JP5181472B2 - 通信制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は移動通信システムに関する。
現在、3GPP(3rd Generation Partnership Project)ではLTE(Long Term Evolution)およびSAE(System Architecture Evolution)の検討が進められている。その検討において重要なテーマの1つとしてQoS(Quality of Service)制御がある。
LTE網とSAEコア網を含むSAE/LTE移動通信システムのSAEアーキテクチャ全体のQoS制御を検討する上では、在圏側とホーム側の間でSAEコア網を経由する通信を考慮する必要がある。SAEコア網を経由する通信とは典型的にはローミングによる通信であり、在圏側のVPLMN(Visited Public Land Mobile Network)とホーム側のHPLMN(Home PLMN)との間でGSMAのグローバルローミングイクスチェンジ(GRX)網を経由する。
現在のところ、SAE/LTE移動通信システムのQoS制御に関する検討では、無線アクセス網に相当するLTE網のQoSに焦点が当てられており、SAEコア網のQoSはそれに比べて検討が進んでいない。それ故、SAEコア網を含むSAEアーキテクチャ全体をカバーするQoS制御の確立が求められている。
一般的にはVPLMNとHPLMNはオペレータが異なり、各PLMNにはそれぞれのオペレータのポリシーが適用されるので、HPLMNのユーザに適用されるポリシーとVPLMNのユーザに適用されるポリシーとは異なっていてもよい。
VPLMNのポリシーはV−PCRF(Policy and Charging Rules Function)にて規定され、HPLMNのポリシーはV−PCRFにて規定される。VPLMNのPCEF(V−PCEF(Policy and Charging Enforcement Function))は、V−PCRFにより規定されるポリシーに従い、HPLMNのPCEF(H−PCEF)はH−PCRFにより規定されるポリシーに従う。
エンドツーエンドサービスは、V−PCEFとH−PCEFとの間でSAEコア網を経由する。SAEコア網上には、V−PCEFであるUPE(User Plane Entity;あるいはV−IASA(IETF Administrative Support Activity))とH−PCEFであるIASA(あるいはH−IASA)との間にSAE CNベアラが確立される。このSAE CNベアラを含むSAEアーキテクチャ全体をカバーするQoS制御が求められる。
特許文献1には、2つのノード(在圏ノード、関門ノード)間をコア網で接続してエンドツーエンドサービスを提供する移動通信システムにおけるQoS制御の一例が開示されている。これによればエンドツーエンドサービスをカバーするQoS制御が可能となる。
特開2003−298616号公報
3GPPで検討が進められているSAE/LTE移動通信システムでは、ポリシーの設定や変更の自由度を高めたSAEアーキテクチャが採用されている。しかしながら特許文献1に開示された制御は、そのようなSAE/LTE移動通信システムのシステム構成を考慮したものではなかった。そのため、そのままでは容易に適用することができなかった。
本発明の目的は、ポリシーの自由度を高めたシステム構成においてアーキテクチャ全体をカバーするベアラリソース制御が可能な移動通信システムを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の移動通信システムは、
在圏網とホーム網がコア網を介して接続される移動通信システムであって、
前記在圏網に備えられ、移動端末と接続し、該移動端末と相手側装置との間の前記在圏網、前記コア網、および前記ホーム網を経由するエンドツーエンドサービスに在圏網ベアラのリソースを提供し、該在圏網ベアラのリソースによって前記エンドツーエンドサービスのデータを中継する在圏ユーザプレーン装置と、
前記ホーム網に備えられ、前記コア網と前記在圏網の前記在圏ユーザプレーン装置とを介して前記移動端末と接続し、前記エンドツーエンドサービスにコア網ベアラのリソースを提供し、該コア網ベアラのリソースによって前記エンドツーエンドサービスのデータを中継するホームゲートウェイ装置と、
前記在圏網に備えられ、前記エンドツーエンドサービスで利用するために要求されるベアラサービスのリソース量に基づいて、前記在圏ユーザプレーン装置が前記エンドツーエンドサービスに提供する前記在圏網ベアラのリソース量を決定する在圏ポリシー制御装置と、
前記ホーム網に備えられ、前記エンドツーエンドサービスで利用するために要求されるベアラサービスのリソース量に基づいて、前記ホームゲートウェイ装置が前記エンドツーエンドサービスに提供する前記コア網ベアラのリソース量を決定し、自身が決定した該コア網ベアラのリソース量と前記在圏ポリシー制御装置が決定した前記在圏網ベアラのリソース量とが一致していなければ、それらを一致させる処理を行なうホームポリシー制御装置と、を有している。
本発明によれば、ホームポリシー制御装置と在圏ポリシー制御装置が連携して、エンドツーエンドサービスに提供するホーム側および在圏側の双方のベアラサービスのリソース量をそれぞれに決定し、さらにホーム側のベアラサービスのリソース量と在圏側のベアラサービスのリソース量とを一致させるので、ポリシー制御をユーザプレーン制御と分離してポリシーの自由度を高めたシステム構成において、アーキテクチャ全体をカバーするリソース制御が可能である。
また、本発明よれば、ホームポリシー制御装置および在圏ポリシー制御装置がユーザプレーンと分離して設けられているので、各オペレータのポリシーをシステム全体に容易に設定したり変更したりでき、自由度が高い。
また、前記ホームポリシー制御装置は、前記エンドツーエンドサービスで利用するために要求されるベアラサービスのリソース量にホーム網のポリシーを適用した後、前記在圏ポリシー制御装置に、要求されるリソース量の情報を含むリソース要求信号を送信すると共に、前記ホームゲートウェイ装置と連携して、前記エンドツーエンドサービスに提供する前記コア網ベアラのリソース量を決定し、
