JP5184995B2 - クライオポンプ - Google Patents

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Description

本発明は、クライオポンプに関する。
クライオポンプは、極低温に冷却されたクライオパネルに気体分子を凝縮または吸着により捕捉して排気する真空ポンプである。クライオポンプは半導体回路製造プロセス等に要求される清浄な真空環境を実現するために一般に利用される。
例えば特許文献1及び特許文献2には、気体分子の流入を可能とする切り欠きが設けられた熱シールド板と、その切り欠きからの輻射熱入射を防止するための追加シールドと、を備えるクライオポンプが記載されている。このクライオポンプによれば、ポンプ容器と熱シールド板との間に入りこんだプロセスガスを熱シールド板の内部に導いて2段パネルに凝縮排気することができる。このため、ポンプ容器と熱シールド板との間のプロセスガスによる熱伝導を抑制することができる。よって、熱シールド板の温度上昇ひいてはクライオポンプの排気性能の低下を軽減または防止することができる。
国際公開第2005/050018号 特開2007−132273号公報
クライオパネルに凝縮された気体分子は霜または氷として堆積する。その霜が成長してより高温の熱シールド板に接触すると再気化され、クライオポンプは更なる排気をすることができなくなる。よって、高温の部位に接触するまでにパネル上に凝縮排気された気体の量がクライオポンプの最大吸蔵量に大きく影響する。熱シールド板に切り欠き及び追加シールドを設けた場合には、2段パネルに堆積した霜が追加シールドに接触することにより最大吸蔵量に制限が生じるおそれがある。
また、主として熱シールド板の上端開口から気体が進入するから2段パネルのうち最上部のパネルに集中して霜が付着する。最上部のパネルに付着した厚い氷層の表面温度は氷層厚み方向の温度勾配によってパネルよりも高温となる。この氷層表面温度もクライオポンプの最大吸蔵量に影響する。すなわち、氷層表面での気体蒸気圧が、達成すべき目標真空度を超えた場合には、雰囲気から氷層への気体凝縮よりも氷層からの気化のほうが支配的となるため、更なる排気をすることができなくなる。
そこで、本発明は、放射シールドの側面からの気体流入が許容されているクライオポンプの気体吸蔵量をより大きくすることを目的とする。
本発明のある態様は、クライオポンプである。このクライオポンプは、一端に主吸気口が形成され側面に副吸気口が形成されている放射シールドと、放射シールド内部において主吸気口から離れる方向に向かって配列されそれぞれ少なくとも1つのクライオパネルを有する上部構造及び下部構造を含み、放射シールドよりも低温に冷却されるクライオパネル構造体と、を備える。副吸気口に接続される霜収容空間が、上部構造下端のクライオパネルよりも下部構造上端のクライオパネルの気体吸蔵量が大きくなるように上部構造と下部構造との間に形成されている。
この態様によれば、下部構造による排気が促進され上部構造への気体凝縮の偏在が緩和される。下部構造の排気能力を活用することによりクライオポンプの最大吸蔵量を高めることができる。
本発明の別の態様も、クライオポンプである。このクライオポンプは、一端に主吸気口が形成され側面に副吸気口が形成されている主シールドと、副吸気口に対向する追加シールドと、を含む放射シールドと、放射シールド内部に包囲され、主吸気口から放射シールド内部に向かう方向に沿って互いに間隔をあけて配列されている複数のクライオパネルと、を備える。追加シールドに最も近接するクライオパネルと当該クライオパネルにシールド底部側で隣接するクライオパネルとの間隔が、主吸気口側で隣接するクライオパネルとの間隔とは異なる。
本発明によれば、大きな気体吸蔵量を有するクライオポンプが提供される。
本発明の一実施形態に係るクライオポンプは、第1副構造と第2副構造とに区分けされるクライオパネル構造体を備える。第1副構造と第2副構造はそれぞれ少なくとも1つのクライオパネルを備える。第1副構造及び第2副構造はポンプ開口から見て順に直列に配列される。クライオパネル構造体を包囲する放射シールドには、ポンプ開口を向く主吸気口だけでなく、副吸気口が形成されている。このクライオポンプには、第2副構造への気体分子の飛来を促進する気体流入経路が設けられている。この気体流入経路は、放射シールドの副吸気口、及び霜収容空間を含む。霜収容空間は第1副構造と第2副構造との間、すなわち第2副構造の上方に形成される。これにより、第2副構造による排気が促進されて第1副構造への気体凝縮の偏在が緩和される。第2副構造の排気能力を活用することによりクライオポンプの最大吸蔵量を高めることができる。
