意識別子が結合肯定応答メッセージに含まれている場合には、優先順位/状態フィールドは、バルク登録モードの各結合に対応する状態を表示することができる。それにより、移動ノードは、各結合の登録状態について通知を受けることができる。状態フィールドの値は、1つの結合/複数の結合が成功したか否かを表示することができる。
本発明のある実施形態の場合には、BIDサブオプションの気付けアドレス(C)フラグは、移動ノードが、結合一意識別子のサブオプション内のBIDに対応する気付けアドレスを格納することができることを表示することができる。このフラグは、例えば、マルチホーム移動ノードが1つの結合更新内の複数の結合を送信する場合はいつでも、すなわち、バルク登録が要求された場合にはいつでも、BIDサブオプションに含ませることができる。
結合一意識別子のサブオプション内のもう1つのフィールドは、結合更新が登録抹消のためのものでない場合でも、移動ノードがホーム・エージェントにBIDに対応する結合を除去することを要求していることを示すためにセットすることができる除去可能な(R)フラグであってもよい。しかし、このフラグの内蔵は、実行特有なモノであり、そのためオプションとすることはできない。
本発明の他の実施形態の場合には、結合更新は、それによりホーム・エージェントが、マルチホーム移動ノード宛のデータ・パケットを転送又は送信するために、どの結合を使用すべきかを決定することができるフィルタ・ポリシーを定義するIP流れフィルタ情報を含むことができる。
図7は、本発明の例示としての実施形態によるSAEアンカー/ホーム・エージェントのところの例示としての結合キャッシュを示す。結合キャッシュの左側のコラム内には、それに対してテーブルの各行の結合が有効であるマルチホーム移動ノードが、それに対してホーム・エージェントが、ホーム・ネットワーク内の各マルチホーム移動ノードにサービスを提供するそのホーム・アドレスにより表示される。例えば、テーブル内の第1の3つの結合は、ホーム・アドレス、HoA#1を有する第1のマルチホーム移動ノードと関連する。4番目及び5番目の結合は、ホーム・アドレス、HoA#2を有する他の第2のマルチホーム移動ノードに対するものである。各結合に対して、結合キャッシュは、関連する気付けアドレスを表示する。ホーム・アドレス、HoA#1を有するマルチホーム移動ノードに対する第1の2つの結合に対して、フォーリン・ネットワーク内の2つの気付けアドレス、CoA#1及びCoA#2が存在する。ホーム・アドレス、HoA#1を有するマルチホーム移動ノードの3番目の結合は、その気付けアドレスとしてマルチホーム移動ノードのホーム・アドレス、HoA#1を表示している。それ故、このエントリは、結合キャッシュを維持しているホーム・エージェントによりサービスの提供を受けるその自身のホーム・ネットワークに対するマルチホーム移動ノードの結合である。
HoA#2を有するマルチホーム移動ノードに対しては、マルチホーム移動ノードが2つのフォーリン・ネットワークと接続することができることを示す2つの気付けアドレス、CoA#3及びCoA#4がすでに登録されている。
さらに、任意選択として、各結合は、ホーム・エージェントが結合が期限切れになる前に、残っている時間の単位数を表示する持続時間フィールドを含むことができる。任意選択として、各結合は、セットした場合、ホーム・エージェントが、マルチホーム移動ノードのホーム・エージェントとして動作しなければならないことを示すホーム登録フラグを含むことができる。さらに、結合は、結合更新の受信を制御するために使用することができる一連番号フィールドを含むことができる。さらに、任意選択として、結合は、使用オプションを含むことができる。
すでに説明したように、本発明のある実施形態の場合には、結合は、さらに、マルチホーム移動ノードの個々の結合を管理するためのBIDフィールドを含む。さらに、結合内のもう1つのオプションとしてのフィールドは、結合の優先順位であってもよい。優先順位は、例えば、選択した結合の気付けアドレスを使用して、マルチホーム移動ノードのホーム・アドレス宛のデータ・パケット送信、中継、又は転送するために、マルチホーム移動ノードに対して登録済みの結合から1つの結合の選択を容易にすることができる。さらに、任意選択として、結合は、マルチホーム移動ノードのホーム・アドレス宛のデータ・パケット送信、中継、又は転送するためにどの結合を使用すべきかを決定するために、ホーム・エージェントが使用することができるフィルタ情報を含むことができる。また、変形例の場合には、結合に割り当てられた優先順位をこの決定を行う際に考慮に入れることができる。
