JP5184574B2 - 撮像装置、画像処理装置、および画像処理方法 - Google Patents

撮像装置、画像処理装置、および画像処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、手振れによるぼやけのある画像からぼやけを低減する画像処理の装置および方法に関する。また、本発明は、そのような画像処理装置を備える撮像装置に関している。
デジタルカメラで画像の取得(撮像)を行うと、CCD(Charge−Coupled Device)、あるいはCMOSの読み出し回路の特性や伝送路の特性により画像にノイズが加わることがある。また、撮像時にフォーカスが合っていないこと(焦点外れ:out−of−focus)による画像のぼやけ(ブラー:blur)や、手振れ(camera shake)などによる画像のぼやけが発生する。このように撮像画像には、撮像画像固有の特性によるノイズに、撮影時の人為的な操作を起因とするぼやけが加わることにより、画像が劣化することになる。これらの「ぼやけ」のうち、撮影(露光)中におけるカメラの運動による画像のぼやけを「ブレ(motion blur)」と称する場合がある。
近年、特に高感度撮影の需要が増大していることにより、ぼやけによって劣化した画像(以下、「劣化画像」という)を元の画像(以下、「理想画像」という)にできるだけ近い画像に復元することが必要となる。高感度撮影に要求される、明るくノイズやぼやけのない画像を実現するために、大別して感度をあげるという考え方と、露光時間を長くするという考え方がある。
しかしながら、感度を高めるとノイズも増幅してしまう、そのため、信号がノイズに埋もれてしまい、ノイズが大半を占める画像になることが多い。一方で露光時間を長くすることで、その場で生じる光を多く蓄積し、ノイズの少ない画像が得られる。この場合、信号がノイズで埋もれることはないが、手振れによって画像にブレが生じるという問題がある。
そこで、従来、2通りの考え方で露光時間を長くする場合の対処法がとられていた。一つは、レンズシフトやセンサシフトといった光学式手振れ補正である。他方は、得られた画像やセンサによってブレの方向/大きさを求め、そこから信号処理によって画像を復元するという方法(信号処理による復元方法)である。信号処理による復元方法は、例えば特許文献1、特許文献2、非特許文献1などに開示されている。
以下、信号処理による復元方法を説明する。
ここでは、撮像素子の撮像面に形成される画像の輝度分布をI(x,y)で表すことにする。座標(x,y)は、撮像面の画素(光感知セル)の位置を示す2次元座標である。画像が例えば行列状に配列されたM×N個の画素からなる場合において、xおよびyが、それぞれ、0≦x≦M−1、0≦y≦N−1の関係を満足する整数であるとすると、画像を構成する個々の画素の位置を座標(x,y)によって特定することができる。ここでは、座標の原点(0、0)を画像の左上隅に置き、x軸は垂直方向、y軸は水平方向に延びるものとする。ただし、座標のとり方は、任意である。
ぼやけ(blur)のない画像(理想画像または元画像)の輝度分布をL(x,y)とし、ぼやけを規定するPSF、すなわち「点広がり関数(Point Spread Function)」をPSF(x,y)、ノイズをn(x,y)とすると、以下の式1が成立する。
Figure 0005184574
ここで、記号「*」は、2次元の畳み込み演算(コンボリューション)を示している。
手振れの点広がり関数PSF(x,y)は、撮影(露光)中における手振れの軌跡に依存する。手振れの軌跡はカメラ撮影毎に異なるため、PSF(x,y)もカメラ撮影毎に変化する。
撮影中の手振れの軌跡がジャイロセンサなどによって検出され、PSF(x,y)が既知の場合は、このPSF(x,y)を用いて逆畳み込み演算(デコンボリューション)を行うことにより、劣化画像I(x、y)から画像L(x、y)を復元することが可能になる。一方、PSF(x,y)が既知ではない場合は、劣化画像I(x、y)からPSF(x,y)を推定し、画像L(x、y)を復元する必要がある。前者を「ノンブラインド・デコンボリューション」、後者を「ブラインド・デコンボリューション」と称する。ブラインド・デコンボリューションでは、PSF(x,y)および画像Lの両方を劣化画像Iから推定する必要があるため、ノンブラインド・デコンボリューションよりもぼやけの低減が難しくなる。
手振れによるぼやけを規定するPSFの畳み込み演算は、線形フィルタによって行われる。2次元畳み込み演算の線形フィルタは、通常、N×N画素のサイズを有する係数行例からなる積分核(カーネル)によって表される。ここで、Nは3以上の整数である。ぼやけを規定するPSFは、ブラー・カーネル(blur kernel)によって表現され得る。ぼやけのある画像から、ぼやけを低減した画像(ぼやけを除去した画像を含む)を復元するには、ぼやけを規定するブラー・カーネルを推定する必要がある。
