本発明にかかる実施形態の一例について説明する。
説明は、下記の手順で行う。
1.実施形態1
2.実施形態2(FFS方式の場合)
3.実施形態3(浮き柱がある場合)
4.その他
<1.実施形態1>
(液晶表示装置の構成)
図1は、本発明の実施形態1にかかる液晶表示装置100の構成を示す断面図である。
本実施形態の液晶表示装置100は、図1に示すように、液晶パネル200と、バックライト300と、データ処理部400とを有する。各部について順次説明する。
液晶パネル200は、たとえば、アクティブマトリクス方式であり、図1に示すように、TFTアレイ基板201と対向基板202と液晶層203とを有する。液晶パネル200においては、TFTアレイ基板201と対向基板202とが、互いにスペースを隔てて対向している。そして、そのTFTアレイ基板201と対向基板202との間に挟まれるように、液晶層203が設けられている。
液晶パネル200は、図1に示すように、液晶パネル200を構成するTFTアレイ基板201において、対向基板202に対向する面に対して反対側の面には、第1の偏光板206が配置されている。そして、対向基板202において、TFTアレイ基板201に対向する面に対して反対側の面には、第2の偏光板207が配置されている。
そして、液晶パネル200においては、TFTアレイ基板201の側に、バックライト300が配置されており、TFTアレイ基板201において対向基板202に対面している面に対して反対側の面に、バックライト300から出射された照明光Rが照射される。
この液晶パネル200は、複数の画素(図示無し)が配置されている表示領域PAを含む。この表示領域PAにおいては、液晶パネル200の背面側に設置されたバックライト300が出射した照明光Rを、第1の偏光板206を介して背面から受け、その背面から受けた照明光Rを、その表示領域PAにおいて変調する。
ここでは、TFTアレイ基板201において画素に対応するように、複数のTFTが画素スイッチング素子(図示無し)として設けられており、その画素スイッチング素子が制御されることによって、背面から受けた照明光を変調する。そして、その変調された照明光Rが、第2の偏光板207を介して、正面側に出射し、表示領域PAにおいて画像が表示される。たとえば、液晶パネル200の正面の側においてカラー画像が表示される。つまり、液晶パネル200は、透過型である。
また、詳細については後述するが、本実施形態においては、この液晶パネル200は、抵抗膜式のタッチセンサ(図示なし)が形成されている。このタッチセンサは、液晶パネル200においてバックライト300が設置された背面に対して反対側となる正面に、ユーザーの指などの被検知体Fが接触した位置に応じて異なる電位の信号を出力するように構成されている。すなわち、液晶パネル200は、タッチパネルとして機能し、これにより、液晶表示装置100は、情報入力装置として機能する。
バックライト300は、図1に示すように、液晶パネル200の背面に対面しており、その液晶パネル200の表示領域PAに照明光Rを出射する。
具体的には、バックライト300は、液晶パネル200を構成するTFTアレイ基板201と対向基板202とにおいて、TFTアレイ基板201の側に位置するように配置されている。そして、TFTアレイ基板201において対向基板202に対面している面に対して反対側の面に、照明光Rを照射する。つまり、バックライト300は、TFTアレイ基板201の側から対向基板202の側へ向かうように照明光Rを照明する。ここでは、バックライト300は、液晶パネル200の面の法線方向zに沿うように照明光Rを出射する。
データ処理部400は、図1に示すように、制御部401と、位置検出部402とを有する。データ処理部400は、コンピュータを含み、プログラムによってコンピュータが各部として動作するように構成されている。
データ処理部400の制御部401は、液晶パネル200とバックライト300との動作を制御するように構成されている。制御部401は、液晶パネル200に制御信号を供給することによって、液晶パネル200に複数設けられた画素スイッチング素子(図示無し)の動作を制御する。たとえば、線順次駆動を実行させる。また、制御部401は、バックライト300に制御信号を供給することによって、バックライト300の動作を制御し、バックライト300から照明光Rを照射する。このように、制御部401は、液晶パネル200とバックライト300との動作を制御することによって、液晶パネル200の表示領域PAに画像を表示する。
このほかに、制御部401は、液晶パネル200に制御信号を供給することによって、液晶パネル200に設けられた抵抗膜式のタッチセンサの動作を制御し、データを収集する。
データ処理部400の位置検出部402は、液晶パネル200の正面側において、表示領域PAに接触した人体の指などの被検知体Fの位置を検出するように構成されている。本実施形態においては、位置検出部402は、液晶パネル200に設けられた抵抗膜式のタッチセンサによって得たデータに基づいて、位置の検出を実施する。