気付けアドレスの登録
本発明の一実施形態によれば、マルチホーム移動ノードは、結合更新を使用して気付けアドレスとして、ホーム・ネットワーク内にそれ自身のホーム・アドレスを登録する。この登録は、例えば、ホーム・アドレスを通して(例えば、ホーム・ネットワークのアクセス・ネットワークを通して)MIPv6信号を使用して行うことができる。それ故、マルチホーム移動ノードのホーム・アドレスはマルチホーム移動ノードのホーム・アドレスに対する気付けアドレスとして登録される。
別の方法としては、本発明の他の実施形態の場合には、結合更新は、同様に、マルチホーム移動ノードのリンク層ネットワーク一致リンク層アドレスを含むことができる。次に、ホーム・エージェントは、このリンク層アドレスにホーム・リンク・インタフェース宛のパケットを転送することができる。
本発明の他の実施形態は、結合更新が、ホーム・ネットワーク内のネットワーク・ノード/機能エンティティの識別子を含んでいることを予見する。例えば、このようなネットワーク・ノード/機能エンティティは、3GPP展開パケット・コア・ネットワーク400内のUPE又は3GPPアンカー(図4参照)であってもよいし、マルチホーム移動ノードの代わりに動作しているプロキシであってもよい。ネットワーク・ノードの識別子は、例えば、ホーム・ネットワークに接続する際の取り付け手順により、又は移動中の追跡エリア更新手順により、移動ノードが知っているものであってもよい。NetLMMを使用している場合には、可能なネットワーク・ノード/機能エンティティは、例えば、LMA又はMAGであってもよい。
識別子は、例えば、各ネットワーク・ノード/機能エンティティのIPv6アドレス又はリンク層アドレスのような各ネットワーク・ノード/機能エンティティのアドレスであってもよい。
結合更新の送信
本発明のある実施形態の場合には、結合更新は、ホーム・ネットワークを介してホーム・エージェントに送信される。本発明の他の実施形態の場合には、結合更新は、マルチホーム移動ノードが取り付けられているフォーリン・ネットワークを通して送信される。さらに、マルチホーム移動ノードが結合更新を送信した場合には、結合更新を、2つ以上のネットワークを介してホーム・エージェントに、例えば、ホーム・ネットワーク及び少なくとも1つの他のフォーリン・ネットワーク又は2つ以上のフォーリン・ネットワークを通して、同時に送信することができる。
すでに説明したように、結合更新は、マルチホーム移動ノードを通して送信することができる。もう1つのオプションは、マルチホーム移動ノードに対してプロキシとして動作しているネットワーク・ノード/機能エンティティは、ホーム・エージェントに結合更新を送信する。
それにより、マルチホーム移動ノードは、そうするようにネットワーク・ノード/機能エンティティに明示の要求を行うことができる。別の方法としては、プロキシによる結合更新の送信は、マルチホーム移動ノードとプロキシの間の信号、又はホーム・ネットワーク又はフォーリン・ネットワーク内の他のネットワーク・ノード/機能エンティティからトリガを受信するプロキシにより暗黙にトリガすることができる。
本発明のある実施形態の場合には、結合更新を送信中にマルチホーム移動ノードの代わりに動作することができる1つのプロキシ・エンティティは、3GPPアンカーであってもよい。例えば、マルチホーム移動ノードが、3GPPアンカーに、例えば、図4のLTE RAN401のようなホーム・ネットワークのアクセス・ネットワークに取り付けた場合に、結合更新を送信するように明示に又は暗黙に要求することができる。本発明の他の代替実施形態の場合には、同様に、マルチホーム移動ノードからの明示又は暗黙の要求により、MME又はUPEにより結合更新を送信することができる。