非特許文献1は、ぼやけのある1枚の画像からブラー・カーネルおよび復元画像を推定する場合において、多重スケール推定法(multi−scale inference scheme)を用いることを開示している。この多重スケール推定法では、最初に解像度の低い劣化画像を用いて3×3画素のサイズを有するブラー・カーネルを推定している。そして、推定に用いる劣化画像の解像度を徐々に高めることにより、ブラー・カーネルの解像度も高めていく。図13(a)〜(h)は、非特許文献1に開示されている方法を説明するための図である。図13(a)の上段は3×3画素のブラー・カーネルを示し、下段は対応する解像度の復元画像を示している。図13(b)〜(h)も同様であるが、徐々に解像度が向上している。
解像度の低い劣化画像では、画素数が少ないため、手振れによるぼやけの画素サイズも小さくなる。その結果、解像度の低い劣化画像では、ブラー・カーネルのサイズも小さくなり、ブラー・カーネルを推定するために必要な計算量も少なくなる。また、最初から画素数の大きな高解像度の劣化画像を用いてブラー・カーネルの推定を行うと、真のブラー・カーネルとは異なるブラー・カーネル(局所解:local minima)に収束が生じてしまう可能性がある。多重スケール推定法によれば、ブラー・カーネルの推定精度を高めることができる。
MをNよりも大きな整数とするとき、N×N画素のサイズを有するブラー・カーネルK(サイズN)を用いて、M×M画素のサイズを有するブラー・カーネルK(サイズM)の推定を行うには、ブラー・カーネルK(サイズN)をM/N倍に拡大する必要がある。また、ブラー・カーネルK(サイズN)の推定に用いた劣化画像の画素サイズを縦および横の各々についてM/N倍に拡大した劣化画像を用意する必要がある。このように拡大した劣化画像に基づいて、その劣化画像からブラー・カーネルK(サイズM)の推定を行う。この推定の初期値として用いられるブラー・カーネルK(サイズM)は、サイズの小さなブラー・カーネルK(サイズN)を拡大することによって得られる。
特開2006-129236号公報 特表2009-522825号公報
上述したブラー・カーネルの拡大は、従来、画像の拡大方法と同様の方法によって行われてきた。例えば、スプライン補間や線形補間などを用いて拡大を行うことができる。しかし、これらの方法でブラー・カーネルの拡大を行うと、ブラー・カーネルの係数行列が画像の画素値と同様に補間されるため、手振れの軌跡を表現する係数行列としては、不適当な係数行列に拡大される。このため、ブラー・カーネルの推定や画像復元に時間を要し、また、正しいブラー・カーネルを得ることが困難になるという問題が生じ得る。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、多重スケール推定法を用いて解像度を高めながらブラー・カーネルおよび復元画像の推定を行う場合において、ブラー・カーネルの拡大を適切に実行する画像処理装置および画像処理方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記の画像処理装置を備える撮像装置を提供することにある。
本発明の画像処理装置は、手振れによるぼやけのある劣化画像からぼやけを低減した画像を復元する画像処理装置であって、入力された劣化画像の解像度とは異なる解像度を有する複数の縮小劣化画像を生成する縮小画像生成部と、前記縮小画像生成部から解像度が異なる縮小劣化画像を受け取り、手振れによるぼやけを規定するブラー・カーネルの推定を、解像度が増加する順番で前記縮小劣化画像に基づいて順次行い、各縮小劣化画像の解像度に対応する解像度を有するブラー・カーネルを生成するカーネル推定部と、前記カーネル推定部によって生成されたブラー・カーネルを受け取り、受け取ったブラー・カーネルの解像度を高めることにより、受け取ったブラー・カーネルの解像度よりも高い解像度を有するブラー・カーネルの初期値を生成するカーネル拡大部とを備え、前記カーネル推定部は、第1の解像度を有する縮小劣化画像に基づいてブラー・カーネルの推定を行うとき、前記第1の解像度に対応する解像度を有するブラー・カーネルの初期値に基づいて行い、その後、前記第1の解像度よりも高い第2の解像度を有する縮小劣化画像に基づいてブラー・カーネルの推定を行うとき、前記第2の解像度に対応する解像度を有するブラー・カーネルの初期値に基づいて行い、前記カーネル拡大部は、前記カーネル推定部から受け取ったブラー・カーネルの特徴点を抽出し、前記特徴点の座標を拡大変換することによって得られた新しい特徴点を連結することにより、解像度を高めたブラー・カーネルの初期値を生成する。
好ましい実施形態において、前記カーネル拡大部は、前記カーネル推定部から受け取ったブラー・カーネルの特徴点を抽出する特徴点抽出部と、前記特徴点の座標を拡大変換する座標変換部と、座標変換によって得られた新しい特徴点を連結する特徴点連結部とを有している。
好ましい実施形態において、前記特徴点抽出部は、前記カーネル推定部から受け取ったブラー・カーネルのゼロではない係数列の屈曲部に位置する屈曲点と、前記ゼロではない係数列の始点および終点を、前記特徴点として抽出する。
好ましい実施形態において、前記特徴点抽出部は、前記カーネル推定部から受け取ったブラー・カーネルのゼロではない係数列のうち、隣接する3つの係数に対応する3つの画素が屈曲して配置されているとき、前記3つの画素の中心に位置する画素を屈曲点と判定する。
本発明の撮像装置は、撮像面上に配列された複数の光感知セルを備える撮像素子と、前記撮像面上に像を形成する光学系と、前記撮像素子から得られる信号を処理する画像処理部とを備え、前記画像処理部は、上記の画像処理装置によって実現されている。