一実施形態に係るクライオポンプは、第1の冷却温度レベルに冷却される第1のクライオパネルと、第1の冷却温度レベルよりも低温の第2の冷却温度レベルに冷却される第2のクライオパネルと、を備える。第1のクライオパネルには、第1の冷却温度レベルにおいて蒸気圧が低い気体が凝縮により捕捉されて排気される。例えば基準蒸気圧(例えば10−8Pa)よりも蒸気圧が低い気体が排気される。第2のクライオパネルには、第2の冷却温度レベルにおいて蒸気圧が低い気体が凝縮により捕捉されて排気される。第2のクライオパネルには、蒸気圧が高いために第2の温度レベルにおいても凝縮しない非凝縮性気体を捕捉するために表面に吸着領域が形成される。吸着領域は例えばパネル表面に吸着剤を設けることにより形成される。非凝縮性気体は、第2の温度レベルに冷却された吸着領域に吸着されて排気される。
一実施形態に係るクライオポンプは、一端に主吸気口が形成され、側面に副吸気口が形成されている有底筒状の放射シールドを備える。主吸気口は例えば真空チャンバの開口に対応して設けられているシールド開口であり、副吸気口は例えば放射シールドの側面に円環上に形成されている吸気スリットである。放射シールドは冷凍機の第1冷却ステージに熱的に接続されており、第1の冷却温度レベルに冷却される。放射シールドは、副吸気口に対向する追加シールドを含んでもよい。放射シールドに包囲されてクライオパネル構造体が配置されている。クライオパネル構造体は複数のクライオパネルを備える。クライオパネル構造体は冷凍機の第2冷却ステージに熱的に接続されており、第2の冷却温度レベルに冷却される。
一実施形態に係るクライオポンプにおいては、副吸気口に接続される霜収容空間が副吸気口に隣接して形成されている。この霜収容空間は、主吸気口からシールド内部に向かう方向すなわちシールド中心軸方向に関する位置が、副吸気口の当該方向に関する位置に対応付けられている。
例えば、クライオポンプは、主吸気口から放射シールド内部に向かう方向に沿って互いに間隔をあけて配列されている複数のクライオパネルを備える。副吸気口に最も近接する2つのクライオパネルの配列方向の間隔を他の2つのクライオパネルの間隔よりも広くするように複数のクライオパネルが配列されていてもよい。また、追加シールドに最も近接する2つのクライオパネルの配列方向の間隔を他の2つのクライオパネルの間隔よりも広くするように複数のクライオパネルが配列されていてもよい。このようにすれば、副吸気口または追加シールドに最も近接する2つのクライオパネルの間に十分な霜収容空間を形成することが可能となる。
追加シールドに最も近接するクライオパネルと当該クライオパネルにシールド底部側で隣接するクライオパネルとの間隔を、主吸気口側で隣接するクライオパネルとの間隔とは異ならせてもよい。例えば、追加シールドに最も近接するクライオパネルと当該クライオパネルにシールド底部側で隣接するクライオパネルとの間隔を、主吸気口側で隣接するクライオパネルとの間隔よりも広くしてもよい。また、副吸気口に最も近接するクライオパネルと当該クライオパネルにシールド底部側で隣接するクライオパネルとの間隔を、主吸気口側で隣接するクライオパネルとの間隔よりも広くしてもよい。このようにすれば、副吸気口または追加シールドに最も近接するクライオパネルと当該パネルに隣接するクライオパネルとの間に十分な霜収容空間を形成することが可能となる。なお、副吸気口または追加シールドに最も近接するクライオパネルが、副吸気口または追加シールドの上端よりも下端に近接する場合には、主吸気口側で隣接するクライオパネルとの間隔のほうを広くしてもよい。
また、クライオパネル構造体は、放射シールド内部において主吸気口から離れる方向に向かって配列された上部副構造及び下部副構造を含んでもよい。上部副構造及び下部副構造は、それぞれ少なくとも1つのクライオパネルを有する。上部副構造と下部副構造との間隔の配列方向位置は、副吸気口または追加シールドの当該方向に関する位置に対応付けられる。このようにして、上部副構造と下部副構造との間に霜収容空間が形成される。霜収容空間は、上部構造下端のクライオパネルよりも下部構造上端のクライオパネルの気体吸蔵量が大きくなるように形成されることが望ましい。このようにすれば、下部構造上端のクライオパネルにも相当量の気体を凝縮することができる。これにより、上部構造のクライオパネルへの気体凝縮の偏在が緩和され、クライオパネル構造体全体としてより多くの気体を凝縮することが可能となる。
なおここで、「上」及び「下」は主吸気口との位置関係をわかりやすく示すために便宜上用いているにすぎず、鉛直方向に関して上方または下方であると限定する趣旨ではない。すなわち、主吸気口に相対的に近いことを「上」、相対的に遠いことを「下」と便宜上表現している。あるいは、ポンプ底部から相対的に遠いことを「上」、相対的に近いことを「下」と呼んでいるにすぎない。
また、一実施形態に係るクライオポンプは、副吸気口を通じた気体流入方向に交差しかつ霜収容空間に隣接する表面を有するクライオパネルを備えてもよい。あるいは、クライオポンプの排気運転中に副吸気口の周囲に生じる等圧面に沿うように配置されるクライオパネルを備えてもよい。
