JP5172529B2 - 眼科撮影装置 - Google Patents

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Description

本発明は、低コヒーレント光を用いて被検者眼の断層画像を取得する眼科撮影装置に関する。
被検者眼の断層画像を非侵襲で得ることができる眼科撮影装置として、低コヒーレント光を用いた光断層干渉計(Optical Coherence Tomography:OCT)が知られている。このような眼科撮影装置では、例えば、測定光を眼底上で1次元走査させ、眼底から反射された測定光を参照光と合成させることにより干渉光を得て、この干渉光を分光光学系を用いて周波数成分に分光してラインセンサ等の受光素子に集光させ、ラインセンサにて得られる信号をフーリエ変換を用いて解析することにより被検者眼の深さ方向の情報を取得し、網膜断層画像を得ることができる(特許文献1参照)。
特開2008−29467公報
このような干渉光を用いて断層画像を得るための眼科撮影装置は、眼底から反射される微弱な信号を検出し、これを解析することによって画像を得ている。このため、干渉光を受光素子に精度良く集光させなければ、好適な断層画像を得ることができない。しかしながら、例えば、受光素子や他の装置内における電子部品による発熱、或いは装置を駆動させる室内の温度変化によって、各光学部材が取り付けられている基台自体が熱膨張することがあり、このような基台の膨張によって光学系の全長が変化し受光素子への好適な集光状態が維持されず、結果として得られる画像の質が低下することが判った。
上記従来技術の問題点に鑑み、装置,又は装置周囲の温度変化によって生じる光学系の全長の変化を抑制し、好適な画像を得ることのできる眼科撮影装置を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 低コヒーレント長の光束を出射する光源から発せられた測定光を被検者眼に向けて照射するとともに該被検者眼に対して前記測定光を走査する走査手段を持つ照射光学系と,前記光源から発せられた光を分光することによって生成される参照光と被検者眼に照射された前記測定光の反射光との合成により得られる干渉光を周波数成分に分けて受光素子に受光する干渉光学系と,を持ち、前記受光素子の受光結果に基づいて被検者眼の断層画像を得る眼科撮影装置において、
前記干渉光学系は前記干渉光を導光するための光ファイバと,
該光ファイバから出射した前記干渉光を該出射時における進行方向と逆方向にて前記受光素子に入射させるために所定の角度にて折り返すための折り曲げミラーと,
を有する構成とされ、
前記光ファイバの出射端を固定保持し熱膨張率β1を持つ材料からなる第1の基台と、
前記折り曲げミラー,及び該折り曲げミラーにより折り曲げられた後の前記干渉光が通る光路上に配置される前記受光素子に到るまでの光学部材を固定保持するための第2の基台であって,前記第1の基台と異なる熱膨張率β2を持つ材料からなる第2の基台と、
前記両基台上に形成される前記出射端から前記折り曲げミラーまでの距離DAと前記折り曲げミラーから前記受光素子までの距離DBが前記両基台の熱膨張によってそれぞれ変化することを許容するように前記第1の基台と第2の基台とを固定保持する固定保持手段と、を備え、
装置,又は装置周囲の温度が温度Tから温度Taへと変化する場合の前記出射端から前記受光素子に到るまでの距離の変化の許容誤差をEとすると,前記第1及び第2の基台の熱膨張率の差を利用することによって,
|DA・β1・(Ta−T)+DB・β2・(Ta−T)| < |E|
となるように、前記第1の基台の材料及び前記第2の基台の材料が選択され,前記出射端から前記折り曲げミラーまでの距離及び前記折り曲げミラーから前記受光素子までの距離が決定されていることを特徴とする。
(2) (1)の眼科撮影装置において、前記固定保持手段によって前記第1の基台に固定される前記第2の基台の固定点を基準とした基準ラインを設定し,該基準ラインから折り曲げミラーまでの距離をD1,前記出射端から折り曲げミラーまでの距離をD2、熱膨張後の前記基準ラインから折り曲げミラーまでの距離をD1a,前記出射端から折り曲げミラーまでの距離をD2aとした場合に、D1>D2、かつ、D1−D2<D1a−D2aとなるように、前記第1及び第2の基台の材料,前記出射端から前記折り曲げミラーまでの距離及び前記折り曲げミラーから前記受光素子までの距離が決定されることを特徴とする。
(3) (2)の眼科撮影装置において、前記出射端から折り曲げミラーまでの距離に対して前記折り曲げミラーから前記受光素子までの距離が長い場合には、前記第2の基台は前記第1の基台よりも低い熱膨張率を持つ材料にて形成され、前記出射端から折り曲げミラーまでの距離に対して前記折り曲げミラーから前記受光素子までの距離が短い場合には、前記第2の基台は前記第1の基台よりも高い熱膨張率を持つ材料にて形成されることを特徴とする。
(4) (2)又は(3)の眼科撮影装置において、前記光ファイバの出射光軸と前記受光素子に入射する入射光軸とは略平行であることを特徴とする。