上記例の場合には、MME又はUPEは、(それぞれ)同様に、マルチホーム移動ノードの代わりに、結合更新の送信をトリガすることができる。このトリガは、例えば、マルチホーム移動ノードがMIPv6を実施しないが、UPE又はMMEが、引用によって本明細書に組み込むものとする、http://www.ietf.orgから入手することができるChowdhury他の2006年2月付けの「ネットワークをベースとする層3のIPv6に対する接続性及びモビリティ管理」(Network Based Layer 3 Connectivity and Mobility Management for IPv6)が規定しているように、マルチホーム移動ノードに対するプロキシとして動作している場合には実行することができる。本明細書及びこの例によれば、マルチホーム移動ノードは、結合を更新した後でアクセス・ルータ間ハンドオフ中に目標基地局(例えば、eNodeBなど)に接続することができる。しかし、SAEアンカー及びLTE RANのようなアクセス・ネットワークにおいては、その結合が結合更新により更新される前にマルチホーム移動ノードは接続している。
本発明の他の例は、局所化モビリティ管理、すなわちホーム・ネットワーク全域のモビリティの管理のために、ホーム・ネットワーク内でNetLMMが使用される場合に関する。この場合、ネットワーク・ノード又は機能エンティティとしてのLMAは、マルチホーム移動ノードの代わりに結合更新を送信することができる。
ある例の場合には、LMAは、SAEアンカーと一緒に並置されている機能エンティティである。この例示としての場合、移動ノードは、SAEアンカー内部インタフェースを介して、LMAから同様に機能エンティティであるホーム・エージェントに結合更新の送信を開始させることができる。別の方法としては、プロキシが、マルチホーム移動ノードの代わりに動作している場合には、ホーム・ネットワーク内の3GPPアンカーは、明示又は暗黙のトリガを受信した場合、マルチホーム移動ノードの代わりにLMAにより結合更新の送信をトリガすることができる。
LMAが、3GPPアンカーと並置されている機能エンティティである場合には、上記と類似の解決方法を使用することができる。この場合、3GPPアンカー、すなわちそのLMA機能は、結合更新を送信する。
プロキシ・ネイバ発見
マルチホーム移動ノードがホームから離れている場合、すなわち、ホーム・エージェントが位置するホーム・ネットワークに取り付けられていない場合には、ホーム・エージェントは、マルチホーム移動ノードに対してプロキシ・ネイバ発見機能を実行する。このことは、マルチホーム移動ノードの代わりにマルチホーム移動ノード・リンク層アドレスを決定するために、ホーム・エージェントが要求に応答し、それにより要求しているエンティティ又はノードにホーム・エージェントのリンク層アドレスを表示することを意味する。マルチホーム移動ノードがホームに戻ると、本発明の一実施形態により、ホーム・エージェントは、マルチホーム移動ノードに対してプロキシ・ネイバ発見機能を実行する。例えば、ホーム・ネットワーク内でマルチホーム移動ノードの気付けアドレスを示す結合更新を受信した場合には、ホーム・エージェントは、マルチホーム移動ノードに対するプロキシとして引き続き動作することができ、リンク層アドレスを含むネイバ広告を送信することにより、マルチホーム移動ノードのリンク層アドレスを決定するためのネイバ要求に応答することができる。
任意選択として、結合更新は、ホーム・エージェントに、そのホーム・ネットワークにマルチホーム移動ノードを取り付けた場合に、マルチホーム移動ノードの代わりにネイバ発見機能を実行すべきか否かを表示するフラグを含むことができる。
本発明の他の実施形態の場合には、ホーム・エージェントは、ホーム・ネットワークに取り付けられているマルチホーム移動ノードに対する結合更新を受信した場合に、ネイバ発見機能の実行をストップする。この実施形態の場合には、ホーム・ネットワーク内のプロキシは、例えば、図4の3GPPアンカー403又はUPE405は、マルチホーム移動ノードの代わりにネイバ発見機能を実行することができる。また、同じ解決方法を、マルチホーム移動ノードがMIPv6を実施しないが、上記の「IPv6に対するネットワークをベースとする層3の接続性及びモビリティの管理」(Network Based Layer 3 Connectivity and Mobility Management for IPv6)内に記載されている「プロキシMIP」が使用されるシナリオで適用することができる。
