JP5180753B2 - セラミック積層電子部品およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セラミックスからなる素体と内部電極との積層構造を備えるセラミック積層電子部品およびその製造方法に関する。
近年、サーミスタ、コンデンサ、インダクタ、LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)、バリスタ、及びそれらの複合体からなるセラミック積層電子部品では、セラミックスからなる素体の内部に内部電極が形成されている。素体の端面には内部電極が露出しており、素体の端面に内部電極に接続する下地電極を形成した後に、下地電極上に、めっきによりNi層およびSn層からなる端子電極が形成されている。
Ni層およびSn層のめっきにおいて、セラミックスからなる素体の浸食や、素体の表面へのめっき金属の析出を防止するため、素体の表面にガラス等の被膜を施す技術が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1では、素体の表面にスパッタリング法等によりガラス層を形成し、素体の端面に相当するガラス上にAg電極(下地電極)を形成している。このAg電極上に、めっきによりNi層およびSn層が形成される。特許文献1によれば、Ag電極を焼成することにより、ガラスが軟化し、これにより内部電極とAg電極との接続が確保されることが記載されている(特許文献1の段落0013参照)。
特開2001−135501号公報
しかしながら、スパッタリング法等の成膜方法では、素体表面に均一にガラス層が形成されることから、Ag電極の焼成時においてガラス層が軟化しても内部電極が露出せず、内部電極と下地電極との接続不良が生じてしまうというという問題があった。さらに、スパッタリングにより形成されたガラス層にはピンホールが多く含まれていることから、めっき液から素体を有効に保護できないという問題もある。
そこで、本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、素体の表面をガラス層により確実に保護しつつ、内部電極と下地電極との良好な電気的接続を確保することができるセラミック積層電子部品およびその製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明のセラミック積層電子部品は、主としてセラミックスからなる素体と、素体の内部に設けられ、かつ素体の端面から突出した内部電極と、素体の表面を被覆するガラス層と、素体の端面におけるガラス層上に形成された下地電極と、を有し、内部電極が、ガラス層を貫通して下地電極の内部に達しており、下地電極に達した内部電極の端部は、素体の内部の内部電極に比べて太い。
上記の構成では、内部電極が、ガラス層を貫通して下地電極の内部に達していることから、内部電極と下地電極との電気的導通が確実となっている。また、下地電極に達した内部電極の端部は、素体の内部の内部電極に比べて太いことから、下地電極と内部電極との接触面積が増え、両者の接触抵抗が低減する。本願発明では、ガラス層は、ガラスペーストの塗布及び焼成により形成される。ガラスペーストを焼成すると、本願発明者らの知見によれば、未だ詳細な作用機序は不明なものの、内部電極の形成部位(内部電極の露出部位)において自己整合的に開口を有するガラス層が形成される。この結果、内部電極と下地電極との電気的導通が確実となる。そして、開口部位において下地電極から内部電極へと確実に金属が供給されることにより、カーケンドール効果により、内部電極の端部が下地電極に向かって突出するだけでなく、太くなるものと考えられる。
好ましくは、下地電極の形成部位以外のガラス層が、下地電極の形成部位におけるガラス層に比べて厚い。これにより、下地電極の形成部位以外のガラス層を厚くして素体を確実に保護しつつ、下地電極の形成部位におけるガラス層を薄くして下地電極と内部電極との導通を図ることができる。
好ましくは、内部電極及び下地電極は、Ag及び/又はPdを含み、内部電極中のPdの含有量が、前記下地電極に比べて大きい。本願発明者らの研究の結果、Pdの多い電極の方へAgが移動するという知見が得られたことから、上記構成にすることにより内部電極から下地電極へとAgが移動し、内部電極の突き出しが促進される。
さらに、上記の目的を達成するため、本発明のセラミック積層電子部品は、主としてセラミックスからなる素体と、素体に内蔵されかつ素体の端面において露出した内部電極を備える積層構造体を形成する工程と、素体の表面へのガラスペーストの塗布および焼成により、素体の表面にガラス層を形成する工程と、素体の端面におけるガラス層上に導電性ペーストを塗布する工程と、導電性ペーストを焼成して、下地電極を形成する工程と、を有する。