前記ホームポリシー制御装置から前記リソース要求信号を受信した前記在圏ポリシー制御装置は、該リソース要求信号に含まれている、要求されたリソース量の情報に在圏網のポリシーを適用した後、前記エンドツーエンドサービスに提供する前記在圏網ベアラのリソース量を決定し、該在圏網ベアラのリソース量の情報を含む割り当て応答信号を前記ホームポリシー制御装置に送信し、
前記在圏ポリシー制御装置から前記応答信号を受信した前記ホームポリシー制御装置は、自身が決定した前記コア網ベアラのリソース量と、前記在圏ポリシー制御装置から前記割り当て応答信号で通知された前記在圏網ベアラのリソース量とを比較し、それらが一致していなければ一致させる処理を行なうとしてもよい。
また、前記ホームポリシー制御装置は、前記移動端末から、エンドツーエンドサービスに利用するためのベアラサービスのリソースを要求するベアラ要求信号を受信したときに、前記エンドツーエンドサービスに提供する前記コア網ベアラのリソース量を決定する処理と、前記エンドツーエンドサービスに提供する前記在圏網ベアラのリソース量を前記在圏ポリシー制御装置に決定させる処理とを開始するとしてもよい。
また、前記ホームポリシー制御装置は、前記リソース要求信号を前記在圏ポリシー制御装置に送信すると共に、前記エンドツーエンドサービスに提供する前記コア網ベアラのリソース量を決定するために、前記ホームゲートウェイ装置に、前記移動端末から要求されたリソースを要求し、
前記ホームゲートウェイ装置は、前記ホームポリシー制御装置からリソースを要求されると、その要求に対して許可できるコア網ベアラのリソース量を求めて前記ホームポリシー制御装置に応答し、
前記在圏ポリシー制御装置は、前記ホームポリシー制御装置から前記リソース要求信号を受信すると、前記エンドツーエンドサービスに提供する前記在圏網ベアラのリソース量を決定するために、前記在圏ユーザプレーン装置に、前記リソース要求信号の要求に基づく量のリソースを要求し、
前記在圏ユーザプレーン装置は、前記在圏ポリシー制御装置からリソースを要求されると、その要求に対して許可できる在圏網ベアラのリソース量を求めて前記在圏ポリシー制御装置に応答するとしてもよい。
また、前記在圏ユーザプレーン装置は、前記コア網に接続された在圏ユーザプレーン制御装置と、前記在圏ユーザプレーン制御装置に接続され前記移動端末と無線で接続する基地局とを含んでおり、前記在圏ユーザプレーン制御装置が前記基地局との間のアクセスベアラを管理し、前記基地局が前記移動端末との間の無線ベアラを管理しており、
前記在圏ポリシー制御装置は、前記ホームポリシー制御装置から前記リソース要求信号を受信すると、前記リソース要求信号の要求に基づく量のリソースを要求する在圏網リソース要求信号を前記在圏ユーザプレーン制御装置に送信し、
前記在圏ユーザプレーン制御装置は、前記在圏網リソース要求信号を受信すると、前記エンドツーエンドサービスに許可できるアクセスベアラのリソースを求めると共に、前記基地局に無線ベアラのリソースを要求する無線リソース要求信号を送信し、
前記基地局は、前記無線リソース要求信号を受信すると、前記エンドツーエンドサービスに許可できる無線ベアラのリソースを求めるとしてもよい。
また、前記在圏ユーザプレーン制御装置は、前記移動端末から、ベアラサービスのリソースを要求するベアラ要求信号を受信すると、該ベアラ要求信号による要求に対して許可できるアクセスベアラのリソースを求め、前記基地局に無線ベアラのリソースを要求する無線リソース要求信号を送信すると共に、前記ホームゲートウェイ装置にコア網ベアラのリソースを要求するコア網リソース要求信号を送信し、
前記基地局は、前記無線リソース要求信号を受信すると、該無線リソース要求信号の要求に対して許可できる無線ベアラのリソース量を求め、該無線ベアラのリソース量の情報を含む無線リソース割り当て応答信号を前記在圏ユーザプレーン制御装置に送信し、
前記ホームゲートウェイ装置は、前記コア網リソース要求信号を受信すると、該コア網リソース要求信号の要求に対して割り当てるコア網ベアラのリソース量の情報を含むコア網リソース割り当て応答信号を前記在圏ユーザプレーン制御装置に送信し、
前記在圏ユーザプレーン制御装置は、前記基地局から受信した前記無線リソース割り当て応答信号に含まれている前記無線ベアラのリソース量と、前記ホームゲートウェイ装置から受信した前記コア網リソース割り当て応答信号に含まれている前記コア網ベアラのリソース量とが一致していなければ、それらを一致させる処理を行なうとしてもよい。
また、前記ホームポリシー制御装置は、自身が決定した前記コア網ベアラのリソースと前記在圏ポリシー制御装置が決定した前記在圏網ベアラのリソースとを、それらのいずれか少ない方に一致させるとしてもよい。
これによれば、ホームポリシー制御装置と在圏ポリシー制御装置が連携して、ホーム側で提供可能なリソース量と、在圏側で提供可能なリソース量とのいずれか少ない方に合わせて、それらを一致させるので、ホーム側と在圏側のいずれにも無駄なリソースの割り当てがなく、かつ最大限可能なリソースを提供できる。
本発明によれば、ポリシー制御をユーザプレーン制御と分離してポリシーの自由度を高めたシステム構成において、アーキテクチャ全体をカバーするリソース制御が可能である。
本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態による移動通信システムの構成を示すブロック図である。図1を参照すると、本実施形態の移動通信システムは、在圏側の網に属する基地局11、在圏ユーザプレーン制御装置12、および在圏ポリシー制御装置14と、ホーム側の網に属するホームゲートウェイ装置13およびホームポリシー制御装置15とを有している。基地局11が移動端末16と接続し、ホームゲートウェイ装置13が相手側装置18と接続する。在圏ユーザプレーン制御装置12とホームゲートウェイ装置13とはコア網17を介して相互に接続している。本実施形態の移動通信システムは、SAE/LTE移動通信システムのシステム構成を考慮し、在圏ポリシー制御装置14とホームポリシー制御装置15とを備えている。