(5) 低コヒーレント長の光束を出射する光源から発せられた測定光を被検者眼に向けて照射するとともに該被検者眼に対して前記測定光を走査する走査手段を持つ照射光学系と,前記光源から発せられた光を分光することによって生成される参照光と被検者眼に照射された前記測定光の反射光との合成により得られる干渉光を周波数成分に分けて受光素子に集光させ受光させる干渉光学系と,を持ち、前記受光素子の受光結果に基づいて被検者眼の断層画像を得る眼科撮影装置において、
前記干渉光学系に用いる一部の光学部材を固定保持し熱膨張率β1を持つ材料からなる第1の基台と、
該第1の基台に対して異なる熱膨張率β2を持つ材料からなる第2の基台であって,前記第1の基台に固定される前記一部の光学部材と異なる前記干渉光学系の光学部材を固定保持するための第2の基台と、
前記両基台上に形成される前記一部の光学部材から前記折り曲げミラーまでの距離Daと前記折り曲げミラーから前記受光素子までの距離Dbが前記両基台の熱膨張によってそれぞれ変化することを許容するように前記第1の基台と第2の基台とを固定保持する固定保持手段と、を備え、
装置,又は装置周囲の温度が温度Tから温度Taへと変化する場合,前記受光素子に集光させる前記干渉光の集光状態に影響を及ぼす前記干渉光学系の全長の変化の許容誤差をECとすると,前記第1及び第2の基台の熱膨張率の差を利用することによって,
|Da・β1・(Ta−T)+Db・β2・(Ta−T)| < |EC|
となるように、前記第1の基台の材料及び前記第2の基台の材料が選択され,前記出射端から前記折り曲げミラーまでの距離及び前記折り曲げミラーから前記受光素子までの距離が決定されていることを特徴とする。
本発明によれば、装置,又は装置周囲の温度の変化によって生じる光学系の全長の変化を抑制し、好適な画像を得ることができる。
本発明の眼科撮影装置の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態の眼底撮影装置の光学系及び制御系を示す図である。なお、本実施形態においては、被検者眼の奥行き方向をZ方向(光軸L1方向)、水平方向をX方向、鉛直方向をY方向として説明する。
図1において、その光学系は、被検者眼眼底の断層画像を光干渉の技術を用いて非侵襲で得るための干渉光学系(以下、OCT光学系とする)200と、赤外光を用いて被検者眼の眼底を照明し観察するためのSLO眼底像を取得するスキャニングレーザオフサルモスコープ(SLO)光学系300と、に大別される。なお、OCT光学系200、SLO光学系300、後述する制御部70等は、装置本体の筐体(図示を略す)に収められる。
なお、光分割部材としてのダイクロイックミラー40は、OCT光学系200の測定光軸L2とSLO光学系300の測定光軸L1とを同軸にするように配置される。ダイクロイックミラオ40は、OCT光学系200に用いられる測定光源27から発せられる測定光(例えば、λ=840nm付近)を反射し、SLO光学系300に用いられるSLO光源61から発せられるレーザ光(光源27とは異なる波長の光(例えば、λ=780nm付近)を透過する特性を有する。
まず、ダイクロイックミラー40の反射側に設けられたOCT光学系200の構成について説明する。OCT光学系200の測定光及び参照光として用いられる低コヒーレントな光を発するOCT光源27には、例えば、SLD光源等が用いられる。OCT光源27には、例えば、中心波長840nmで50nmの帯域を持つ光源が用いられる。ファイバーカップラー26は、光分割部材と光結合部材としての役割を兼用する。OCT光源27から発せられた光は、導光路としての光ファイバ38aを介して、ファイバーカップラー26によって参照光と測定光とに分割される。測定光は光ファイバ38bを介して被検者眼Eへと向かい、参照光は光ファイバ38cを介して参照ミラー31へと向かう。
測定光を被検者眼Eへ向けて出射する光路には、測定光を出射する光ファイバ38bの端部(光ファイバの出射端)39b、被検者眼の屈折誤差に合わせて光軸方向に移動可能なフォーカシングレンズ24、走査駆動機構51の駆動により眼底上でXY方向に測定光を走査させることが可能な2つのガルバノミラーの組み合せからなる走査部23と、リレーレンズ22が配置されている。ダイクロイックミラー40及び対物レンズ10は、OCT光学系200からのOCT測定光を被検者眼眼底へと導光する照射光学系(導光光学系)としての役割を有する。
なお、本実施形態の走査部23では、2つのガルバノミラーによって測定光の反射角度を任意に調整することにより、眼底上に走査させる測定光の走査方向を任意に設定できるような構成となっている。よって、被検者眼眼底の任意の領域の断層画像を得ることが可能となる。なお、光ファイバ38bの端部39bは、被検者眼眼底と共役となるように配置される。また、走査部23の2つのガルバノミラーは、被検者眼瞳孔と略共役な位置に配置される。
光ファイバ38bの端部39bから出射した測定光は、フォーカシングレンズ24を介して、走査部23に達し、2つのガルバノミラーの駆動により反射方向が変えられる。そして、走査部23で反射された測定光は、リレーレンズ22を介して、ダイクロイックミラー40で反射された後、対物レンズ10を介して、被検者眼眼底に集光される。
