JP5185696B2 - 石油代替燃料の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、石油代替燃料の製造方法及び製造装置に関し、特に、廃食用油等の油脂を用いて、バイオディーゼル燃料等を製造する石油代替燃料の製造方法及び製造装置に関する。
従来より、燃料としてガソリン、重油、軽油等の石油系化石燃料が多用されている。しかし、これらの化石燃料は、燃焼した際に、硫黄酸化物などの有害物質を排出するため、大気汚染の原因として、重大な社会問題となっている。
また、菜種油、パーム油などの植物油や、ラード、バターなどの動物油が日常生活において多用されているが、使用済みの廃食用油は、そのまま投棄した場合には、環境汚染の原因ともなるため、その処分方法が問題となっている。
このため、以下の特許文献1又は2に示すように、廃食用油から石油代替燃料であるバイオディーゼル燃料(BDF)を製造する方法が提案されている。
この方法は、廃食用油をアルカリ触媒の存在下でメタノールとエステル交換反応を行わせ、ディーゼル燃料として使用可能な脂肪酸エステルとその副産物を回収するものである。
特開平10−182518号公報 特開2006−8758号公報
具体的には、反応釜に、廃食用油100部、メタノール18部、触媒としてのカセイソーダ1部の割合で仕込み、内温40〜65℃で1時間撹拌させるもので、この加温・撹拌過程で、次のような、エステル交換反応(1)と副反応として鹸化(2)と遊離脂肪酸の中和(3)がおこり、グリセリンと高級脂肪酸メチルエステル、副生物としてセッケンが生成する。
(1)C35(OCOR)3+3CH3OH→3CH3OOCR+C35(OH)3
(2)C35(OCOR)3+3NaOH→C35(OH)3+3RCOONa(セッケン)
(3)RCOOH+NaOH→RCOONa(セッケン)+H2
撹拌を止め30分間静置して高級脂肪酸メチルエステル・セッケンとグリセリンとを比重差により2層に分離し比重の大きいグリセリン層を下から抜取り、反応釜の中に残った高級脂肪酸メチルエステルとこれに含まれる微量のアルカリ溶存メタノールおよびセッケンに、水(約40℃)を体積で約10%加えて撹拌し、残留しているアルカリ溶存メタノールや生成したセッケンを水に移行させ、静置して2層に分離させ、下層の水洗水を抜取りさらに数回同様の操作で水洗を行う。最後に真空加熱により生成物を脱水乾燥して純度の高い高級脂肪酸メチルエステルを得る。
特許文献2においては、油脂をアルコール及びアルカリ触媒と共存させエステル交換を行うエステル交換工程と、副生成物であるグリセリンを除去する副生成物排出工程6と、酸及び水を添加・混合し中和・洗浄を行う洗浄工程と、洗浄水を排出する洗浄水排出工程10とを含む石油代替燃料の製造方法において、少なくとも洗浄水排出工程後に、常圧状態で加熱脱水処理を行うことが開示されている。
このように、従来の石油代替燃料の製造方法では、洗浄工程が不可欠であり、洗浄工程により排出される洗浄水の処理が重要な問題となっていた。
本発明の目的は、上述した問題を解決し、洗浄工程を不要とし、しかも、純度の高い石油代替燃料を製造することが可能な石油代替燃料の製造方法及び製造装置を提供することである。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、1次タンク内で油脂をアルコール及びアルカリ触媒と共存させエステル交換を行うエステル交換工程と、該エステル交換工程により生成された石油代替燃料と副生成物であるグリセリンとを分離するため、該エステル交換工程を行った溶液を該1次タンク内で撹拌しながら、気圧を5mmHg以下、液温150〜300℃の範囲内で減圧蒸留し、該石油代替燃料を蒸留抽出し、液化した該石油代替燃料を2次タンクに蓄積する蒸留工程とを有し、該蒸留工程における液温の管理は、少なくとも蒸発する気体の温度を測定し、該溶液を加熱する加熱手段を制御すると共に、該蒸留工程中は該気体の温度は100〜250℃の範囲内になるように、該加熱手段を制御し、該気体の温度が上昇し定常状態となった時点から、該気体の温度が減少し始める時点までを該石油代替燃料の蒸発している期間と判断し、該期間に蒸発した石油代替燃料のみを2次タンクに蓄積することを特徴とする石油代替燃料の製造方法である。