上記の本願発明では、素体の表面へのガラスペーストの塗布および焼成により、素体の表面にガラス層が形成される。このとき、本願発明者らの知見によれば、詳細な作用機序は未だ不明な部分があるものの、素体の端面における内部電極の露出部位において、ガラス層には内部電極を露出させる開口が形成されることがわかっている。このような状態の素体の端面におけるガラス層上に導電性ペーストを塗布し、焼成することにより、内部電極と下地電極とが確実に接触する。また、この焼成の際に、内部電極と下地電極とが一点でも接触していれば、カーケンドール(Kirkendall effect)効果により、内部電極の端部が外側(下地電極側)へ延び、さらに下地電極の内部に達することとなる。これにより、内部電極と下地電極との導通が確実なものとなる。
本発明のセラミック積層電子部品およびその製造方法によれば、内部電極が、ガラス層を貫通して下地電極の内部に達しており、また、下地電極に達した内部電極の端部は、素体の内部の内部電極に比べて太いことから、素体の表面をガラス層により確実に保護しつつ、内部電極と下地電極との良好な電気的接続を確保することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、図面中、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。さらに、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
<第1実施形態>
図1は、本発明によるセラミック積層電子部品の第1実施形態の概略構造を示す断面図である。
セラミック積層電子部品1は、セラミックスからなる素体2と、素体2内に形成された複数の内部電極3とを含む積層体4を有する。より具体的には、素体2の一方の側面(端面)から突出した端部を有する内部電極3と、素体2の他方の側面から突出した端部を有する内部電極3とが、素体2を介在させて交互に積層されている。素体2の表面には、素体2を被覆するガラス層6が形成されており、素体2の両側面に相当する部位におけるガラス層6上には、下地電極7が形成されている。
内部電極3は、ガラス層6を貫通し、下地電極7の内部に達している。さらに、内部電極3の端部3aは、素体2中の内部電極3の幅に比べて太いことがわかる。このように、内部電極3の端部3aが太くなっていることにより、内部電極3の端部3aと下地電極7との接触面積を増やすことができ、両者の接触抵抗を低減することができる。
下地電極7の表面には、さらに、めっきによりNi層8a及びSn層8bからなる端子電極8が形成されている。これらの端子電極8と、例えば、配線基板上の電極とがはんだ等により接合される。
以下、各構成要素について説明する。
素体2はセラミックスからなり、具体的には、半導体セラミックス又は誘電体セラミックスからなる必要がある。このようなセラミック材料に限定はなく、例えば、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、窒化ホウ素、フェライト、チタン酸ジルコン酸鉛、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ステアタイト、酸化亜鉛、ジルコニア等が挙げられる。
素体2を形成するために用いられるセラミックス粉末の合成方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、水熱法、加水分解法、共沈法、固相法、ゾルゲル法等を用いることができ、必要に応じて仮焼が施されてもよい。
内部電極3は、好ましくは、Pd及び/又はAgを含む。内部電極3は、このような金属成分を含む導電性ペーストを印刷することにより形成される。
ガラス層6は、Ni層8aおよびSn層8bのめっきにおいて、セラミックスからなる素体2の浸食や、素体2の表面へのめっき金属の析出を防止するために形成される。ガラス層6の材料に限定はないが、耐薬品性が良好であり、軟化点が素体の焼結温度よりも低いことが好ましい。これによりガラスの焼成温度を素体の焼成温度以下にすることが可能になり、素体の特性の変動、内部電極を構成する金属の素体中への拡散等に起因する素子特性の変動を抑えることが出来る。また、下地電極7のフリットの軟化点は、ガラスの軟化点よりも低いことが好ましい。これにより、下地電極7の焼成において、ガラスの軟化が抑制されるので、ガラス層6の変形が防止することができる。さらに、ガラス層6の厚さは、ピンホールの発生を抑制するため、下地電極7の形成部位以外の部位において1μmよりも厚いことが好ましい。
ガラス層6は、スパッタリング法等の成膜技術ではなく、ガラスペーストの塗布及び焼成により形成される。本願発明者らの知見によれば、未だ詳細な作用機序は不明なものの、塗布後の後のガラスペーストを焼成すると、内部電極3の形成部位(内部電極の露出部位)において自己整合的に開口ないし窪みを有するガラス層6が形成されることがわかっている。この結果、内部電極3と下地電極7との電気的導通が確実となる。そして、開口部位において下地電極7と内部電極3とが接触することにより、カーケンドール効果により、内部電極3の端部3aが下地電極7に向かって突出するだけでなく、太くなる。