(液晶パネルの全体構成)
液晶パネル200の全体構成について説明する。
図2は、本発明の実施形態1にかかる液晶パネル200を示す平面図である。
図2に示すように、液晶パネル200は、表示領域PAと、周辺領域CAとを有する。
液晶パネル200において表示領域PAには、図2に示すように、複数の画素Pが面に沿って配置されている。具体的には、表示領域PAにおいては、複数の画素Pが水平方向xと垂直方向yとのそれぞれにマトリクス状に並ぶように配置されており、画像が表示される。詳細については後述するが、画素Pは、画素スイッチング素子(図示無し)を含む。そして、タッチセンサを構成する複数のタッチセンサスイッチ(図示無し)が、この複数の画素Pに対応するように、設けられている。
液晶パネル200において周辺領域CAは、図2に示すように、表示領域PAの周辺を囲うように位置している。この周辺領域CAにおいては、図2に示すように、垂直駆動回路11と、水平駆動回路12とが形成されている。たとえば、上記の画素スイッチング素子(図示無し)などと同様にして形成された半導体素子によって、この各回路が構成されている。
そして、画素Pに対応するように設けられた画素スイッチング素子を、垂直駆動回路11および水平駆動回路12が駆動し、表示領域PAにおいて画像表示を実行する。
また、これと共に、表示領域PAに設けられたタッチセンサ(図示なし)を、垂直駆動回路11および水平駆動回路12が駆動し、データの取得を実行する。そして、液晶パネル200の表示領域PAにユーザーの指などの被検知体が接触した位置を、そのタッチセンサによって取得したデータに基づいて、位置検出部402が検出する。
(液晶パネルの詳細構成)
液晶パネル200の詳細な構成について説明する。
図3から図5は、本発明の実施形態1にかかる液晶パネル200の要部を示す図である。
ここで、図3は、本発明の実施形態1にかかる液晶パネル200において、表示領域PAに設けられた画素Pの概略を模式的に示す断面図である。
また、図4は、本発明にかかる実施形態1において、液晶パネル200の表示領域PAに設けられた画素Pの概略を模式的に示す上面図である。なお、図3は、図4のX1−X2部分について示しているが、図示の都合上、適宜、部材の表示を簡略化等している。
そして、図5は、本発明の実施形態1にかかる液晶パネル200の概略を示す回路図である。図5では、互いに隣接する画素Pの部分を示している。
液晶パネル200は、図3に示すように、TFTアレイ基板201と対向基板202との間には、スペーサSPが介在しており、シール材(図示無し)で貼り合わされている。そして、そのTFTアレイ基板201と対向基板202との間には、液晶層203が封入されている。
本実施形態においては、図3に示すように、液晶パネル200は、タッチセンサスイッチSWsが内蔵されている。このタッチセンサスイッチSWsは、図3に示すように、タッチ電極62t,25によって構成されている。
液晶パネル200において、TFTアレイ基板201は、光を透過する絶縁体の基板であり、たとえば、ガラスにより形成されている。このTFTアレイ基板201においては、図3に示すように、対向基板202に対向する側の面に、画素電極62pと、タッチセンサスイッチSWsを構成する一方のタッチ電極62tとが形成されている。
液晶パネル200において、対向基板202は、TFTアレイ基板201と同様に、光を透過する絶縁体の基板であり、たとえば、ガラスにより形成されている。この対向基板202においては、図3に示すように、TFTアレイ基板201に対向する側の面に、カラーフィルタ層21と、共通電極23と、タッチ電極25とが形成されている。ここでは、カラーフィルタ層21は、図3に示すように、赤フィルタ層21Rと、緑フィルタ層21Gと、青フィルタ層21Bとを一組として構成されている。
液晶パネル200は、図3に示した部材のほかに、図4に示すように、ゲート線GLと信号線SLとを含む。また、図5に示すように、画素スイッチング素子31と保持容量素子Csとを含む。ゲート線GLと信号線SLと画素スイッチング素子31と保持容量素子Csとのそれぞれは、図3では図示を省略しているが、液晶パネル200を構成するTFTアレイ基板201に設けられている。
TFTアレイ基板201に設けられた各部について示す。
TFTアレイ基板201において、画素電極62pとタッチ電極62tとのそれぞれは、図3に示すように、TFTアレイ基板201にて対向基板202に対面する面上に、層間絶縁膜Szを介して設けられている。画素電極62pとタッチ電極62tのそれぞれは、いわゆる透明電極であって、たとえば、ITOを用いて形成されている。そして、画素電極62pとタッチ電極62tのそれぞれは、一体になるように形成されており、互いに電気的に接続している。
