JP5175786B2 - 集水装置、集水装置で使用される有孔ブロック、および、集水装置の施工方法 - Google Patents
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Description
図9に示したように、有孔ブロック20を並列に配設する際には、対向する側壁21bの間にモルタル等の充填材30を充填している。当該充填材30が固化することで、並置した有孔ブロック20どうしを固定する。
逆洗処理は、逆洗用媒体である液体(水)あるいは空気を濾過手段の下方から上方に向けて供給する。具体的には、図9,10に示したように、逆洗用媒体は、有孔ブロック20及び充填材30の下方に設けたフリューム(水路)70等から底壁開口部c1を経て有孔ブロック20の内部空間(中央流通部A・側方流通部B)を通過し、上壁孔部a1を経由して濾過手段10に供給される。
ロック20に上向荷重が作用した場合であっても、前記リブ26によって充填材30に対する有孔ブロック20の相対位置を固定することができるため、有孔ブロック20及び充填材30が垂直方向に互いに位置ズレするのを防止できる。
応力が作用し、当該下向荷重を受けると、有孔ブロックが下方向に相対移動しようとする応力が作用する。
本構成によれば、有孔ブロックに下向荷重が作用した場合であっても、側方リブによってこれら荷重を固化した充填材に伝達するため、当該充填材に対する有孔ブロックの相対位置を固定することができる。そのため、有孔ブロック及び充填材が垂直方向に互いに位置ズレするのを防止できる。
また、上記構成において、前記充填材の中の補強部材が、前記下方補強部材と前記上方補強部材とを含んで環状に形成された部分を有し、前記有孔ブロックの側壁に垂直な方向の側面視において、前記側方リブが前記補強部材の環状に形成された部分の内側に位置すると好適である。
さらに、本構成では、有孔ブロックの高さ方向における中間位置より下方に下方補強部材を配設した状態で充填材を充填するため、有孔ブロックに上向荷重あるいは下向荷重が作用した場合であっても、固化した充填材の下側領域に引張応力が発生し難くなり、固化した充填材における下側領域が破壊されるのを未然に防止できる集水装置を形成することができる。
本発明の集水装置Xは、図1に示すように、上水・用水・工業用水・生活廃水・工業廃水等などの被処理水に含まれる懸濁物(被除去物)を除去する水処理設備Yにおいて、懸濁物が除去された処理水を集水するために用いられる。
除去する除去手段10を支持し、処理層11を通過して被除去物が除去された処理水を中空の内部空間に集水する有孔ブロック20と、複数の有孔ブロック20を並置する際に、各有孔ブロック20の間に充填する充填材30と、を備え、充填材30の中には、有孔ブロック20の高さ方向における中間位置より上方に上方補強部材41、および、当該中間位置より下方に下方補強部材42を配設してある。
本実施形態の除去手段10は、濾過処理によって被処理水中に含まれる被除去物を除去する場合について説明する。従って、処理層11は濾過層となる。しかし、このような態様に限られるものではなく、生物処理によって被処理水中に含まれる被除去物を除去することも可能である。この場合、処理層11は生物処理層となり、例えば粒状媒体12の表面に被除去物を生物的に分解する微生物を担持させておく。
被処理水を除去手段10の上方に設けた排水トラフ50より処理層11に給水して処理層11を通過させることで、被処理水中に含まれる被除去物が処理層11によって除去される。なお、排水トラフ50経由ではなく直接被処理水が供給される場合も有る。
有孔ブロック20は除去手段10の下方に配置して除去手段10を支持する。本実施形態では、除去手段10と有孔ブロック20との間には、多孔プレート60を配設してある。
有孔ブロック20は、中空で断面が略矩形となる外壁21(上壁21a・側壁21b・底壁21c)、および、当該外壁21の内側に接続して有孔ブロック20の内部空間を複数の空間に分割する傾斜内壁22が設けてある。
