JP5177667B2 - 車両用空調装置及びその制御方法 - Google Patents

車両用空調装置及びその制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両用空調装置及びその制御方法に関し、特に、特定の状況に対して自動的に適切な設定にする車両用空調装置及びその制御方法に関する。
従来より、車両に搭載される車両用空調装置は、車内を快適に保つために、車内外の室温、日射量などの空調環境情報に応じて車内へ送出する空調空気の温度(以下、空調温度という)及び風量を自動的に調整するように構成されている。このような車両用空調装置では、例えば、空調温度または風量を決定するために、空調環境情報と空調温度または風量との対応関係を示した対応表であるマップが予め準備される。そして、車両用空調装置は、そのマップを参照して、車内外に設けられた温度センサ、日射量センサなどにより取得された空調環境情報に対応する最適な空調温度または風量を決定する。
また、このような車両用空調装置において、乗員の好みに応じて空調温度または風量を設定できるように、乗員による設定温度の変更、または風量の調整といった手動操作の結果に基づいてマップを学習する技術が開発されている(例えば、特許文献1を参照)。ここで、上記のマップは、空調環境情報の取り得る値の範囲が複数の分割領域に分割され、各分割領域ごとに空調温度または風量の設定値を対応させている。そして、特許文献1に記載された車両用空調装置では、乗員の操作頻度の高いとき、あるいは乗車頻度の高いときに対応する空調環境情報の値についての分割領域の幅を狭く設定し、乗員の操作頻度の低いとき、あるいは乗車頻度の低いときに対応する空調環境情報の値についての分割領域の幅を広く設定している。これにより、係る車両用空調装置は、マップの分割領域の数を増やすことなく、すなわち、マップの記憶に必要なメモリ量を増加させることなく、乗員の好みに合った制御を可能としている。
特開2002−283830号公報
しかしながら、季節が変わったり、乗員の生活習慣あるいは生活環境が変わると、乗車頻度の高いときに対応する環境条件が変わることがある。例えば、地域によっては夏季の日射量と冬季の日射量とは大きく異なる。また、車両の所有者が替わると、操作頻度の高いときに対応する日射量が以前の所有者と現在の所有者で異なる場合がある。このように、環境条件が変わった場合でも、その変化に合わせてマップの分割領域の幅を調節できることが望ましい。また、環境条件の変化に応じて分割領域の幅を狭くする領域を設定するために、分割領域の数を無制限に増やすと、その分割領域の数の増加に応じてマップの記憶及び修正に必要なメモリ量及び計算量が急激に増加してしまう。そのようなメモリ量及び計算量の増加は、車載の空調装置という限られたハードウェアリソースしかできない条件下では、非常に好ましくない。
そこで、本発明の目的は、車両に関する状態情報と空調設定との関係を表わす対応表における状態情報の値に対する分割領域の何れかについて、環境条件の変動に応じて細分化することが可能な車両用空調装置及び車両用空調装置の制御方法を提供することにある。
また本発明の他の目的は、車両に関する状態情報と空調設定との関係を表わす対応表における状態情報の値に対する分割領域の数を一定数以下に保ちつつ、環境条件の変動に応じて細分化する分割領域を変更可能な車両用空調装置及び車両用空調装置の制御方法を提供することにある。
請求項1の記載によれば、本発明の一つの形態として、車両用空調装置が提供される。係る車両用空調装置は、空調空気を車両内に供給する空調部(2)と、状態情報取得部(3)により取得される車両に関する少なくとも一つの状態情報の取り得る値の範囲を複数の分割領域に分割し、各分割領域ごとに車両用空調装置の所定の設定項目に関する最適な設定値を表す対応表を記憶する記憶部(51)と、少なくとも一つの状態情報と対応表を参照することにより、最適な設定を決定する推薦操作決定部(53)と、その最適な設定となるように空調部(2)を制御する空調制御部(54)と、空調装置の空調設定を行うための操作部(4)と、操作部(4)を介して空調装置の設定が変更されたとき、その設定変更時において状態情報取得部(3)により取得された少なくとも一つの状態情報の値が含まれる分割領域に対して、その設定変更により修正された設定項目の設定値が最適な設定となる確率が高くなるように、対応表を修正する学習部(55)と、複数の分割領域のうち、対応する少なくとも一つの状態情報の値の範囲を少なくとも二つのサブ分割領域に細分化する分割領域を決定する細分化領域決定部(56)とを有する。
本発明に係る車両用空調装置は、上記の構成を有することにより、車両に関する状態情報と空調設定との関係を表わす対応表における状態情報の値に対する分割領域の何れかを、環境条件の変動に応じて細分化することができる。
た、本発明に係る車両用空調装置において、細分化領域決定部(56)は、既に細分化されている分割領域について細分化したことの適切さを表す分割評価値と、細分化されていない分割領域について細分化したときの適切さを表す見込み分割評価値とを求め、分割評価値が見込み分割評価値よりも小さい場合、その細分化されている分割領域の少なくとも二つのサブ分割領域を一つに統合し、細分化されていない分割領域に対応する少なくとも一つの状態情報の値の範囲を少なくとも二つのサブ分割領域に細分化することが好ましい。
本発明に係る車両用空調装置は、上記の構成を有することにより、車両に関する状態情報と空調設定との関係を表わす対応表における状態情報の値に対する分割領域の数を一定数以下に保ちつつ、環境条件の変動に応じて細分化する分割領域を変更することができる。
さらに請求項の記載によれば、本発明に係る車両用空調装置において、対応表は、分割領域またはサブ分割領域のそれぞれについて、少なくとも一つの状態情報の値がその分割領域またはサブ分割領域に含まれるときに、乗員が操作部(4)を介して所定の設定項目の設定値にする操作を行った操作回数を、所定の設定項目の設定値ごとに記録したものである。この場合において、分割評価値及び見込み分割評価値は、着目する分割領域について、各設定値に対応する操作回数をその着目する分割領域に記録された操作回数の総数で除することにより得られる、後述の式(1)で示されるような確率の平均対数尤度を用いて表されることが好ましい。
これにより、本発明に係る車両用空調装置は、着目する分割領域に対応する少なくとも一つの状態情報の値の範囲を少なくとも二つのサブ分割領域に細分化したときの適切さを、乗員が空調装置に対して直接行った操作に基づいて評価できるので、乗員の好みに応じて細分化する分割領域を決定することができる。
さらに請求項の記載によれば、分割評価値は、既に細分化されている分割領域について設定されているサブ分割領域のそれぞれについて求めた上記の平均対数尤度を、各サブ分割領域に記録された操作回数の総数で加重平均した値と、その既に細分化されている分割領域全体について求めた上記の平均対数尤度との差とすることが好ましい。
さらに請求項の記載によれば、見込み分割評価値は、細分化されていない分割領域について求めた上記の平均対数尤度の絶対値を入力とする単調増加関数の出力値とすることが好ましい。
また請求項の記載によれば、本発明に係る車両用空調装置において、推薦操作決定部(53)は、少なくとも一つの状態情報を入力パラメータとして、所定の設定項目に関する各設定値とする操作の推薦確率を出力する確率モデルを使用して得られた推薦確率の最大値に対応する設定値を最適な設定値とし、対応表はその確率モデルのクロス集計表であることが好ましい。