ここでは、画素電極62pとタッチ電極62tとは、図4に示すように、xy面において、ゲート線GLと信号線SLとによって区画される複数の領域のそれぞれに対応するように、矩形パターンで形成されている。
具体的には、画素電極62pは、図3に示すように、カラーフィルタ層21を構成する赤フィルタ層21Rと緑フィルタ層21Gと青フィルタ層21Bとのそれぞれに対応するように設けられている。つまり、画素Pを構成する3つのサブ画素のそれぞれに対応するように、画素電極62pが形成されている。ここでは、画素電極62pのそれぞれは、図3に示すように、液晶層203を介して、共通電極23に対面している。また、図5に示すように、画素電極62pのそれぞれは、画素スイッチング素子31の一方の端子に電気的に接続されて、液晶層203に電位を与えるように構成されている。
これに対して、タッチ電極62tは、図3に示すように、たとえば、カラーフィルタ層21を構成する赤フィルタ層21Rと緑フィルタ層21Gとのそれぞれに対応するように、設けられている。つまり、画素Pを構成する3つのサブ画素のうち、2つのサブ画素に対応するように、タッチ電極62tが形成されている。ここでは、図3に示すように、この2つのタッチ電極62tのそれぞれは、液晶層203を介して、対向基板202に設けられた1つのタッチ電極25に対面している。そして、このタッチ電極62tのそれぞれは、図4に示すように、ゲート線GLの上方に設けられている。そして、図5に示すように、タッチ電極62tは、画素スイッチング素子31のソースに電気的に接続されている。
TFTアレイ基板201において、画素スイッチング素子31と保持容量素子Csとのそれぞれは、図3では図示を省略しているが、TFTアレイ基板201にて対向基板202に対向する側の面上において、層間絶縁膜Sz内に設けられている。
ここで、画素スイッチング素子31は、図5に示すように、トランジスタであって、たとえば、ポリシリコンを用いたTFTとして構成されている。この画素スイッチング素子31は、図5に示すように、ゲートが、ゲート線GLに電気的に接続されている。そして、ドレインが、信号線SLに電気的に接続されている。そして、ソースが、画素電極62pと、タッチ電極62tとのそれぞれに接続されている。
そして、保持容量素子Csは、図5に示すように、一方の電極が、画素スイッチング素子31のソースに電気的に接続されている。そして、図5に示すように、他方の電極が、保持容量線CSLに電気的に接続されている。
TFTアレイ基板201において、ゲート線GLと信号線SLとのそれぞれは、図3では図示を省略しているが、TFTアレイ基板201にて対向基板202に対向する側の面上において、層間絶縁膜Sz内に設けられている。
ここで、ゲート線GLは、図4,図5に示すように、xy面において、x方向に延在するように設けられている。そして、ゲート線GLは、図5に示すように、画素スイッチング素子31のゲートに電気的に接続されている。この他に、ゲート線GLは、図2に示した垂直駆動回路11に電気的に接続されており、垂直駆動回路11から走査信号Vgateを画素スイッチング素子31のゲートに供給する。
そして、信号線SLは、図4,図5に示すように、xy面において、y方向に延在するように設けられている。そして、信号線SLは、図5に示すように、画素スイッチング素子31のドレインに電気的に接続されている。この他に、信号線SLは、図5に示すように、水平駆動回路12に電気的に接続するように構成されている。
本実施形態では、水平駆動回路12は、図5に示すように、書き込み回路WCと、読み出し回路RCとを含む。また、信号線SLは、図5に示すように、書き込み回路WCおよび読み出し回路RCの両者に接続する第1信号線SL1と、書き込み回路WCのみに接続する第2信号線SL2とを含む。
第1信号線SL1は、書き込み回路WCとの間に、スイッチSWw1が介在しており、スイッチSWw1がオン状態になったときに、書き込み回路WCに電気的に接続するように構成されている。また、第1信号線SL1は、読み出し回路RCとの間に、スイッチSWrが介在しており、スイッチSWrがオン状態になったときに、読み出し回路RCに電気的に接続する。この第1信号線SL1は、カラーフィルタ層21のうち、たとえば、赤フィルタ層21Rに対応するサブ画素に接続するように設けられている。
一方で、第2信号線SL2は、書き込み回路WCとの間でスイッチSWw2を介在して電気的に接続するように構成されている。しかし、第2信号線SL2は、第1信号線SL1と異なり、読み出し回路RCとの間とは電気的に接続しないように構成されている。この第2信号線SL2は、カラーフィルタ層21のうち、たとえば、緑フィルタ層21Gに対応するサブ画素に接続するように設けられている。
なお、図示を省略しているが、画素Pにおいては、カラーフィルタ層21のうち、青フィルタ層21Bに対応するサブ画素に接続するように、第3信号線(図示無し)が設けられている。この第3信号線は、第2信号線SL2と同様に、書き込み回路WCとの間でスイッチを介在して電気的に接続するように構成されている。