有孔ブロック20は、耐食性・耐圧性に優れた材質であれば、何れの材料で形成してもよいが、例えば、高密度ポリエチレンの発泡成形で成形すれば軽量化することができるため、運搬や施工面で作業性がよい。
部23aに平行な上壁第二リブ部23b、および、上壁第一リブ部23aと垂直に交差する上壁第三リブ部23cが設けてある。本実施形態では、二本の上壁第一リブ部23a、一本の上壁第二リブ部23b、十本の上壁第三リブ部23cをそれぞれ形成した場合を示すが、これに限られるものではない。
これらリブ部23a〜23cによって、上壁21aの上面を複数の区画に分割してある。これらリブ部23a〜23cを設けることで上壁21aの耐圧性を強化することができ、除去手段10の荷重による上壁21aの撓みを防止できる。
多孔プレート60は、前記リブ部23a〜23cの上面に載置する。多孔プレート60は、ボルトによって前記リブ部23a〜23c或いは上壁21aに固定する。多孔プレート60は、例えば、直径数mmのペレットを多数接合して構成するとよい。当該ペレットとしては、ポリオレフィン等のプラスチックの他、セラミック、焼結金属等が使用可能である。
側方リブ24は、水平側方リブ24Aおよび垂直側方リブ24Bの少なくとも何れか一方を形成するとよい。
充填材30は、複数の有孔ブロック20を並置する際に、各有孔ブロック20の間に充填する。
充填材30は、モルタル・コンクリート等、間隙等に流動状態で投入した後、経時的に固化する態様のものであれば、公知の充填材を使用することができる。固化した充填材30は、並置した有孔ブロック20の間隙を埋めると共に、各有孔ブロック20どうしを強固に接着して固定することで、有孔ブロック20の上方に載置した除去手段10を安定して支持することができる。
有孔ブロック20および充填材30の下方にフリューム70が形成してある場合、充填材30がフリューム70に落下するのを防止するため、有孔ブロック20どうしの間には、それぞれの側壁21bの下方にフリューム70を受けるブリッジング(図外)を配設する。
本発明の集水装置Xは、充填材30の中には、有孔ブロック20の高さ方向における中間位置より上方に上方補強部材41、および、中間位置より下方に下方補強部材42を配設してある。
補強部材40である上方補強部材41および下方補強部材42は、例えば鉄筋・木材等を使用することができるが、これらに限られるものではない。固化した充填材30がその長さに亘って破壊しないようにするため、例えば水平に長尺状に配置できる態様のものであれば使用できる。
本実施形態では、下方補強部材42が分岐する位置43は、平面視でフリューム70の端部付近としてあり、下方補強部材42を設ける位置を、フリューム70が形成してある位置に対応させてある。フリューム70が存在する位置では充填材30を下方で受ける部材が存在しないため、当該位置では充填材30における下側領域に引張応力が作用した場合に固化した充填材30が破壊される虞がある。下方補強部材42を設ける位置を、フリューム70が形成してある位置に対応させれば、充填材30が前記下向荷重を受けたときに発生引張応力が発生し難くなるため、当該位置における充填材30の破壊を効率よく防止することができる。
本発明の集水装置Xは、図8に示したように、有孔ブロック接続工程P1と、有孔ブロック設置工程P2と、補強部材配設工程P3と、充填工程P4と、を有する。
有孔ブロック設置工程P2は、上述した接続工程P1により一列に接続された有孔ブロックの列を設置する。
補強部材配設工程P3は、有孔ブロック設置工程P2により設置された有孔ブロックの列に隣接して、有孔ブロック20の高さ方向における中間位置より上方に上方補強部材4
1、および、中間位置より下方に下方補強部材42を配設する。
本実施形態では、上述の有孔ブロック設置工程P2と補強部材配設工程P3とが交互に繰り返されて、並列に配設した各有孔ブロック20の間に、上方補強部材41、および、下方補強部材42を配設した状態となる。
充填工程P4は、並列に配設した各有孔ブロック20の間に充填材30を充填する。
