JP5174740B2 - 半導体集積回路及び受信信号処理方法 - Google Patents
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この半導体集積回路は、フーリエ変換後の受信信号に含まれるパイロット信号をもとに、伝送路推定値を生成する伝送路推定部と、前記受信信号及び前記伝送路推定値から、送信信号の仮判定値を生成する仮判定値生成部と、キャリア間干渉の被影響キャリアとサブキャリア間のキャリア間隔に応じた重み値のうち虚数成分のみと、前記仮判定値と、現在のシンボルの前記伝送路推定値及び1つ前のシンボルの前記伝送路推定値とをもとに、キャリア間干渉成分の複製を生成するキャリア間干渉複製生成部と、前記受信信号から前記複製を減算する加減算部と、を有する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態の半導体集積回路の主要部の構成を示す図である。
等化部16は、ICIレプリカの成分を除去した受信信号Yを、伝送路推定値Vn sにて複素除算することにより、送信信号Xnを算出する。
図2は、ICIの被影響キャリアとサブキャリア間のキャリア間隔に応じた重み値ζの実数部と虚数部の値を示す図である。
また、図3は、ICIの被影響キャリアとサブキャリア間のキャリア間隔に応じた重み値ζの実数部と虚数部のグラフである。
横軸は、キャリア間隔を示し、縦軸は、図3(A)では重み値ζの実数部の大きさi、図3(B)では虚数部の大きさqを示している。
比較例として、複素数の重み値ζをそのまま用いた場合のICIレプリカ生成部の構成を以下に示す。
比較例におけるICIレプリカ生成部20は、記憶部21と、加減算回路22と、複素乗算回路23と、レジスタ24と、複素乗算回路25と、積算回路26と、除算回路27とを有する。
複素乗算回路23は、加減算回路22の演算結果と、仮判定値Xbnを入力し、(Vn s−Vn s-1)Xbnの複素乗算を行う。
複素乗算回路25は、被影響キャリアに対するサブキャリアごとに、複素数である重み値ζn-kを入力し、レジスタ24で保持されたm個の演算結果に対して、それぞれ並列に乗算する。これにより、(Vn s−Vn s-1)Xbnζn-kの演算結果が、m個出力される。
除算回路27は、積算回路26の演算結果を、N+NGIで割る。これにより、前述の式(3)にて示されるようなICIレプリカが生成される。
これに対し、第1の実施の形態の半導体集積回路10において、ICIレプリカ生成部14は、以下の点を考慮して、回路規模の削減を図っている。
第1の実施の形態の半導体集積回路10において、ICIレプリカ生成部14は、式(6)に基づいて、ICIレプリカを生成する。
図4で示したICIレプリカ生成部20と同じ構成要素については同一符号を付し、説明を省略する。
乗算回路30では、レジスタ24に格納された複素乗算回路23の演算結果に対して、重み値ζq(n)を乗ずることにより、式(5)の演算を行う。
図6は、重み値ζq(n)を管理するテーブルの一例を示す図である。
ここでは、n=10のサブキャリアが被影響キャリアであり、その左右10個のサブキャリアによるICIの影響を考慮する場合の重み値ζq(n)の一例を示している。
乗算回路30は、図4で示したような複素乗算回路25よりも小規模な回路とすることができるので、ICIレプリカ生成部14の回路規模を小さくすることができる。
図7は、第1の実施の形態の半導体集積回路による受信信号処理の流れを示すフローチャートである。
ここでは、地上デジタル放送のOFDMフレーム構成の一部を示している。横軸は周波数(サブキャリア)、縦軸は時間(シンボル)である。図中で、黒丸はSP信号Ds、白丸はデータ信号Daである。
図9は、キャリアフィルタを用いた伝送路推定を説明する図である。
キャリアフィルタ11bを用いた伝送路推定では、SP信号Dsと、シンボルフィルタ11aを用いて補間された信号Dbから、たとえば、FIR(Finite-duration Impulse Response)フィルタを用いて、周波数方向に信号Dcを補間する。
次に、等化部12aは、受信信号Yを伝送路推定値Vn sにて割ることにより等化を行い、送信信号の推定値Xanを算出する(ステップS2)。その後、仮判定部12bは、変調方式に応じて、送信信号の仮判定値Xbnを生成する(ステップS3)。
ここでは、変調方式がQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)である場合の、振幅位相図(コンスタレーション)を示している。
仮判定部12bは、等化部12aで算出された送信信号の推定値Xanと、各信号点(1,1)、(1,−1)、(−1,−1)、(−1,1)との距離を比較し、最も近い信号点を仮判定値とする。このような仮判定手法は、硬判定と呼ばれている。図10の場合、(1,1)が送信信号の仮判定値Xbnとなる。