上記実施形態の場合には、マルチホーム移動ノードは、ホーム・ネットワークに接続していて、ホーム・ネットワーク内の気付けアドレスを登録している場合には、ネイバの要請に応答する必要はない。
ホーム・ネットワーク内のデータ経路の適応
本発明のある実施形態の場合には、マルチホーム移動ノード宛のデータ・パケットのデータ面ルートは、結合更新に応じてホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノードに対する気付けアドレスを登録した場合に更新される。この更新は、例えば、ホーム・エージェントを含むSAEアンカー内のルーティング・テーブル/ネイバ・キャッシュの更新を要求することができる。
本発明のある実施形態の場合には、ネイバ・キャッシュは、ホーム・ネットワーク又はフォーリン・ネットワークを通して、マルチホーム移動ノードにデータ・パケットを送信した場合に、マルチホーム移動ノードの方向に次ホップのリンク層アドレスの決定をすることができる「テーブル」である。例えば、ホーム・エージェントが、1つ(又は複数)の気付けアドレスを選択した場合には、それにより次ホップのリンク層アドレスを決定することができる。
例示としての目的で図4のアーキテクチャを考慮して、SAEアンカー402内のホーム・エージェントは、(3GPP展開コア・ネットワーク400及びLTE RAN401からなる)ホーム・ネットワークを通して、又はフォーリン・ネットワーク、すなわち、非3GPPをベースとするネットワーク/WLAN 3GPP IPネットワーク410を通して、マルチホーム移動ノードにデータ・パケットを送信又は転送することができる。ホーム・エージェントがフォーリン・ネットワーク内のマルチホーム移動ノード406の気付けアドレスを使用すると決定した場合には、ホーム・エージェントは、ゲートウェイ411への次のリンク層ホップに対するリンク層アドレスを決定することができる。
ホーム・エージェントを含むSAEアンカー402及びゲートウェイ410の両方が、共通のリンク層ネットワーク内に位置していると仮定した場合には、この決定はリンク層上の次ホップとしてのゲートウェイ410を示す。
別の方法としては、SAEアンカー402内のルーティング・テーブルは、ホーム・エージェントに、ホーム及びフォーリン・ネットワークと相互接続している、例えば、IPをベースとするネットワーク上で、次ホップを指定するネットワーク層アドレスを示すことができる。このネットワーク層アドレスにより、ホーム・エージェントは、SAEアンカー402内に維持しているネイバ・キャッシュを使用して、次ホップ(例えば、ルータ)のリンク層アドレスを決定することができる。
ホーム・ネットワークを通してマルチホーム移動ノード宛のデータ・パケットを送信又は転送することを決定した場合には、ネイバ・キャッシュは、リンク層上において、データ・パケットが3GPPアンカー403又はUPE405に提供され、次に、例えば、マルチホーム移動ノードが接続しているeNodeBを介してマルチホーム移動ノードへのもっと下流にデータ・パケットをそれぞれ転送するように、3GPPアンカー403又はUPE405のリンク層アドレスを表示することができる。
図8は、本発明の例示としての実施形態によるSAEアンカー/ホーム・エージェントにより維持されている例示としてのネイバ・キャッシュを示す。本明細書に記載するように、ネイバ・キャッシュは、所与のネットワーク層アドレスに対するリンク層上の次ホップのリンク層アドレスを決定することができるテーブルと見なすことができる。例えば、ネットワーク・ノード又は機能エンティティを同じリンク層・ネットワーク上の宛先に、ネットワーク層データ・パケットを送信、転送又は中継しなければならない場合には、ネイバ・キャッシュ内の宛先ネットワーク層アドレスのリンク層アドレスを参照する。例えば、IPパケットをIPアドレス、IP#2に送信しなければならない場合には、ネットワーク・ノード又は機能エンティティのリンク層プロトコルは、ネイバ・キャッシュからリンク層宛先アドレスを参照し、リンク層パケット内にカプセル化されたIPパケットを、ネイバ・キャッシュ内に表示されているリンク層アドレスに送信する。