特に副吸気口よりも上方に配置されるクライオパネルは、副吸気口を通じた気体流入方向に交差するように配置されることが好ましい。副吸気口よりも上方に配置されるクライオパネルのうち副吸気口に近接する一部が、副吸気口を通じた気体流入方向に交差するように配置されていてもよい。このクライオパネルは凝縮面と吸着面とを有し、凝縮面が気体流入方向と鋭角をなし、吸着面が気体流入方向と鈍角をなすように配置されていてもよい。また、凝縮面は、副吸気口の周囲に生じる等圧面に沿って副吸気口に露出されて配置され、吸着面は副吸気口に対して遮蔽されるように配置されていてもよい。この場合例えば、副吸気口に向くパネル表面が凝縮面とされ、凝縮面の裏面に吸着面が形成されてもよい。
例えば、主吸気口に最も近接する最上クライオパネルは、主吸気口に対向する中心パネルと、最上クライオパネルに隣接するクライオパネルに向かって中心パネルの周縁部から延びる周縁パネルと、を有してもよい。周縁パネルは、最上クライオパネルに隣接するクライオパネルとは非平行に主吸気口から離れる方向に向かって延びていてもよい。周縁パネルは、最上クライオパネルに隣接するクライオパネルよりも深い角度で下方に延びていてもよい。
また、副吸気口よりも上方に配置されるクライオパネルの周縁部は、中心部から放射方向外側に行くにつれて下方に向けて延びていてもよい。例えば、副吸気口の上端から中心パネルの周縁部に向かう線よりも下方に向けて周縁パネルが延びていてもよい。
また、追加シールドは、シールド中心軸方向に関して追加シールドの下端よりも下方(すなわちポンプ底部側)に少なくとも1つのクライオパネルが配置されるように設けられることが好ましい。そうすれば、副吸気口から流入する気体を下方のクライオパネルに凝縮させて、上方のクライオパネルへの凝縮の偏在を緩和することができる。下方のクライオパネルにも比較的多くの気体を凝縮させることができるようになるので、クライオポンプの最大吸蔵量を向上させることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るクライオポンプ10を模式的に示す断面図である。クライオポンプ10は、例えばイオン注入装置やスパッタリング装置等の真空チャンバ80に取り付けられて、真空チャンバ80内部の真空度を所望のプロセスに要求されるレベルにまで高めるために使用される。例えば10−5Pa乃至10−8Pa程度の高い真空度が実現される。
クライオポンプ10は、冷凍機12とパネル構造体14と熱シールド16とを備える。パネル構造体14は複数のクライオパネルを含み、これらのパネルは冷凍機12により冷却される。パネル表面には気体を凝縮または吸着により捕捉して排気するための極低温面が形成される。クライオパネルの表面(例えば裏面)には通常、気体を吸着するための活性炭などの吸着剤が設けられる。
クライオポンプ10は、いわゆる縦型のクライオポンプである。縦型のクライオポンプとは、熱シールド16の中心軸方向に沿って冷凍機12が挿入されて配置されているクライオポンプである。なお、本発明はいわゆる横型のクライオポンプにも同様に適用することができる。横型のクライオポンプとは、熱シールド16の軸方向に交差する方向(通常は直交方向)に冷凍機の第2段の冷却ステージが挿入され配置されているクライオポンプである。
冷凍機12は、ギフォード・マクマホン式冷凍機(いわゆるGM冷凍機)である。また冷凍機12は2段式の冷凍機であり、第1段シリンダ18、第2段シリンダ20、第1冷却ステージ22、第2冷却ステージ24、及び冷凍機用モータ26を有する。第1段シリンダ18と第2段シリンダ20とは直列に接続されており、互いに連結される第1段ディスプレーサ及び第2段ディスプレーサ(図示せず)がそれぞれに内蔵されている。第1段ディスプレーサ及び第2段ディスプレーサの内部には蓄冷材が組み込まれている。なお、冷凍機12はGM冷凍機以外の冷凍機であってもよく、例えばパルスチューブ冷凍機を用いてもよい。
第1段シリンダ18の一端に冷凍機用モータ26が設けられている。冷凍機用モータ26は、第1段シリンダ18の端部に形成されているモータ用ハウジング27の内部に設けられている。冷凍機用モータ26は、第1段ディスプレーサ及び第2段ディスプレーサのそれぞれが第1段シリンダ18及び第2段シリンダ20の内部を往復動可能とするように第1段ディスプレーサ及び第2段ディスプレーサに接続される。また、冷凍機用モータ26は、モータ用ハウジング27の内部に設けられている可動バルブ(図示せず)を正逆回転可能とするように当該バルブに接続される。
第1冷却ステージ22は、第1段シリンダ18の第2段シリンダ20側の端部すなわち第1段シリンダ18と第2段シリンダ20との連結部に設けられている。また、第2冷却ステージ24は第2段シリンダ20の末端に設けられている。第1冷却ステージ22及び第2冷却ステージ24はそれぞれ第1段シリンダ18及び第2段シリンダ20に例えばろう付けで固定される。
冷凍機12には、高圧配管42及び低圧配管44を介して圧縮機40が接続される。冷凍機12は、圧縮機40から供給される高圧の作動気体(例えばヘリウム等)を内部で膨張させて第1冷却ステージ22及び第2冷却ステージ24に寒冷を発生させる。圧縮機40は、冷凍機12で膨張した作動気体を回収し再び加圧して冷凍機12に供給する。