そして、眼底で反射した測定光は、対物レンズ10を介してダイクロイックミラー40で反射され、OCT光学系200に向かい、リレーレンズ22、走査部23の2つのガルバノミラー、フォーカシングレンズ24を介して、光ファイバ38bの端部39bに入射される。端部39bに入射した測定光は、光ファイバ38b、ファイバーカップラー26、光ファイバ38dを介して、光ファイバ38dの端部84aに達することとなる。
一方、参照光を参照ミラー31に向けて出射する光路には、参照光を出射する光ファイバ38cの端部39c、コリメータレンズ29、参照ミラー31が配置されている。参照ミラー31は、参照光が通る光路の全長を変化させるべく、参照ミラー駆動機構50により光軸方向に移動可能な構成となっている。
光ファイバ38cの端部39cから出射された参照光は、コリメータレンズ29で平行光束とされ、参照ミラー31で反射された後、コリメータレンズ29により集光されて光ファイバ38cの端部39cに入射される。端部39cに入射した参照光は、光ファイバ38cを介して、ファイバーカップラー26に達する。
そして、光源27から発せられた光によって前述のように生成される参照光と、照射された測定光が被検者眼眼底により反射された眼底反射光は、ファイバーカップラー26にて合成され干渉光とされた後、光ファイバ38dを通じて端部84aから出射される。
分光光学系(スペクトロメータ部)800は、周波数毎の干渉信号を得るために干渉光を周波数成分に分光する役割を持ち、干渉光を出射する端部84aから受光素子83に向かって、折り曲げミラー85、コリメータレンズ80、グレーティング(回折格子)81、集光レンズ82、が配置されて構成される光学系である。受光素子83は、赤外域に感度を有する画素を一次元方向に配列して形成された一次元受光素子(ラインセンサ)である。受光素子83は、水平方向に配置される。また、透過型のグレーティング81は、水平方向に反射光を分光することとなる。なお、詳細な説明は略すが、受光素子83は受光面の短手方向(紙面垂直方向)に対する入射光軸のずれを調整する高さ調節機構を有しており、制御部70が受光素子83の受光状態に応じて受光素子83の高さを調整することで受光面を外すことなく干渉光が全て受光されるように調整し、精度の高い画像を得る構成を備える。
ここで、端部84aから出射光軸に沿って進行方向に出射された干渉光は、光軸を折り返すための折り曲げミラー(以下、ミラー)85にて光路が90度以上折り曲げられ、コリメータレンズ80にて平行光とされた後、グレーティング81にて周波数成分に分光される。そして、周波数成分に分光された干渉光は、集光レンズ82を介して、受光素子83の受光面に集光される。これにより、受光素子83上で干渉縞のスペクトル情報が記録される。そして、そのスペクトル情報が制御部70へと入力され、フーリエ変換を用いて解析することで、被験者眼の深さ方向における情報が計測可能となる。
図2は、分光光学系800の模式的拡大図である。本実施形態では、分光光学系800の各光学部材は、熱膨張率(熱特性)の異なる2種類の素材にて形成された平板状のシャーシ90上に光路を折り返されて配置される。
シャーシ90は、分光光学系800の全体が収まる面積を有した平板状の第1の基台91と、基台91に固定され分光光学系800の光学部材を一部配置する大きさを有した平板状の第2の基台92とで構成される。具体的にには、基台91には光ファイバ38dの出射端である端部84aが固定保持され、基台92にはミラー85とミラー85により折り曲げられた干渉光が受光素子83に到るまでに配置される光学部材が固定保持される。なお、本実施形態では、基台91上に基台92が当接するように載せられ、後述する固定保持手段であるピン92aにて固定される。また、基台91は、熱膨張率β1の材料、具体的には、基台92に対して熱膨張率が相対的に高い材料(例えば、アルミニウム)で形成される。また、基台92は、熱膨張率β2の材料、具体的には、基台91に対して熱膨張率が低い材料(例えば、鉄)で形成される。
ここで、ミラー85は、分光光学系800の光路を折り曲げて進行方向を変える役割を有し、端部84aからミラー85までの光路Aと、ミラー85から受光素子83までの光路Bと区切る役目を果たす。光路Bは、光路の途中がグレーティング81で折り曲げられているため、光路Bが「への字」状とされる。なお、本実施形態では、端部84aから出射される干渉光の出射光軸と、受光素子83にて受光する干渉光の入射光軸とが略平行であり、その進行方向が互いに逆向きとなるように、グレーティング81による干渉光の偏向角度を考慮してミラー85の反射角度が決定されている。また、本実施形態では、光路Bの全長が光路Aの全長よりも長くなるように、各光学部材の配置がされている。ここで、光路Aの全長とは、端部84aから折り曲げミラー85までの距離DAとし、光路Bの全長とは、折り曲げミラー85から受光素子83までの距離DBと定義する。