本発明の画像処理方法は、手振れによるぼやけのある劣化画像からぼやけを低減した画像を復元する画像処理方法であって、入力された劣化画像の解像度よりも低い第1の解像度を有する第1の縮小劣化画像を生成するステップ(A)と、前記第1の縮小劣化画像に基づいて手振れによるぼやけを規定するブラー・カーネルの推定を行い、前記第1の縮小劣化画像の解像度に対応する解像度を有する第1のブラー・カーネルを生成するステップ(B)と、前期第1の解像度よりも高い第2の解像度を有する第2の縮小劣化画像を生成するステップ(C)と、前記第1ブラー・カーネルに基づいて、前記第2の解像度に対応する解像度を有する第2のブラー・カーネルの初期値を生成するステップ(D)と、
前記第2の縮小劣化画像および前記第2のブラー・カーネルの初期値に基づいて、手振れによるぼやけを規定するブラー・カーネルの推定を行い、前記第2の解像度に対応する解像度を有する第2のブラー・カーネルの推定を行うステップ(E)とを含み、前記ステップ(D)は、前記第1のブラー・カーネルの特徴点を抽出するステップ(d1)と、前記特徴点の座標を拡大変換するステップ(d2)と、拡大変換された座標を有する新しい特徴点を連結するステップ(d3)とを含む。
この発明によれば、復元対象として用いる劣化画像の解像度と推定すべきブラー・カーネルの解像度とを徐々に高めながら、推定処理を繰り返すため、最終的には解像度の高いブラー・カーネルを正確に推定し、画像の復元を完成することができる。更に、本発明によれば、ブラー・カーネルの解像度を高めるときに、特徴点の座標変換および線分連結を行うため、従来の画像拡大法で実行されるような補間によって不要な係数を設定することなく、ブラー・カーネルとして適切な係数設定を行うことが可能になる。このため、ブラー・カーネル拡大時における誤差に起因して推定精度の低下を招くという従来の問題を解決することができる。
(a)は、3×3画素のサイズを有するブラー・カーネルの一例を示す図であり、(b)は、ぼやけの無い画像の画素値の配列例を示す図である。 図1(b)の画像における位置(x,y)=(2,2)の画素に対する畳み込み演算結果を示す図である。 図1(b)の画像における位置(x,y)=(2,3)の画素に対する畳み込み演算結果を示している。 (a)は、9×9画素のブラー・カーネルの係数行列の一例を示す図であり、(b)は、(a)に示す係数のうち、ゼロでない値を有する要素を黒く塗りつぶし、ゼロの値を有する要素を白く塗りつぶした図である。 (a)は、9×9画素のブラー・カーネルを示す図であり、(b)は、(a)のブラー・カーネルを画像拡大方法によって18×18画素のサイズに拡大した図である。 (a)〜(d)は、5×5画素のブラー・カーネルを拡大して6×6画素のブラー・カーネルを得る例を示す図である。 本実施形態で用いる階層的なブラー・カーネルの推定方法の概略を説明するための図である。 本実施形態における撮像装置の概略構成を示すブロック図である。 撮像部100における撮像素子10および撮影レンズ20の概略構成を模式的に示す図である。 撮像素子10の撮像面10aの模式的な上面図である。 図7に示す画像処理部220の構成例を示すブロックである。 画像処理部220のカーネル拡大部223の構成例を示すブロックである。 本発明の実施形態で実行する復元処理の例を示すフローチャートである。 (a)〜(h)は、非特許文献1に開示されている方法を説明するための図である。
本発明の画像処理装置は、手振れによるぼやけのある劣化画像からぼやけを低減した画像を復元する画像処理装置である。この装置は、入力された劣化画像の解像度とは異なる解像度を有する縮小劣化画像を生成する縮小画像生成部を備えている。この縮小画像生成部によれば、撮像によって得た劣化画像に基づいて、その劣化画像よりも画素数を減じた低解像度の画像を得ることができる。例えば、入力画像の画素サイズがX×Y画素の場合、画素サイズがX’×Y’画素の画像に任意の比率で縮小することができる。ここで、X、Y、X’、Y’は、X>X’、Y>Y’を満たす整数である。なお、本明細書では、画像の「解像度」を、それらの「画素数」または「画素サイズ」と同じ意味で使用する。したがって、画素数が2倍になると、解像度も2倍になるものとする。
本発明の画像処理装置は、手振れによるぼやけを規定するブラー・カーネルを推定するカーネル推定部を備えている。このカーネル推定部は、解像度が異なる縮小劣化画像を、順次、縮小画像生成部から受け取り、手振れによるぼやけを規定するブラー・カーネルの推定を多重スケール推定法によって実行する。より詳細には、ブラー・カーネルの推定に用いる縮小劣化画像の解像度を徐々に高めながら、推定によって得られるブラー・カーネルの解像度も徐々に高めていく。このとき、各縮小劣化画像の解像度に対応する解像度を有するブラー・カーネルが、順次、生成されることになる。ここで、縮小劣化画像の解像度に対応するブラー・カーネルの解像度とは、ブラー・カーネルの縮小比率が縮小劣化画像の縮小比率と実質的に等しいことを意味する。すなわち、最終的に推定されるブラー・カーネルの解像度を基準にしたときの、ある段階でのブラー・カーネルの解像度の比率(縮小率)が、撮影によって取得された劣化画像の解像度を基準にしたときの、ある段階における縮小劣化画像の解像度の比率(縮小率)に実質的に等しいことを意味するものとする。