具体的には、まず圧縮機40から高圧配管42を通じて冷凍機12に高圧の作動気体が供給される。このとき、冷凍機用モータ26は、高圧配管42と冷凍機12の内部空間とを連通する状態にモータ用ハウジング27内部の可動バルブを駆動する。冷凍機12の内部空間が高圧の作動気体で満たされると、冷凍機用モータ26により可動バルブが切り替えられて冷凍機12の内部空間が低圧配管44に連通される。これにより作動気体は膨張して圧縮機40へと回収される。可動バルブの動作に同期して、第1段ディスプレーサ及び第2段ディスプレーサのそれぞれが第1段シリンダ18及び第2段シリンダ20の内部を往復動する。このような熱サイクルを繰り返すことで冷凍機12は第1冷却ステージ22及び第2冷却ステージ24に寒冷を発生させる。また、圧縮機40においては、冷凍機12から吐出された作動気体を高圧に圧縮して冷凍機12に送出する圧縮サイクルが繰り返される。
第2冷却ステージ24は第1冷却ステージ22よりも低温に冷却される。第2冷却ステージ24は例えば10K乃至20K程度に冷却され、第1冷却ステージ22は例えば80K乃至100K程度に冷却される。第1冷却ステージ22には第1冷却ステージ22の温度を測定するための第1温度センサが取り付けられており、第2冷却ステージ24には第2冷却ステージ24の温度を測定するための第2温度センサが取り付けられている。
冷凍機12の第1冷却ステージ22には熱シールド16が熱的に接続された状態で固定され、冷凍機12の第2冷却ステージ24にはパネル構造体14が熱的に接続された状態で固定されている。このため、熱シールド16は第1冷却ステージ22と同程度の温度に冷却され、パネル構造体14は第2冷却ステージ24と同程度の温度に冷却される。
熱シールド16は、パネル構造体14及び第2冷却ステージ24を周囲の輻射熱から保護するために設けられている。熱シールド16は、主シールド50と追加シールド52とを含んで構成されている。主シールド50は一端に開口部31を有する円筒状の形状に形成されている。このシールド開口31は主シールド50の筒状側面30の上端内面により画定される。
シールド側面30には吸気スリット54が設けられている。吸気スリット54は、シールド中心軸に垂直な面に沿ってシールド中心軸を取り巻くようにシールド側面30の中央部に円環状に形成されている。吸気スリット54は、シールド中心軸方向に一定の幅を有する。吸気スリット54は、熱シールド16とポンプケース34との間に進入した気体をシールド内部に流入させることを許容する。これにより、熱シールド16とポンプケース34との間の気体圧力が低減され、気体による熱シールド16への熱伝導が抑制されて熱シールド16の温度上昇も抑えることができる。いわば、シールド開口31は主吸気口であり、吸気スリット54は副吸気口である。副吸気口はスリット形状でなくてもよく、いかなる形状であってもよい。例えば、シールド側面30の周方向に沿って複数箇所に形成された開口であってもよい。副吸気口は熱シールド16の底面に設けることも可能である。
吸気スリット54により、主シールド50は、円筒状の上部シールドと有底筒状の下部シールドとに隔てられる。上部シールドと下部シールドとは、吸気スリット54の円周方向の複数箇所(例えば90度おきに4箇所)に設けられた接続部材によって接続される。追加シールド52もこの接続部材に取り付けられていてもよい。
追加シールド52は、副吸気口に対向して主シールド50の内部に設けられている。追加シールド52は、吸気スリット54よりも幅広の円環状に形成された部材である。追加シールド52は、吸気スリット54からパネル構造体14が見えなくなるように吸気スリット54の上端よりも上方に延び、かつ吸気スリット54の下端よりも下方に延びている。つまり、追加シールド52は、熱シールド16の外部から見て副吸気口が光学的に閉塞されるような形状、寸法、及び配置を有する。これにより、副吸気口から入射する輻射熱を遮蔽することができる。また、追加シールド52の形状及び寸法、及び吸気スリット54に対する追加シールド52の配置は、副吸気口を通じて流入する気体のコンダクタンスを考慮して設定してもよい。なお、追加シールド52は主シールド50の外側に配置してもよい。
主シールド50及び追加シールド52は例えばともに銅またはアルミニウムで形成される。または、両者を異なる材料で形成し、例えば主シールド50の上部シールドを熱伝導性の高い例えば銅で形成し、下部シールド及び追加シールド52を熱容量の小さいアルミニウムで形成してもよい。主シールド50及び追加シールド52の表面にコーティングを設けてもよく、例えば黒色塗装などの放射吸収層を形成してもよい。