この他に、TFTアレイ基板201においては、図3に示すように、液晶配向膜HM1が画素電極62p上に設けられている。
本実施形態においては、この液晶配向膜HM1は、タッチ電極62tの表面が露出するように形成されている。たとえば、この液晶配向膜HM1は、ポリイミドによって形成されている。
対向基板202に設けられた各部について示す。
対向基板202において、カラーフィルタ層21は、図3に示すように、対向基板202にてTFTアレイ基板201に対向する側の面に形成されている。ここでは、カラーフィルタ層21は、赤フィルタ層21Rと緑フィルタ層21Gと青フィルタ層21Bとの3原色のフィルタを1組として画素Pごとに設けられており、それぞれの色が、x方向に並ぶように形成されている。カラーフィルタ層21は、たとえば、顔料や染料などの着色剤を含有するポリイミド樹脂を用いて形成されている。このカラーフィルタ層21においては、バックライト300から照射された白色光が着色されて出射される。
対向基板202において、共通電極23は、図3に示すように、対向基板202にてTFTアレイ基板201に対面する側の面に形成されている。ここで、共通電極23は、カラーフィルタ層21を被覆するように形成されている。共通電極23は、いわゆる透明電極であって、たとえば、ITOを用いて形成されている。そして、共通電極23は、図5に示すように、Vcom線CLに電気的に接続されており、共通電位が印加される。つまり、共通電極23は、表示領域PAにおいて、複数の画素Pに対応するように形成された複数の画素電極62pのそれぞれに対向しており、各画素Pにおいて共通な電極として機能するように構成されている。
そして、共通電極23上においては、図3と図4とに示すように、液晶配向膜HM2が設けられている。ここでは、共通電極23の表面全面を被覆するように、液晶配向膜HM2が設けられている。たとえば、液晶配向膜HM2は、スピンコート法によって、ポリイミドを成膜することで形成される。凸部COの表面については、ポリイミドが成膜されず、タッチ電極25の表面が露出するように構成されている。
対向基板202において、タッチ電極25は、図3に示すように、対向基板202にてTFTアレイ基板201に対面する側の面に形成されている。そして、このタッチ電極25は、図5に示すように、TFTアレイ基板201にて隣接するように設けられた2つのタッチ電極62tの両者に接触し、その両者を電気的に接続するように、構成されている。つまり、液晶パネル200が外圧によって変形した際には、タッチ電極25が、対向する2つのタッチ電極62tのそれぞれに接触し、その2つのタッチ電極62tの間を電気的に接続するように構成されている。
本実施形態においては、タッチ電極25は、図3に示すように、凸部CO上に設けられている。
図3に示すように、凸部COは、対向基板202にてTFTアレイ基板201に対向する面上において、TFTアレイ基板201に対向する方向へ凸状に突出するように形成されている。ここでは、図3に示すように、凸部COは、セルギャップを保持するスペーサSPよりも、高さが低くなるように形成されている。
また、凸部COは、図3に示すように、順テーパー形状になるように形成されている。つまり、凸部COは、対向基板202からTFTアレイ基板201へ向かう方向において、x方向にて規定される幅が、狭くなるように形成されている。そして、凸部COは、弾性体であって、たとえば、アクリル系樹脂や、ノボラック系樹脂を用いて形成されている。
また、この凸部COは、xy面に沿って平坦な平坦領域HRが、TFTアレイ基板201に対向する頂面に設けられている。
そして、タッチ電極25は、この凸部CO上において平坦領域HR以外の領域に形成されず、平坦領域HR上に孤立パターンとして形成されている。
液晶層203について示す。
液晶層203は、図3に示すように、TFTアレイ基板201と対向基板202との間にて挟持されている。
ここでは、液晶層203は、TFTアレイ基板201に形成された液晶配向膜HM1と、対向基板202に形成された液晶配向膜HM2とによって、液晶分子(図示なし)が配向されている。たとえば、液晶分子が垂直配向するように液晶層203が形成されている。つまり、液晶表示モードが、VA(Vertical Align)モードになるように、液晶層203が形成されている。この他に、TN(Twisted Nematic)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence)モードに対応するように、液晶層203を形成しても良い。
(動作)
以下より、上記の液晶表示装置100において、ユーザーの指などの被検知体が液晶パネル200の表示領域PAに接触した位置を検出する際の動作について説明する。
接触位置の検出の際には、まず、プリチャージを行う。
ここでは、下記のようなプリチャージを実施するように、制御部401が各部を制御する。