次に、図1を参照して、ブラー・カーネルをより詳しく説明する。
図1(a)は、3×3画素のサイズを有するブラー・カーネルの一例を示している。このブラー・カーネルは、露光中の手振れにより、カメラが水平方向に3画素だけ移動した場合のぼやけの一例を規定している。図1(b)は、ぼやけの無い画像の画素値の配列例を示す図である。この画像は、5×5画素のサイズを有している。図1(b)に示される25個の数値は、画像を構成する画素の輝度値の例である。
図1(a)に示すブラー・カーネルで表される手振れによるぼやけが発生した場合、ぼやけ画像は、図1(b)のブラー・カーネルによる2次元畳み込み演算を図1(b)の画像に対して実行することによって得られる。
ブラー・カーネルをK、元画像をL、ノイズをNとすると、撮影によって取得された画像(劣化画像)Iは、以下の式2によって表される。
Figure 0005184574
図2Aは、図1(b)の画像における位置(x,y)=(2,2)の画素に対する畳み込み演算結果を示している。この演算は、図2Aの左端の画像における破線の矩形に囲まれた3×3画素=9個の画素値に対して行われる。ブラー・カーネルにおける9つの係数のうちの3つの要素は、0.2、0.4、0.4の値を有しているが、他の6つの要素はゼロの値を有している。このブラー・カーネルを用いた畳み込み演算を行うと、0.2、0.4、0.4の係数は、それぞれ、画像内の位置(2,1)、(2,2)、(2,3)の画素値にかけられ、総和が求められる。その結果、18×0.2+19×0.4+21×0.4=19.6の値が得られ、この値が演算後の画素値として位置(2,2)に格納される。
一方、図2Bは、図1(b)の画像における位置(x,y)=(2,3)の画素に対する畳み込み演算結果を示している。この演算は、図2Bの左端の画像における破線の矩形に囲まれた3×3画素=9個の画素値に対して行われる。ブラー・カーネルを用いた畳み込み演算を行うと、0.2、0.4、0.4の係数は、それぞれ、画像内に位置(2,2)、(2,3)、(2,4)の画素値にかけられ、総和が求められる。その結果、19×0.2+21×0.4+18×0.4=19.4の値が得られ、この値が演算後の画素値として位置(2,3)に格納される。
与えられた解像度(画素数)の画像の画素値に対してブラー・カーネルの中心位置をシフトさせながら上記の計算を行うことにより、畳み込み演算後の画像、すなわち、手振れによるぼやけを有する画像(劣化画像)が定まることになる。
劣化画像から、ぼやけの無い画像を復元するためには、劣化の原因となるブラー・カーネルの係数行列を推定する必要がある。ブラー・カーネルが推定されれば、逆畳み込み演算によって劣化前の画像を得ること(復元)ができる。
図3(a)は、9×9画素のブラー・カーネルの係数行列の一例を示している。この係数行列のうち、ゼロでない係数の総和は1に等しくなるように規格化されている。図3(b)は、図3(a)に示す係数のうち、ゼロでない値を有する要素を黒く塗りつぶし、ゼロの値を有する要素を白く塗りつぶした図である。図3(b)の黒い要素の集合は、手振れの軌跡に対応している。露光中における手振れの軌跡に応じて、図3(b)の黒い要素の集合は、異なるパターンを有する。
手振れは、露光中におけるカメラの動きによって生じるため、その軌跡は、始点と終点とを結ぶ直線または曲線によって構成される。図3(b)に示すように、有限のサイズを有するブラー・カーネルによって表現される手振れ軌跡では、その一部に含まれる「曲線」も、2つの画素を直線で結ぶことによって得られる。
本発明の画像処理装置は、相対的に小さなサイズを有する低解像度のブラー・カーネルから相対的に大きなサイズを有する高解像度のブラー・カーネルを形成するためのカーネル拡大部を備えている。このカーネル拡大部は、カーネル推定部によって生成されたブラー・カーネルを受け取り、受け取ったブラー・カーネルの解像度を高めることにより、受け取ったブラー・カーネルの解像度よりも高い解像度を有するブラー・カーネルの初期値を生成する。
従来、ブラー・カーネルの拡大は、スプライン補間法または線形補間法などの公知の画像拡大方法によって行われてきた。このような拡大方法によってブラー・カーネルを単純に拡大すると、手振れのぼやけを示すブラー・カーネルとしては不適当な係数行列が得られる。例えば図4(a)に示す9×9画素のブラー・カーネルを画像拡大方法で18×18画素のサイズに拡大すると、図4(b)に示すように、ゼロではない値を有する係数(黒い要素)の個数が増加する。画像の拡大に際しては、補間によって画素値を補うことにより滑らかな拡大画像を得る必要があるが、その結果、手振れ軌跡が太くなるという弊害が発生する。
本発明では、このような弊害を排除するため、以下に説明する方法でブラー・カーネルのサイズを大きくする。ここでは、図5(a)〜(d)を参照して、5×5画素のブラー・カーネルを拡大して6×6画素のブラー・カーネルを得る例を説明する。