ガラス層6の材料としては、非鉛系の材料を用いることが好ましい。鉛を含まないガラス層6の方が、鉛を含むガラス層に比べて、カーケンドール効果による内部電極の突き出しが促進されるからである。
下地電極7は、好ましくは、Ag及び/又はPdを含む。さらに好ましくは、内部電極3中のPdの含有量が、下地電極7に比べて大きいことが好ましい。本願発明者らの研究の結果、Pdの多い電極の方へAgが移動するという知見が得られたことから、上記構成にすることにより内部電極3から下地電極7へとAgが移動し、内部電極3の突き出しが促進されるからである。
端子電極8は、Ni層8aおよびSn層8bの積層体からなる。Ni層8aは、Sn層8bと下地電極7との接触を防止して、Snによる下地電極7の腐食を防止するバリアメタルとして機能するものであり、その厚さは例えば2μm程度である。また、Sn層8bは、はんだの濡れ性を向上させる機能を有するものであり、その厚さは例えば4μm程度である。Ni層8aおよびSn層8bは、電気めっきを用いて形成される。めっき液の材料および電気めっきの条件に限定はないが、ガラス層6を溶かさないようなめっき液および電気めっき条件が選択される。ガラス層6の浸食を防ぐため、めっき液のpHは5以上12以下、めっき液の温度は50℃以下が好ましい。また、同様の理由により、めっき液は、クエン酸、グルコン酸等のキレート剤をほとんど含まない組成が好ましい。
次に、上記の本実施形態に係るセラミック積層電子部品1の製造方法について、図2〜図5を参照して説明する。図2〜図5は、セラミック積層電子部品1を製造する手順の一例を示す工程図である。
まず、図2に示すように、素体2と内部電極3との積層構造からなる積層体4を形成する。積層体4は、例えば以下のようにして製造される。
セラミック粉末、有機溶剤、有機バインダおよび可塑剤等を混合して、セラミックスラリーとした後、ドクターブレード法により成形して、シート状の素体、いわゆるセラミックグリーンシートを得る。
続いて、セラミックグリーンシート上に、Pd及び/又はAgを含む金属粉と、バインダ樹脂と、溶剤とを含有する導電性ペーストを印刷することにより、内部電極3のパターンを形成する。
さらに、続いて、内部電極3が形成された複数の素体2と内部電極3が形成されていない複数の素体2とを交互に積層し、それを更に加圧して積層構造体を得る。
それから、積層構造体を切断することにより個々の積層体4に分割する。これにより、切断後の積層体4の側面からは、内部電極3の端部3aが露出した状態となる。
次に、積層体4を、大気中で脱バインダ処理した後、焼成を行うことにより、焼結された積層体4が得られる。
次に、図3に示すように、素体2の全面に、ガラス粉末、バインダ樹脂及び溶剤を含むガラススラリーを塗布した後、ガラス粉末の軟化温度以上で焼成することによって、ガラス層6を形成する。ガラスの軟化点以上で焼成することによって、緻密で高密度のガラス膜が形成される。本願発明者らの知見によれば、未だ詳細な作用機序は不明なものの、ガラスペーストを焼成すると、内部電極の形成部位(内部電極3の端部3aの露出部位)において自己整合的に開口6aを有するガラス層6が形成されることがわかっている。
次に、図4に示すように、素体2の側面におけるガラス層6上に、例えば、Ag及び/又はPdを含む金属粉と、溶剤と、有機バインダとを含む導電性ペースト7aを塗布する。
次に、図5に示すように、導電性ペースト7aを焼成して、下地電極7を形成する。ガラス層6の開口6aにおいて内部電極3の端部3aが露出していることから、内部電極3と下地電極7とが確実に接触する。また、開口6aの部位において下地電極7と内部電極3とが接触することにより、カーケンドール効果により、内部電極3の端部3aが下地電極7に向かって突出する。
このカーケンドール効果による内部電極3の突き出しを促進するため、内部電極3及び下地電極7として、Ag及び/又はPdを含む電極を形成し、かつ、内部電極中のPdの含有量を下地電極7よりも増やすことが好ましい。さらに、ガラス層6の軟化点よりも低い軟化点をもつフリットを含有する下地電極7を形成することにより、導電性ペーストの焼成時において、ガラス層6の軟化が抑制され、ガラス層6の変形が抑制される。
図6は、FIB(Focused Ion Beam)装置を用いて観察された端部3aの近傍の断面写真である。なお、図8中には、図5の各符号に対応する数字を付記している。図6に示すように、内部電極3は、ガラス層6を貫通しており、下地電極7に達していることがわかる。また、内部電極3の端部3aは、素体2中の内部電極3の幅に比べて太くなっている。このように、内部電極3の端部3aが太くなっていることにより、内部電極3の端部3aと下地電極7との接触面積を増やすことができ、両者の接触抵抗が低減される。
