JP5184842B2 - 着色膜厚測定方法及び装置 - Google Patents

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本発明は、光透過率、反射率に波長分布がある平面状の着色膜の膜厚を測定するために適用される着色膜厚測定方法及び装置に関するものである。
液晶パネルのような大型基板に被着されたカラーフィルタ(CF)等の膜厚を測定する方法として、光の干渉現象を用いて膜厚を測定する方法(分光干渉法)が知られているが、分光干渉法では、測定スポット範囲の膜厚にムラがある場合、分光干渉波形が打ち消されて、測定スポット範囲の膜厚値が正確に測定できない。そのため、膜厚にムラのあるサンプルでは、測定スポットを充分に微少サイズにしないと、分光干渉波形が取得できなかった。また、分光干渉法では、光透過率が高い波長範囲でないと、膜厚測定ができなかった。
そこで、膜の光透過率(吸光度)を測定してその膜厚を測定する吸光度膜厚測定方法が提案されている。
一般に、光透過率と膜厚は相関関係にあり、光透過率をT、膜の膜厚をD、膜の光吸収係数をkとすると、T=exp(−kD)の関係がある(ランベルト・ベールの法則)。したがって、膜の光透過率が分かれば、前記式からその膜厚を測定することができる。この吸光度膜厚測定方法は、分光干渉法と比べて、光透過率の大きなサンプル、光透過率の小さなサンプル、いずれのサンプルに対しても、精度のよい膜厚測定ができるとされている。つまり、測定可能なサンプルの光透過率若しくは膜厚の範囲が広いという利点がある。
この吸光度膜厚測定方法は、最近のインクジェットCF等の画素内にムラのあるサンプルの膜厚測定とか、ガラス端面近くの細かい塗りムラがある部分の膜厚測定では、測定スポット範囲の平均的な膜厚値が測定できるので、特に有効である。
ところで、着色膜の膜厚を測定するには、測定する波長をどの波長に選ぶかが問題となる。
下記特許文献1では、膜の膜厚を透過光によって測定するには、厚さ変化に対する光透過率変化が安定であり、かつ、波長の変動に対して安定な波長範囲を選ぶことが必要であると記載されている(特許文献1の[0018]参照)。
特開平5−10727号公報
本件発明者は、膜の膜厚と光の波長との相関を詳しく調べたところ、吸光度と膜厚が相関関係にある波長範囲と、相関関係の少ない波長範囲があることがわかった。この理由は、吸光度の小さい(光透過率の大きな)波長範囲であれば、干渉の影響が無視できなくなり、それが膜厚の測定に誤差を与えるものと考えられる。
したがって、膜厚を求める場合に、波長範囲を指定することにより、膜厚と吸光度の、さらに良好な相関関係が得られることがわかった。
本発明の目的は、吸光度に基づいて膜厚を測定する場合、波長範囲を指定することにより、膜厚と吸光度との良い相関が得られ、正確な膜厚の測定ができる着色膜厚測定方法及び装置を提供することである。
本発明の着色膜厚測定方法は、測定対象となる膜(サンプル)を特定し、前記サンプルと同一成分、同一構造の膜であって、膜厚が既知の膜(リファレンス)を用意し、膜厚の違う前記リファレンスに対して光透過率測定を行い、波長ごとに、膜厚と吸光度との関係を表す直線を求め、前記リファレンスの膜厚との相関度を求め、相関度の大きな波長範囲を正確な膜厚の測定ができる波長範囲として指定し、当該指定された波長範囲で、膜厚と吸光度との関係を記述した検量線を作成して記憶し、前記サンプルの吸光度を測定し、前記指定された波長範囲の吸光度を前記検量線に当てはめることによって、サ ンプルの膜厚を求める方法である。
この方法によれば、膜厚と吸光度との相関度を求め、相関度の大きな波長範囲を指定し、当該指定された波長範囲で、膜厚と吸光度との関係を記述した検量線を作成して記憶する。サンプルの膜厚を求める場合、前記サンプルの吸光度を測定し、前記指定された波長範囲の吸光度を前記検量線に当てはめる。このように吸光度を測定する場合の波長範囲を指定することで、膜厚と相関関係の強い波長範囲を使って膜厚測定ができ、膜厚を正確に測定することができる。