基台91、92は、装置内に設置される電気部品(例えば、制御部や受光素子等)の温度変化、室温の温度変化等によって熱膨張し、基台91、92上の干渉光が通るぞれぞれの光路の全長(距離DA,距離DB)がそれぞれ変化することを許容するように固定保持される。本実施形態では、図示するように、分光光学系800の末端となる受光素子83の受光面と同じ平面に位置する基台92上に、受光素子83を間に位置するように一対のピン92aを置き、このピン92aによって基台92を基台91に対して固定することにより、基台92が所定の方向(入射光軸に沿う方向)に伸縮(伸展)可能なように固定保持される。逆に言えば、基台91は基台92に対して、所定の方向に伸縮可能なように固定保持されることとなる。なお、本実施形態では、基台92の伸展方向を長手方向と規定する。固定保持手段となるピン92aの固定点を基準として基準ラインを設定すると、2つのピン92aを結ぶ直線が基準ラインSとなる。本実施形態では、この基準ラインSは、熱膨張によって膨張する基台91,92に配置されたある光学部材との距離の変化を求める際の基準となり、入射光軸と直交するように形成される。なお、端部84aは受光素子83(基準ラインS)よりも、前方に位置するように基台91に固定保持されている。なお、本実施形態では、受光素子83の受光面と同じ平面に位置する基台92上にピン92aを置くものとしているが、これに限るものではない。受光素子83の前方に配置された端部84aが、基準ラインSから受光素子83の前方方向に向かって伸展されるように固定点が置かれる構成であればよく、具体的には、基準ラインSが端部84aの出射光軸と交差しないように基台91に対する基台92の固定点が置かれる構成であればよい。本実施形態では、受光素子83の受光面と同じラインと、このラインに平行で端部84aを通るラインとの間の領域に基準ラインSが設定されるようにピン92aを配置する。これにより、分光光学系800を小さくできる。
また、基台91は、前述の筐体の内部にピン91aにて固定される。また、ピン91aは弾性を有する固定保持部材であり、基板91等への振動の伝達を抑制すると共に、基台91の温度変化による伸縮を許容(吸収)する役割を持つ。温度変化による基台91の反り、捩じれ等が抑制され、分光光学系800の光軸ずれ等が抑制される。なお、基台91は、基台91と同様の熱膨張率を持つ材料で形成された部材に固定される構成であってもよい。なお、基準ラインSは、基台91、92の熱膨張の基準となる。
このような構成の分光光学系800において、温度変化による光学系の全長の変化の抑制について説明する。具体的には、装置又は装置周囲の温度変化によって生じる基台91、92の熱膨張の差を利用することによって、熱膨張によって生じる端部84aから受光素子83に到るまでの距離の変化量を抑制する。ここでは、熱膨張による光路Aの全長が短くなる場合の変化量と、光路Bの全長が長くなる場合の変化量との差を小さくし、分光光学系800の全長の変化を抑制している。具体的には、基台91、92の温度が温度Tから温度Taへと変化(上昇)する場合を考える。ここで、端部84aから受光素子83に到るまでの距離の変化の許容誤差、つまり、受光素子83の受光面へと集光される干渉光の集光状態(結像状態)に影響が出にくい、許容される誤差の範囲をEとする。基台91、92の熱膨張率の差を利用することによって,光路A及び光路Bのそれぞれの全長の温度変化量の和が許容誤差Eの範囲に収まるように、つまり、|DA・β1・(Ta−T)+DB・β2・(Ta−T)| < |E|の関係式が成り立つように、基台91、92の材料(熱膨張率β1、β2)が選択され、端部84aから折り曲げミラー85までの距離及び折り曲げミラー85から受光素子83までの距離(距離DA、DB)が決定されるものとする。なお、許容誤差Eは、例えば、±150μmとされ、分光光学系800の光学配置等で、50〜200μmの範囲で設定される数値とされる。また、温度Tは、干渉光が好適に受光素子の受光面に好適に集光するように、分光光学瑛800の各光学部材の配置を調整した際の温度(設計時の想定温度)とされる。
ここで、図2に示すように、基準ラインSからミラー85までの距離、ここでは、基準ラインSと出射光軸の延長線の交点からミラー85と出射軸の交点を結ぶ直線の距離(長さ)をD1(光路Bの長手方向成分の長さに相当)とする。また、端部84aからミラー85までの距離、ここでは、出射光軸上の端部84aとミラー85を結ぶ直線の長さをD2(光路Aの全長に相当)とする。さらに、熱膨張後の基準ラインSからミラー85までの距離をD1a、端部84aからミラー85までの距離をD2aとする(図示せず)。以上のような関係から、基準ラインSと端部84aまでの距離、ここでは、出射光軸の延長線と基準ラインSの交点と、端部84aまでの距離は、D1−D2となり、熱膨張後では、D1a―D2aとなる。なお、基台91、92の厚みは、2次元方向(各光学部材の配置面)と比較して充分薄い厚みとされるため、厚み方向の熱膨張は実質的に無視できる。なお、熱膨張量は、熱膨張率と温度と長さ(ある2点間の距離)の積で表される。
基準ラインSは固定点を基準として設定しているため、温度上昇に伴って基台91、92は、基準ラインSに対して長手方向にそれぞれ伸展する。まず、基台91は、熱膨張により長手方向に伸展する。このとき、端部84aは基準ラインSから遠ざかるように伸展することとなる。同様に、基台92も基準ラインSを基準として長手方向に伸展する。このため、ミラー85もまた基準ラインSから遠ざかることとなる。このとき、ミラー85から受光素子83までの各光学部材の間の距離が各々伸展することとなり、光路Bの全長が長くなる。従って、基準ラインSからミラー85までの距離はD1より長いD1aとなり、D1<D1aの関係が成り立つ。