以降の工程としては、図1に示すように、下地電極7の表面に、電気めっきによりNi層8aおよびSn層8bを順次堆積させて端子電極8を形成する。例えば、Ni層8aの形成では、バレルめっき方式を採用し、ワット系浴を用いてNiを2μm析出させる。また、Sn層8bの形成では、バレルめっき方式を採用し、中性錫めっき浴を用いて、Snを4μm析出させる。
以上により、セラミック積層電子部品1が製造される。
上述した構成のセラミック積層電子部品1によれば、内部電極3が、ガラス層6を貫通して下地電極7の内部に達していることから、内部電極3と下地電極7との良好な電気的接続を確保することができる。また、下地電極7に達した内部電極3の端部3aは、素体2の内部の内部電極3に比べて太いことから、内部電極3と下地電極7との接触面積が増え、両者の接触抵抗が低減する。
また、上述したセラミック積層電子部品1の製造方法によれば、ガラスペーストの塗布および焼成により、素体2の表面にガラス層6を形成することにより、内部電極3の露出部位において自己整合的にガラス層6に開口6aが形成され、この結果、内部電極3と下地電極7との電気的導通が確実となる。そして、開口6aの部位において下地電極7から内部電極3へと確実に金属が供給されることにより、カーケンドール効果により、内部電極3の端部3aが下地電極7に向かって突出するだけでなく、太くなる。これにより、内部電極3と下地電極7との導通が確実なものとなる。
<第2実施形態>
図7は、第2実施形態に係るセラミック積層電子部品1の断面図である。
図7に示すように、本実施形態では、下地電極7の形成部位以外のガラス層10が、下地電極7の形成部位におけるガラス層10に比べて厚い点を除いて、第1実施形態と同様である。
具体的には、ガラス層10は、ガラス層6とガラス層9の二層構造からなる。ガラス層6は、第1実施形態と同じであり、素体2の全面に形成されたものである。ガラス層10は、下地電極7の形成部位以外のガラス層6上に形成されている。
素体2と下地電極7との間のガラス層6の厚さは、内部電極3の突き出しを許容するため、1μm未満であることが好ましい。また下地電極7のボイドを通して侵入するめっき液から素体2を保護する為に、素体2と下地電極7が接している場合でも下地電極7の境界付近の空隙にはガラス層6と実質同じ組成のガラスが充填されていることが好ましい。ガラス層6及びガラス層9の合計膜厚に制限はない。下地電極7の形成部位以外のガラス層10は、端子電極8用のめっき液に直接晒されるので、このめっき液から素体2を十分に保護する必要があるからである。
上記のセラミック積層電子部品1を製造するためには、第1実施形態と同様に、図2〜図6に示す工程を経て、下地電極7を形成した後に、追加のガラス層9を形成すればよい。具体的には、下地電極7を形成した後に、下地電極7上を樹脂で覆い、ガラス粉末、バインダ樹脂及び溶剤を含むガラスペーストの中にチップ全体を浸漬した後に焼成する。焼成後、下地電極7上の樹脂層はほぼ消失しているため、樹脂層の上のガラス層は容易に剥離される。これにより、下地電極7の形成部位以外のガラス層6上にガラス層9が形成される。ガラス層9を形成した後に、第1実施形態と同様に、電気めっきによりNi層8a及びSn層8bからなる端子電極8gが形成される。
本実施形態に係るセラミック積層電子部品1によれば、下地電極7の形成部位以外のガラス層10が、下地電極7の形成部位におけるガラス層10に比べて厚くなっていることから、めっき液に直接晒される部位のガラス層10を厚くして素体を確実に保護しつつ、下地電極7の下層のガラス層10を薄くして下地電極7と内部電極3との導通を図ることができる。
また、本実施形態に係るセラミック積層電子部品1の製造方法によれば、下地電極7を形成した後に、ガラス層6上に追加のガラス層9を形成することにより、下地電極7と内部電極3との導通を確保しつつ、めっき液からの保護を強化することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
素体2の主組成がチタン酸ストロンチウムであり、内部電極3がAgPd(Pd30wt%)で、外形が1.6×0.8×0.8mmの積層体4からなるコンデンサチップにガラスコーティングを行った。軟化点645℃の鉛含有量が100ppm以下の非鉛ガラスペーストをシンナーに稀釈した後に、このペースト中にチップを浸漬し、670℃で焼成した。これを5回繰り返し、平均膜厚3μmのガラス層6を形成した。次に内部電極3が露出している素体面を軟化点580℃のフリットを含む銀ペーストに浸漬して670℃で焼成して下地電極7を形成した。この状態で端子間の導通を検査すると導通不良は0/100、絶縁不良は0/100であった。次に下地電極7上にワット浴でNi層8aを3μm、中性Sn浴でSn層8bを5μm形成した。この状態で端子間の導通をチェックすると導通不良は0/100、絶縁不良は0/100であった。