副吸気口は、シールド中心軸方向に関してシールド側面30の中央部またはそれよりも下方に形成することが好ましい。副吸気口がシールドの上方に設けられている場合には、副吸気口を通じた気体の流れとしてはシールド内部からシールド外部(すなわちシールド外面とポンプ容器との間)への流出が支配的となるおそれがあるからである。シールド側面30の中央部またはそれよりも下方に副吸気口を形成することにより、副吸気口における気体流れをシールド内部に向かう方向に保証することが可能となる。
一方、シールド開口31とは反対側つまりポンプ底部側の他端には閉塞部28が形成されている。閉塞部28は、熱シールド16の円筒状側面のポンプ底部側端部において径方向内側に向けて延びるフランジ部により形成される。図1に示されるクライオポンプ10は縦型のクライオポンプであるので、このフランジ部が冷凍機12の第1冷却ステージ22に取り付けられている。これにより、熱シールド16内部に円柱状の内部空間が形成される。冷凍機12は熱シールド16の中心軸に沿ってシールド内部空間に突出しており、第2冷却ステージ24はシールド内部空間に挿入された状態となっている。
なお、横型のクライオポンプの場合には、冷凍機12は、熱シールド16の側面に形成されている冷凍機取付用の開口部から熱シールド16の中心軸に直交する方向に沿ってシールド内部空間に突出して配置される。冷凍機12の第1冷却ステージ22は熱シールド16の冷凍機取付用開口部に取り付けられ、冷凍機12の第2冷却ステージ24はシールド内部空間に配置される。第2冷却ステージ24にはパネル構造体14が取り付けられる。よって、パネル構造体14はシールド内部空間に配置される。パネル構造体14は、適当な形状のパネル取付部材を介して第2冷却ステージ24に取り付けられてもよい。
なお、熱シールド16の形状は、円筒形状には限られず、角筒形状や楕円筒形状などいかなる断面の筒形状でもよい。典型的には熱シールド16の形状はポンプケース34の内面形状に相似する形状とされる。また、熱シールド16は一体の部材として筒状に構成されていなくてもよく、複数のパーツにより全体として筒状の形状をなすように構成されていてもよい。これら複数のパーツは互いに間隙を有して配設されていてもよい。
またシールド開口31にはバッフル32が設けられている。バッフル32は、真空チャンバ等からの熱放射から第2冷却ステージ24およびこれに熱的に接続される低温クライオパネルを保護する。バッフル32は、パネル構造体14とは熱シールド16の中心軸方向手前に間隔をおいて設けられている。バッフル32は、主シールド50の上部シールドの開口側末端に取り付けられており、熱シールド16と同程度の温度に冷却される。バッフル32は、例えば、ルーバ構造やシェブロン構造に形成される。バッフル32は、真空チャンバ80側から見たときに例えば同心円状に形成されていてもよいし、あるいは格子状等他の形状に形成されていてもよい。なお、バッフル32と真空チャンバ80との間にはゲートバルブ(図示せず)が設けられている。このゲートバルブは例えばクライオポンプ10を再生するときに閉とされ、クライオポンプ10により真空チャンバ80を排気するときに開とされる。
熱シールド16、バッフル32、パネル構造体14、及び冷凍機12の第1冷却ステージ22及び第2冷却ステージ24は、ポンプケース34の内部に収容されている。ポンプケース34は径の異なる2つの円筒を直列に接続して形成されている。ポンプケース34の大径の円筒側端部は開放され、真空チャンバ80との接続用のフランジ部36が径方向外側へと延びて形成されている。ポンプケース34及び熱シールド16はともに円筒状に形成されており、同軸に配設されている。ポンプケース34の内径が熱シールド16の外径を若干上回っているので、熱シールド16はポンプケース34の内面との間に若干の間隔をもって配置される。またポンプケース34の小径の円筒側端部は冷凍機12のモータ用ハウジング27に固定されている。クライオポンプ10はポンプケース34のフランジ部36を介して真空チャンバ80の排気用開口に気密に固定され、真空チャンバ80の内部空間と一体の気密空間が形成される。
クライオパネル構造体14は、シールド開口31からシールド内部に向かう方向すなわち気体流入方向Aに沿って配列された複数のクライオパネルを備える。これら複数のクライオパネルは配列方向に互いに間隔をあけて配列されている。クライオパネルの配列方向は熱シールド16の中心軸方向と一致している。クライオパネルの配列間隔は、シールド中心軸方向の吸気スリット54位置に対応づけて霜収容空間70を形成するように不均一とされている。シールド中心軸方向において霜収容空間70に相当する位置ではパネル間隔が広くなっている。
クライオパネルは例えば、それぞれが円すい台の側面の形状、いわば傘状の形状を有する。各クライオパネルは、第2冷却ステージ24に取り付けられているパネル取付部材68に取り付けられている。各パネルは、シールド中心軸に垂直な面内でパネル取付部材68から放射状に延びる円板状の取付部と、放射方向外向きにシールド開口31から離れるように取付部から延びるパネル側面と、を備える。なお本実施形態では、後述するように最上部のクライオパネル56と他のクライオパネルとは形状が異なっている。各パネルのパネル側面のシールド開口31を向く表面には吸着剤は設けられておらず、裏面には活性炭等の吸着剤(図示せず)が接着されている。各パネルの表面は凝縮面、裏面は吸着面として機能することが意図されている。