前記検量線を作成する手順において、膜厚と、当該指定された波長範囲の中の複数の特定された波長の吸光度を平均した平均吸光度との関係を記述した検量線を 作成して記憶し、サンプルの膜厚を求める手順において、前記指定された波長範囲の中の複数の特定された波長の吸光度を平均した平均吸光度を求め、この平均吸光度を前記検量線に当てはめることによって、サンプルの膜厚を求めてもよい。このように複数の特定された波長の吸光度を平均した平均吸光度を採用することにより、吸光度の測定誤差を吸収することができ、さらに正確な膜厚を得ることができる。
特に前記サンプルについて測定された吸光度に基づいて、色度演算も同時に行い、X,Y,Z値又はx,y値を求めることとすれば、色度測定と同時に膜厚測定ができる。
また、本発明の着色膜厚測定装置は、測定対象となる膜(サンプル)を設置するためのサンプル設置基板と、前記サンプル設置基板に設置されたサンプルに光を 照射する測定用光源部と、サンプルからの光を入射し、光量スペクトル信号を生成する分光光度計と、前記分光光度計の出力光量スペクトル信号に基づいて、膜 厚測定処理を行うコンピュータとを備え、前記コンピュータは、前記サンプルと同一成分、同一構造の膜であって、膜厚が既知で膜厚の違う複数の膜(リファレンス)の各膜厚と吸光度との関係を表す直線と前記リファレンスの膜厚との相関関係の強い指定波長範囲の中で、膜厚と吸光度との関係を記述した検量線を記憶し、前記コンピュータは、前記サンプルの前記指定波長範囲の吸光度を前記検量線に当てはめることによって、前記サンプルの膜厚を求めるものである。
この着色膜厚測定装置は、前記着色膜厚測定方法の発明と実質同一発明にかかる装置であり、吸光度を測定する場合波長範囲を指定することにより、膜厚と吸光度の良い相関がとれ、膜厚を正確に測定することができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の着色膜厚測定方法を実施するための膜厚測定装置(マクロ光学系)を示すブロック図である。
膜厚測定装置は、測定対象となる膜(サンプルSという)を設置するための、水平面(XY面)上を移動することができるサンプル設置基板2と、サンプル設置基板2の下から上方向に光を照射する投光部8と、サンプルを透過した光を受光する受光部9とを備えている。サンプル設置基板2の中央部には光が透過することのできる孔2aが設けられていて、サンプルSはこの孔2aの上に設置される。投光部8と受光部9は、それぞれ独立して上下動可能であるとともに、連動して上下動可能となっている。
投光部8は、測定用光源8aと、測定用光源8aからの光を導く光ファイバ8bとを備えている。なお、測定用光源8aは広い範囲に広がったスペクトルを含む光源であることが望ましいので、たとえばハロゲンランプなどが用いられる。光ファイバ8bの先端に装着された、レンズを内蔵した先端筒部8cの投光スポット径はたとえば5mmである。
受光部9は、サンプルSを透過した光を導く光ファイバ9aを備えている。光ファイバ9aの先端に装着された、レンズを内蔵した先端筒部9bの受光スポット径はたとえば20mmである。
光ファイバ9aを伝搬した、サンプルSの透過光はMCPD(分光光度計)6に入射され、ここでサンプルSの透過光の光量スペクトル信号が生成される。MCPD6から出力された光量スペクトル信号は、本発明の着色膜厚測定方法を実現するためのプログラムが格納されたコンピュータ7に入力される。コンピュータ7にはキーボード7aと、液晶ディスプレイLCD7bが接続されている。
図2は、本発明の着色膜厚測定方法を実施するための他の膜厚測定装置(顕微光学系)を示すブロック図である。
膜厚測定装置は、測定対象となる膜(サンプルSという)を設置するための、水平面(XY面)上を移動することができるサンプル設置基板2と、サンプル設置基板2の下から上方向に光を照射する透過光源部3と、基板の上から下方向に光を照射する反射光源部4とを備えている。サンプル設置基板2の中央部には光が透過することのできる孔2aが設けられていて、サンプルSはこの孔2aの上に設置される。透過光源部3と反射光源部4は、それぞれ独立して上下動可能であるとともに、連動して上下動可能となっている。
透過光源部3は、測定用光源3aと、測定用光源からの光を導く光ファイバ3bと、位置合わせ用光源3cと、位置合わせ用光源3cからの光を導く光ファイバ3dと、第一のビームスプリッタ3eと、第一のビームスプリッタ3eから出力される光を集光してサンプルSに当てるためのレンズを内蔵した先端筒部3fとを備えている。第一のビームスプリッタ3eは、測定用光源3aの光を通過させるとともに、位置合わせ用光源3cからの光をサンプルSに向けて反射させる。なお、測定用光源3aは広い範囲に広がったスペクトルを含む光源であることが望ましいので、たとえばハロゲンランプなどが用いられる。位置合わせ用光源3cは、可視光を発する光源であればよく、その種類は問わない。先端筒部3fの投光スポット径はたとえば20μmである。