移動端末16、基地局11、在圏ユーザプレーン制御装置12、コア網17、ホームゲートウェイ装置13、在圏ポリシー制御装置14、およびホームポリシー制御装置15がSAEシステムに属する。
移動端末16は無線電波によって基地局11と接続する端末であり、例えば携帯電話機である。ここでは移動端末16と相手側装置18とがエンドツーエンドの通信をすることとする。相手側装置18の例として他の移動端末やサーバ等がある。
基地局11は、一方で在圏ユーザプレーン制御装置12と接続し、他方では無線ベアラサービスのリソースを管理している。ベアラサービスのリソースの典型的な例は伝送帯域である。基地局11は、無線電波で移動端末16と接続し、移動端末16と相手側装置18とのエンドツーエンドサービスに無線ベアラサービスのリソースを提供する。そして、基地局11は、エンドツーエンドサービスに提供した無線ベアラサービスのリソースを用いて、移動端末16と在圏ユーザプレーン制御装置12が送受信するデータを中継する。
在圏ユーザプレーン制御装置12は、一方でコア網17を介してホームゲートウェイ装置13と接続し、他方で基地局11と接続すると共に基地局11との間のアクセスベアラサービスのリソースを管理している。在圏ユーザプレーン制御装置12は、移動端末16と相手側装置18とのエンドツーエンドサービスにアクセスベアラサービスのリソースを提供し、そのアクセスベアラサービスのリソースを用いて、基地局11とホームゲートウェイ装置13が送受信するデータを中継する。
ホームゲートウェイ装置13は、一方でコア網17を介して在圏ユーザプレーン制御装置12と接続すると共にコア網17上のコア網ベアラサービスを管理しており、他方で相手側装置18と接続する。ホームゲートウェイ装置13は、移動端末16と相手側装置18とのエンドツーエンドサービスにコア網ベアラサービスのリソースを提供し、そのコア網ベアラサービスのリソースを用いて、在圏ユーザプレーン制御装置12と相手側装置18が送受信するデータを中継する。
在圏ポリシー制御装置14は、基地局11がエンドツーエンドサービスに提供する無線ベアラサービスのリソースと、在圏ユーザプレーン制御装置12がエンドツーエンドサービスに提供するアクセスベアラサービスのリソースとを、ホームポリシー制御装置15との連携に基づいて制御する。このとき、在圏ポリシー制御装置14は、基地局11および在圏ユーザプレーン制御装置12に、それぞれが提供できるベアラサービスのリソース量を問い合わせてもよい。
また、在圏ポリシー制御装置14は、無線ベアラサービスのリソース量とアクセスベアラサービスのリソース量の決定において、在圏網のオペレータが定めたポリシーを適用してもよい。例えば、付与するリソース量の決定において、ローミングユーザの優先度を在圏網に加入しているユーザの優先度よりも低く設定してもよい。
ホームポリシー制御装置15は、ホームゲートウェイ装置13がエンドツーエンドサービスに提供するコア網ベアラサービスのリソースを在圏ポリシー制御装置14との連携に基づいて制御する。このとき、ホームポリシー制御装置15は、ホームゲートウェイ装置13に、提供できるベアラサービスのリソース量を問い合わせてもよい。
また、ホームポリシー制御装置14は、コア網ベアラサービスのリソース量の決定において、ホーム網のオペレータが定めたポリシーを適用してもよい。
その際、ホームポリシー制御装置15は、エンドツーエンドサービスに要求されるベアラサービスのリソース量(以下「要求リソース量」という)と、基地局11および在圏ユーザプレーン制御装置12が提供するリソース量(以下「在圏リソース量」という)と、ホームゲートウェイ装置13が提供するリソース量(以下「ホームリソース量」という)とから、エンドツーエンドサービスに最終的に割り当てるリソース量(以下「割り当てリソース量」という)を算出する。そして、在圏ポリシー制御装置14は、「在圏リソース量」を「割り当てリソース量」に一致させるための制御を必要に応じて行なう。ホームポリシー制御装置15は、「ホームリソース量」を「割り当てリソース量」に一致させるための制御を必要に応じて行なう。
図2は、本実施形態による移動通信システムのリソース割り当て動作を示すシーケンス図である。移動端末16と相手側装置18とのエンドツーエンドサービスによるベアラサービスのリソースの要求が発生したとする。このとき要求されたベアラサービスのリソース量が「要求リソース量」である。
なお、ホームポリシー制御装置15は「要求リソース量」にホーム網のポリシーを適用してもよい。ホーム網のポリシーの適用の仕方として、例えばホームポリシー制御装置15がホーム網のポリシーに従って「要求リソース量」を変更してもよい。あるいは、ホームポリシー制御装置15は、決定したホーム網のポリシーの情報を「要求リソース量」に付加して送信することにしてもよい。その場合、ホーム網のポリシーが付加された「要求リソース量」を受信した装置が、そのポリシーを要求リソース量に適用すればよい。
図2に示すように、まずホームポリシー制御装置15が在圏ポリシー制御装置14に対してリソース要求を送信する(ステップ101)。このリソース要求には「要求リソース量」の情報が含まれている。
続いて、ホームポリシー制御装置15はホームゲートウェイ装置13と連携してホームリソース割り当て処理を行う(ステップ102)。ホームリソース割り当て処理において、ホームポリシー制御装置15は、ホームゲートウェイ装置13から提供できるコア網ベアラサービスのリソース量を取得し、その情報に基づいてホーム側で提供できる「ホームリソース量」を決定する。本実施形態ではホームゲートウェイ装置13は、この時点で「ホームリソース量」のコア網ベアラサービスのリソースをエンドツーエンドサービスに提供する。
一方、在圏ポリシー制御装置14は、ホームポリシー制御装置15からリソース要求を受信すると、在圏ユーザプレーン制御装置12および基地局11と連携して在圏リソース割り当て処理を行う(ステップ103)。