具体的には、たとえば、図5に示すように、Vcom線CLに印加される電圧(Vcom)に対して反対の極性の電圧(xVcom)を、スイッチSWw1を介して、第1信号線SL1に予め印加する。また、さらに、Vcom線CLに印加される電圧(Vcom)と同極性の電圧(Vcom)を、スイッチSWw2を介して、第2信号線SL2に予め印加する。この後、第1信号線SL1側のスイッチSWw1をオフ状態にして、第1信号線SL1を、電気的にフローティング状態にする。
つぎに、液晶パネル200において被検知体が接触した接触位置の検出を行う。
ここでは、下記のような接触位置の検出動作を実施するように、制御部401が各部を制御する。
具体的には、上記のプリチャージの実施後に、ゲート線GLのゲート電圧を活性レベル(本例では、ハイレベル)に遷移させるように信号を供給することで、2つのタッチ電極62tのそれぞれに接続している各画素スイッチング素子31をオン状態にする。そして、第1信号線SL1に接続されたスイッチSWrをオン状態にして、第1信号線SL1からセンサ信号を読み出し回路RCに出力する。そして、その読み出し回路RCにおいて読み出したセンサ信号に基づいて、接触位置の検出を行う。
具体的には、被検知体が液晶パネル200に触れて、タッチ電極25が2つのタッチ電極62tに接触した場合には、図5から判るように、タッチセンサスイッチSWsがオン状態になる。この場合には、2つのタッチ電極62tが電気的に接続されて短絡する。このため、上記のようにプリチャージがされた第1信号線SL1と第2信号線SL2との間においては、第2信号線SL2から第1信号線SL1へタッチセンサスイッチSWsを介して電流が流れる。よって、フローティング状態にある第1信号線SL1は、電位が変化する。
一方で、液晶パネル200に外圧が印加されず、2つのタッチ電極62tへタッチ電極25が接触せずにタッチセンサスイッチSWsがオフ状態である場合には、図5に示すように、2つのタッチ電極62tは、上記と異なり、電気的に短絡しない。このため、第1信号線SL1と第2信号線SL2との間においては電流が流れないので、フローティング状態にある第1信号線SL1は、電位の変化が生じない。
このように、被検知体の接触の有無に応じて、第1信号線SL1の電位が異なる。このため、第1信号線SL1の電位に基づいて、液晶パネル200において被検知体が接触した接触位置の検出を、位置検出部402が実施する。
液晶表示装置100においては、上記の位置検出動作の他に、画像表示動作が行われる。ここでは、位置検出動作と、画像表示動作とが、交互に繰り返して実施される。
画像表示を行う際には、ゲート線GLから走査信号を画素スイッチング素子31のゲートへ供給し、画素スイッチング素子31のスイッチング動作を制御する。そして、書き込み回路WCから、書込みスイッチSWw1,SWw2,信号線SL,画素スイッチング素子31を順次介して、映像信号を画素電極62pへ書き込むことで、画像表示を実施する。
図6は、本発明の実施形態1にかかる液晶表示装置100において、被検知体Fが液晶パネル200の表示領域PAに接触した際の様子を示す断面図である。図6では、要部を示しており、一部の部材については、表示を省略している。
対向基板202において液晶層203とは反対側の面に被検知体が接触して、対向基板202が押された場合には、図6(a)から(b)にて示すように、対向基板202が変形してTFTアレイ基板201の側へ移動する。このとき、この対向基板202の変形に伴って、対向基板202において液晶層203側の面に設けられたタッチ電極25が、TFTアレイ基板201の側へ移動される。そして、このタッチ電極25は、TFTアレイ基板201に設けられた2つのタッチ電極62tに接触する。このように、対向基板202に設けられたタッチ電極25が、TFTアレイ基板201に設けられたタッチ電極62tに接触することで、タッチセンサスイッチSWsがオン状態になる。
つまり、液晶パネル200において、押圧力が作動開始圧以上であるタッチ動作がされた場合には、センサギャップが縮小し、両方の基板201,202のタッチ電極25,62tが接触し、タッチセンサスイッチSWsがオン状態になる。
図6(b)に示すように、上方のタッチ電極25が、下方に設けられた2つのタッチ電極62tのそれぞれに接触したときは、その押圧によって、凸部COが変形する。
このため、図17にて示したように、この凸部211Jの変形に伴って、タッチ電極212Jにxy面の方向に応力が加わり、破断のおそれが生じ得る。
しかしながら、本実施形態においては、図6に示すように、タッチ電極25は、凸部CO上において、平坦領域HR以外の領域に形成されず、平坦領域HR上に孤立パターンとして形成されている
このため、本実施形態では、凸部CO上に形成されたタッチ電極25が破断することを防止することができる。
(まとめ)