まず、図5(a)に示すブラー・カーネルが得られたとする。このブラー・カーネルにおけるゼロではない係数を持つ要素(黒の要素)の連なりから、手振れ軌跡を特定する特徴点を抽出する。ここでは、この特徴点は、「始点」、「終点」、および「屈曲点」からなる。黒の要素が屈曲点か否かは、例えば、着目する要素から両側に延びる2つの接線の角度が45度以上か否かによって決定することができる。図5(a)の例では、始点および終点は、それぞれ、位置(2,1)および位置(5,5)の要素である。また、屈曲点は、位置(3,1)、(3,3)、(5,3)である。この例における屈曲点の屈曲角度は、いずれも、90度である。
このようにして抽出した特徴点の座標に対して拡大のための座標変換を実行する。この例では、特徴点の座標を6/5倍(=1.2倍)し、小数点を四捨五入する。座標変換後における始点および終点の新しい座標は、それぞれ、(2,1)および(6,6)である。また、座標変換後における屈曲点の新しい座標は、それぞれ、(4,1)、(4,4)、(6,4)である。図5(c)では、座標変換後における特徴点の位置にある各要素を黒く塗りつぶしている。
次に、座標変換前に連結されていた特徴点を直線によって連結する。このとき、2つの位置を結ぶ直線が横切る配列要素にゼロではない係数を付与する。図5(d)は、拡大後のブラー・カーネルにおける手振れ軌跡のパターンを示している。図5(d)に示す黒い要素の個数は10個であり、拡大前における黒い要素(図5(a))の個数(8個)よりも増加しているが、軌跡に対応する線の太さは大きくなっていない。すなわち、余分な補間が行われず、手振れの軌跡により近いブラー・カーネルが得られる。
なお、本実施形態では、ブラー・カーネルにおける係数の総和が1となるように規格化を行う。このため、図5(d)に示す黒い要素に割り振られる数値は、総和が1となるように算出される。2つの特徴点を結ぶ直線が横切る配列要素(画素)の係数の総和が拡大の前後で保存されるように拡大後の係数を決定しても良い。例えば、拡大前において、2つの屈曲点を結ぶ直線が横切る配列要素(画素)が2つあり、それぞれの係数が0.14および0.16であったとする。このとき、2つの係数値の総和は、0.3である。拡大後に対応する2つの屈曲点を結ぶ直線が横切る配列要素(画素)が3つに増加した場合、3つの要素に、それぞれ、0.3/3(=0.1)の係数を与えることができる。なお、拡大後におけるブラー・カーネルの係数決定方法は、この例に限定されるものではない。
このように本発明の好ましい実施形態によれば、カーネル推定部が、第1の解像度を有する縮小劣化画像に基づいてブラー・カーネルの推定を行うとき、第1の解像度に対応する解像度を有するブラー・カーネルの初期値に基づいて行う。そして、第1の解像度よりも高い第2の解像度を有する縮小劣化画像に基づいてブラー・カーネルの推定を行うときは、第2の解像度に対応する解像度を有するブラー・カーネルの初期値に基づいて行う。このカーネル拡大部は、カーネル推定部から受け取ったブラー・カーネルの特徴点を求め、これらの特徴点の座標を拡大変換した特徴点を線で結合することにより、ブラー・カーネルの解像度を高める。
次に、図6を参照しながら、階層的なブラー・カーネルの推定方法を説明する。
まず、撮影によって取得した画像(劣化画像)の画素サイズに応じて、最終的なブラー・カーネルのサイズ(最終サイズ)と初期のブラー・カーネルのサイズ(初期サイズ)を設定する。例えば、最終サイズを20×20画素、初期サイズを3×3画素に設定する。この例では、ブラー・カーネルの横方向サイズは、3画素から20画素に拡大される。この場合、横方向拡大率Hは20/3倍である。同様にブラー・カーネルの縦方向サイズも3画素から20画素に拡大されるため、縦方向拡大率Vは20/3倍である。
上記の例では、3×3画素のサイズを有するブラー・カーネルは、徐々に画素数を増加させながら推定を繰り返し、最終的には、20×20画素のサイズを有するブラー・カーネルの推定が実行されることになる。このとき、ブラー・カーネルの推定に使用する縮小劣化画像のサイズも、ブラー・カーネルのサイズに比例して増加させることになる。以下、この点を説明する。
まず、最初に使用する最も小さな縮小劣化画像の生成を説明する。この縮小劣化画像は、撮影によって得た劣化画像を、横方向に比率H、縦方向に比率Vで縮小することによって得られる。例えば、撮影によって得た劣化画像の横方向サイズが4000画素、縦方向サイズが2000画素であれば、横方向サイズは4000/H画素に縮小され、縦方向サイズは2000/V画素に縮小される。上述したように、H=V=20/3であれば、横方向サイズは、4000/H=4000×3/20=600画素になり、縦方向サイズは2000/V=2000×3/20=300画素になる。こうして、例えば600×300画素の縮小劣化画像を用意する。
次に、3×3画素のブラー・カーネルの初期値を設定した後、その初期値と600×200画素の縮小劣化画像に基づいて、公知のブラインド・デコンボリューション法により、3×3画素のブラー・カーネルを推定するとともに、600×200画素の復元画像を生成する。最初に設定する3×3画素のブラー・カーネルは任意である。このブラー・カーネルの初期値は、固定値に設定されていても良いし、複数の初期値候補から手動または自動的に選択されても良い。