請求項2に係る発明は、液体を収容可能な1次タンクと、該1次タンクから蒸発する気体を回収し液化する回収液化手段と、該回収液化手段で液化された液体を蓄積する2次タンクと、該1次タンク内の液体を加熱する加熱手段と、該回収液化手段を介して該1次タンク内を減圧する減圧手段と、該1次タンク内の液体を撹拌する撹拌手段と、該1次タンクから排出される気体の温度を測定する気体温度測定手段とを備え、油脂、アルコール及びアルカリ触媒とを該1次タンク内で該撹拌手段を用いて撹拌混合してエステル交換を行い、該エステル交換を行った溶液を撹拌しながら、該減圧手段を作動させて、該1次タンク内の圧力を所定の気圧となるように調整すると共に、該気体温度測定手段の測定値が所定の温度となるように該加熱手段を制御することによって、該1次タンク内の溶液から石油代替燃料を蒸発させ、蒸発した該石油代替燃料を液化して該2次タンクに蓄積すると共に、該気体温度測定手段の測定温度が上昇し定常状態となった時点から、該測定温度が減少し始める時点までを該石油代替燃料の蒸発している期間と判断し、該期間に蒸発した石油代替燃料のみを2次タンクに蓄積することを特徴とする石油代替燃料の製造装置である。
請求項に係る発明は、請求項に記載の石油代替燃料の製造装置において、該加熱手段は、少なくとも1次タンクの内部、外部に配置されたヒーターを用いることを特徴とする。
請求項に係る発明は、請求項2又は3に記載の石油代替燃料の製造装置において、該減圧手段により形成される気圧は5mmHg以下であり、該気体温度測定手段の測定値が100〜250℃の範囲となるように該加熱手段が制御されていることを特徴とする。
請求項1に係る発明により、油脂をアルコール及びアルカリ触媒と共存させエステル交換を行うエステル交換工程と、該エステル交換工程により生成された石油代替燃料と副生成物であるグリセリンとを分離するため、該エステル交換工程を行った溶液を撹拌しながら、気圧を5mmHg以下、液温150〜300℃の範囲内で減圧蒸留し、該石油代替燃料を蒸留抽出する蒸留工程とを有するため、洗浄工程が不要となり、従来の石油代替燃料の製造方法のような洗浄水の排出がない。しかも、石油代替燃料を蒸留で分離しているため、石油代替燃料に不純物が混入しにくく、純度・透明度の高い石油代替燃料を得ることが可能となる。
しかも、蒸留工程における液温の管理は、少なくとも蒸発する気体の温度を測定し、溶液を加熱する加熱手段を制御するため、石油代替燃料の発生の開始及び終了を正確に判断することが可能となり、より純度・透明度の高い石油代替燃料を得ることが可能となる。
さらに、蒸留工程中は該気体の温度は100〜250℃の範囲内になるように、加熱手段を制御するため、石油代替燃料のみを蒸留し抽出することが可能となる。また、該気体の温度が上昇し定常状態となった時点から、該気体の温度が減少し始める時点までを該石油代替燃料の蒸発している期間と判断し、該期間に蒸発した石油代替燃料のみを2次タンクに蓄積するため、純度の高い石油代替燃料を得ることができる。