まず、加減算回路22は、Vn s−Vn s-1の加減算を行う(ステップS10)。その後、複素乗算回路23は、加減算回路22の演算結果と、仮判定値Xbnを入力し、(Vn s−Vn s-1)Xbnの複素乗算を行う(ステップS11)。
レジスタ24は、ステップS10,S11の処理により得られた演算結果(式(5)のi(n),q(n))を、n=0からn=m−1まで、m個分保持する(ステップS12)。
(第2の実施の形態)
横軸を被影響キャリアとのキャリア間隔とした図3(B)のグラフを見ると、重み値ζの虚数部は、原点に対して対称となっている。そのため、サブキャリアの数をm(奇数)として、その中心のn=(m−1)/2番目のサブキャリアを被影響キャリアとしたとき、虚数成分の重み値ζq(n)は、以下の式(7)のように表わされる。
図12は、第2の実施の形態の半導体集積回路の構成を示す図である。
図1に示した第1の実施の形態の半導体集積回路10と同様の構成要素については、同一符号を付している。
ICIレプリカ生成部14aは、式(8)に基づいてICIレプリカを生成する。
図5にて示したICIレプリカ生成部14と同様の構成については、同一符号を付し、説明を省略する。
このように、第2の実施の形態の半導体集積回路10aのICIレプリカ生成部14aは、被影響キャリアを中心として、片側のサブキャリアに対応する重み値ζq(n)のみ用いて演算を行うので、回路規模を大幅に削減できる。
受信信号処理は、図7に示した第1の実施の形態の半導体集積回路10の処理とほぼ同じであるが、ICIレプリカ生成処理が異なる。
ステップS20〜S22までの処理は、図11のステップS10〜12までの処理と同じである。
図15は、OFDM受信システムの主要部の概略の構成を示す図である。
直交復調部52は、受信した変調波を直交復調する。
伝送路等化部54は、パイロット信号によって推定した伝送路推定値によってICIなどの外乱の影響を除去し、送信信号を再現する。図1や図12で示した各構成については、たとえば、この伝送路等化部54に含まれる。すなわち、伝送路等化部54は、ICIレプリカを生成し、受信信号から減算することで、受信信号からICIの影響をキャンセルする。また、等化処理によって送信信号を再現する。
誤り訂正部56は、デマッピング部55の出力に対して、たとえば、リードソロモン符号や畳み込み符号を用いて、データの誤りを訂正する。
出力部58は、たとえば、ディスプレイやスピーカであり、復号された映像データや音声データを出力する。
11 伝送路推定部
11a シンボルフィルタ
11b キャリアフィルタ
12 仮判定値生成部
12a 等化部
12b 仮判定部
13 遅延部
14 ICIレプリカ生成部
15 加減算部
16 等化部
Claims (5)
- フーリエ変換後の受信信号に含まれるパイロット信号をもとに、伝送路推定値を生成する伝送路推定部と、
前記受信信号及び前記伝送路推定値から、送信信号の仮判定値を生成する仮判定値生成部と、
キャリア間干渉の被影響キャリアとサブキャリア間のキャリア間隔に応じた重み値のうち虚数成分のみと、前記仮判定値と、現在のシンボルの前記伝送路推定値及び1つ前のシンボルの前記伝送路推定値とをもとに、キャリア間干渉成分の複製を生成するキャリア間干渉複製生成部と、
前記受信信号から前記複製を減算する加減算部と、
を有することを特徴とする半導体集積回路。 - 前記キャリア間干渉複製生成部は、前記被影響キャリアを中心として、片側の前記サブキャリアと前記被影響キャリアとの前記キャリア間隔に応じた前記重み値の前記虚数成分のみを用いて、前記複製を生成することを特徴とする請求項1記載の半導体集積回路。
- 前記キャリア間干渉複製生成部は、前記重み値のうち前記虚数成分のみを、前記サブキャリアごとに格納した記憶部を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体集積回路。
- 伝送路推定部が、フーリエ変換後の受信信号に含まれるパイロット信号をもとに、伝送路推定値を生成し、
仮判定値生成部が、前記受信信号及び前記伝送路推定値から、送信信号の仮判定値を生成し、
キャリア間干渉複製生成部が、キャリア間干渉の被影響キャリアとサブキャリア間のキャリア間隔に応じた重み値のうち虚数成分のみと、前記仮判定値と、現在のシンボルの前記伝送路推定値及び1つ前のシンボルの前記伝送路推定値とをもとに、キャリア間干渉成分の複製を生成し、
加減算部が、前記受信信号から前記複製を減算することを特徴とする受信信号処理方法。 - 前記キャリア間干渉複製生成部が、前記被影響キャリアを中心として、片側の前記サブキャリアと前記被影響キャリアとの前記キャリア間隔に応じた前記重み値の前記虚数成分のみを用いて、前記複製を生成することを特徴とする請求項4記載の受信信号処理方法。
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