以上のように、本実施形態においては、対向基板202において、TFTアレイ基板201に対向するxy面上に、凸部COを形成する。ここでは、凸部COにおいてTFTアレイ基板201に対向する頂面に、平坦領域HRを設ける。そして、タッチセンサスイッチSWsを構成するタッチ電極25を、その凸部CO上において平坦領域HR以外の領域に形成せずに、平坦領域HR上に孤立パターンとして形成する。よって、上述したように、繰り返し使用においてタッチ電極25が破断することを防止可能であるので、装置の信頼性を向上することができる。
本実施形態では、タッチセンサスイッチSWsは、液晶パネル200が外圧によって変形したとき、1つのタッチ電極25が、2つのタッチ電極62tの両者に接触し、その2つのタッチ電極62tの間を電気的に接続するように構成されている。
つまり、本実施形態のタッチセンサスイッチSWsは、1点接触式ではなく、2点接触式である。1点接触式の場合には、その1点の接触位置に導電性の異物が存在して、常時、短絡した状態になった場合、位置検出が困難になる。しかし、本実施形態のタッチセンサスイッチSWsは、2点接触式であるので、上部にある1つのタッチ電極25と、下部にある2つのタッチ電極62tの一方との間で短絡が生じても、外圧が加わらなければ、下部の2つのタッチ電極62t間は、オープンな状態を維持できる。
したがって、本実施形態は、位置検出を的確に実施することができる。
なお、本実施形態においては、凸部COは、テーパー形状であり、そのテーパー角θが、70°以下になるように形成することが好適である。テーパー角が、この角度を超える場合は、凸部COの変位量が大きくなり、タッチ電極25が破損する不具合が生ずる場合がある。
図7は、本発明の実施形態1において、凸部のテーパー角θと、変位量x(m)との関係を示す図である。ここでは、FEM構造解析シミュレータであるANSYSを用いて、凸部COの変位量について、シミュレーションをした結果について示している。このシミュレーションにおいては、ヤング率が3.5GPaであって、ポアソン比が、0.38である場合を、凸部COのセンター条件としている。また、凸部COの底面のサイズを、35μm×15μmとし、その高さを2.5μmとしている。そして、凸部の上端部分が変形する距離を、変位量として、シミュレーションを実施した結果を示している。また、図7において、「圧力」は、シミュレーションにおいて印加する圧力を示している。
また、図8は、本発明の実施形態1において、テーパー角θに応じて凸部COが変形する様子を示す断面図である。
上記のようなシミュレーションを実施したところ、図7に示すように、テーパー角θが68°の場合において、変位量x(m)が最も小さかった。そして、78°〜90°の場合には、変位量x(m)が大きかった。ここでは、凸部COのテーパー角θを、90°から45°へ低下するに伴って、凸部の側面が横方向へ変形した状態から、頂面が陥没した状態に変化する結果を得た。
具体的には、図8(a)に示すように、凸部がテーパー形状でない(テーパー角θ=90°)場合、外圧によって、凸部の側面が横方向へ変形した。ここでは、凸部COの底部においては、変形が小さいが、頂面部分においては、外側に広がるように変形し、その変形が大きくなる。このように、テーパー形状でない場合には、凸部COの頂面に形成されたタッチ電極25は、横方向に広がる引張応力が印加されるので、破損が生ずる場合がある。
一方で、図8(b)に示すように、テーパー形状の場合には、外圧によって、凸部の側面が横方向へ変形しにくく、頂面が陥没するように変形させることができる。特に、凸部COのテーパー角θを70°以下にすることで、頂面が陥没するように変形させることが容易に可能であって、図7に示すように、凸部COの変位量を抑制可能である。このため、この場合には、凸部COの頂面に形成されたタッチ電極25は、横方向に広がる引張応力がほとんど印加されないので、破損を効果的に防止できる。
また、図8(b)に示すように、凸部COにてテーパー領域TPが存在する幅L1と等しい距離以上、テーパー領域TPの内側に離れた領域に、タッチ電極25を形成することが好適である。すなわち、タッチ電極25の端部と、凸部COの頂面がテーパー状に傾斜する側面に変曲する際の変曲点との間の距離L2を、その変曲点と、その側面が対向基板202側に位置する端部の点との間の幅L1以上にすることが好適である。このようにすることで、図8(b)に示したように、この領域は、外圧によって凸部COの頂面が陥没する。このため、この領域域内に形成されたタッチ電極25は、応力の集中がされにくいので、破損の発生を防止することができる。
この他に、凸部COは、ヤング率が、1〜5GPaであって、ポアソン比が、0.36〜0.40の範囲内になるように形成することが好適である。
ポアソン比が、0.38である場合を、凸部COのセンター条件として、上記と同様に、シミュレーションを実施したところ、上記のポアソン比の範囲において、変位量が、変化しない結果を得た。また、ヤング率が、3.5GPaである場合を、凸部COのセンター条件として、上記と同様に、シミュレーションを実施したところ、上記のポアソン比の範囲において、変位量が、変化しない結果を得た。よって、上記範囲が、好適である。