請求項2に係る発明により、液体を収容可能な1次タンクと、該1次タンクから蒸発する気体を回収し液化する回収液化手段と、該回収液化手段で液化された液体を蓄積する2次タンクと、該1次タンク内の液体を加熱する加熱手段と、該回収液化手段を介して該1次タンク内を減圧する減圧手段と、該1次タンク内の液体を撹拌する撹拌手段と、該1次タンクから排出される気体の温度を測定する気体温度測定手段とを備え、油脂、アルコール及びアルカリ触媒とを該1次タンク内で該撹拌手段を用いて撹拌混合してエステル交換を行い、該エステル交換を行った溶液を撹拌しながら、該減圧手段を作動させて、該1次タンク内の圧力を所定の気圧となるように調整すると共に、該気体温度測定手段の測定値が所定の温度となるように該加熱手段を制御することによって、該1次タンク内の溶液から石油代替燃料を蒸発させ、蒸発した該石油代替燃料を液化して該2次タンクに蓄積することを特徴とする石油代替燃料の製造装置であるため、使用するタンクが2つのみであるため、構造がシンプルでありながら、純度・透明度の高い石油代替燃料を効率良く得ることが可能となる。しかも、液体の温度管理を、気体温度測定手段で行うため、石油代替燃料の発生の開始及び終了を正確に判断することが可能となり、より純度・透明度の高い石油代替燃料を得ることが可能となる。さらに、該気体温度測定手段の測定温度が上昇し定常状態となった時点から、該測定温度が減少し始める時点までを該石油代替燃料の蒸発している期間と判断し、該期間に蒸発した石油代替燃料のみを2次タンクに蓄積するため、純度の高い石油代替燃料を得ることができる。
請求項に係る発明により、石油代替燃料の製造装置において、加熱手段は、少なくとも1次タンクの外部に配置されたヒーターを用いるため、1次タンク内の液体が蒸留工程中に減少した場合でも、液体を常に一定の温度で維持することが可能となり、安定して石油代替燃料を得ることが可能となる。
請求項に係る発明により、石油代替燃料の製造装置において、減圧手段により形成される気圧は5mmHg以下であり、気体温度測定手段の測定値が100〜250℃の範囲となるように加熱手段が制御されているため、安定して石油代替燃料を得ることが可能となる。
以下、本発明について好適例を用いて詳細に説明する。
本発明に係る石油代替燃料の製造方法は、次の処理フローで行う。
(1)エステル交換工程
油脂をアルコール及びアルカリ触媒と共存させエステル交換を行う。
(2)蒸留工程
上記エステル交換工程により生成された石油代替燃料と副生成物であるグリセリンとを分離するため、該エステル交換工程を行った溶液を撹拌しながら、気圧を5mmHg以下、液温150〜300℃の範囲内で減圧蒸留し、該石油代替燃料を蒸留抽出する。
本発明の石油代替燃料の製造方法で使用する原料である油脂は、工場や家庭で使用した菜種油、パーム油、紅花油、大豆油などの植物油や、ラード、バターなどの動物油である廃食用油などが利用可能である。
エステル交換工程では、油脂の温度を60℃程度に加温し、メタノールやエタノールなどのアルコールと、水酸化ナトリウムなどのアルカリ触媒を添加し、約1時間、60℃の状態で、溶液を攪拌し、エステル交換を行う。
上記蒸留工程では、エステル交換工程で生成されたメチルエステルなどの石油代替燃料(バイオディーゼル燃料)を液体から分離する。大気圧中ではメチルエステルは約400〜450℃の高温に熱しないと気化しないが、本発明のように気圧を5mmHg以下、より好ましくは1mmHg以下に減圧することにより、液温が約150〜220℃で容易に気化する。
他方、上記のような減圧下においても、副生成物のグリセリンの沸点は300℃より大きい。このため、液温を150〜300℃に保持することで、メチルエステルなどの石油代替燃料のみを蒸留することが可能となる。