反射光源部4は、測定用光源4aと、測定用光源4aからの出力光を導く光ファイバ4bと、光ファイバ4bの先端から出力される光をサンプルSに向けて屈曲させる第二のビームスプリッタ4cと、第二のビームスプリッタ4cで屈曲された光を集光してサンプルSに当てるためのレンズを内蔵した先端筒部4dとを備えている。先端筒部4dの投受光スポット径はたとえば40μmである。
さらに反射光源部4は、サンプルSを反射して戻って第二のビームスプリッタ4cを通過した光を一部反射させる第三のビームスプリッタ4eと、第三のビームスプリッタ4eで反射された光を導く光ファイバ4fと、第三のビームスプリッタ4eを通過した光に基づいてその像を形成して画像信号に変換するCCDカメラ4gと、前記光ファイバ4fに分岐接続された位置合わせ用光源4hとを備えている。
CCDカメラ4gで撮影した画像信号は画像モニタ5に入力され、ここで位置合わせ用光源3c,4hの光で照らされたサンプルSを観察することができる。また、第三のビームスプリッタ4eを反射し光ファイバを伝搬したサンプルSの反射光はMCPD(分光光度計)6に入射され、ここでサンプルSの反射光又は透過光の光量スペクトル信号が生成される。MCPD6から出力された光量スペクトル信号は、本発明の着色膜厚測定方法を実現するためのプログラムが格納されたコンピュータ7に入力される。コンピュータ7にはキーボード7aと、液晶ディスプレイLCD7bが接続されている。
次に、これらの膜厚測定装置における膜厚測定手順を、カラーフィルタの透過光測定を例にとって説明する。
(1)リファレンス測定−検量線の作成
まず、リファレンスRと同じガラス成分、同じ膜厚の素ガラス(色の付いていないガラス)を用意し、サンプル設置基板2に設置し、位置合わせ用光源3cから光を照射して、画像モニタ5で観察しながら、ピントの合った投光スポットが反射光源部4の視野に映るように、透過光源部3と反射光源部4とをそれぞれ上下移動させる。なおこの上下移動は、測定者が行ってもよいが、公知のオートフォーカス機構を利用しても良い。
この状態で、位置合わせ用光源3cを消灯し、測定用光源3aの光源を点灯し素ガラスに照射する。素ガラスを透過した光は、反射光源部4の先端筒部4dに入り、第二のビームスプリッタ4cを通過し第三のビームスプリッタ4eで反射され、光ファイバ4fを伝搬しMCPD6に入射される。このようにして、MCPD6で、素ガラスの波長ごとの光量、すなわち光量スペクトルGlassを測定することができる。
次に、すべての光源を消灯して、MCPD6の暗電流のスペクトルDarkを測定する。
次に、膜厚の分かっているカラーフィルタ(リファレンスRという)をサンプル設置基板2に設置し、測定用光源3aの光源を点灯し、リファレンスRに照射する。リファレンスRは、膜厚を測定したいカラーフィルタ(サンプルSという)と同じ成分、同じ色、同じ構造であるとする。リファレンスRを透過した光は、反射光源部4の先端筒部4dに入り、第二のビームスプリッタ4cを通過し第三のビームスプリッタ4eで反射され、光ファイバ4fを伝搬しMCPD6に入射される。このようにして、MCPD6で、波長ごとの光量、すなわち光量スペクトルRefを測定する。
これらの測定値に基づいて、リファレンスRの光透過率スペクトルT(%)を求める。
Tref=(Ref-Dark)/(Glass-Dark)
そして、光透過率スペクトルTrefを吸光度スペクトルArefに換算する。この換算式は、
吸光度スペクトルAref=2−log(Tref)
である。吸光度の単位はない。
図3(a)〜図3(d)は、膜厚の違う3枚の赤のカラーフィルタについて吸光度を測定し、各波長ごとに、吸光度と膜厚との関係をプロットしたグラフである。