他の実施形態の場合には、3GPPパケット・コア・ネットワーク400内のネットワーク・ノードは、ネットワーク層上でIPプロトコルを使用する。これらの場合には、また、ホーム・エージェントが送信又は転送している(IPv6)データ・パケットを、IP−over−IPトンネリングを通して、マルチホーム移動ノードへのユーザ・データ経路上の次ホップに提供することができる。
例えば、ダウンリンク配信経路が、SAEアンカー402(ホーム・エージェント)→3GPPアンカー403→UPE405→eNodeB→マルチホーム移動ノード606である場合には、ホーム・エージェントは、3GPPアンカー403にデータ・パケットを提供するために、SAEアンカー402/ホーム・エージェントと3GPPアンカー403との間のIPトンネルを使用することができる。この目的のために、ホーム・エージェントと3GPPアンカー402との間のトンネル・エンドポイントを、結合キャッシュ内のホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノード406に対する気付けアドレスとして登録しなければならない。さらに、3GPPアンカー403とUPE405との間で、3GPPアンカー403からのパケットをUPE405に提供するために、IP−over−IPトンネルを使用することができる。別の方法としては、IP−over−IPトンネルを、SAEアンカー402/ホーム・エージェントとUPE405との間に確立することもできる。
UPE405とLTE RAN401内のマルチホーム移動ノード406にサービスを提供しているeNodeBとの間の接続に関して、データ・パケット交換のために、GTPトンネルを使用することができる。周知のGTPプロトコルの詳細については、引用によって本明細書に組み込むものとする、2006年6月付けの「Gn及びGpインタフェースを横切る一般的なパケット無線サービス(GPRS)、GPRSトンネリング・プロトコル(GTP)」(General Packet Radio Service(GPRS)、GPRS Tunnelling Protocol(GTP) across the Gn and Gp interface)7.2.0版、3GPP TS29.060を参照されたい。
本発明の他の代替実施形態の場合には、ダウンリンク配信経路は、SAEアンカー402(ホーム・エージェント)→UPE405→eNode B→マルチホーム移動ノード606であってもよい(すなわち、SAEアンカー402とUPE405の間に直接インタフェースが存在する)。この場合、上記のマルチホーム移動ノード406宛のデータ・パケットを送信又は転送するための類似の手段を予見することができる。しかし、この場合、SAEアンカー402/ホーム・エージェントとUPE405との間でリンク層トランスポートを使用する場合には、UPE405のリンク層アドレス又はネットワーク層アドレスを、マルチホーム移動ノード406に対する気付けアドレスとして登録することができる。別の方法としては、マルチホーム移動ノードのホーム・アドレスが気付けアドレス内に登録されている場合には、SAEアンカー402/ホーム・エージェント内のルーティング・テーブル/ネイバ・キャッシュは、UPE405をマルチホーム移動ノード406方向への次ホップとして表示する。
図9は、本発明の例示としての実施形態によるSAEアンカー/ホーム・エージェントにより維持されている例示としてのルーティング・テーブルである。この例の場合には、移動ノードは、3つの接続、すなわち、フォーリン・ネットワークへの2つの接続(第1の2つの行)及びホーム・ネットワークへの1つの接続(第3の行)を有する。さらに、ルーティング・テーブルの最後の行にデフォルト・ルーティング・エントリ*を含む。