本発明の特徴の一つとして、蒸留工程における液温の管理は、少なくとも蒸発する気体の温度を測定し、溶液を加熱する加熱手段を制御している。液体の温度を直接測定することも可能であるが、液体の一部が蒸発することにより液面レベルが変化するため、直接温度測定方法のみでは、液面レベル変化に合わせて温度計の位置を変化させるなど、製造装置の構造が複雑化することが危惧される。また、後述するように、液体の温度変化のみでは、石油代替燃料の蒸留開始及び終了が特定でき難く、純度の高い石油代替燃料を得るためには、本発明のように蒸発した気体の温度を測定する方法も併用することが好ましい。
蒸留工程で、液体の温度を徐々に上昇させていくと、蒸発した気体の温度は、図2に示すようなグラフを示す。
グラフの点Aまでの期間では、液体中に未反応で残存しているメタノールなどのアルコールや水分が、初流として蒸発されている。A点の温度は、約130℃程度である。
アルコールや水分など、比較的低い温度で蒸発する成分が無くなると、蒸気の温度は急速に増加し、減圧した気圧にも依存するが、例えば、1mmHg程度であると、約160℃程度で、蒸気温度が定常状態に達する(B点参照)。これは、液体中の石油代替燃料の蒸発が始まったことを意味する。液体の加熱手段は、この石油代替燃料の蒸発状態を維持するため、例えば、蒸気温度を160℃±5℃程度の範囲となるように、通電制御される。
石油代替燃料の蒸発が完了すると、蒸気温度は、減少し始めグラフのC点に達する。石油代替燃料の蒸発が完了した時点で、加熱手段の駆動は停止される。仮に、C点を経過しても加熱手段を駆動し、蒸気温度を、例えば160℃に維持しようとすると、液体における次に蒸発が開始する温度まで、液体を加熱する結果となり、石油代替燃料以外の不純物であるグリセリンなどの蒸発が開始することとなる。当然、このような不純物の蒸発が開始すると、図2の点線で示すように、蒸気温度はC点を過ぎても再度上昇を始める結果となる。
よって、本発明では、純度の高い石油代替燃料を得るために、図2のグラフのB点からC点の間の区間において、石油代替燃料の蒸留を行う。
石油代替燃料の蒸留が完了した後、グリセリンやセッケン等の副生成物が液体中に残存する。これらの液体の処理については、本発明では特に限定されないが、必要に応じて、酢酸、塩酸などの酸と水とを添加しセッケン等を溶解させ、グリセリンと分離する洗浄処理を施したり、洗浄処理で液体中に残る水分を加熱により脱水処理を行うなど、適宜必要な処理を付加することも可能である。
次に、本発明に係る石油代替燃料の製造装置について説明する。
石油代替燃料の製造装置は、液体7を収容可能な1次タンク1と、該1次タンクから蒸発する気体を回収し液化する回収液化手段8と、該回収液化手段で液化された液体20を蓄積する2次タンク18と、該1次タンク内の液体を加熱する加熱手段(3,4)と、該回収液化手段を介して該1次タンク内を減圧する減圧手段17と、該1次タンク内の液体を撹拌する撹拌手段2と、該1次タンクから排出される気体の温度を測定する気体温度測定手段9とを備えている。
当該製造装置は、油脂、アルコール及びアルカリ触媒とを該1次タンク1内で該撹拌手段2を用いて撹拌混合してエステル交換を行い、該エステル交換を行った溶液7を撹拌しながら、該減圧手段17を作動させて、該1次タンク内の圧力を所定の気圧となるように調整すると共に、該気体温度測定手段9の測定値が所定の温度となるように該加熱手段(3,4)を制御することによって、該1次タンク1内の溶液から石油代替燃料を蒸発させ、蒸発した該石油代替燃料を液化して該2次タンク18に蓄積することを特徴とする。
このように、本発明の石油代替燃料の製造装置は、使用するタンクが2つのみであるため、構造がシンプルでありながら、純度・透明度の高い石油代替燃料を効率良く得ることが可能となる。しかも、液体の温度管理を、気体温度測定手段9で行うため、上述したように石油代替燃料の発生の開始及び終了を正確に判断することが可能となり、より純度・透明度の高い石油代替燃料を得ることが可能となる。