本実施形態においては、追加シールド52に最も近接するクライオパネル58と、このクライオパネル58に隣接する2つのクライオパネル56、62それぞれとの間隔が異なっている。具体的には、クライオパネル58にシールド開口側で隣接するクライオパネル56との間隔よりも、クライオパネル58にシールド底部側で隣接するクライオパネル62との間隔のほうが広い。このようにして、追加シールド52に最も近接する2つのクライオパネル58、62のパネル間隔を広くとることで、吸気スリット54に隣接して接続される霜収容空間70を大きくとることができる。
また、クライオパネル構造体14は、上部構造60と下部構造66とに区分けされる。シールド開口31からシールド内部に向かう方向に沿って上部構造60、下部構造66の順に配列されている。上部構造60及び下部構造66はそれぞれ少なくとも1つのクライオパネルを含み、本実施形態ではそれぞれ2つのクライオパネルを含む。上部構造60は、シールド開口31に最も近接する最上クライオパネル56と、追加シールド52に最も近接するクライオパネル58と、を備える。下部構造66は、クライオパネル62、64を備える。上部構造60及び下部構造66はそれぞれ、更に多数のクライオパネルを含んでもよい。
上部構造60と下部構造66との間に霜収容空間70が形成される。霜収容空間70は、上部構造60の下端のクライオパネル58よりも下部構造66の上端のクライオパネル62のほうがより多くの気体を表面に凝縮するように形成される。そのために例えば、上部構造60の下端クライオパネル58と下部構造66の上端クライオパネル62とのパネル間隔は、上部構造60の2つのクライオパネル56、58のパネル間隔よりも広くする。また、下部構造66の上端クライオパネル62は追加シールド52より下方に配設される。これにより、下部構造66の上端クライオパネル62の上方に十分な空間が形成され、追加シールド52などの高温の部位に接触することなく下部構造66の上端クライオパネル62に多くの霜を堆積させることができる。
また、上部構造60の下端クライオパネル58と下部構造66の上端クライオパネル62とのパネル間隔は、下部構造66のパネル間隔よりも広い。このように下部構造66のパネル間隔を比較的密にすることで、下部構造66の近傍におけるシールド内部空間単位積あたりのパネル面積が大きくなる。よって、クライオポンプの最大吸蔵量を大きくするのに役立つ。また、下部構造66は吸気スリット54よりも下方に配設されている。このため、吸気スリット54からポンプ底部に向けて進入した気体分子を下部構造66によって効率的に捕捉することができる。
最上クライオパネル56は、シールド開口31に対向する中心パネル72と、中心パネル72の周縁から延びる周縁パネル74と、を備える。中心パネル72は、シールド中心軸に垂直に配置された円板状パネルである。周縁パネル74は、隣接するクライオパネル58に向けてシールド中心軸に平行に延びている。周縁パネル74は、中心パネル72の周縁から下方に延びる円筒パネルである。中心パネル72の裏面及び周縁パネル74の内面には吸着剤が設けられている。周縁パネル74は、隣接するクライオパネル58の周縁部よりも深い角度でポンプ底部に向けて延びている。これにより、吸気スリット54を通じてシールド内部空間上部に進入する気体分子を周縁パネル74の表面に効率的に捕捉することができる。
そのためには、周縁パネル74は、シールド中心軸を含む面において追加シールド52の上端と中心パネル72の周端とを結ぶ線よりも下方へと延びることが好ましい。また、より原理的には、パネルの凝縮面が、吸気スリット54を通じて進入する気体の流れ方向に垂直に交差するようにパネルを配置することが好ましい。言い換えれば、吸気スリット54の周囲に生じる等圧面に沿ってパネルの凝縮面を配置することが好ましい。クライオポンプ内部の圧力分布は例えばモンテカルロ法に基づくシミュレーションによって得ることができる。
なお、周縁パネル74は放射方向外向きに上向きに延びていてもよい。この場合、最上クライオパネル56の両面に吸着材を設けずに、周縁パネル74の両面を凝縮面として利用してもよい。
パネル取付部材68は一端が閉塞され他端が開放されている円筒状の形状を有し、閉塞された端部が第2冷却ステージ24の上端に取り付けられて円筒状側面が第2冷却ステージ24を取り囲むように熱シールド16の底部に向けて延びている。パネル取付部材68の円筒状側面に複数のパネルが互いに間隔をあけて取り付けられている。なお、横型のクライオポンプにおいては、上部構造60及び下部構造66がそれぞれ上部パネル取付部材及び下部パネル取付部材を介して第2冷却ステージ24に取り付けられていてもよい。