図6(b)は、最初の縮小劣化画像、すなわち最も解像度の低い縮小劣化画像に基づいて推定されたブラー・カーネルの一例を模式的に示している。例示されているブラー・カーネルでは、3×3画素のうち、3つの黒い要素は値がゼロではない係数を有する要素であり、6つの白い要素は値がゼロの係数を有する要素である。黒い要素の係数は、図示されていない具体的な数値を持ち、総和すると1に等しくなるように規格化されている。
次に、こうして得られたブラー・カーネルの拡大が行われる。図6(b)には、拡大されたブラー・カーネルの例が示されている。この例では、図5を参照しながら説明した方法により、3×3画素のブラー・カーネルから縦および横方向に5/3倍に拡大され、5×5画素のブラー・カーネル(図6(b))が生成されている。
次に、3×3画素のブラー・カーネルの推定に用いた縮小劣化画像を、縦および横方向に5/3倍拡大した縮小劣化画像を用意する。例えば600×300画素を、縦および横方向に5/3倍拡大すると、1000×500画素に拡大される。このようなサイズの縮小劣化画像は、撮影によって取得された4000×2000画素の劣化画像を縮小することによって生成されても良いが、復元によって得た600×300画素を拡大することによって生成されても良い。このような画像の縮小拡大は、公知の画像縮小拡大方法を用いて行えばよい。なお、本明細書においては、撮影によって得られた画像(劣化画像)よりも画素数の少ない画像を、すべて「縮小劣化画像」と称する。
次に、図6(b)のブラー・カーネルを初期値として用い、5×5画素のサイズに対応した解像度を有する縮小劣化画像(上記の例では、サイズ:1000×500画素)を用いてブラー・カーネルの推定を行う。この推定は、公知のブラインド・デコンボリューション法によって行われる。図6(c)には、こうして推定されたブラー・カーネルの例が示されている。このとき、1000×500画素の復元画像も生成される。
次に、同様の拡大処理により、図6(d)に例示されるブラー・カーネルを得る。そして、このブラー・カーネルのサイズに対応するサイズの縮小劣化画像を生成する。図6(d)のブラー・カーネルを初期値として用い、これに対応するサイズの縮小劣化画像からブラー・カーネルの推定を行う。推定されたブラー・カーネルの例が図6(e)に示されている。解像度の増加は、画素サイズを一定の割合(例えば5/3)で増加させることによって実現しても良いが、そのような場合に限定されない。
このようなブラー・カーネルの推定と拡大とを繰り返しながら、最終的なサイズを有するブラー・カーネルの推定を完了したとき、最終的なサイズの復元画像を得ることができる。
次に、本発明による撮像装置の実施形態の構成例を説明する。
図7は、本実施形態における撮像装置の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態の撮像装置は、デジタル式の電子カメラであり、撮像部100と、各種信号処理を行う信号処理部200と、撮像によって取得した画像を表示する撮像表示部300と、画像のデータを記録する記録媒体400と、各部を制御するシステム制御部500とを備える。本実施形態の撮像装置が公知の撮像装置と異なる主な点は、信号処理部200の動作にある。したがって、以下の説明では、主として信号処理部200を詳しく説明する。
本実施形態における撮像部100は、撮像面上に配列された複数の光感知セル(フォトダイオード)を備える撮像素子(イメージセンサ)10と、絞り機能を有するシャッタ15と、撮像素子10の撮像面上に像を形成するための撮影レンズ20とを有している。撮像素子10の典型例は、CCDまたはCMOSセンサである。本実施形態における撮影レンズ20は、公知の構成を有しており、現実には複数のレンズから構成されたレンズユニットである。シャッタ15および撮影レンズ20は、不図示の機構によって駆動され、光学ズーミング、自動露光(AE:Auto Exposure),自動焦点(AF:Auto Focus)に必要な動作が実行される。
更に、撮像部100は、撮像素子10を駆動する撮像素子駆動部30を備えている。撮像素子駆動部30は、例えばCCDドライバなどのLSIから構成されている。撮像素子駆動部30は、撮像素子10を駆動することにより、撮像素子10からアナログ信号を読み出してデジタル信号に変換する。
本実施形態における信号処理部200は、画像処理部(イメージプロセッサ)220、メモリ240、インターフェース(IF)部260を備えている。信号処理部200は、液晶表示パネルなどの表示部300、および、メモリカードなどの記録媒体400に接続されている。記録媒体は取り外し可能である。
画像処理部220は、色調補正、解像度変更、自動露光,自動焦点、データ圧縮などの動作に必要な各種信号処理を行うほか、本発明による劣化画像の復元処理を実行する。画像処理部220は、公知のデジタル信号処理プロセッサ(DSP)などハードウェアと、本発明に係る画像復元の処理を含む画像処理を実行するソフトウェアとの組合せによって好適に実現される。メモリ240は、DRAMなどによって構成される。このメモリ240は、撮像部100から得られた画像データを記録するとともに、画像処理部220によって各種の画像処理を受けた画像データや、圧縮された画像データを一時的に記録する。これらの画像データは、アナログ信号に変換された後、表示部300によって表示されたり、デジタル信号のままインターフェース部260を介して記録媒体400に記録される。