<2.実施形態2(FFS方式の場合)>
以下より、本発明にかかる実施形態2について説明する。
(液晶パネルの詳細構成)
本実施形態の液晶パネル200bの詳細な構成について説明する。
図9,図10は、本発明の実施形態2にかかる液晶パネル200bの要部を示す図である。
ここで、図9は、本発明の実施形態2にかかる液晶パネル200bにおいて、表示領域PAに設けられた画素Pの概略を模式的に示す断面図である。
また、図10は、本発明にかかる実施形態2において、液晶パネル200bの表示領域PAに設けられた画素Pの概略を模式的に示す上面図である。なお、図9は、図10のX1b−X2b部分について示しているが、図示の都合上、適宜、部材の表示を簡略化等している。
図9,図10に示すように、本実施形態の液晶パネル200bは、FFS(Fringe Field Switching)方式に対応するように、画素電極62pbと共通電極23bとが形成されている。この点、および、これに関連する点を除き、実施形態1と同様である。このため、重複する個所については、説明を省略する。
図9,図10に示すように、本実施形態においては、画素電極62pbと共通電極23bとのそれぞれは、TFTアレイ基板201に設けられている。
画素電極62pbは、図9に示すように、TFTアレイ基板201において対向基板202に対面する面の側に形成されている。
ここでは、画素電極62pbは、図9に示すように、TFTアレイ基板201において共通電極23bを被覆するように、絶縁材料で形成された層間絶縁膜Sz2の上に設けられている。たとえば、シリコン窒化膜として形成された層間絶縁膜Sz2上に設けられている。
本実施形態においては、液晶パネル200bがFFS方式であるので、画素電極62pbは、図10に示すように、xy面においては、櫛歯状になるようにパターン加工されている。
具体的には、図10示すように、画素電極62pbは、基幹部62pkと、枝部62peとを有する。
画素電極62pbにおいて、基幹部62pkは、図10に示すように、x方向に延在している。ここでは、図10に示すように、2本の基幹部62pkがy方向において平行に並んでいる。
そして、画素電極62pbにおいて、枝部62peは、図10に示すように、基幹部62pkに接続されており、y方向に延在している。この枝部62peは、図10に示すように、x方向において、複数がスペースを隔てて並ぶように配置されている。そして、その複数のそれぞれは、両端部が基幹部62pkに接続され、互いに平行に延在するように並んでいる。
この画素電極62pbは、図9に示すように、実施形態1の場合と同様に、タッチ電極62tと一体になるように形成されている。
共通電極23bは、図9に示すように、TFTアレイ基板201において対向基板202に対面する面の側に形成されている。ここでは、共通電極23bは、TFTアレイ基板201に形成された層間絶縁膜Sz上に設けられている。また、共通電極23bは、複数の画素Pに対応するように複数設けられた画素電極62pbのそれぞれに、層間絶縁膜Sz2を介して対面している。
(まとめ)
以上のように、本実施形態においては、液晶パネル200bは、FFS方式であるが、図9に示すように、実施形態1の場合と同様に、対向基板202において、TFTアレイ基板201に対向するxy面上に、凸部COが形成されている。ここでは、図9に示すように、凸部COにおいてTFTアレイ基板201に対向する頂面に、平坦領域HRが設けられている。そして、タッチセンサスイッチSWsを構成するタッチ電極25が、その凸部CO上において平坦領域HR以外の領域に形成されずに、平坦領域HR上に孤立パターンとして形成されている。よって、本実施形態は、実施形態1の場合と同様に、タッチ電極25が破断することを防止可能であるので、装置の信頼性を向上することができる。
なお、FFS方式以外に、IPS(In−Plane−Swiching)方式などのように、横電界を液晶層203に印加するモードにおいて、同様に、構成した場合であっても、同様な効果を得ることができる。
<3.実施形態3(浮き柱がある場合)>
以下より、本発明にかかる実施形態3について説明する。
(液晶パネルの詳細構成)
本実施形態の液晶パネル200cの詳細な構成について説明する。
図11は、本発明の実施形態3にかかる液晶パネル200cの要部を示す図である。図11は、本発明の実施形態3にかかる液晶パネル200cの概略を模式的に示す断面図である。
図11に示すように、本実施形態の液晶パネル200cは、浮き柱部UBが設けられている。この点、および、これに関連する点を除き、実施形態1と同様である。このため、重複する個所については、説明を省略する。
浮き柱部UBは、図11に示すように、対向基板202に設けられている。浮き柱部UBは、図11に示すように、対向基板202においてTFTアレイ基板201に対面する面の側に形成されている。