さらに、本施工方法では、有孔ブロック20の高さ方向における中間位置より上方に上方補強部材41、および、中間位置より下方に下方補強部材42を配設した状態で充填材30を充填するため、有孔ブロック20に上向荷重あるいは下向荷重が作用した場合であっても、固化した充填材30の上側領域あるいは下側領域に引張応力が発生し難くなり、固化した充填材30における上側領域あるいは下側領域が破壊されるのを未然に防止できる集水装置Xを形成することができる。
水処理設備Yで被処理水を濾過するに従い、経時的に処理層11が被除去物によって目詰まりする。当該目詰まりが発生すれば処理層の濾過性能は低下する。そのため、定期的に逆洗処理を行って処理層に詰まった被除去物を除去している。当該逆洗処理を行うことで、処理層の濾過性能を復活させることができる。
尚、本実施形態では、集水処理時には処理水を配管によって所定の貯水槽に搬送しているが、逆洗処理時には、処理水を所定の貯水槽に搬送する方向とは逆方向に逆洗用媒体を当該配管によって流通させる。
上述した実施形態では、側方リブ24は、上端面24aおよび下端面24bは、略水平な面となるように構成する場合について説明したが、側方リブ24には、側壁21bに略平行に対面する対向面25aを形成した鉤部25を設けてもよい(図6)。
鉤部25は、上端面24aおよび下端面24bの何れの面に形成してもよい。
ト60を設ける例を示したが、多孔プレート60に替えて、支持砂利層11aを設けてもよい。
10 除去手段
11 処理層
12 粒状媒体
20 有孔ブロック
21a 上壁
21b 側壁
21c 底壁
24 側方リブ
24A 水平側方リブ
24B 垂直側方リブ
25 鉤部
25a 対向面
30 充填材
41 上方補強部材
42 下方補強部材
P1 有孔ブロック設置工程
P2 補強部材配設工程
P3 充填工程
P4 積層工程
Claims (6)
- 粒状媒体を充填した処理層の上方より下向流で被処理水を通水して前記被処理水中に含まれる被除去物を前記処理層によって除去する除去手段を支持し、前記処理層を通過して被除去物が除去された処理水を中空の内部空間に集水する有孔ブロックと、
複数の前記有孔ブロックを並置する際に、各有孔ブロックの間に充填する充填材と、を備え、
前記有孔ブロックの側壁に、前記有孔ブロックに対する上方からの荷重を前記充填材に伝達する側方リブを形成してあり、
前記充填材の中には、前記有孔ブロックの高さ方向における中間位置以下に下方補強部材を配設してあるとともに、前記下方補強部材よりも上側に上方補強部材を配設してあり、
前記側方リブが、前記下方補強部材と前記上方補強部材との間の高さ位置に配置されている集水装置。 - 前記側方リブの上端面及び下端面が、前記下方補強部材と前記上方補強部材との間の高さ位置に配置されている請求項1に記載の集水装置。
- 前記充填材の中の補強部材が、前記下方補強部材と前記上方補強部材とを含んで環状に形成された部分を有し、前記有孔ブロックの側壁に垂直な方向の側面視において、前記側方リブが前記補強部材の環状に形成された部分の内側に位置する請求項1又は2に記載の集水装置。
- 前記側方リブに、前記側壁に略平行に対面して延在する対向面部を設けてある請求項1〜3のいずれか一項に記載の集水装置。
- 前記側方リブの下端面が前記側壁に対して垂直又は鋭角で交わるように構成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の集水装置。
- 中空の内部空間に被処理水を処理した処理水を集水し、上方からの荷重を隣接する充填材に伝達する側方リブを側壁に備えた有孔ブロックの複数を平面状に設置する有孔ブロック設置工程と、
並列に配設した各有孔ブロックの間に、前記有孔ブロックの高さ方向における中間位置以下に下方補強部材を配設するとともに、前記下方補強部材よりも上側に上方補強部材を配設する補強部材配設工程と、
並列に配設した各有孔ブロックの間に前記充填材を充填する充填工程と、を有し、
前記側方リブが前記下方補強部材と前記上方補強部材との間の高さ位置に配置されるように前記有孔ブロックを設置する集水装置の施工方法。
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