図3(a)は波長400nmにおける吸光度と膜厚との関係をプロットしている。この関係を直線に当てはめたところ、プロットされた生データと直線との相関度R2は0.9999であった。図3(b)は波長500nmにおける吸光度と膜厚との関係をプロットしている。この場合、相関度R2は1.0000であった。図3(c)は波長600nmにおける吸光度と膜厚との関係をプロットしている。この場合、相関度R2は0.9929であった。図3(d)は波長700nmにおける吸光度と膜厚との関係をプロットしている。この場合、相関度R2は0.9647であった。このように波長が長い範囲では相関度は低下している。
図4(a)〜図4(d)は、緑のカラーフィルタについて、吸光度と膜厚との関係をプロットしたグラフである。図4(a)は波長400nmにおける吸光度と膜厚との関係をプロットしている。この関係を直線に当てはめたところ、相関度R2は0.9956であった。図4(b)は波長500nmにおける吸光度と膜厚との関係をプロットしている。この場合、相関度R2は0.9918であった。図4(c)は波長600nmにおける吸光度と膜厚との関係をプロットしている。この場合、相関度R2は0.9996であった。図4(d)は波長700nmにおける吸光度と膜厚との関係をプロットしている。この場合相関度R2は0.9994であった。このように、波長が短い範囲では相関度は低下している。
図5(a)〜図5(d)は、それぞれの膜厚を有する青のカラーフィルタについて、吸光度と膜厚との関係をプロットしたグラフである。図5(a)は波長400nmにおける吸光度と膜厚との関係をプロットしている。この関係を直線に当てはめたところ、相関度R2は0.9778であった。図5(b)は波長500nmにおける吸光度と膜厚との関係をプロットしている。この場合、相関度R2は0.9998であった。図5(c)は波長600nmにおける吸光度と膜厚との関係をプロットしている。この波長では、相関度R2は0.9996であった。図5(d)は波長700nmにおける吸光度と膜厚との関係をプロットしている。この波長では相関度R2は0.9951であった。このように、波長が短い範囲では相関度は低下している。
以上の図3〜図5の結果から、3つのカラーフィルタについて、波長と相関度との関係をプロットしたグラフが図6である。さらに図7は縦軸に表された相関度を拡大したグラフである。
図6、図7から、赤のカラーフィルタは、500nm以下の波長域で膜厚と吸光度との相関が高いことがわかる。緑のカラーフィルタは、480nm以下又は600nm以上の波長域で膜厚と吸光度との相関が高いことがわかる。青のカラーフィルタは、600nm以上の波長域で膜厚と吸光度との相関が高いことがわかる。
そこで、本発明の膜厚測定方法では、カラーフィルタごとに、膜厚と相関関係の強い波長範囲を指定する。具体的には、赤のカラーフィルタでは400nm〜540nmとし、緑のカラーフィルタでは580nm〜700nmとし、青のカラーフィルタでは650nm〜725nmとする。このように、指定された波長範囲は、カラーフィルタの膜厚と相関関係の強い波長範囲となっている。
そして当該指定された波長範囲で、膜厚と波長の関係を記述した検量線を作成しデータの形でコンピュータ内のメモリに記憶する。この検量線は本発明の実施の形態では、膜厚Dと吸光度Aとの関係を記述した一次式になる。すなわち、検量線は、
D=aA+b
の関係式で表される。膜厚Dの単位は例えばμmである。
この吸光度Aは、指定波長範囲の中の1点の波長の吸光度でもよく、指定波長範囲の中の複数の特定された波長の吸光度を平均した「平均吸光度」であってもよい。平均吸光度を用いれば、膜厚測定誤差を馴らして小さくすることができるので好ましい。
(2)サンプル測定
コンピュータ7によって実現される本発明の着色膜厚測定方法を、フローチャート(図8)を用いて説明する。膜厚を測定したいカラーフィルタをサンプルSという。以下の測定方法を実現するコンピュータの機能の全部又は一部は、CD−ROMやハードディスクなど所定の媒体に記録されたプログラムを、コンピュータ7のCPUが実行することにより実現される。