1次タンクには加熱手段として、内部シーズヒータなどの内部設置の加熱手段3と、外部ラバーヒータなどのタンク外部設置の加熱手段4が設けられている。液体の加熱には、内部設置の加熱手段が効率的であるが、液面が低下し、ヒータが露出すると液体加熱が困難となるため、その場合には、外部設置の加熱手段4が不可欠となる。
1次タンク1内には、攪拌手段2が配置され、不図示の駆動手段によって回転駆動され、例えば、エステル交換工程時に液体全体が均質に反応するよう液体7を攪拌したり、蒸留工程時に、液体の温度を均一に保ち局所的な温度上昇による突沸を抑制するため、液体7を攪拌することなどに利用される。
また、1次タンク1には、液体の温度を測定するための温度計6が設けられており、エステル交換工程の温度管理や、蒸留工程においても、液面が温度計の位置より十分高い範囲では、液体の温度を測定管理するのに利用される。
1次タンクの下部には、タンク内液体を排出するためのドレイン管5が、開閉バルブと共に設けられている。例えば、蒸留工程が終了した後、グリセリンなどの残留した液体を排出するのに利用される。
また、図1には、油脂、アルコール及びアルコール触媒などエステル交換を行うに必要な原料を1次タンク内に投入する投入口が図示されていないが、適宜、1次タンクの上部側に開閉可能な蓋又は配管を設けることが可能である。ただし、本発明では、1次タンク内を5mmHg以下に減圧するため、減圧下において、外部の気体が当該蓋や配管を通じて流入することがないよう、気密性を高める構造を採用する必要がある。
1次タンクの上部には、1次タンク内の蒸気を回収し液化するための回収液化手段として、配管8及び冷却手段10が設けられている。冷却手段10は、空冷又は水冷のいずれの機構も採用可能である。配管8は、石油代替燃料を蓄積する2次タンク18に接続されているが、それ以外にも、蒸留工程の初期に発生する初流を分留する配管12や1次タンク内を減圧状態に維持するための減圧手段に接続される配管15にも接続されている。
1次タンクと配管8との接続部分付近には、蒸気の温度を測定するための温度計が気体温度測定手段9として設置されている。本発明の特徴は、この気体温度測定手段を利用して、気体の温度変化を測定し、上述したように石油代替燃料の蒸発開始と終了を正確に特定することにある。
初流を分留する配管12には、配管8との間に開閉バルブ11が設けられており、蒸留工程の初期はバルブ11が開いており、初流が終了したと判断される。図2のグラフのB点では、バルブ11が閉じられ、蒸留した石油代替燃料が配管12に流れ込まないよう設定されている。当然、石油代替燃料の純度を上げるためには、B点を超えても暫くはバルブ11を開状態とし、配管8内に残留する不純物を配管12の方に流し込むことも可能である。
配管12の先には、初流14を蓄積する容器13が接続されている。初流の容量が少ない場合には、配管12が容器13の役割を兼用することも可能である。容器13に蓄積された初流14は、容器13に設けられた排出口(不図示)から排出される。
1次タンク内を減圧する手段として、高粘度ギアポンプなどの減圧手段17が配管15に接続されている。減圧手段17は、配管8の内部の蒸気を減圧手段17が排気しないようにするため、必ず、配管8内の蒸気が液化した後の部分に接続されている。配管15には、真空メーターなどの圧力測定手段16が設けられている。
配管8に接続された2次タンク18は、石油代替燃料20を蓄積し、タンクの下部には、タンク内の液体を排出するためのドレイン管19が、開閉バルブと共に設けられている。