(実施例2)
実施例1で下地電極7の形成後に、下地電極7の表面にレジスト層を形成したチップを鉛含有量が100ppm以下の非鉛ガラスペーストに浸漬させ、焼成した。これにより、下地電極7以外の素体2上のガラス層10の膜厚を5μmにした。このときの導通不良の発生は0/100であった。
(比較例1)
実施例1でガラス層6をスパッタリング法により形成した。このとき下地電極形成後端子間の導通をチェックすると導通不良は8/100、絶縁不良は0/100であった。次に下地電極7上にワット浴でNi層8aを3μm、中性Sn浴でSn層8bを5μm形成した。この状態で端子間の導通をチェックすると導通不良は13/100、絶縁不良は17/100であった。この結果から、スパッタリング法により形成したガラス層6では、内部電極3と下地電極7との導通不良が発生すること、まためっき後に絶縁不良が発生することがわかる。めっき後のIR不良チップの断面解析を行うと、内部電極間にクラックが入っている。スパッタリング法により形成されたガラス層6中のピンホールを通じてめっき中にめっき液が素体2に侵入して素体2を溶解し、内部電極3と素体2との内部応力が解放されてクラックが生じたと考えられる。
本発明は、サーミスタ、コンデンサ、インダクタ、LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics)、バリスタ、それらの複合部品からなるセラミック積層電子部品等、および、それらを備える機器、装置、システム、設備等、ならびに、それらの製造に広く利用することができる。
第1実施形態に係るセラミック積層電子部品の概略断面図である。 セラミック積層電子部品を製造する手順の一例を示す工程断面図である。 セラミック積層電子部品を製造する手順の一例を示す工程断面図である。 セラミック積層電子部品を製造する手順の一例を示す工程断面図である。 セラミック積層電子部品を製造する手順の一例を示す工程断面図である。 内部電極の端部近傍の断面写真を示す図である。 第2実施形態に係るセラミック積層電子部品の概略断面図である。
符号の説明
1…セラミック積層電子部品、2…素体、3…内部電極、3a…端部、4…積層体、6…ガラス層、6a…開口、7…下地電極、7a…導電性ペースト、8…端子電極、8a…Ni層、8b…Sn層、9…ガラス層、10…ガラス層。

Claims (5)

  1. 主としてセラミックスからなる素体と、
    前記素体の内部に設けられ、かつ前記素体の端面から突出した内部電極と、
    前記素体の表面を被覆するガラス層と、
    前記素体の端面における前記ガラス層上に形成された下地電極と、
    を有し、
    前記内部電極が、前記ガラス層を貫通して前記下地電極の内部に達しており、前記下地電極に貫入した前記内部電極の端部は、前記素体の内部の内部電極に比べて太く、かつ、前記下地電極に向かって太
    前記内部電極における前記端部と前記素体の内部の部位が、一体に形成され、かつ、主として同じ金属からなるものである、
    セラミック積層電子部品。
  2. 前記下地電極の形成部位以外の前記ガラス層が、前記下地電極の形成部位における前記ガラス層に比べて厚い、
    請求項1に記載のセラミック積層電子部品。
  3. 前記内部電極及び前記下地電極は、Ag及び/又はPdを含み、
    前記内部電極中のPdの含有量が、前記下地電極に比べて大きい、
    請求項1又は2に記載のセラミック積層電子部品。
  4. 前記下地電極は、Ag及びPdを含み、
    前記内部電極は、Agを含む、
    請求項1〜3のいずれかに記載のセラミック積層電子部品。
  5. 主としてセラミックスからなる素体と、前記素体に内蔵されかつ前記素体の端面において露出した内部電極を備える積層構造体を形成する工程と、
    前記素体の表面へのガラスペーストの塗布および焼成により、前記素体の表面にガラス層を形成し、該ガラス層に開口部位を形成する工程と、
    前記素体の端面における前記ガラス層上に導電性ペーストを塗布する工程と、
    前記導電性ペーストを焼成して、下地電極を形成する工程と、
    を有し、
    前記下地電極を形成する工程においては、前記内部電極が、前記ガラス層を貫通して前記下地電極の内部に達し、前記下地電極に貫入した前記内部電極の端部が、前記素体の内部の内部電極に比べて太く、かつ、前記下地電極に向かって太くなり、前記内部電極における端部と前記素体の内部の部位を、該端部と該素体の内部の部位が主として同じ金属からなるように一体に形成する、
    セラミック積層電子部品の製造方法。
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