ホーム・エージェントは、CoA#1及びCoA#2宛のパケット用のトンネルを設定する。これに対して、仮想トンネル・インタフェース、tun0及びtun1を確立することができ、IPルーティング・モジュールは、それぞれパケットを仮想インタフェース、tun0及びtun1へのCoA#1及びCoA#2へ転送する。仮想インタフェースは、パケットをソース・アドレスとしてのホーム・エージェントのIPアドレス、及び宛先アドレスとしての気付けアドレスと一緒にIP内にカプセル化する。次のステップにおいて、IP−in−IPカプセル化パケットが再度IPルーティング・モジュールに転送される。気付けアドレスへのIPパケットに対する次ホップは、最後の行のエントリ*が表示するデフォルト・ゲートウェイに転送される。
さらに、この例の場合には、ホーム・エージェント及び移動ノードの代わりに動作しているプロキシ・ノードは、同じリンク上に位置する。ホーム・ネットワーク内のHoA#1宛のMNに対するパケットは、トンネリングされないで、これらのパケットは、実インタフェースのリンク層に転送される。リンク層インタフェースのネイバ・キャッシュ・エントリは、プロキシ・ノードに対するリンク層アドレスを含むHoA#1に対するエントリを含む。
NetLMMを使用する場合には、LMAは(その実際の物理的位置とは無関係に)、マルチホーム移動ノード406に対するホーム・ネットワークのローカル気付けアドレスを登録するための結合更新を送信することができる。この場合、SAEアンカー402/ホーム・エージェントは、(ホーム・ネットワークを通して提供された場合には)データ・パケットがLMAに転送されるように、ホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノード406に対する気付けアドレスとしてLMAのアドレスを登録しなければならない。別の方法としては、マルチホーム移動ノード406のホーム・アドレスが、ホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノード406に対する気付けアドレスとして登録されている場合には、SAEアンカー402/ホーム・エージェント内のルーティング・テーブル/ネイバ・キャッシュをLMAをマルチホーム移動ノード406への配信経路上の次ホップとして表示するように構成しなければならない。その結果、配信経路は、SAEアンカー402(ホーム・エージェント)→LMA→MAG→eNode B→マルチホーム移動ノード606のように見える。
上記説明を読めば分かるように、マルチホーム移動ノード406へ/からのユーザ・プレーンのデータ・トラフィックを構成するための適当な手段を含む本発明のある実施形態をホーム・ネットワーク内に予見することができる。一般に、どのローカル・アドレスを、ホーム・エージェントに送信した結合更新によりマルチホーム移動ノードに対する気付けアドレスとして登録するのとは無関係に、SAEアンカー402/ホーム・エージェント又はそのルーティングのネイバ・キャッシュを、次ホップ又はマルチホーム移動ノードへの適当なトンネル・エンドポイントのリンク層アドレス、ネットワーク層アドレスを表示するように構成することができる。
この目的のために、本発明の一実施形態の場合には、結合更新を送信しているネットワーク・ノード/機能エンティティは、ルーティング/結合更新へのネイバ・キャッシュ・エントリを更新するための適当な更新情報を含んでいるか、又はSAEアンカー402/ホーム・エージェント内の更新ルーティング/ネイバ・キャッシュ・エントリを構成するための別々の信号を使用し、任意選択として、マルチホーム移動ノードへの配信経路内のもう1つの中間ネットワーク・ノードを使用する。本発明の他の代替実施形態は、マルチホーム移動ノードをホーム・ネットワークのアクセス・ネットワークに取り付けた場合、それに応じてネットワーク・ノードのルーティング/ネイバ・キャッシュ・エントリが構成されることを予見する。例えば、図4のアーキテクチャの場合には、ホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノード406に対するプロキシとして動作するように、マルチホーム移動ノードによりMME404を要求することができる。