ここで、基台92は、基台91の熱膨張率β1より低い熱膨張率β2の材料で形成されているため、基台92の伸展量は相対的に小さい。一方、基台91の伸展量は基台92に大して大きい。例えば、基準ラインSから等距離はなれた基台91、92のそれぞれの点に着目すると、基台91のある点は基台92のある点よりも基準ラインSから離れることとなる。
また、本実施形態では、光路Bの全長(DA)が光路Aの全長(DB)よりも長く、図示するように、光路A,Bの長手方向の長さにおいても光路Bの方が長くなる(D1>D2)ように形成されている。このため、基準ラインSから遠ざかったミラー85の膨張による移動量を、基準ラインSから遠ざかった端部84aの膨張による移動量が上回ることとなり、端部84aは相対的にミラー85に近づくこととなる。従って、熱膨張後の端部84aからミラー85までの距離は、D2より短かいD2aとなり、D2>D2aの関係が成り立つ。
したがって、膨張により伸びたD1aの変化量(D1a―D1)は、D2に対して短くなるとされるD2aの変化量(D2a―D2)によって実質的に抑えられることとなり、結果としてシャーシ90の熱膨張による端部84aから受光素子83までの距離の変化が抑制されることとなる。
したがって、熱膨張前のD1−D2(基準ラインSから端部84aまでの距離)に対して、熱膨張後のD1a―D2aが大きくなるように(D1−D2<D1a―D2aとなるように)、さらに好ましくは、基準ラインSからミラー85までの距離D1と、端部84aからミラー85までの距離D2において、基台の膨張によるそれぞれの距離の変化量をΔD1、ΔD2とすると、|ΔD1|≒|ΔD2|の関係が成り立つように、基台91,92の材料の選択、及び光路A、Bを設計する(DA,DBを決定する)ことにより、分光光学系800の全長の熱膨張による変化を抑制することができる。
以上のように、分光光学系800を熱膨張率の異なる2種類の基台からなるシャーシ90に配置することにより、装置又は装置の周囲の温度変化により分光光学系800(シャーシ90)の温度が変化しても、基台91、92の熱膨張率の差を利用することによって端部84aから受光素子83までの距離の変化を抑制できる。これにより、端部84aから出射された干渉光が、受光素子83の受光面に集光(結像)する際に光軸方向に沿ってずれにくくなり、干渉光を精度よく受光素子に集光させることができる。これにより、後述するOCT光学系200によるOCT画像(断層画像)の取得が精度よく行え、好適な断層画像を得られる。また、ミラー85にて干渉光を折り曲げることにより、分光光学系800の全長(長手方向の長さを指す)を短くできる。
制御部70は、走査部23により測定光を眼底上で所定の横断方向に走査することにより断層画像を取得できる。例えば、X方向もしくはY方向に走査することにより、被検者眼眼底のXZ面もしくはYZ面における断層画像を取得できる(なお、本実施形態においては、このように測定光を眼底に対して1次元走査し、断層画像を得る方式をBスキャンとする)。なお、取得された断層画像は、制御部70に接続されたメモリ72に記憶される。さらに、測定光をXY方向に2次元的に走査することにより、被検者眼眼底の3次元画像を取得することも可能である。なお、本実施形態におけるOCT画像の取得は、走査部23に設けられた2つのガルバノミラーによって行われる。
次に、ダイクロイックミラー40の透過方向に配置されたSLO光学系(共焦点光学系)300について説明する。SLO光学系300は、被検者眼眼底を照明する照明光学系と、該照明光学系によって照明された被検者眼反射光を受光素子により受光する受光光学系とに大別され、受光素子から出力される受光信号に基づいて被検者眼眼底の正面画像を得る。
SLO光源61は高コヒーレントな光を発し、例えば、λ=780nmのレーザダイオード光源とされる。SLO光源61から発せられるレーザ光を被検者眼Eに向けて出射する光路には、被検者眼の屈折誤差に合わせて光軸方向に移動可能なフォーカシングレンズ63、走査駆動機構52の駆動により眼底上でXY方向に測定光を高速で走査させることが可能なガルバノミラーとポリゴンミラーとの組み合せからなる走査部64、リレーレンズ65、対物レンズ10が配置されている。また、走査部64のガルバノミラー及びポリゴンミラーの反射面は、被検者眼瞳孔と略共役な位置に配置される。
また、SLO光源61とフォーカシングレンズ63との間には、ビームスプリッタ62が配置されている。そして、ビームスプリッタ62の反射方向には、共焦点光学系を構成するための集光レンズ66と、眼底に共役な位置に置かれる共焦点開口67と、SLO用受光素子68とが設けられている。
ここで、SLO光源61から発せられたレーザ光(測定光)は、ビームスプリッタ62を透過した後、フォーカシングレンズ63を介して、走査部64に達し、ガルバノミラー及びポリゴンミラーの駆動により反射方向が変えられる。そして、走査部64で反射されたレーザ光は、リレーレンズ65を介して、ダイクロイックミラー40を透過した後、対物レンズ10を介して、被検者眼眼底に集光される。