クライオポンプ10の作動に際しては、まずその作動前に他の適当な粗引きポンプを用いて真空チャンバ80内部を1Pa程度にまで粗引きする。その後クライオポンプ10を作動させる。冷凍機12の駆動により第1冷却ステージ22及び第2冷却ステージ24が冷却され、これらに熱的に接続されている熱シールド16、バッフル32、パネル構造体14も冷却される。
冷却されたバッフル32は、真空チャンバ80からクライオポンプ10内部へ向かって飛来する気体分子を冷却し、その冷却温度で蒸気圧が充分に低くなる気体(例えば水分など)を表面に凝縮させて排気する。バッフル32の冷却温度では蒸気圧が充分に低くならない気体はバッフル32を通過して熱シールド16内部へと進入する。進入した気体分子のうちパネル構造体14の冷却温度で蒸気圧が充分に低くなる気体は、パネル構造体14の表面に凝縮されて排気される。その冷却温度でも蒸気圧が充分に低くならない気体は、パネル構造体14の表面に接着され冷却されている吸着剤により吸着されて排気される。このようにしてクライオポンプ10は真空チャンバ80内部の真空度を所望のレベルに到達させることができる。
図2は、排気運転中のクライオポンプ10を模式的に示す図である。図2に示されるように、クライオポンプ10のパネル構造体14には凝縮した気体からなる氷層が堆積している。クライオポンプ10の排気対象容積が例えばスパッタ装置の真空チャンバである場合には、この氷層の主成分は例えばアルゴンである。この氷層は排気運転時間とともに成長して厚みが増していく。図2においては、真空チャンバ80からポンプ内部への気体の流れを模式的に矢印で示している。
図3は、比較のために、排気運転中の従来のクライオポンプ100の一例を示す図である。このクライオポンプ100は等しい形状の複数のクライオパネル102が均等間隔で配列されている。放射シールド104はポンプ開口に向く開口部のみが気体の流入を許容している。この場合、図示されるように、ポンプの上部に配置されるクライオパネルほど気体分子が到達し易いので、開口に近接するクライオパネルにより厚い霜が堆積する。特に開口に対向する最上部のパネルには多量に霜が堆積する。
放射シールドとの氷層の接触が生じないことを前提として、クライオポンプは原理的には、低温クライオパネルに堆積した氷層表面での気体蒸気圧が達成すべき真空度を超えるまで排気が可能である。氷層表面での気体蒸気圧が達成すべき真空度を超えた場合には、雰囲気から氷層への気体凝縮よりも氷層からの気化のほうが支配的となるため、更なる排気をすることができない。クライオパネル表面から氷層表面に向けて徐々に温度が上昇する温度分布が生じており、氷層表面での気体蒸気圧は氷層表面の温度によって決まる。よって、いずれかのクライオパネルにおいて氷層が成長して厚くなり氷層表面温度が高くなり、氷層表面での気体蒸気圧が達成すべき真空度を超えたときの気体吸蔵量がクライオポンプの最大の吸蔵量となる。
したがって、図3に示されるクライオポンプ100においては、上方のクライオパネルに氷層堆積が偏在しているので、上方(例えば最上部)のクライオパネルが最大吸蔵量を決定する。このとき、下方のクライオパネルはいずれも潜在的には更なる排気が可能であるにもかかわらず、この潜在的排気能力は活用されないことになる。
これに対して、本実施形態に係るクライオポンプ10においては、図2に示されるように、シールド開口31からポンプ内部への主たる気体経路に加えて、副気体経路が形成されている。この副気体経路は、ポンプケース34と主シールド50との隙間から気体が進入し、シールド中心軸方向に沿ってこの隙間を進み、吸気スリット54を通ってシールド内部に至る。シールド内部に至った気体分子は追加シールド52により上方または下方へと導かれる。追加シールド52の上方へ導かれた気体分子は上部構造60のクライオパネル56、58の表面に凝縮され、追加シールド52の下方へ導かれた気体分子は下部構造66のクライオパネル62、64の表面に凝縮される。
本実施形態に係るクライオポンプ10と、図3に示される比較例のクライオポンプ100とを、同一のポンプ口径とし、同一の測定条件で最大吸蔵量を測定したところ、次の結果が得られた。アルゴンの最大吸蔵量は、本実施形態では1000lであったのに対して比較例では800lであり、本実施形態のほうが1.25倍優れていた。また、窒素の最大吸蔵量は、本実施形態では900lであったのに対して比較例では600lであり、本実施形態のほうが1.5倍優れていた。ここで、最大吸蔵量は、ガスを100sccmで連続的に導入し、25lごとに30秒間導入を停止し、停止時の圧力が1.33×10−5Pa以下を満たすことができる吸蔵量と定義した。
このように本実施形態では、主気体経路に加えて、ポンプ内部への気体流入を促進する追加の気体経路が形成されている。よって、主気体経路によっては気体分子が到達しにくい下方のクライオパネルの排気能力も充分に活用することができる。このため、クライオポンプの最大吸蔵量を高めることができる。