また請求項の記載によれば、本発明の他の形態として、空調空気を車両内に供給する空調部(2)と、状態情報取得部(3)により取得される車両に関する少なくとも一つの状態情報の取り得る値の範囲を複数の分割領域に分割し、各分割領域ごとに車両用空調装置の所定の設定項目に関する最適な設定値を表す対応表と、複数の分割領域のうち、対応する少なくとも一つの状態情報の値の範囲を少なくとも二つのサブ分割領域に細分化された分割領域を示す情報を記憶する記憶部(51)と、少なくとも一つの状態情報と対応表を参照することにより、最適な設定を決定する推薦操作決定部(53)と、最適な設定となるように空調部(2)を制御する空調制御部(54)と、空調装置の空調設定を行うための操作部(4)と、操作部(4)を介して空調装置の設定が変更されたとき、その設定変更時において状態情報取得部(3)により取得された少なくとも一つの状態情報の値が含まれる分割領域またはサブ分割領域に対して、その設定変更により修正された設定項目の設定値が最適な設定となる確率が高くなるように、対応表を修正する学習部(55)とを有する車両用空調装置装置の制御方法が提供される。係る制御方法は、既に細分化されている分割領域について細分化したことの適切さを表す分割評価値を求めるステップと、細分化されていない分割領域について細分化したときの適切さを表す見込み分割評価値を求めるステップと、分割評価値が見込み分割評価値よりも小さい場合、細分化されている分割領域の少なくとも二つのサブ分割領域を一つに統合し、細分化されていない分割領域に対応する少なくとも一つの状態情報の値の範囲を少なくとも二つのサブ分割領域に細分化するステップとを有する。
本発明に係る車両用空調装置の制御方法は、上記の手順を有することにより、車両に関する状態情報と空調設定との関係を表わす対応表における状態情報の値に対する分割領域の数を一定数以下に保ちつつ、環境条件の変動に応じて細分化する分割領域を変更することができる。
なお、上記各部に付した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下、本発明の一つの実施形態に係る車両用空調装置について説明する。
本発明の一つの実施形態に係る空調装置は、車両に関する状態を表す状態情報を入力パラメータとして、空調装置を所定の設定にする推薦度を表す確率を出力する確率モデルを用いて、空調装置の設定を自動的に最適化するものである。ここで係る空調装置は、乗員の好みに応じた設定を推薦できるように確率モデルを学習するために、確率モデルの入力パラメータが取り得る値の範囲を所定数の分割領域に区分したクロス集計表にしたがって、乗員による手動操作の操作回数を記録する。そして係る空調装置は、記録された操作回数から各分割領域の適切さの度合いを求め、その度合いが最も低い分割領域を細分化することにより、乗員の感度が高い状態情報の値に対して細かく設定を変更できるようにしたものである。さらに係る空調装置は、一旦何れかの分割領域を細分化した後、分割領域を細分化することの適切さの度合いを各分割領域について求めて細分化する分割領域の再評価を行うことにより、必要に応じて細分化する分割領域を変更する。
図1は、本発明の一つの実施形態に係る空調装置1の全体構成を示す概略構成図である。図1に示すように、空調装置1は、主に機械的構成からなる空調部2と、車両に関する状態情報を取得するための情報取得部3と、操作部として機能する操作パネル4と、空調装置1の各部を制御する制御部5を有する。
空調部2は、車内の空気または車外から取り入れた空気を冷却し、または暖めて、車内に供給する。そのために、空調部2は、冷媒を冷却するための冷凍サイクル(例えば、コンプレッサ、レシーバ、膨張弁などで構成される)と、車内または車外から空気を取り入れるための吸気口およびブロアファンと、取り入れた空気と冷媒との間で熱交換するためのエバポレータと、取り入れた空気を暖房するためのヒータコアと、ヒータコアを通過した空気とヒータコアを迂回した空気の混合比率を調整して空調空気を得るためのエアミックスドアと、空調空気を車内に送出するための吹き出し口を有する。
なお、空調部2として、車載用空調装置に使用される周知の様々な構成を採用することができるため、ここでは、空調部2の構造の詳細な説明を省略する。
情報取得部3は、車両に関する各種の状態情報を取得する少なくとも一つのセンサを有する。本実施形態では、情報取得部3が有する代表的なセンサとして、内気温センサ、外気温センサ、日射センサがある。内気温センサは、車室内の温度(内気温)Trを測定するために、ハンドル近傍のインストルメントパネルなどにアスピレータとともに設置される。また、外気温センサは、車室外の温度(外気温)Tamを測定するために、車両前方のラジエターグリルに設置される。さらに、車室内に照りつける日射光の強さ(日射量)Sを測定するために、日射センサが車室内のフロントガラス近傍に取り付けられる。
さらに情報取得部3は、車室内に、湿度センサ、ドライバ及び同乗者の顔を撮影するための1台以上の車内カメラ、車外の様子を撮影する車外カメラ、乗員の生体情報を取得するための体温センサあるいは排気ガスの臭気を測定するための排ガスセンサなどを有してもよい。さらに情報取得部3は、ナビゲーションシステムなどの車載機器をセンサとして有してもよい。例えば、ナビゲーションシステムは、車両の現在位置、進行方向、周辺地域情報、Gbook情報などの位置情報を状態情報として取得してもよい。また、車載機器は、曜日、現在時刻などの時間情報を状態情報として取得してもよい。さらに、車載機器は、アクセル開度、ハンドル、ブレーキ、パワーウインドウ開度、ワイパー、ターンレバー若しくはカーオーディオのON/OFFなどの各種操作情報、及び車速、車両挙動情報などを状態情報として取得してもよい。
情報取得部3は、定期的(例えば、1秒毎、4秒毎、1分毎など)に一つ以上の状態情報を取得する。あるいは、情報取得部3は、乗員が空調装置に対する設定操作を行ったときに、制御部5からの情報取得要求に従って一つ以上の状態情報を取得する。そして、情報取得部3は、その取得された状態情報を制御部5へ渡す。
操作パネル4は、自動制御の対象となる空調装置に対する設定操作を行うための操作部であり、例えば、空調装置1の設定情報を調整するための各種のスイッチと、設定情報を表示するための表示部などを有する。そして操作パネル4は、乗員が空調装置に対して何等かの設定を変更する操作(例えば、設定温度を変える、風量または風向きを調整する、内気循環モードまたは外気導入モードに設定する等)を行ったことを検知すると、その操作内容を表す信号を制御部5へ送信する。例えば、設定情報には、車内の設定温度Tset、風量B、吸気設定モード(内気循環モードまたは外気導入モード)、風向き設定などを表す複数の設定パラメータが含まれる。
図2は、空調装置1の制御部5の機能ブロック図である。
制御部5は、図示していないCPU,ROM,RAM等からなる1個もしくは複数個の図示してないマイクロコンピュータ及びその周辺回路と、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリ等からなる記憶部51と、情報取得部3の各センサなどとコントロールエリアネットワーク(CAN)のような車載通信規格に従って通信する通信部52を有する。そして記憶部51は、制御部5で実行されるプログラム、そのプログラムが使用する各種設定パラメータなどを記憶する。また記憶部51は、最適な空調設定を決定するために使用される確率モデルの構造を表すデータ、空調装置1の設定情報、及び状態情報などを記憶する。