それ故、MME404は、例えば、ホーム・ネットワーク内のマルチホーム移動ノード406の気付けアドレスとして、アドレス(マルチホーム移動ノード408のホーム・アドレス又は3GPPアンカー402のアドレス、UPE405又はLMAのいずれかである)を登録するホーム・エージェントに結合更新を送信することもできるし、又はそうするために3GPPパケット・コア・ネットワーク400内の他のネットワーク・ノード/機能エンティティのうちの1つを要求することもできる。どのアドレスを登録したのか、及びリンク層又はネットワーク層アドレスが気付けアドレスとして登録されたか否かにより、MME404は、例えば、SAEアンカー402/ホーム・エージェントのところでルーティング/ネイバ・キャッシュ・エントリを構成することによりホーム・ネットワークを通してデータ配信経路をさらに更新又は確立することができ、任意選択として、3GPPアンカー403及び/又はUPE405内のルーティング/ネイバ・キャッシュ・エントリを更新又は確立することができる。
本発明の他の実施形態は、NetLMMがホーム・ネットワークで使用されているシステムに関する。この例の場合には、LMA機能、ホーム・エージェント機能及びSAE機能は、この例の場合にはSAEアンカーと呼ばれる1つのネットワーク・ノード内に位置する。それ故、この例の場合、いくつかの機能エンティティは、1つのネットワーク要素内に並置されている。また、この例示としての実施形態の場合には、上記類似の機構を使用することができる。何故なら、ネットワーク要素内でデータがあるエンティティから他のエンティティに中継されるように、いくつかの機能エンティティを仮想インタフェース及び識別子と一緒に提供することができるからである。さらに、個々のエンティティは、ネイバ・キャッシュ、結合キャッシュ及び/又はSAEアンカー内のルーティング・テーブル内の設定及び/又はエントリを、直接変える(例えば、追加、変更、削除、更新等)ことができる。それ故、内部信号により他の各機能エンティティにより行われる修正をトリガする機能エンティティの代わりに、機能エンティティは、ネイバ・キャッシュ、結合キャッシュ及び/又はSAEアンカー内のルーティング・テーブル内の設定及び/又はエントリを必要に応じて直接修正することができる。
マルチホーム移動ノードへのデータ送信
上記いくつかの実施形態の場合には、マルチホーム移動ノードは、ホーム・ネットワークに接続しているばかりでなく、少なくとも1つのフォーリン・ネットワークにも接続している。それ故、これらの実施形態の場合には、ホーム・エージェントのところでマルチホーム移動ノードに対して登録したいくつかの気付けアドレスが存在する場合がある。ホーム・エージェントが、例えば、PDN、インターネット等のような他のパケット交換ネットワーク421からのサービス(例えば、IMS,PSS等のようなオペレータIPサービス)のデータ・パケットを転送しなければならない場合には、ホーム・エージェントは、データを転送するために選択すべき複数の気付けアドレスを有する。
他の実施形態は、ホーム・エージェントが、データ・パケットを転送するために、登録した気付けアドレスのどの気付けアドレス又はどのサブセットを使用すべきかを決定することを予見する。この決定は、例えば、フィルタ・ポリシーに基づいて行うことができる。これらのフィルタ・ポリシーは、例えば、ユーザの優先順位、ネットワーク・オペレータの優先順位、ソース及び宛先IPアドレス、トランスポート・プロトコル番号、ソース及び宛先ポート番号、IPv6ヘッダ内の流れラベル・フィールド、IPv6セキュリティ(IPsec)を使用する場合にはセキュリティ・パラメータ・インデックス(SPI)、宛先プレフィックス、気付けアドレスに関連するマルチホーム移動ノード・インタフェースのタイプ、気付けアドレスに関連する通信リンク上のリンク特性のうちの少なくとも1つを含むことができる。