そして、眼底で反射したレーザ光は、対物レンズ10、リレーレンズ65、走査部64のガルバノミラー及びポリゴンミラー、フォーカシングレンズ63を経て、ビームスプリッタ62にて反射される。その後、集光レンズ66にて集光された後、共焦点開口67を介して、受光素子68によって検出される。そして、受光素子68にて検出された受光信号は制御部70へと入力される。制御部70は受光素子68にて得られた受光信号に基づいて被検者眼眼底の正面画像を取得する。取得された正面画像はメモリ72に記憶される。なお、SLO画像の取得は、走査部64に設けられたガルバノミラーによるレーザ光の縦方向の走査(副走査)とポリゴンミラーによるレーザ光の横方向の走査(主走査)によって行われる。
なお、制御部70には、表示モニタ75に接続され、その表示画像を制御する。また、制御部70には、メモリ72、操作スイッチ群74(測定開始スイッチ74a、測定位置設定スイッチ74b、撮影開始スイッチ74c)、参照ミラー駆動機構50、フォーカシングレンズ63を光軸方向に移動させるためのレンズ駆動機構63a、フォーカシングレンズ24を光軸方向に移動させるためのレンズ駆動機構24a、等が接続されている。なお、レンズ駆動機構24a,63aは、図示なきフォーカスノブの手動操作や制御部70からの制御信号により同時に駆動する構成とされている。
次に、BスキャンによりXZ面の断層画像(Bスキャン画像)を取得する手法について説明する。図3は、BスキャンによるOCT画像(右側)と2次元的なスキャンによるSLO画像(左側)を逐次取得する際の動作について説明する図である。ここで、制御部70は、OCT光源27とSLO光源61を交互に点灯させることによって被検者眼の眼底像を得るために被検者眼の眼底に照射される照射光を,OCT光学系200を介して照射される測定光とSLO光学系を介して照射されるレーザ光とで切り換える。よって、制御部70には、OCT光学系200に配置された受光素子83によって検出される干渉信号とSLO光学系300に配置された受光素子68によって検出される受光信号が逐次入力される。
ここで、制御部70は、SLO画像の1フレーム分の走査エリアのうち、画像取得に影響を及ぼし難い、上下端部のエリア(図3のハッチング部分)を、OCT画像取得に必要な時間分に相当する領域として、その領域に位置する間、SLO光源61をOFFとする。そして、SLO光源61がOFFの間に、OCT光源27をONにしてBスキャンにてOCT画像を取得する。
この場合、OCT画像取得に必要な時間分に相当するSLO画像取得における上下方向の走査線の本数を求め、求めた走査線分をSLO画像の取得エリアの上下端側から均等に設定する。そして走査部64のガルバノミラーによってレーザ光が走査されている間、設定された走査線部分に位置する間だけ、SLO光源61を消灯し、代わりにOCT光源27を点灯させる制御を交互に行う。このOCT光源27が点灯している間に少なくとも1フレーム分のOCT画像の取得が行われる。制御部70は、このような制御を連続して行い、交互に得られたSLO画像及びOCT画像を、表示モニタ75に同時に動画として表示させる。なお、ガルバノミラー及びポリゴンミラーを有する走査部64による眼底上の照射光の走査範囲は、モニタ75に表示される画像領域よりも充分に広い範囲を走査可能としている。本実施形態では走査部64によって常に最大限の走査範囲を走査するのではなく、表示モニタ75に表示するのに必要とされる走査領域程度を走査するものとしている。
以上のような構成を備える装置において、その動作について説明する。ここで、制御部70は、OCT光学系200及びSLO光学系300を駆動制御してOCT画像(断層画像)及びSLO画像の各画像を1フレーム毎に取得していき、モニタ75を表示制御してモニタ75に表示されるOCT画像及びSLO画像を随時更新する。なお、検者の設定によらない最初のOCT画像の取得位置は、例えば、SLO画像の中心位置から水平方向に所定領域分としてある。
まず、検者は、測定開始スイッチ74aの操作し装置を駆動させ、図示なき固視灯を注視するように被験者に指示した後、図示なき前眼部観察用カメラによって撮像される前眼部観察像をモニタ75上で見ながら、被検者眼の瞳孔中心に測定光軸L1が置かれるように、図示無きジョイスティックを用いてアライメント操作を行う。光軸方向に対するアライメントは、モニタ75に表示される被検者眼眼底の正面画像(SLO眼底像)が最も明るく鮮明に表示されるように行う。また、フォーカス用ノブを操作して、モニタ75にSLO眼底像がコントラスト良く表示されるようにフォーカシングレンズ63を光軸方向に移動させる。なお、フォーカス用ノブの操作により同時にフォーカシングレンズ24も移動し、OCT画像のフォーカス調整も行われる。このような手動操作によって位置合わせが行われ、モニタ75に好適な状態でSLO眼底像が表示される。
同一画面上に表示されるSLO画像のフォーカスが適正な状態になったら、検者はリアルタイムで観察される表示モニタ75上のSLO画像から検者の撮影したい断層画像の位置を設定する。検者は、測定位置設定スイッチ74bを操作して、図4に示すように画面上のSLO画像上に電気的に表示される測定位置(取得位置)を表すラインLSをSLO眼底画像に対して移動させていき、測定位置を設定する。