さらに、制御部5は、このマイクロコンピュータ上で実行されるコンピュータプログラムによって実現される機能モジュールとして、推薦操作決定部53、空調制御部54、学習部55及び細分化領域決定部56を有する。
以下、制御部5の動作を詳細に説明する。
推薦操作決定部53は、空調装置1について、特定の状況に応じて最適と考えられる設定の推薦度を、確率モデルに基づいて算出する。本実施形態では、確率モデルとして、ベイジアンネットワークを用いた。ベイジアンネットワークは、複数の事象の確率的な因果関係をモデル化するものであり、各ノード間の伝播を条件付き確率で求める、非循環有向グラフで表されるネットワークである。なお、ベイジアンネットワークの詳細については、本村陽一、岩崎弘利著、「ベイジアンネットワーク技術」、初版、電機大出版局、2006年7月、繁桝算男他著、「ベイジアンネットワーク概説」、初版、培風館、2006年7月、又は尾上守夫監修、「パターン識別」、初版、新技術コミュニケーションズ、2001年7月などに開示されている。
図3に、本実施形態において使用される確率モデルの一例を示す。図3に示す確率モデル300は、空調装置1の自動制御に使用され、内気温Trに基づいて、空調装置1から車内に送出される空調空気の風量BをB1〜B6の何れかに設定する推薦度を確率として出力する。そのために、確率モデル300は、1個の入力ノード301と、その入力ノード301に接続された1個の出力ノード302を有する。また、入力ノード301には、入力パラメータとして内気温Trが与えられる。そして、出力ノード302は、内気温Trが取り得る値の範囲をT1〜T8の8分割した各分割領域の何れかに含まれるときに、風量BをB1〜B6に設定する確率P(B=Bj|Ti)(i=1,2,...,8, j=1,2,...,6)をそれぞれ出力する。なお、各分割領域T1〜T8の幅は、均等でもよく、あるいは異なっていてもよい。例えば、分割領域T1は12℃以下の温度に対応し、分割領域T8は30℃よりも高い温度に対応し、分割領域T2〜T7は、それぞれ、12℃〜30℃の範囲を均等に6分割した温度範囲の何れかに対応するように、各分割領域を設定することができる。
図3に示すクロス集計表(以下、CTTという)303は、出力ノード302に対応して設けられ、内気温Trが分割領域Ti(i=1,2,...,8)の何れかに属するときに、乗員が操作パネル4を介して風量BをBj(j=1,2,...,6)に設定した操作回数を記憶したものである。CTT303において、各列は、それぞれ分割領域T1〜T8に対応し、各行は、風量B1〜B6に対応する。そして確率モデル300において、上記の確率P(B=Bj|Ti)は、CTT303を参照して、内気温Trが分割領域Tiに含まれるときに風量BがBjに設定された操作回数n(Bj,Ti)を、内気温Trが分割領域Tiに含まれるときの操作回数の合計Σjn(Bj,Ti)で除することにより算出される。例えば、図3に示した例では、内気温Trが分割領域T6に属する場合において風量B3に設定する確率P(B=B3|T6)は、n(B3,T6)=20、Σjn(Bj,T6)=30より、0.67となる。なお、Σjn(Bj,Ti)>0となるように、CTT303の各分割領域Tiには、初期値として何れかの風量Bjに対する操作回数が1に設定される。
なお、上記の例では、推薦操作決定部53は、簡単化のために2層のネットワーク構成を有する確率モデルを使用した。しかし推薦操作決定部53は、中間層を含む3層以上のネットワーク構成を有する確率モデルを使用してもよい。また、入力ノードの数、入力ノードに与えられる状態情報の種類及び状態情報の値の区分も、上記の例に限られない。
推薦操作決定部53は、得られた状態情報の値を確率モデルに入力して得られた各設定値に対する確率のうち、最も高いものを選択する。そして推薦操作決定部53は、その最も高い確率に対応する設定値にする操作を推薦操作とし、その最も高い確率を推薦度とする。
推薦操作決定部53は、得られた推薦度にしたがって、設定温度Tset、風量Bなどの設定パラメータを修正する。例えば、推薦操作決定部53は、上記の確率モデルに従って風量BをB2に設定する操作に対して得られた推薦度が第1の閾値Th1(例えば0.9)よりも高い場合、推薦操作決定部53は、風量BをB2に設定する。あるいは、推薦操作決定部53は、得られた推薦度が第1の閾値Th1よりも低い第2の閾値Th2(例えば0.7)よりも高い場合、操作パネル4に推薦操作の内容を表示する。そして、操作パネル4を介してその推薦操作を承認する入力がなされると、推薦操作決定部53は設定パラメータを修正する。なお、得られた推薦度が第2の閾値Th2以下の場合、推薦操作決定部53は、推薦操作に対応する設定パラメータを修正しない。同様に、得られた推薦度が第1の閾値Th1以下で、第2の閾値Th2より高く、かつ乗員による推薦操作を承認する入力がなされない場合も、推薦操作決定部53は、推薦操作に対応する設定パラメータを修正しない。推薦操作決定部53は、上記の処理によって、各設定パラメータを必要に応じて修正すると、それらの設定パラメータを制御部5の各部で利用可能なように、記憶部51に一時的に記憶する。
空調制御部54は、各設定パラメータ及び最新の状態情報に基づいて、空調部2を制御する。その際、推薦操作決定部53によって修正された設定パラメータが記憶部51に記憶されている場合、空調制御部54は、その修正された設定パラメータを使用する。
具体的には、空調制御部54は、設定温度Tset及び各温度センサ及び日射センサの測定信号に基づいて、各吹き出し口から送出される空調空気の必要吹出口温度(空調温度Tao)を決定する。その後、空調制御部54は、その空調空気の温度が空調温度Taoとなるように、エアミックスドアの開度を決定する。そして空調制御部54は、エアミックスドアがその開度になるように、エアミックスドアを動かすための温調サーボモータへ、制御信号を送信する。
また空調制御部54は、空調温度Tao、設定温度Tset及びエバポレータ出口温度などに基づいて、冷凍サイクルを構成するコンプレッサのON/OFFを制御する。空調制御部54は、車内を冷房する場合、あるいは、デフロスタを作動させる場合などには、原則としてコンプレッサを作動させ、冷凍サイクルを作動させる。
さらに空調制御部54は、空調温度Tao、設定温度Tsetなどに基づいて、各吹き出し口から送出される空調空気の風量比を求める。そして空調制御部54は、設定された風量に対応するように、空調部2のブロアファンの回転数を調整する。また空調制御部54は、その風量比に対応するように、各吹き出し口の開度を決定する。さらにまた、空調制御部54は、空調温度Tao、設定温度Tset、内気温Trなどに基づいて、空調装置1が内気吸気口から吸気する空気と外気吸気口から吸気する空気の比率を設定する。
空調制御部54は、空調温度Taoを決定するために、例えば、設定温度Tset、内気温Tr、外気温Tam及び日射量Sと空調温度Taoの関係を表した温調制御式を使用する。あるいは、空調制御部54は、空調温度Taoを決定するために、周知の様々な制御方法を用いることができる。同様に、空調制御部54は、風量比の決定、コンプレッサのON/OFF制御、吸気比の決定についても、周知の様々な制御方法を用いることができる。そのため、それらの制御方法の詳細な説明は省略する。