また、吸気スリット54に接続される霜収容空間70が上部構造60と下部構造66との間に形成され、霜収容空間70の周囲のクライオパネル表面に十分な厚さの氷層が堆積することが許容されている。これによっても、下部構造66の上端クライオパネル62に厚く氷層を堆積させて、下方のクライオパネルの潜在的排気能力を活用することができる。
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
例えば図4に示されるように、すべてのクライオパネル110が同一の形状であってもよい。霜収容空間170は、シールド中心軸方向に関して副吸気口154に対応する位置のパネル間隔を他のパネル間隔よりも広くすることにより形成される。すなわち、クライオパネル110は、副吸気口154に対応させて不均一な間隔で配列されている。
また、追加シールド152は、副吸気口154を通じてシールド内部に進入する気体を下方に導くように形成されていてもよい。このようにすれば、パネル構造体114の下部構造に効率的に気体を導くことができる。そのために、図示されるように、追加シールド152は、主シールド150の上部から連続的に形成されていてもよい。追加シールドは、放射方向内向きにポンプ底部に向けて延びている。
他の変形例として、副吸気口は、シールド中心軸方向に沿って複数の位置に設けられてもよい。この場合には、複数の副吸気口の位置に対応させて霜収容空間もシールド中心軸方向に沿って複数設けられてもよい。例えば、副吸気口が2箇所に設けられる場合には、クライオパネル構造体は上部副構造、中部副構造、及び下部副構造の3つに区分けされるように構成して各副構造の間隔が各副吸気口に対応するようにしてもよい。あるいは、各副吸気口に隣接して形成される霜収容空間が所望の大きさとなるように複数のクライオパネルの間隔を不均一にしてクライオパネルを配列するようにしてもよい。
また、クライオパネルは上述の傘状の形状に限られず、他の形状であってもよい。例えば、シールド中心軸を含む平面に沿って延びる平板パネルが放射状に複数延びる構成でもよい。この場合も、上部構造と下部構造とにクライオパネル構造体を区分けして霜収容空間を形成することが可能である。
クライオポンプの一実施例を模式的に示す図である。 排気運転中のクライオポンプを模式的に示す図である。 クライオポンプの一例を模式的に示す図である。 クライオポンプの他の実施例を模式的に示す図である。
符号の説明
10 クライオポンプ、 12 冷凍機、 14 パネル構造体、 16 熱シールド、 31 シールド開口、 32 バッフル、 54 吸気スリット、 60 上部構造、 66 下部構造、 70 霜収容空間。

Claims (6)

  1. 一端に主吸気口が形成され側面に副吸気口が形成されている放射シールドと、
    放射シールド内部において主吸気口から離れる方向に向かって配列されそれぞれ少なくとも1つのクライオパネルを有する上部構造及び下部構造を含み、放射シールドよりも低温に冷却されるクライオパネル構造体と、を備え、
    副吸気口は、クライオパネル構造体の最上部よりも下方に設けられており、
    副吸気口に接続される霜収容空間を、上部構造下端のクライオパネルよりも下部構造上端のクライオパネルの気体吸蔵量が大きくなるように上部構造と下部構造との間に形成したことを特徴とするクライオポンプ。
  2. 下部構造を副吸気口よりも下方に配置することで霜収容空間を形成したことを特徴とする請求項1に記載のクライオポンプ。
  3. 上部構造及び下部構造の少なくとも一方は複数のクライオパネルを有し、該複数のクライオパネルの間隔よりも上部構造と下部構造との間隔を広くしたことを特徴とする請求項1に記載のクライオポンプ。
  4. 主吸気口に最も近接する最上クライオパネルは、主吸気口に対向する中心パネルと、中心パネルの周縁部から最上クライオパネルに隣接するクライオパネルに向かって延びる周縁パネルと、を有することを特徴とする請求項1に記載のクライオポンプ。
  5. 一端に主吸気口が形成され側面に副吸気口が形成されている主シールドと、副吸気口に対向する追加シールドと、を含む放射シールドと、
    放射シールド内部に包囲され、主吸気口から放射シールド内部に向かう方向に沿って互いに間隔をあけて配列され、放射シールドよりも低温に冷却される複数のクライオパネルと、を備え、
    副吸気口は、前記複数のクライオパネルの最上部よりも下方に設けられており、
    追加シールドに最も近接するクライオパネルと当該クライオパネルにシールド底部側で隣接するクライオパネルとの間隔を、主吸気口側で隣接するクライオパネルとの間隔とは異ならせることで、追加シールドに最も近接するクライオパネルの上方または下方に形成される霜収容空間を広くしたことを特徴とするクライオポンプ。
  6. 追加シールドに最も近接するクライオパネルと当該クライオパネルにシールド底部側で隣接するクライオパネルとの間隔を、主吸気口側で隣接するクライオパネルとの間隔よりも広くしたことを特徴とする請求項5に記載のクライオポンプ。
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