本発明の石油代替燃料の製造装置は、特許文献2のように、マイコンなどの電子計算機により制御することも可能である。その際には、本発明の製造方法に従う制御プログラムがメモリに記憶され、該制御プログラムを順次呼び出しながら、本発明の製造装置の撹拌手段2や加熱手段(3,4)、冷却手段10、減圧手段17、バルブ11などが順次制御される。また、各種の表示装置を利用し、作業者に操作手順を指示するよう構成することも可能である。さらには、原料を貯蔵した容器と本製造装置とを配管や供給バルブで接続し、該供給バルブを制御することにより、原料投入工程も完全に自動化することも可能である。
以上、説明したように、本発明によれば、洗浄工程を不要とし、しかも、純度の高い石油代替燃料を製造することが可能な石油代替燃料の製造方法及び製造装置を提供することが可能となる。
本発明に係る石油代替燃料の製造装置の概略図である。 1次タンクからの蒸気温度の変化を示すグラフである。
1 1次タンク
2 撹拌手段
3 内部シーズヒータ
4 外部ラバーヒータ
5,19 排出口
6,9 温度計
7,14,20 液体
8,12,15 配管
10 冷却手段
11 バルブ
16 真空メーター
17 減圧手段
18 2次タンク

Claims (4)

  1. 1次タンク内で油脂をアルコール及びアルカリ触媒と共存させエステル交換を行うエステル交換工程と、該エステル交換工程により生成された石油代替燃料と副生成物であるグリセリンとを分離するため、該エステル交換工程を行った溶液を該1次タンク内で撹拌しながら、気圧を5mmHg以下、液温150〜300℃の範囲内で減圧蒸留し、該石油代替燃料を蒸留抽出し、液化した該石油代替燃料を2次タンクに蓄積する蒸留工程とを有し、
    該蒸留工程における液温の管理は、少なくとも蒸発する気体の温度を測定し、該溶液を加熱する加熱手段を制御すると共に、該蒸留工程中は該気体の温度は100〜250℃の範囲内になるように、該加熱手段を制御し、
    該気体の温度が上昇し定常状態となった時点から、該気体の温度が減少し始める時点までを該石油代替燃料の蒸発している期間と判断し、該期間に蒸発した石油代替燃料のみを2次タンクに蓄積することを特徴とする石油代替燃料の製造方法。
  2. 液体を収容可能な1次タンクと、
    該1次タンクから蒸発する気体を回収し液化する回収液化手段と、
    該回収液化手段で液化された液体を蓄積する2次タンクと、
    該1次タンク内の液体を加熱する加熱手段と、
    該回収液化手段を介して該1次タンク内を減圧する減圧手段と、
    該1次タンク内の液体を撹拌する撹拌手段と、
    該1次タンクから排出される気体の温度を測定する気体温度測定手段とを備え、
    油脂、アルコール及びアルカリ触媒とを該1次タンク内で該撹拌手段を用いて撹拌混合してエステル交換を行い、該エステル交換を行った溶液を撹拌しながら、該減圧手段を作動させて、該1次タンク内の圧力を所定の気圧となるように調整すると共に、該気体温度測定手段の測定値が所定の温度となるように該加熱手段を制御することによって、該1次タンク内の溶液から石油代替燃料を蒸発させ、蒸発した該石油代替燃料を液化して該2次タンクに蓄積すると共に、該気体温度測定手段の測定温度が上昇し定常状態となった時点から、該測定温度が減少し始める時点までを該石油代替燃料の蒸発している期間と判断し、該期間に蒸発した石油代替燃料のみを2次タンクに蓄積することを特徴とする石油代替燃料の製造装置。
  3. 請求項2に記載の石油代替燃料の製造装置において、該加熱手段は、少なくとも1次タンクの外部に配置されたヒータを用いることを特徴とする石油代替燃料の製造装置。
  4. 請求項2又は3に記載の石油代替燃料の製造装置において、該減圧手段により形成される気圧は5mmHg以下であり、該気体温度測定手段の測定値が100〜250℃の範囲となるように該加熱手段が制御されていることを特徴とする石油代替燃料の製造装置。
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