そして、制御部70は、設定された測定位置に基づいてBスキャンによるXZ面の断層画像の撮影動作を行う。すなわち、制御部70は、画面上のSLO画像上に設定されたラインLSの表示位置に基づいてこのラインLSの位置における眼底の断層画像が得られるように、走査部23を駆動させて測定光を走査させる。なお、ラインLSの表示位置(モニタ上における座標位置)と走査部23による測定光の走査位置との関係は、予め定まっているので、制御部70は設定したラインLSの表示位置に対応する走査範囲に対して測定光が走査されるように、走査部23の2つのガルバノミラーを適宜駆動制御する。
ここで、検者によってラインLSがSLO眼底画像に対して移動されると、制御部70は、随時測定位置の設定を行い、これに対応する測定位置の断層画像の取得を行う。そして、取得された断層画像を随時モニタ75の表示画面上に表示する。このようにして、検者の所望する断層画像がモニタ75に表示され、検者によって撮影開始スイッチ74cが押されると、所望する断層画像と正面画像がメモリ72に記憶される。
なお、以上説明した本実施形態では、分光光学系の光路中にミラーを1枚配置し、光路を所定の角度(ここでは、90度以上)折り曲げ、入射光軸と出射光軸を略平行とするように光路を折り曲げる構成としたが、これに限るものではない。例えば、ミラーを複数用い、複数のミラーの折り曲げ角度が90度以上となる構成としてもよいし、入射光軸と出射光軸とを略平行としなくとも、光ファイバの出射端から受光素子に到るまでの距離の変化が抑制できるように、光ファイバから出射された干渉光が逆方向に折り曲げられ、折り曲げられた前後の光路の全長が、基台の熱膨張によって一方が伸び、他方が相対的に縮むような関係が得られていればよい。また、本実施形態の透過型のグレーティングを、反射型のグレーティングミラーとし、グレーティングミラーに折り返しミラーの役割を持たせてもよい。
なお、以上説明した本実施形態では、光ファイバの出射端を第1の基台に固定保持し、折り曲げミラー及び折り曲げミラーから受光素子までの光学部材を第2の基台に配置する構成としたが、これに限るものではない。熱膨張による干渉光が通る光学系の全長(光ファイバの出射端から受光素子までの距離)の変化を抑制できる構成であればよく、第1の基台と第2の基台に配置する光学部材が逆であってもよい。また、本実施形態では、第1の基台を相対的に熱膨張率の高い材料(第2の基台を相対的に熱膨張率の低い材料)で形成する構成としたが、これに限るものではない。熱膨張による干渉光の光路長の変化を抑制できる構成であればよく、第1及び第2の基台の熱膨張率の関係が逆であってもよい。このような場合には、分光光学系の光路を折り曲げミラーで分割する際に光ファイバの出射端から折り曲げミラーまでの距離と折り曲げミラーから受光素子までの距離のうち、相対的に短い方の光路を構成する光学部材を熱膨張率の高い材料で形成した基台に光学配置する構成であればよい。
なお、以上説明した本実施形態では、ピンにて第1及び第2の基台を固定保持する構成としたが、これに限るものではない。固定保持手段の固定点を基準として基準ラインが設定さえる構成であればよく、第1及び第2の基台がそれぞれ装置の筐体に固定される構成であってもよい。
なお、以上説明した本実施形態では、光ファイバを用いて干渉光を分光光学系に導光する構成としたが、これに限るものではない。温度変化によって、干渉光が集光され受光素子に受光される集光状態の変化を抑制される構成であればよい。例えば、熱膨張率β1の材料で形成される第1の基台に分光光学系に用いる一部の光学部材を固定保持し、第1の基台に対して異なる熱膨張率β2を持つ材料からなる第2の基台に前述の第1の基台に固定される一部の光学部材と異なる分光光学系の光学部材を固定保持する。ここで、一部の光学部材から折り曲げミラーまでの距離Da、折り曲げミラーから受光素子までの距離Dbとし、受光素子の受光面に集光される干渉光の集光状態に影響を及ぼす干渉光学系の全長の変化の許容誤差をECとすると、前述と同様に、|Da・β1・(Ta−T)+Db・β2・(Ta−T)| < |EC|の関係が成り立つように、β1、β2、Da、Dbが決定される構成であればよい。これにより、Da、Dbの変化の差が小さくされ、温度の変化による干渉光の集光状態に影響を及ぼす干渉光学系(又は分光光学系)の全長の変化が抑制されることで、好適な画像が得られる。
なお、以上説明した本実施形態では、装置又は装置周囲の温度が上昇する場合に、分光光学系の光路長の変化を抑制する構成としたが、これに限るものではない。装置又は装置周囲の温度が降下する場合でも同様に分光光学系の全長の変化を抑制できる。これは、基台に配置された部材間の距離の変化が、熱膨張率と温度と長さで規定されることに依るためである。
本実施形態の眼底撮影装置の光学系及び制御系を示した図である。 分光光学系800の模式的拡大図である。 SLO画像とOCT画像とを逐次取得する方法を示した図である。 SLO画像からOCT画像を選択するための表示画面を示した図である。
符号の説明
23 走査部
64 走査―部
70 制御部
72 メモリ
74 操作スイッチ群
75 表示モニタ
83 受光素子
84a 端部
85 折り曲げミラー
200 OCT光学系
300 SLO光学系
800 分光光学系

Claims (5)