学習部55は、推薦する操作を乗員の好みに合わせるために、乗員が空調装置1を操作する度に、その操作によって修正された設定項目に関連する確率モデルを学習する。具体的には、乗員が空調装置1を操作すると、学習部55は、記憶部51に記憶されている少なくとも一つの確率モデルの中から、その操作によって修正された設定項目の何れかの設定値について推薦度を出力する確率モデルを学習対象モデルとして選択する。また学習部55は、乗員によって操作が行われた時に、情報取得部3により取得された各状態情報のうち、学習対象モデルの入力パラメータとして用いられる状態情報を抽出する。そして学習部55は、学習対象モデルに関連付けられたCTTの対応する欄の値を1インクリメントする。例えば、乗員が風量BをB4に設定する操作を行ったとすると、学習部55は、図3に示した確率モデル300を学習対象モデルとして選択する。そして学習部55は、その設定操作が行われたときの内気温Trの値を調べる。そして、内気温Trが分割領域T3に属していたとすると、学習部55は、確率モデル300に関連付けられたCTT303のうち、{B4,T3}の欄に記録された操作回数n(B4,T3)を1インクリメントする。
なお、乗員が操作した設定項目に関連する確率モデルが複数準備されている場合、学習部55は、その複数の確率モデル全てを上記の手順により学習する。例えば、車両の位置情報及び時間帯を入力パラメータとして、所定の設定温度に設定する操作の推薦度を出力する第1の確率モデルと、内気温に基づいて所定の設定温度に設定する操作の推薦度を出力する第2の確率モデルが準備されている場合を考える。この場合、学習部55は、操作パネル4を介して乗員により設定温度が修正されると、その操作時の位置情報及び時間帯の値を調べ、第1の確率モデルに関連付けられたCTTの該当する欄の操作回数を1インクリメントする。また学習部55は、その操作時の内気温の値を調べ、第2の確率モデルに関連付けられたCTTの該当する欄の操作回数を1インクリメントする。
学習部55は、上記の手順により修正されたCTTで、記憶部51に記憶されている対応するCTTを更新する。
細分化領域決定部56は、推薦操作決定部53で最適な操作及びその推薦度を決定するために使用される確率モデルに関連付けられた、CTTの入力パラメータの値に対する分割領域の何れかを細分化することにより、分割領域の幅を調整する。ここで、細分化領域決定部56は、CTTを記憶するために必要なメモリ量を一定以下に抑えるために、予め設定された各分割領域のうち、最も細分化した方がよいと考えられる所定数の分割領域のみを細分化する。
本実施形態では、細分化する分割領域の所定数を2として、以下に細分化領域決定部56の処理を説明する。なお、この所定数は、記憶部51の記憶容量、制御部5が有するプロセッサの処理能力に応じて設定される。そしてこの所定数は最低でも1であり、記憶部51の記憶容量、制御部5が有するプロセッサの処理能力が高くなる程、大きな値に設定することができる。
細分化領域決定部56は、CTTに集計された操作回数の合計が分割領域の幅を評価するのに十分であると想定される場合、細分化する分割領域を決定する。そのために、細分化領域決定部56は各分割領域に対する入力パラメータの値の範囲の適切さの度合いを表す分割領域確信度を算出する。本実施形態では、分割領域確信度L(Si)は、各分割領域において求められる設定値の確率の平均対数尤度であり、以下の式で表わされる。
Figure 0005177667
ここで、Si(i=1,2,...,r、ただしrは2以上の自然数)は、対象となる入力パラメータの値に対する着目する分割領域を表し、Oj(j=1,2,...,m、ただしmは2以上の自然数)は、その確率モデルにおいて推薦度の算出対象となる何れかの設定項目の値を表す。またn(Oj,Si)は、入力パラメータの値が分割領域Siに含まれるときに所定の設定項目について設定値Ojに設定された操作回数を表す。さらに、P(Oj|Si)は、そのCTTに基づいて計算される、入力パラメータの値が分割領域Siに含まれるときに、所定の設定項目について設定値Ojに設定される確率を表す。なお、関数log()は自然対数である。そしてΣj(xj)は、j=1,2,...,mについて、xjの値を合計する関数である。(1)式に基づいて求められる分割領域確信度L(Si)は、負の値または0となり、様々な設定値についての操作回数が均等になるほど小さな値(すなわち、大きな負の値)となる。一方、特定の設定値についての操作回数のみが多く、それ以外の設定値についての操作回数が少なければ、分割領域確信度L(Si)は0に近い値となる。したがって、分割領域確信度L(Si)が小さいほど、その分割領域Siに含まれる値を持つ状態情報が得られた時に、推薦操作決定部53が乗員にとって適切な推薦操作を決定することが困難となることが分かる。
そこで、細分化領域決定部56は、(1)式に基づいて、各分割領域の分割領域確信度L(Si)を算出する。そして、分割領域確信度L(Si)が最小となる方から順に二つの分割領域を細分化する分割領域とする。
図4(a)及び(b)を参照しつつ、上記の細分化する分割領域の決定処理の例について説明する。図4(a)は、図3に示した確率モデル300の出力ノード302に関連付けられた、ある時点におけるCTT400を示す。なお、CTT400において、空欄となっているところに対応する操作回数n(Bj,Ti)は0である。一方、図4(b)に示す表410は、各分割領域T1〜T8に対して、(1)式に基づいて分割領域確信度L(Ti)(i=1,2,...,8)を算出した結果の一覧を示す。図4(b)から、分割領域T6の分割領域確信度L(T6)及び分割領域T7の分割領域確信度L(T7)が、最も分割領域確信度の小さい方の二つとなることが分かる。そこで、細分化領域決定部56は、分割領域T6及びT7を、それぞれ二つのサブ分割領域T6L、T6H及びT7L、T7Hに細分化する。この細分化されたサブ分割領域T6L、T6H及びT7L、T7Hの幅は、それぞれ、元の分割領域T6、T7の幅の半分とすることができる。
なお、細分化領域決定部56は、求めた分割領域確信度L(Si)の最小値が、所定の閾値よりも大きければ、何れの分割領域についても細分化しないようにしてもよい。この場合、その所定の閾値は、分割領域の設定が乗員に対して適切であると考えられる最小値、例えば-0.5に設定される。
何れかの分割領域が細分化され、サブ分割領域が設定されると、学習部55は、それ以降に乗員が手動で設定を変更する操作を行ったとき、細分化された分割領域に関する操作を、そのサブ分割領域単位で集計する。そして推薦操作決定部53は、細分化された分割領域に含まれる入力パラメータの値が得られたときに推薦操作を決定する場合、サブ分割領域単位で上記の推薦度を算出する処理を行って、推薦操作及び推薦度を決定する。