それ故、例えば、ホーム・ネットワークが、3GPPをベースとするUMTSネットワークである場合には、ビデオ会議セッションの音声データを、UMTSネットワークを通してマルチホーム移動ノードに提供することができ、一方、ビデオ会議セッションの音声データをマルチホーム移動ノードが接続していて、例えば、WLAN又はWiMAXネットワークのような広帯域サービスを提供することができるフォーリン・ネットワークを通して、ホーム・エージェントによりルーティングすることができる。それ故、ホーム・エージェントは、負荷共有又は負荷分散のようなサービスを提供するために複数の結合の登録を使用することができる。さらに、これにより、ユーザ、アプリケーション又はサービス・プロバイダが、コスト、効率、ポリシー、帯域幅要件、遅延等に基づいて好適な送信技術又はアクセス・ネットワークを選択できるようにする優先順位設定のサポートも可能にする。
ソフトウェア及びハードウェアの実施
本発明の他の実施形態は、ハードウェア及びソフトウェアを使用する上記種々の実施形態の実施に関する。本発明の種々の実施形態は、計算装置(プロセッサ)を使用して実施又は実行することができることが分かっている。計算装置又はプロセッサは、例えば、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)又は他のプログラマブル・ロジック・デバイス等であってもよい。本発明の種々の実施形態は、また、これら装置の組合せにより実行又は実施することができる。
さらに、本発明の種々の実施形態は、また、プロセッサにより又は直接ハードウェアで実行されるソフトウェア・モジュールにより実施することもできる。また、ソフトウェア・モジュール及びハードウェア実施を組み合わせることもできる。ソフトウェア・モジュールは、例えば、RAM、EPROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、レジスタ、ハード・ディスク、CD−ROM、DVD等のような任意のタイプのコンピュータ読み取り可能記憶媒体内に格納することができる。
さらに、本発明の種々の実施形態の個々の特徴は、個々に又は任意の組合せで他の発明の主題になることに留意されたい。
当業者であれば、広義の本発明の精神又は範囲から逸脱することなしに、特定の実施形態に示すように、本発明を種々に変更及び/又は修正することができることを理解することができるだろう。それ故、本実施形態は、すべての点で例示としてのものであって本発明を制限するものでないと見なすべきである。

Claims (6)

  1. 複数のインタフェースを用いてホーム・リンクとフォーリンリンクを同時に使用する移動ノードあって、
    前記複数のインタフェースの少なくとも1つを介した前記フォーリンリンクへのアタッチを維持しつつ、他の前記インタフェースを介して前記ホーム・リンクにアタッチする通信手段を有し、
    前記通信手段は、前記ホーム・リンクにおける前記移動ノードのホーム・アドレスを気付けアドレスフィールドに含むバインディングアップデートメッセージを、前記移動ノードのホーム・エージェントに送信する移動ノード。
  2. 前記バインディングアップデートメッセージは、前記移動ノードのホーム・アドレスと前記フォーリンリンクに設定された気付けアドレスとのすでに登録されている結合に加えて、前記移動ノードのホーム・アドレスと前記バインディングアップデートメッセージ内で気付アドレスとして示される前記移動ノードのホーム・アドレスとの結合を登録する請求項1に記載の移動ノード。
  3. 前記バインディングアップデートメッセージは、前記移動ノードのバインディングエントリーを識別するバインディングユニーク識別子をさらに含む請求項1に記載の移動ノード。
  4. 前記バインディングアップデートメッセージは、フローフィルタルールをさらに含む請求項1に記載の移動ノード。
  5. 前記バインディングアップデートメッセージは、前記ホーム・エージェントが前記移動ノードのための近隣探索を実行するか否かに関する情報をさらに含む請求項1に記載の移動ノード。
  6. 複数のインタフェースを用いてホーム・リンクとフォーリンリンクを同時に使用する移動ノードあって、
    前記複数のインタフェースの1つを介して前記ホーム・リンクにアタッチし、前記複数のインタフェースの他の少なくとも1つを介して前記フォーリンリンクにアタッチする通信手段を有する移動ノード。
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