  1. 低コヒーレント長の光束を出射する光源から発せられた測定光を被検者眼に向けて照射するとともに該被検者眼に対して前記測定光を走査する走査手段を持つ照射光学系と,前記光源から発せられた光を分光することによって生成される参照光と被検者眼に照射された前記測定光の反射光との合成により得られる干渉光を周波数成分に分けて受光素子に受光する干渉光学系と,を持ち、前記受光素子の受光結果に基づいて被検者眼の断層画像を得る眼科撮影装置において、
    前記干渉光学系は前記干渉光を導光するための光ファイバと,
    該光ファイバから出射した前記干渉光を該出射時における進行方向と逆方向にて前記受光素子に入射させるために所定の角度にて折り返すための折り曲げミラーと,
    を有する構成とされ、
    前記光ファイバの出射端を固定保持し熱膨張率β1を持つ材料からなる第1の基台と、
    前記折り曲げミラー,及び該折り曲げミラーにより折り曲げられた後の前記干渉光が通る光路上に配置される前記受光素子に到るまでの光学部材を固定保持するための第2の基台であって,前記第1の基台と異なる熱膨張率β2を持つ材料からなる第2の基台と、
    前記両基台上に形成される前記出射端から前記折り曲げミラーまでの距離DAと前記折り曲げミラーから前記受光素子までの距離DBが前記両基台の熱膨張によってそれぞれ変化することを許容するように前記第1の基台と第2の基台とを固定保持する固定保持手段と、を備え、
    装置,又は装置周囲の温度が温度Tから温度Taへと変化する場合の前記出射端から前記受光素子に到るまでの距離の変化の許容誤差をEとすると,前記第1及び第2の基台の熱膨張率の差を利用することによって,
    |DA・β1・(Ta−T)+DB・β2・(Ta−T)| < |E|
    となるように、前記第1の基台の材料及び前記第2の基台の材料が選択され,前記出射端から前記折り曲げミラーまでの距離及び前記折り曲げミラーから前記受光素子までの距離が決定されていることを特徴とする眼科撮影装置。
  2. 請求項1の眼科撮影装置において、前記固定保持手段によって前記第1の基台に固定される前記第2の基台の固定点を基準とした基準ラインを設定し,該基準ラインから折り曲げミラーまでの距離をD1,前記出射端から折り曲げミラーまでの距離をD2、熱膨張後の前記基準ラインから折り曲げミラーまでの距離をD1a,前記出射端から折り曲げミラーまでの距離をD2aとした場合に、D1>D2、かつ、D1−D2<D1a−D2aとなるように、前記第1及び第2の基台の材料,前記出射端から前記折り曲げミラーまでの距離及び前記折り曲げミラーから前記受光素子までの距離が決定されることを特徴とする眼科撮影装置。
  3. 請求項2の眼科撮影装置において、前記出射端から折り曲げミラーまでの距離に対して前記折り曲げミラーから前記受光素子までの距離が長い場合には、前記第2の基台は前記第1の基台よりも低い熱膨張率を持つ材料にて形成され、前記出射端から折り曲げミラーまでの距離に対して前記折り曲げミラーから前記受光素子までの距離が短い場合には、前記第2の基台は前記第1の基台よりも高い熱膨張率を持つ材料にて形成されることを特徴とする眼科撮影装置。
  4. 請求項2又は3の眼科撮影装置において、前記光ファイバの出射光軸と前記受光素子に入射する入射光軸とは略平行であることを特徴とする眼科撮影装置。
  5. 低コヒーレント長の光束を出射する光源から発せられた測定光を被検者眼に向けて照射するとともに該被検者眼に対して前記測定光を走査する走査手段を持つ照射光学系と,前記光源から発せられた光を分光することによって生成される参照光と被検者眼に照射された前記測定光の反射光との合成により得られる干渉光を周波数成分に分けて受光素子に集光させ受光させる干渉光学系と,を持ち、前記受光素子の受光結果に基づいて被検者眼の断層画像を得る眼科撮影装置において、
    前記干渉光学系に用いる一部の光学部材を固定保持し熱膨張率β1を持つ材料からなる第1の基台と、
    該第1の基台に対して異なる熱膨張率β2を持つ材料からなる第2の基台であって,前記第1の基台に固定される前記一部の光学部材と異なる前記干渉光学系の光学部材を固定保持するための第2の基台と、
    前記両基台上に形成される前記一部の光学部材から前記折り曲げミラーまでの距離Daと前記折り曲げミラーから前記受光素子までの距離Dbが前記両基台の熱膨張によってそれぞれ変化することを許容するように前記第1の基台と第2の基台とを固定保持する固定保持手段と、を備え、
    装置,又は装置周囲の温度が温度Tから温度Taへと変化する場合,前記受光素子に集光させる前記干渉光の集光状態に影響を及ぼす前記干渉光学系の全長の変化の許容誤差をECとすると,前記第1及び第2の基台の熱膨張率の差を利用することによって,
    |Da・β1・(Ta−T)+Db・β2・(Ta−T)| < |EC|
    となるように、前記第1の基台の材料及び前記第2の基台の材料が選択され,前記出射端から前記折り曲げミラーまでの距離及び前記折り曲げミラーから前記受光素子までの距離が決定されていることを特徴とする眼科撮影装置。
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