図5を参照しつつ、分割領域の細分化後におけるCTTの更新(すなわち、確率モデルの学習)及び推薦操作の決定の例について説明する。図5に示すCTT500は、図3に示した確率モデル300に関して、分割領域T6がサブ分割領域T6LとT6Hに細分化され、分割領域T7がサブ分割領域T7LとT7Hに細分化されたものである。図5に示すように、CTT500では、サブ分割領域が設定された分割領域T6、T7に関しては、各サブ分割領域ごとに、操作回数n(Bj,T6L)、n(Bj,T6H)、n(Bj,T7L)及びn(Bj,T7H)が集計されている。ここで、推薦操作決定部53がこのCTT500に基づいて風量Bに関する推薦操作を決定すると仮定する。この場合において、例えば、内気温Trがサブ分割領域T6Lの範囲に含まれるとすると、各風量に対する確率P(B=Bj|T6L)の最大値は、CTT500より、風量BをB2に設定する確率P(B=B2|T6L)であり、その値が0.86となることが分かる。そこで、推薦操作決定部53は風量BをB2に設定する操作を推薦し、その推薦度を0.86とする。一方、内気温Trがサブ分割領域T6Hの範囲に含まれるとすると、各風量に対する確率P(B=Bj|T6H)の最大値は、CTT500より、風量BをB3に設定する確率P(B=B2|T6H)であり、その値が0.60となることが分かる。そこで推薦操作決定部53は、風量BをB3に設定する操作を推薦し、その推薦度を0.60とする。
このように、分割領域を細分化することにより、空調装置1は、状態情報の値の変化に対して乗員の感度が高いところについて細かく推薦操作を変更できるので、乗員の好みに応じて最適な空調設定を推薦し易くなる。
次に、細分化領域決定部56は、細分化する分割領域を決定した後、学習データの数が分割領域の幅を再評価するのに十分と考えられる数に達したと想定される場合、細分化する分割領域を設定し直すか否か判定する。そして細分化領域決定部56は、細分化する分割領域の再設定が必要と判定した場合、どの分割領域を細分化するか決定する。
まず、細分化する分割領域を設定し直す必要があるか否かを判定するために、細分化領域決定部56は、下記の式に従って、既に細分化されている分割領域の細分化の適切さの度合いを表す分割評価値G(Ss)を計算する。
Figure 0005177667
ここで、Ssは細分化されている分割領域を表す。また、Ss1、Ss2は、それぞれ分割領域Ssに対して設定されたサブ分割領域を表す。また関数L(Ss1)、L(Ss2)及びL(Ss)は、それぞれ、(1)式に基づいて算出される、サブ分割領域Ss1、Ss2及び分割領域Ssの分割確信度である。さらに、n(Ss1)、n(Ss2)は、それぞれ、サブ分割領域Ss1、Ss2に含まれる操作回数の合計である。また、n(Ss)は、分割領域Ssに含まれる操作回数の合計である。すなわち、n(Ss)はn(Ss1)とn(Ss2)の和に等しい。この分割評価値G(Ss)は、値が小さいほど、二つのサブ分割領域に含まれる入力パラメータに対して同じように操作が行われたことを表している。すなわち、分割評価値G(Ss)は、その値が小さいほど、その分割領域Ssを細分化した効果が少なく、分割領域Ssを細分化したことが適切でないことを表す。
例えば、図5に示したCTT500の場合、細分化領域決定部56は、細分化されている、すなわちサブ分割領域が設定されている分割領域T6、T7について分割評価値G(T6)、G(T7)を算出する。そして(2)式より、G(T6)=(35*(-0.410)+25*(-0.673))/60-(-0.637)=0.12、G(T7)= (30*(-0.637)+30*(-0.637))/60-(-0.637)=0.00となる。
次に、細分化領域決定部56は、細分化されていない分割領域Su(ただし、u≠s)について、(1)式を用いて分割領域確信度L(Su)を算出する。そして細分化領域決定部56は、得られた分割領域確信度L(Su)に基づいて、細分化されていない分割領域Suにを細分化したと仮定したときの適切さの度合いを表す見込み分割評価値E(Su)を計算する。なお、見込み分割評価値E(Su)は、例えば下記の式により求められる。
Figure 0005177667
ここでαは係数であり、例えば、0.05に設定される。なお、細分化領域決定部56は、係数αを細分化された分割領域を再評価した回数が増えるにつれて減少させてもよい。あるいは、細分化領域決定部56は、係数αを季節の変わり目に相当する時期(例えば、6月、9月など)には高い値(例えば、0.05)に設定し、それ以外の時期には低い値(例えば、0.02)に設定してもよい。この場合、細分化領域決定部56は、情報取得部3に含まれる、車載時計あるいはナビゲーション装置などから日付情報を取得して、その日付情報に基づいて季節の変わり目に相当する時期か否かを判定することができる。
(3)式に基づいて求められる見込み分割評価値E(Su)は、分割領域確信度L(Si)とは逆に、様々な設定値についての操作回数が均等になるほど大きな値となり、一方、特定の設定値についての操作回数のみが多く、それ以外の設定値についての操作回数が少なければ、0に近い値となる。したがって、見込み分割評価値E(Su)が大きいほど、その分割領域Suに含まれる値を持つ状態情報が得られた時に、推薦操作決定部53が乗員にとって適切な推薦操作を決定することが困難となることが分かる。すなわち、見込み分割評価値E(Su)が大きいほど、その分割領域Suを細分化することが適切である可能性が高い。
なお、見込み分割評価値E(Su)を求める関数f(L(Su))は、上記の式に限られない。関数f(L(Su))は、L(Su)が0のときに最小値(例えば、0)を出力し、L(Su)の絶対値に対する単調増加関数であればよい。例えば、関数f(L(Su))は、L(Su)の絶対値を入力として、その絶対値が増加するにつれて階段状に出力値が大きくなるステップ関数であってもよい。そのような階段状の関数を用いることにより、細分化領域決定部56は、見込み分割評価値E(Su)を求めるための計算量を少なくできる。さらに、細分化する分割領域を比較的容易に変更したい場合には、関数f(L(Su))は、(3)式のような上に凸な単調増加関数であることが好ましい。この場合において、関数f(L(Su))を、上記の(3)式の右辺に、見込み分割評価値E(Su)の時間による微分値dE(Su)/dtを加えたものとしてもよい。
細分化領域決定部56は、サブ分割領域が設定されていない分割領域のそれぞれについて見込み分割評価値E(Su)を求めると、その見込み分割評価値E(Su)の最大値Emax(Su)を、サブ分割領域が設定されている分割領域の分割評価値G(Ss)の最小値Gmin(Ss)と比較する。そして、見込み分割評価値の最大値Emax(Su)が分割評価値の最小値Gmin(Ss)よりも高い場合、細分化領域決定部56は、その見込み分割評価値の最大値Emax(Su)に対応する分割領域を、新たに細分化する分割領域に設定する。一方、細分化領域決定部56は、分割評価値の最小値Gmin(Ss)に対応する分割領域の細分化を止め、元の一つの分割領域に戻す。なお、元の一つの分割領域に戻す際、細分化領域決定部56はそれまでに対応する各サブ分割領域に蓄積された操作回数を、各操作値ごとに合計する。
例えば、図5に示したCTT500の場合、サブ分割領域が設定されていない分割領域についての見込み分割評価値E(Tu)(u=1,2,..,5,8)は、それぞれ、0.00,0.00,0.04,0.00,0.00,0.00となる。そのため、分割領域T3に対する見込み分割評価値E(T3)は、サブ分割領域が設定されている分割領域T7の分割評価値G(T7)よりも大きい。そこで、細分化領域決定部56は、分割領域T3を新たに細分化する分割領域とし、一方、分割領域T7の細分化を止めて、元の一つの分割領域に戻す。そして分割領域T7における風量B3、B4に対する操作回数を、それぞれ40、20とする。