まず、(1)の測定と同様、リファレンスRと同じガラス成分、同じ膜厚の素ガラス(色の付いていないガラス)を用意し、サンプル設置基板2に設置し、位置合わせ用光源3cから光を照射して、画像モニタ5で観察しながら、ピントの合った投光スポットが反射光源部4の視野に映るように、透過光源部3と反射光源部4とをそれぞれ上下移動させる。なおこの上下移動は、測定者が行ってもよいが、公知のオートフォーカス機構を利用しても良い。この状態で、位置合わせ用光源3cを消灯し、測定用光源3aの光源を点灯し素ガラスに照射する。素ガラスを透過した光は、反射光源部4の先端筒部4dに入り、第二のビームスプリッタ4cを通過し第三のビームスプリッタ4eで反射され、光ファイバ4fを伝搬しMCPD6に入射される。このようにして、MCPD6で、素ガラスの波長ごとの光量、すなわち光量スペクトルGlassを測定する(ステップS1)。
次に、すべての光源を消灯して、MCPD6の暗電流のスペクトルDarkを測定する(ステップS2)。
次に、膜厚を測定したいサンプルSをサンプル設置基板2に設置し、測定用光源3aの光源を点灯し、サンプルSに照射する。サンプルSを透過した光は、反射光源部4の先端筒部4dに入り、第二のビームスプリッタ4cを通過し第三のビームスプリッタ4eで反射され、光ファイバ4fを伝搬しMCPD6に入射される。このようにして、MCPD6で、波長ごとのサンプル透過光量、すなわちサンプル透過光量スペクトルSampleを測定する(ステップS3)。
これらの測定値に基づいて、サンプルSの光透過率スペクトルT(%)を求める(ステップS4)。
Tsamp=(Sample-Dark)/(Glass-Dark)
そして、光透過率スペクトルTsampを吸光度スペクトルAsampに換算する(ステップS5)。この換算式は、
吸光度スペクトルAsamp=2−log(Tsamp)
である。
この吸光度スペクトルから指定波長範囲の吸光度を求める。吸光度は、段階(1)で検量線を作成するときに採用した波長に一致させる。例えば、検量線を作成するときに採用した波長が指定波長範囲の中の1つの特定された波長であれば、その波長の吸光度である。検量線を作成するときに採用した波長が指定波長範囲の中の複数の特定された波長であれば、それらの各波長における吸光度を平均した「平均吸光度」である(ステップS6)。
この吸光度又は平均吸光度を、段階(1)で作成した検量線に当てはめる。このようにして、各サンプルSの膜厚を測定することができる(ステップS7)。
なお、ステップS8は、光透過率スペクトルからサンプルの色度X,Y,Z,x,yを求める手順を示している。この色度は、サンプルの光透過率スペクトルR(λ)にCIE光源スペクトルS(λ)を掛け、赤緑青に対する目の色感関数x(λ),y(λ),z(λ)を書けて可視波長範囲にわたって積分することによって得られる。
X=K∫S(λ)x(λ)R(λ)dλ
Y=K∫S(λ)y(λ)R(λ)dλ
Z=K∫S(λ)z(λ)R(λ)dλ
積分範囲は380nmから780nmまでである。色度x,yは、X,Y,Zから次のような変換をすることによって求められる。
x=X/(X+Y+Z),y=X/(X+Y+Z)
このように、ステップS8の手順を追加することによって、膜厚測定と同時に色度測定ができる。
以上で、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の実施は、前記の形態に限定されるものではない。例えば、いままでの実施形態では、透過光スペクトルを測定することによって膜厚を求めていたが、反射光源部4を使って、膜の反射光スペクトルを測定することによって膜厚を求めてもよい。この場合、反射率(%)と吸光度の関係は、吸光度=2−log(反射率/2)となる。リファレンスの反射光スペクトルに基づいて検量線を作成し、測定されたサンプルの吸光度を前記検量線に当てはめて膜厚を求める手順は、前述した透過光測定の場合と同様である。この反射率測定は、裏面が反射性である膜について特に有効である。
膜厚値がわかっている3つの赤のカラーフィルタ、膜厚値がわかっている3つの緑のカラーフィルタ、膜厚値がわかっている3つの青のカラーフィルタ、合計9つのサンプルを選定して光透過率スペクトルを測定した。測定例を図9に示す。図9の光透過率スペクトルを、吸光度スペクトルに換算したグラフが図10である。図10で、四角の枠で囲んだ領域が、それぞれのカラーフィルタについて決定された指定波長範囲である。
赤のカラーフィルタR1,R2,R3について、膜厚と吸光度の相関が高い指定波長範囲を400nm〜540nmとして、400nm〜540nmの範囲で5nm間隔の吸光度の平均値(平均吸光度)を求めた。この平均吸光度を検量線に当てはめることにより、膜厚(吸光度膜厚という)を算出した。その結果を表1に示す。