ここでは、浮き柱部UBは、図11に示すように、凸部COと同様に、カラーフィルタ層21上に設けられている。浮き柱部UBは、たとえば、凸部COと同様に、感光性樹脂がパターン加工されることで、形成されている。本実施形態においては、浮き柱部UBは、たとえば、凸部COとタッチ電極25とを合わせた高さと同じ高さになるように形成されている。
(まとめ)
以上のように、本実施形態では、対向基板202においては、TFTアレイ基板201に対向するxy面上に、浮き柱部UBが、凸状に突出するように設けられている。この場合において、外圧が印加された場合には、凸部CO上に形成されたタッチ電極25以外に、この浮き柱部UBが、TFTアレイ基板201の側の部材に接触する。このため、外圧による応力が、分散することになる。
よって、本実施形態は、タッチセンサスイッチSWs部分に応力が集中することを抑制可能であるので、繰り返し使用における耐久性を向上させることができる。
<4.その他>
本発明の実施に際しては、上記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形形態を採用することができる。
たとえば、上記の実施形態においては、凸部COを対向基板202の側に設ける場合について説明したが、これに限定されない。TFTアレイ基板201の側に凸部COを設けた場合においても、同様な効果を得ることができる。
また、上記の実施形態においては、タッチ電極62tを、画素電極62pと一体になるように形成する場合について説明したが、これに限定されない。タッチ電極62tと画素電極62pとを分離して形成しても良い。そして、この場合には、画素スイッチング素子31の他に、TFT(図示なし)を設け、そのTFTの動作を画素スイッチング素子の動作と独立させて駆動させることで、タッチセンサの検出動作を制御するように回路を構成してもよい。
また、上記の実施形態においては、タッチ電極25,62tを透明電極として形成する場合について説明したが、これに限定されない。たとえば、Al,Moのような、透明でない金属材料を用いて、タッチ電極25,62tを形成しても良い。
また、上記の実施形態においては、液晶パネルが透過型である場合について説明したが、これに限定されない。反射型や、透過型と反射型とを併用可能な半透過型として、液晶パネルを構成する場合に適用しても良い。
また、有機ELディスプレイなどのように、液晶パネル以外の表示パネルに適用しても良い。
また、表示パネルに内蔵する場合以外に、装置に外付けする抵抗膜式タッチセンサに適用しても良い。
また、本実施形態の液晶表示装置100は、さまざまな電子機器の部品として適用することができる。
図12から図16は、本発明にかかる実施形態の液晶表示装置100を適用した電子機器を示す図である。
図12に示すように、テレビジョン放送を受信し表示するテレビにおいて、その受信した画像を表示画面に表示すると共に、オペレータの操作指令が入力される表示装置として液晶表示装置100を適用することができる。
また、図13に示すように、デジタルスチルカメラにおいて、その撮像画像などの画像を表示画面に表示すると共に、オペレータの操作指令が入力される表示装置として液晶表示装置100を適用することができる。
また、図14に示すように、ノート型パーソナルコンピュータにおいて、操作画像などを表示画面に表示すると共に、オペレータの操作指令が入力される表示装置として液晶表示装置100を適用することができる。
また、図15に示すように、携帯電話端末において、操作画像などを表示画面に表示すると共に、オペレータの操作指令が入力される表示装置として液晶表示装置100を適用することができる。
また、図16に示すように、ビデオカメラにおいて、操作画像などを表示画面に表示すると共に、オペレータの操作指令が入力される表示装置として液晶表示装置100を適用することができる。
なお、上記の実施形態において、タッチ電極25は、本発明の第1タッチ電極に相当する。また、上記の実施形態において、タッチ電極62tは、本発明の第2タッチ電極に相当する。また、上記の実施形態において、液晶表示装置100は、本発明の表示装置,情報入力装置に相当する。また、上記の実施形態において、液晶パネル200,200b,200cは、本発明の表示パネル,液晶パネルに相当する。また、上記の実施形態において、TFTアレイ基板201は、本発明の第2基板に相当する。また、上記の実施形態において、対向基板202は、本発明の第1基板に相当する。また、上記の実施形態において、液晶層203は、本発明の液晶層に相当する。また、上記の実施形態において、凸部COは、本発明の凸部に相当する。また、上記の実施形態において、表示領域PAは、本発明の表示領域に相当する。また、上記の実施形態において、タッチセンサスイッチSWsは、本発明のタッチセンサスイッチに相当する。また、上記の実施形態において、浮き柱部UBは、本発明の浮き柱部に相当する。