なお、在圏ポリシー制御装置14は、この在圏リソース割り当て処理の前に「要求リソース量」に対して在圏網のポリシーを適用してもよい。在圏網のポリシーの適用の仕方として、例えば在圏ポリシー制御装置14が在圏網のポリシーに従って「要求リソース量」を変更してもよい。あるいは、在圏ポリシー制御装置14は、決定した在圏網のポリシーの情報を「要求リソース量」に付加して送信することにしてもよい。その場合、在圏網のポリシーが付加された「要求リソース量」を受信した装置が、そのポリシーを要求リソース量に適用すればよい。
在圏リソース割り当て処理において、在圏ユーザプレーン制御装置12が許可できるアクセスベアラサービスのリソース量と、基地局11が許可できる無線ベアラサービスのリソース量とから「在圏リソース量」が決定される。本実施形態では、この時点で、在圏ユーザプレーン制御装置12は「在圏リソース量」のアクセスベアラサービスのリソースをエンドツーエンドサービスに提供する。また、基地局11は「在圏リソース量」の無線ベアラサービスのリソースをエンドツーエンドサービスに提供する。
続いて、在圏ポリシー制御装置14は、「在圏リソース量」の情報を含む割り当て応答をホームポリシー制御装置15に送信する(ステップ104)。
「ホームリソース量」と「在圏リソース量」の両方が決まると、ホームポリシー制御装置15は、それらを比較して最終的な「割り当てリソース量」を決定する(ステップ105)。例えば、「ホームリソース量」と「在圏リソース量」が等しければ、「割り当てリソース量」はそれらと同じリソース量にすればよい。また、「ホームリソース量」と「在圏リソース量」とが異なっていれば、「割り当てリソース量」はそれらのいずれか少ない方と同じリソース量とすればよい。
「ホームリソース量」と「在圏リソース量」が等しく、それと同じ「割り当てリソース量」が決定された場合には移動通信システムは処理をそのまま終了してよい。しかし、「ホームリソース量」と「在圏リソース量」が異なり、いずれか少ない方と同じ「割り当てリソース量」が決定された場合には、多い方には余分なリソースが割り当てられているので、「割り当てリソース量」と一致させるように更新することが好ましい。本実施形態ではその場合にリソース更新処理を行なう(ステップ106)。
「ホームリソース量」に余分がある場合には、ホームポリシー制御装置15はホームゲートウェイ装置13と連携して「ホームリソース量」を更新して「割り当てリソース量」と一致させる。
また、「在圏リソース量」に余分がある場合には、ホームポリシー制御装置15は、「在圏リソース量」を更新して「割り当てリソース量」と一致させるように、在圏ポリシー制御装置14に指示する。指示を受けた在圏ポリシー制御装置14は、その指示に従って「在圏リソース量」を更新する。
本実施形態によれば、ホームポリシー制御装置15と在圏ポリシー制御装置14が連携して、エンドツーエンドサービスに提供するホーム側および在圏側の双方のベアラサービスのリソース量をそれぞれに決定し、さらにホーム側のベアラサービスのリソース量と在圏側のベアラサービスのリソース量とを一致させるので、ポリシー制御をユーザプレーン制御と分離することでポリシーの自由度を高めたシステム構成において、アーキテクチャ全体をカバーするベアラリソース制御が可能である。
また、本実施形態によれば、各オペレータのポリシーを司るホームポリシー制御装置15および在圏ポリシー制御装置14が、エンドツーエンドサービスに対して実際にベアラサービスのリソースを提供する基地局11、在圏ユーザプレーン制御装置12、およびホームゲートウェイ装置13とは別個に設けられているので、各オペレータのポリシーをシステム全体に容易に設定したり変更したりでき、自由度が高い。例えば、在圏ポリシー制御装置14は、自網に加入しているユーザとローミングユーザとを区別し、異なるQoS制御を行なうことにしてもよい。自網に加入しているユーザをローミングユーザよりも優先してリソースを割り当てることにすれば、自網へのユーザの加入を促進することができる。
また、本実施形態によれば、ホームポリシー制御装置15と在圏ポリシー制御装置14が連携して、ホーム側で提供可能なリソース量と、在圏側で提供可能なリソース量とのいずれか少ない方に合わせて、「割り当てリソース量」を決定し、ホーム側あるいは在圏側のいずれかに余分が生じれば、余分を無くすような更新を行なうので、ホーム側と在圏側のいずれにも無駄なリソースの割り当てがなく、かつ最大限可能なリソースを割り当てることができる。
次に、各実施例として、3GPPで検討されているSAE/LTE移動通信システムへ適用した例について説明する。各実施例の説明に登場するUE(User Equipment)は移動端末16に相当する。また、eNodeBとLTE−RAN(Radio Access Network)はともに基地局11に相当する。UPE、MME/UPE、およびV−PCEFは全て在圏ユーザプレーン制御装置12に相当する。IASAとH−PCEFはともにホームゲートウェイ装置13に相当する。ピアエンティティは相手側装置18に相当する。そして、V−PCRFは在圏ポリシー制御装置14に相当し、H−PCRFはホームポリシー制御装置15に相当する。
[第1の実施例]
第1の実施例では、まず前提となるQoS概念に関する重要な課題の説明とQoS概念について説明する。続いてSAEベアラサービスアーキテクチャと、QoS制御の分割構成について説明する。さらに、リソース確立およびQoSシグナリングと、SAE CNベアラのリソース確立およびQoSシグナリングについて説明する。
(1.QoS概念に関する重要な課題の説明)
QoS概念に関する重要な課題として以下のものがある。
− デフォルトIPアクセスベアラによって提供されるよりも高度なQoSまたはポリシーを必要とするサービスに対して拡張QoSを提供する手段。