上記の構成要素は、不図示の中央演算処理ユニット(CPU)およびフラッシュメモリを含むシステム制御部500によって制御される。なお、本実施形態の撮像装置は、ビューファインダ、電源(電池)、フラッシュライトなどの公知の構成要素を備え得るが、それらの説明は本発明の理解に特に必要でないため省略する。
次に図8および図9を参照しながら、撮像部100の構成を説明する。
図8は、撮像部100における撮像素子10およびレンズ20の概略構成を模式的に示している。図7の撮像素子10は、撮像面10aを有している。撮像面10a上には、複数の光感知セルが配列されている。図9は、撮像面10aの模式的な上面図である。この例では、光感知セル1が行列状に配列されている。光感知セル1の配列形態は、図示されている例に限られず、個々の光感知セルの平面形状も正方形に限定されない。なお、カラーの画像信号を生成するため、典型的には、原色カラーフィルタまたは補色カラーフィルタが個々の光感知セル1の上に配置されている。ただし、3つの撮像素子を備え、例えばRGBの3色に光を分離した後、それぞれの色の光を別々の撮像素子で受ける構成を採用しても良い。
次に、図10および図11を参照して、画像処理部220の構成例を説明する。
図10に示されるように、本実施形態の画像処理部220は、撮像部100から画像信号を受け取り、縮小画像を生成する縮小画像生成部221と、縮小劣化画像に基づいてブラー・カーネルの推定を行うカーネル推定部222と、推定されたブラー・カーネルを拡大し、その解像度を高めるカーネル拡大部223とを備えている。
図11は、カーネル拡大部223の構成をより詳しく示す図である。図11に示されるように、このカーネル拡大部223は、カーネル推定部222から受け取ったブラー・カーネルの特徴点を抽出する特徴点抽出部225と、特徴点の座標を拡大変換する座標変換部226と、拡大変換された特徴点を連結することによって解像度を高めたブラー・カーネル(推定の初期値)を生成する特徴点連結部227を備えている。
縮小画像生成部221、カーネル推定部222、および/またはカーネル拡大部223は、公知のハードウェアに本実施形態の動作を実行させるソフトウェアを組み合わせることによって好適に実現される。しかし、本発明における各種の動作、例えば、縮小劣化画像の生成、ブラー・カーネルの推定、特徴点の抽出、特徴点座標の拡大変換、特徴点の連結などの各種処理の一部または全部を特別に製造された集積回路によって実現することも可能である。
次に、図12を参照しながら、本実施形態の動作を説明する。
まず、ステップS10において、所定の解像度を有する縮小画像を生成する。ここで、所定の解像度は、例えば、前述したように、最終的なブラー・カーネルのサイズ(最終サイズ)および初期のブラー・カーネルのサイズ(初期サイズ)の比率に基づいて設定され得る。すなわち、この比率(最終サイズ:初期サイズ)が、横方向にH:1、縦方向V:1であれば、撮影によって得られた劣化画像の画素数を横方向に1/H、縦方向に1/Vに縮小する。
次に、ステップS12において、初期サイズのブラー・カーネルと縮小劣化画像とからブラー・カーネルの推定を行う。ステップS14において、解像度が最終的なレベルに高められた状態にあるか否か(高解像度化が必要か否か)を判定し、まだ最終的な解像度に達していなければ(NO)、ステップS16に進む。ステップS16では、ステップS12で得られたブラー・カーネルから特徴点の抽出を行う。
次に、ステップS18において、特徴点の座標を拡大変換する(スケール拡大)。ステップS20では、変換された座標を連結することにより、拡大されたブラー・カーネルを生成する。こうして得られたブラー・カーネルを、ステップS22では、拡大された大きさの画像からブラー・カーネルを推定するため初期のブラー・カーネルに設定する。
この後、ステップS10に戻り、前回のカーネル推定に用いた縮小劣化画像よりも解像度を拡大した縮小劣化画像を生成する。その後は、前述した処理を繰り返す。
ステップS14において、高解像度化が終了したか否かを判定し、終了しておれば(YES)、ステップS100に進む。ステップS100では、最終的に得られたブラー・カーネルによって復元された画像を得ることができる。
上記の方法によれば、復元対象として、最初は解像度の低い劣化画像を用いるため、サイズの小さなブラー・カーネルを効率よく推定することが可能になる。そして、推定に用いる劣化画像の解像度と推定されるブラー・カーネルの解像度を高めながら、推定処理を繰り返すため、最終的には解像度の高いブラー・カーネルを局所解に陥ることなく正確に推定し、画像の復元を完成することが可能になる。更に、本発明の好ましい実施形態によれば、ブラー・カーネルの解像度を高めるときに、特徴点の座標変換と特徴点の連結を行うため、補間によって不要な係数を設定することなく、ブラー・カーネルとしてより適切な係数を設定することが可能になる。
本発明の撮像装置は、高解像度の劣化画像を画像処理によって高い精度で復元できるため、手振れによってぼやけが生じ得る撮像装置に適用して高い産業上の利用可能性がある。PSFが未知の状況下でPSFおよび復元画像の両方を推定することができるため、特別の手振れ防止機構を設けることなく、あるいは、そのような手振れ防止機構とともに、ぼやけの少ない画像を得ることが可能になる。