なお、細分化領域決定部56は、分割評価値G(Ss)を、上記の(2)式の代わりに、下記の式を用いて算出してもよい。
Figure 0005177667
ただし、関数min(x,y)は、変数x、yのうちの最小値を出力する関数であり、関数maxj(P(Oj|Si))は、確率P(Oj|Si)(j=1,2,...,m、ただしmは2以上の自然数)のうちの最大値を出力する関数である。また、P(Oj|Si)は、サブ分割領域Si(Si=Ss1またはSs2)の所定の設定項目について設定値Ojに設定される確率を表す。
細分化領域決定部56は、細分化する分割領域の設定または再設定を実行すると、その細分化される分割領域を示す情報を記憶部51に記憶する。
以下、図6に示したフローチャートを参照しつつ、本発明の一つの実施形態に係る空調装置1の動作手順について説明する。なお、この動作手順は、制御部5により実行される。なお、各ステップで行われる処理の詳細については、制御部5の各部に関連して既に説明したので、以下では省略する。
先ず、情報取得部3により、一つ以上の状態情報が取得され、制御部5に渡される(ステップS101)。次に、制御部5は、乗員により操作パネル4を介して空調装置1が直接操作されたか否かを判定する(ステップS102)。乗員による直接操作が行われていない場合、制御部5の推薦操作決定部53は、利用可能な確率モデルに対して、関連する最新の状態情報を入力し、推薦操作を決定するとともに、その推薦操作に対する推薦度を算出する(ステップS103)。そして推薦操作決定部53は、得られた推薦操作及び推薦度に従って設定パラメータを修正する。次に、制御部5の空調制御部54は、推薦操作決定部53により修正された設定パラメータに従って空調部2を制御する(ステップS104)。具体的には、空調制御部54は、所望の空調温度、風量などが得られるように、空調部2のエアミックスドア、ブロアファンの回転数、各吹き出し口のドアの開度などを調節する。その後、制御部5は制御をステップS106へ移行する。
一方、ステップS102において、乗員による直接操作が行われている場合、制御部5の学習部55は、その直接操作に関連する確率モデルのCTTを更新する(ステップS105)。具体的には、学習部55は、そのCTTについて、直接操作により修正された設定項目の値とその直接操作時に取得された状態情報の値とに対応する欄に記録された操作回数を1インクリメントする(ステップS105)。すなわち、学習部55は、直接操作時に取得された状態情報の値に対して、その直接操作により修正された設定項目の設定値が最適な設定となる確率が高くなるようにCTTを修正する。
ステップS104またはS105の後、制御部5は、各確率モデルについて、CTTの分割領域の細分化設定または細分化の再設定を行う分割領域評価条件を満たすか否か判定する(ステップS106)。分割領域評価条件は、例えば、前回の分割領域の細分化設定または細分化の再設定を実施してから所定期間を経過したこととすることができる。この場合、その所定期間は、例えば、1日間、1週間、あるいは1ヶ月間とすることができる。あるいは、分割領域評価条件は、前回の分割領域の細分化設定または細分化の再設定を実施した後に、乗員が空調装置1を操作した操作回数が、所定回数に達したこととすることができる。この場合、その所定回数は、例えば50回、100回、あるいは500回とすることができる。
ステップS106において、分割領域評価条件が満たされない場合、制御部5は処理を終了する。一方、何れかの確率モデルに対して分割領域評価条件が満たされる場合、制御部5は、分割領域評価条件が始めて満たされたか否か判定する(ステップS107)。
分割領域評価条件が始めて満たされた場合、制御部5の細分化領域決定部56は、分割幅設定の対象となる確率モデルのCTTの各分割領域について、上記の(1)式を用いて分割領域確信度L(Si)を計算する(ステップS108)。そして細分化領域決定部56は、分割領域確信度L(Si)が最も小さい方から所定数の分割領域を細分化し、その分割領域に対応する入力パラメータの値の範囲を半分にした二つのサブ分割領域を設定する(ステップS109)。その後、制御部5は処理を終了する。
一方、分割領域評価条件が満たされたのが2回目以降である場合、細分化領域決定部56は、分割幅再設定の対象となる確率モデルのCTTについて、細分化された各分割領域Ssについて分割評価値G(Ss)を計算する(ステップS110)。そして細分化領域決定部56は、細分化されていない各分割領域Su(ただし、u≠s)の見込み分割評価値E(Su)を計算する(ステップS111)。各分割領域について、分割評価値G(Ss)または見込み分割評価値E(Su)が求められると、細分化領域決定部56は、見込み分割評価値E(Su)のうちの最大値Emax(Su)が、各分割評価値G(Ss)のうちの最小値Gmin(Ss)よりも大きいか否か判定する(ステップS112)。そして見込み分割評価値の最大値Emax(Su)が分割評価値の最小値Gmin(Ss)よりも大きい場合、細分化領域決定部56は、その見込み分割評価値の最大値Emax(Su)に対応する分割領域を新たに細分化する分割領域とし、一方、分割評価値の最小値Gmin(Ss)に対応する細分化された分割領域の細分化を止めて、元の一つの分割領域に戻す(ステップS113)。
ステップS112において、見込み分割評価値の最大値Emax(Su)が分割評価値の最小値Gmin(Ss)以下の場合、あるいはステップS113の後、制御部5は処理を終了する。
以後、制御部5は、稼動停止となるまで、一定の時間間隔(例えば、4秒間隔、1分間隔など)で上記の手順を繰り返し実行する。
なお、ステップS112において、細分化領域決定部56は、見込み分割評価値の最大値Emax(Su)と分割評価値の最小値Gmin(Ss)を比較する代わりに、その最大値Emax(Su)と所定の第1の閾値と比較し、かつ、その最小値Gmin(Ss)を所定の第2の閾値と比較してもよい。そして細分化領域決定部56は、最大値Emax(Su)が第1の閾値未満であり、かつ、最小値Gmin(Ss)が第2の閾値よりも大きいとき、ステップS113の処理を実行し、それ以外の場合、制御部5は処理を終了するようにしてもよい。この場合、第1の閾値及び第2の閾値は、実験またはシミュレーションの結果などに応じて適切な値を定めればよい。ただし、第1の閾値を第2の閾値よりも大きくするほど、細分化する分割領域を変更し易くすることができる。逆に、第1の閾値を第2の閾値よりも小さくするほど、細分化する分割領域を変更し難くすることができる。