− 現在のUMTS(Universal Mobile Telecommunications System) QoSプロファイル(すなわちUMTSベアラサービス属性)より単純なSAE/LTE QoSプロファイル。それと同時に、SAE/LTE QoSプロファイルとUMTS QoSプロファイルとの間のマッピングメカニズムとして複雑なメカニズムは避けるのが好ましい。UMTSとSAE/LTEのQoSプロファイル間の複数のマッピングがQoS変更という結果にならない方がよい。
− QoSプロファイルのシグナリングと、そのシグナリング手順の方向(すなわち網起動/UE起動)を含むリソース確立またはリソース予約のシグナリング。
アプリケーションレベル(例えばIMS(IP Multimedia Subsystem))で実行されるQoS関連のシグナリングからIPベアラレベルおよびRANレベルのQoSおよびポリシーの構成を導き出すことにより、現在のUMTSシグナリングモデルが単純化できるかどうか、どのように単純化できるかについても検討すべきである。これにはパケット毎のQoS関連情報(例えばDSCP(Differentiated Services Code Point)マーキング)の使用に関する検討が含まれる。
(2.QoS概念)
MME/UPE/AS間アンカ(アクセスゲートウェイ:aGW)は、UEによって新しいサービスが要求される毎に、PCRFからのQoS要求を含むPCC(Policy Control and Charging)規則を受信する。要求されたQoSをデフォルトIPベアラ/接続性サービスによって提供できなければ、付加的なSAEベアラサービスが必要となる。
aGWは、転送が必要なエンドツーエンドサービスに関する詳細をPCRFから受信する。すなわち、aGWは、IPフローの終端に関するQoS記述(少なくともビットレート情報と、遅延/プライオリティの要求を表わす「トラフィッククラス」)の記述内容をフィルタにかける。aGWは、同じトラフィッククラスにマッピングされる全てのエンドツーエンドサービスと、それらに結び付けられたQoS記述(少なくともビットレート)とからなる各トラヒッククラスの集合体を生成してもよい。eNodeBは、各SAEベアラサービスに対する集合QoS記述を受信する。エンドツーエンドサービスが開始/終了/修正されるときには、いつもaGWは関連情報を受信し、集合QoS記述を更新し、それをeNodeBに転送する。
aGWおよびUEはどちらもエンドツーエンドサービスIPフローをSAEベアラサービスへマッピングする。
eNodeBおよびaGWは、異なるSAEベアラサービスに属するパケットを区別できるように、SAEベアラの集合QoS記述を予め知っている必要がある。eNodeBは、スケジューリング(DL)およびポリシー(UL)のためにそれを使用し、aGWはポリシー(DL+UL)のためにそれを使用する。
ダウンリンクについては、eNodeBは、SAEベアラサービスの集合QoS記述に従ってIPパケットを処理する。アップリンクについては、eNodeBは、SAEベアラサービスの集合QoS記述に対して各IPパケットを管理する。
(3.SAEベアラサービスアーキテクチャ)
図3は、SAEベアラサービスアーキテクチャを示している。
SAEベアラサービス階層化アーキテクチャが図3に示されている。ここでは3GPP TS23.107に与えられているようなベアラサービスの定義が、今までどおり適用可能である。これは次のように言える。
− ベアラサービスは、契約されたQoSの提供を可能にする事項を全て含んでいる。これらの事項とは、特に制御シグナリング、ユーザプレーントランスポート、およびQoS制御機能である。
SAEベアラサービスの提供するものを次に列挙する。
− IPエンドツーエンドサービスフローのQoSを賢明に集合化すること
− IPヘッダ圧縮(およびUEに対する関連情報の規定)
− UP暗号化(およびUEに対する関連情報の規定)
− エンドツーエンドサービスシグナリングパケットの優先順位の高い処理が必要な場合、デフォルトIPサービスに追加可能な付加的なSAEベアラサービス
− UEに対するマッピング/多重化情報の規定
− UEに対する受理されたQoS情報の規定
これらがSAEベアラサービスにより提供される。
SAE CNベアラサービスの提供するものを列挙する。
− 要求されたQoSに従った、UPE(またはV−IASA)とIASA間のSAEベアラサービスデータ単位のトランスポート
− それぞれのSAE CNベアラサービスへのSAEベアラサービスのリンク(およびその逆)
これらがSAE CNベアラサービスにより提供される。
SAE無線ベアラサービスが提供するものを例示列挙する。
− 要求されたQoSに従った、eNodeBとUE間のSAEベアラサービスデータ単位のトランスポート
− それぞれのSAEベアラサービスに対するSAE無線ベアラサービスのリンク
これらがSAE無線ベアラサービスにより提供される。
SAEアクセスベアラサービスが提供するものを例示列挙する。
− 要求されたQoSに従った、aGWとeNodeB間のSAEベアラサービスデータ単位のトランスポート、
− eNodeBへのSAEベアラサービスの集合QoS記述の規定
− それぞれのSAEベアラサービスに対するSAEアクセスベアラサービスのリンク
これらがSAEアクセスベアラサービスにより提供される。
(4.QoS制御の分割構成)
図4は、それぞれが1つのSAE無線ベアラと1つのSAEアクセスベアラとからなる2つのユニキャストSAEベアラを示している。
サービスデータフロー(SDF)は、パケットフローの集合セットである。UEのアップリンク(ULPF)は、SDFをアップリンク方向のSAEベアラに結合し、PCEFのダウンリンクパケットフィルター(DLPF)は、SDFをダウンリンク方向のSAEベアラに結合している。
各ユニキャストSAEベアラは、1つのUEと1つの「トラフィッククラス」とに対応付けられている。SAE無線ベアラとSAEアクセスベアラの間には1対1の対応がある。
図4には、UPEとIASAとが共通配置されていると仮定した方法でPCEFが示されている。UPEがIASAから分離されている場合には、DLPFはIASAの中に配置される。