Figure 0005184842
表1から、実際の膜厚値と測定した吸光度膜厚値との差は、きわめて小さなものであり、本発明の方法により、精度のよい膜厚測定ができることがわかった。
次に、膜厚値がわかっている3つの緑のカラーフィルタG1,G2,G3について、吸光度スペクトルを測定し、膜厚と吸光度の相関が高い指定波長範囲を580nm〜700nmとして、580nm〜700nmの範囲で5nm間隔の吸光度の平均値(平均吸光度)を求めた。この平均吸光度を検量線に当てはめることにより、膜厚(吸光度膜厚という)を算出した。その結果を表2に示す。
Figure 0005184842
表2から、実際の膜厚値と測定した膜厚値との差は、きわめて小さなものであり、本発明の方法により精度のよい膜厚測定ができることがわかる。
次に、膜厚値がわかっている3つの青のカラーフィルタB1,B2,B3について、吸光度スペクトルを測定し、指定波長範囲を650nm〜725nmとして、650nm〜725nmの範囲で5nm間隔の吸光度の平均値(平均吸光度)を求めた。この平均吸光度を検量線に当てはめることにより、膜厚(吸光度膜厚という)を算出した。その結果を表3に示す。
Figure 0005184842
表3から実際の膜厚値と、測定した膜厚値との差は、きわめて小さなものであり、本発明の方法により精度のよい膜厚測定ができることがわかる。
本発明の着色膜厚測定方法を実施する膜厚測定装置の構成(マクロ光学系)を示すブロック図である。 本発明の着色膜厚測定方法を実施する膜厚測定装置の他の構成(顕微光学系)を示すブロック図である。 (a)〜(d)は、赤のカラーフィルタについて、吸光度と膜厚との関係をプロットしたグラフである。 (a)〜(d)は、緑のカラーフィルタについて、吸光度と膜厚との関係をプロットしたグラフである。 (a)〜(d)は、青のカラーフィルタについて、吸光度と膜厚との関係をプロットしたグラフである。 3つのカラーフィルタについて、波長と相関度との関係をプロットしたグラフである。 図6の縦軸に表された相関度を拡大したグラフである。 本発明の着色膜厚測定方法を実現するコンピュータ処理を説明するためのフローチャートである。 3つの赤のカラーフィルタ、3つの緑のカラーフィルタ、3つの青のカラーフィルタ、合計9つのサンプルを選定して光透過率スペクトルを測定した結果を示すグラフである。 図9の光透過率スペクトルを、吸光度スペクトルに換算したグラフである。
符号の説明
2 サンプル設置基板
3 透過光源部
3a 測定用光源
3f 先端筒部
4 反射光源部
4a 測定用光源
4d 先端筒部
6 MCPD(分光光度計)
7 コンピュータ
8 投光部
8c 先端筒部
9 受光部
9b 先端筒部

Claims (3)

  1. 以下の(1)から(6)までの手順を実施することを特徴とする着色膜厚測定方法。
    (1)測定対象となる膜(サンプル)を特定する。
    (2)前記サンプルと同一成分、同一構造の膜であって、膜厚が既知の膜(リファレンス)を用意する。
    (3)膜厚の違う前記リファレンスに対して光透過率測定を行い、波長ごとに、膜厚と吸光度との関係を表す直線を求め、前記リファレンスの膜厚との相関度を求める。
    (4)相関度の大きな波長範囲を指定する。
    (5)当該指定された波長範囲で、膜厚と吸光度との関係を記述した検量線を作成して記憶する。
    (6)前記サンプルの吸光度を測定し、前記指定された波長範囲の吸光度を前記検量線に当てはめることによって、サンプルの膜厚を求める。
  2. 前記(6)の手順において求められた前記サンプルの吸光度に基づいて、色度演算も同時に行い、X,Y,Z値又はx,y値を求める手順を更に含む請求項1記載の着色膜厚測定方法。
  3. 前記(5)の手順において、膜厚と、当該指定された波長範囲の中の複数の特定された波長の吸光度を平均した平均吸光度との関係を記述した検量線を作成して記憶し、
    前記(6)の手順において、前記指定された波長範囲の中の複数の特定された波長の吸光度を平均した平均吸光度を求め、この平均吸光度を前記検量線に当てはめることによって、サンプルの膜厚を求める請求項1記載の着色膜厚測定方法。
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