以上説明してきたように、本発明の一つの形態に係る車両用空調装置は、空調装置の所定の項目をある設定値にする推薦度を表す確率を出力する確率モデルに関連付けられた、CTTの入力パラメータである状態情報が取り得る値の範囲を分割した複数の分割領域の何れかを細分化することができる。そのため、係る空調装置は、乗員がその状態情報の変化に敏感なところについて細かく推薦操作を変えることができる。特に、係る空調装置は、各分割領域を細分化することの適切さを定期的に評価し、必要に応じて細分化する分割領域を変更するので、分割領域の数を一定以下に保ちつつ、環境条件の変動に応じて細分化する分割領域を変更することができる。さらに係る空調装置は、各分割領域を細分化することの適切さを、各設定値に対する操作回数の頻度から求められる確率の平均対数尤度を用いて評価することにより、乗員の好みに応じて細分化する分割領域を適切に設定することができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、推薦操作決定部53は、確率モデルを用いて最適な設定を決定する代わりに、引用文献1に記載されたような、状態情報の値と最適な設定との対応関係を表したマップを用いて、最適な設定を決定してもよい。この場合、そのマップは、上記のCTTと同様の構成を有する。すなわち、マップは、状態情報の取り得る値の範囲を複数に分割した分割領域と、各分割領域に対して所定の設定項目の設定値との関係を表す対応表となり、その対応表の各欄には、所定の状態情報の値に対して所定の設定値とする操作が行われた操作回数が記録される。そして推薦操作決定部53は、推薦操作を決定する際、情報取得部3により得られた状態情報の値が、そのマップの何れの分割領域に含まれるかを判定する。推薦操作決定部53は、取得された状態情報の値が含まれると判定された分割領域から、操作回数が最大となる設定値を特定し、その設定値にする操作を推薦操作とする。そして空調制御部54は、その推薦操作を実行するように空調部2を制御する。また学習部55は、上記の実施形態と同様に、乗員が操作パネル4を介して空調装置1を直接操作すると、その操作において修正された設定項目の設定値が最適な値として推薦される可能性が高くなるように、マップの対応する欄に記録された操作回数を1インクリメントする。そして細分化領域決定部56は、上記のCTTの各分割領域の幅を決定する代わりに、マップにおける状態情報の取り得る値の範囲を分割した分割領域の何れかを、上記と同様の手順により細分化する。
さらに、上記の実施形態では、推薦操作決定部53は、確率モデルにより推薦された操作に基づいて修正するパラメータを、設定温度及び風量など、操作パネル4を通じて乗員が直接設定できる設定パラメータとした。しかし、推薦操作決定部53は、温調制御式を用いて算出される空調温度Tao若しくは風量制御式を用いて算出されるブロアファンの回転数、エアミックスドアの開度など、空調部2の各部の動作に直接関連する制御パラメータを修正してもよい。
また、細分化領域決定部56は、細分化された分割領域を再設定するか否かを判定する際、上記の実施形態にて説明した手順の代わりに、以下の手順によりその判定を行ってもよい。
この代替手順では、前回の分割領域の細分化設定または細分化の再設定が行われた後に、乗員が空調装置1を操作したとき、その操作によって変更された設定項目の値とその操作時に取得された状態情報の値とが関連付けられ、学習データとして記憶部51に一時的に記憶される。そして細分化領域決定部56は、分割領域評価条件が満たされたとき、記憶部51に記憶されている学習データを用いて、細分化されている分割領域の分割評価値G(Ss)を計算する。さらに細分化領域決定部56は、その学習データを用いて、細分化されていない分割領域についても分割評価値G(Su)(ただし、u≠s)を求め、見込み分割評価値とする。このとき、学習データには操作時の設定項目の値と状態情報の値とが含まれているので、何れかの分割領域に対して仮にサブ分割領域を設定した場合、それら学習データが何れのサブ領域に含まれるかを知ることができる。そのため、細分化領域決定部56は、上記の(2)式を用いて細分化されていない分割領域についても分割評価値G(Su)を計算することができる。
細分化領域決定部56は、細分化されていない分割領域に対する分割評価値G(Su)のうち、最大値Gmax(Su)を、細分化されている各分割領域の分割評価値G(Ss)のうちの最小値Gmin(Ss)と比較する。そして細分化領域決定部56は、細分化されていない分割領域に対する分割評価値の最大値Gmax(Su)が、細分化されている各分割領域の分割評価値の最小値Gmin(Ss)よりも大きいとき、最大値Gmax(Su)に対応する分割領域を新たに細分化し、一方、最小値Gmin(Ss)に対応する細分化された分割領域の細分化を止めて、元の一つの分割領域に戻す。
この代替手順では、記憶部51は、学習データの量に対応する記憶容量を余分に持つ必要があるものの、細分化領域決定部56は、細分化の再設定の際に、各分割領域について正確な分割評価値を計算できるので、細分化すべき分割領域をより適切に設定できる。
なお、細分化領域決定部56は、分割評価値G(Ss)、G(Su)が、細分化する分割領域を再設定するか否かの判定の度に、極端に変動することを避けるため、その再設定の判定の度に求めたそれら分割評価値を記憶部51に記憶しておき、次回の再設定の判定の際には、それら分割評価値を時間平均してもよい。具体的には、細分化領域決定部56は、t回目における再設定の判定の際における分割領域Siの分割評価値Gt(Si)を下記の式により求める。
Gt(Si) = (1-β)Gt-1(Si) + βGt0(Si)
ここでGt-1(Si)は、(t-1)回目における再設定の判定の際における分割領域Siの分割評価値であり、Gt0(Si)は、(t-1)回目の再設定の判定からt回目の再設定の判定の間に取得された学習データのみを用いて計算した分割領域Siの分割評価値である。さらにβは係数であり、0 < β ≦ 1を満たす範囲で適宜設定される。ただしβ=1であれば、平均化が行われないことを意味する。
また初期設定において、確率モデルに関連付けられたCTTの何れかの分割領域を予め細分化しておいてもよい。この場合、図6に示したフローチャートのうち、ステップS107〜S109の処理は省略される。
さらに、細分化領域決定部56は、細分化の再設定が所定回数行われても、細分化された状態が維持されている分割領域に関して、以後細分化の見直しを行わず、細分化された状態で固定するようにしてもよい。この場合には、図6に示したフローチャートのステップS113の処理が省略される。これにより、一時的な要因(例えば、一定期間中、車を他人に貸与したなど)によって空調装置1に対して直接行われた操作の傾向が変化したとしても、空調装置1は、その一時的な要因のために細分化される分割領域が替わり、推薦操作を適切に選択できなくなることを防止できる。なお、所定回数は、実験結果などに基づいて適宜設定されるが、例えば、10回とすることができる。
ただし、このように細分化される分割領域が固定された後において、細分化の再設定の判定の度に連続して複数回、図6に示したフローチャートのステップS110〜S112の処理により、その細分化された状態で固定された分割領域を元の一つの分割領域に戻すべきとの判定結果が得られる場合、細分化領域決定部56は、その固定を解除してもよい。これにより、例えば、車両の所有者が代わったときでも、細分化領域決定部56は、新しい所有者にとって適切な推薦操作を選択できるように、細分化する分割領域を決定できる。
さらに、細分化領域決定部56は、細分化の再設定の判定の際、細分化された分割領域に設定されたサブ分割領域の何れかをさらに細分化してもよい。これにより、細分化領域決定部56は、乗員が状態情報の値の変動に敏感な値域においてより細かく空調装置1に対する推薦操作を変えられるので、空調装置1は、乗員に対してより適切な推薦操作を提案できる。