SAEベアラ(すなわち対応するSAE CNベアラ、SAE無線ベアラ、およびSAEアクセスベアラ)がSAE/LTEアクセスシステムにおけるQoS制御の分割度のレベルになる。すなわち、同じSAEベアラにマップされた複数のSDFには同じ処理(例えばスケジューリング原則)が行なわれる。2つのSDFに異なるQoSを提供することは、結果的に個別のSAEベアラを各SDFに確立する必要があるということである。
(5.リソース確立およびQoSシグナリング)
リソース確立およびQoSシグナリングは、無線/網のリソースを制御する網エンティティに対するQoS/ポリシー情報の提供を行なっている。無線/網のリソースは、ユーザの加入、UEと無線/網の能力、無線/網のリソースの利用可能性、あるオペレータのポリシー、および利用されているサービスに関する情報を与えることにより制御される。
要求されたQoSでなかったとしても、すなわちQoSが網/無線によってグレードが下げられたとしても、リソースは常に付与できるものと仮定する。要求されたネットワークリソースはネゴシエーション/再ネゴシエーションが可能である。
リソース確立およびQoSシグナリングは、QoS要求の前のシグナリングであると仮定する。これはアプリケーションシグナリング(例えばIMS)またはIPベアラシグナリングのいずれかがあり得る。これが付加的なIPベアラ(UMTS PSベアラと同等)の確立をもたらしてもよい。アプリケーションシグナリングは、デフォルトIPアクセスベアラの既に確立している複数のリソースで行なわれる。アプリケーション機能は、メディアコンポーネントおよびそれらの特性についてUEとネゴシエーションを実行し、関連情報をPCRFに提供する。
オペレータ制御のサービス(例えばIMS)については、SAE/LTEは網起動のSAEベアラ確立と網起動のSAEベアラ修正とを支援する。すなわち、網は、SAEベアラシグナリングを制御しているので、適切なベアラQoSパラメーターを要求する責任を負っている。
リソース確立は、メディア情報を必要なポリシー/QoS情報に翻訳するPCRFからのリソース要求により、またはポリシー/QoS情報を含んだIPベアラシグナリングにより起動される。後者の場合、網は、ベアラシグナリングにポリシー情報を追加するQoS認証を事前に実行すると仮定される。非IMSサービスに対してもPCRFによるリソース確立の起動がサポートされてもよい。
リソース確立機能は、網および無線のリソースを設定するのに必要な各種機能と、無線リソースをアプリケーション層に結合してそれに認証されたQoSを適用するためのUEへの各シグナリングとの両方を含んでいる。
MME/UPEは、承認されたリソースがユーザの加入プロファイルに定義された範囲に一致するかどうかチェックし、網の無線部分へのリソース割当を開始する。
担当のLTE−RAN機能は、リソースの利用可能性をチェックし、必要なリソースを設定し、最後に、サービスに対する無線リソースの構成と、どのリソースがどのIPあるいはセッションのフローにリンクされるかをUEに通知する。
図5は、無線網におけるリソース確立の情報フローを示している。
1)UEは、デフォルトIPアクセスベアラ上で実行する網との間でシグナリング関係を確立する。
2)MME/UPE確立が、要求されたサービスに対応するポリシー/QoS情報を含んだリソース要求により起動される。
3)MME/UPEはUEの加入をチェックし、受信したQoS情報と利用可能なリソースとに従って許可制御を実行し、受信したポリシー情報を適用する。ポリシーエンフォースメントポイントの位置については、(相互アクセスの)モビリティアンカー中にあるかもしれない。
4)MME/UPEは、担当のLTE−RAN機能へのリソース確立を開始する。
5)担当のLTE−RAN機能が許可制御を実行する。受信したQoS情報を無線QoS情報へ変換する必要があると推測される。無線リソースの割当てとスケジューラの適切な配置とが、変換されたQoS情報に従って実行される。
6)サービスに必要な無線構成に関する情報と、無線リソースをIPまたはセッションフローにリンクする関連情報とがUEに提供される。
7)MME/UPEにリソース確立の成功した結果が通知される。
8)MME/UPEは、リソース確立の結果を、交渉されたQoSと一緒に報告する。
(6.SAE CNベアラのリソース確立およびQoSシグナリング)
ローミングUEの場合には、SAE CNベアラは、VPLMN(ここにV−PCEFがある)のUPE(またはV−IASA)から、HPLMN(ここにH−PCEFがある)のIASAまで延びている。
オペレータのポリシーは網毎に適用されるので、HPLMNのローミングユーザとVPLMNのローミングユーザに適用される異なったポリシーがあってもよい。その結果、SAEローミングアーキテクチャは、HPLMN内のH−PCRFによって提供されるポリシー/QoS情報を在圏のオペレータが調節することを可能にするVPLMN内のV−PCRF機能が必要である。
次の図は、ポリシー制御とオペレータ制御のサービスの課金およびQoSの操作とに関するSAEローミングアーキテクチャを示したものであり、SAE CNベアラが描かれている。
図6は、ローミングユーザに対するSAE CNベアラサービスアーキテクチャを示している。
リソース確立およびQoSシグナリング手順は、無線/網リソースを制御する網エンティティに対するQoS/ポリシー情報の提供を行なう。無線/網リソースは、ユーザの加入、UEおよび無線/網の能力、無線/網リソースの利用可能性、あるオペレータのポリシー、およびどんなサービスが利用されているかに関する情報を適用することにより制御される。
2つのオペレータの網が含まれ、各網は自身のPCEFを有しているので、ベアラ属性が異なる場合にはSAE CNベアラを調節することが好ましい。
図7は、コア網におけるリソース確立の情報フローを示している。
1)要求されたサービスに対応するポリシー/QoS情報を含んだ(H−PCRFからの)リソース要求によりV−PCRFが起動される。
2)V−PCRFは、ローカル(在圏)のオペレータポリシーに基づいて認証およびポリシー決定を行う。