本発明の画像処理装置は、撮像装置に内蔵される必要は無く、撮像装置によって取得された画像のデータを受け取り、処理するように構成され得る。
10 撮像素子
20 撮影レンズ
15 絞り機能を有するシャッタ
30 撮像素子駆動部
100 撮像部
200 信号処理部
220 画像処理部
222 カーネル推定部
223 カーネル拡大部
225 特徴点抽出部
226 座標変換部
227 特徴点連結部
240 メモリ
260 インターフェース(IF)
300 表示部
400 記録媒体
500 システム制御部

Claims (6)

  1. 手振れによるぼやけのある劣化画像からぼやけを低減した画像を復元する画像処理装置であって、
    入力された劣化画像の解像度とは異なる解像度を有する複数の縮小劣化画像を生成する縮小画像生成部と、
    前記縮小画像生成部から解像度が異なる縮小劣化画像を受け取り、手振れによるぼやけを規定するブラー・カーネルの推定を、解像度が増加する順番で前記縮小劣化画像に基づいて順次行い、各縮小劣化画像の解像度に対応する解像度を有するブラー・カーネルを生成するカーネル推定部と、
    前記カーネル推定部によって生成されたブラー・カーネルを受け取り、受け取ったブラー・カーネルの解像度を高めることにより、受け取ったブラー・カーネルの解像度よりも高い解像度を有するブラー・カーネルの初期値を生成するカーネル拡大部と、
    を備え、
    前記カーネル推定部は、第1の解像度を有する縮小劣化画像に基づいてブラー・カーネルの推定を行うとき、前記第1の解像度に対応する解像度を有するブラー・カーネルの初期値に基づいて行い、その後、前記第1の解像度よりも高い第2の解像度を有する縮小劣化画像に基づいてブラー・カーネルの推定を行うとき、前記第2の解像度に対応する解像度を有するブラー・カーネルの初期値に基づいて行い、
    前記カーネル拡大部は、前記カーネル推定部から受け取ったブラー・カーネルの特徴点を抽出し、前記特徴点の座標を拡大変換することによって得られた新しい特徴点を連結することにより、解像度を高めたブラー・カーネルの初期値を生成する、画像処理装置。
  2. 前記カーネル拡大部は、
    前記カーネル推定部から受け取ったブラー・カーネルの特徴点を抽出する特徴点抽出部と、
    前記特徴点の座標を拡大変換する座標変換部と、
    座標変換によって得られた新しい特徴点を連結する特徴点連結部と、
    を有している、請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記特徴点抽出部は、前記カーネル推定部から受け取ったブラー・カーネルのゼロではない係数列の屈曲部に位置する屈曲点と、前記ゼロではない係数列の始点および終点を、前記特徴点として抽出する、請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記特徴点抽出部は、前記カーネル推定部から受け取ったブラー・カーネルのゼロではない係数列のうち、隣接する3つの係数に対応する3つの画素が屈曲して配置されているとき、前記3つの画素の中心に位置する画素を屈曲点と判定する、請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 撮像面上に配列された複数の光感知セルを備える撮像素子と、
    前記撮像面上に像を形成する光学系と、
    前記撮像素子から得られる信号を処理する画像処理部と、
    を備え、
    前記画像処理部は、請求項1に記載の画像処理装置によって実現されている、撮像装置。
  6. 手振れによるぼやけのある劣化画像からぼやけを低減した画像を復元する画像処理方法であって、
    入力された劣化画像の解像度よりも低い第1の解像度を有する第1の縮小劣化画像を生成するステップ(A)と、
    前記第1の縮小劣化画像に基づいて手振れによるぼやけを規定するブラー・カーネルの推定を行い、前記第1の縮小劣化画像の解像度に対応する解像度を有する第1のブラー・カーネルを生成するステップ(B)と、
    前期第1の解像度よりも高い第2の解像度を有する第2の縮小劣化画像を生成するステップ(C)と、
    前記第1ブラー・カーネルに基づいて、前記第2の解像度に対応する解像度を有する第2のブラー・カーネルの初期値を生成するステップ(D)と、
    前記第2の縮小劣化画像および前記第2のブラー・カーネルの初期値に基づいて、手振れによるぼやけを規定するブラー・カーネルの推定を行い、前記第2の解像度に対応する解像度を有する第2のブラー・カーネルの推定を行うステップ(E)と、
    を含み、
    前記ステップ(D)は、
    前記第1のブラー・カーネルの特徴点を抽出するステップ(d1)と、
    前記特徴点の座標を拡大変換するステップ(d2)と、
    拡大変換された座標を有する新しい特徴点を連結するステップ(d3)と、
    を含む画像処理方法。
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