この場合には、細分化領域決定部56は、図6に示したフローチャートのステップS111において、各サブ分割領域についても(3)式を用いて見込み分割評価値を計算する。そして、ステップS113において、各サブ分割領域の見込み分割評価値も、分割評価値との比較対象とする。この結果、何れかのサブ分割領域の見込み分割評価値が、他のサブ領域が設定された分割領域の分割評価値よりも高くなった場合、細分化領域決定部56は、そのサブ分割領域をさらに細分化すればよい。
さらに、学習部55は、新しく行われた操作結果ほど確率モデルに反映し易くするために、確率モデルのCTTの各欄における、過去に蓄積されたデータの比率を軽減させてもよい。そこで、学習部55は、CTTの各欄に記録された操作回数n(Oj,Si)を1インクリメントする際、それまでに記録された操作回数n(Oj,Si)に忘却係数γを乗じた後に、1を加算してもよい。なお忘却係数γは、0<γ≦1を満たす。そして忘却係数γを小さな値にするほど、CTTの各欄に占める過去に蓄積されたデータの比率が軽減され、新たに行われた操作結果が確率モデルに反映され易くなる。ただし忘却係数γを1に設定した場合は、上記の実施形態と同じとなる。
上記のように、当業者は、本発明の範囲内で様々な修正を行うことが可能である。
本発明の実施形態に係る空調装置の概略構成図である。 図1に示した空調装置の制御部の機能ブロック図である。 本実施形態において使用される確率モデルの一例を示す図である。 (a)は、図3に示した確率モデルの出力ノードに関連付けられた、ある時点におけるクロス集計表を示し、(b)は、(a)のクロス集計表の各分割領域に対して算出した分割領域確信度の一覧表を示す。 図3に示した確率モデルの出力ノードに関連付けられたクロス集計表において、細分化される分割領域が設定されたものを示す。 本発明の実施形態に係る空調装置の全体動作の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 空調装置
2 空調部
3 情報取得部
4 操作パネル
5 制御部
51 記憶部
52 通信部
53 推薦操作決定部
54 空調制御部
55 学習部
56 細分化領域決定部

Claims (6)

  1. 車両用空調装置であって、
    空調空気を車両内に供給する空調部(2)と、
    状態情報取得部(3)により取得される前記車両に関する少なくとも一つの状態情報の取り得る値の範囲を複数の分割領域に分割し、各分割領域ごとに車両用空調装置の所定の設定項目に関する最適な設定値を表す対応表を記憶する記憶部(51)と、
    前記少なくとも一つの状態情報と前記対応表を参照することにより、最適な設定を決定する推薦操作決定部(53)と、
    前記最適な設定となるように前記空調部(2)を制御する空調制御部(54)と、
    前記空調装置の空調設定を行うための操作部(4)と、
    前記操作部(4)を介して前記空調装置の設定が変更されたとき、該設定変更時において前記状態情報取得部(3)により取得された前記少なくとも一つの状態情報の値が含まれる前記分割領域に対して、該設定変更により修正された設定項目の設定値が最適な設定となる確率が高くなるように、前記対応表を修正する学習部(55)と、
    前記複数の分割領域のうち、既に細分化されている前記分割領域について細分化したことの適切さを表す分割評価値と、細分化されていない前記分割領域について細分化したときの適切さを表す見込み分割評価値とを求め、前記分割評価値が前記見込み分割評価値よりも小さい場合、当該細分化されている分割領域の前記少なくとも二つのサブ分割領域を一つに統合し、当該細分化されていない分割領域に対応する前記少なくとも一つの状態情報の値の範囲を少なくとも二つのサブ分割領域に細分化する細分化領域決定部(56)と、
    を有することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記対応表は、前記分割領域または前記サブ分割領域のそれぞれについて、前記少なくとも一つの状態情報の値が当該分割領域またはサブ分割領域に含まれるときに、乗員が前記操作部(4)を介して前記所定の設定項目の設定値にする操作を行った操作回数を、前記所定の設定項目の設定値ごとに記録したものであり、
    前記分割評価値及び前記見込み分割評価値は、着目する前記分割領域について、各設定値に対応する操作回数を当該着目する分割領域に記録された操作回数の総数で除することにより得られる確率の平均対数尤度を用いて表される、請求項に記載の車両用空調装置。
  3. 前記分割評価値は、前記既に細分化されている分割領域について設定されている前記サブ分割領域のそれぞれについて求めた前記平均対数尤度を、各サブ分割領域に記録された操作回数の総数で加重平均した値と、前記既に細分化されている分割領域全体について求めた前記平均対数尤度との差である、請求項に記載の車両用空調装置。
  4. 前記見込み分割評価値は、前記細分化されていない分割領域について求めた前記平均対数尤度の絶対値を入力とする単調増加関数の出力値である、請求項2または3に記載の車両用空調装置。
  5. 前記推薦操作決定部(53)は、前記少なくとも一つの状態情報を入力パラメータとして、前記所定の設定項目に関する各設定値とする操作の推薦確率を出力する確率モデルを使用して得られた該推薦確率の最大値に対応する設定値を前記最適な設定値とし、前記対応表は前記確率モデルのクロス集計表である、請求項1〜4の何れか一項に記載の車両用空調装置。
  6. 車両用空調装置装置の制御方法であって、
    前記車両用空調装置は、
    空調空気を車両内に供給する空調部(2)と、
    状態情報取得部(3)により取得される前記車両に関する少なくとも一つの状態情報の取り得る値の範囲を複数の分割領域に分割し、各分割領域ごとに車両用空調装置の所定の設定項目に関する最適な設定値を表す対応表と、前記複数の分割領域のうち、対応する前記少なくとも一つの状態情報の値の範囲を少なくとも二つのサブ分割領域に細分化された分割領域を示す情報を記憶する記憶部(51)と、
    前記少なくとも一つの状態情報と前記対応表を参照することにより、最適な設定を決定する推薦操作決定部(53)と、
    前記最適な設定となるように前記空調部(2)を制御する空調制御部(54)と、
    前記空調装置の空調設定を行うための操作部(4)と、
    前記操作部(4)を介して前記空調装置の設定が変更されたとき、該設定変更時において前記状態情報取得部(3)により取得された前記少なくとも一つの状態情報の値が含まれる前記分割領域または前記サブ分割領域に対して、該設定変更により修正された設定項目の設定値が最適な設定となる確率が高くなるように、前記対応表を修正する学習部(55)とを有し、前記制御方法は、
    既に細分化されている前記分割領域について細分化したことの適切さを表す分割評価値を求めるステップと、
    細分化されていない前記分割領域について細分化したときの適切さを表す見込み分割評価値を求めるステップと、
    前記分割評価値が、前記見込み分割評価値よりも小さい場合、当該細分化されている分割領域の前記少なくとも二つのサブ分割領域を一つに統合し、当該細分化されていない分割領域に対応する前記少なくとも一つの状態情報の値の範囲を少なくとも二つのサブ分割領域に細分化するステップと、
    を有することを特徴とする制御方法。
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