3)V−PCRFは、ポリシー/QoS情報をMME/UPEに送信する。
4)MME/UPEは、担当のLTE−RAN機能に対するリソース確立を開始する。図7を参照すると、(組み込まれているPCEFを通じて)ポリシー/QoSの実施を開始する。
5)MME/UPEは、リソース確立の結果を、交渉されたQoSと一緒に、V−PCRFに報告する。
6)V−PCRFは、リソース確立の結果を、交渉されたQoSと一緒に、H−PCRFに報告する。
7)H−PCRFは、ホームのオペレータポリシー(例えばSPR)に基づいて、認証およびポリシー決定を行う。
8)H−PCRFは、(組み込まれているPCEFを通じて)ポリシー/QoSの実施を開始させるポリシー/QoS情報をIASAに送信する。
9)IASAは、リソース確立の結果を、交渉されたQoSと一緒に、H−PCRFに報告する。
10)ステップ2〜6とステップ7〜9とは並行して実行されるので、確立されたリソースは比較される。各ベアラに対して確立されたQoSが一致しない場合(例えば、V−PCRFが、より多くのVPLMNポリシーにより、要求されたリソースを格下げしたか、またはIASAが、要求されたリソースを許可できなかったことによる)、H−PCRFは、QoSの低下がどこで発生したかに応じて、V−PCRFまたはIASAのいずれかに対してQoS更新手順を開始する。
以上に説明した第1の実施例には、ベアラ確立手順が網側とUE側のいずれから起動されるかについて特に定めていない。この点について3GPPの検討の動向として、主に網起動について検討がされているが、UE起動によるベアラ確立の必要性についても検討がされている。
デフォルトIPアクセスベアラは、UEが初めて網に接続するときに確立される。この状態では、ユーザアプリケーションは実行されておらず、したがってPCRFが関与していない。この場合には、MME/UPEへの加入を参照しながら、デフォルトIPアクセスベアラを設定するのが合理的である。
また、UEは、最初のデフォルトIPアクセスで既に確立したものとは異なるIASAに対して、もう1つ別のデフォルトIPアクセスベアラの確立を要求してもよい。この状況でもやはり、ユーザアプリケーションは実行されておらず、したがってPCRFが関与していない。
これらのようにUE起動のベアラ確立手順を必要とする状況が存在する。
[第2の実施例]
第2の実施例ではUE起動のベアラ確立手順を含む例について説明する。
第2の実施例では、まず前提となるQoS概念に関する重要な課題の説明とQoS概念について説明し、続いてSAEベアラサービスアーキテクチャと、QoS制御の分割構成、リソース確立およびQoSシグナリング(網起動)について説明した上で、リソース確立およびQoSシグナリング(UE起動)、既存のアーキテクチャで使用される端末への効果について説明するという構成を採る。しかし、QoS概念に関する重要な課題の説明、QoS概念、SAEベアラサービスアーキテクチャ、QoS制御の分割構成、リソース確立およびQoSシグナリング(網起動)については第1の実施例の1.〜5.と同様なので説明を省略する。そこまでの中で第2の実施例は、提案するSAEベアラサービスアーキテクチャが第1の実施例と異なる。
図8は、第2の実施例におけるSAEベアラサービスアーキテクチャを示している。図8を参照すると、第2の実施例では、SAEベアラサービスとSAE CNベアラサービスの位置づけが第1の実施例と相違している。しかし、この相違は各装置の動作に影響を及ぼすような本質的なものではない。また、この相違は、上述したUE起動を導入することに起因するものでもない。
(6.リソース確立およびQoSシグナリング(UE起動))
UE起動のリソース確立手順は、デフォルトIPアクセスベアラを確立する必要があるとき、UEによって使用される。この手順は、UEが網に初めて接続するときのみならず、他のときにも用いられる。例えば、複数のPDNアクセス能力を有するUEが、第1のデフォルトIPアクセスベアラに対して既に確立されたものとは異なる第2のデフォルトIPアクセスベアラの確立を(他のPDNに対して)要求するときである。
この手順を開始するために、MME/UPEはデフォルトIPアクセスベアラ確立に必要なQoS情報を取得する必要がある。
MME/UPEがどれくらい正確にこの情報を得るかについては、ここで取り上げた重要な課題の範囲外である。これは、例えば、HSS(Home Subscriber Server)とMME/UPE間で、またはUEとMME/UPE間の直接のシグナリングによって交換された加入情報に基づくであろう。
リソース確立機能については、リソース確立およびQoSシグナリング(網起動)と同じ概念が適用される。
図9は、リソース確立およびQoSシグナリング(UE起動)の情報フローを示している。
1)UEは、デフォルトIPアクセスベアラを要求する。この要求は、UEがアクセスしたいPDNに関する情報を含んでおり、恐らくはそのIPベアラの特定のリソース要求をも含んでいる。この情報は、「接続要求」メッセージの一部として提供できるので、第1のデフォルトIPアクセスベアラが最初の網接続手順において確立されていれば、このステップは省略できる。
2)MME/UPEは、(HSSが網接続中に提供した)UEの加入情報に基づき、受信したQaS情報および利用可能なリソースに従って許可制御を実行し、受信したポリシーを適用する。
3)MME/UPEは、担当のLTE−RAN機能に対してリソース確立を開始する。
4)MME/UPEは、そのデフォルトIPアクセスベアラについて選択されたIASAに対してリソース確立を開始する。
5)担当のLTE−RAN機能が許可制御を実行する。受信したQoS情報の無線QoS情報へ変換する必要があると推測される。無線リソースの割当てとスケジューラの適切な配置とが、変換されたQoS情報に従って実行される。
6)サービスに必要な無線構成に関する情報と、無線リソースをIPまたはセッションフローにリンクする関連情報とがUEに提供される。
7)MME/UPEにリソース確立の成功した結果が通知される。
8)MME/UPEにリソース確立の成功した結果が通知される。
9)アクセス/無線ベアラの確立(ステップ3、5、6、8)と、CNベアラの確立(ステップ4および7)とは並行して実行されるので、MME/UPEは、異なるベアラに対して最終的に確立されたリソースが一致しているか否かを比較する。不一致の場合、MME/UPEは、(QoSの低下がどこで発生したかに応じて)LTE RANまたはIASAのいずれかに対してQoS更新手順を開始する。
10)MME/UPEは、デフォルトIPベアラ確立の成功を通知する。MME/UPEは、このメッセージの一部として、そのIPベアラに対して最終的に確立されたリソースについてもUEに通知する。この情報は「接続承認」メッセージの一部として提供できるので、第1のデフォルトIPアクセスベアラが最初の網接続手順において確立されていれば、このステップは省略できる。
(7.既存のアーキテクチャで使用される端末への効果)
UEは、6.のセクションで説明したようなデフォルトIPアクセスベアラを確立する能力を持っていることが好ましい。
以上に説明した第2の実施例では、UE起動のリソース確立手順においてUEがMME/UPEにデフォルトIPベアラリクエストを送る例を示したが、他の手順も可能である。
[第3の実施例]
第3の実施例ではUE起動のベアラ確立手順の他の例について説明する。
図10は、UE起動によるコア網におけるリソース確立の情報フローを示している。
1)UEは、デフォルトIPアクセスベアラをH−PCRFに対して要求する。この要求は、UEがアクセスしたいPDNに関する情報を含んでおり、恐らくはそのIPベアラの特定のリソース要求をも含んでいる。図10に示すステップ2〜11は、図7に示したステップ1〜10と同じ処理なので、説明を省略する。
12)H−PCRFは、デフォルトIPベアラ確立の成功をUEに通知する。H−PCRFは、このメッセージの一部として、そのIPベアラに対して最終的に確立されたリソースについてもUEに通知する。
本実施形態による移動通信システムの構成を示すブロック図である。 本実施形態による移動通信システムのリソース割り当て動作を示すシーケンス図である。 SAEベアラサービスアーキテクチャを示す図である。 それぞれが1つのSAE無線ベアラと1つのSAEアクセスベアラとからなる2つのユニキャストSAEベアラを示す図である。 無線網におけるリソース確立の情報フローを示す図である。 ローミングユーザに対するSAE CNベアラサービスアーキテクチャを示す図である。 コア網におけるリソース確立の情報フローを示す図である。 第2の実施例におけるSAEベアラサービスアーキテクチャを示す図である。 リソース確立およびQoSシグナリング(UE起動)の情報フローを示す図である。 UE起動によるコア網におけるリソース確立の情報フローを示す図である。
符号の説明
11 基地局
12 在圏ユーザプレーン制御装置
13 ホームゲートウェイ装置
14 在圏ポリシー制御装置
15 ホームポリシー制御装置
16 移動端末
17 コア網
18 相手側装置
101〜106 ステップ

Claims (4)

  1. VPLMN(Visited Public Land Mobile Network)網とHPLMN(Home Public Land Mobile Network)網を相互に接続し、前記VPLMN網内に、前記VPLMN網のポリシーを制御する第1の制御装置と前記VPLMN網のポリシー制御を実行する第1の実行装置とを含み、前記HPLMN網内に、前記HPLMN網のポリシーを制御する第2の制御装置と前記HPLMN網のポリシー制御を実行する第2の実行装置と含む移動通信システムにおけるローミングユーザに適用するポリシーを制御する通信制御方法であって、
    前記第1の制御装置は前記第2の制御装置から送信されたQoSポリシー情報を前記第1の実行装置に転送するステップと
    前記第1の実行装置は前記ポリシー制御の実行の結果を前記第1の制御装置に報告するステップと
    前記第1の制御装置は上記結果を前記第2の制御装置に送信するステップとを有し
    前記第1の実行装置と前記第2の実行装置は、コア網を介して相互に接続し、前記ポリシーをビットレート情報とプライオリティ情報が含まれるベアラサービスにマッピングすることを特徴とする通信制御方法。
  2. 前記第2の制御装置は前記第2の実行装置にQoSポリシー情報を送信し、
    前記第2の実行装置は前記第2の制御装置に前記ポリシー制御の実行の結果を送信することを特徴とする請求項1に記載の通信制御方法。
  3. ローミングユーザに適用するポリシーを制御する移動通信システムであって、
    相互に接続されたVPLMN(Visited Public Land Mobile Network)網とHPLMN(Home Public Land Mobile Network)網と、
    前記VPLMN網内に前記VPLMN網のポリシーを制御する第1の制御装置と前記VPLMN網のポリシー制御を実行する第1の実行装置と、
    前記HPLMN網内に前記HPLMN網のポリシーを制御する第2の制御装置と前記HPLMN網のポリシー制御を実行する第2の実行装置とを有し、
    前記第1の制御装置は前記第2の制御装置から送信されたQoSポリシー情報を前記第1の実行装置に転送し、
    前記第1の実行装置は前記ポリシー制御の実行の結果を前記第1の制御装置に報告し、
    前記第1の制御装置は上記結果を前記第2の制御装置に送信
    前記第1の実行装置と前記第2の実行装置は、コア網を介して相互に接続し、前記ポリシーをビットレート情報とプライオリティ情報が含まれるベアラサービスにマッピングすることを特徴とする移動通信システム。
  4. 前記第2の制御装置は前記第2の実行装置にQoSポリシー情報を送信し、
    前記第2の実行装置は前記第2の制御装置に前記ポリシー制御の実行の結果を送信することを特徴とする請求項3に記載の移動通信システム。

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